しかしながら、このようなシートロール包装体は、シートロールが包装袋から取り出されて使用されるため、シートロールが剥き出しの状態で使用される。そのため、従来のシートロール包装体では、シートロールを衛生的に使用することができない。
本発明の課題は、シートロールを衛生的に使用できるシートロール包装体を提供することである。
本発明に係る第1の態様は、シートが巻回された1つのシートロールを収容する包装袋と、前記包装袋の側面に形成された開封用のスリットとを有し、前記スリットが、前記包装袋から前記シートロールの一部が引き出される取出口を構成する、シートロール包装体である。
本明細書において、シートロールとは、長尺のシートが巻回されたロール状のシートである。また、1つのシートロールを収容する包装袋とは、包装袋にシートロールが少なくとも1つ収容されていることを示す。包装袋の側面とは、包装袋に収容されたシートロールの周方向の側面に沿う面を示す。
開封用のスリットは、包装袋を開封するためのスリットである。また、スリットは、包装袋の側面に形成され、連続する切込み、細長い開口等であり、連続する切込みはミシン目を破ることで構成してもよい。シートロールの一部が引き出されるとは、シートロールに巻回されたシートの一部が包装袋内から取出口を介して包装袋外に引っ張り出されることを示す。
第1の態様では、包装袋に1つのシートロールが収容され、包装袋の側面に形成された開封用のスリットが、包装袋からシートロールの一部が引き出される取出口を構成する。このような構成では、包装袋の側面を掴んだ(または握った)状態で、シートロールに巻回されたシートの外側の端部を摘んで、取出口からシートの一部を引き出し、所定の長さまたは任意の長さで切り取ることで、シートロールを包装袋に収納したまま使用することができる。そのため、第1の態様では、シートロールを衛生的に使用することができる。
また、第1の態様では、上述のように開封用のスリットが取出口を構成することで、使い始めたシートロールを使用しない場合も、シートロールが包装袋に収納された状態を維持することができる。そのため、第1の態様によれば、使用中のシートロールを衛生的に保管することができる。
本発明に係る第2の態様は、前記スリットが、前記シートロールの幅方向に沿って延びる、シートロール包装体である。本明細書において、シートロールの幅方向とは、シートロールの巻回方向と略直交する方向である。なお、シートロールの巻回方向は、シートロールにおいてシートを巻回する方向である。この巻回方向は、シートロールからシートの一部が引き出される方向(以下、引出方向またはシートの引出方向という)でもある。
第2の態様では、スリットをシートロールの幅方向に沿って延ばすことで、シートロールの巻回方向と略直交する方向に延びる取出口が包装袋の側面に形成される。そのため、スリット(取出口)を介してシートロールからシートの一部をスムーズに引き出すことができる。
本発明に係る第3の態様は、前記スリットが、V字状に構成されている、シートロール包装体を提供する。本明細書において、V字状とは、スリットがシートロールの幅方向に沿ってスリットのいずれか一方の端部から他方の端部に末広がりに分岐する(または楔形である)ことを示す。
第3の態様では、このようなV字状のスリットがシートロールの幅方向に沿って延びるため、取出口の開口幅をシートロールの幅方向に沿ってV字状(または楔形)に広げることができる。これにより、シートロールからシートの一部を引き出す際にシートが取出口に詰まりにくくなる。そのため、第3の態様によれば、シートロールからシートの一部をよりスムーズに引き出すことができる。
本発明に係る第4の態様は、前記スリットの長さが、前記シートロールの幅方向の長さよりも長い、シートロール包装体である。本明細書において、スリットの長さとは、スリットのいずれか一方の端部から他方の端部までの距離を示す。また、シートロールの幅方向の長さとは、シートロールの幅方向における直線距離を示す。
第4の態様では、スリットの長さがシートロールの幅方向の長さよりも長いことで、シートロールから引き出されるシートの幅方向の長さよりも長い取出口を包装袋の側面に形成することができる。このような観点からも、シートロールからシートの一部を引き出す際にシートが取出口に詰まりにくくなる。そのため、第4の態様では、スリット(取出口)を介してシートの一部をよりスムーズに引き出すことができる。
本発明に係る第5の態様は、前記スリットが、前記シートロールの巻回方向に凸状に湾曲する、シートロール包装体を提供する。本明細書において、巻回方向に凸状に湾曲するとは、スリットの中央部(または基部)がスリットの両端部に対して、シートロールの巻回方向であるシートの引出方向に突き出るように、スリットが曲がっていることを示す。
第5の態様では、取出口を構成するスリットがシートロールの巻回方向に凸状に湾曲することで、湾曲するスリットに沿って弓形状の取出口が開口し、包装袋の側面の一部が取出口に対応して弓形状のフラップ(以下、フラップまたは取出口のフラップという)を構成する。このフラップは、取出口からシートが引き出されるときの摩擦力(または抵抗力)や引出方向によってシートロールの径方向に動かされる。
このような構成により、第5の態様では、取出口からシートの一部を引き出す際に、該フラップが包装袋の側面の外側に捲れ(または撓み)、取出口の開口がフラップの形状(弓形状)に広がり、取出口にシートがさらに詰まりにくくなる。そのため、第5の態様によれば、シートロールからシートの一部をさらにスムーズに引き出すことができる。
また、第5の態様では、取出口からシートの一部を引き出す際に、取出口に構成されたフラップを押さえることで、シートロールが保持されやすくなる。そのため、第5の態様では、シートロールからシートの一部が切り取り易くなる。
さらに、第5の態様では、フラップの端縁がシートロールの巻回方向に凸状に湾曲するため、取出口においてシートロールの巻回方向(シートの引出方向)が認識しやすくなる。そのため、第5の態様では、シートロールからシートの一部を容易に引き出すことができる。
本発明に係る第6の態様は、前記スリットの一部が、前記シートロールの巻回方向に凸状に湾曲し、前記スリットの他の一部が、前記巻回方向と反対方向に凸状に湾曲する、シートロール包装体を提供する。本明細書において、スリットの一部が湾曲するとは、スリットの中央部(または基部)の一部が湾曲することを示す。巻回方向と反対方向に凸状に湾曲するとは、スリットの中央部(または基部)がスリットの両端部に対して、シートロールの巻回方向(シートの引出方向)と反対の方向に突き出るように、スリットが曲がっていることを示す。
第6の態様では、スリットの一部をシートロールの巻回方向に凸状に湾曲させ、スリットの他の一部を、巻回方向と反対方向に凸状に湾曲させることで、シートロールの幅方向に沿って延びる略S字状のスリットを構成することができる。このような略S字状のスリットは、湾曲するスリットに沿って弓形状の取出口がシートロールの幅方向に沿って並ぶように開口し、包装袋の側面の一部がこのような取出口に対応して弓形状の2つのフラップをシートロールの幅方向に沿って並ぶように構成する。
このような構成により、第6の態様では、取出口からシートの一部を引き出す際に、該2つのフラップがシートロールの幅方向に沿って捲れ(または撓み)、取出口の開口がシートロールの幅方向に沿ってバランスよく広がることができる。これにより、第6の態様でも、取出口にシートがさらに詰まりにくくなり、シートロールからシートの一部をさらにスムーズに引き出すことができる。
また、第6の態様では、スリットの一部で構成される一方のフラップの端縁がシートロールの巻回方向に凸状に湾曲し、スリットの他の一部で構成される他方のフラップの端縁がシートロールの巻回方向と反対方向に凸状に湾曲する。これにより、取出口においてシートロールの巻回方向(シートの引出方向)がシートロールの周方向のいずれの方向になっても、シートの引出方向にシートの一部を引き出すことができる。
本発明に係る第7の態様は、前記スリットの少なくとも一方の端部が前記シートロールの巻回方向と反対方向に凸状に湾曲する、シートロール包装体を提供する。本明細書において、スリットの少なくとも一方の端部とは、スリットの両端部またはいずれか一方の端部を示す。
第7の態様では、このようにスリットの端部がシートロールの巻回方向と反対方向に凸状に湾曲することで、シートロールの巻回方向に湾曲するスリットの中央部(または基部)に対して、スリットが延びる方向を屈曲させることができる。これにより、スリットの長さをさらに長くすることができる。そのため、第7の態様では、シートが取出口に詰まりにくくなり、取出口からシートの一部をさらにスムーズに引き出すことができる。
また、第7の態様では、スリットの端部が凸状に湾曲する向きが、スリットの中央部(または基部)が凸状に湾曲する向きと反対になるため、シートが詰まりやすいスリット(取出口)の端部で、シートが引き出されるときにかかる力を端部で和らげる(緩和する)ことができる。このような観点からも、第7の態様では、シートが取出口に詰まりにくくなり、取出口からシートの一部をさらにスムーズに引き出すことができる。
本発明に係る第8の態様は、前記側面の内側に、粗面部材が形成されている、シートロール包装体を提供する。本明細書において、側面の内側とは、包装袋に収容されたシートロールの周方向の側面と対面する包装袋の側面の内面である。また、粗面部材とは、表面が粗いまたはざらざらした部材を示す。
第8の態様では、このような粗面部材が包装袋の側面の内側に構成されているため、包装袋の内部でシートロールが滑り過ぎないようにすることができる。これにより、シートロールからシートの一部を引き出す際に、余分なシートが引き出されないように調節することができる。
本発明に係る第9の態様は、前記側面の外側に、滑止部材が形成されている、シートロール包装体を提供する。本明細書において、側面の外側とは、包装袋に収容されたシートロールの周方向の側面と対面しない包装袋の側面の外面である。滑止部材とは、表面の滑りを抑制する(または摩擦抵抗が大きい)部材である。
第9の態様では、このような滑止部材が包装袋の側面の外側に形成されているため、包装袋の側面を掴んだ(または握った)際に包装袋が滑りにくい。これにより、シートロールからシートの一部を引き出す際に、包装袋の側面を安定して掴むことができるので、余分なシートが引き出されないように調節することができる。
本発明に係る第10の態様は、前記側面の外側に、前記スリットを覆うカバー部材が形成されている、シートロール包装体を提供する。本明細書において、カバー部材とは、前シートロールの一部が引き出し可能に包装袋の側面の外側からスリットを覆う部材を示す。
第10の態様では、このようなカバー部材によってスリットが覆われることで、スリットで構成される取出口をカバー部材で覆うことができる。このような構成では、使用中に取出口から包装袋の内部にゴミや埃が入りにくくなる。そのため、第10の態様では、シートロールをさらに衛生的に使用することができる。また、使用中のシートロールをさらに衛生的に保管することができる。
本発明に係る第11の態様は、上述のシートロール包装体が複数収容されてなる集合包装体を提供する。本明細書において、集合包装体とは、複数の個包装体を包装袋または包装容器に収容した形態を示す。第11の態様では、複数のシートロール包装体をこのような集合包装体の形態にすることで、シートロール包装体を多量に流通することができる。
本発明の一態様によれば、シートロールを衛生的に使用できるシートロール包装体を提供することができる。
本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、各図において共通する部分については、同一の符号を付して説明を省略する場合がある。また、以下に示す説明では、理解を容易にするため、各図面における各部材の縮尺は実際とは異なる場合がある。なお、各図において、シートロール包装体の左右方向(横方向または径方向)をX方向とし、上下方向(高さ方向または幅方向)をY方向とし、奥行方向(前後方向または径方向)をZ方向とする。
図1は、本発明の第1実施形態に係るシートロール包装体を示す図である。図2は、第1実施形態に係るシートロール包装体を構成する包装袋を示す図である。図3は、図2に示す包装袋の内部を上方から見た(上面を省略した)図である。図4は、本実施形態に係るシートロール包装体の包装袋に収容されるシートロールを示す図である。
図1において、シートロール包装体100は、包装袋10、シートロール20、スリット30を備えている。包装袋10は、樹脂フィルム等から製袋機を用いて作製する。包装袋10は、本発明のシートロール包装体を構成する包装袋の一例である。また、シートロール20は、本発明のシートロール包装体の包装袋に収容されるシートロールの一例である。さらに、スリット30は、本発明のシートロール包装体を構成する包装袋に形成されるスリットの一例である。
包装袋10は、図1~図3に示すように、1つのシートロール20が収容されるシートロール包装体100の包装袋を構成する。包装袋10は、上面11、下面12、及び側面13を有する。なお、側面13は、本発明に係るシートロール包装体を構成する包装袋の側面の一例である。
上面11は、包装袋10の上側に形成されている。下面12は、包装袋10の下側に形成され、上面11と上下方向または高さ方向(Y方向)に対向している。側面13は、上面11及び下面12の間に配置されて、シートロール包装体100の周方向(CD方向)に形成されている(図1、図2参照)。具体的には、包装袋10の側面13は、包装袋10に収容されたシートロール20の周方向(CD方向)の側面23に沿う面となる(図1、図2参照)。
包装袋10は、樹脂フィルムが筒状に形成された筒状フィルムで構成されており、筒状フィルムの両端部が、折り畳まれて接着(封止)されている。具体的には、包装袋10の上面11及び下面12が、シール部(図示せず)で形成された構造になっている。
包装袋10を形成する樹脂フィルムの材質は、任意である。このような樹脂フィルムには、例えば、ポリエチレン(PE)、PE-エチレンビニルアルコール共重合体(EVOH)-PEの積層体(PE/EVOH/PE)等の樹脂フィルムを用いることができる。また、樹脂フィルムの厚みは、任意である。例えば、樹脂フィルムとしてPE、PE/EVOH/PEを用いる場合、樹脂フィルムの厚みは10μm以上70μm以下とすることができ、好ましくは15μm以上60μm以下、より好ましくは20μm以上50μm以下である。
シートロール20は、シート22が巻回されて構成されている(図4参照)。具体的には、長尺のシート22が筒状コア21に巻き付けられた(巻回された)ロール状のシート22である。シートロール20は包装袋10に1つ収容される(図1~図3参照)。なお、包装袋10に収容されるシートロール20の個数は、少なくとも1つであればく、2個以上のシートロール20を包装袋10に収容してもよい。
シートロール20を構成するシート22の用途は、特に限定されず、ペーパータオル、ワイパー(ワイプまたはウエス)、キッチンペーパー、クッキングペーパー、ティシューペーパー、トイレットペーパー等に用いることができる。また、産業用(例えば、自動車整備工場などで部品や工具を拭いたり、塗装面を磨く等の作業で使用されるもの)、家庭用(衛生薄葉紙等)に限定されない。なお、シートロールは、衛生的に使用または保管する観点から、長尺化されたシートロール、使用期間が長いシートロールが好ましく、より好ましくはペーパータオル、ワイパー(ワイプまたはウエス)、キッチンペーパー、クッキングペーパー等である。
シートロール20の寸法は、特に限定されないが、包装袋10に1つ収容された状態で上下方向(Y方向)の高さ(ロール幅)が約85mm以上300mm以下であることが好ましく、横方向(X方向)の幅(ロール径)が約80mm~140mmであることが好ましい(図4参照)。
シートロール20において、シート22が巻回された筒状コア21は、特に限定されないが、例えば、円筒状の巻芯を用いることができる。また、筒状コア21には、巻芯が存在しない構造(コアレス構造)も含まれる。筒状コア21の材質は、特に限定されず、紙、樹脂等を用いることができる。なお、シート22が、ペーパータオル、キッチンペーパー等の衛生紙である場合には、円筒状の厚紙製の巻芯(例えば紙管)を用いるのが好ましい(図4参照)。
スリット30は、開封用のスリットとして包装袋10の側面13に形成されている。スリット30の態様は、特に限定されず、連続する切込み、細長い開口等であり、連続する切込みはミシン目を破ることで構成することができる(図1~図3参照)。
第1実施形態に係るシートロール包装体100では、スリット30が、シートロール20の幅方向(LD方向)に沿って延びるように構成されている(図1~図3参照)。ここで、シートロール20の幅方向は、シートロール20の巻回方向(WD方向)と略直交する方向(LD方向)である(図1~図4参照)。
なお、シートロール20の巻回方向(WD方向)は、シートロール20において固定された筒状コア21にシート22を巻回する方向である。このような巻回方向は、シートロール20からシート22の一部が引き出される方向(以下、引出方向またはシート22の引出方向という)でもある(図1~図4参照)。
開封用のスリット30は、包装袋10からシートロール20の一部が引き出される後述の取出口を構成する(図1~図3、図6、図11参照)。ここで、シートロール20の一部が引き出されるとは、シートロール20に巻回されたシート22の一部が包装袋10内から取出口を介して包装袋10外に引っ張り出されることを示す。すなわち、スリット30では、シートロール20の一部を引き出すことができる。
また、第1実施形態に係るシートロール包装体100は、包装袋10の側面13の内側13aに、粗面部材40が形成されている(図1~図3参照)。ここで、側面13の内側は、包装袋10に収容されたシートロール20の周方向(CD方向)の側面23と対面する包装袋10の側面13の内面13aである(図3参照)。
また、粗面部材40は、表面が粗いまたはざらざらした部材を示す。粗面部材40の態様は、任意であるが、例えば、ヒートシール等により表面を粗面加工した樹脂製のシートを包装袋10の側面13の内側13aに貼り付けたもの(図1~図3参照)、ヒートエンボス等により側面13の内側13aを粗面加工したもの等が挙げられる。なお、粗面部材40は、包装袋10の側面13の内側13aのうち、スリット30に対して巻回方向(WD方向)と反対方向(OD方向)の側でスリット30の近傍に設けるのが好ましい(図1~図3参照)。
以下、本発明の効果について、図5~図11を用いて説明する。第1実施形態では、上述のように、包装袋10に1つのシートロール20が収容され、包装袋10の側面13に形成された開封用のスリット30が、包装袋10からシートロール20の一部が引き出される取出口OPを構成する。
具体的には、シートロール包装体100の包装袋10の外側10bを左手P1で掴み(図5参照)、さらに包装袋10の外側10bを右手P2で掴み、スリット30を開封して取出口OPを形成する(図6参照)。包装袋10の外側10bを左手P1で掴んだまま、開封されたスリット30(取出口OP)に右手P2を挿入して、シートロール20に巻回されたシート22の外側端部22aを摘んで取出口OPから引き出す(図7参照)。
なお、本実施形態では、シートロール20に巻回されたシート22には、巻回方向(WD方向)に所定の間隔でシート22の幅方向に延びるミシン目22bが設けられている。左手P1で包装袋10の外側10bを掴み、右手P2でシート22の外側端部22aを摘んだ状態で、取出口OPから引き出されたシート22の一部PSを切り取る(図8)。そうすると、シートロール20からシート22の一部PS(例えば1枚のペーパータオル)が分離される(図9、図10参照)。
このような構成では、包装袋10の側面13を掴んだ(または握った)状態で、シートロール20に巻回されたシート22の外側端部22aを摘んで、取出口OPからシート22の一部を引き出し、所定の長さで切り取ることで、シートロール20を包装袋10に収納したまま使用することができる。そのため、第1実施形態では、シートロール20を衛生的に使用することができる(図5~図10参照)。
第1実施形態では、上述のように開封用のスリット30が取出口OPを構成することで、使い始めたシートロール20を使用しない場合も、シートロール20が包装袋10に収納された状態を維持することができる。そのため、第1実施形態によれば、使用中のシートロール20を衛生的に保管することができる(図11参照)。
第1実施形態では、上述のようにスリット30をシートロール20の幅方向(LD方向)に沿って延ばすことで、シートロール20の巻回方向(WD方向)と略直交する方向に延びる取出口OPが包装袋10の側面13に形成される。そのため、スリット30(取出口OP)を介してシートロール20からシート22の一部をスムーズに引き出すことができる(図1~図11参照)。
また、第1実施形態では、上述のように粗面部材40が包装袋10の側面13の内側13aに構成されているため、包装袋10の内部でシートロール20が滑り過ぎないようにすることができる。これにより、シートロール20からシート22の一部を引き出す際に、余分なシート22が引き出されないように調節することができる(図1~図11参照)。
図12は、第1実施形態の第1変形例に係るシートロール包装体の包装袋を示す図である。図13は、図12に示す包装袋の内部を上方から見た(上面を省略した)図である。
第1実施形態の第1変形例に係るシートロール包装体100は、包装袋10の側面13の外側13bに、滑止部材50が形成されている。ここで、側面13の外側は、包装袋10に収容されたシートロール20の周方向(CD方向)の側面23と対面しない包装袋10の側面13の外面13bである(図12、図13参照)。
また、滑止部材50は、表面の滑りを抑制する(または摩擦抵抗が大きい)部材である。滑止部材50の態様は、任意であるが、例えば、摩擦係数が大きいシート(弾性シート)等を側面13の外側13bに貼り付けたもの(図12、図13参照)、ヒートエンボス等により側面13の外側13bを粗面加工したもの等が挙げられる。なお、滑止部材50は、包装袋10の側面13の外側13bのうち、スリット30に対して巻回方向(WD方向)と反対方向(OD方向)の側でスリット30の近傍に設けるのが好ましい(図12、図13参照)。
第1実施形態の第1変形例では、このような滑止部材50が包装袋10の側面13の外側13bに形成されているため、包装袋10の側面13を掴んだ(または握った)際に包装袋10が滑りにくい。これにより、シートロール20からシート22の一部を引き出す際に、包装袋10の側面13を安定して掴むことができるので、余分なシート22が引き出されないように調節することができる(図12、図13参照)。
図14は、本発明の第2実施形態に係るシートロール包装体を示す図である。図15は、第2実施形態に係るシートロール包装体の使用状態(開封後)を示す図である。なお、第2実施形態において、第1実施形態と共通する部分については、図1~図4で用いた符号を付して説明を省略する。
第2実施形態に係るシートロール包装体100は、スリット30が、V字状に構成されている。ここで、V字状とは、スリット30がシートロール20の幅方向(LD方向)に沿ってスリット30の一方の端部32から他方の端部33に末広がりに分岐する(または楔形である)ことを示す(図14参照)。
第2実施形態では、このようなV字状のスリット30がシートロール20の幅方向(LD方向)に沿って延びるため、取出口OPの開口幅をシートロール20の幅方向(LD方向)に沿ってV字状(または楔形)に広げることができる(図15参照)。これにより、シートロール20からシート22の一部を引き出す際にシート22が取出口OPに詰まりにくくなる。そのため、第2実施形態によれば、シートロール20からシート22の一部をよりスムーズに引き出すことができる。
図16は、本発明の第3実施形態に係るシートロール包装体を示す図である。図17は、第3実施形態に係るシートロール包装体の使用状態(開封後)を示す図である。図18は、第3実施形態に係るシートロール包装体の使用状態(取出口からシートが引き出されるときの状態)を示す図である。なお、第3実施形態において、第1実施形態と共通する部分については、図1~図4で用いた符号を付して説明を省略する。
第3実施形態に係るシートロール包装体100は、スリット30の長さL1が、シートロール20の幅方向(LD方向)の長さL2よりも長くなっている。ここで、スリット30の長さは、スリット30の一方の端部32から他方の端部33までの距離L1を示す(図2参照)。また、シートロール20の幅方向(LD方向)の長さは、シートロール20の幅方向(LD方向)における直線距離L2を示す(図4参照)。
第3実施形態に係るシートロール包装体100は、スリット30が、シートロール20の巻回方向(WD方向)に凸状に湾曲するように構成されている(図16参照)。ここで、巻回方向(WD方向)に凸状に湾曲するとは、スリット30の中央部(または基部)31がスリット30の両端部32、33に対して、シートロール20の巻回方向(WD方向)であるシート22の引出方向に突き出るように、スリット30が曲がっていることを示す。
第3実施形態では、スリット30の長さがシートロール20の幅方向(LD方向)の長さL2よりも長いことで、シートロール20から引き出されるシート22の幅方向の長さL2よりも長い取出口OPを包装袋10の側面13に形成することができる。このような観点からも、シートロール20からシート22の一部を引き出す際にシート22が取出口OPに詰まりにくくなる。そのため、第3実施形態では、スリット30(取出口OP)を介してシート22の一部をよりスムーズに引き出すことができる(図17参照)。
また、第3実施形態では、取出口OPを構成するスリット30がシートロール20の巻回方向(WD方向)に凸状に湾曲することで、湾曲するスリット30に沿って弓形状の取出口OPが開口し、包装袋10の側面13の一部が取出口OPに対応して弓形状のフラップFL(以下、フラップFLまたは取出口OPのフラップFLという)を構成する(図17参照)。このフラップFLは、取出口OPからシート22が引き出されるときの摩擦力(または抵抗力)や引出方向によってシートロール20の径方向(RD方向)に動かされる(図19参照)。
このような構成により、第3実施形態では、取出口OPからシート22の一部を引き出す際に、該フラップFLが包装袋10の側面13の外側13bに捲れ(または撓み)、取出口OPの開口がフラップFLの形状(弓形状)に広がり、取出口OPにシート22がさらに詰まりにくくなる(図18、図19参照)。そのため、第3実施形態によれば、シートロール20からシート22の一部をさらにスムーズに引き出すことができる。
また、第3実施形態では、取出口OPからシート22の一部を引き出す際に、取出口OPに構成されたフラップFLを押さえることで、シートロール20が保持されやすくなる。そのため、第3実施形態では、シートロール20からシート22の一部が切り取り易くなる(図18、図19参照)。
さらに、第3実施形態では、フラップFLの端縁FEがシートロール20の巻回方向(WD方向)に凸状に湾曲するため、取出口OPにおいてシートロール20の巻回方向(シート22の引出方向)(WD方向)が認識しやすくなる(図18、図19参照)。そのため、第3実施形態では、シートロール20からシート22の一部を容易に引き出すことができる。
図19は、本発明の第4実施形態に係るシートロール包装体を示す図である。図20は、第4実施形態に係るシートロール包装体の使用状態(開封後)を示す図である。なお、第4実施形態において、第1実施形態と共通する部分については、図1~図4で用いた符号を付して説明を省略する。
第4実施形態に係るシートロール包装体100は、スリット30の少なくとも一方の端部32(または端部33)がシートロール20の巻回方向(WD方向)と反対方向(OD方向)に凸状に湾曲する。本実施形態では、スリット30の両端部32、33が、シートロール20の巻回方向(WD方向)と反対方向(OD方向)に凸状に湾曲している(図19参照)。
第4実施形態では、このようにスリット30の端部32および/または端部33がシートロール20の巻回方向(WD方向)と反対方向(OD方向)に凸状に湾曲することで、シートロール20の巻回方向(WD方向)に湾曲するスリット30の中央部(または基部)31に対して、スリット30の端部32および/または端部33が延びる方向を屈曲させることができる(図20参照)。これにより、スリット30の長さをさらに長くすることができる。そのため、第4実施形態では、シート22が取出口OPに詰まりにくくなり、取出口OPからシート22の一部をさらにスムーズに引き出すことができる。
また、第4実施形態では、スリット30の端部32および/または端部33が凸状に湾曲する向きが、スリット30の中央部(または基部)31が凸状に湾曲する向きと反対になる。これにより、シート22が詰まりやすいスリット30(取出口OP)の端部32および/または端部33で、シート22が引き出されるときにかかる力を端部32および/または端部33で和らげる(または緩和する)ことができる(図20参照)。このような観点からも、第4実施形態では、シート22が取出口OPに詰まりにくくなり、取出口OPからシート22の一部をさらにスムーズに引き出すことができる。
図21は、本発明の第5実施形態に係るシートロール包装体を示す図である。図22は、第5実施形態に係るシートロール包装体の使用状態(開封後)を示す図である。図23は、第5実施形態に係るシートロール包装体の使用状態(取出口からシートの一部が引き出された状態)を示す図である。なお、第5実施形態において、第1実施形態と共通する部分については、図1~図4で用いた符号を付して説明を省略する。
第5実施形態に係るシートロール包装体100は、スリット30の一部34が、シートロール20の巻回方向(WD方向)と反対方向(OD方向)に凸状に湾曲し、スリット30の他の一部35が、巻回方向(WD方向)に凸状に湾曲する(図21参照)。
ここで、スリット30の一部が湾曲するとは、スリット30の中央部(または基部)31の一部が湾曲することを示す(図21参照)。巻回方向(WD方向)と反対方向(OD方向)に凸状に湾曲するとは、スリット30の中央部(または基部)31の一部がスリット30の両端部32、33に対して、シートロール20の巻回方向(WD方向)(シート22の引出方向)と反対の方向に突き出るように、スリット30が曲がっていることを示す(図21参照)。
第5実施形態では、スリット30の一部34をシートロール20の巻回方向(WD方向)と反対方向(OD方向)に凸状に湾曲させ、スリット30の他の一部35を、巻回方向(WD方向)に凸状に湾曲させることで、シートロール20の幅方向(LD方向)に沿って延びる略S字状のスリット30を構成することができる(図21参照)。
このような略S字状のスリット30は、湾曲するスリット30に沿って弓形状の取出口OPがシートロール20の幅方向(LD方向)に沿って並ぶように開口し、包装袋10の側面13の一部が、このような取出口OPに対応して弓形状の2つフラップFL1、FL2をシートロール20の幅方向(LD方向)に沿って並ぶように構成される(図22参照)。
このような構成により、第5実施形態では、取出口OPからシート22の一部を引き出す際に、該2つのフラップFL1、FL2がシートロール20の幅方向(LD方向)に沿って捲れ(または撓み)、取出口OPの開口がシートロール20の幅方向(LD方向)に沿ってバランスよく広がることができる。これにより、第5実施形態でも、取出口OPにシート22がさらに詰まりにくくなり、シートロール20からシート22の一部をさらにスムーズに引き出すことができる(図22、図23参照)。
また、第5実施形態では、スリット30の一部34で構成される一方のフラップFL1の端縁FE1がシートロール20の巻回方向(WD方向)と反対方向(OD方向)に凸状に湾曲し、スリット30の他の一部35で構成される他方のフラップFL2の端縁FE2がシートロール20の巻回方向(WD方向)に凸状に湾曲する。これにより、取出口OPにおいてシートロール20の巻回方向(WD方向)(シート22の引出方向)がシートロール20の周方向(CD方向)のいずれの方向(巻回方向WDまたは反対方向OD)になっても、シート22の引出方向にシート22の一部を引き出すことができる(図22、図23参照)。
図24は、本発明の第6実施形態(第1実施形態の第2変形例)に係るシートロール包装体を示す図である。図25は、第6実施形態に係るシートロール包装体においてスリットを覆うカバー部材を示す図である。図26は、第6実施形態に係るシートロール包装体の使用状態(取出口からシートの一部が引き出された状態)を示す図である。なお、第6実施形態(第1実施形態の第2変形例)において、第1実施形態と共通する部分については、図1~図4で用いた符号を付して説明を省略する。
第6実施形態(第1実施形態の第2変形例)に係るシートロール包装体100は、側面13の外側13bに、スリット30を覆うカバー部材60が形成されている(図25、図26参照)。カバー部材60は、シートロール20の一部が引き出し可能に包装袋10の側面13の外側13bからスリット30を覆う部材である。スリット30を覆うとは、シートロール20の径方向(RD方向)に包装袋10の側面13の外側13bからスリット30の少なくとも一部が覆われることを示す。
カバー部材60の態様は、任意であるが、例えば、包装袋10と同じまたは異なる樹脂フィルムを、スリット30に沿って包装袋10の側面13の外側13bに接合部61を介して接合することができる(図26参照)。また、カバー部材60を包装袋10に接合する態様は、任意であるが、例えば、接着剤による接着、ヒートシール等に融着により接合することができる。なお、カバー部材60は、スリット30の全部を覆うものであることが好ましい。
第6実施形態では、このようなカバー部材60によってスリット30が覆われることで、スリット30で構成される取出口OPをカバー部材60で覆うことができる(図26参照)。このような構成では、使用中に取出口OPから包装袋10の内部にゴミや埃が入りにくくなる。そのため、第6実施形態では、シートロール20をさらに衛生的に使用することができる。また、使用中のシートロール20をさらに衛生的に保管することができる。
なお、上述したシートロール包装体100は、複数収容されてなる集合包装体(図示せず)として流通させることができる。ここで、集合包装体とは、シートロール包装体100を個包装体として、複数の個包装体を包装袋または包装容器に収容した形態である。複数のシートロール包装体をこのような集合包装体の形態にすることで、シートロール包装体を多量に流通することができる。
ここで、集合包装体に収容されるシートロール包装体100の個数は任意であり、少なくとも2個以上であればよい。また、集合包装体において複数のシートロール包装体100を収容する態様は、特に限定されない。例えば、4個のシートロール20を四方に並べて集合包装体用の包装袋に収容することができる。また、12個のシートロール20を、1段に4つ並べたものを3段に積み上げた状態で集合包装体用の包装袋に収容してもよい。
以下、本発明について、さらに実施例を用いて具体的に説明する。実施例、比較例の評価は、以下の試験により行った。
[シートロール包装体(試験体)]
試験体として、シートロール20として1個のロール状のキッチンペーパー(大王製紙株式会社製の「エリエール キッチンタオル 50カット」)を収容したシートロール包装体100を用意した。このキッチンペーパーの寸法は、シートロール包装体100に収容された状態で上下方向の高さ(ロール幅)が約228mmであり、横方向(X方向)の幅(ロール径)が約110mmである。
[開封性]
シートロール包装体100を開封するときの開けやすさ(開封性)を評価した。開封性は、各実施例・比較例につき5人の試験者により試験を行った結果を点数化し、その平均値から以下の基準で評価した。
5点:開けやすい
4点:やや開けやすい
3点:どちらともいえない
2点:やや開けにくい
1点:開けにくい
さらに、得られた平均値を以下の基準で評価した。
◎ 4.1点以上
○ 3.6~4.0点
△ 3.1~3.5点
× 3.0点以下
[保管性]
シートロール包装体100を開封した後にシートロール包装体100の保管性を評価した。保管性は、開封後、ロールが包装袋から見えている割合(%)を以下の基準で評価した。
× 50%以上
△ 20%以上50%未満
○ 20%未満
◎ 何も見えない
[取り出し性]
シートロール包装体100を開封した後にシートロール包装体100内のシートロール20からシート22の一部を引き出したときのシートの取出しやすさ(取り出し性)を評価した。取り出し性は、引張試験機(IMADA社製、MX-500N)にプッシュプルゲージ(IMADA社製、DSP-20)を取り付け、プッシュプルゲージにクリップ(IMADA社製、フィルムチャック(FC21))を取り付け、シートを開封口から40mm出し、幅方向の中心部で端から15mmの位置にクリップを取り付けて、100mm/minの速度で開け口からシートが60mm出るまで引っ張り、そのときの引張強度(ピーク値)を求めた。3回測定した平均値を求め、以下の基準で取り出し性を評価した。
× 0.56kgf以上
△ 0.55~0.46kgf
○ 0.45~0.36kgf
◎ 0.35kgf以下
[実施例1]
図1~図4に示すシートロール包装体100(第1実施形態)を用意した。このシートロール包装体100では、包装袋10に1つのシートロール20を収容し、開封用のスリット30を、包装袋10からシートロール20の一部が引き出される取出口OPを構成するように、包装袋10の側面13に直線状に形成した。また、スリット30は、シートロール20の幅方向(LD方向)に沿って延びるように(シートロール20の巻回方向(WD方向)と略直交する方向に延びる取出口OPが包装袋10の側面13に形成されるように)形成した。このシートロール包装体100について、耐久性、開封性、取出し性、保管性を評価した。結果を表1に示す。
[実施例2]
図14に示すシートロール包装体100(第2実施形態)を用意した。このシートロール包装体100では、スリット30をシートロール20の幅方向(LD方向)に沿って一方の端部32から他方の端部33に末広がりに分岐させた(V字状または楔形にした)以外は、実施例1と同様に、シートロール包装体100を作製し、評価した。結果を表1に示す。
[実施例3]
図16に示すシートロール包装体100(第3実施形態)を用意した。このシートロール包装体100では、スリット30の長さが、シートロール20の幅方向(LD方向)の長さL1よりも長くした(スリット30をシートロール20の巻回方向(WD方向)に凸状に湾曲させた)以外は、実施例1と同様に、シートロール包装体100を作製し、評価した。結果を表1に示す。
[実施例4]
図19に示すシートロール包装体100(第4実施形態)を用意した。このシートロール包装体100では、スリット30の両端部32、33をシートロール20の巻回方向(WD方向)と反対方向(OD方向)に凸状に湾曲させた(シートロール20の巻回方向(WD方向)に湾曲するスリット30の中央部(または基部)31に対して、スリット30の両端部32、33が延びる方向を屈曲させた)以外は、実施例1と同様に評価した。結果を表1に示す。
[実施例5]
図21に示すシートロール包装体100(第5実施形態)を用意した。このシートロール包装体100では、スリット30の一部34をシートロール20の巻回方向(WD方向)と反対方向(OD方向)に凸状に湾曲させ、スリット30の他の一部35を、巻回方向(WD方向)に凸状に湾曲させた(シートロール20の幅方向(LD方向)に沿って延びる略S字状のスリット30を構成した)以外は、実施例2と同様に評価した。結果を表1に示す。
[実施例6]
図24に示すシートロール包装体100(第6実施形態)を用意した。このシートロール包装体100では、包装袋10の側面13の外側13bに、シートロール20の一部が引き出し可能にスリット30を覆うカバー部材60を形成した以外は、実施例1と同様に評価した。結果を表1に示す。
[比較例1]
図27に示すシートロール包装体100を用意した。このシートロール包装体100では、開封口が設けられていない包装袋10にシートロール20を収容した以外は、実施例1と同様に評価した。結果を表1に示す。
表1より、シート22が巻回された1つのシートロール20を収容する包装袋10の側面13に形成された開封用のスリット30が、包装袋10からシートロール20の一部が引き出される取出口OPを構成するシートロール包装体100は、開封性、取り出し性、保管性はいずれも◎または○であった(実施例1~6)。
これに対して、開封口が設けられていない包装袋にシートロールが収容されたシートロール包装体は、開封性が×であり、取り出し性は測定不能であり、保管性は×であった(比較例1)。
これらの結果から、シートが巻回された1つのシートロールを収容する包装袋の側面に形成された開封用のスリットが、包装袋からシートロールの一部が引き出される取出口を構成することにより、開封性、取出し性、保管性に優れる包装袋が得られることが判った。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内において、種々の変形、変更が可能である。