JP7237706B2 - 結像光学系および撮像装置 - Google Patents
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Description
0.00<dDOE/f≦0.13
3.3≦fDOE/f≦33.2
0.45≦f1/f≦1.56
なる条件を満足することを特徴とする。
また、本発明の他の一側面としての結像光学系は、物体側より像側へ順に配置された、正の屈折力の第1レンズユニット、第2レンズユニット、負の屈折力の第3レンズユニットからなり、焦点調節に際して隣り合うレンズユニットの間隔が変化する結像光学系であって、第2レンズユニットは、焦点調節に際して移動し、結像光学系は、回折面を含み、結像光学系の全系の焦点距離をf、回折面の焦点距離をfDOE、結像光学系のうち最も物体側の光学面から回折面までの距離をdDOE、第2レンズユニットの焦点距離をf2とするとき、
0.00<dDOE/f≦0.13
3.3≦fDOE/f≦33.2
0.14≦f2/f≦0.70
なる条件を満足することを特徴とする。
0.00<DOE/f≦0.13 (1)
3.3≦fDOE/f≦33.2 (2)
条件式(1)は、回折光学素子の配置に関するものであり、撮像レンズの光学性能と軽量化を両立させるための条件を示す。撮像レンズにおいて、近軸軸上光線と瞳近軸光線が通過する光軸からの高さが最も高い最も物体側に回折光学素子を配置することで、色収差の改善効果が高くなる。dDOE/fの値が条件式(1)の上限値を超えるように回折光学素子が像側に配置されると、近軸軸上光線と瞳近軸光線の高さが低くなり、色収差の改善効果が低くなる。この結果、色収差補正のために多くレンズを配置する必要が生じ、軽量化が達成できないので、好ましくない。
0.00≦dDOE/f≦0.12 (1a)
さらに好ましくは、条件式(1)の範囲を以下のようにすると良い。
0.01≦dDOE/f≦0.11 (1b)
条件式(2)は、回折光学素子の回折面の屈折力(焦点距離の逆数)に関するものであり、撮像レンズの光学性能と光学全長の短縮とを両立させるための条件を示す。回折光学素子の回折面で与えることができるスペクトル曲線について考えると、回折面の位相形状ψは、次のような多項式で与えることができる。
ψ(h,m)
={2πm/λ0}(C2h2+C4h4+C6h6+C8h8+C10h10…)
(11)
h:光軸からそれに直交する方向の高さ
m:回折光の回折次数
λ0:基準波長
Ci:位相係数(i=2,4,6,8,10,…)
このとき、基準波長λ0で回折次数m=1の光に対する回折面の屈折力φは、位相係数C2を用いて次のように表すことができる。基準波長としては例えばd線を用いることができる。
φ=-2C2 (12)
また、回折面の焦点距離は、
fDOE=-1/(2×C2) (13)
で与えられる。
4.3≦fDOE/f≦32.1 (2a)
さらに好ましくは、条件式(2)の範囲を以下のようにすると良い。
5.3≦fDOE/f≦30.0 (2b)
以上の構成により、色収差を含めた諸収差を良好に補正し、全系の軽量化と小型化が可能な撮像レンズを得ることができる。
条件式(3)は、第1レンズユニットの屈折力に関するものであり、撮像レンズの小型化と光学性能との両立させるための条件を示す。f1/fの値が条件式(3)の上限値を超えるように第1レンズユニットの屈折力が小さくなると、撮像レンズの小型化が困難となるため、好ましくない。f1/fの値が条件式(3)の下限値を下回るように第1レンズユニットの屈折力が大きくなると、第1レンズユニットで発生する球面収差、コマ収差、軸上色収差および倍率色収差が大きくなりすぎて高い光学性能を達成することが困難となるため、好ましくない。
0.19≦f1/f≦1.51 (3a)
さらに好ましくは、条件式(3)の範囲を以下のようにすると良い。
0.24≦f1/f≦1.46 (3b)
さらに、本発明の実施例としての撮像レンズが満足することが好ましい条件について説明する。
-0.55≦f3/f≦-0.06 (4)
条件式(4)は、第3レンズユニットの負の屈折力に関するものであり、撮像レンズの小型化と光学性能を両立させるための条件を示す。f3/fの値が条件式(4)の上限値を超えるように第3レンズユニットの屈折力が大きくなると、撮像レンズの小型化が困難となるため、好ましくない。f3/fの値が条件式(4)の下限値を下回るように第3レンズユニットの屈折力が小さくなると、第3レンズユニットで発生する像面湾曲や歪曲等の軸外収差が増加して高い光学性能を達成することが困難となるため、好ましくない。
-0.53≦f3/f≦-0.07 (4a)
さらに好ましくは、条件式(4)の範囲を以下のようにすると良い。
-0.17≦f3/f≦-0.08 (4b)
また、第2レンズユニットは正の屈折力を有することが好ましい。これは、近軸軸上光線が高い位置を通過して球面収差、コマ収差および軸上色収差等が大きく発生する第1レンズユニットの正の屈折力の一部を、第2レンズユニットに分担させることで、特に高次の収差の発生を低減することが可能となるためである。
0.14≦f2/f≦0.70 (5)
条件式(5)は第2レンズユニットの屈折力に関するものであり、撮像レンズの小型化と光学性能を両立させるための条件を示す。f2/fの値が条件式(5)の下限値を下回るように第2レンズユニットの屈折力が大きくなると、第2レンズユニットで発生する収差が大きくなり、フォーカシングによる光学性能の変化が大きくなる。これにより、高い光学性能を達成することが困難となるため、好ましくない。f2/fの値が条件式(5)の上限値を超えるように第2レンズユニットの屈折力が小さくなると、第2レンズユニットのフォーカシングにおける移動量が大きくなりすぎて撮像レンズが大型化するため、好ましくない。
0.16≦f2/f≦0.68 (5a)
さらに好ましくは、条件式(5)の範囲を以下のようにすると良い。
0.18≦f2/f≦0.66 (5b)
また、第1レンズユニットのうち最も物体側の光学面(レンズ面)から撮像レンズの像面までの距離をLとするととき、以下の条件式を満足することが好ましい。
0・35≦L/f≦0.70 (6)
条件式(6)は、撮像レンズの全長に関する。L/fの値が条件式(6)の上限を超えると、撮像レンズが大型化するので、好ましくない。L/fの値が条件式(6)の下限値を下回るように全長が短くなりすぎると、第1レンズユニットで発生する球面収差、コマ収差、軸上色収差および倍率色収差が大きくなりすぎ、回折光学素子を用いた最小構成によって高い光学性能を達成することが困難となるため、好ましくない。高い光学性能を達成するためには、第1レンズユニットを構成するレンズの枚数を増加させる必要が生じ、軽量化することができなくなる。
0.40≦L/f≦0.60 (6a)
さらに好ましくは、条件式(7)の範囲を以下のようにすると良い。
0.42≦L/f≦0.56 (6b)
また、第2レンズユニットは、1枚のレンズにより構成されていることが望ましい。フォーカシングに際して移動する第2レンズユニットを軽量化するためである。
単位 mm
面データ
面番号 r d nd νd
1 56.252 12.20 1.48749 70.2
2(回折) -180.408 2.77 1.59551 39.2
3 785.004 59.15
4 -42.901 1.30 1.83481 42.7
5 -92.466 (可変)
6 98.007 2.09 1.48749 70.2
7 ∞ (可変)
8(絞り) ∞ 6.44
9 -42.741 1.00 1.90043 37.4
10 42.741 3.85 1.65412 39.7
11 -29.300 12.20
12 107.876 3.70 1.65412 39.7
13 -22.269 0.80 1.59282 68.6
14 300.803 0.64
15 -75.518 0.80 1.80400 46.5
16 54.756 1.33
17 63.816 2.10 1.59551 39.2
18 -675.205 138.06
像面 ∞
可変間隔データ
面番号 無限遠合焦状態 近距離合焦状態
5 16.25 3.50
7 22.19 34.94
非球面データ
第2面(回折面)
C 2=-4.69717e-005 C 4= 1.13471e-008 C 6=-2.69625e-012 C 8=-4.35136e-015
C10= 2.95662e-018
各種データ
焦点距離 581.65
Fナンバー 11.31
半画角(°) 2.13
像高 21.64
レンズ全長 286.87
BF 138.06
入射瞳位置 399.66
射出瞳位置 -24.31
前側主点位置 -1102.24
後側主点位置 -443.59
レンズユニットデータ
L 始面 焦点距離
L1 1 384.29
L2 6 201.04
L3 8 -86.51
[数値実施例2]
単位 mm
面データ
面番号 r d nd νd
1 82.842 9.45 1.48749 70.2
2 780.100 40.42
3 81.828 9.23 1.48749 70.2
4(回折) -194.436 2.76 1.74400 44.8
5 105.769 70.95
6 -53.038 1.35 1.69680 55.5
7 -106.842 (可変)
8 69.898 2.40 1.48749 70.2
9 455.147 (可変)
10(絞り) ∞ 6.44
11 -42.741 1.00 1.90043 37.4
12 42.741 3.85 1.65412 39.7
13 -29.300 12.20
14 107.876 3.70 1.65412 39.7
15 -22.269 0.80 1.59282 68.6
16 300.803 0.64
17 -75.518 0.80 1.80400 46.5
18 54.756 1.33
19 63.816 2.10 1.59551 39.2
20 -675.205 138.30
像面 ∞
可変間隔データ
面番号 無限遠合焦状態 近距離合焦状態
7 35.90 21.25
9 21.43 36.08
非球面データ
第4面(回折面)
C 2=-5.38010e-005 C 4= 6.66877e-009 C 6=-3.04640e-013 C 8=-3.57268e-015
C10= 2.50469e-018
各種データ
焦点距離 776.37
Fナンバー 11.31
半画角(°) 1.60
像高 21.64
レンズ全長 365.06
BF 138.30
入射瞳位置 951.06
射出瞳位置 -24.31
前側主点位置 -1979.36
後側主点位置 -638.08
レンズユニットデータ
L 始面 焦点距離
L1 1 600.53
L2 8 169.05
L3 10 -86.51
[数値実施例3]
単位 mm
面データ
面番号 r d nd νd
1 85.369 8.89 1.48749 70.2
2(回折) -512.686 61.00
3 -70.863 1.66 1.90366 31.3
4 -299.154 (可変)
5 174.585 3.01 1.48749 70.2
6 -146.383 (可変)
7(絞り) ∞ 14.52
8 -167.593 1.10 1.90043 37.4
9 26.566 3.24 1.54072 47.2
10 -33.588 9.78
11 -67.832 3.01 1.61340 44.3
12 -14.404 0.86 1.59522 67.7
13 41.330 2.00
14 38.249 1.62 1.78472 25.7
15 84.926 108.35
像面 ∞
可変間隔データ
面番号 無限遠合焦状態 近距離合焦状態
4 31.77 21.94
6 49.22 59.06
非球面データ
第2面(回折面)
C 2=-3.15203e-005 C 4=-3.72527e-009 C 6= 1.49391e-012 C 8=-5.02869e-015
C10= 3.68713e-018
各種データ
焦点距離 584.99
Fナンバー 11.30
半画角(°) 2.13
像高 21.64
レンズ全長 300.01
BF 108.35
入射瞳位置 564.88
射出瞳位置 -27.24
前側主点位置 -1374.06
後側主点位置 -476.64
レンズユニットデータ
L 始面 焦点距離
L1 1 792.22
L2 5 163.84
L3 7 -75.40
[数値実施例4]
単位 mm
面データ
面番号 r d nd νd
1 72.898 9.76 1.48749 70.2
2 366.117 59.70
3 65.228 8.09 1.48749 70.2
4(回折) -100.799 2.77 1.76200 40.1
5 130.219 28.73
6 -58.984 1.35 1.66565 35.6
7 -89.602 (可変)
8 92.020 1.91 1.48749 70.2
9 150.407 (可変)
10(絞り) ∞ 2.05
11 -34.066 0.97 1.90043 37.4
12 33.900 4.42 1.65412 39.7
13 -24.026 10.91
14 87.014 4.16 1.65412 39.7
15 -16.837 0.79 1.59282 68.6
16 86.344 1.22
17 -40.694 0.79 1.80400 46.5
18 53.431 0.95
19 54.555 2.61 1.59551 39.2
20 -65.694 153.75
像面 ∞
可変間隔データ
面番号 無限遠合焦状態 近距離合焦状態
7 27.68 3.22
9 12.12 36.57
非球面データ
第4面(回折面)
C 2=-8.87126e-005 C 4= 8.68399e-009 C 6= 5.19977e-012 C 8=-4.32761e-014
C10= 4.51463e-017
各種データ
焦点距離 776.35
Fナンバー 11.31
半画角(°) 1.60
像高 21.64
レンズ全長 334.73
BF 153.75
入射瞳位置 653.87
射出瞳位置 -21.09
前側主点位置 -2017.09
後側主点位置 -622.60
レンズ群データ
群 始面 焦点距離
1 1 263.97
2 8 481.11
3 10 -69.85
[数値実施例5]
単位 mm
面データ
面番号 r d nd νd
1 96.803 12.95 1.61800 63.4
2(回折) -289.177 3.50 1.90366 31.3
3 -1085.876 71.46
4 -82.107 2.00 1.90366 31.3
5 -150.392 (可変)
6 830.775 3.87 1.75520 27.5
7 -57.888 0.20
8 -59.923 1.60 1.90366 31.3
9 353.412 (可変)
10(絞り) ∞ 5.53
11 306.822 1.00 1.90043 37.4
12 43.732 3.90 1.53172 48.8
13 -69.808 31.18
14 -84.160 2.40 1.90366 31.3
15 -27.483 1.32 1.75500 52.3
16 54.800 4.12
17 61.546 2.89 1.53172 48.8
18 -144.484 108.14
像面 ∞
可変間隔データ
面番号 無限遠合焦状態 近距離合焦状態
5 18.31 48.66
9 45.64 15.30
非球面データ
第2面(回折面)
C 2=-2.95948e-005 C 4= 1.59353e-009 C 6= 1.88896e-012 C 8=-2.35523e-015
C10= 7.93390e-019
各種データ
焦点距離 585.00
Fナンバー 8.20
半画角(°) 2.12
像高 21.64
レンズ全長 320.01
BF 108.14
入射瞳位置 659.79
射出瞳位置 -45.28
前側主点位置 -985.81
後側主点位置 -476.86
レンズユニットデータ
L 始面 焦点距離
L1 1 261.01
L2 6 -275.75
L3 10 -304.93
図6は、撮像装置(デジタルスチルカメラ)10を示している。この撮像装置10は、カメラ本体13と、上述した実施例1~5のいずれかと同様に構成された結像光学系11と、結像光学系11によって形成される光学像を光電変換する撮像素子12とを備えている。本実施例の撮像装置10は、小型かつ軽量であって、さらに色収差等の諸収差が良好に補正された結像光学系11を用いることで、高品位な撮像画像を得ることができる。
以上説明した各実施例は代表的な例にすぎず、本発明の実施に際しては、各実施例に対して種々の変形や変更が可能である。
L2 第2レンズユニット
L3 第3レンズユニット
Claims (12)
- 物体側より像側へ順に配置された、正の屈折力の第1レンズユニット、第2レンズユニット、負の屈折力の第3レンズユニットからなり、焦点調節に際して隣り合うレンズユニットの間隔が変化する結像光学系であって、
前記第2レンズユニットは、焦点調節に際して移動し、
前記結像光学系は、回折面を含み、
前記結像光学系の全系の焦点距離をf、前記回折面の焦点距離をfDOE、前記結像光学系のうち最も物体側の光学面から前記回折面までの距離をdDOE、前記第1レンズユニットの焦点距離をf1とするとき、
0.00<dDOE/f≦0.13
3.3≦fDOE/f≦33.2
0.45≦f1/f≦1.56
なる条件を満足することを特徴とする結像光学系。 - 前記回折面が、前記第1レンズユニットに含まれていることを特徴とする請求項1に記載の結像光学系。
- 前記回折面が、前記第1レンズユニットのうち最も物体側のレンズに設けられていることを特徴とする請求項2に記載の結像光学系。
- 前記回折面が、前記第1レンズユニットのうち物体側から2番目のレンズに設けられていることを特徴とする請求項2に記載の結像光学系。
- 前記第3レンズユニットの焦点距離をf3とするとき、
-0.55≦f3/f≦-0.06
なる条件を満足することを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の結像光学系。 - 前記第2レンズユニットは正の屈折力を有することを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の結像光学系。
- 前記第2レンズユニットの焦点距離をf2とするとき、
0.14≦f2/f≦0.70
なる条件を満足することを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の結像光学系。 - 物体側より像側へ順に配置された、正の屈折力の第1レンズユニット、第2レンズユニット、負の屈折力の第3レンズユニットからなり、焦点調節に際して隣り合うレンズユニットの間隔が変化する結像光学系であって、
前記第2レンズユニットは、焦点調節に際して移動し、
前記結像光学系は、回折面を含み、
前記結像光学系の全系の焦点距離をf、前記回折面の焦点距離をfDOE、前記結像光学系のうち最も物体側の光学面から前記回折面までの距離をdDOE、前記第2レンズユニットの焦点距離をf2とするとき、
0.00<dDOE/f≦0.13
3.3≦fDOE/f≦33.2
0.14≦f2/f≦0.70
なる条件を満足することを特徴とする結像光学系。 - 前記第1レンズユニットのうち最も物体側の光学面から前記結像光学系の像面までの距離をLとするとき、
0.35≦L/f≦0.70
なる条件を満足することを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載の結像光学系。 - 前記第2レンズユニットが、1枚のレンズにより構成されていることを特徴とする請求項1から9のいずれか一項に記載の結像光学系。
- 全系が11枚以下のレンズにより構成されていることを特徴とする請求項1から10のいずれか一項に記載の結像光学系。
- 請求項1から11のいずれか一項に記載の結像光学系と、前記結像光学系によって形成される光学像を撮像する撮像素子とを有することを特徴とする撮像装置。
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