JP7237635B2 - 保持装置および保持方法 - Google Patents

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本発明は、保持装置および保持方法に関する。
従来、保持対象物を保持する保持面の傾きを変更する傾き変更手段を備えた保持装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2003-158167号公報
しかしながら、特許文献1に記載された板状物搬送装置10(保持装置)では、第一のボルト支持部27の上面と、第二のボルト支持部32の下面との接触によって吸着面24(保持面)の第一平面(第1の傾き)を形成し、第二のボルト支持部32の上面と、規制ナット33aの下面との接触によって保持面の第二平面(第2の傾き)を形成する構成が採用されている。このような構成では、第一の調整ボルト25(傾き変更手段)で第1の傾きを変更すると、第2の傾きに影響して当該第2の傾きが狂ってしまうため、規制ナット33a(傾き変更手段)で第2の傾きを再変更しなければなないという不都合がある。
本発明の目的は、保持面の第1の傾きと第2の傾きとのいずれか一方を変更しても、他方の傾きの再変更を必要としない保持装置および保持方法を提供することにある。
本発明は、請求項に記載した構成を採用した。
本発明によれば、駆動機器で回転体を回転させ、その回転位置に応じて保持面の傾きを変更するため、保持面の第1の傾きと第2の傾きとを相互に影響せず独立して変更することができ、保持面の第1の傾きと第2の傾きとのいずれか一方を変更しても、他方の傾きの再変更を必要としない。
また、保持手段の収容部内で回転体を回転させて保持面の傾きを変更するようにすれば、回転体の外形を小さくすることができるので、駆動機器のエネルギー消費を抑制することができる。
(A)は、本発明の一実施形態に係る搬送装置の説明図。(B)は、本発明の変形例に係る搬送装置の説明図。
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
なお、本実施形態におけるX軸、Y軸、Z軸は、それぞれが直交する関係にあり、X軸およびY軸は、所定平面内の軸とし、Z軸は、前記所定平面に直交する軸とする。さらに、本実施形態では、Y軸と平行な図1の手前方向から観た場合を基準とし、方向を示した場合、「上」がZ軸の矢印方向で「下」がその逆方向、「左」がX軸の矢印方向で「右」がその逆方向、「前」がY軸と平行な図1中手前方向で「後」がその逆方向とする。
図1において、保持装置EAは、保持対象物WKを保持面12Aで保持する保持手段10と、保持面12Aの傾きを変更する傾き変更手段20とを備え、保持対象物WKを支持する第1支持手段30と、保持対象物WKを支持する第2支持手段40と、保持装置EAを移送する移送手段50とで搬送装置EA1が構成されている。
保持手段10は、対向配置された一対のブラケット11と、ブラケット11に支持され、減圧ポンプや真空エジェクタ等の図示しない減圧手段によって吸着保持が可能な保持面12Aを有する保持部材としての吸着パッド12と、ブラケット11の内側面11Aおよび吸着パッド12の上面12Bで形成され、回転体23を収容する収容部SPとを備えている。
傾き変更手段20は、ベース部材21に支持され、保持面12Aと交差する方向に延びる回転軸としての出力軸22Aを有する駆動機器としての回動モータ22と、回動モータ22の出力軸22Aに支持された円柱状の部材で構成され、回動モータ22の駆動によって回転し、その回転位置に応じて保持面12Aの傾きを変更する回転体23と、回転体23に設けられ、その回転中心に対して傾斜して回転体23を1周する環状に形成された案内手段としての溝23Aと、ブラケット11に設けられ、溝23Aによって案内される被案内手段としての凸部24と、ベース部材21とブラケット11とにボールジョイントやリンク機構等の接続手段を介して接続されたダンパ25とを備え、保持手段10の収容部SP内で回転体23を回転させて保持面12Aの傾きを変更する。
第1支持手段30は、減圧ポンプや真空エジェクタ等の図示しない減圧手段(保持手段)によって吸着保持が可能な支持面31Aを有するテーブル31を備えている。
第2支持手段40は、減圧ポンプや真空エジェクタ等の図示しない減圧手段(保持手段)によって吸着保持が可能な支持面41Aを有するテーブル41を備えている。
移送手段50は、駆動機器としてのリニアモータ51と、リニアモータ51のスライダ51Aに支持され、その出力軸52Aでベース部材21を支持する駆動機器としての直動モータ52とを備えている。
以上の保持装置EAを備えた搬送装置EA1の動作を説明する。
先ず、搬送装置EA1において、当該搬送装置EA1の使用者(以下、単に「使用者」という)が、操作パネルやパーソナルコンピュータ等の図示しない操作手段を介して自動運転開始の信号を入力する。すると、傾き変更手段20が回動モータ22を駆動し、回転体23を回転させて保持面12Aの傾きを支持面31Aの傾きに合うように第1の傾きに変更した後、回動モータ22の駆動を停止し、スタンバイ状態となる。
次いで、使用者または多関節ロボットやベルトコンベア等の図示しない輸送手段が、図1(A)中実線で示すように、保持対象物WKを支持面31A上の所定の位置に載置すると、第1支持手段30が図示しない減圧手段を駆動し、支持面31Aでの保持対象物WKの吸着保持を開始する。その後、移送手段50が直動モータ52を駆動し、保持装置EAを下降させて保持面12Aを保持対象物WKに当接させた後、保持手段10が図示しない減圧手段を駆動し、保持面12Aでの保持対象物WKの吸着保持を開始する。次に、第1支持手段30が図示しない減圧手段の駆動を停止し、支持面31Aでの保持対象物WKの吸着保持を解除する。そして、移送手段50がリニアモータ51および直動モータ52を駆動し、保持装置EAを上昇させた後、右方に移動させてテーブル41の上方に配置すると、傾き変更手段20が回動モータ22を駆動し、回転体23を回転させる。この際、ブラケット11の凸部24が回転体23の溝23Aによって案内され、図1(A)中二点鎖線で示すように、吸着パッド12が右上がりに傾いて、保持面12Aの傾きが支持面41Aの傾きに合うように第2の傾きに変更される。
次いで、移送手段50が直動モータ52を駆動し、保持装置EAを下降させて保持対象物WKを支持面41A上の所定の位置に載置する。その後、第2支持手段40が図示しない減圧手段を駆動し、支持面41Aでの保持対象物WKの吸着保持を開始した後、保持手段10が図示しない減圧手段の駆動を停止し、保持面12Aでの保持対象物WKの吸着保持を解除する。次に、移送手段50がリニアモータ51および直動モータ52を駆動するとともに、傾き変更手段20が回動モータ22を駆動し、保持装置EAを図1(A)中実線で示す初期位置に復帰させる。そして、第2支持手段40が図示しない減圧手段の駆動を停止し、支持面41Aでの保持対象物WKの吸着保持を解除した後、使用者または図示しない輸送手段が保持対象物WKを次工程に搬送し、以降上記同様の動作が繰り返される。
以上のような実施形態によれば、回動モータ22で回転体23を回転させ、その回転位置に応じて保持面12Aの傾きを変更するため、保持面12Aの第1の傾きと第2の傾きとを相互に影響せず独立して変更することができ、保持面12Aの第1の傾きと第2の傾きとのいずれか一方を変更しても、他方の傾きの再変更を必要としない。
以上のように、本発明を実施するための最良の構成、方法等は、前記記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。すなわち、本発明は、主に特定の実施形態に関して特に図示され、かつ説明されているが、本発明の技術的思想および目的の範囲から逸脱することなく、以上述べた実施形態に対し、形状、材質、数量、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることができるものである。また、上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質などの限定の一部もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれる。
例えば、保持手段10は、回転体に収容される構成を採用してもよく、この場合、図1(B)に示すように、吸着パッド12を支持する円柱状のブラケット13を採用し、傾き変更手段20は、ベース部材21に支持された回動モータ22と、対向する一対の柱部の一方が他方よりも長い門形状に形成されるとともに、回動モータ22の出力軸22Aに支持され、ブラケット13を収容する収容部SP2を有する回転体26と、回転体26に設けられた被案内手段としての凸部26Aと、ブラケット13に設けられた案内手段としての溝27と、ベース部材21と吸着パッド12とに接続手段を介して接続されたダンパ28とを備え、ブラケット13を収容した回転体26を回転させて保持面12Aの傾きを変更する構成を採用してもよい。
保持手段10は、吸着パッド12を支持するブラケットが1つであってもよいし、ブラケットを3つ以上備えた構成であってもよく、ブラケットが1つの場合としては、吸着パッド12の外周部に沿って当該外周部を支持する円筒状のブラケットが例示できる。
傾き変更手段20は、案内手段や被案内手段としてレールやスライダを採用してもよいし、保持手段10に案内手段が設けられ、回転体23に被案内手段が設けられた構成を採用してもよく、例えば、吸着パッド12の外周部を支持する円筒状のブラケットに案内手段としての溝が設けられ、当該溝によって案内される被案内手段としての凸部が回転体23に設けられた構成を採用してもよい。
傾き変更手段20は、回動モータ22の出力軸22Aに一端が支持された回転アームと、当該回動アームの他端に支持され、吸着パッド12の上面12Bを押えて吸着パッド12を傾ける駆動機器とで構成された回転体を採用してもよく、この場合、案内手段や被案内手段はなくてもよい。
傾き変更手段20は、支持面31A、41Aの傾きを検知する検知手段を備えていてもよく、検知手段の検知結果に基づいて駆動機器を駆動し、回転体を所望角度回転させて、保持面12Aの傾きを変更してもよい。
第1、第2支持手段30、40は、他の装置が保持対象物WKを支持する場合、なくてもよい。
移送手段50は、リニアモータ51および直動モータ52に代えてまたは併用して、多関節ロボット等の他の駆動機器で保持装置EAを移送してもよい。
本発明における保持対象物WKの材質、種別、形状等は、特に限定されることはない。例えば、保持対象物WKとしては、食品、樹脂容器、シリコン半導体ウエハや化合物半導体ウエハ等の半導体ウエハ、回路基板、光ディスク等の情報記録基板、ガラス板、鋼板、陶器、木板または樹脂板等、任意の形態の部材や物品なども対象とすることができる。また、前述のような任意の保持対象物WKに対し、情報記載用ラベル、装飾用ラベル、保護シート、ダイシングテープ、ダイアタッチフィルム、ダイボンディングテープ、記録層形成樹脂シート等の任意の形状の任意のシート、フィルム、テープ等を貼付することができる。
本発明における手段および工程は、それら手段および工程について説明した動作、機能または工程を果たすことができる限りなんら限定されることはなく、まして、前記実施形態で示した単なる一実施形態の構成物や工程に全く限定されることはない。例えば、保持手段は、保持対象物を保持面で保持するものであれば、出願当初の技術常識に照らし合わせ、その技術範囲内のものであればなんら限定されることはない(他の手段および工程についての説明は省略する)。
また、前記実施形態における駆動機器は、回動モータ、直動モータ、リニアモータ、単軸ロボット、多関節ロボット等の電動機器、エアシリンダ、油圧シリンダ、ロッドレスシリンダおよびロータリシリンダ等のアクチュエータ等を採用することができる上、それらを直接的又は間接的に組み合せたものを採用することもできる(実施形態で例示したものと重複するものもある)。
前記実施形態において、支持(保持)手段や支持(保持)部材等の被支持部材(被保持部材)を支持(保持)するものが採用されている場合、メカチャックやチャックシリンダ等の把持手段、クーロン力、接着剤(接着シート、接着テープ)、粘着剤(粘着シート、粘着テープ)、磁力、ベルヌーイ吸着、吸引吸着、駆動機器等で被支持部材を支持(保持)する構成を採用してもよい。
EA…保持装置
10…保持手段
12A…保持面
20…傾き変更手段
22…回動モータ(駆動機器)
22A…出力軸(回転軸)
23…回転体
SP…収容部
WK…保持対象物

Claims (3)

  1. 保持対象物を保持面で保持する保持手段と、
    前記保持面の傾きを変更する傾き変更手段とを備え、
    前記傾き変更手段は、前記保持面と交差する方向に延びる回転軸を有する駆動機器と、前記駆動機器の駆動によって回転し、その回転位置に応じて前記保持面の傾きを変更する回転体とを備えていることを特徴とする保持装置。
  2. 前記保持手段は、前記回転体を収容する収容部を備え、
    前記傾き変更手段は、前記保持手段の収容部内で前記回転体を回転させて前記保持面の傾きを変更することを特徴とする請求項1に記載の保持装置。
  3. 保持対象物を保持手段の保持面で保持する保持工程と、
    前記保持面の傾きを変更する傾き変更工程とを実施し、
    前記傾き変更工程では、前記保持面と交差する方向に延びる回転軸を有する駆動機器の駆動によって回転体を回転させ、その回転位置に応じて前記保持面の傾きを変更することを特徴とする保持方法。
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