JP7294357B2 - 印刷装置、印刷制御方法及びプログラム - Google Patents

印刷装置、印刷制御方法及びプログラム Download PDF

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Description

本発明は、印刷装置、印刷制御方法及びプログラムに関するものである。
従来、指の爪等にネイルデザインの印刷を行う印刷装置(ネイルプリント装置)が知られている。
このような印刷装置では、爪の位置が適切でないときれいに印刷を行うことができない。
そこで、印刷をしたい爪に対応した指を指置き台に保持させた状態でネイルデザインの印刷を行うことが考えられる。
指置き台には直接指が触れるため、できるだけ衛生環境を保つことが望まれる。
特に印刷装置がネイルサロン等の店舗等に設置され、不特定多数のユーザによる使用が想定されるような場合には、衛生管理の重要性が顕著である。
この点、特許文献1には、指置き台(特許文献1では「ネイルアートプリント用指先保持器」)を印刷装置の装置本体に対して着脱自在に構成することが記載されている。
指置き台を着脱可能な構成とすれば、あるユーザについての一連の印刷(例えば、左右の手の10本指の爪に対する印刷等)が終了したら、次の印刷を行う前に一旦指置き台を印刷装置から取り外すことにより、アルコール除菌・消毒等を容易に行うことができる。また、ユーザが変わるごとに別の指置き台と交換することも可能となる。
このようにすれば、複数人で1つの印刷装置を使用する場合でも安心して衛生的にネイルプリントを行うことができる。
しかし、指置き台を着脱可能とした場合、例えば印刷装置組み立て時の実装誤差がある場合や、一旦指置き台を装置本体から取り外して再装着する場合のユーザのミス等により、装着不良が生じる場合がある。
指置き台が印刷装置内の正しい位置に装着されていないと、爪に正しく印刷を行うことができない。
この点特許文献1では、磁石を用いて指置き台が印刷装置の所定位置にセットされるように構成している。
特許6577203号公報
しかしながら、指置き台を正しい位置に装着するために磁石等を用いると、その分部品点数が増えてコストがかかり、組み立てにも手間がかかる。
また、指置き台に通電してその位置を発信できるようにしたり、印刷装置の本体側に指置き台の位置を検出するセンサを設けたりすることも考えられる。
しかし、いずれの手法もコスト増を招き、装置構成も複雑化してしまう。
本発明は以上のような事情に鑑みてなされたものであり、組み立て工数やコストの増加を招くことなく、適切に印刷を行うことのできる印刷装置、印刷制御方法及びプログラムを提供することを利点とするものである。
前記課題を解決するために、本発明の印刷装置は、
指の爪に印刷を施す印刷手段と、
装置本体に対して着脱可能に構成され、前記指を配置する指置き台と、
少なくとも前記指置き台が装着される領域内を撮影して撮影画像を取得する撮影手段と、
前記撮影画像に基づいて、前記指置き台の装着位置に関する情報として前記撮影画像における前記装置本体に対する前記指置き台の位置関係を検出する検出手段と、
前記検出手段により検出された前記情報から前記指置き台の装着位置が前記装置本体に対して適切か否かを判断する判断手段と、
を備えることを特徴とする。
本発明によれば、組み立て工数やコストの増加を招くことなく、適切に印刷を行うことができるとの効果を奏する。
本実施形態における印刷装置の要部構成を示す斜視図である。 本実施形態における印刷装置及びこれと連携する端末装置の概略制御構成を示す要部ブロック図である。 本実施形態における指置き台の要部斜視図である。 指置き台を装置本体の装着部に装着した状態を示す要部平面図である。 指置き台が装置本体の装着部に正しく装着された状態を示す要部平面図である。 指置き台が装置本体の装着部の奥まで装着されていない状態を示す要部平面図である。 図5に示す状態で爪に印刷が行われた場合の印刷結果を示す説明図である。 図6に示す状態で爪に印刷が行われた場合の印刷結果を示す説明図である。 本実施形態における印刷制御処理を示すフローチャートである。 一変形例にかかる指置き台を装置本体の装着部に装着した状態を示す要部平面図である。
図1から図9を参照しつつ、本発明に係る印刷装置、印刷制御方法及びプログラムの一実施形態について説明する。
なお、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。
また、以下の実施形態では、印刷装置が手の指の爪を印刷対象としてこれに印刷する印刷装置を例に説明するが、本発明における印刷装置の印刷対象は手の指の爪に限るものではなく、例えば足の指の爪等を印刷対象としてもよい。また後述するように、所定の印刷用紙やシール等の媒体P(図2参照)を印刷対象とすることもできる。
図1は、本実施形態における印刷装置の要部構成を示す斜視図である。なお、印刷装置100は、図1に示す装置本体1等を覆うように収容する筐体(外装ケース)を備えているが、図1では、印刷装置100の内部構成を示すために、筐体の図示を省略している。
なお、以下の実施形態において、上下、左右及び前後は、図1に示した向きをいうものとする。また、X方向、Y方向は、図1に示した方向をいうものとする。
また、本実施形態では、印刷装置100が端末装置3と連携して、爪Tに印刷を行う場合を例示する。図2は、印刷装置及びこれと連携する端末装置の制御構成の概要を示す要部ブロック図である。
印刷装置100は、図1及び図2に示すように、基台10や基台10に組付けられる印刷部40、撮影部50、制御装置20等を備える装置本体1、装置本体1(実施形態では基台10)に対して着脱可能に構成された指置き台6等を備えている。
基台10における装置手前側であって、装置左右方向(図1に示すX方向)のほぼ中央部には、装置Y方向の手前側から奥側に向かってほぼコ字状に切り欠かれた切り欠き部11が形成されている。切り欠き部11には、後述する指置き台6が、装置の手前側から奥側に向かって嵌め込まれる。
また切り欠き部11に対応する基台10の裏面側(図1において下側)には、正面視においてほぼコ字状の受入れ部12が設けられている。
受入れ部12は、切り欠き部11の縁に沿って配置されている。受入れ部12は、指置き台6が切り欠き部11内に嵌め込まれるときに、指置き台6のフランジ部66(図3等参照)を受け入れ、担持するとともに、指置き台6が切り欠き部11内を装置のY方向に沿って移動する際のガイドとなる。
本実施形態では、切り欠き部11の縁の全周に沿って受入れ部12が設けられている場合を図示しているが、受入れ部12は指置き台6を担持し、ガイドできればよく、その配置や形状は特に限定されない。
例えば受入れ部12は切り欠き部11の両側部の縁に沿う部分のみに設けられていてもよいし、切り欠き部11の両側部の縁に沿う一部及び切り欠き部11の奥側の縁に沿う一部に設けられていてもよい。
切り欠き部11の奥側近傍の基台10の裏面側には、第1の係止部としての凹部13が形成されている。第1の係止部(凹部13)は、装置本体1側に設けられた係止部であり、指置き台6側に設けられている第2の係止部(本実施形態では、凸部67)を係止させるものである。
なお、第1の係止部としての凹部13は指置き台6側の第2の係止部としての凸部67と嵌り合うものであって、その配置や形状は指置き台6側の第2の係止部としての凸部67に対応し、図示例には限定されない。
指置き台6は、装置本体1に対して着脱可能に構成され、指Uを配置するものである。指置き台6に指Uが保持されることで、印刷対象である爪Tを有する指Uが印刷に適した位置に保持される。
本実施形態において指置き台6は、装着時には、装置本体1を構成する基台10に形成された切り欠き部11内に嵌め込まれ、装着状態において装置前面側の左右方向(X方向)のほぼ中央部に配置される。
図3は、指置き台6を斜め後方から見た斜視図である。
図3に示すように、指置き台6は、本体部60と、本体部60における上下方向のほぼ中央部に外向きに形成されたフランジ部66と、を有している。
また図4は、指置き台6を基台10に装着する様子を上方から見た平面図である。
図1及び図4に示すように、指置き台6を切り欠き部11に嵌め込んだ状態では、本体部60の上部のみが基台10の表面側に現れ、フランジ部66及び本体部60の下部(フランジ部66よりも下の部分)は基台10の裏面側に配置される。そして、フランジ部66は受入れ部12内に受け入れられて、Y方向に沿って案内されるようになっている。
図4では、基台10の裏面側の構造部の配置を示すために、受入れ部12の設けられている範囲を細破線で示し、指置き台6(指置き台6のフランジ部66)の外形形状を太破線で示して、両者を区別している。
図3及び図4に示すように、指置き台6の後方側(装置本体1に装着された際に装置の奥側に配置される側)に設けられているフランジ部66の上面には、凸部67が設けられている。前述したように、凸部67は指置き台6が装置本体1に正しく装着されたときに第1の係止部としての凹部13と嵌り合う第2の係止部である。
本実施形態では、装置本体1側に設けられている第1の係止部としての凹部13に対応して、フランジ部66の上側面であって指置き台6における左右方向のほぼ中央部に第2の係止部としての凸部67が配置されている。
ここで「指置き台6が装置本体1に正しく装着されたとき」の位置(正しい装着位置)とは、本実施形態では、本体部60の上部が切り欠き部11の最奥に突き当たるまで押し込まれた位置である(図5参照)。
指置き台6がこのような正しい装着位置まで押し込まれると、フランジ部66の奥側も受入れ部12の最奥に突き当たる。
そして、この状態において、第1の係止部としての凹部13に第2の係止部としての凸部67が係止される。指置き台6が正しい装着位置に装着されて第1の係止部としての凹部13に第2の係止部としての凸部67が係止されると、指置き台6に配置された指Uの爪Tが適切に印刷可能範囲ArP内に配置される。
また、切り欠き部11及び受入れ部12が指置き台6に対してぎりぎりの大きさに形成されていると、指置き台6を着脱する際に動きが悪くなり、着脱しづらくなってしまう。そこで、切り欠き部11及び受入れ部12は、指置き台6に対して多少のあそび(ゆとり)をもって形成されている。
このため、指置き台6が正しい装着位置まで押し込まれるまでは、多少のガタがあり、安定しないが、正しい装着位置まで押し込まれ、凹部13に凸部67が係止されると、指置き台6が安定し、がたつきのない状態で指Uを保持することのできる状態となる。
なお、凸部67は凹部13に対して着脱しやすいように、角部に面取り加工等が施されていることが好ましい。
また、図示例では第2の係止部がフランジ部66の上に一体的に設けられている凸部67である場合を示したが、第2の係止部はこれに限定されない。例えば第2の係止部は、フランジ部66の上に板バネ等を取り付けて構成され、凹部13に対して着脱した際にクリック感を感じるような形状に形成されたもの等であってもよい。
なお、第1の係止部と第2の係止部とは互いに嵌り合うものであればよく、配置や形状は図示例の凹部13及び凸部67に限定されない。
例えば第1の係止部が凸部であり第2の係止部がこれを受ける凹部であってもよい。また第2の係止部である凸部67がフランジ部66の裏側面に設けられている場合には、第1の係止部である凹部13も受入れ部12においてフランジ部66の裏面側と接する面に設けられる。さらに第1の係止部と第2の係止部は、装置Y方向の奥側一箇所ではなく、左右両側等、複数箇所設けられていてもよい。
図1に示すように、指置き台6は、装置前面側に開口部61を有している。また指置き台6の内部には、指保持部材62が設けられている。指保持部材62は、開口部61から挿入された指を下側から押し上げ支持するものであり、例えば柔軟性を有する樹脂等で形成されている。
図1及び図3等に示すように、指置き台6の奥側には、爪Tの先端側を載置する爪置き部63が設けられている。
指置き台6の上面には開口部61から挿入され指保持部材62により保持された指Uの爪T部分を露出させる窓部64が形成されている。
また、指置き台6の上面であって窓部64よりも手前側には、突き当て部65が設けられている。開口部61から挿入された指Uの上面が突き当て部65に突き当たることで、指Uの浮き上がりが防止され、指置き台6に配置される指Uの高さ位置が規定される。
さらに、図3に示すように、指置き台6は、調整用紙Pを印刷対象とする場合にこれを所定の位置に配置する用紙配置部材68を着脱可能に備えている。
調整用紙Pは、例えば印刷ヘッド41のアライメント調整(補正)のための補正用パターン(アライメントパターン)を印刷するための用紙である。
なお、用紙配置部材68に配置されるのは調整用紙Pに限定されない。例えば、タトゥーシール等として用いられる転写用のシール、各種シート等を用紙配置部材68に配置し、用紙配置部材68を指置き台6の本体部60に装着して印刷可能としてもよい。
図3では、用紙配置部材68を指置き台6の本体部60に装着しようとする状態を示している。
用紙配置部材68を指置き台6に取り付ける際は、図3に示すように指置き台6の後方から窓部64を覆うように用紙配置部材68を装着する。
調整用紙Pをセットした状態の用紙配置部材68を指置き台6に取り付けることで、調整用紙Pの表面(すなわち、調整用紙Pが印刷対象である場合における印刷対象面)が、爪Tの表面(すなわち、爪Tが印刷対象である場合における印刷対象面)が印刷に適した適正位置に配置された際の高さ位置とほぼ面一となる高さ位置に配置される。
なお、図1や図3では、指置き台6を白抜きの線図で表現しているが、本実施形態の指置き台6は、少なくとも爪Tを含む指Uの周辺の色が爪Tを含む指Uとの識別性の高い色で形成されている。本実施形態では、指置き台6の全体が黒色等、爪Tや指Uの色と区別しやすい色となっている。
図4では、黒色の指置き台6が装置本体1(装置本体1を構成する基台10)に装着される様子を示している。
指置き台6が肌色に近い色である場合、爪Tを上側から撮影した爪画像から爪Tの領域(爪Tの輪郭形状)を識別することが難しい。この点、指置き台6を黒色等で形成した場合には、図4に示すように、爪Tや指Uの皮膚と指置き台6との判別(両者の境界の識別)がしやすくなる。
このように、本実施形態では、指置き台6全体(すなわち、本体部60及びフランジ部66)が黒色等で形成されている。
このため、指置き台6及びその周辺を上側から撮影した撮影画像では、図4に示すように、指Uや爪Tの背景となる部分が全て黒色等となり、高いコントラストが得られる。
また、指置き台6全体を同じ色(例えば黒色等)で形成することで、部品の製造も一括して簡易に行うことができ、コストを抑えることができる。
なお、指置き台6は、爪Tや指Uの皮膚とのコントラストがある程度確保することのできる色であればよく、黒色に限定されない。例えば複数色の指置き台6を用意して、ユーザの好み等に応じて交換してもよい。また、複数のユーザによる印刷装置100の使用が想定されるような場合に、複数色の指置き台6を用意して、色で指置き台6を区別できるようにしてもよい。
次に、印刷部40は、指Uの爪Tに印刷を施す印刷手段である。本実施形態の印刷部40は、装置本体1を構成する基台10の上に組付けられている。
印刷部40は、印刷ヘッド41と、印刷ヘッド41を移動させるヘッド移動機構49等を備えている。
本実施形態では、ヘッド移動機構49は印刷ヘッド41を装置の左右方向(X方向)に移動させるX方向移動機構と、印刷ヘッド41を装置の前後方向(Y方向)に移動させるY方向移動機構等を含んでおり、適宜印刷ヘッド41をXY方向に移動させて印刷を行うようになっている。
印刷部40は、後述するように、印刷可能範囲ArP(図5及び図6参照)において印刷を行うことが可能となっている。印刷可能範囲ArPは、長い爪Tや幅の広い爪Tにも印刷を行うことができるように、指置き台6が正しい装着位置に配置された場合の指Uの爪Tの範囲として想定される範囲よりも広く設定されている。
本実施形態の印刷ヘッド41は、基台10の表面に対向する面(下側の面)に図示しないインク吐出面を備えており、インクを微滴化して、インク吐出面から爪表面に直接にインクを吹き付けて印刷を行うインクジェットヘッドである。本実施形態では、印刷ヘッド41は、例えばマルチパス方式の印刷やシングリング印刷を行うことが可能となっており、爪の表面等に繊細な印刷を施すことが可能に構成されている。
印刷ヘッド41の構成は特に限定されないが、例えばインク吐出面等の吐出機構部とインクを貯留するインクカートリッジとが一体となったカートリッジ一体型のヘッドである。
印刷ヘッド41は、例えば、シアン(C;CYAN)、マゼンタ(M;MAGENTA)、イエロー(Y;YELLOW)等の色インクを吐出可能となっている。なお、印刷ヘッド41の種類や数は特に限定されない。例えば上記のような色インクを吐出する印刷ヘッドの他に、デザインを印刷する前に下地となる液剤を印刷する下地用の印刷ヘッド等を備えていてもよい。
また、印刷装置100内には、撮影部50が設けられている。撮影部50は、装置本体1に装着された指置き台6を撮影して撮影画像を取得する撮影手段である。
撮影部50は、撮影装置51及び照明装置52等を備えている。
撮影装置51は、例えば、200万画素程度以上の画素を有する固体撮像素子とレンズ等を備えて構成された小型カメラである。また、照明装置52は、例えば白色LED等の照明灯である。
本実施形態では、指Uが配置された状態で装置本体1に装着された指置き台6を撮影し、撮影画像を取得する。具体的には、指置き台6や指置き台6に配置された指U及びその爪Tを照明装置52によって照明し、撮影装置51によって撮影を行う。
図5及び図6は、指置き台を装置本体の切り欠き部に装着する様子を示す基台の要部平面図である。図5及び図6において撮影部50によって撮影することのできる範囲(これを「撮影可能範囲ArV」とする)及び印刷部40により印刷が行われる範囲(これを「印刷可能範囲ArP」とする)を一点鎖線で示している。
図5及び図6に示すように、撮影装置51の撮影可能範囲ArVは、爪Tを含む指U周辺よりも広い範囲に設定されており、印刷部40により印刷が行われる範囲である印刷可能範囲ArPよりも広い範囲が撮影装置51により撮影可能となっている。
指置き台6を撮影して得られる撮影画像は、撮影可能範囲ArVを広く撮影した画像であり、爪Tを含む指U周辺だけでなく、指置き台6や指置き台6が装着される切り欠き部11まで含んでいることが好ましい。
また、撮影部50は、指置き台6に配置された指Uを撮影して爪画像(爪Tを含む指Uの画像)を得るようになっている。
本実施形態では、爪Tの表面に予め白色等の液剤を下地として塗布するようになっている。このため撮影部50によって撮影された爪画像では、例えば図4に示すように、指Uの皮膚部分と爪Tの領域とのコントラストが高くなる。これにより、後述する制御部21によって爪画像から指Uの皮膚部分と爪Tの領域との境界を認識することが容易となり、より正確に爪Tの輪郭形状を取得することができる。
撮影部50は、指置き台6に配置された指Uを撮影可能な位置に設けられていればよく、具体的な配置は特に限定されない。本実施形態では、撮影部50は、筐体の天面内側であって指置き台6に配置された指Uの爪T(爪Tの表面)と対向可能な位置に固定配置されている。
なお、撮影部50は、各種の移動機構によってXY方向に移動可能に構成されていてもよい。
また印刷装置100は、図2に示すように、操作部23、表示部24、通信部25及び装置各部を制御する制御装置20等を備えている。
操作部23は、ユーザが各種入力を行うものである。
操作部23には、例えば、印刷装置100の電源をONする電源スイッチ釦、動作を停止させる停止スイッチ釦、印刷開始を指示する印刷開始釦等、各種の入力を行うための操作釦が配置されている。
操作部23が操作されると操作信号が図示しない制御装置に出力され、制御装置が操作信号に従った制御を行い、印刷装置100の各部を動作させる。
なお、操作部23に代えて、端末装置3の操作部33から入力された操作信号に従って印刷装置100の各部が動作するようにしてもよい。
表示部24は、例えば液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)、有機ELディスプレイ(OEL:organic electro-luminescence Display)、その他のフラットディスプレイ等で構成されている。
なお、表示部24の表面に各種の入力を行うためのタッチパネルが一体的に構成されていてもよい。この場合にはタッチパネルが操作部23として機能する。
表示部24は、例えば印刷装置100の筐体上面等に設けられている。
また、後述のように、本実施形態では判断手段としての制御部21が、指置き台6の装着位置が装置本体1に対して適切であるか否かを判断するようになっており、制御部21が指置き台6の装着位置が適切でないと判断したときには、表示部24にその旨(装着位置の適否)を表示させてユーザに報知する。この場合、表示部24は、報知手段として機能する。
報知の仕方は特に限定されない。例えば指置き台6の装着位置が適切でない旨を文字やイラスト等で表示部34に表示させたり、ユーザに対処を促すメッセージや対処方法(例えば、「カチッと音がするまで指置き台6を押し込んでください」等のメッセージ)等を表示部24に表示させる。
なお、報知手段は印刷装置100の表示部24に限定されない。例えば連携する端末装置3の表示部34に各種のメッセージ等を表示させることでユーザに報知してもよい。
また、印刷装置100や端末装置3がランプを有する場合にはランプの点滅等によって報知するものであってもよいし、印刷装置100や端末装置3が音声出力部を有する場合には音声出力部からの音声やアラート等によって報知してもよい。
また通信部25は、外部機器との間で通信を行う。
本実施形態では、通信部25は、後述する端末装置3の通信部35との間で通信可能に構成されている。
印刷装置100と端末装置3との間での通信は、無線接続方式、有線接続方式のどちらでもよく、具体的な方式は限定されない。通信部25は端末装置3との間で通信を行うことのできるものであればよく、端末装置3の通信部35の通信規格と合致するものが適用される。
図2に示すように、本実施形態の印刷装置100の制御装置20は、図示しないCPU(Central Processing Unit)等のプロセッサにより構成される制御部21と、図示しないROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等で構成される記憶部22とを備えるコンピュータである。
記憶部22には、印刷装置100の各部を動作させるための各種プログラムや各種データ等が格納されている。
具体的には、記憶部22のROM等には、印刷装置100の各部を統括制御するための動作プログラムが格納された図示しないプログラム記憶領域が設けられている。
また、本実施形態では、後述するように制御部21が検出手段、判断手段として機能するようになっており、記憶部22等には、制御部21を検出手段、判断手段として機能させるプログラムが組み込まれる。
制御部21がこれらのプログラムを例えばRAMの作業領域に展開して、プログラムが制御部21において実行されることによって、印刷装置100の各部が統括制御されるようになっている。
また、記憶部22には、ネイルデザイン(デザイン)のデータや爪画像から検出された爪Tに関する各種の情報(爪情報)が格納されてもよい。この場合、爪情報は爪Tの輪郭形状(爪輪郭)のほか、例えば爪Tの湾曲度合を示す曲率等、各種の情報を含んでもよい。
本実施形態において、印刷装置100の制御部21は、検出手段、判断手段として機能する他、表示部24の表示動作を制御する表示制御手段、通信部25の通信動作を制御する通信制御手段等としても機能する。
検出手段としての制御部21は、撮影部50によって取得された撮影画像に基づいて、指置き台6の装着位置に関する情報を検出する。
指置き台6の装着位置に関する情報は、装着位置そのものの情報(例えば指置き台6の座標情報等)でもよいし、装着位置を示す関連情報であってもよい。
具体的には、制御部21は、撮影画像について画像解析等を行うことにより、指置き台6がどこに装着されているかを示す情報を検出する。
本実施形態では前述のように、指置き台6全体が黒色等であるため、指置き台6を切り欠き部11に嵌め込んでいった場合、図4に示すように、切り欠き部11内全体が黒色となり、指置き台6がどこまで押し込まれているかを識別しにくい。
この点、指Uが配置された状態で装置本体1に装着された指置き台6を撮影して取得された撮影画像には撮影可能範囲ArV内が移り込んでおり、突き当て部65とその周辺の指Uや爪T等の画像が含まれている。検出手段としての制御部21は、当該撮影画像に基づいて、爪Tを含む指Uの領域と指置き台6(例えば突き当て部65)との境界Ln(図4参照)を、指置き台6の装着位置に関する情報として検出する。
具体的には、指Uの皮膚部分の色と、その背景となる指置き台6の色(黒色等)との差から境界Lnを識別する。なお、境界Lnを識別する具体的な手法はどのようなものを用いてもよい。
なお、検出手段としての制御部21は、指置き台6の装着位置に関する情報以外に、撮影部50によって取得された撮影画像(爪Tを含む指Uの画像である爪画像)に基づき、指置き台6に配置された指Uの爪Tに関する各種の情報(以下、「爪情報」という)を検出してもよい。爪情報としては、例えば、爪Tの輪郭形状、爪Tの幅方向の湾曲度合等があるが、これに限定されない。
制御部21が撮影画像(爪画像)に基づいて爪Tの輪郭形状等を検出する手法は特に限定されない。例えば、突き当て部65と指U等との境界Lnを検出する場合と同様に、爪Tとの色と指Uの皮膚部分の色や背景となる指置き台6の色との差から爪Tの輪郭形状(爪輪郭)を検出する。
なお、前述のように爪Tに予め下地として白色等の液剤を塗布しておいた場合には、色のコントラストが高くなる。これにより一層明確に、爪Tとそれ以外の部分とを区別することができ、正確に爪Tの輪郭形状を検出することができるため好ましい。
判断手段としての制御部21は、検出手段として検出した情報に基づいて、指置き台6の装着位置が装置本体1に対して適切か否かを判断する。
例えば、「境界Ln」(図4参照)が、指置き台6の装着位置に関する情報として検出された場合、この「境界Ln」情報から指置き台6の装着位置を判断する。
突き当て部65と指U等との「境界Ln」が指置き台6全体におけるどの辺りに位置するかは予め制御部21が持つ情報であり、制御部21は、「境界Ln」が検出されることで、指置き台6全体の位置も認識することができる。
そして、認識された指置き台6の装着位置が装置本体1に対して適切か否かを判断する。
なお、検出手段としての制御部21が、「境界Ln」を検出するとともに、これに基づいて指置き台6全体の位置を、指置き台6の装着位置に関する情報として検出してもよい。
検出手段として検出した指置き台6の装着位置に関する情報が、指置き台6の本体部60上部の奥側の壁と、切り欠き部11の最奥位置との間に隙間がない状態(図5に示す状態)であること示すものであれば、制御部21は、指置き台6が正しい装着位置にあると判断する。
他方、検出手段として検出した指置き台6の装着位置に関する情報が、指置き台6の本体部60上部の奥側の壁と、切り欠き部11の最奥位置との間に隙間Dが生じている状態(図6に示す状態)であること示すものであれば、制御部21は、指置き台6の押し込みが足りず、正しい装着位置まで嵌め込まれていないと判断する。
次に本実施形態の端末装置3は、図2に示すように、操作部33、表示部34と、印刷装置との間でデータの送受信を行う図示しない通信部35及び制御装置30等を備えている。
端末装置3は、例えばスマートフォン等の携帯端末装置である。なお、端末装置3はスマートフォンに限定されない。例えばタブレット型のパーソナルコンピュータ(以下において「PC」とする。)やノート型のPC、据置型のPC、ゲーム用の端末装置等であってもよい。
操作部33は、例えば各種の操作ボタン等であり、ユーザの操作に応じて各種の入力・設定等を行うものである。操作部33が操作されると、当該操作に対応する入力信号が制御装置に送信される。なお、表示部34の表面にタッチパネルが一体的に設けられていてもよく、この場合にはユーザはタッチパネルへのタッチ操作によっても各種の入力・設定等の操作を行うことができる。
本実施形態では、ユーザが操作部33を操作することで、端末装置3から印刷装置100に対して印刷開始等の各種指示が出力されるようになっており、端末装置3は印刷装置100の操作部としても機能する。
また、ユーザが操作部33を操作することで、爪Tに印刷するネイルデザインを選択すること等ができるようになっている。
表示部34は、例えば液晶ディスプレイ(LCD)、有機ELディスプレイ(OEL)、その他のフラットディスプレイ等で構成されている。
なお、前述のように、表示部34の表面に各種の入力を行うためのタッチパネルが一体的に構成されていてもよい。この場合にはタッチパネルが操作部33として機能する。
本実施形態では、ユーザが操作部33から入力・選択したネイルデザインや、各種の案内画面、警告表示画面等が表示部34に表示可能となっている。
また、本実施形態において表示部34には、印刷装置100の撮影部50によって撮影された撮影画像が適宜表示されてもよい。例えば爪画像が表示されてもよいし、爪画像にネイルデザインを重畳させて印刷イメージを表示させてもよい。
また、指置き台6を装置本体1に装着する様子を撮影した撮影画像を表示部34に表示させてもよい。
なお、本実施形態において撮影部50は、静止画像を撮影するものでも、動画像を撮影するものであってもよい。
撮影部50によって動画像が撮影された場合には、表示部34には、静止画像のみならず、ライブビュー画像等の動画像を表示させてもよい。
指置き台6を装置本体1に装着する様子や、指置き台6に指Uを配置させる様子をライブビュー画像として表示させる場合には、ユーザがリアルタイムに状況を把握しやすく、好ましい。
通信部35は、印刷装置100の通信部25との間で通信可能に構成されている。
端末装置3と印刷装置100との間での通信は、前述のように、無線接続方式、有線接続方式のどちらでもよく、具体的な方式は限定されない。通信部35は印刷装置100との間で通信を行うことのできるものであればよく、印刷装置100の通信部25の通信規格と合致するものが適用される。
図2に示すように、本実施形態の端末装置3の制御装置30は、図示しないCPU等のプロセッサにより構成される制御部31と、図示しないROM及びRAM等で構成される記憶部32とを備えるコンピュータである。
記憶部32には、端末装置3の各部を動作させるための各種プログラムや各種データ等が格納されている。
具体的には、記憶部32のROM等には、端末装置3の各部を統括制御するための動作プログラムの他、印刷装置100を用いたネイルプリントを行うためのネイルプリントアプリケーションプログラム(以下「ネイルプリントAP」とする。)等の各種プログラム(いずれも図示せず)が格納された図示しないプログラム記憶領域が設けられている。
制御部31がこれらのプログラムを例えばRAMの作業領域に展開して、プログラムが制御部31において実行されることによって、端末装置3の各部が統括制御されるようになっている。
また、本実施形態の記憶部32には、ネイルデザイン(デザイン)のデータが格納されていてもよい。
次に、本実施形態の印刷装置の作用(印刷制御方法)について、図9等を参照しつつ説明する。
本実施形態の印刷装置100を用いてネイルプリントを行う場合には、ユーザは、印刷装置100の電源を入れて装置を起動させる。また端末装置3についても電源を入れて端末装置3の操作部33からネイルプリント処理の実行を選択する。これによりネイルプリントを行うための図示しないアプリケーションプログラムが起動する。
本実施形態では、新たに印刷を行う場合や、印刷装置100を使用するユーザが切り替わった際等に、指置き台6を装置本体1(装置本体を構成する基台10)に装着する。そして、指置き台6の装着位置が装置本体1に対して適切か否かを判断する。
例えば、初めて印刷装置100を用いる場合には、出荷時に指置き台6が装置本体1に取り付けされている。ただ、組み立て段階の実装誤差や輸送途中の振動の影響等により、指置き台6の装着位置が正しい位置からずれてしまっている場合がある。
また、1人のユーザについて予定していた一連の印刷(例えば左右の手の10本の指Uの爪T等に対する印刷)が終了すると、次の印刷(例えば別のユーザの印刷)を開始する前に、指置き台6を一旦装置本体1から取り外し、殺菌・消毒等を行って、指置き台6を衛生的に保つ必要がある。また、指置き台6が複数用意されている場合には、ユーザが変わるごとに指置き台6を取り換えることも考えられる。
このように指置き台6の脱着が行われた場合にも、ユーザの装着ミス等により、指置き台6の装着位置が正しい位置からずれてしまう場合があり得る。
このような状態で印刷が行われると、爪Tが印刷部40の印刷可能範囲ArPから外れて塗り残し領域ArNが生じてしまったり(図8参照)、爪Tは印刷可能範囲ArPにあっても(図7参照)、指置き台6が安定せず、印刷中に指Uや爪Tの位置がずれてきれいな仕上がりとならない場合がある。
爪Tが撮影画像の撮影可能範囲ArV内に収まっている場合には、爪Tの輪郭形状等の爪情報を検出することはできるため、印刷が開始されてしまう場合もある。この場合、印刷終了後に、爪Tを見て初めて、例えば爪Tの生え際側等に、塗り残し領域ArN(印刷可能範囲ArPから外れていたために印刷を行うことができなかった部分、図8参照)が生じていることに気づき、やり直しが必要となる場合もある。
そこで、爪Tを含む指Uが配置された指置き台6が装置本体1の切り欠き部11に嵌め込まれると、撮影部50によって指置き台6を撮影し、撮影画像を取得する(ステップS1)。
撮影画像が取得されると、検出手段としての制御部21が、撮影画像に基づいて指置き台6の装着位置に関する情報を検出する。
具体的には、まず、検出手段としての制御部21が、撮影画像に基づいて爪Tを含む指Uの領域を検出し(ステップS2)、さらに、撮影画像に基づいて爪Tを含む指Uの領域と指置き台6との境界Ln(図4参照)を、指置き台6の装着位置に関する情報として検出する(ステップS3)。
指置き台6の装着位置に関する情報が検出されたら、制御部21は、判断手段として、指置き台6の装置本体1に対する装着位置が適切であるか否かを判断する(ステップS4)。
例えば指置き台6の装着位置に関する情報として検出されたのが「境界Ln」である場合には、制御部21は予め有する情報(すなわち、突き当て部65と指U等との「境界Ln」である突き当て部65における指置き台6の前側及び後側の辺の位置が指置き台6全体におけるどの辺りに位置するかの情報)に基づいて、指置き台6全体の位置を認識する。
そして、認識された指置き台6の装着位置が装置本体1に対して適切か否かを判断する。
例えば、指置き台6の装着位置に関する情報から認識された指置き台6の装着位置が、図5に示すように、指置き台6の本体部60上部の奥側の壁と、切り欠き部11の最奥位置との間に隙間がない状態であること示すものである場合、制御部21は、指置き台6が正しい装着位置にあると判断する(ステップS4;YES)。
この場合には、印刷処理を行うように制御部21が装置各部を制御する(ステップS5)。
印刷処理は、一般的なものであるため、ここでは詳細を省略する。
なお、印刷処理を行うためには、指置き台6に配置された爪Tを含む指Uを撮影して爪画像を取得し、爪Tの詳細な輪郭形状(爪輪郭)等の爪情報を取得する。爪輪郭の内側領域が実際に印刷を施す範囲となる。
この点、図7及び図8に示すように、撮影画像の撮影可能範囲ArVは印刷可能範囲ArPよりも広く、指置き台6の装着位置を検出するために撮影された撮影画像は、爪画像を含んだ画像となっている。
そこで、ステップS1で撮影された撮影画像において、爪Tの輪郭形状等の爪情報を検出できる場合(撮影画像の精度が十分に良い場合等)であって、その状態から指Uを動かしていない場合には、印刷処理段階で改めて爪画像を撮影せずに、撮影画像から検出された爪輪郭等に基づいて印刷処理を開始してもよい。このようにすれば、撮影時間が1回分で済み、ネイルプリントに要する全体の処理時間を短縮することができる。
他方、指置き台6の装着位置に関する情報から認識された指置き台6の装着位置が、図6に示すように、指置き台6の本体部60上部の奥側の壁と、切り欠き部11の最奥位置との間に隙間Dが生じている状態であること示すものである場合、制御部21は、指置き台6の押し込みが足りず、正しい装着位置まで嵌め込まれていないと判断する(ステップS4;NO)。
この場合でも、爪Tが撮影可能範囲ArVに入っていれば爪画像を取得することができ、爪輪郭等の検出を行うことは可能である。
しかし、指置き台6の装着位置が大きくずれて、例えば図8に示すように、爪Tの生え際側が、一部印刷可能範囲ArPから外れてしまうと、印刷可能範囲ArPから外れた部分については印刷を行うことができず、塗り残し領域ArNが生じてしまう。
また、塗り残し領域ArNが生じるほどではないが、指置き台6が第1の係止部(凹部13)と第2の係止部(凸部67)とが嵌り合うほどには十分奥まで装着されていない場合には、爪T全体に印刷はできるものの、指置き台6が安定しないことによるブレやずれを生じ、高精細な仕上がりを望めない。
そこで、このような場合には、指置き台6の装着位置が適切でない旨を表示部24等に表示させ、ユーザに報知する(ステップS6)。なお、指置き台6を置くまで押し込むように促す等、問題を解決するための方法等を示してもよい。
なお、図9では、ユーザへの報知後に処理を終了する流れとしたが、例えばユーザへの報知後にステップS1に戻り、指置き台6が正しく装着されるまで処理を繰り返すようにしてもよい。
なお、用紙配置部材68を指置き台6に装着して調整用紙P等を印刷対象とする場合にも同様に、指置き台6の装着位置の適否を確認し、適切でない場合には、その旨を報知し、指置き台6を正しく装着するようにユーザに促す。
なお、爪Tを印刷する場合と異なり、調整用紙P等を印刷対象とする場合には、指置き台6の窓部64のほぼ全体が調整用紙P等を保持する用紙配置部材68によって覆われた状態となる。
調整用紙P等が白色等、黒色の指置き台6と識別しやすい色である場合には、撮影画像から調整用紙P等を検出して、当該検出された領域を指置き台6の窓部64に相当する領域としてもよい。この場合には、調整用紙P等が検出された領域の情報が、指置き台6の装着位置に関する情報となる。
以上のように、本実施形態によれば、印刷装置100が、指Uの爪Tに印刷を施す印刷部40と、装置本体1に対して着脱可能に構成され、指Uを配置する指置き台6と、少なくとも指置き台6が装着される領域内を撮影して撮影画像を取得する撮影部50と、撮影画像に基づいて、指置き台6の装着位置に関する情報を検出する検出手段、検出された情報から指置き台6の装着位置が装置本体1に対して適切か否かを判断する判断手段として機能する制御部21と、を備えている。なお、本実施形態では「撮影可能範囲ArV」が「指置き台6が装着される領域」をカバーする範囲に設定されている。
このような構成により、指置き台6が正しく装着されないまま印刷されることを防止することができ、爪Tに塗り残し領域ArNが生じたり、指置き台6が不安定なまま印刷することによる印刷ミス等を防ぐことができる。このため、高精細なネイルプリントを施すことが可能となる。
また、このように、指置き台6の装着位置を確認してから印刷を行う構成とすることにより、指置き台6を着脱可能とすることができる。これにより、複数人で1台の印刷装置を使用するような場合でも、こまめに除菌・消毒を行うことが可能となり、清潔な環境で安心してネイルプリントを楽しむことができる。
また本実施形態では、撮影画像は、指Uが配置された状態で装置本体1に装着された指置き台6を撮影して取得されたものであり、検出手段としての制御部21は、当該撮影画像に基づいて、爪Tを含む指Uの領域と指置き台6との境界Lnを検出するものであって、判断手段としての制御部21は、爪Tを含む指Uの領域と指置き台6との境界Lnから指置き台6の装置本体1に対する装着位置の適否を判断する。
本実施形態のように、指置き台6全体が黒色等で形成されている場合、指置き台6が切り欠き部11内のどこまで押し込まれているかを撮影画像から検出することが難しい。
この点、指Uや爪Tは肌色や白色であるため、黒色等の指置き台6に対してコントラストが高い。このため、爪Tを含む指Uの領域と指置き台6との境界Lnを指置き台6の装着位置に関する情報とすることで、指置き台6の装着位置を精度よく識別、検出することが可能となる。
また本実施形態では、指置き台6は、少なくとも爪Tを含む指Uが配置された部分の周辺の色が、例えば黒色等、爪Tを含む指Uとの識別性の高い色となっている。
このため、爪Tや指Uと指置き台6との境界Lnを指置き台6の装着位置に関する情報とすることで、指置き台6の装着位置の適否の判断を精度よく行うことが可能となる。
また本実施形態では、判断手段としての制御部21は、指置き台6に配置された指Uの爪Tが印刷部40による印刷可能範囲ArP内にない場合に、指置き台6の装着位置が装置本体1に対して適切でないと判断する。
撮影画像を取得する撮影部50の撮影可能範囲ArV内に爪Tがある場合であれば、爪Tの輪郭形状等の爪情報を検出することは可能である。
しかし、印刷部40の印刷可能範囲ArPは、撮影可能範囲ArVよりも狭く、撮影画像から爪Tを認識することができる場合でも、印刷できない位置に爪Tがある場合もある。
この点、爪Tが印刷可能範囲ArP内にない場合には、指置き台6の装着位置が不適切であるとすることで、爪Tの全部又は一部に塗り残し領域ArNを生じることを防止し、ミスのないネイルプリントを行うことができる。
また本実施形態では、装置本体1に第1の係止部としての凹部13を有し、指置き台6には、装置本体1に正しく装着されたときに第1の係止部としての凹部13と嵌り合う第2の係止部としての凸部67を有している。
このため、指置き台6が正しい位置に配置されるまではある程度のあそびを許容して、楽に装置本体1に装着できるとともに、指置き台6が装置本体1に正しく装着されると、指置き台6のがたつきがなくなり、安定した状態で高精細な印刷を行うことができる。
また本実施形態では、指置き台6の装着位置が装置本体1に対して適切でないと判断したときに、ユーザに装着位置の適否を報知する報知手段をさらに備えている。
具体的には、指置き台6の装着位置が適切でない場合には、表示部24等にユーザにその旨を報知するメッセージ等が表示される。
このため、ユーザは指置き台6の装着ミス等に印刷前に気づくことができ、指置き台6をさらに押し込む等、適切に対処することができる。
なお、装着位置が適切である場合、その旨についても表示部24等に表示させてユーザに報知してもよい。これにより、ユーザは状況を確認することができ、安心して印刷を開始させることができる。
また検出手段としての制御部21が、撮影部50によって取得された撮影画像に基づいて、指置き台6に配置された指Uの爪Tの輪郭形状を検出するようにした場合には、新たな構成要素を増やさずに、指置き台6の装着位置の確認と、印刷範囲(すなわち、爪輪郭の内側の領域)の検出とを行うことができる。
さらに、指置き台6の装着位置を確認するために取得した撮影画像を、印刷範囲を検出するための爪画像としても流用した場合には、撮影が1回で済み、その分ネイルプリントに要する時間を短縮することができる。
なお、以上本発明の実施形態について説明したが、本発明は、かかる実施形態に限定されず、その要旨を逸脱しない範囲で、種々変形が可能であることは言うまでもない。
例えば、本実施形態では、検出手段としての制御部21が撮影画像に基づいて爪Tを含む指Uの領域を検出し、判断手段としての制御部21がこの爪Tを含む指Uの領域と指置き台6との境界Lnから指置き台6の装置本体1に対する装着位置の適否を判断する場合を例示したが、指置き台6の装置本体1に対する装着位置の適否を判断する手法はこれに限定されない。
例えば、撮影画像に写り込む指置き台6の一部を黒色等とは異なる色で形成してもよい。
図10では、指置き台6の本体部60を指Uや爪Tと区別しやすい黒色等で形成した場合に、フランジ部66を例えば黒色と区別可能な水色等で形成した場合の例を示している。
この場合には、切り欠き部11に指置き台6が嵌め込まれてから正しい装着位置に配置されるまでの間、切り欠き部11内には、黒色の本体部60と水色等のフランジ部66とが見える。
この場合、指置き台6の黒色部分の嵌め込み側先端部の位置を撮影画像上で確認することができ、この黒色の嵌め込み側先端位置を指置き台6の装着位置に関する情報として検出してもよい。
例えば切り欠き部11内がすべて黒色となった状態のときには、指置き台6が正しい装着位置まで押し込まれたと判断することができる。
これにより、簡易に指置き台6の装着位置の適否を判断することができる。
また、指置き台6の形状自体等から装置本体1との位置関係が分かる場合には、検出手段としての制御部21は、撮影画像に基づいて、指置き台6と装置本体1との境界を指置き台6の装着位置に関する情報として検出してもよい。
この場合にも簡易な手法で指置き台6の装着位置の適否を判断することができる。
なお、これらの場合には、指置き台6の装着位置の適否を判断するために指Uや爪Tの認識を必要としない。
このため、例えば指置き台6に指を配置しない状態でも指置き台6の装着位置の適否を判断することが可能となる。
また、指置き台6(例えば突き当て部65)の位置を認識しやすくするために、例えば突き当て部65上等に突き当て部65の位置を示すラインやマーク等を付してもよい。
この場合には、爪Tの認識を阻害しないような色でラインやマーク等を付すことが好ましい。また、予めラインやマーク等を付した位置を装置側に記憶させておき、爪Tの認識を行う際には、爪画像からラインやマーク等を除去する画像処理を行ってもよい。
指置き台6の位置を示すライン等を付した場合には、指置き台6(例えば突き当て部65)と指U等の領域との境界Lnを検出する必要がないため、指Uを配置しない状態でも指置き台6の装着位置を確認することができる。
また、本実施形態では、指置き台6の装着位置が適切でないときにこれを報知する報知手段が、印刷装置100の表示部24である場合を例示したが、報知手段はこれに限定されない。
例えば端末装置3に設けられている表示部34が報知手段として機能してもよい。この場合には、印刷装置100側に表示部24を設けなくてもよい。
また、本実施形態では、印刷装置100の制御部21が検出手段及び判断手段として機能し、印刷装置100単体で各種の処理を行う場合を例示したが、各種処理は印刷装置100と端末装置3とが連携して行ってもよい。
例えば、端末装置3の制御部31が検出手段及び判断手段として機能してもよい。この場合には、制御部31が検出手段及び判断手段として機能するためのプログラムが、端末装置3の記憶部32等に格納される。
以上本発明のいくつかの実施形態を説明したが、本発明の範囲は、上述の実施の形態に限定するものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲とその均等の範囲を含む。
以下に、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲に記載した発明を付記する。付記に記載した請求項の項番は、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲の通りである。
〔付記〕
<請求項1>
指の爪に印刷を施す印刷手段と、
装置本体に対して着脱可能に構成され、前記指を配置する指置き台と、
少なくとも前記指置き台が装着される領域内を撮影して撮影画像を取得する撮影手段と、
前記撮影画像に基づいて、前記指置き台の装着位置に関する情報を検出する検出手段と、
前記検出手段により検出された前記情報から前記指置き台の装着位置が前記装置本体に対して適切か否かを判断する判断手段と、
を備えることを特徴とする印刷装置。
<請求項2>
前記検出手段は、前記撮影画像に基づいて、前記指置き台と前記装置本体との境界を前記情報として検出することを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
<請求項3>
前記撮影画像は、前記指が配置された状態で前記装置本体に装着された前記指置き台を撮影して取得されたものであり、
前記検出手段は、当該撮影画像に基づいて、前記爪を含む指の領域と前記指置き台との境界を前記情報として検出するものであって、
前記判断手段は、前記爪を含む指の領域と前記指置き台との境界から前記装着位置の適否を判断することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の印刷装置。
<請求項4>
前記指置き台は、少なくとも前記爪を含む指が配置された部分の周辺の色が、前記爪を含む指に対して識別性の高い色であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の印刷装置。
<請求項5>
前記判断手段は、前記指置き台に配置された前記指の爪が前記印刷手段による印刷可能範囲内にないとされた場合に、前記指置き台の装着位置が前記装置本体に対して適切でないと判断することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の印刷装置。
<請求項6>
前記装置本体は第1の係止部を有し、
前記指置き台は、前記装置本体に正しく装着されたときに前記第1の係止部と嵌り合う第2の係止部を有していることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の印刷装置。
<請求項7>
前記判断手段が、前記指置き台の装着位置が前記装置本体に対して適切でないと判断したときに、ユーザに前記装着位置の適否を報知する報知手段をさらに備えていることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の印刷装置。
<請求項8>
前記検出手段は、前記撮影手段によって取得された撮影画像に基づいて、前記指置き台に配置された前記指の爪の輪郭形状を検出することを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の印刷装置。
<請求項9>
少なくとも指置き台が装着される領域内を撮影して撮影画像を取得する撮影工程と、
前記撮影画像に基づいて、前記指置き台の装着位置に関する情報を検出する検出工程と、
前記検出工程において検出された前記情報から前記指置き台の装着位置が装置本体に対して適切か否かを判断する判断工程と、
前記検出工程において前記指置き台の装着位置が前記装置本体に対して適切であると判断されたときに、前記指置き台に配置された指の爪に印刷を施す印刷工程と、
を含むことを特徴とする印刷制御方法。
<請求項10>
コンピュータに、
少なくとも指置き台が装着される領域内を撮影して得られた撮影画像に基づいて、前記指置き台の装着位置に関する情報を検出する検出機能と、
前記検出機能によって検出された前記情報から前記指置き台の装着位置が装置本体に対して適切か否かを判断する判断機能と、
を実現させることを特徴とするプログラム。
1 装置本体
6 指置き台
10 基台
11 切り欠き部
21 制御部
24 表示部
3 端末装置
31 制御部
34 表示部
40 印刷部
50 撮影部
100 印刷装置
T 爪
U 指

Claims (10)

  1. 指の爪に印刷を施す印刷手段と、
    装置本体に対して着脱可能に構成され、前記指を配置する指置き台と、
    少なくとも前記指置き台が装着される領域内を撮影して撮影画像を取得する撮影手段と、
    前記撮影画像に基づいて、前記指置き台の装着位置に関する情報として前記撮影画像における前記装置本体に対する前記指置き台の位置関係を検出する検出手段と、
    前記検出手段により検出された前記情報から前記指置き台の装着位置が前記装置本体に対して適切か否かを判断する判断手段と、
    を備えることを特徴とする印刷装置。
  2. 前記検出手段は、前記撮影画像に基づいて、前記指置き台と前記装置本体との境界を前記情報として検出することを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
  3. 前記撮影画像は、前記指が配置された状態で前記装置本体に装着された前記指置き台を撮影して取得されたものであり、
    前記検出手段は、当該撮影画像に基づいて、前記爪を含む指の領域と前記指置き台との境界を前記情報として検出するものであって、
    前記判断手段は、前記爪を含む指の領域と前記指置き台との境界から前記装着位置の適否を判断することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の印刷装置。
  4. 前記指置き台は、少なくとも前記爪を含む指が配置された部分の周辺の色が、前記爪を含む指に対して識別性の高い色であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の印刷装置。
  5. 前記判断手段は、前記指置き台に配置された前記指の爪が前記印刷手段による印刷可能範囲内にないとされた場合に、前記指置き台の装着位置が前記装置本体に対して適切でないと判断することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の印刷装置。
  6. 前記装置本体は第1の係止部を有し、
    前記指置き台は、前記装置本体に正しく装着されたときに前記第1の係止部と嵌り合う第2の係止部を有していることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の印刷装置。
  7. 前記判断手段が、前記指置き台の装着位置が前記装置本体に対して適切でないと判断したときに、ユーザに前記装着位置の適否を報知する報知手段をさらに備えていることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の印刷装置。
  8. 前記検出手段は、前記撮影手段によって取得された撮影画像に基づいて、前記指置き台に配置された前記指の爪の輪郭形状を検出することを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の印刷装置。
  9. 少なくとも指置き台が装着される領域内を撮影して撮影画像を取得する撮影工程と、
    前記撮影画像に基づいて、前記指置き台の装着位置に関する情報として前記撮影画像における装置本体に対する前記指置き台の位置関係を検出する検出工程と、
    前記検出工程において検出された前記情報から前記指置き台の装着位置が前記装置本体に対して適切か否かを判断する判断工程と、
    前記検出工程において前記指置き台の装着位置が前記装置本体に対して適切であると判断されたときに、前記指置き台に配置された指の爪に印刷を施す印刷工程と、
    を含むことを特徴とする印刷制御方法。
  10. コンピュータに、
    少なくとも指置き台が装着される領域内を撮影して得られた撮影画像に基づいて、前記指置き台の装着位置に関する情報として前記撮影画像における装置本体に対する前記指置き台の位置関係を検出する検出機能と、
    前記検出機能によって検出された前記情報から前記指置き台の装着位置が前記装置本体に対して適切か否かを判断する判断機能と、
    を実現させることを特徴とするプログラム。
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