以下、本発明の第一実施例を、図面を参照して説明する。
本実施例では、図1及び図2に示すように、第一の配策材をなす可撓性配策材2と、第二の配策材をなし、可撓性配策材2よりも高剛性で平板状の平型配策材3と、配策材2、3を結束ないし拘束する結束部材5R、5Lと、車体100側に組み付けるための係合部40と、配策材2、3と共に結束部材5R、5Lに結束保持される被結束部41R、41L(取付部)とを一体に有した係合部材4と、を備えた配策材の結束構造1が形成される。
可撓性配策材2は、長手状に延出する複数の配線が束をなした可撓性を有する部材である。ここでの可撓性配策材2は、信号線を形成するワイヤーハーネスである。なお、本発明の可撓性配策材2は、ワイヤーハーネスに限るものではない。
平型配策材3は、平板状をなして長手状に延出し、可撓性配策材2よりも高剛性かつ低撓性を有する部材である。ここでの平型配策材3は、電源線を形成する金属製のバスバーである。平型配策材3は、外周面を形成する四面がそれぞれ平型配策材3自身の長手方向に延びる平面として形成されている。平型配策材3の主面は、図3に示すように、それら外周の四面のうち、最も広面積をなす表裏面3a、3b(主表面3a及び主裏面3b)のことをいうものとする。なお、本発明の平型配策材3は、フラット電線をなすFFC(Flexible Flat Cable)やFPC(Flexible Printed Circuit)でもよく、バスバーに限るものではない。
係合部材4は、図6及び図7に示すように、車体100側に組み付けるための係合部40を有する。
係合部40は、車体100側に設けられた固定部101の所定の固定孔101H(図5参照)に挿入されることにより、その固定孔101Hに対し、抜け止め状態となるよう係合して組み付くアンカー部である。ここでの係合部40は、図6及び図7に示すように、固定孔101Hに挿入される柱部40Bと、柱部40Bと共に固定孔101Hに挿入され、挿入した先で固定孔101Hの周辺部101Rに対し抜け止め状態となるよう係合する弾性係止片40Aと、その抜け止め状態において固定孔101Hの周辺部101Rを弾性係止片40Aとの間で挟み込む当接部40Cと、を有する。
弾性係止片40Aは、柱部40Bの先端側(図6及び図7の柱部40Bの上側)からその基端側(図6及び図7の柱部40Bの下側)に向かうほど柱部40Bから離れる側に拡がる形状をなし、その基端側が柱部40Bに接近する弾性変形が可能とされている。弾性係止片40Aは、固定孔101Hに対し所定の挿入方向Zに向けて挿入されると、固定孔101Hの周辺部101Rによって孔内向き(図6の矢印R側)に押し込まれ、柱部40Bに接近する弾性変形が生じるが、所定位置まで挿入されると、固定孔101Hの周辺部101Rに対し挿入方向Zの奥側(図6及び図7上側)から係止し、挿入方向Zの逆向きへの抜けが阻止された抜け止め状態となる。
当接部40Cは、柱部40Bの基端側から挿入方向Zに向けて皿状に広がる形状をなしており、固定孔101Hの周辺部101Rに対し環状をなして当接する。当接部40Cは、上述の抜け止め状態において、固定孔101Hの周辺部101Rに対し挿入方向Zの手前側(図6及び図7下側)から当接し、弾性係止片40Aとの間で当該周辺部101Rを挟み込む。これにより、係合部40は、固定孔101Hに対し抜け止め状態となって組み付く。また、当接部40Cは、固定孔101Hの挿入方向Zの奥側(図6及び図7上側)から手前側(図6及び図7下側)へと固定孔101Hを通って進入する異物(埃等)を防ぐ役割も果たしている。
また、係合部材4は、図1及び図2に示すように、平型配策材3を取り付けるための取付部として、被結束部41R、41Lを有する。
被結束部41R、41L(取付部)は、平板状の平型配策材3を含む1又は複数の配策材2、3に添設されて結束部材5R、5Lにより結束される。被結束部41R、41Lは、結束部材5R、5Lによって配策材2、3が結束される際に、それら配策材2、3と共に取り巻かれて結束保持される配策材2、3のための取付部である。また、ここでの被結束部41R、41Lは、結束部材5R、5Lによって配策材2、3と共に結束保持された結束保持状態において、配策材2、3の長手方向Xに延出する袖部である。具体的にいえば、被結束部41R(第一側袖部)は、中間に位置する係合部40を基端側として上記結束保持状態における配策材2、3の長手方向Xの第一側(XR側)に延出する。他方、被結束部41L(第二側袖部)は、中間に位置する係合部40を基端側として第一側とは逆の長手方向Xの第二側に延出する。
結束部材5R(第一側結束部材)は、図1に示すように、係合部材4の係合部40に対し上記長手方向Xの第一側(XR側)で、平型配策材3と可撓性配策材2と共に被結束部41Rを結束する。他方、結束部材5L(第二側結束部材)は、第一側とは逆の長手方向Xの第二側(XL側)で、平型配策材3と可撓性配策材2と共に被結束部41Lを結束する。
ここでの結束部材5R、5Lは、可撓性を有した長手状の部材であり、図3に示すように、結束対象と対面する側の面(結束対象を取り巻いたときの内周面)が接着面5bをなすテープ部材である。結束部材5R、5Lは、取り巻いた結束対象との接触部分に対し接着するとともに、自身の両端部が重なる形で互いに接着することにより結束状態となる。なお、結束部材5R、5Lは、テープ部材に限らず、ベルト部とバックル部とを有したベルト部材等であってもよい。
結束部材5R、5Lの結束対象には、平型配策材3と可撓性配策材2と共に、係合部材4の対応する被結束部41R、41Lが含まれている。このため、結束部材5R、5Lは、平型配策材3と可撓性配策材2と共に被結束部41R、41Lを結束し、上記の結束状態となることにより、平型配策材3と可撓性配策材2とが係合部材4に取り付けられて保持された結束保持状態となる。
ところで、被結束部41R、41Lは、係合部材4を配策材2、3に対しその長手方向Xに移動可能となる形で取り付けるための部位である。ここでの被結束部41R、41Lは、配策材2、3の長手方向Xに摺動する形で移動可能とされた摺動部をなす。その摺動が容易となるように、本実施例の被結束部41R、41Lは、図1及び図2に示すように、結束部材5R、5Lによる上記の結束保持状態において結束部材5R、5Lと密着する結束部材側外表面41bに、結束部材5R、5Lとの密着面積を減少させることにより該結束部材5R、5Lとの摺動抵抗を減じる摺動抵抗低減部として、凹凸部41Tが設けられている。さらに、ここでの被結束部41R、41Lは、凹凸部41Tが設けられていることによって、配策材2、3を、その長手方向Xだけではなく、その長手方向Xと係合部40の軸線との双方に直交する直交方向Yにもわずかに摺動できる。
ここでの凹凸部41Tは、被結束部41R、41Lにおいて配策材2,3との対向面とは反対側で、結束部材に対向する結束部材側外表面41bに形成され、上記の結束保持状態において結束部材との接触面積を減少させている。凹凸部41Tは、凹部及び凸部のいずれか又は双方が長手方向Xに延びる形で形成されている。被結束部41R、41Lには、図3に示すように、平型配策材3が載置される載置面41aが、載置される平型配策材3の長手方向Xに直線状に延出して形成されている。凹凸部41Tは、その載置面41aには非形成とされ、載置面41aの裏側の結束部材側外表面41bにおいて、長手方向Xに直線状に延びる形で形成されている。
このような凹凸部41Tが形成されていることにより、係合部材4は、図1に示すように、平型配策材3と可撓性配策材2と対応する被結束部41R、41Lとを結束部材5R、5Lによって結束した結束保持状態において、結束部材5R、5Lと平型配策材3に対し被結束部41R、41Lを摺動させる形で、平型配策材3と可撓性配策材2に対し、主には長手方向Xに移動可能とされ、さらには直交方向Yにもわずかに移動可能とされている。本実施例において結束保持状態となった結束部材5R、5Lは、図3に示すように、内周側の平型配策材3と可撓性配策材2と係合部材4の被結束部41R、41Lを挟圧して結束するとともに、それらとの接着によってその結束状態を維持している。ところが、結束部材5R、5L(図3では5Rのみ)は、被結束部41R、41Lとの密着面積(接触面積)が凹凸部41Tによって減じられていることにより、被結束部41R、41Lとの間の接着力が低下している。このため、被結束部41R、41Lを有する係合部材4だけが、結束及び接着により固定されている残余の部材2、3、5R、5Lに対し摺動して移動することができる。
具体的にいえば、図4に示すように、被結束部41R、41Lの凹凸部41Tは、結束部材5R、5Lが平型配策材3と可撓性配策材2と被結束部41R、41Lを取り囲む周方向における区間5r内で結束部材5R、5Lと対向する。区間5rには、凹凸部41Tが結束部材5R、5Lと密着する密着区間5r1と、結束部材5R、5Lとの間に空隙5Sが介在する形で対向する非密着区間5r2とが凹凸によって形成され、これらの凹凸により、上記の結束保持状態において密着する結束部材5R、5Lとの接触面積が減じられている。ここでの密着区間5r1は、係合部材4の被結束部41R、41Lがテープ部材をなす結束部材5R、5Lの接着面5bと接着する接着区間であり、非密着区間5r2は、係合部材4の被結束部41R、41Lが結束部材5R、5Lの接着面5bと接着しない非接着区間である。密着区間5r1(接着区間)が長くて結束部材5R、5Lとの密着面積(接着面積)が広い場合、係合部材4は、接着面5bとの摺動抵抗(接着力を含む)が大きくなり、結束部材5R、5Lと平型配策材3との間で摺動しにくくなる。他方、非密着区間5r2(非接着区間)が短くて結束部材5R、5Lとの密着面積(接着面積)が狭い場合、係合部材4は、接着面5bとの摺動抵抗(接着力を含む)が小さくなり、結束部材5R、5Lと平型配策材3との間で摺動しやすくなる。
なお、ここでの凹凸部41Tは、図2及び図4に示すように、係合部40から長手方向Xに延びる突条部41T1と、当該突条部41T1に隣接する段差凹部41T2とが形成されている。そして、図4に示すように、結束部材5R、5Lが突条部41T1の突出先端面41Taと密着する区間が上記密着区間5r1、結束部材5R、5Lが段差凹部41T2と空隙5Sを挟んで対面する区間が上記非密着区間5r2、結束部材5R、5Lが段差凹部41T2の外側角部41Tbと密着する区間が上記密着区間5r1となっている。
また、被結束部41R、41Lでは、図3に示すように、平型配策材3が載置される載置面41aが長手方向Xの拡がる平坦面として形成される。一方、この載置面41aに載置される平型配策材3も、この載置面41aとの接触面が長手方向Xの拡がる平坦面として形成されている。このため、係合部材4は、結束部材5R、5Lによる結束保持状態にあっても平型配策材3と結束部材5R、5Lとの双方に対し摺動しやすく、長手方向における位置移動が容易となる。
また、結束構造1には、係合部材4の結束部材5R、5L及び配策材3に対する長手方向X(図1の矢印方向XR、XL)の摺動を、所定位置で規制する移動規制部を有する。ここでの移動規制部は、結束部材5Rを第一の移動規制部、結束部材5Lを第二の移動規制部として有しており、係合部材4の摺動可能範囲X1は、図1に示すように、係合部40が長手方向Xの第一側(XR側)で結束部材5Rに対し長手方向Xに接触して移動規制される第一側規制位置x1から、係合部40が長手方向Xの第二側(XL側)で結束部材5Lに対し長手方向Xに接触して移動規制される第二側規制位置x2までの間のみに制限されている。この係合部材4の摺動により、係合部40は、摺動可能範囲X1の中で任意に位置を変えることができる。
また、係合部40は、可撓性配策材2と平型配策材3とが結束部材5R、5Lによって被結束部41R、41Lと共に結束保持された結束保持状態において、係合部材4の可撓性配策材2側ではなく平型配策材3側(図3の破線Qよりも上側の領域)から突出して形成されている。具体的にいえば、係合部40は、上記結束保持状態にある係合部材4において、被結束部41R、41Lの接続部の、平型配策材3が載置される面41aの裏面41b側に形成されており、係合部40の柱部40Bが当該裏面41bから突出形成されている。
また、係合部材4は、係合部40が長手方向Xの両側に傾倒する可能性があるが、長手方向Xに延びる被結束部41R、41Lがその傾倒を抑制する傾倒抑制部として機能する。このため、配策材3上での係合部材4の長手方向Xへの摺動を、係合部材4全体が平行移動する形でスムーズに行うことができる。また、係合部材4は、図1~図3に示すように、長手方向Xにおける係合部40の形成位置から、上記長手方向Xと係合部40の軸線との双方に直交する直交方向Yの両側に突出する突出部41E、41Eを有する。係合部材4は、係合部40が上記直交方向Yの両側にも傾倒する可能性があるが、直交方向Yに延びる突出部41E、41Eがその傾倒を抑制する傾倒抑制部として機能する。配策材3上での係合部材4の直交方向Yへの摺動も、長手方向Xと同様、スムーズに行うことができる。
ところで、本実施例では、図6及び図7に示すように、長手状の配策材2、3を保持する係合部材4を車体100側の固定孔101Hに挿入して組み付ける係合部材4の組み付け構造10が形成されている。この組み付け構造10において、固定孔101Hは、図5に示すように、予め定められた長幅方向H(長軸方向)に長く開口する長孔形状をなしており、係合部材4の係合部40は、図7に示すように、その固定孔101Hの長幅方向Hの任意の位置において挿入方向Zに挿入可能であり、挿入されることでその固定孔101H対し係合して組み付けられている。
なお、ここでの長幅方向Hは、上述の直交方向Yに一致しているため、長孔形状の固定孔101Hの長幅方向H(直交方向Y)の孔幅範囲Y1(挿入可能範囲)内であれば、係合部材4の係合部40はどの位置にも挿入できる。これにより、係合部材4は、係合部40を車体100側の固定孔101Hに挿入組み付けするにあたり、固定孔101Hに対する位置ずれを、上記2方向X、Yにおいて吸収することができる。
係合部材4の係合部40が挿入可能となる長幅方向H(直交方向Y)における範囲Y1は、係合部40が直交方向Yの第一側で固定孔101Hの内縁に対し直交方向Yに接触して移動規制される第一側規制位置y1から、係合部40が直交方向Yの第一側とは逆の第二側で固定孔101Hの内縁に対し直交方向Yに接触して移動規制される第二側規制位置y2までの間とされている(図7の下図参照)。これにより、係合部40は、範囲Y1の中で任意の位置に挿入できる。
また、図6及び図7に示すように、係合部40は、固定孔101Hに挿入されるときの先頭面40Ba(挿入方向Zの前方側の先端面)が、外周側ほどその挿入方向Zの後方側に位置するように傾斜した傾斜面をなす。これにより、図6の場合は、係合部40を車体100側の固定孔101Hに挿入する際に、係合部40の挿入方向Zの先端が固定孔101Hの内側にさえ位置していれば、係合部材4を挿入方向Zに押し込んでいくだけで、固定孔101Hの内縁が傾斜面をなす先頭面40Ba上を滑って、矢印Z0のような方向に沿って挿入が進む。このとき、係合部40は、固定孔101Hの内縁によって押し付けられるが、上述したように係合部40は配策材2、3に対し方向Xへの位置移動が可能となっているので、押し付けに伴い自らの位置を変えながら係合部40を挿入可能な位置まで到達させることができる。そして、最終的に係合部40は、固定孔101H内に挿入係止される形で車体100側に組み付けられる。図7の場合も、係合部材4において係合部40を配策材2、3に対し方向Yに移動可能な構造があったならば、図6と同様、先頭面40Baを固定孔101Hの内縁に滑らすようにして、係合部40を固定孔101Hに挿入できる。
また、図2及び図3に示すように、係合部40が固定孔101Hに挿入されて組み付けられた際に、該固定孔101Hに挿入されない非挿入部(ここでは被結束部41R、41Lの接続部)は、直交方向Yにおいて配策材2、3よりも外側に突出する突出部41E、41E(突起部)を有する。他方、固定孔101Hの孔周辺部101Rは、図8に示すように、係合部40が挿入されてくる側の面101aの、固定孔101Hを挟んだ直交方向Y(図中の長幅方向H)の双方の側において、該固定孔101Hから所定距離離れた位置に目印部101Q、101Qを有するように形成される。この構成によれば、図8に示すように、直交方向Y(長幅方向H)における突出部41Eと目印部101Qとの対向間隔によって、係合部40が長孔状の固定孔101Hのどの位置に組み付いているのか、目印部101Q、101Qのうちのどちら側に偏った位置で組み付いているのかがわかりやすい。また、固定孔101Hに対する係合部40の組み付いた位置は、係合部40を挿入組み付けした作業者の側から見ることができる利点もある。目印部101Q、101Qは、凹凸により形成することができ、ここでは面101aに対し円筒状に凹む凹部として形成されている。
また、ここでの突出部41Eは、図2及び図3に示すように、上記非挿入部(ここでは被結束部41R、41Lの接続部)から直交方向Yの双方の側に突出形成され、目印部101Qは、図8に示すように、固定孔101Hを挟んだ直交方向Y(長幅方向H)の双方の側に設けられている。そして、それら突出部41E、41E及び目印部101Q、101Qは、固定孔101Hを係合部40が挿入されてくる側から正面視したときに、直交方向Y(長幅方向H)に延びる同一直線上に位置して見える。つまり、突出部41E、41E及び目印部101Q、101Qは、直交方向Yに直線状に並んでいるから、それらの対向間隔をより把握しやすくなっている。
以上、本発明の第一実施例を説明したが、これはあくまでも例示にすぎず、本発明はこれに限定されるものではなく、特許請求の範囲の趣旨を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づいて、追加及び省略等の種々の変更が可能である。
以下、上記した実施例とは別の実施例やそれら実施例の変形例について説明する。なお、上記実施例と共通の機能を有する部位には同一符号を付して詳細な説明を省略する。また、上記実施例と、下記変形例及び別実施例とは、技術的な矛盾を生じない範囲において適宜組み合わせて実施できる。
例えば、本発明において可撓性配策材2を省略して平型配策材3のみとすることが可能である(図9参照)。
上記実施例の結束部材5R、5Lは、テープ部材であったが、他の結束部材であってもよい。例えば結束部材5R、5Lは、配策材を取り巻くベルト部と、取り巻いたベルト部の両端を固定するバックル部と、を有した、いわゆるタイバンドのようなベルト部材であってもよいし、配策材の長手方向の第一側とその逆の第二側とで異なるものを用いてもよい。
上記実施例の取付部は、被結束部41R、41Lであったが、結束部材5R、5Lによって結束された配策材2、3に対しその長手方向に摺動可能となる形で該配策材2、3を係合部材4に取り付ける部位であれば、他の構成であってもよい。
また、上記実施例における被結束部は、被結束部41R、41Lの2つであるが、1つであってもよい(図9参照)。また、上記実施例において、結束部材5R、5Lは、それぞれ第一側結束部材と、第二側結束部材として機能するが、いずれか一方のみであってもよい(図9参照)。
上記実施例における被結束部41R、41Lは、載置される平型配策材3の長手方向Xにおいて係合部40側とは逆の両外側で、該係合部40と同じ側に突出する外側凸部41Sをそれぞれ有している。この外側凸部41Sは、上述の移動規制部とすることができる。即ち、例えば図9に示すように、係合部40を第一の移動規制部、外側凸部41Sを第二の移動規制部として有している場合、係合部材4の摺動可能範囲は、長手方向Xにおいて、例えば係合部40と結束部材5Rが接触して移動規制される第一の規制位置x3から、例えば外側凸部41Sと結束部材5Rが接触して移動規制される第二の規制位置x4までの範囲X2とすることができる。この係合部材4の摺動により、図9の係合部40は、摺動可能範囲X2の中で任意に位置を変えることができる。なお、2つの被結束部41R、41Lを有する上記実施例において、係合部40の摺動可能範囲は、X1とX2のどちらに設定することも可能である。
なお、外側凸部41Sは、被結束部41R、41Lの端部において係合部40が突出する側に突出して形成され、被結束部41R、41Lに対し結束部材5R、5Lが長手方向Xの外側に脱落することを防ぐ脱落阻止部としての役割を果たしている。また、外側凸部41Sは、被結束部41R、41Lの長手方向Xの外側端部において、上記載置面41aの直交方向Yに延出形成されるとともに、係合部40側の立面が凹凸部41T(突条部41T1)と接続している。ここでの外側凸部41Sは、凹凸部41T(突条部41T1)よりも高く突出形成されている。
本発明の第二実施例について、図10~図12を用いて説明する。
第二実施例では、図10に示すように、第一実施例と同様、可撓性配策材2と、平型配策材3と、それら双方を結束する結束部材5と、係合部40と取付部41とを有した係合部材4と、を備えた結束構造1が形成されている。そして、この結束構造1においても、第一実施例のように、係合部材4が、固定孔101Hの長幅方向H(第一方向:図7参照)と、配策材2、3の長手方向X(第二方向:図11下図参照)という異なる2方向に摺動可能な組み付け構造10(係合部材の組み付け構造)が適用されている。なお、ここでの長幅方向H(第一方向)は、ここでは上述の直交方向Yと一致している。
ただし、第二実施例においては、取付部41が、結束部材5により結束された可撓性配策材2と平型配策材3とのうち平型配策材3のみを抜け止め保持する形でそれら配策材2、3を係合部材4に取り付ける。ここでの取付部41は、平型配策材3をその長手方向X(図11下図参照)に摺動可能に把持する把持部である。
取付部41は、図11に示すように、平型配策材3のみを所定の収容口42Hから内部に収容する収容部42と、収容した平型配策材3の収容口42Hからの抜けを阻止する2対の抜け止め部43E、43Fと、を有する。係合部材4は、収容部42に収容された平型配策材3が各抜け止め部43E、43Fによって収容口42Hからの抜けを阻止された把持状態となっても、収容した平型配策材3に対し長手方向Xへ摺動を伴った移動が可能とされている。
収容部42は、平型配策材3が載置される載置壁部42Aと、載置壁部42Aの両外側から平型配策材3の両外側を互いに対向して立ち上がる側方壁部42B、42B(対向壁部)と、を有する。収容口42Hは、それら側方壁部42B、42Bの先端側の対向間に形成される。載置壁部42Aの、平型配策材3が載置される側とは裏側から係合部40が突出形成されている。
各抜け止め部43E、43Fは、載置壁部42Aに載置された平型配策材3を収容口42H側で係止し、該収容口42Hからの抜けを阻止する抜け止め係止部である。さらにいえば、各抜け止め部43E、43Fは、対応する側方壁部42B、42Bの先端側で互いの対向方向(上述の直交方向Y)に接近するように突出する係止爪部である。
各側方壁部42B、42Bは、先端側が対向方向Yに撓む弾性変形可能な弾性壁部である。収容部42に収容される平型配策材3は、各側方壁部42B、42Bの先端側を弾性的に押し広げる形で載置壁部42A側へと進入する。各側方壁部42B、42Bの先端側の抜け止め部43E、43Fを乗り越えるまで平型配策材3が進むと、各側方壁部42B、42Bが弾性復帰する。これにより、抜け止め部43E、43Fが、進入してきた平型配策材3の載置壁部42A側とは逆側の面3b側に回り込む形で平型配策材3を係止し、平型配策材3は収容部42内に抜け止め状態に保持される。この抜け止め保持によって、平型配策材3は係合部材4に取り付けられ、同時に平型配策材3と共に結束されている可撓性配策材2も、係合部材4に取り付けられた状態となる。
各抜け止め部43Fは、図12に示すように、配策材2、3の長手方向Xの第一側(図11右側)に形成される第一側係止爪部43F、43Fであり、各抜け止め部43Eは、長手方向Xの第一側とは逆の第二側(図11左側)に形成される第二側係止爪部43E、43Eである。係合部材4は、結束部材5が長手方向Xの第一側で抜け止め部43Fと接触して移動規制される第一側規制位置x5から、結束部材5R、5Lが第二側で抜け止め部43Eと接触して移動規制される第二側規制位置x6までの間を摺動可能範囲X3とされている。
なお、結束部材5に代わって、第一実施例のような、係止爪部をなす各抜け止め部43E、43Fを挟む形で長手方向Xの第一側で結束する第一側結束部材5Rと、長手方向Xの第一側とは逆の第二側で結束する第二側結束部材5Lと、の2つの結束部材5R、5Lを有するようにすれば、図13に示すように、係合部材4の摺動可能範囲X4を、係止爪部をなす抜け止め部43Fが長手方向Xの第一側で第一側結束部材5Rと接触して移動規制される第一側規制位置x7から、係止爪部をなす抜け止め部43Eがその逆の第二側で第二側結束部材5Lと接触して移動規制される第二側規制位置x8までの間とすることもできる。
可撓性配策材2は、図10に示すように、平型配策材3上に重なり、収容部42内部から外側にはみ出して配置されている。具体的にいえば、平型配策材3上に重なった可撓性配策材2が、収容口42H内と、該収容口42Hよりも外側の領域とにまたがる形で、収容部42からはみ出すように配置されている。収容口42H内とは、収容口42Hをなす各側方壁部42Bの先端側の対向間(ここでは抜け止め部43E同士の間、抜け止め部43F同士の間)であり、収容口42Hよりも外側の領域とは、収容口42H内を除いた収容部42の外側の空間である。
結束部材5は、図10に示すように、可撓性配策材2と平型配策材3との双方を内包するように取り巻く取巻き部としてのベルト部5Bと、ベルト部5Bによる取巻き状態をロックするロック部としてのバックル部5Aと、を有する。ここでのバックル部5Aは、長手状のベルト部5Bの一端に形成され、他端を内部に挿入する挿入部5Hを有する。挿入部5Hは、内部に挿入されたベルト部5Bの係止爪を挿入方向逆側から係止する形でロック状態とする。このバックル部5Aは、ベルト部5Bのロック解除と再ロックとが可能である。具体的にいえば、挿入部5Hは、ベルト部5Bの係止爪と係止する弾性係止片5Jを有しており、これを弾性変形させてベルト部5Bから離間させることで係止状態を解除(ロック解除)でき、ベルト部5Bを引き抜くことが可能になる。その上で再び挿入部5Hにベルト部5Bを挿入すれば、再び上記係止状態となって再ロックされる。
なお、収容部42には、図11に示すように、各側方壁部42Bと載置壁部42Aとの双方において、同じ壁部42Bに形成された抜け止め部43Eと抜け止め部43Fとの間の区間に、残余区間における平型配策材3との対向面や載置面よりも凹んだ凹区間部42BDが形成されている。この凹区間42BDは、摺動可能範囲X3またはX4内を係合部材4が平型配策材3に対し移動するとき、その移動に結束部材5(ベルト部5B)が関与(例えば接触による摺動抵抗増加)することのないように機能する。
バックル部5Aは、図10に示すように、平型配策材3が各抜け止め部43E、43Fにより抜け止めされた収容部42への収容状態において、収容部42の外部の位置に配置されている。これにより、結束状態のバックル部5Aに対しロック解除や再ロックといった作業を容易に行うことできるため、配策材の追加や削除が可能となる。なお、ここでいう収容部42の外側には、収容口42H内(即ち、抜け止め部43E同士の間、抜け止め部43F同士の間)が含まれるものとする。
この第二実施例においても、第一実施例の各突出部41Eと同様の機能および作用効果を果たす各突出部41D(突起部)が、対応する側方壁部41Bから外向きに三角形状をなすように形成されている。図12及び図13に示すように、各突出部41D及び各目印部101Qは、長孔形状をなす固定孔101Hの長幅方向H(第一方向)に直線状に並んでおり、それらの対向間隔がより把握しやすくなっている。
なお、上記第二実施例において可撓性配策材2を省略し、平型配策材3のみとすることが可能である(図14参照)。この場合も、バックル部5Aが収容部42の外側(収容口42H内を含む)に配置されているため、ロック解除や再ロックといった作業によって、配策材の追加や削除が可能である。
本発明の第三実施例について、図15及び図16を用いて説明する。
第三実施例の配策材の結束構造1は、基本的には第二実施例と同様の結束構造1を有し、同様の組み付け構造10が形成されている。即ち、第一実施例及び第二実施例のように、係合部材4が、固定孔101Hの長幅方向H(第一方向:図7参照)と、上述の直交方向Y(第二方向:図15参照)という異なる2方向に摺動可能な組み付け構造10(係合部材の組み付け構造)が適用されている。
なお、第二実施例では長幅方向H(第一方向)が直交方向Yに一致していたが、第三実施例では長幅方向H(第一方向)が長手方向Xに一致している。
第三実施例の取付部41は、第二実施例と同様、結束部材5R、5Lにより結束された可撓性配策材2と平型配策材3とを取り付けるために、それらのうち平型配策材3のみを把持する把持部である。ただし、第三実施例の取付部41は、平型配策材3を上述の直交方向Y(図15参照)への移動を許容する形で把持する。
具体的にいえば、取付部41は、平型配策材3のみを所定の収容口42Hから内部に収容する収容部42と、収容した平型配策材3の収容口42Hからの抜けを阻止する各抜け止め部43Bと、を有する。第二実施例と大きく異なる点は、載置壁部42Aと一対の側方壁部42B(対向壁部)のうちの一方とを一体に有した配置本体部421と、一対の側方壁部42Bのうちの他方を有して配置本体部421に対し対向方向Yに接近して組み付く組み付け側方壁部422と、が組み付けられて収容部42が形成されている点である。
配置本体部421は、載置壁部42Aにおいて、組み付け側方壁部422が組み付けられる際に、組み付け側方壁部422側に開口する形で、一方の側方壁部42B側に凹んだ係合凹部421Iを有する。載置壁部42Aは、係合凹部421Iの深さ方向(対向方向Y)の途中位置において、平型配策材3が載置される側に貫通する係止孔421Hを有する。他方、組み付け側方壁部422は、係合凹部421Iに挿入される挿入壁部422Aを有する。挿入壁部422Aは、側方壁部42Bにおいて、側方壁部42B側とは逆側の端部から、抜け止め部43Bの突出側に延び出す形で形成されている。挿入壁部422Aは、係合凹部421Iに挿入されるときに平型配策材3が載置される側とは逆側に撓む弾性変形が可能な弾性片422Jを有する。弾性片422Jは、平型配策材3が載置される側に向けて突出する係止爪422Kを有する。
組み付け側方壁部422と配置本体部421との組み付け方法について説明する。まずは、結束部材5R、5Lによって結束された可撓性配策材及び平型配策材3を、配置本体部421の載置壁部42A上に平型配策材3を載置する形で、配置本体部421に配置する。その上で、組み付け側方壁部422の挿入壁部422Aを、配置本体部421の係合凹部421Iに挿入する。挿入壁部422Aは、係合凹部421Iに挿入されるに伴い、係合凹部421I内の平型配策材3が載置される側の内壁面によって、係止爪422Kが平型配策材3の載置側とは逆側に押し付けられることにより、弾性片422Jが平型配策材3の載置側とは逆側に撓む弾性変形を生じる。挿入壁部422Aが係合凹部421I内の所定の組み付け位置まで挿入されると、係止爪422Kが係止孔421H内に進入し、弾性片422Jが弾性復帰する。このとき、係止孔421H内に進入した係止爪422Kは、係止孔421H内の挿入方向とは逆側の内壁面に係止することにより、係合凹部421Iからの挿入壁部422Aの抜けを防ぐ。この抜け止め状態になることで、組み付け側方壁部422は配置本体部421に組み付けられる。
平型配策材3は、配置本体部421の載置壁部42Aに載置され、その上で、配置本体部421に組み付け側方壁部422が組み付けられることにより、各側方壁部42Bの抜け止め部43Bにより抜け止め保持された把持状態となる。他方、可撓性配策材2は、テープ部材をなす結束部材5L、5Rによって平型配策材3と共に結束されており、平型配策材3が各抜け止め部43Bによって収容部42内に収容保持されることで、平型配策材3と共に係合部材4に取り付けられて保持された状態になる。
各抜け止め部43Bは、対応する側方壁部42Bの先端側で互いの対向方向Yに接近するように突出する係止突出部であり、収容部42に収容された平型配策材3に対してその収容口42H側で係止することにより該収容口42Hからの抜けを阻止する。第二実施例の各抜け止め部43E、43Fのように長手方向Xに分離した態様ではないが、分離した態様でもよく、分離した態様である場合には、図12に示すように、結束部材5により規定されることとなる係合部材4に摺動可能範囲X3を設定してもよいし、凹区間部42BDを設けてもよい。
各側方壁部42Bは、第二実施例では平型配策材3を収容部42に収容するために、先端側が互いの対向方向Yに接近・離間する弾性変形が可能であったが、第三実施例では、弾性変形可能であることは必須ではない。
また、各側方壁部42Bは、図15に示すように、載置壁部41Aから、該載置壁部41Aに載置されている平型配策材3の両側方側を立ち上がる対向壁部であり、その対向幅w0は、その対向方向Yにおいて載置壁部41Aに載置される平型配策材3の幅w3よりも広く形成され、平型配策材3との間に幅w1、w2の隙間を有している。これにより、平型配策材3は、対向方向Yにおいて移動(スライド)可能となるから、車体100に組み付ける際に、係合部材4と平型配策材3とを、方向Yにおいてわずかに相対移動させたいときに、その隙間を利用した相対移動が可能となる。その移動範囲(摺動可能範囲)は符号w0が示す範囲となる。即ち、係合部材4は、対向方向Yの第一側(図15左側)で配策材2又は3が対向壁部42Bの一方に接触して移動規制される第一側規制位置から、対向方向Yの第一側とは逆の第二側(図15右側)で配策材2又は3が対向壁部42Bの他方に接触して移動規制される第二側規制位置までを移動範囲w0(摺動可能範囲)としている。
なお、上述した通り、第三実施例の固定孔101Hは、その長幅方向H(第一方向)が長手方向Xに一致する。係合部40が挿入組み付けされたときに係合部材4は、第一及び第二実施例と同様、長幅方向Hに移動可能となっている。その移動範囲(摺動可能範囲)は、図5の符号Y1と同様になる。
なお、図17~図19は、上記第三実施例の変形例である。図17に示すように、配置本体部421の載置壁部42Aには、係合凹部421Iの深さ方向(対向方向Y)に複数の係止孔421Hが貫通形成されている。このため、組み付け側方壁部422の係止爪422Kは、配置本体部421の係合凹部421Iに挿入されて組み付けられる際に、図18及び図19に示すように、複数ある係止孔421Hの中から係止するものを選択して組み付けることができる。これにより、対をなす側方壁部42B、42Bの対向幅w0(即ち平型配策材3の収容空間の横幅)を、係止孔421Hの選択に応じて可変することが可能となるから、様々な横幅の平型配策材3に対応することができる。
本発明の第四実施例について、図20~図23を用いて説明する。
第四実施例では、図20に示すように、可撓性配策材2と、平型配策材3と、それら双方を結束ないし拘束する結束部材5R、5Lと、係合部40が設けられた可動本体部400と配策材2、3を取り付けるための取付部となる被結束部41RLとを有した係合部材4と、を備えた結束構造1が形成されている。可動本体部400は、被結束部41RLに対し配策材2、3の長手方向に相対移動可能(ここでは摺動可能)な状態で車体100側に組み付けられる。被結束部41RLは、配策材2、3の長手方向Xの所定範囲X5(図1参照)にわたり断面(図3参照)が一定の領域を有しており、可動本体部400は、被結束部41RLのその断面一定領域を嵌入させて配策材2、3の長手方向Xに摺動可能に保持する摺動部41Gを有する。ここでの摺動部41Gは、結束部材5R、5Lによって配策材2、3と共に結束される被結束部41RLを、配策材2、3の長手方向Xに摺動可能に把持する把持部であり、係合部40と一体的に形成される。可動本体部400と被結束部41RLとは、固化されたときに互いが接着されていないように成形されており、互いが長手方向Xに摺動可能で、かつ互いに分離不能な形状(図22参照)をなして形成される。具体的には、可動本体部400と被結束部41RLとは、二色成形によって成形することができ、摺動部41Gと被結束部41RLとなるそれぞれの樹脂材料が冷却固化されて収縮し、摺動部41Gと被結束部41RLとの間にわずかな隙間が形成されることにより、摺動部41Gと被結束部41RLとの間で長手方向Xの相対移動が可能になる。
また、この係合部材4は、第一実施例の図7のように、係合部40が車体100側の固定孔101H(図5参照)に対しその長幅方向H(第一方向:図23参照)に摺動可能となる形で挿入組み付けされる。つまり、第四実施例では、係合部材4が配策材2、3に対するそれら2方向X、H(Y)への移動が可能な組み付け構造10が形成されている。なお、ここでの長幅方向Hは、長手方向Xと挿入方向Zに直交する直交方向Yと一致する。
被結束部41RLは、配策材2、3の長手方向Xの所定範囲X5(図20参照)にわたり断面(図22参照)が一定の領域を有する。ここでの被結束部41RLは、配策材2、3の長手方向Xに板状に延出し、その長手方向Xの第一側で該長手方向Xに直交する側に突出する第一側突出部41RUと、その逆側の第二側で、第一側突出部41RUとの間に摺動部41Gを挟んだ位置に該長手方向Xに直交する側に突出する第二側突出部41LUと、を有する。係合部材4は、摺動部41Gが長手方向Xの第一側で第一側突出部41RUと接触して移動規制される第一側規制位置x9から、摺動部41Gが長手方向Xの第二側で第二側突出部41LUと接触して移動規制される第二側規制位置x10までの間を摺動可能範囲X5とされている。
可動本体部400は、係合部40と摺動部41Gとを一体に有する。そして、可動本体部400と被結束部41RLとは、互いに摺動可能となる形で別体をなしている。第一側突出部41RU及び第二側突出部41LUは、被結束部41RLからの可動本体部400の分離・脱落を阻止する分離防止部としても機能している。
結束部材5R(第一側結束部材)は、図1に示すように、可動本体部400(具体的には摺動部41G)に対し上記長手方向Xの第一側(XR側)で、平型配策材3と可撓性配策材2と共に被結束部41RLを結束する。他方、結束部材5L(第二側結束部材)は、第一側とは逆の長手方向Xの第二側(XL側)で、平型配策材3と可撓性配策材2と共に被結束部41RLを結束する。
摺動部41Gは、それら第一側結束部材5Rと第二側結束部材5Lとに挟まれて位置する。結束部材5R、5Lは、取付部41G(把持部)の被結束部41RLに対する摺動に関与しないよう、それぞれが第一側突出部41RU、第二側突出部41LUよりも長手方向Xの外側で配策材2、3と被結束部41RLを結束している。ここでの結束部材5R、5Lは、テープ部材である。
被結束部41RLは、配策材2、3の長手方向Xに延出し、その長手方向Xの第一側端部において配策材2、3とは逆側に突出する外側凸部41RSと、その逆側の長手方向Xの第二側端部において配策材2、3とは逆側に突出する外側凸部41LSと、を有する。それら外側凸部41RS、41LSは、第一側結束部材5R及び第二側結束部材5Lが長手方向Xの外側に抜けて脱落することを防ぐ脱落阻止部としての役割を果たしている。
第四実施例における可動本体部400と取付部(被結束部41RL)とが、少なくとも固化されたときに互いが接着されていないように成形されて、互いが配策材2、3の長手方向Xに摺動可能で、かつ互いに分離不能な形状をなせばよく、その成形方法は、二色成形に限らず、インサート成形でも可能であるし、その他の成形方法であってもよい。