特許法第30条第2項適用 (1)2018年8月に「KIRII Aseismic Ceiling 耐震天井」と題するカタログを発行(2019年1月に改定版を発行) (2)2018年9月に「KIRII Construction Materials Co.,Ltd. 総合カタログ」と題するカタログを発行 (3)2018年10月に「KIRII eCEILING システム天井」と題するカタログを発行 (4)2018年8月に「KIRII Aseismic Ceiling 耐震天井」と題するカタログを下記アドレスのウェブサイトで公開(2019年1月に改定版を公開)「https://www.kirii.co.jp/download/dw/catalog/aseismic01.pdf」 (5)2018年9月に「KIRII Construction Materials Co.,Ltd. 総合カタログ」と題するカタログを下記アドレスのウェブサイトで公開「https://www.kirii.co.jp/download/dw/catalog/sogo.pdf」 (6)2018年10月に「KIRII eCEILING システム天井」と題するカタログを下記アドレスのウェブサイトで公開「https://www.kirii.co.jp/download/dw/catalog/eceiling_new.pdf」 (7)2018年6月20日及び2019年1月31日に「ブレース取付金具」について下記アドレスのウェブサイト(施工要領書データダウンロード)で公開「https://www.kirii.co.jp/download/dw/download_sekou.html」 (8)2018年6月20日及び2019年1月31日に「ブレース取付金具」について下記アドレスのウェブサイト(CADデータ一覧)で公開「https://www.kirii.co.jp/download/dw/download_eqp.html」
(第一実施形態)
本発明の第一実施形態に係るブレース取付金具について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、説明において同一要素には同一の符号を用い、重複する説明は省略する。
図2に示すように、本実施形態に係るブレース取付金具1は、天井下地材2を吊り下げる吊ボルト3の上端部に天井ブレース5を取り付けるためのものである。天井下地材2は、天井裏で例えば格子状に組み付けられており、天井躯体4から垂下された吊ボルト3によって支持されている。なお、天井ブレース5の下端部は、天井下地材2に直接ビス止めされているが、取付構造はこれに限定されるものではない。
天井ブレース5は、例えばC型チャンネルにて構成されており、その上端に羽子板ボルト6(天井ブレースの先端のボルト部材)が設けられている。羽子板ボルト6は、天井ブレース5の上端にビス固定されている。なお、天井ブレース5は、前記構成に限定する趣旨ではなく、例えば角パイプなどの他の鋼材で構成されてもよいし、鋼材以外の材料で構成してもよい。また、羽子板ボルト6の天井ブレース5への固定方法も、前記構成に限定する趣旨ではなく、例えば溶接などの他の方法で固定してもよい。
ブレース取付金具1は、天井ブレース5の上端部に設けられている。ブレース取付金具1は、図1に示すように、第一部材11と第二部材12とを備えている。
第一部材11は、吊ボルト3に係止される部材である。第一部材11は、図3にも示すように、吊ボルト3のネジ溝に噛合する爪部13を備えた係合部14と、互いに対向する一対の第二部材支持板部15,15を備えた支持部16とを有して構成されている。第一部材11は、一枚の金属製板材を適宜加工して構成されている。
係合部14は、吊ボルト3に係合される部分である。係合部14は、断面コ字状に形成されており、上板部17aと下板部17bと側板部17cとを備えている(図3の(c)および図6参照)。上板部17aと下板部17bとは互いに平行に配置されている。側板部17cは、上板部17aと下板部17bの両方と直交している。
図1および図3の(a)に示すように、上板部17aには、平面視L型の切欠き部18aが形成されている。切欠き部18aを除いた上板部17aの残部にて、吊ボルト係合部19aが形成されている。吊ボルト係合部19aは、吊ボルト3に側方から掛け止められる鉤型形状(平面視J形形状)を呈している。吊ボルト係合部19aは、吊ボルト3を切欠き部18aの奥側端部(鉤型の折返し部)に位置させて、係合するようになっている。切欠き部18aの奥側端部は、吊ボルト3の外周形状に沿った半円形状を呈している。切欠き部18aの奥側端部には、半円形状に沿って爪部13が形成されている。爪部13は、断面三角形状を呈しており、吊ボルト3のネジ溝の溝部分に入り込む。爪部13の先端部(三角形の先端頂部)は、側面視で上板部17aの表面と平行である。つまり、爪部13を含む仮想平面は、上板部17aに形成された吊ボルト係合部19aと平行になっている。ここで、吊ボルト3のネジ溝は螺旋状に形成されているので、爪部13は、吊ボルト3が直交する平面に対して傾斜して係合されることになる。爪部13は、切欠き部18aの奥側端部の半円形状に沿っているため、吊ボルト係合部19aと平行に形成されている。爪部13は、湾曲しているため、側面視で傾斜させるのが困難であるからである。言い換えれば、爪部13を吊ボルト係合部19aと平行に形成しているため、爪部13の形成が容易になる。
図5および図6に示すように、下板部17bには、平面視L型の切欠き部18bが形成されている。切欠き部18bは、上板部17aの切欠き部18aの形状のうち、爪部13を含む側半分の形態と同等である。切欠き部18bを除いた下板部17bの残部にて、鉤型形状(平面視J形形状)の吊ボルト係合部19bが形成されている。吊ボルト係合部19bは、吊ボルト3に側方から掛け止められる鉤型形状(平面視J形形状)を呈している。つまり、第一部材11は、上下一対の吊ボルト係合部19a,19bを備えている。吊ボルト係合部19bの爪部13の先端部(三角形の先端頂部)は、側面視で下板部17bの表面と平行である。
図3の(c)に示すように、下板部17bの切欠き部18bは、上板部17aの切欠き部18aに対して偏心した位置に形成されている。具体的には、切欠き部18aの爪部13の中心部と、切欠き部18bの爪部13の中心部とを結んだ直線L1(参照)は、側板部17cに対して傾斜している。直線L1は、係合される吊ボルト3の軸芯に沿っている。つまり、上下の切欠き部18a,18bは、吊ボルト3のネジ溝の傾斜角度に応じて、偏心して配置されている。
図1および図3の(c)に示すように、側板部17cは、上板部17aと下板部17bとを連結する部位である。側板部17cの上端部は、上板部17aと連続し、側板部17cの下端部は、下板部17bと連続している。側板部17cには、仮止め用突起部20が形成されている。仮止め用突起部20は、第一部材の側面部(側板部17c)から、上板部17aおよび下板部17bが突出する側に向かって突出している。仮止め用突起部20は、第二部材12に螺合された羽子板ボルト6が通過する位置に形成されている。仮止め用突起部20は、側板部17cの一部を切り起こして形成されている。切り起こしによって形成された側板部17cの開口部21は、吊ボルト3と羽子板ボルト6の先端部の当接位置に対向している。要するに、開口部21は、吊ボルト3と羽子板ボルト6との当接状態の確認窓としての役目を果たす。側板部17cには、補強リブ22が形成されている。補強リブ22は、水平方向に延在する第一リブ22aと、上下方向に延在する第二リブ22bとを備えている。第一リブ22aの端部が第二リブ22bの側面に当接しており、補強リブ22は、側面視で横向きのT字形状を呈している。第二リブ22bの上端部は、上板部17aまで延在して形成されている。
支持部16は、第二部材12を支持する部分である。支持部16は、門型形状を呈しており、一対の第二部材支持板部15,15と天板部25とを備えている。一対の第二部材支持板部15,15は互いに平行に配置されている。天板部25は、一対の第二部材支持板部15,15の両方と直交している。
天板部25は、一対の第二部材支持板部15,15を連結する部材である。天板部25は、上板部17aと連続して面一で形成されている。天板部25の両端部から、各第二部材支持板部15がそれぞれ直角に屈曲して連続している。つまり、一対の第二部材支持板部15,15は、互いに平行で且つ爪部13の延在方向を含む仮想平面と直交するように配置されている。
第二部材支持板部15は、第二部材12を支持する部位である。一対の第二部材支持板部15は、互いに対向している。一方の第二部材支持板部15(以下、他方の第二部材支持板部15(15b)と区別するために符号を「15a」とする場合がある)は、側板部17cと連続して面一で形成されている。他方の第二部材支持板部15bは、一方の第二部材支持板部15aと対向して配置されている。第二部材支持板部15の下端部には、第二部材12が挿通する挿通部26が形成されている。挿通部26は、第二部材支持板部15を貫通する貫通孔にて構成されている。一方の第二部材支持板部15aの挿通部26と、他方の第二部材支持板部15bの挿通部26との間に、第二部材12が架け渡されて、第二部材12が支持される。
挿通部26の構成を説明するために、先に第二部材12の形状を説明する。図1および図4に示すように、第二部材12は、天井ブレース5の先端の羽子板ボルト6を固定する部材であって、羽子板ボルト6が螺合するネジ孔35を備えている。第二部材12は、金属製の板材からなり、長方形の板状部分に後記する係止部36が付け加えられた形状を呈している。第二部材12の係止部36を除いた長方形部分の重心位置に、ネジ孔35が形成されている。ネジ孔35の中心が前記長方形部分の対角線の交点に位置している。なお、ネジ孔35の位置は多少ずれていてもよい。第二部材12は、挿通部26,26に架け渡されて挿通されており、長手方向に沿って移動可能である。第二部材12は、仮止め用突起部20が形成された側(一方の第二部材支持板部15a側)の挿通部26から挿通される。第二部材12は、羽子板ボルト6の先端が吊ボルト3に当接する固定位置と、羽子板ボルト6の先端が仮止め用突起部20に当接する仮止め位置との間で移動可能となっている。
第二部材12の長手方向の一端部には、短手方向外側に突出する係止部36が形成されている。第二部材12は、挿通部26の一方向から挿通されるものであって、係止部36が、一方の第二部材支持板部15aの側面に当接することで、第二部材支持板部15に対する第二部材12の位置決めが為される。係止部36が第二部材支持板部15aに当接した状態で、第二部材12に螺合された羽子板ボルト6の先端部を前方に突出させると、吊ボルト3の側面に当接するようになっている。つまり、係止部36が第二部材支持板部15aに当接したときの第二部材12の位置が、前記固定位置となる。一方、仮止め位置は、第二部材12に固定された羽子板ボルト6の先端部が、仮止め用突起部20側に寄った位置であるので、係止部36は第二部材支持板部15aに係止しない。
一対の挿通部26,26は、図5に示すように、当該挿通部26,26に挿通された第二部材12のネジ孔35の軸芯(羽子板ボルト6の軸芯)L2と、吊ボルト3の軸芯L3とが交差するように設けられている。具体的には、図3の(c)に示すように、一対の挿通部26,26の中心部P1,P2を結ぶ直線L4が第二部材支持板部15の法線L5に対して傾斜するように、挿通部26,26は配置されている。さらに具体的には、一方の第二部材支持板部15aの下端から挿通部26の中心部P1までの離間寸法H1は、他方の第二部材支持板部15bの下端から挿通部26の中心部P2までの離間寸法H2よりも大きくなっている。そして、挿通部26,26の中心部P1,P2を結ぶ直線L4は、切欠き部18aの爪部13の中心部と、切欠き部18bの爪部13の中心部とを結んだ直線L1に対して側面視で直交している。これによって、図5に示すように、第二部材12の挿通位置を固定位置にすると、天井ブレース5の傾斜角度に関わらず、第二部材12のネジ孔35の軸芯L2が、吊ボルト3の軸芯L3に交差する。また、このとき、ネジ孔35の軸芯L2は、吊ボルト3の軸芯L3と天井ブレース5の軸芯とを含む仮想平面に含まれている。
本発明では、挿通部26を以下に説明する形状としたことを特徴とする。図3の(b)および(d)に示すように、挿通部26は、羽子板ボルト6(天井ブレース5の先端のボルト部材)の軸方向に沿った軸方向長さと、羽子板ボルト6の軸方向と交差する交差方向に沿った交差方向長さとを有している。本実施形態では、挿通部26は、羽子板ボルト6の軸芯L2(図5参照)を法線とする(交差方向に広がる)平面に沿って長い長孔形状を呈している。挿通部26は、第二部材12の幅寸法(長方形の短手方向寸法)より僅かに大きい交差方向長さW1を備えている。挿通部26の交差方向両端部の軸方向長さT1は、挿通部26の交差方向中間部の軸方向長さT2より大きい。挿通部26は、側面視で略鼓形状を呈している。具体的には、挿通部26は、交差方向の両端部(第二部材12の幅方向両端部側)に位置する一対の短辺部27,27と、軸方向の両端部(第二部材12の厚さ方向両端部側)に位置する一対の長辺部28,28とで区画されて、長孔形状となっている。長辺部28のうち、少なくとも吊ボルト3から遠い方に位置する長辺部28の交差方向中間部は、対向する他方の長辺部28に向かって突出している。本実施形態では、吊ボルト3に近い方に位置する長辺部28の交差方向中間部も、対向する他方の長辺部28に向かって突出している。長辺部28は、三つの直線部からなり、突出した中央の頂辺は羽子板ボルト6の軸芯L2(図5参照)を法線とする平面に沿っている。頂辺の両側には、直線状の斜辺がそれぞれ形成されている。長辺部28,28は互いに対称形状となっている。短辺部27は、第二部材12の対角線の長さより僅かに長い直径の円弧形状を呈している。これによって、挿通部26内を、第二部材12が重心部を中心として回動可能となっている。
次に、前記構成のブレース取付金具1を用いて天井ブレース5を吊ボルト3に固定する手順および固定した状態を説明しつつ、作用効果を説明する。
天井ブレース5を吊ボルト3に固定する作業を行うに際しては、まず、図6に示すように、第二部材12を、挿通部26,26に挿通させて、天井ブレース5の先端の羽子板ボルト6を第二部材12のネジ孔35に螺合させる。そして、第二部材12を仮止め位置に移動させ、羽子板ボルト6を仮止め用突起部20に向けて突出するように回転させる。羽子板ボルト6の先端が仮止め用突起部20に当接することで、第二部材12が挿通部26,26に押し付けられて、ブレース取付金具1が天井ブレース5の先端部に仮止めされる。
次に、作業員は天井ブレース5の下側部分を持って、ブレース取付金具1を吊ボルト3の上端部の所定の位置まで持ち上げる。このとき、第二部材12は第一部材11と一体になっているので、ブレース取付金具1は安定した状態を保持できる。よって、ブレース取付金具1の持ち上げ作業を行い易い。また、本実施形態では、ブレース取付金具1を吊ボルト3から離した状態で上方に持ち上げることができるので、吊ボルト3の途中に足場用金具や補強金具などが設置されていても、ブレース取付金具1が干渉することはなく、ブレース取付金具1の持ち上げを円滑に行うことができる。
ブレース取付金具1を所定の高さまで持ち上げたなら、作業員は、吊ボルト3が上下一対の切欠き部18a,18bに入り込むように、ブレース取付金具1を移動させる。そして、作業員は、ブレース取付金具1を手前に引き、上下の吊ボルト係合部19a,19bの爪部13,13を、吊ボルト3のネジ溝にそれぞれ係止させる。このように、天井ブレース5の上端部にブレース取付金具1を取り付けた状態で、吊ボルト3の上端部に持ち上げた後に、第一部材11を吊ボルト3に係止することができる。したがって、作業員は、吊ボルト3の上端部まで近づく必要はなく、下方から係止作業を行うことができるので、作業が容易になる。このとき、ネジ溝は螺旋状に形成されて傾斜しているので、第一部材11は、図7に示すように、垂直な吊ボルト3に対して傾斜した状態で係止されている。
次に、羽子板ボルト6を回転させて、仮止め用突起部20への当接を解除するとともに、第二部材12を固定位置に移動させる。このとき、第二部材12の係止部36が一方の第二部材支持板部15aの側面に当接することで、第二部材12が固定位置で位置決めされる。そして、羽子板ボルト6を吊ボルト3に向けて突出するように回転させる。羽子板ボルト6の先端が吊ボルト3の側面に当接することで、吊ボルト3が、爪部13と羽子板ボルト6の先端で挟持されるので、ブレース取付金具1が吊ボルト3に固定される。また、羽子板ボルト6は第二部材12に螺合されているので、ブレース取付金具1を介して、天井ブレース5が吊ボルト3に固定される。
このとき、第一部材11が吊ボルト3に対して傾斜しているが、一対の挿通部26,26の中心部P1,P2を結ぶ直線L4が第二部材支持板部15の法線L5(図3の(c)参照)に対して傾斜するように、挿通部26,26を偏心させて形成しているので、天井ブレース5の傾斜角度に関わらず、第二部材12のネジ孔35の軸芯L2が、吊ボルト3の軸芯L3に交差する。したがって、天井ブレース5の先端の羽子板ボルト6の中心部を、吊ボルト3の軸芯部に向けて当接させることができる。これによって、天井ブレース5と吊ボルト3とが同一の平面状に配置されることになるので、天井ブレース5と吊ボルト3との間で確実に応力を伝達することができる。
また、本実施形態のブレース取付金具1においては、ネジ孔35の軸芯L2が、吊ボルト3の軸芯L3と天井ブレース5の軸芯とを含む仮想平面に含まれているので、羽子板ボルト6と天井ブレース5が直線状に配置されるので、歪むことがない。
さらに、本実施形態のブレース取付金具1では、第一部材11に爪部13を直接形成しているので、特許文献1の取付金具のように噛合用のボルト部材を必要としない。したがって、金具の小型化と軽量化を達成している。なお、本実施形態では、爪部13を設けたことで、ブレース取付金具1が傾くが、挿通部26,26を偏心させたことで、天井ブレース5の先端の羽子板ボルト6の中心部を吊ボルト3の軸芯部に向けて当接させることができている。
また、本実施形態のブレース取付金具1においては、第二部材12は、固定位置と仮止め位置との間で移動可能となっているので、吊ボルト3の上端部の所定位置で仮止めを解除して、第二部材12を固定位置に移動させた後に羽子板ボルト6を吊ボルト3に突き合わせることができる。この作業は、作業員が吊ボルト3の上端部まで近づく必要はなく、下方から行うことができるので、ブレース取付金具1の取付作業が容易になる。
さらに、本実施形態のブレース取付金具1においては、仮止め用突起部20は、側板部17cの一部を切り起こして形成されているので、仮止め用突起部20を形成すると同時に開口部21を形成することができる。また、開口部21は、吊ボルト3と羽子板ボルト6の先端部の当接位置に対向しているので、開口部21から吊ボルト3と羽子板ボルト6の当接を視認することができる。
また、本実施形態では、挿通部26の形状を前記構成としたことで、第二部材12は挿通部26内で回動することで傾斜できる。以下に図8を参照しながら、第二部材12の傾斜状態を説明する。
第二部材12の軸芯と、挿通部26の交差方向が沿っている場合(天井ブレース5が基準角度(水平に対して45°)になっている場合)は、図8の(a)に示すように、第二部材12の幅方向両端部が、挿通部26の短辺部27にそれぞれ当接している。このように第二部材12は、二点で挿通部26に当接するとともに、天井ブレース5側へ押圧されるので、第二部材12から第一部材11に応力を確実に伝達できる。したがって、安定した状態で、羽子板ボルト6を支持することができる。
なお、第二部材12の幅寸法が、挿通部26の交差方向長さW1よりも短い場合は、羽子板ボルト6を吊ボルト3に当接させた際に、第二部材12の幅方向中央の平面部が吊ボルト3から遠い方に位置する長辺部28の中央突出部に面接触する。したがって、第二部材12から第一部材11に応力を確実に伝達でき、ひいては、安定した状態で、羽子板ボルト6を支持することができる。
天井ブレースが基準角度より急な傾斜(水平に対して60°)になっている場合は、図8の(b)に示すように、第二部材12が、図8中、右回転して、第二部材12の一辺の上部が、吊ボルト3から遠い方に位置する長辺部28の上側端部に面接触する。このとき、短辺部27が円弧形状を呈しているので、第二部材12が回転しやすい。また、第二部材12の一辺の一部が長辺部28の端部に面接触するとともに、天井ブレース5側へ押圧されるので、第二部材12から第一部材11に応力を確実に伝達できる。したがって、安定した状態で、羽子板ボルト6を支持することができる。
天井ブレースが基準角度より緩い傾斜(水平に対して30°)になっている場合は、図8の(c)に示すように、第二部材12が、図8中、左回転して、第二部材12の一辺の下部が、吊ボルト3から遠い方に位置する長辺部28の下側端部に面接触する。このとき、短辺部27が円弧形状を呈しているので、第二部材12が回転しやすい。また、第二部材12の一辺の一部が長辺部28の端部に面接触するとともに、天井ブレース5側へ押圧されるので、第二部材12から第一部材11に応力を確実に伝達できる。したがって、安定した状態で、羽子板ボルト6を支持することができる。
このように第二部材12は、挿通部26内で回転することで、天井ブレース5の傾斜角度を変更できる。さらに、第二部材12は、従来のように円弧形状に形成する必要がなく平面形状に形成できる。したがって、第二部材12の製造が容易になる。一方、挿通部26においては、従来のように第二部材12の幅方向に移動代を確保する必要がないので、挿通部26の交差方向長さは大きくならない。よって、第一部材11の大型化を防止できる。
(第二実施形態)
本発明の第二実施形態に係るブレース取付金具について図面を参照しつつ詳細に説明する。本実施形態に係るブレース取付金具101は、前記ブレース取付金具1と同様に、天井ブレースの先端の羽子板ボルト6に取り付けられ、吊ボルト3の上端部に係止される。ブレース取付金具101は、図9に示すように、第一部材111と第二部材112とを備えている。
第一部材111は、吊ボルト3に係止される部材である。第二部材112は、羽子板ボルト6を固定する部材である。図12に示すように、第二部材112は、羽子板ボルト6が螺合するネジ孔113を備えている。第二部材112は、金属製の板材からなり、長方形部114と、長方形部114の長手方向の一端部から外側に延出する棒状部115とを備えている。ネジ孔113は、長方形部114の短手方向(幅方向)の中間部で且つ、長手方向の棒状部115とは逆側の一端部寄りに形成されている。棒状部115は、断面正方形の四角柱形状に形成されている。
図9に示すように、第一部材111は、平面視S字形状を呈している。第一部材111は、図10および図11にも示すように、第一板部121と、第二板部122と、第三板部123と、第一連結部124と、第二連結部125とを備えている。第一板部121と第二板部122と第三板部123とは、互いに平行に配置されている。第一板部121と第二板部122と第三板部123とで、第二部材112を支持する。第一連結部124は、第一板部121の一端部と第二板部122の一端部とを連結している。第一連結部124は、吊ボルト3に係止される部位である。第二連結部125は、第二板部122の他端部と第三板部123の他端部とを連結している。第一部材111は、一枚の金属製板材を適宜加工して構成されている。
第一板部121は、吊ボルト3に隣接して配置される部位である。第一板部121には、第二部材112が挿通する第一挿通部126(図9および図10の(c)参照)が形成されている。第一挿通部126は、第一板部121を貫通する貫通孔にて構成されている。図10の(c)に示すように、第一挿通部126は、羽子板ボルト6(天井ブレース5の先端のボルト部材)の軸方向に沿った軸方向長さと、羽子板ボルト6の軸方向と交差する交差方向に沿った交差方向長さとを有している。本実施形態では、第一挿通部126は、羽子板ボルト6の軸芯L2(図9参照)を法線とする(交差方向に広がる)平面に沿って長い長孔形状を呈している。第一挿通部126は、第二部材112の幅寸法(長方形の短手方向寸法)より僅かに大きい交差方向長さW1を備えている。第一挿通部126の交差方向両端部の軸方向長さT1は、第一挿通部126の交差方向中間部の軸方向長さT2より大きい。第一挿通部126は、側面視で略鼓形状を呈している。具体的には、第一挿通部126は、交差方向の両端部(第二部材12の幅方向両端部側)に位置する一対の短辺部27,27と、軸方向の両端部(第二部材12の厚さ方向両端部側)に位置する一対の長辺部28,28とで区画されて、長孔形状となっている。長辺部28のうち、少なくとも吊ボルト3から遠い方に位置する長辺部28の交差方向中間部は、対向する他方の長辺部28に向かって突出している。本実施形態では、吊ボルト3に近い方に位置する長辺部28の交差方向中間部も、対向する他方の長辺部28に向かって突出している。長辺部28は、三つの直線部からなり、突出した中央の頂辺は羽子板ボルト6の軸芯L2(図9参照)を法線とする平面に沿っている。頂辺の両側には、直線状の斜辺がそれぞれ形成されている。長辺部28,28は互いに対称形状となっている。短辺部27は、第二部材12の対角線の長さより僅かに長い直径の円弧形状を呈している。これによって、第一挿通部126内を、第二部材112が重心部を中心として回動可能となっている。
図9乃至図11に示すように、第二板部122は、第一板部121に対向するとともに、吊ボルト3に隣接して配置される部位である。第二板部122は、第一板部121に対して平行で且つ所定間隔(羽子板ボルト6の先端部が配置可能な間隔)をあけて配置されている。第二板部122と第一板部121との間の空間は、羽子板ボルト6が吊ボルト3に当接する際に位置する固定位置136となる。本実施形態では、第一板部121と第二板部122とで、一対の第二部材支持部が構成されている。第二板部122と第一板部121とで、吊ボルト3を挟んでいる。第二板部122には、第二部材112が挿通する第二挿通部127(図9および図11の(b)参照)が形成されている。第二挿通部127は、第一挿通部126と同形状の貫通孔の一部を切り欠いて、第二板部122の外周面に開放された形状に形成されている。図11の(b)に示すように、第二挿通部127は、羽子板ボルト6(天井ブレース5の先端のボルト部材)の軸方向に沿った軸方向長さと、羽子板ボルト6の軸方向と交差する交差方向に沿った交差方向長さとを有している。第二挿通部127は、羽子板ボルト6の軸芯L2(図9参照)を法線とする(交差方向に広がる)平面に沿って長い第二部材通過部128と、軸芯L2に沿って長いボルト通過部129とを備えている。
第二部材通過部128は、第二部材112の幅寸法(長方形の短手方向寸法)より僅かに大きい交差方向長さW1を備えている。第二部材通過部128の交差方向両端部の形状は、第一挿通部126の交差方向両端部の形状と同等である。つまり、第二部材通過部128の幅方向両端部の軸方向長さT1は、第一挿通部126の交差方向両端部の軸方向長さT1と同等である。さらに、第二部材通過部128の交差方向両端部の軸方向長さは、交差方向中間部に向かうに連れて小さくなっている。また、第二部材通過部128の交差方向両端の辺128a,128aは、第一挿通部126の短辺部27と、同等の円弧形状である。
ボルト通過部129は、第一挿通部126の長辺部28に対向する位置の、第二部材通過部128の交差方向中間部に形成されている。ボルト通過部129は、第二部材通過部128と十字状に直交した切欠き部130にて構成されている。切欠き部130は、羽子板ボルト6のネジ部が通過可能な幅寸法(交差方向長さ)を備えている。切欠き部130の基端部130aは、第二部材通過部128から第二板部122の外周縁まで延在して、外側に開放されている。切欠き部130の先端部130bは、第二部材通過部128から奥側(吊ボルト3に近い側)に突出している。このような構成の第二部材通過部128とボルト通過部129とを備えた第二挿通部127では、羽子板ボルト6を装着した状態の第二部材112が、第三板部123側から第一板部121側へと通過可能となっている。また、第二部材通過部128の交差方向両端部の形状は、第一挿通部126の交差方向両端部の形状と同等であるので、第二挿通部127内を、第二部材112が重心部を中心として回動可能となっている。
図9乃至図11に示すように、第三板部123は、第二板部122に対向して配置される部位である。第三板部123は、第二板部122に対して平行で且つ所定間隔(羽子板ボルト6の先端部が配置可能な間隔)をあけて配置されている。第三板部123と第二板部122との間の空間は、羽子板ボルト6が後記する仮止め用突起部134に当接する際に位置する仮止め位置135となる。第三板部123には、第二部材112が挿通する第三挿通部131(図9および図11の(a)参照)が形成されている。第三挿通部131は、第三板部123を貫通する貫通孔にて構成されている。図11の(a)に示すように、第三挿通部131は、羽子板ボルト6(天井ブレース5の先端のボルト部材)の軸方向に沿った軸方向長さと、羽子板ボルト6の軸方向と交差する交差方向に沿った交差方向長さとを有している。本実施形態では、第三挿通部131は、羽子板ボルト6の軸芯L2(図9参照)を法線とする(交差方向に広がる)平面に沿って長い長孔形状に形成されている。第三板部123は、側面視長方形の長孔形状の長方形部132と、長方形部132の交差方向中間部に形成された切欠き部133とを備えている。長方形部132は、第二部材112の長方形部114の断面形状と略同等の形状を呈しており、第二部材112が傾斜不能且つ通過可能となっている。切欠き部133は、第二部材112を第一挿通部126まで挿通させた際に、棒状部115が配置される位置に形成されている。切欠き部133は、棒状部115の正方形断面の対角線より僅かに長い寸法の直径の円弧形状を呈しており、切欠き部133内で、棒状部115が傾斜可能となっている。
第一挿通部126の中心部と第二挿通部127の第二部材通過部128の中心部と第三挿通部131の中心部とは、同一軸線状に配置されている。第一挿通部126の中心部と第二挿通部127の第二部材通過部128の中心部と第三挿通部131の中心部とを結ぶ直線は、第一板部121、第二板部122および第三板部123に対して直交している。
図10および図11に示すように、第三板部123には、仮止め用突起部134が形成されている。仮止め用突起部134は、第三板部123から、第二板部122の位置する側に向かって突出している。仮止め用突起部134は、第二部材12に螺合された羽子板ボルト6が第二板部122と第三板部123との間に位置するときに、羽子板ボルト6の延長線上に形成されている。羽子板ボルト6の先端が仮止め用突起部134に当接することで、ブレース取付金具101が羽子板ボルト6の先端部に仮止めされる。
図9乃至図11に示すように、第一連結部124は、第一板部121の一端部と第二板部122の一端部とを連結するとともに、吊ボルト3に係止される爪部141を備えている。第一連結部124は、第一板部121から第二板部122に架け渡された平面視半円形状を呈している。第一連結部124は、上下二ヶ所に設けられている。下側の第一連結部124は、第一板部121および第二板部122の下端部から上下方向中間部まで延在している。上側の第一連結部124は、下側の第一連結部124から所定の間隔をあけた位置から、第一板部121および第二板部122の上端部まで延在している。上側および下側の第一連結部124,124の各上下端面は、吊ボルト3のネジ溝に沿って傾斜している。爪部141は、下側の第一連結部124の上下端部と、上側の第一連結部124の上端部の三ヶ所に形成されている。つまり、爪部141は、第一板部121および第二板部122の一端部の上端部、中間部、下端部の三ヶ所に配置されている。爪部141は、断面三角形状を呈しており、円弧状のベース部140の内周面に形成されている。爪部141は、吊ボルト3のネジ溝に沿って傾斜している。このように爪部141がネジ溝に沿って傾斜していることで、第一部材111を吊ボルト3に係止したときに、第一板部121,第二板部122および第三板部123は、吊ボルト3の軸芯L2に沿って垂直に配置される。
第二連結部125は、第二板部122の他端部と第三板部123の他端部とを連結する。第二連結部125は、第二板部122から第三板部123に架け渡された平面視直線形状を呈している。第二板部122と第二連結部125の接続部、および第三板部123と第二連結部125の接続部は、それぞれ円弧状に湾曲している。第二連結部125は、第二板部122および第三板部123の上端部から上下方向中間部まで延在している。
次に、前記構成のブレース取付金具101を用いて天井ブレース5を吊ボルト3に固定する手順および固定した状態を説明しつつ、作用効果を説明する。
天井ブレース5を吊ボルト3に固定する作業を行うに際しては、まず、図14の(a)に示すように、第二部材112を、第三挿通部131と第二挿通部127に挿通させて、ネジ孔113を仮止め位置135に位置させる。その状態で、天井ブレース5の先端の羽子板ボルト6を第二部材112のネジ孔113に螺合させる。そして、羽子板ボルト6を仮止め用突起部134に向けて突出するように回転させる。羽子板ボルト6の先端が仮止め用突起部134に当接することで、第二部材12が第二挿通部127および第三挿通部131に押し付けられて、ブレース取付金具101が天井ブレース5の先端部に仮止めされる。
次に、作業員は天井ブレース5の下側部分を持って、ブレース取付金具101を吊ボルト3の上端部の所定の位置まで持ち上げる。このとき、第二部材112は第一部材111と一体になっているので、ブレース取付金具101は安定した状態を保持できる。よって、ブレース取付金具101の持ち上げ作業を行い易い。また、本実施形態では、ブレース取付金具101を吊ボルト3から離した状態で上方に持ち上げることができるので、ブレース取付金具1が足場用金具や補強金具などに干渉することはなく、ブレース取付金具1の持ち上げを円滑に行うことができる。
ブレース取付金具101を所定の高さまで持ち上げたなら、作業員は、第一連結部124が吊ボルト3に当接するようにブレース取付金具1を手前に引き、各爪部141を、吊ボルト3のネジ溝に係止させる。このように、天井ブレース5の上端部にブレース取付金具101を取り付けた状態で、第一部材111を吊ボルトに係止することができる。したがって、作業員は、吊ボルト3の上端部まで近づく必要はなく、下方から係止作業を行うことができるので、作業が容易になる。このとき、爪部141はネジ溝に沿って傾斜しているので、第一部材111は、垂直な吊ボルト3に沿って垂直な状態で係止されている。
次に、羽子板ボルト6を回転させて、仮止め用突起部134への当接を解除するとともに、第二部材112を固定位置136に移動させる。このとき、第二挿通部127は、第二部材通過部128とボルト通過部129とを備えているので、羽子板ボルト6が装着された状態の第二部材112が通過することができる。そして、図13に示すように、羽子板ボルト6を吊ボルト3に向けて突出するように回転させる。羽子板ボルト6の先端が吊ボルト3の側面に当接することで、吊ボルト3が、爪部141と羽子板ボルト6の先端で挟持されるので、ブレース取付金具101が吊ボルト3に固定される。また、羽子板ボルト6は第二部材112に螺合されているので、ブレース取付金具101を介して、天井ブレース5が吊ボルト3に固定される。
このとき、第二部材112のネジ孔113の軸芯L2が、吊ボルト3の軸芯L3に交差する。したがって、天井ブレース5の先端の羽子板ボルト6の中心部を、吊ボルト3の軸芯部に向けて当接させることができる。これによって、天井ブレース5と吊ボルト3とが同一の平面状に配置されることになるので、天井ブレース5と吊ボルト3との間で確実に応力を伝達することができる。
本実施形態のブレース取付金具101においては、第二部材112は、固定位置136と仮止め位置135との間で移動可能となっているので、吊ボルト3の上端部の所定位置で仮止めを解除して、第二部材112を固定位置136に移動させた後に羽子板ボルト6を吊ボルト3に突き合わせることができる。この作業は、作業員が吊ボルト3の上端部まで近づく必要はなく、下方から行うことができるので、ブレース取付金具1の取付作業が容易になる。
また、本実施形態では、第一挿通部126および第二挿通部127の形状を前記構成としたことで、第二部材112は第一挿通部126および第二挿通部127内で回動することで傾斜できる。以下に図15を参照しながら、第二部材112の傾斜状態を説明する。
第二部材112の軸芯と、第一挿通部126の軸方向が沿っている場合(天井ブレース5が基準角度(水平に対して45°)になっている場合)は、図15の(a)に示すように、第二部材112の幅方向両端部が、挿通部126の短辺部27にそれぞれ当接している。また、第二挿通部127の第二部材通過部128においても、第二部材112は、前記説明と同様の状態となっている。なお、第二部材112の棒状部115は、第三挿通部131の中心部に位置している。このように第二部材112は、二点で第一挿通部126(第二挿通部127)に当接するとともに、天井ブレース5側へ押圧されるので、第二部材112から第一部材111に応力を確実に伝達できる。したがって、安定した状態で、羽子板ボルト6を支持することができる。
天井ブレースが基準角度より急な傾斜(水平に対して60°)になっている場合は、図15の(b)に示すように、第二部材112が、図15中、右回転して、第二部材112の一辺の上部が、吊ボルト3から遠い方に位置する長辺部28の上側端部に面接触する。このとき、短辺部27が円弧形状を呈しているので、第二部材112が回転しやすい。また、第二挿通部127の第二部材通過部128においても、第二部材112は、前記説明と同様の状態となっている。なお、第二部材112の棒状部115は、第三挿通部131の中心部に位置している。棒状部115は、切欠き部133があることで回動可能であるので、第二部材112の回転が阻害されない。以上のように、第二部材112の一辺の一部が長辺部28の端部(斜辺部)に面接触するとともに、天井ブレース5側へ押圧されるので、第二部材112から第一部材111に応力を確実に伝達できる。したがって、安定した状態で、羽子板ボルト6を支持することができる。
天井ブレースが基準角度より緩い傾斜(水平に対して30°)になっている場合は、図15の(c)に示すように、第二部材112が、図15中、左回転して、第二部材112の一辺の下部が、吊ボルト3から遠い方に位置する長辺部28の下側端部に面接触する。このとき、短辺部27が円弧形状を呈しているので、第二部材112が回転しやすい。また、第二挿通部127の第二部材通過部128においても、第二部材112は、前記説明と同様の状態となっている。なお、第二部材112の棒状部115は、第三挿通部131の中心部に位置している。棒状部115は、切欠き部133があることで回動可能であるので、第二部材112の回転が阻害されない。以上のように、第二部材112の一辺の一部が長辺部28の端部に面接触するとともに、天井ブレース5側へ押圧されるので、第二部材112から第一部材111に応力を確実に伝達できる。したがって、安定した状態で、羽子板ボルト6を支持することができる。
このように第二部材112は、第一挿通部126および第二挿通部127内で回転することで、天井ブレース5の傾斜角度を変更できる。さらに、第二部材112は、従来のように円弧形状に形成する必要がなく平面形状に形成できる。したがって、第二部材12の製造が容易になる。一方、第一挿通部126および第二挿通部127においては、従来のように第二部材112の幅方向に移動代を確保する必要がないので、第一挿通部126および第二挿通部127の交差方向長さ(第二部材の幅方向寸法)は大きくならない。よって、第一部材11の大型化を防止できる。
以上、本発明を実施するための形態についてそれぞれ説明したが、本発明は前記の実施形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、材質、形状や大きさなど適宜設計変更が可能である。例えば、前記実施形態の第一部材11,111および第二部材12,112の他の形状は一例であって、適宜変更してもよい。