JP7238918B2 - 印刷装置及び印刷制御方法 - Google Patents
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Description
このような印刷装置では、装置内に設けられたカメラ等の撮影装置を用いて印刷対象となる爪を認識し、爪の輪郭や形状に合わせてデザインの印刷が行われる。
また、ノック動作を行うには指先でノック機構を押し込むのに多少力が必要であり、例えば小指の爪に印刷する場合や小さな子供の指の爪に印刷を行う場合等には、指を固定するためのノック動作が大きな負担となってしまう。
さらに、ノック機構の場合、指の固定時に、強い付勢力で指が上方向に押し上げられる。このため、指の上面が突き当たる突き当て面に指が強く押し付けられて指を痛めてしまうおそれもある。
爪に印刷を施す印刷ヘッド及び第1駆動部材を含む移動体と、
少なくとも水平面上の第1軸に沿う方向に前記移動体を移動させる移動機構と、
印刷対象となる爪に対応する指を載置する載置部材と、
前記第1駆動部材が第1軸に沿う順方向に移動する際に、前記第1駆動部材に当接しながら前記第1軸に沿う順方向に移動し、前記載置部材に間接的に作用して前記載置部材に対して下方向からの押し上げ荷重を付与して前記載置部材に載置された指を固定状態にさせる摺動部材と、
を備えることを特徴とする。
なお、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。
また、以下の実施形態では、印刷装置が手の指の爪を印刷対象としてこれに印刷する印刷装置を例に説明するが、本発明における印刷装置の印刷対象は手の指の爪に限るものではない。例えば足の指の爪等を印刷対象としてもよい。
また、本実施形態では、印刷装置100が端末装置3と連携して、爪T(図6(a)等参照)に印刷を行う場合を例示する。図2は、印刷装置及びこれと連携する端末装置の制御構成の概要を示す要部ブロック図である。
本実施形態において、「X」方向は図1に示すように装置の左右方向であり、X方向の軸は水平面上の第2軸である。また、「Y」方向は装置の前後方向であり、Y方向の軸は水平面上の第1軸である。
さらに、Y軸(第1軸)に沿う順方向Ya(図5(a)、図6(a)等参照)は、Y方向に沿う、装置後方から前方に向かう方向であり、Y軸(第1軸)に沿う逆方向Yb(図5(d)、図6(a)等参照)は、Y方向に沿う、装置前方から後方に向かう方向である。
なお、印刷装置100は、図1に示す装置本体1等を覆うように収容する筐体(外装ケース)を備えているが、図1では、印刷装置100の内部構成を示すために、筐体の図示を省略している。
基台10における装置前面側であって、装置左右方向(図1に示すX方向)のほぼ中央部には、指置き台6が配置されている。
指置き台6に指U(図6(a)等参照)が保持されることで、印刷対象である爪Tを有する指Uが印刷に適した位置に保持される。
なお指置き台6の詳細な構成については後述する。
印刷部40は、印刷ヘッド41や後述する第1駆動部材71及び第2駆動部材75を含む移動体45と、印刷ヘッド41等の移動体45を移動させるヘッド移動機構49等を備えている。
本実施形態では、ヘッド移動機構49は印刷ヘッド41を装置の左右方向(X方向)に移動させるX方向移動機構と、印刷ヘッド41を装置の前後方向(Y方向)に移動させるY方向移動機構等を含んでおり、適宜印刷ヘッド41をXY方向に移動させて印刷を行う2軸方式の移動機構となっている。
印刷ヘッド41の構成は特に限定されないが、例えばインク吐出面等の吐出機構部とインクを貯留するインクカートリッジとが一体となったカートリッジ一体型のヘッドである。
印刷ヘッド41は、例えば、シアン(C;CYAN)、マゼンタ(M;MAGENTA)、イエロー(Y;YELLOW)等の色インクを吐出可能となっている。なお、印刷ヘッド41の種類や数は特に限定されない。例えば上記のような色インクを吐出する印刷ヘッドの他に、デザインを印刷する前に下地となる液剤を印刷する下地用の印刷ヘッド等を備えていてもよい。
図1に示すように、移動体45には、印刷ヘッド41、ホルダ42、キャリッジ43等が含まれている。また本実施形態の移動体45は、第1駆動部材71及び第2駆動部材75を含んでいる。
X方向移動機構は、X方向移動モータ46(図2参照)等を備え、キャリッジ43内においてホルダ42に保持された印刷ヘッド41をX方向に移動させる。
キャリッジ43は、装置本体1におけるX方向のほぼ全体に亘って延在する箱状の部材である。キャリッジ43の両端側にはベルトクリップ431が設けられており、ベルトクリップ431は、Y方向移動機構を構成するベルト47に固定されている。
Y方向移動機構は、ベルト47を駆動させるY方向移動モータ48(図2参照)等を備えており、ベルト47が駆動すると、キャリッジ43がY軸に沿って移動するようになっている。
本実施形態では、第1駆動部材71及び第2駆動部材75は、移動体45のうちキャリッジ43に取り付けられている。
具体的には、第1駆動部材71は、キャリッジ43の背面等に固定されており、第2駆動部材75は、キャリッジ43の側面等(本実施形態では、左側面)に固定されている。
第1駆動部材71及び第2駆動部材75の配置等の設計条件については後述する。
なお、第1駆動部材71及び第2駆動部材75は、移動体45を移動させるヘッド移動機構49によって移動可能なものであればよく、設けられる位置等はここで例示するものに限定されない。
図1に示すように、第1駆動部材71は、キャリッジ43に固定される支持部72と、この支持部72の下端に設けられた押圧部73とを有している。押圧部73は、自由端側に行くにしたがって幅が狭くなっており、上面視において楔形形状となっている。
押圧部73は、第1駆動部材71がY軸に沿う順方向Yaに移動した際に、後述する指置台6の溝部611の側壁と摺動部材65との間に差し込まれ、摺動部材65に対向する面が摺動部材65の第1の傾斜面651に当接するようになっている。押圧部73における第1の傾斜面651と接触する面は、第1の傾斜面651に対応する傾斜角度を有する傾斜面731となっている。このように第1駆動部材71と摺動部材65とは傾斜面同士で当接する。
図1に示すように、第2駆動部材75は、キャリッジ43に固定される支持部76と、この支持部76の下端に設けられ、装置中央部に向かってX方向に延在する腕部77とを有するほぼL字状の部材である。
腕部77の自由端は、第2駆動部材75がY軸に沿う逆方向Ybに移動した際に、摺動部材65の第2の傾斜面652に当接するようになっている。腕部77における第2の傾斜面652と接触する面は、第2の傾斜面652に対応する傾斜角度を有する傾斜面771となっている。このように第2駆動部材75と摺動部材65とは傾斜面同士で当接する。
撮影部50は、撮影装置51及び照明装置52等を備えている。
撮影装置51は、例えば、200万画素程度以上の画素を有する固体撮像素子とレンズ等を備えて構成された小型カメラである。また、照明装置52は、例えば白色LED等の照明灯である。
撮影部50は、例えば、筐体の天面内側であって指置き台6に配置された指Uの爪T(爪Tの表面)と対向可能な位置に固定配置されている。なお撮影部50は、指置き台6に配置された指Uを撮影可能な位置に設けられていればよく、具体的な配置は特に限定されない。撮影部50は、各種の移動機構によってXY方向に移動可能に構成されていてもよい。
また撮影装置51は、静止画像を撮影するものであってもよいし、動画像を撮影可能なものであってもよい。
指置き台6の本体部61は、基台10上に固定されており、指置き台6の各構成部が組付けられる土台である。
溝部611内の両側壁には、内向きに張り出した突条部612が形成されている。
後述するように摺動部材65の両側部であって突条部612に対応する高さ位置には、突条部612を受けるガイド溝655がY方向に沿って形成されている。
ガイド溝655には突条部612が嵌るようになっており、摺動部材65がY方向に沿って移動する際には、突条部612に沿って案内されるようになっている。
後述のように摺動部材65は、Y軸に沿う順方向Yaに所定量移動したときに、Y軸に沿う方向とは異なる水平面上の第2軸(本実施形態ではX軸)に沿う方向にスライド移動可能となっている。凹部613は、摺動部材65がスライド移動した後の位置を保持させる位置保持部として機能する。
凹部613の形状等は特に限定されないが、摺動部材65の外形に沿う形状となっている。
これにより凹部613に嵌り込んだ摺動部材65は、凹部613のX方向における深さ以上にX方向左側に移動することはできないと同時に、凹部613に嵌った後はそれ以上Y軸に沿う順方向Yaの下流側に移動することもできない状態となる。
装置本体1を筐体内に収容したときに枠状部614に対応する位置には、開口部が形成されている。ユーザが筐体の開口部から装置内に指Uを挿入すると、枠状部614内に指Uが配置されるようになっている。
上面部615が指Uの上面に当接することで、指Uの高さ方向の位置が規制され、浮き上がりを抑えることができる。
載置部材62の下方には、押し上げ部材63が配置されている。
押し上げ部材63は、上下方向に移動可能であり、上昇した際に載置部材62に対して下方向からの押し上げ荷重を付与するものである。
本実施形態では、載置部材62と押し上げ部材63との間には、載置部材62を上方向に付勢する付勢部材64が設けられており、押し上げ部材63は、付勢部材64を介して載置部材62に対し、下方向からの押し上げ荷重を付与する。
付勢部材64は、例えば図6(a)等に示すようにコイルばねである。付勢部材64は、ばね圧によって載置部材62に押し上げ荷重を付与する。なお、付勢部材64はコイルばねに限定されず、その他の構成を採用することも可能である。
摺動部材65の両側部には、本体部61の突条部612が嵌るガイド溝655が形成されており、摺動部材65がY方向に移動する際には、突条部612に沿って案内される。
また摺動部材65は、Y方向における下流側(装置の前方側)であって第2駆動部材75が配置される側(本実施形態では、装置のX方向左側)に第2の傾斜面652を有している。
さらに、摺動部材65は、第1軸であるY軸に沿う順方向Yaの上流側から下流側に向かって下る第3の傾斜面653を有している。本実施形態では、摺動部材65における押し上げ部材63と対向する側(すなわち装置前方側の面)が第3の傾斜面653となっている。
押し上げ部材63は、摺動部材65と対向する側に第3の傾斜面653に対応する傾斜角度を有する傾斜面631を有しており、摺動部材65と押し上げ部材63とは、傾斜面同士で当接する。
図3において、摺動部材65が第1駆動部材71に押されて位置保持部である凹部613に対応する位置まで来たが、まだ凹部613に嵌らない状態を二点鎖線で示す摺動部材65aとし、凹部613内に嵌った状態を実線で示す摺動部材65bとしている。
二点鎖線で示す第1駆動部材71aは、摺動部材65aに対応する第1駆動部材71の位置を示し、実線で示す第1駆動部材71bは、摺動部材65bに対応する第1駆動部材71の位置を示している。
同様に、二点鎖線で示す第2駆動部材75aは、摺動部材65aに対応する第2駆動部材75の位置を示し、実線で示す第2駆動部材75bは、摺動部材65bに対応する第2駆動部材75の位置を示している。さらに破線で示す第2駆動部材75cは、指Uが固定状態となった後に第1軸に沿う逆方向Ybに移動した際、凹部613内に嵌った状態の摺動部材65bに当接する第2駆動部材75の位置を示している。
「B」は、摺動部材65が凹部613内に嵌り込んだ際の嵌り幅(凹部613の深さ、かかり幅)を意味する。すなわち「B」は、摺動部材65が図3における摺動部材65aの状態から摺動部材65bの状態となるまでに移動する移動量である。摺動部材65aは第1駆動部材71及び第2駆動部材75がY軸に沿う順方向Yaに移動した分、押し込まれてX軸方向に移動する。このため、「A」と「B」は、ほぼ同等となる。
「C」は、摺動部材65が凹部613に嵌った状態(図3における摺動部材65bの状態)となったときに、第2駆動部材75が摺動部材65から離間している逃げ量である。すなわち、摺動部材65bの第2の傾斜面652と第2駆動部材75bの傾斜面771との間の距離が「C」となる。
「D」は、摺動部材65が凹部613に嵌る前の状態(初期状態である図3における摺動部材65aの状態)であるときの、第2駆動部材75とのクリアランスである。すなわち、摺動部材65aの第2の傾斜面652と第2駆動部材75aの傾斜面771との間の距離が「D」となる。
「E」は、指Uが固定状態となった後に第2駆動部材75が第1軸に沿う逆方向Ybに移動した際、摺動部材65と接触して摺動部材65を凹部613から押し出す固定状態の解除が開始されるまでのあそび幅である。すなわち、図3において実線で示す第2駆動部材75bと破線で示す第2駆動部材75cとの間の距離が「E」である。
嵌り幅「B」が大きすぎると、その分摺動部材65が移動しすぎて第2駆動部材75に近づき、接触しやすくなる。
また、指Uが固定状態となった後、これを解除するためには、第2駆動部材75は、嵌り幅「B」以上摺動部材65を図3における下方向に移動させて、凹部613から摺動部材65を押し下げる必要がある。このため、第2駆動部材75は嵌り幅「B」よりも下(図3における下方向)まで設ける必要がある。
すなわち、摺動部材65を図3における上方向(装置におけるX方向左側)にスライド移動させて凹部613に保持させる場合、第1駆動部材71の傾斜面731の傾斜角度「α」が第2駆動部材75の傾斜面771の傾斜角度「β」よりも大きい場合には、第2駆動部材75が摺動部材65から離間する距離(速度)よりも第1駆動部材71が摺動部材65をスライド移動させていく距離(速度)の方が大きくなる。
そこでこの場合に第1駆動部材71及び第2駆動部材75と摺動部材65とが互いに干渉しないように各部を動作させるためには、摺動部材65がスライド移動した際に、第2駆動部材75が摺動部材65と干渉しない位置に配置されるようにすればよい。
なお、α>βの場合には、摺動部材65を下方向(図3における下方向)にスライド移動させる場合については特に設計条件を考慮しなくても干渉を生じない。
C+D>B(これを式3とする。)
との条件を満たす必要がある。
第2駆動部材75の逃げ量「C」は、移動量「A」と傾斜角度「β」より、
tanβ=C/A であって、
C=Atanβ(これを式4とする。)
となる。
また、移動量「A」と傾斜角度「α」より、
tanα=B/A であって、
A=B/tanα(これを式5とする。)
となる。
Atanβ+D>B(これを式6とする。)
となる。
そしてこの式6に式5を代入すると、
Btanβ/tanα+D>B となり、
D>B-Btanβ/tanα であって、
D>B(1-tanβ/tanα)
となるから、上記の通り、式1を導くことができる。
これにより、第1駆動部材71が摺動部材65を押し上げていったときに、第2駆動部材75は確実に摺動部材65から逃げることができ、干渉するのを防ぐことができる。
摺動部材65を図3における下方向(装置におけるX方向右側)にスライド移動させて凹部613から押し出す場合、第2駆動部材75の傾斜面771の傾斜角度「β」が第1駆動部材71の傾斜面731の傾斜角度「α」よりも大きい場合、第1駆動部材71が摺動部材65から離間して逃げていく距離(速度)よりも第2駆動部材75が摺動部材65をスライド移動させていく距離(速度)の方が大きくなる。
そこでこの場合に第1駆動部材71及び第2駆動部材75と摺動部材65とが互いに干渉しないように各部を動作させるためには、摺動部材65がスライド移動した際に、第1駆動部材71が摺動部材65と干渉しない位置に配置されるようにすればよい。
なお、α<βの場合には、α>βの場合とは逆に、摺動部材65を上方向(図3における上方向)にスライド移動させる場合については、特に設計条件を考慮しなくても干渉を生じない。
C+D>B(これを式7とする。)
との条件を満たす必要がある。
第1駆動部材71の移動量「A」は、嵌り幅「B」と傾斜角度「β」より、
tanβ=B/A であって、
A=B/tanβ(これを式8とする。)
となる。
また、移動量「A」と傾斜角度「α」より、
tanα=C/A であって、
C=Atanα(これを式9とする。)
となる。
Atanα+D>B(これを式10とする。)
となる。
そしてこの式10に式8を代入すると、
Btanα/tanβ+D>B となり、
D>B-Btanα/tanβ であって、
D>B(1-tanα/tanβ)
となるから、上記の通り、式2を導くことができる。
これにより、第2駆動部材75が摺動部材65を押し下げていったときに、第1駆動部材71は確実に摺動部材65から逃げることができ、干渉するのを防ぐことができる。
傾斜角度「α」と傾斜角度「β」が同じ場合には、摺動部材65のスライド移動と第1駆動部材71、第2駆動部材75の移動量が同じとなる。このため、特に設計条件を考慮しなくても、上記のα>βの場合やα<βの場合のような干渉の問題を生じない。
ただし、指Uが固定状態となった後、これを解除するためには、第2駆動部材75は、嵌り幅「B」以上摺動部材65を図3における下方向に移動させて、凹部613から摺動部材65を外す必要がある点は変わらない。このため、第2駆動部材75は嵌り幅「B」よりも下(図3における下方向)まで設ける必要がある。
印刷動作は、印刷ヘッド41をXY方向に移動させながら行われるが、上記のように、指Uの固定が完了した状態では、それ以上Y軸に沿う順方向Yaに移動できないため、印刷動作中のY軸方向への移動は、Y軸に沿う逆方向Ybへの移動で対応することとなる。
このため、印刷中に指Uの固定が解除されてしまうことを回避するために、以下のような設計条件を満たす必要がある。
すなわち、印刷は、印刷対象である爪TのY方向の長さ分行われる。そこで、Y方向の印刷駆動領域(印刷時の印刷ヘッド41の印刷可能範囲)は、一般的に想定される最大の爪Tの長さ分(例えば15mm~20mm程度)をカバーするように設定される。
そして、この範囲内の移動では指Uの固定が解除されないように、第2駆動部材75のあそび幅「E」は、Y方向の印刷駆動領域よりも長く設定される。
すなわち、
E>Y方向の印刷駆動領域
との条件を満たす必要がある。
このため、載置部材62に載置された指Uの自重により押し上げ部材63が押し下げられて、傾斜面631で摺動部材65を押すことにより、摺動部材65がY軸に沿う逆方向Ybに摺動する。
このときの摺動速度は指Uの自重(ユーザが積極的に指Uを押し下げた場合には、指Uによって押し上げ部材63に加えられる押し下げ力)に依存する。
そこで、摺動部材65が凹部613から押し出して固定状態が解除されるときの第1駆動部材71の位置は、摺動部材65の初期位置(すなわち、第1駆動部材71が作用する前の摺動部材65の位置)よりもY軸に沿う逆方向Ybの下流側(図3において右側)であることが必要である。
なお、強い力が摺動部材65に加わっても、摺動部材65が指置き台6の本体部61から外れてY軸に沿う逆方向Ybの下流側に飛び出すことがないように、図示しないストッパ等が設けられていてもよい。
操作部23には、例えば、印刷装置100の電源をONする電源スイッチ釦、動作を停止させる停止スイッチ釦、印刷開始を指示する印刷開始釦等、各種の入力を行うための操作釦が配置されている。
操作部23が操作されると操作信号が図示しない制御装置に出力され、制御装置が操作信号に従った制御を行い、印刷装置100の各部を動作させる。
なお、操作部23に代えて、端末装置3の操作部33から入力された操作信号に従って印刷装置100の各部が動作するようにしてもよい。
本実施形態では、通信部25は、後述する端末装置3の通信部35との間で通信可能に構成されている。
印刷装置100と端末装置3との間での通信は、無線接続方式、有線接続方式のどちらでもよく、具体的な方式は限定されない。通信部25は端末装置3との間で通信を行うことのできるものであればよく、端末装置3の通信部35の通信規格と合致するものが適用される。
制御部21は、撮影部50によって取得された爪画像(爪Tを含む指Uの画像)に基づき、指置き台6に配置された指Uの爪Tに関する各種の情報(以下、「爪情報」という)を検出する。爪情報としては、例えば、爪Tの輪郭形状、爪Tの幅方向の湾曲度合等があるが、これに限定されない。
また制御部21は、印刷部40の印刷ヘッド42やヘッド移動機構49を制御して印刷動作を行わせる。特に本実施形態では、制御部21は、指置き台6に配置された指Uを固定する際に、第1軸(Y軸)に沿う順方向Yaに所定距離、移動体としてのキャリッジ43を移動させるように、ヘッド移動機構49(Y方向移動モータ48)を制御する。また指Uの固定を解除する際には、第1軸(Y軸)に沿う逆方向Ybにキャリッジ43を移動させるようにヘッド移動機構49(Y方向移動モータ48)を制御する。さらに制御部21は、通信部25の通信動作を制御する通信制御手段等としても機能する。
具体的には、記憶部22のROM等には、印刷装置100の各部を統括制御するための各種動作プログラム等が格納された図示しないプログラム記憶領域が設けられている。
制御部21がプログラムを例えばRAMの作業領域に展開して、プログラムが制御部21において実行されることによって、印刷装置100の各部が統括制御されるようになっている。
また、記憶部22には、ネイルデザイン(デザイン)のデータや爪画像から検出された爪Tに関する各種の情報(爪情報)が格納されてもよい。この場合、爪情報は爪Tの輪郭形状(爪輪郭)のほか、例えば爪Tの湾曲度合を示す曲率等、各種の情報を含んでもよい。
端末装置3は、例えばスマートフォン等の携帯端末装置である。なお、端末装置3はスマートフォンに限定されない。例えばタブレット型のパーソナルコンピュータ(以下において「PC」とする。)やノート型のPC、据置型のPC、ゲーム用の端末装置等であってもよい。
また、ユーザが操作部33を操作することで、爪Tに印刷するネイルデザインを選択すること等ができるようになっている。
なお、表示部34の表面に各種の入力を行うためのタッチパネルが一体的に構成されていてもよい。この場合にはタッチパネルが操作部33として機能する。
また、本実施形態において表示部34には、印刷装置100の撮影部50によって撮影された撮影画像が適宜表示されてもよい。例えば爪画像が表示されてもよいし、爪画像にネイルデザインを重畳させて印刷イメージを表示させてもよい。指置き台6に指Uを配置させる様子をライブビュー画像として表示させてもよく、この場合には、ユーザがリアルタイムに指Uの配置状況を把握しやすく、好ましい。
端末装置3と印刷装置100との間での通信は、前述のように、無線接続方式、有線接続方式のどちらでもよく、具体的な方式は限定されない。通信部35は印刷装置100との間で通信を行うことのできるものであればよく、印刷装置100の通信部25の通信規格と合致するものが適用される。
具体的には、記憶部32のROM等には、端末装置3の各部を統括制御するための動作プログラムの他、印刷装置100を用いたネイルプリントを行うためのネイルプリントアプリケーションプログラム(以下「ネイルプリントAP」とする。)等の各種プログラム(いずれも図示せず)が格納された図示しないプログラム記憶領域が設けられている。
制御部31がこれらのプログラムを例えばRAMの作業領域に展開して、プログラムが制御部31において実行されることによって、端末装置3の各部が統括制御されるようになっている。
また、本実施形態の記憶部32には、ネイルデザイン(デザイン)のデータが格納されていてもよい。
図4は、本実施形態における印刷制御処理を示すフローチャートである。
図5(a)から図5(d)は、指置き台の本体部に配置された摺動部材等の動きを説明する説明図であり、本体部等を上から見た場合の模式的な要部平面図である。
また、図6(a)から図6(c)は、本実施形態における指置き台を斜め後方から見た斜視図である。
印刷装置100の制御部21は、ヘッド移動機構49のY方向移動モータ48を動作させて、キャリッジ43をY軸に沿う順方向Yaに移動させる(ステップS2、図5(a)参照)。これにより、キャリッジ43が図1に示すような、装置後方に配置された状態から装置手前側に移動してくる。
制御部21は、キャリッジ43が所定の位置まで移動したか否かを随時判断し(ステップS3)、未だ所定の位置まで移動していない場合(ステップS3;NO)には、ステップS2に戻って処理を繰り返す。
この場合、画像から正常に爪Tを認識することができない場合には、載置部材62に正しく指Uを載置させるようにユーザに促すメッセージ等を表示部34等に表示させてもよい。このようにすれば、傾いた状態等のまま指Uが固定されてしまうのを未然に回避することができる。
キャリッジ43をY軸に沿う順方向Yaに移動させていくと、キャリッジ43に固定された第1駆動部材71及び第2駆動部材75が装置後方から指置き台6に接近する(図5(a)、図6(a)参照)。そして第1駆動部材71の傾斜面731が指置き台6の摺動部材65の第1の傾斜面651に当接すると、第1駆動部材71は摺動部材65を押しながらさらにY軸に沿う順方向Yaに移動する(図5(b)、図6(b)参照)。
このとき、第2駆動部材75は摺動部材65の側部を通り抜けて、摺動部材65の手前側(装置前面側、Y軸に沿う順方向Yaの下流側)に回り込む(図5(b)参照)。
摺動部材65が押し上げ部材63に突き当たると、押し上げ部材63は摺動部材65の第3の傾斜面653に押されて装置の上方向Z(図6(a)~図6(c)参照)にせり上がる。これにより、押し上げ部材63と載置部材62との間の付勢部材64が押し縮められてばね圧が上がり、載置部材62を間接的に押し上げていく(図6(c)参照)。
そして、制御部21は爪画像から爪情報を取得し(ステップS5)、当該爪情報に基づいて印刷部40を動作させ、爪Tに対して印刷処理を行う(ステップS6)。
摺動部材65が凹部613から外れると、指Uの自重等によって載置部材62を押し下げることのできる状態となり、指Uの固定状態が解除される。
なお、他の指Uの爪Tにも印刷が予定されている場合には、制御部31は、次の指Uをセットするようにユーザに促すメッセージ等を表示部34等に表示させてもよい。
このように、本実施形態の構成では、ユーザの手を煩わせることなく、かつ、新たにモータや複雑な構成を加えることなく、印刷部40のヘッド移動機構49等を用いて指Uを固定することができ、固定状態の指Uの爪Tに印刷を施すことができる。
これにより、ノック機構方式の場合のようにユーザが指Uでノック動作等を行う必要がなく、ユーザの手を煩わせずに指Uを固定することができる。このため、例えば小指の爪に印刷する場合や小さな子供の指の爪に印刷を行う場合でも指Uに負担がかからない。
また、本実施形態のように移動体45が印刷ヘッド41を含む場合、印刷ヘッド41を移動させるヘッド移動機構49を利用して指Uの固定を行うことができる。このため、別途構成を追加する必要がなく、コスト増を避けて簡易な構成とすることができる。
またノック機構のように高さ方向の大きなストローク量が必要ない。このため、設置位置の自由度が高く、設計上の制約が少なくなる。
そして固定状態の指Uの爪Tに印刷を行うことができるため、美しい仕上がりのネイルプリントを実現することができる。
これにより、Y軸に沿う順方向Yaに所定量移動させると、摺動部材65の位置が保持され、指固定状態を維持させることができる。
このように、凹部613内に摺動部材65が嵌ることでその位置が保持されるため、簡易な構成で固定状態の維持が可能である。
これにより、ヘッド移動機構49を利用して、指Uの固定状態を解除することができる。このため、別途構成を追加する必要がなく、ユーザの手を煩わせることもなく、指Uを自由な状態とすることができる。
これにより、摺動部材65を円滑に摺動させることができる。
これにより、第1駆動部材71によって押させることで摺動部材65がY軸に沿う順方向Yaに移動する動きを、上下方向の動きに変換することができ、簡易な構成で載置部材62を押し上げることができる。
これにより、例えばばね力のような付勢力によって、間接的に載置部材62を押し上げることができ、安全に指Uの固定を行うことができる。
これにより、指Uの高さ方向の位置が規制され、載置部材62が押し上げられでも指Uが上がり過ぎることがない。そして、載置部材62が押し上げられたときに、載置部材62と上面部615との間で指Uを挟みこんで、適切な位置で指Uを固定することができる。
例えば、摺動部材65を保持する位置の異なる位置保持部を複数段階設けてもよい。
すなわち、図7に示すように、Y軸方向における押し上げ部材63までの距離の異なる凹部616a、616b、616cを、指置き台6bの本体部61に設ける。
図7に示す例では、凹部616aに摺動部材65が保持されたときが最も押し上げ部材63までの距離が遠いため、指固定状態は緩めとなる。また、凹部616cに摺動部材65が保持されたときが最も押し上げ部材63までの距離が近いため、指固定状態がきつめとなる。なお、凹部の数や配置は図示例に限定されない。例えば凹部は2段階であってもよいし、4段階以上の複数段階で固定が可能となるように構成してもよい。
またユーザが「指固定きつめ」を操作部23等から選択すると、制御部21は、摺動部材65が凹部616cに嵌るまで第1駆動部材71によって押し込まれるような位置までキャリッジ43を移動させる。これにより、摺動部材65が凹部616cに嵌り(図7において細二点鎖線で示す状態)、指Uがきつめに固定される。
ユーザによって「指固定中くらい」が選択された場合には、制御部21は、摺動部材65が凹部616bに嵌るまで第1駆動部材71によって押し込まれるような位置までキャリッジ43を移動させ、指固定状態は中くらいのきつさとなる。
これにより、簡易にユーザの好みに応じた固定レベルでの指固定を行うことが可能となる。
本実施形態に示した以外の構成で固定状態の維持やその解除を行ってもよい。
このような場合には、摺動部材65の位置を維持する構成(凹部613等の位置保持部)を設けなくても、印刷中に指Uの固定状態が解除されず、印刷ずれのない高品質なネイルプリントを実現することができる。
またこの場合には、摺動部材65がX方向にずれないため、印刷終了後にキャリッジ43をY方向に沿う逆方向Ybに移動させるだけで容易に指Uの固定状態を解除することができ、指Uの固定状態を解除する構成(第2駆動部材75)を別途設ける必要もない。
このため、より簡易な構成により、指Uの固定及び固定状態の解除を行うことができる。
この場合には撮影部50で取得された爪画像が端末装置3に送られて、制御部31において画像処理等が行われる。
爪情報の検出等を端末装置3の制御部31が行う場合には、印刷装置100の制御部21をより簡易なものとすることができる。
以下に、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲に記載した発明を付記する。付記に記載した請求項の項番は、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲の通りである。
〔付記〕
<請求項1>
第1駆動部材を含む移動体と、
少なくとも水平面上の第1軸に沿う方向に前記移動体を移動させる移動機構と、
印刷対象となる爪に対応する指を載置する載置部材と、
前記第1駆動部材が第1軸に沿う順方向に移動する際に、前記第1駆動部材に当接しながら前記第1軸に沿う順方向に移動し、前記載置部材に間接的に作用して前記載置部材に対して下方向からの押し上げ荷重を付与して前記載置部材に載置された指を固定状態にさせる摺動部材と、
を備えることを特徴とする印刷装置。
<請求項2>
前記摺動部材は、前記第1軸に沿う順方向に所定量移動したときに、前記第1軸に沿う方向とは異なる水平面上の第2軸に沿う方向にスライド移動可能であって、
前記摺動部材を前記スライド移動後の位置に保持させる位置保持部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
<請求項3>
前記位置保持部は、前記摺動部材が前記スライド移動した際に、前記摺動部材の前記第1軸に沿う方向への移動及び前記第2軸に沿う方向への移動を規制する凹部であることを特徴とする請求項2に記載の印刷装置。
<請求項4>
前記摺動部材を保持する位置の異なる位置保持部が、複数段階設けられていることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の印刷装置。
<請求項5>
前記移動体は第2駆動部材をさらに含み、
前記第2駆動部材は、前記載置部材に載置された指が前記固定状態となった後に、前記摺動部材に当接しながら第1軸に沿う逆方向に移動する際、前記スライド移動後の位置に保持された前記摺動部材の保持状態を解除することを特徴とする請求項2から請求項4のいずれか一項に記載の印刷装置。
<請求項6>
前記摺動部材は、前記第1軸に沿う順方向の上流側に、前記第1軸に沿う順方向の上流側から下流側に向かって外側に開く第1の傾斜面を有し、前記第1軸に沿う順方向の下流側に、前記第1軸に沿う順方向の下流側から上流側に向かって外側に開く第2の傾斜面を有しており、
前記第1駆動部材は、前記第1の傾斜面に対応する傾斜面を有しており、
前記第2駆動部材は、前記第2の傾斜面に対応する傾斜面を有しており、
前記第1駆動部材及び前記第2駆動部材は、それぞれ傾斜面同士で前記摺動部材と当接することを特徴とする請求項5に記載の印刷装置。
<請求項7>
前記載置部材の下方に配置され、上下方向に移動可能であり、上昇した際に前記載置部材に対して下方向からの押し上げ荷重を付与する押し上げ部材を備え、
前記摺動部材は、前記第1軸に沿う順方向の上流側から下流側に向かって下る第3の傾斜面を有し、前記押し上げ部材は、前記摺動部材と対向する側に前記第3の傾斜面に対応する傾斜面を有しており、
前記摺動部材と前記押し上げ部材とは、傾斜面同士で接触することを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の印刷装置。
<請求項8>
前記押し上げ部材と前記載置部材との間には、前記載置部材を上方向に付勢する付勢部材が設けられていることを特徴とする請求項7に記載の印刷装置。
<請求項9>
前記固定状態において前記載置部材に載置された指の上面に当接する指押え部をさらに備えていることを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の印刷装置。
<請求項10>
爪に印刷を施す印刷ヘッド及び第1駆動部材を含む移動体が、前記移動体の移動機構によって少なくとも水平面上の第1軸に沿う方向に移動し、
前記第1駆動部材が第1軸に沿う順方向に移動する際に、摺動部材が前記第1駆動部材に当接しながら前記第1軸に沿う順方向に移動し、
前記摺動部材が移動することで、印刷対象となる爪に対応する指を載置する載置部材に対して下方向からの押し上げ荷重が付与されて、前記載置部材に載置された指を固定状態とし、
前記載置部材上に固定された指の爪に対して前記印刷ヘッドにより印刷を施すことを特徴とする印刷制御方法。
<請求項11>
前記摺動部材は、前記第1軸に沿う順方向に所定量移動させることで、前記第1軸に沿う方向とは異なる水平面上の第2軸に沿う方向にスライド移動可能であって、
前記摺動部材を、前記スライド移動後の位置に保持させる位置保持部に保持させることを特徴とする請求項10に記載の印刷制御方法。
<請求項12>
前記移動体は第2駆動部材をさらに含み、
前記第2駆動部材は、前記載置部材に載置された指が前記固定状態となった後に、前記摺動部材に当接しながら第1軸に沿う逆方向に移動する際、前記スライド移動後の位置に保持された前記摺動部材の保持状態を解除することを特徴とする請求項10又は請求項11に記載の印刷制御方法。
6 指置き台
10 基台
21 制御部
3 端末装置
31 制御部
34 表示部
40 印刷部
45 移動体
50 撮影部
61 本体部
62 載置部材
63 押し上げ部材
64 付勢部材
65 摺動部材
71 第1駆動部材
75 第2駆動部材
100 印刷装置
T 爪
U 指
Claims (12)
- 爪に印刷を施す印刷ヘッド及び第1駆動部材を含む移動体と、
少なくとも水平面上の第1軸に沿う方向に前記移動体を移動させる移動機構と、
印刷対象となる爪に対応する指を載置する載置部材と、
前記第1駆動部材が第1軸に沿う順方向に移動する際に、前記第1駆動部材に当接しながら前記第1軸に沿う順方向に移動し、前記載置部材に間接的に作用して前記載置部材に対して下方向からの押し上げ荷重を付与して前記載置部材に載置された指を固定状態にさせる摺動部材と、
を備えることを特徴とする印刷装置。 - 前記摺動部材は、前記第1軸に沿う順方向に所定量移動したときに、前記第1軸に沿う方向とは異なる水平面上の第2軸に沿う方向にスライド移動可能であって、
前記摺動部材を前記スライド移動後の位置に保持させる位置保持部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。 - 前記位置保持部は、前記摺動部材が前記スライド移動した際に、前記摺動部材の前記第1軸に沿う方向への移動及び前記第2軸に沿う方向への移動を規制する凹部であることを特徴とする請求項2に記載の印刷装置。
- 前記摺動部材を保持する位置の異なる位置保持部が、複数段階設けられていることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の印刷装置。
- 前記移動体は第2駆動部材をさらに含み、
前記第2駆動部材は、前記載置部材に載置された指が前記固定状態となった後に、前記摺動部材に当接しながら第1軸に沿う逆方向に移動する際、前記スライド移動後の位置に保持された前記摺動部材の保持状態を解除することを特徴とする請求項2から請求項4のいずれか一項に記載の印刷装置。 - 前記摺動部材は、前記第1軸に沿う順方向の上流側に、前記第1軸に沿う順方向の上流側から下流側に向かって外側に開く第1の傾斜面を有し、前記第1軸に沿う順方向の下流側に、前記第1軸に沿う順方向の下流側から上流側に向かって外側に開く第2の傾斜面を有しており、
前記第1駆動部材は、前記第1の傾斜面に対応する傾斜面を有しており、
前記第2駆動部材は、前記第2の傾斜面に対応する傾斜面を有しており、
前記第1駆動部材及び前記第2駆動部材は、それぞれ傾斜面同士で前記摺動部材と当接することを特徴とする請求項5に記載の印刷装置。 - 前記載置部材の下方に配置され、上下方向に移動可能であり、上昇した際に前記載置部材に対して下方向からの押し上げ荷重を付与する押し上げ部材を備え、
前記摺動部材は、前記第1軸に沿う順方向の上流側から下流側に向かって下る第3の傾斜面を有し、前記押し上げ部材は、前記摺動部材と対向する側に前記第3の傾斜面に対応する傾斜面を有しており、
前記摺動部材と前記押し上げ部材とは、傾斜面同士で接触することを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の印刷装置。 - 前記押し上げ部材と前記載置部材との間には、前記載置部材を上方向に付勢する付勢部材が設けられていることを特徴とする請求項7に記載の印刷装置。
- 前記固定状態において前記載置部材に載置された指の上面に当接する指押え部をさらに備えていることを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の印刷装置。
- 爪に印刷を施す印刷ヘッド及び第1駆動部材を含む移動体が、前記移動体の移動機構によって少なくとも水平面上の第1軸に沿う方向に移動し、
前記第1駆動部材が第1軸に沿う順方向に移動する際に、摺動部材が前記第1駆動部材に当接しながら前記第1軸に沿う順方向に移動し、
前記摺動部材が移動することで、印刷対象となる爪に対応する指を載置する載置部材に対して下方向からの押し上げ荷重が付与されて、前記載置部材に載置された指を固定状態とし、
前記載置部材上に固定された指の爪に対して前記印刷ヘッドにより印刷を施すことを特徴とする印刷制御方法。 - 前記摺動部材は、前記第1軸に沿う順方向に所定量移動させることで、前記第1軸に沿う方向とは異なる水平面上の第2軸に沿う方向にスライド移動可能であって、
前記摺動部材を、前記スライド移動後の位置に保持させる位置保持部に保持させることを特徴とする請求項10に記載の印刷制御方法。 - 前記移動体は第2駆動部材をさらに含み、
前記第2駆動部材は、前記載置部材に載置された指が前記固定状態となった後に、前記摺動部材に当接しながら第1軸に沿う逆方向に移動する際、前記スライド移動後の位置に保持された前記摺動部材の保持状態を解除することを特徴とする請求項11に記載の印刷制御方法。
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