JP7283493B2 - 印刷装置、印刷制御方法及びプログラム - Google Patents
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Description
このような印刷装置を用いれば、簡易にネイルプリントを楽しむことができる。
印刷ヘッドに位置ずれ等が生じたまま印刷を行うと爪に印刷されたデザインがずれたり、爪以外の皮膚の部分にはみ出して印刷されてしまう等のおそれが生じる。
このため、位置調整を行いたい印刷ヘッドが印刷対象面と同一又は類似色を印刷するものである場合には、例えば補正用パターンを識別できるような所定の色の用紙等を別途用意しなければならず、ユーザにとって手間がかかる。
印刷対象面に印刷を施す印刷装置であって、
前記印刷対象面に互いに異なる色を印刷する第1のヘッド及び第2のヘッドを含む複数のヘッドと、
前記複数のヘッドをそれぞれ制御する制御手段と、
を備え、
前記制御手段は、
前記印刷対象面の表面色と区別可能な第1の色を印刷する前記第1のヘッドを動作させて、前記印刷対象面に前記第1のヘッドのアライメント補正を行うための第1の補正用パターンを印刷させ、
前記第1の色と区別可能な第2の色を印刷する前記第2のヘッドを動作させて、前記印刷対象面上に、前記第2のヘッドのアライメント補正を行うための第2の補正用パターンを印刷させる印刷装置であって、
前記第1のヘッドにより形成された領域である第1の色領域が、前記第1のヘッドによる印刷位置と前記第2のヘッドによる印刷位置とがずれる可能性のある所定のずれ可能性量に基づいた印刷領域で印刷されることにより、前記第2の補正用パターンの少なくとも一部が前記第1の色領域と重なり合うように印刷され、
前記第1の色領域は、前記印刷対象面の少なくとも一部を前記第1の色で塗り潰すことで形成された塗潰し領域であり、
前記塗潰し領域は、前記第1のヘッドにより前記第1の補正用パターンを消すためのリセット印刷を行うことで形成されることを特徴とする。
また、本発明の一態様の印刷装置は、
印刷対象面に印刷を施す印刷装置であって、
前記印刷対象面に互いに異なる色を印刷する第1のヘッド及び第2のヘッドを含む複数のヘッドと、
前記複数のヘッドをそれぞれ制御する制御手段と、
を備え、
前記制御手段は、
前記第1のヘッド及び前記第2のヘッドのアライメント調整範囲に基づいて印刷される、前記第1のヘッドのアライメント補正を行うための第1の補正用パターンを、前記第1のヘッドを制御して、印刷対象面の表面色と区別可能な第1の色により前記印刷対象面上の所定の位置に印刷させた上で、前記第2のヘッドを制御して前記第2のヘッドのアライメント補正を行うための第2の補正用パターンの少なくとも一部を、前記第1の色と区別可能な第2の色により印刷させる印刷装置であって、
前記第1の補正用パターンが、前記第1のヘッドによる印刷位置と前記第2のヘッドによる印刷位置とがずれる可能性のある所定のずれ可能性量に基づいた印刷領域で印刷されることにより、前記第2の補正用パターンの少なくとも一部が前記第1の補正用パターンと重なり合うように印刷され、
前記第1の補正用パターンの印刷範囲は、前記第1のヘッドにおける前記アライメント調整範囲及び前記第2のヘッドにおける前記アライメント調整範囲の合計以上の長さを半径とする範囲であることを特徴とする。
また、本発明の一態様の印刷制御方法は、
印刷対象面に互いに異なる色を印刷する第1のヘッド及び第2のヘッドを含む複数のヘッドを備え、前記印刷対象面に印刷を施す印刷装置の印刷制御方法であって、
前記印刷対象面の表面色と区別可能な第1の色を印刷する前記第1のヘッドを動作させて、前記印刷対象面に前記第1のヘッドのアライメント補正を行うための第1の補正用パターンを印刷させる第1の補正用パターン印刷工程と、
前記第1の色と区別可能な第2の色を印刷する前記第2のヘッドを動作させて、前記印刷対象面上に、前記第2のヘッドのアライメント補正を行うための第2の補正用パターンを印刷させる第2の補正用パターン印刷工程と、
を含み、
前記第1の補正用パターン印刷工程において前記第1のヘッドにより形成された領域である第1の色領域が、前記第1のヘッドによる印刷位置と前記第2のヘッドによる印刷位置とがずれる可能性のある所定のずれ可能性量に基づいた印刷領域で印刷されることにより、前記第2の補正用パターン印刷工程において前記第2の補正用パターンの少なくとも一部が前記第1の色領域と重なり合うように印刷され、
前記第1の色領域は、前記印刷対象面の少なくとも一部を前記第1の色で塗り潰すことで形成された塗潰し領域であり、
前記塗潰し領域は、前記第1のヘッドにより前記第1の補正用パターンを消すためのリセット印刷を行うことで形成されることを特徴とする。
また、本発明の一態様の印刷制御方法は、
印刷対象面に互いに異なる色を印刷する第1のヘッド及び第2のヘッドを含む複数のヘッドを備え、前記印刷対象面に印刷を施す印刷装置の印刷制御方法であって、
前記第1のヘッド及び前記第2のヘッドのアライメント調整範囲に基づいて印刷される、前記第1のヘッドのアライメント補正を行うための第1の補正用パターンを、前記第1のヘッドを制御して、印刷対象面の表面色と区別可能な第1の色により前記印刷対象面上の所定の位置に印刷させた上で、前記第2のヘッドを制御して前記第2のヘッドのアライメント補正を行うための第2の補正用パターンの少なくとも一部を、前記第1の色と区別可能な第2の色により印刷させる印刷工程を含み、
前記印刷工程において、前記第1の補正用パターンが、前記第1のヘッドによる印刷位置と前記第2のヘッドによる印刷位置とがずれる可能性のある所定のずれ可能性量に基づいた印刷領域で印刷されることにより、前記第2の補正用パターンの少なくとも一部が前記第1の補正用パターンと重なり合うように印刷され、
前記第1の補正用パターンの印刷範囲は、前記第1のヘッドにおける前記アライメント調整範囲及び前記第2のヘッドにおける前記アライメント調整範囲の合計以上の長さを半径とする範囲であることを特徴とする。
また、本発明の一態様のプログラムは、
印刷対象面に互いに異なる色を印刷する第1のヘッド及び第2のヘッドを含む複数のヘッドを備え、前記印刷対象面に印刷を施す印刷装置のコンピュータに、
前記印刷対象面の表面色と区別可能な第1の色を印刷する前記第1のヘッドを動作させて、前記印刷対象面に前記第1のヘッドのアライメント補正を行うための第1の補正用パターンを印刷させる第1の補正用パターン印刷機能と、
前記第1の色と区別可能な第2の色を印刷する前記第2のヘッドを動作させて、前記印刷対象面上に、前記第2のヘッドのアライメント補正を行うための第2の補正用パターン印刷機能と、
を実現させ、
前記第1のヘッドにより形成された領域である第1の色領域が、前記第1のヘッドによる印刷位置と前記第2のヘッドによる印刷位置とがずれる可能性のある所定のずれ可能性量に基づいた印刷領域で印刷されることにより、前記第2の補正用パターンの少なくとも一部が前記第1の色領域と重なり合うように印刷され、
前記第1の色領域は、前記印刷対象面の少なくとも一部を前記第1の色で塗り潰すことで形成された塗潰し領域であり、
前記塗潰し領域は、前記第1のヘッドにより前記第1の補正用パターンを消すためのリセット印刷を行うことで形成されることを特徴とする。
また、本発明の一態様のプログラムは、
印刷対象面に互いに異なる色を印刷する第1のヘッド及び第2のヘッドを含む複数のヘッドを備え、前記印刷対象面に印刷を施す印刷装置のコンピュータに、
前記第1のヘッド及び前記第2のヘッドのアライメント調整範囲に基づいて印刷される、前記第1のヘッドのアライメント補正を行うための第1の補正用パターンを、前記第1のヘッドを制御して、印刷対象面の表面色と区別可能な第1の色により前記印刷対象面上の所定の位置に印刷させた上で、前記第2のヘッドを制御して前記第2のヘッドのアライメント補正を行うための第2の補正用パターンの少なくとも一部を、前記第1の色と区別可能な第2の色により印刷させる印刷機能を実現させ、
前記第1の補正用パターンが、前記第1のヘッドによる印刷位置と前記第2のヘッドによる印刷位置とがずれる可能性のある所定のずれ可能性量に基づいた印刷領域で印刷されることにより、前記第2の補正用パターンの少なくとも一部が前記第1の補正用パターンと重なり合うように印刷され、
前記第1の補正用パターンの印刷範囲は、前記第1のヘッドにおける前記アライメント調整範囲及び前記第2のヘッドにおける前記アライメント調整範囲の合計以上の長さを半径とする範囲であることを特徴とする。
なお、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。
本実施形態の印刷装置は、印刷対象面に印刷を施すものであって、具体的には、例えば手の指の爪を印刷対象とし、爪の表面を印刷対象面としてこれにネイルプリントを施す。また印刷装置は、後述する印刷ヘッドのアライメントを行う際に、アライメント補正を行うための補正用パターンを印刷するための所定の用紙(後述の調整用紙P)を印刷対象とし、その表面(印刷対象面)に補正用パターンを印刷する。
なお、本発明における印刷装置は、ここに示す以外のものを印刷対象としてもよく、例えば足の指の爪等を印刷対象としてもよい。また、ネイルチップや各種アクセサリの表面等、人の爪以外の爪様のものや各種のシートやシール等を印刷対象としてもよい。
なお、以下の実施形態において、上下、左右及び前後は、図1に示した向きをいうものとする。また、X方向、Y方向は、図1に示した方向をいうものとする。
また、図2に示すように、本実施形態の印刷装置1は、外部の端末装置(図2において端末装置7)と通信可能であり互いに連携するように構成されている。
筐体2は、前面側(印刷装置1の正面側、図1において前側)の下側部分に、左右方向(印刷装置1の横方向、図1において左右方向、X方向)のほぼ全面に亘って形成された開口部21を有している。また、筐体2の左右方向のほぼ中央部には、開口部21の上側に連続して切り欠き部22が形成されている。切り欠き部22は、後述する印刷ヘッド41を装置に対して着脱する際の出入口として機能する。
なお、操作部12に代えて、後述する端末装置7の操作部71から入力された操作信号に従って印刷装置1の各部が動作するようにしてもよい。
印刷装置1の外観構成、筐体2各部の形状や各部の配置等は、図示例に限定されず、適宜設定可能である。例えば、操作部12は、筐体2の上面ではなく側面や背面等に設けられていてもよい。また、筐体2にはその他各種の操作ボタンが操作部12として設けられていてもよいし、各種表示部やインジケータ等が設けられていてもよい。
装置本体10は、基台11と、これに取り付けられた指保持部6、印刷部40等を備えている。
図3は、本実施形態の指保持部を斜め後方から見た斜視図である。
図1及び図3に示すように、指保持部6は、装置前面側に開口部61を有している。また指保持部6の内部には、指固定部材62が設けられている。指固定部材62は、開口部61から挿入された指を下側から押し上げ支持するものであり、例えば柔軟性を有する樹脂等で形成されている。
図3に示すように、指保持部6内には、爪の先端部分を載せる爪載せ部64が設けられている。また、窓部63よりも指保持部6の手前側(装置前方側)の上面は、指の上面位置を規定する指押え65となっている。
指保持部6に挿入された指は、爪先が爪載せ部64に載せられ、指の上面が指押え65によって規定されることで、印刷ヘッド41による印刷に適した適正位置に配置された状態で保持される。
調整用紙Pは、後述するように、アライメント補正のための補正用パターンを印刷するための用紙であり、各種印刷に適した紙質の白色の用紙、又は白色やこれに近い色のインクが目立つような色(例えば黒色等)であって各種印刷に適した紙質の用紙である。
印刷装置1には、予めいずれかの色(表面色)の調整用紙Pが同梱されていてもよいし、ユーザが適宜用意したものを調整用紙Pとして用紙配置部材67にセットしてもよい。
調整用紙Pをセットした状態の用紙配置部材67を指保持部6に取り付けることで、調整用紙Pの表面(すなわち、調整用紙Pが印刷対象である場合における印刷対象面)が、爪の表面(すなわち、爪が印刷対象である場合における印刷対象面)が印刷に適した適正位置に配置された際の高さ位置とほぼ面一となる高さ位置に配置されるようになっている。
印刷部40は、印刷動作を行うヘッド(以下「印刷ヘッド41」とする。)、印刷ヘッド41が装着され保持されるキャリッジ42、印刷ヘッド41及びキャリッジ42を移動させるためのヘッド移動機構49(図2参照)等を備えている。
印刷装置1は、印刷対象面(爪の表面や調整用紙Pの表面)に互いに異なる色を印刷する複数のヘッドを備えており、本実施形態では、印刷ヘッド41として下地用ヘッド41aとデザイン用ヘッド41bとが搭載されている。以下において、単に「印刷ヘッド41」としたときは、下地用ヘッド41a及びデザイン用ヘッド41bの両方を含むものとする。なお、下地用ヘッド41aとデザイン用ヘッド41bとの配置等は図示例に限定されない。
本実施形態では、印刷ヘッド41(下地用ヘッド41a及びデザイン用ヘッド41b)を用いてアライメント補正を行うための補正用パターンM(図6(b)、図7(a)等参照)を印刷する。
なお、印刷ヘッド41によって印刷される補正用パターンMについては後に詳説する。
X方向移動機構は、X方向移動モータ46を含んでおり、X方向移動モータ46が駆動することにより印刷ヘッド41を装置の左右方向(X方向)に移動させる。また、Y方向移動機構は、Y方向移動モータ48を含んでおり、Y方向移動モータ48が駆動することにより印刷ヘッド41を装置の前後方向(Y方向)に移動させる。
撮影部50は、例えばカメラ等である撮影装置51と、撮影対象である爪や調整用紙Pを照明する白色LED等で構成された照明装置52とを備えている(図2参照)。
この撮影部50は、後述する制御装置30の撮影制御部312(図2参照)に接続されており、該撮影制御部312によって制御されるようになっている。
撮影装置51によって撮影された爪画像は、撮影制御部312において取得され、連携する端末装置7に適宜送信される。
なお、撮影部50によって撮影された画像の画像データは、後述する記憶部32に記憶されてもよい。
例えば、撮影部50は、印刷ヘッド41を移動させるヘッド移動機構49によってXY方向に移動可能に構成されていてもよい。
通信部13は、端末装置7の通信部73との間で通信可能な無線通信モジュール等を備えており、通信制御部311は、印刷装置1、端末装置7間で各種のデータ等を送受信する際に通信部13の動作を制御する。
本実施形態の印刷装置1は、後述する端末装置7と連携してネイルデザイン(以下単に「デザイン」ともいう。)の印刷を行うようになっている。例えば爪Tに印刷するデザインのデータは端末装置7側に記憶されており、通信制御部311は適宜通信部13による通信を制御し、通信部13を介して端末装置7側からデザインのデータを取得する。
また、後述するように、印刷装置1の撮影部50によって取得された画像は適宜端末装置7に送信され、端末装置7の制御部81(後述する爪情報検出部813)が、当該撮影画像に基づいて各種の爪情報を検出する。さらに、本実施形態では、端末装置7の制御部81(後述する印刷データ生成部814)において、爪情報に基づき印刷用データが生成される。端末装置7側で検出された各種の情報や生成された印刷用データ等は、通信部13,73を介して端末装置7から印刷装置1に送られるようになっている。
なお、通信部13は、端末装置7との間で通信を行うことのできるものであればよく、端末装置7の通信部73の通信規格と合致するものが適用される。
本実施形態では、地爪に下地を印刷した後、デザインを印刷する前に下地塗布状態の爪を撮影部50によって撮影し、当該爪の画像(爪画像)を取得する。
また、後述するように調整用紙Pの表面を撮影部50によって撮影し、当該調整用紙Pの画像(用紙画像)を取得する。
撮影部50により取得された当該爪Tの画像(爪画像)や調整用紙Pの画像(用紙画像)は、撮影制御部312に送られる。撮影制御部312は、これらの画像(爪画像や用紙画像)のデータを取得する。なお、撮影制御部312は爪画像や用紙画像を記憶部32に記憶させてもよい。
具体的には、印刷制御部313は、印刷用データに基づいて印刷部40に制御信号を出力し、爪に対してこの印刷用データにしたがった印刷を施すように印刷部40のX方向移動モータ46、Y方向移動モータ48、印刷ヘッド41等を制御する。
この場合印刷制御部313は、印刷対象面である調整用紙Pの表面色と区別可能な第1の色を印刷する第1のヘッドを動作させて、印刷対象面である調整用紙Pに第1のヘッドのアライメント補正を行うための第1の補正用パターンM1を印刷させ、さらにこの第1の色と区別可能な第2の色を印刷する第2のヘッドを動作させて、印刷対象面である調整用紙P上であって、第1の補正用パターンM1が印刷された領域又はこれを含む第1のヘッドにより形成された領域である第1の色領域Ar1に少なくとも一部が重なり合うように、第2のヘッドのアライメント補正を行うための第2の補正用パターンM2を印刷させる。
そして、調整用紙Pの表面色と区別できる色(第1の色)を印刷する印刷ヘッド(例えば白色の調整用紙Pであれば、カラー印刷を行うデザイン用ヘッド41b)によってデザイン用ヘッド41bのアライメント補正を行うための第1の補正用パターンM1を当該調整用紙P上に印刷させる。そして、第1の補正用パターンM1を印刷した色(第1の色)と区別できる色(第2の色)を印刷する印刷ヘッド(例えばデザイン用ヘッド41bにより黒色等で第1の補正用パターンM1を印刷した場合には白色等のインクで印刷を行う下地用ヘッド41a)によって下地用ヘッド41aのアライメント補正を行うための第2の補正用パターンM2を印刷させる。
なお、各補正用パターンM(M1,M2)としてどのようなパターンを調整用紙Pに印刷するか、及びその目標印刷位置(印刷しようとする位置の座標等)は、記憶部32等にデータとして記憶されていてもよいし、端末装置7から適宜データが送られてもよい。
印刷制御部313は、このデータに基づいて補正用パターンM(M1,M2)の印刷を行う。
調整用紙Pへの印刷結果は撮影部50によって撮影され、用紙画像が取得される。取得された用紙画像は端末装置7に送信される。
このような手法を取ることで、第1の補正用パターンM1に少なくとも一部が重なり合うように第2の補正用パターンM2を印刷することができる。
以下その詳細について、図4を参照しつつ説明する。
こうした要因で生じる印刷ヘッド41の位置ずれ量は、予めある程度想定されるものである。想定以上のずれが生じている場合にはユーザに印刷ヘッド41を正しく装着し直してもらう等のメカ的な対応が必要となる。これに対して、想定される範囲内のずれであれば、例えば実際に印刷された結果を撮影装置51で撮影した画像からずれ量を検出し、検出結果に基づいて、印刷ヘッド41の印刷タイミングを変更する等のアライメント補正を行うことでソフト的に対応することができる。
本実施形態では、各印刷ヘッド41(第1のヘッド及び第2のヘッド)の「ずれ可能性量」(最大限印刷位置がずれた場合のずれ量)のうち、このようにアライメント補正によって対応することのできる範囲である「アライメント調整範囲」に基づいて、第1の補正用パターンM1を印刷する。
しかし、第1のヘッドについては目標印刷位置からずれて印刷される可能性がある(印刷位置の最大限のずれ量を「ずれ可能性量」とする)。この「ずれ可能性量」のうちアライメント補正によって対応することのできる範囲であるアライメント調整範囲を「α」とする。
仮に第1のヘッドの印刷位置がαずれた場合に、実際に印刷される第1の補正用パターンM1は、X軸Y軸の交点Dtからαずれた点D1を中心とする所定の円形の範囲(図4において太実線で示す範囲)となる。
一方、第2のヘッドが第2の色により印刷対象面上に円形の第2の補正用パターンM2を印刷する場合、目標印刷位置は、第1のヘッドと同様に図4におけるX軸Y軸の交点Dtを中心とする所定の円形の範囲であり、これが本来印刷されるべき第2の補正用パターンM2の印刷範囲である。
しかし、第2のヘッドについても目標印刷位置からずれて印刷される可能性がある。印刷位置の最大限のずれ量である「ずれ可能性量」のうちアライメント補正によって対応することのできる範囲であるアライメント調整範囲を「β」とする。
仮に第2のヘッドの印刷位置がβずれた場合に、実際に印刷される第2の補正用パターンM2は、X軸Y軸の交点Dtからβずれた点D2を中心とする所定の円形の範囲(図4において太破線で示す範囲)となる。
しかし、図4に示すように、ずれαとずれβとがX軸Y軸の交点Dtから異なる方向に向かうずれであった場合(例えばベクトルが正反対であるような場合)には、ずれαとずれβとを考慮して(ずれαとずれβとに基づいて)第1の補正用パターンM1の印刷範囲を設定しなければ、第2の補正用パターンM2が第1の補正用パターンM1と全く重なり合わないことも想定される。
このため、白色の調整用紙Pの上に直接下地用ヘッド41aで白色の第2の補正用パターンM2が印刷されることがなく、調整用紙Pを撮影することで得られる用紙画像から第2の補正用パターンM2が印刷された位置を認識することができ、適切にアライメント値を求めることができる。
第2の補正用パターンM2がどの程度、第1の補正用パターンM1と重なり合っていれば第2のヘッドのアライメント補正を行うためのアライメント値を求めることができるかについては、補正用パターンの形状や、補正用パターンが印刷された調整用紙Pを撮影した用紙画像の撮影精度、当該用紙画像を解析する解析精度等により異なる。
この場合、第2の補正用パターンM2の中心である点D2が第1の補正用パターンM1の印刷範囲に入っていることが望ましいが、例えば第2の補正用パターンM2の外周の円弧が円の中心である点D2を確定できる程度に第1の補正用パターンM1の印刷範囲に重なり合っている場合であれば、点D2を含まない第2の補正用パターンM2の円の一部が重なり合っているだけでもよい。この場合、印刷制御部313は、点D2の座標を求めて目標座標である点Dtとのずれ量を把握することができ、これにより印刷ヘッド41のアライメント値を得ることが可能である。
また、第1の補正用パターンM1及び第2の補正用パターンM2について、補正パターン図形内の2点以上を確定することができれば、印刷ヘッド41の回転角を検出することも可能である。この場合には、印刷ヘッド41の回転角についてのアライメント値を求めることも可能となる。
端末装置7は、例えばスマートフォン等の携帯端末装置である。なお、端末装置7はスマートフォンに限定されない。例えばタブレット型のパーソナルコンピュータ(以下において「PC」とする。)やノート型のPC、据置型のPC、ゲーム用の端末装置等であってもよい。
図2に示すように、端末装置7は、操作部71、表示部72、通信部73及び制御装置80等を備えている。
表示部72に構成されるタッチパネルには、後述する表示制御部812の制御にしたがって各種の操作画面が表示され、ユーザはタッチパネルへのタッチ操作によって各種の入力・設定等の操作を行うことができる。
なお、各種の入力・設定等の操作を行う操作部71はタッチパネルである場合に限定されない。例えば各種の操作ボタンやキーボード、ポインティングデバイス等が操作部71として設けられていてもよい。
また、ユーザが操作部71を操作することで、爪に印刷するネイルデザイン(デザイン)を選択すること等ができるようになっている。
なお、前述のように、表示部72の表面に各種の入力を行うためのタッチパネルが一体的に構成されていてもよい。この場合には、タッチパネルが操作部71として機能する。
本実施形態では、ユーザが操作部71から入力・選択したネイルデザインや、各種の案内画面、警告表示画面等が表示部72に表示可能となっている。
印刷装置1と端末装置7との間での通信は、前述のように、無線接続方式、有線接続方式のどちらでもよく、具体的な方式は限定されない。通信部73は印刷装置1との間で通信を行うことのできるものであればよく、印刷装置1の通信部13の通信規格と合致するものが適用される。
通信部73は、後述する制御装置80の通信制御部811(図2参照)に接続され、該通信制御部811によって制御される。
具体的には、本実施形態のROM等には、端末装置7の各部を統括制御するための動作プログラム821aの他、印刷装置1を用いたネイルプリントを行うためのネイルプリントアプリケーションプログラム821b(以下「ネイルプリントAP」とする。)等の各種プログラムが格納されており、制御部81がこれらのプログラムを例えばRAMの作業領域に展開して、プログラムが制御部81において実行されることによって、端末装置7の各部が統括制御されるようになっている。
なお、デザイン記憶領域822に格納されるネイルデザイン(デザイン)は、予め用意された既存のデザインであってもよいし、ユーザが自ら作成したデザインであってもよい。また、端末装置7が各種ネットワークに接続可能である場合には、ネットワーク接続可能な図示しないサーバ装置等に記憶されているネイルデザイン(デザイン)を取り込むことが可能となっていてもよい。
通信制御部811は、通信部73の動作を制御するものである。
また、表示制御部812は、表示部72を制御して表示部72に各種の表示画面を表示させる。
なお、爪情報検出部813によって検出される爪情報はこれに限定されない。
爪情報検出部813によって検出される爪情報は、例えば、爪の表面の、XY平面に対する傾斜角度(爪の傾斜角度、爪曲率)等を含んでいてもよい。また、撮影装置51によって撮影された画像等から爪Tの高さ(爪の垂直方向の位置)を取得できる場合には、爪の高さも爪情報に含まれてよい。
爪情報検出部813によって検出された各種の情報は、爪情報記憶領域823に記憶される。また本実施形態では、爪情報検出部813によって検出された各種の情報は印刷装置1に送られてもよい。なお、爪情報に基づく各種処理は、印刷装置1側で行われてもよい。
具体的には、印刷データ生成部814は、ユーザによって選択されたネイルデザイン(デザイン)の画像データを切り出し、適宜拡大縮小、配置の調整等を行うとともに、爪画像から検出された爪領域(印刷領域)にフィッティングする。
アライメント補正部815は、印刷装置1においてアライメント補正を行うための補正用パターンMが印刷され、補正用パターンMが印刷された調整用紙Pの画像(用紙画像)が取得された場合に、この用紙画像に基づいて取得される、実際に印刷された補正用パターンMの位置(これを「実印刷位置」という。)と本来印刷されるはずの目標印刷位置とのずれに関する情報を補正情報(これを「アライメント値」という。)として取得する。
アライメント補正部815においてアライメント値が取得されたときには、印刷データ生成部814は、このアライメント値(補正情報)を適用して事後の印刷動作における印刷位置のアライメント補正を行い、これを反映させた印刷用データを生成する。
なお、爪情報検出部813において爪の曲率等が取得された場合には、印刷データ生成部814は、この爪の曲率等に基づいて、印刷用データに適宜曲面補正を行ってもよい。曲面補正を行った場合には、より爪の形状に合った印刷用データを生成することができる。
なお、アライメント補正を行う場合の具体的な手法、手順については後述する。
図5は、本実施形態における印刷制御処理を示すフローチャートである。
本実施形態の印刷装置1を用いてネイルプリントを行う場合には、ユーザは、まずキャリッジ42に印刷ヘッド41(下地用ヘッド41a及びデザイン用ヘッド41b)を装着する。
そしてユーザは、印刷装置1の操作部12(操作ボタン)等を操作して電源を入れ起動させる。また、端末装置7についても電源を入れて端末装置7の操作部71からネイルプリント処理の実行を選択する。これによりネイルプリントAP821bが起動する。
例えば、「調整用紙をセットしてください」等のメッセージが表示されると、ユーザは調整用紙Pをセットした用紙配置部材67を指保持部6の本体に装着する。
印刷装置1の印刷制御部313は、アライメント補正部815からの情報を受けると、調整用紙P上の目標印刷位置に第1の補正用パターンM1を印刷するようにデザイン用ヘッド41b(第1のヘッド)を動作させる(ステップS2)。これにより、デザイン用ヘッド41b(第1のヘッド)のアライメント補正を行うための第1の補正用パターンM1が調整用紙P上に印刷される(図6(b)参照)。
これにより、印刷ヘッド41(第1のヘッド及び第2のヘッド)の印刷位置がどの方向にどれだけずれた場合でも、第2の補正用パターンM2が、少なくともその一部が第1の補正用パターンM1の印刷範囲と重なり合うように印刷される。
例えば、第1の補正用パターンM1が円形である場合、円の半径γは、第1のヘッドにおける目標印刷位置からの印刷位置のずれα(第1のヘッドのアライメント調整範囲)と第2のヘッドにおける目標印刷位置からの印刷位置のずれβ(第2のヘッドのアライメント調整範囲)との合計以上の長さとする。このように第1の補正用パターンM1の円の半径γを、「γ≧α+β」とした場合には、第1の補正用パターンM1の印刷範囲内に第2の補正用パターンM2の中心の点D2(図4参照)を確実に配置させることができる。
用紙画像は、端末装置7に送信され、アライメント補正部815は、この用紙画像に基づいて第1のヘッドのアライメント値を取得する(ステップS4)。
そして、目標印刷位置に印刷された場合の補正用パターンRMの中心点Ad(図4におけるDt)の座標(Ax,Ay)と用紙画像に基づいて得られた、実際に印刷された第1の補正用パターンM1の中心点Bdの座標(Bx,By)とを比較して(図6(e)参照)、両者のずれ量をアライメント値として取得する。
具体的には、アライメント補正部815は、中心点AdのX方向の座標Ax及び中心点BdのX方向の座標Bxから、「Ax-Bx=Cx」を算出し、X方向のアライメント値Cxを求める。また、アライメント補正部815は、中心点AdのY方向の座標Ay及び中心点BdのY方向の座標Byから、「Ay-By=Cy」を算出し、Y方向のアライメント値Cyを求める。
さらに、中心点Bd同士をつないだ場合の直線と、対応する中心点Ad同士をつないだ場合の直線との傾きのずれ量を取得することで、撮影装置51の回転(設置角度)の程度をも取得することが可能となる。
印刷装置1に設けられる撮影部50の撮影装置51(カメラ)には、多少の組付け時の誤差がある。補正用パターンM(M1,M2)を複数印刷して、各中心点Bdを得ることで、印刷ヘッド41の位置ずれ等のみならず、こうした撮影装置51の設置誤差についても取得することができ、これに基づいて補正を行うことにより、一層正確な印刷処理を行うことができる。
そして、第1の色領域Ar1内に第2のヘッド(本実施形態の場合には、第1の色と区別可能な色で印刷を行う下地用ヘッド41a)により第2の補正用パターンM2を印刷する(ステップS6、図7(a)及び図7(b)参照)。
具体的には、まず第1の補正用パターンM1を印刷した場合と同様に、アライメント補正部815は、印刷ヘッド41(第2のヘッド)の情報及びアライメント補正のための第2の補正用パターンM2とこれを印刷すべき目標印刷位置の情報(印刷位置の絶対座標)を印刷装置1に送信する。
印刷装置1の印刷制御部313は、アライメント補正部815からの情報を受けると、調整用紙P上の目標印刷位置に第2の補正用パターンM2を印刷するように下地用ヘッド41a(第2のヘッド)を動作させる。これにより、下地用ヘッド41a(第2のヘッド)のアライメント補正を行うための第2の補正用パターンM2が調整用紙P上に印刷される(図7(a)参照)。
第2の補正用パターンM2が印刷された調整用紙Pの用紙画像は、端末装置7に送信され、アライメント補正部815は、この用紙画像に基づいて下地用ヘッド41a(第2のヘッド)のアライメント値を取得する(ステップS8)。
この場合にも、図7(b)に示すように第2の補正用パターンM2(図7(b)に示す例では第1の色領域Ar1として設定された範囲よりも一回り小さな5つの円)の中心点Bd(図4におけるD2)の座標(Bx,By))を求め、これと目標印刷位置に第2の補正用パターンM2が印刷された場合の中心点(図4におけるDt)の座標との比較からアライメント値を算出する。なお具体的な算出手法は、第1の補正用パターンM1からアライメント値を求める場合と同様であるため、その説明を省略する。
印刷データ生成部814によって生成された印刷用データは印刷装置1に送信され、印刷装置1では、印刷用データにしたがって爪に対する印刷処理が行われる(ステップS9)。
すなわち、例えば図8(a)に示すように黒色の調整用紙Pが設定された場合であれば、アライメント補正部815は、調整用紙Pの黒色と区別できる色(第1の色)のインク(白色等)で下地印刷を行う下地用ヘッド41aを第1のヘッドと決定する。そして、印刷装置1では、決定された印刷ヘッド41(第1のヘッドとしての下地用ヘッド41a)を動作させて白色等の下地用インクで調整用紙Pに下地用ヘッド41a(第1のヘッド)のアライメント補正を行うための補正用パターンM(第1の補正用パターンM1)を印刷させる(図8(b)参照)。そして、第1の補正用パターンM1が印刷された調整用紙Pの用紙画像に基づいて下地用ヘッド41a(第1のヘッド)のアライメント値を取得する。
次に第1の色(白色等)と区別可能な第2の色(例えば黒色等)を印刷するデザイン用ヘッド41b(第2のヘッド)を動作させて、調整用紙Pの表面上であって、第1の補正用パターンM1が印刷された領域である第1の色領域Ar1(図8(b)において白く塗られた円形の領域)内にデザイン用ヘッド41b(第2のヘッド)のアライメント補正を行うための第2の補正用パターンM2を印刷させる(図8(c)参照)。そして、第2の補正用パターンM2が印刷された調整用紙Pの用紙画像に基づいてデザイン用ヘッド41b(第2のヘッド)のアライメント値を取得する。
これにより、同じ印刷対象面上に、複数の印刷ヘッド41についての補正用パターンMを印刷させることができ、各印刷ヘッド41に対応して異なる調整用紙Pを用意する必要がない。このため、一種類の調整用紙Pを用意すれば足り、コストパフォーマンスに優れる。また、異なる印刷ヘッド41によって補正用パターンMを印刷させる度に当該印刷ヘッド41で印刷するインクに応じた色の調整用紙Pに取り換える手間を省くことができ、各印刷ヘッド41についてのアライメント値の取得を円滑・迅速に行うことができる。そして、各印刷ヘッド41について適切にアライメント値を取得することで、高品質なネイルプリントを実現することができる。
これにより、印刷ヘッド41による印刷や、その後の用紙画像の画像認識に適した紙質の用紙を用いてアライメント値を取得するための補正用パターンMの印刷を行うことができる。
このため、より精密なアライメント値を取得することができる。
例えば各種のデザインを印刷対象面に描く場合、各種のカラーインクが用いられ、当該色を印刷する印刷ヘッド41(デザイン用ヘッド41b)を補正するための補正用パターンMもカラーインクで印刷される。このため、この場合の調整用紙Pは、カラーインクで印刷された補正用パターンMを識別しやすい白色の調整用紙Pが好適に用いられる。
他方で、複数の印刷ヘッド41の中に、例えば白色等のインクで下地等を印刷する印刷ヘッド41(下地用ヘッド41a)がある場合、印刷される色は調整用紙Pの表面色と同一又は類似の色であるため、そのまま補正用パターンMを印刷したのでは補正用パターンMが印刷された位置等を認識することができない。
この点、本実施形態では、第1のヘッド(デザイン用ヘッド41b)によって形成される第1の色領域Ar1と重なるように第2のヘッド(下地用ヘッド41a)に印刷させることで、調整用紙Pの色が白色等であっても第2のヘッド(下地用ヘッド41a)で印刷された補正用パターンMを識別することが可能となる。
これにより、カラー印刷を行うデザイン用ヘッド41bの他に白色等で印刷を行う下地用ヘッド41aを備える場合にも調整用紙Pを1つ用意するだけで、適切に各印刷ヘッド41についてのアライメント値を得ることができる。
これにより、1つの印刷装置1を用いて下地の形成からデザインの印刷までを行うことができ、下地をユーザが手塗したりする手間を省くことができ、また手塗する場合よりも塗り斑や塗残し、はみ出し等の発生を抑えることができる。
これにより、第2の補正用パターンM2が白地に白色で印刷されるような事態を回避することができ、用紙画像から確実に第2の補正用パターンM2の印刷位置を検出することが可能となる。このため、確実にアライメント値を取得することができ、印刷ヘッド41のアライメントを適切に行うことができる。
これにより、各印刷ヘッド41(第1のヘッド及び第2のヘッド)が正反対の方向にずれているような場合でも、第2の補正用パターンM2の少なくとも一部(中心点D2を含む部分)が第1の補正用パターンM1の印刷範囲内に重なり合う。このため、用紙画像から適切に中心点D2を検出することができ、アライメント値を求めることができる。
例えば、第1の色領域Ar1は、調整用紙P(印刷対象面)の少なくとも一部を第1の色で塗り潰すことで形成された塗潰し領域であってもよい。塗潰し領域は、第2の補正用パターンM2を印刷するスペースを確保できればよく、その範囲は特に限定されない。例えば調整用紙P(印刷対象面)の全面を塗り潰して形成されてもよい。
このように第1の色領域Ar1を塗潰し領域とした場合には、第1の補正用パターンM1が線や点等、第2の補正用パターンM2を印刷するための領域としては十分な面積を確保できない図形やマークであってもよく、第1の補正用パターンM1の形状に自由度が広がる。
調整用紙Pとして白色の用紙が設定(ステップS11)された場合を例に説明すると、まず、第1のヘッド(例えばデザイン用ヘッド41b)により第1の色(例えば黒色)で第1の補正用パターンM1を印刷させ(ステップS12、図10(a)参照)、調整用紙Pを撮影して用紙画像を取得する(ステップS13)。なお、図10(a)では、第1の補正用パターンM1が4つの十字である場合を例示したが、第1の補正用パターンM1はアライメント値を導き出すことのできるようなものであればよく、具体的な形状は図示例に限定されない。そして、当該用紙画像に基づき、第1のヘッド(例えばデザイン用ヘッド41b)についてのアライメント値を取得する(ステップS14)。
そして、この塗潰し領域を第1の色領域Ar2として設定し(ステップS16)、第1の色領域Ar2内に第2のヘッド(例えば下地用ヘッド41a)によって、第2の補正用パターンM2を印刷させる(ステップS17、図10(c)参照)。
なお、図9におけるステップS18~ステップS20は、図5におけるステップS7~ステップS9と同様であるため、その説明を省略する。
例えば、図11(a)に示すように、白色の調整用紙Pに第1のヘッド(例えばデザイン用ヘッド41b)によって、黒色の十字等の第1の補正用パターンM1を印刷した後、この黒色の十字が描かれた領域を第1の色領域Ar3として、これに一部分が重なるように、第2のヘッド(例えば下地用ヘッド41a)によって白色の十字等の第2の補正用パターンM2(図11(b)において一部白抜きの破線で示す。)を印刷する。
この場合も、アライメント補正を行うためのアライメント値を得るために必要な情報(例えば補正用パターンMとしての十字の中心の座標情報等)を取得できる程度に補正用パターンMが認識可能であればよい。
例えば、第1の色(黒色等のカラー)で第1の補正用パターンM1を印刷した後、第2の色(白色等)で第2の補正用パターンM2を印刷し、さらに、この第2の補正用パターンM2等に少なくとも一部が重なるように、第1の色(黒色等のカラー)で第1の補正用パターンM1を印刷してもよい。
なお、同じ調整用紙Pに複数回同じ色の補正用パターンMが印刷される場合、前回までの補正用パターンMと区別しやすいように、毎回補正用パターンMとして印刷する図形等の形状を変えるようにしてもよい。
この場合、第1のヘッド(例えばデザイン用ヘッド41b)によって形成された第1の色領域に第2の補正用パターンM2を印刷できる十分なスペースがなくなっている場合には、第1のヘッド(例えばデザイン用ヘッド41b)によって塗潰し領域を形成し、これを新たな第1の色領域として第2の補正用パターンM2を印刷してもよい。
この場合には、例えば下地用ヘッド41aを第1のヘッドとして、白色等で爪表面に第1の補正用パターンM1を印刷し、この第1の補正用パターンM1が印刷された領域等を第1の色領域Ar1として、第2のヘッドとしてのデザイン用ヘッド41bによって第2の補正用パターンM2を印刷してもよい。
この場合、ネイルデザインを印刷する本印刷前に、一旦爪表面全体に下地用ヘッド41aによって下地を塗布して、デザイン用ヘッド41bによって印刷された第2の補正用パターンM2を塗り潰してから、デザイン用ヘッド41bによるネイルデザインの印刷を行う。
このように、爪の表面を印刷対象面として第1の補正用パターンM1及び第2の補正用パターンM2を印刷し、アライメント補正を行うとした場合には、別途調整用紙Pを用意する必要がなく、より簡易にアライメント補正を行うことができる。
下地用ヘッド41a、デザイン用ヘッド41bの両方又はいずれか一方が、例えばペンプロッタ方式等、インクジェット方式以外の構成であってもよい。
この場合には、印刷装置1に爪Tの画像やデザインを確認することのできる表示部を設けてもよい。
また例えば、印刷装置1の記憶部32にネイルデザインを記憶するデザイン記憶領域等を設け、ここに記憶されたデザインをユーザに提案していずれかのデザインを選択させるようにしてもよい。
なお、印刷装置1が各種ネットワークに接続可能である場合には、ネットワーク接続可能な図示しないサーバ装置等に記憶されているネイルデザイン(デザイン)を取り込むことが可能となっていてもよい。このように外部から取得したデザインを、選択可能なネイルデザインの候補としてユーザに提案可能とした場合には、バリエーションに富んだネイルデザインを爪Tに印刷することが可能となる。
このように各種処理を印刷装置1側と端末装置7側とで分担するように構成した場合には、制御装置30,80の負担(制御部31,81の処理能力面での負担や記憶部32,82のメモリ容量面での負担)も分散され各部の負担を軽減することができる。
以下に、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲に記載した発明を付記する。付記に記載した請求項の項番は、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲の通りである。
〔付記〕
<請求項1>
印刷対象面に印刷を施す印刷装置であって、
前記印刷対象面に互いに異なる色を印刷する複数のヘッドと、
前記ヘッドを制御する制御手段と、
を備え、
前記制御手段は、
前記印刷対象面の表面色と区別可能な第1の色を印刷する第1のヘッドを動作させて、前記印刷対象面に前記第1のヘッドのアライメント補正を行うための第1の補正用パターンを印刷させ、
前記第1の色と区別可能な第2の色を印刷する第2のヘッドを動作させて、前記印刷対象面上であって、前記第1のヘッドにより形成された領域である第1の色領域に少なくとも一部が重なり合うように、前記第2のヘッドのアライメント補正を行うための第2の補正用パターンを印刷させることを特徴とする印刷装置。
<請求項2>
前記第1の色領域は、前記印刷対象面の少なくとも一部を前記第1の色で塗り潰すことで形成された塗潰し領域であることを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
<請求項3>
前記塗潰し領域は、前記第1のヘッドにより前記第1の補正用パターンを消すためのリセット印刷を行うことで形成されることを特徴とする請求項2に記載の印刷装置。
<請求項4>
印刷対象面に印刷を施す印刷装置であって、
前記印刷対象面に互いに異なる色を印刷する第1のヘッド及び第2のヘッドと、
前記第1のヘッド及び前記第2のヘッドをそれぞれ制御する制御手段と、
を備え、
前記制御手段は、
前記第1のヘッド及び前記第2のヘッドのアライメント調整範囲に基づいて印刷される、前記第1のヘッドのアライメント補正を行うための第1の補正用パターンを、前記第1のヘッドを制御して、印刷対象面の表面色と区別可能な第1の色により前記印刷対象面上の所定の位置に印刷させた上で、前記第2のヘッドを制御して前記第2のヘッドのアライメント補正を行うための第2の補正用パターンの少なくとも一部を、前記第1の色と区別可能な第2の色により前記第1の補正用パターンの印刷範囲と重なるように印刷させることを特徴とする印刷装置
<請求項5>
前記第1の補正用パターンの印刷範囲は、前記第1のヘッドにおける前記アライメント調整範囲及び前記第2のヘッドにおける前記アライメント調整範囲の合計以上の長さを半径とする範囲であることを特徴とする請求項4に記載の印刷装置。
<請求項6>
前記第1の補正用パターン及び前記第2の補正用パターンを印刷させる場合における前記印刷対象面は、所定の調整用紙の表面であることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の印刷装置。
<請求項7>
前記第2のヘッドにより印刷される前記第2の色は、前記印刷対象面の表面色と同一又は類似の色であることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の印刷装置。
<請求項8>
前記複数のヘッドは、デザインを印刷するデザイン用ヘッドと前記デザイン以外を印刷する下地用ヘッドとを含んでいることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の印刷装置。
<請求項9>
印刷対象面に互いに異なる色を印刷する複数のヘッドを備え、前記印刷対象面に印刷を施す印刷装置の印刷制御方法であって、
前記印刷対象面の表面色と区別可能な第1の色を印刷する第1のヘッドを動作させて、前記印刷対象面に前記第1のヘッドのアライメント補正を行うための第1の補正用パターンを印刷させる第1の補正用パターン印刷工程と、
前記第1の色と区別可能な第2の色を印刷する第2のヘッドを動作させて、前記印刷対象面上であって、前記第1のヘッドにより形成された領域である第1の色領域に少なくとも一部が重なり合うように第2の補正用パターンを印刷させる第2の補正用パターン印刷工程と、
を含むことを特徴とする印刷制御方法。
<請求項10>
印刷対象面に互いに異なる色を印刷する複数のヘッドを備え、前記印刷対象面に印刷を施す印刷装置のコンピュータに、
前記印刷対象面の表面色と区別可能な第1の色を印刷する第1のヘッドを動作させて、前記印刷対象面に前記第1のヘッドのアライメント補正を行うための第1の補正用パターンを印刷させる第1の補正用パターン印刷機能と、
前記第1の色と区別可能な第2の色を印刷する第2のヘッドを動作させて、前記印刷対象面上であって、前記第1のヘッドにより形成された領域である第1の色領域に少なくとも一部が重なり合うように第2の補正用パターンを印刷させる第2の補正用パターン印刷機能と、
を実現させることを特徴とするプログラム。
7 端末装置
31 制御部
32 記憶部
40 印刷部
41 印刷ヘッド
41a 下地用ヘッド
41b デザイン用ヘッド
42 キャリッジ
81 制御部
313 印刷制御部
813 爪情報検出部
814 印刷データ生成部
815 アライメント補正部
Claims (9)
- 印刷対象面に印刷を施す印刷装置であって、
前記印刷対象面に互いに異なる色を印刷する第1のヘッド及び第2のヘッドを含む複数のヘッドと、
前記複数のヘッドをそれぞれ制御する制御手段と、
を備え、
前記制御手段は、
前記印刷対象面の表面色と区別可能な第1の色を印刷する前記第1のヘッドを動作させて、前記印刷対象面に前記第1のヘッドのアライメント補正を行うための第1の補正用パターンを印刷させ、
前記第1の色と区別可能な第2の色を印刷する前記第2のヘッドを動作させて、前記印刷対象面上に、前記第2のヘッドのアライメント補正を行うための第2の補正用パターンを印刷させる印刷装置であって、
前記第1のヘッドにより形成された領域である第1の色領域が、前記第1のヘッドによる印刷位置と前記第2のヘッドによる印刷位置とがずれる可能性のある所定のずれ可能性量に基づいた印刷領域で印刷されることにより、前記第2の補正用パターンの少なくとも一部が前記第1の色領域と重なり合うように印刷され、
前記第1の色領域は、前記印刷対象面の少なくとも一部を前記第1の色で塗り潰すことで形成された塗潰し領域であり、
前記塗潰し領域は、前記第1のヘッドにより前記第1の補正用パターンを消すためのリセット印刷を行うことで形成されることを特徴とする印刷装置。 - 印刷対象面に印刷を施す印刷装置であって、
前記印刷対象面に互いに異なる色を印刷する第1のヘッド及び第2のヘッドを含む複数のヘッドと、
前記複数のヘッドをそれぞれ制御する制御手段と、
を備え、
前記制御手段は、
前記第1のヘッド及び前記第2のヘッドのアライメント調整範囲に基づいて印刷される、前記第1のヘッドのアライメント補正を行うための第1の補正用パターンを、前記第1のヘッドを制御して、印刷対象面の表面色と区別可能な第1の色により前記印刷対象面上の所定の位置に印刷させた上で、前記第2のヘッドを制御して前記第2のヘッドのアライメント補正を行うための第2の補正用パターンの少なくとも一部を、前記第1の色と区別可能な第2の色により印刷させる印刷装置であって、
前記第1の補正用パターンが、前記第1のヘッドによる印刷位置と前記第2のヘッドによる印刷位置とがずれる可能性のある所定のずれ可能性量に基づいた印刷領域で印刷されることにより、前記第2の補正用パターンの少なくとも一部が前記第1の補正用パターンと重なり合うように印刷され、
前記第1の補正用パターンの印刷範囲は、前記第1のヘッドにおける前記アライメント調整範囲及び前記第2のヘッドにおける前記アライメント調整範囲の合計以上の長さを半径とする範囲であることを特徴とする印刷装置。 - 前記第1の補正用パターン及び前記第2の補正用パターンを印刷させる場合における前記印刷対象面は、所定の調整用紙の表面であることを特徴とする請求項1又は請求項2のいずれか一項に記載の印刷装置。
- 前記第2のヘッドにより印刷される前記第2の色は、前記印刷対象面の表面色と同一又は類似の色であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の印刷装置。
- 前記複数のヘッドは、デザインを印刷するデザイン用ヘッドと前記デザイン以外を印刷する下地用ヘッドとを含んでいることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の印刷装置。
- 印刷対象面に互いに異なる色を印刷する第1のヘッド及び第2のヘッドを含む複数のヘッドを備え、前記印刷対象面に印刷を施す印刷装置の印刷制御方法であって、
前記印刷対象面の表面色と区別可能な第1の色を印刷する前記第1のヘッドを動作させて、前記印刷対象面に前記第1のヘッドのアライメント補正を行うための第1の補正用パターンを印刷させる第1の補正用パターン印刷工程と、
前記第1の色と区別可能な第2の色を印刷する前記第2のヘッドを動作させて、前記印刷対象面上に、前記第2のヘッドのアライメント補正を行うための第2の補正用パターンを印刷させる第2の補正用パターン印刷工程と、
を含み、
前記第1の補正用パターン印刷工程において前記第1のヘッドにより形成された領域である第1の色領域が、前記第1のヘッドによる印刷位置と前記第2のヘッドによる印刷位置とがずれる可能性のある所定のずれ可能性量に基づいた印刷領域で印刷されることにより、前記第2の補正用パターン印刷工程において前記第2の補正用パターンの少なくとも一部が前記第1の色領域と重なり合うように印刷され、
前記第1の色領域は、前記印刷対象面の少なくとも一部を前記第1の色で塗り潰すことで形成された塗潰し領域であり、
前記塗潰し領域は、前記第1のヘッドにより前記第1の補正用パターンを消すためのリセット印刷を行うことで形成されることを特徴とする印刷制御方法。 - 印刷対象面に互いに異なる色を印刷する第1のヘッド及び第2のヘッドを含む複数のヘッドを備え、前記印刷対象面に印刷を施す印刷装置の印刷制御方法であって、
前記第1のヘッド及び前記第2のヘッドのアライメント調整範囲に基づいて印刷される、前記第1のヘッドのアライメント補正を行うための第1の補正用パターンを、前記第1のヘッドを制御して、印刷対象面の表面色と区別可能な第1の色により前記印刷対象面上の所定の位置に印刷させた上で、前記第2のヘッドを制御して前記第2のヘッドのアライメント補正を行うための第2の補正用パターンの少なくとも一部を、前記第1の色と区別可能な第2の色により印刷させる印刷工程を含み、
前記印刷工程において、前記第1の補正用パターンが、前記第1のヘッドによる印刷位置と前記第2のヘッドによる印刷位置とがずれる可能性のある所定のずれ可能性量に基づいた印刷領域で印刷されることにより、前記第2の補正用パターンの少なくとも一部が前記第1の補正用パターンと重なり合うように印刷され、
前記第1の補正用パターンの印刷範囲は、前記第1のヘッドにおける前記アライメント調整範囲及び前記第2のヘッドにおける前記アライメント調整範囲の合計以上の長さを半径とする範囲であることを特徴とする印刷制御方法。 - 印刷対象面に互いに異なる色を印刷する第1のヘッド及び第2のヘッドを含む複数のヘッドを備え、前記印刷対象面に印刷を施す印刷装置のコンピュータに、
前記印刷対象面の表面色と区別可能な第1の色を印刷する前記第1のヘッドを動作させて、前記印刷対象面に前記第1のヘッドのアライメント補正を行うための第1の補正用パターンを印刷させる第1の補正用パターン印刷機能と、
前記第1の色と区別可能な第2の色を印刷する前記第2のヘッドを動作させて、前記印刷対象面上に前記第2のヘッドのアライメント補正を行うための第2の補正用パターン印刷機能と、
を実現させ、
前記第1のヘッドにより形成された領域である第1の色領域が、前記第1のヘッドによる印刷位置と前記第2のヘッドによる印刷位置とがずれる可能性のある所定のずれ可能性量に基づいた印刷領域で印刷されることにより、前記第2の補正用パターンの少なくとも一部が前記第1の色領域と重なり合うように印刷され、
前記第1の色領域は、前記印刷対象面の少なくとも一部を前記第1の色で塗り潰すことで形成された塗潰し領域であり、
前記塗潰し領域は、前記第1のヘッドにより前記第1の補正用パターンを消すためのリセット印刷を行うことで形成されることを特徴とするプログラム。 - 印刷対象面に互いに異なる色を印刷する第1のヘッド及び第2のヘッドを含む複数のヘッドを備え、前記印刷対象面に印刷を施す印刷装置のコンピュータに、
前記第1のヘッド及び前記第2のヘッドのアライメント調整範囲に基づいて印刷される、前記第1のヘッドのアライメント補正を行うための第1の補正用パターンを、前記第1のヘッドを制御して、印刷対象面の表面色と区別可能な第1の色により前記印刷対象面上の所定の位置に印刷させた上で、前記第2のヘッドを制御して前記第2のヘッドのアライメント補正を行うための第2の補正用パターンの少なくとも一部を、前記第1の色と区別可能な第2の色により印刷させる印刷機能を実現させ、
前記第1の補正用パターンが、前記第1のヘッドによる印刷位置と前記第2のヘッドによる印刷位置とがずれる可能性のある所定のずれ可能性量に基づいた印刷領域で印刷されることにより、前記第2の補正用パターンの少なくとも一部が前記第1の補正用パターンと重なり合うように印刷され、
前記第1の補正用パターンの印刷範囲は、前記第1のヘッドにおける前記アライメント調整範囲及び前記第2のヘッドにおける前記アライメント調整範囲の合計以上の長さを半径とする範囲であることを特徴とするプログラム。
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