JP7237303B2 - 複合粒子 - Google Patents
複合粒子 Download PDFInfo
- Publication number
- JP7237303B2 JP7237303B2 JP2019040523A JP2019040523A JP7237303B2 JP 7237303 B2 JP7237303 B2 JP 7237303B2 JP 2019040523 A JP2019040523 A JP 2019040523A JP 2019040523 A JP2019040523 A JP 2019040523A JP 7237303 B2 JP7237303 B2 JP 7237303B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- particles
- coating layer
- silica
- composite particles
- composite
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Images
Landscapes
- Drying Of Gases (AREA)
- Solid-Sorbent Or Filter-Aiding Compositions (AREA)
- Silicon Compounds (AREA)
- Pigments, Carbon Blacks, Or Wood Stains (AREA)
Description
(但し、式(1)中のAは、100℃から300℃の質量減少量であり、Bは、0℃から300℃の質量減少量である。)
W2/W1>1・・・(2)
上記複合粒子において、前記被覆層の前記金属酸化物を構成するケイ素(Si)とアルミニウム(Al)との原子比は、Si:Al=96:4~5:95であることが好ましい。
本実施形態の複合粒子は、シリカ系粒子からなる母粒子と、金属酸化物からなる被覆層とを有している。
母粒子としてのシリカ系粒子としては、例えば、シリカ粒子、又はオルガノポリシルセスキオキサン粒子を用いることができる。シリカ系粒子の粒子形状は、特に限定されないが、被覆層を均一に被覆し、かつ凝集を抑えるという観点から、単分散かつ球状であることが好ましい。シリカ系粒子の粒径は、特に限定されないが、分散媒又は樹脂への分散性を高めるという観点から、0.05μm以上、10μm以下の範囲内であることが好ましい。
被覆層を構成する金属酸化物は、アルミナとシリカとの複合酸化物である。この金属酸化物を構成するケイ素(Si)とアルミニウム(Al)との原子比は、Si:Al=96:4~5:95であることが好ましい。複合酸化物中のAlの比率を高めることで、吸湿した複合粒子からの水分の放出をより抑えることができる。複合酸化物中のSiの比率を高めることで、母粒子の表面と被覆層との密着性をより高めることができる。
<複合粒子>
上記の母粒子及び上記の被覆層を有する複合粒子では、上記の母粒子単体よりも水分を放出し難い。ここで、飽和吸水状態とした粒子を0℃から300℃まで昇温速度5℃/minの条件で加熱する熱重量測定から算出される水分保持率Wを下記式(1)で表した場合、母粒子の水分保持率W1と複合粒子の水分保持率W2は、下記式(2)で表される関係を満たしている。
但し、式(1)中のAは、100℃から300℃の質量減少量であり、Bは、0℃から300℃の質量減少量である。すなわち、式(1)により算出される水分保持率Wは、100℃における水分保持率を示しており、この水分保持率Wが高いほど、水分を放出し難い粒子、すなわち脱水速度が遅い粒子となる。
上記“W2/W1”の値が1を超えることで、複合粒子は母粒子よりも脱水速度が遅く、吸収した水を離し難い特性を有する粒子となる。
複合粒子の母粒子としてのシリカ系粒子の製造方法は、特に限定されず、例えば、市販品を用いることができる。
(1)複合粒子は、シリカ系粒子からなる母粒子と、金属酸化物からなる被覆層とを有している。被覆層の金属酸化物は、シリカとアルミナとの複合酸化物である。上記式(1)で表される水分保持率Wにおいて、母粒子の水分保持率W1と複合粒子の水分保持率W2とは、上記式(2)の関係を満たしている。
(2)被覆層の金属酸化物を構成するケイ素(Si)とアルミニウム(Al)との原子比は、Si:Al=96:4~5:95であることが好ましい。この場合、吸湿した複合粒子からの水分の放出をより抑えることができるとともに、母粒子の表面と被覆層との密着性をより高めることができる。
(実施例1)
<複合粒子>
110mlスクリュー管瓶に塩化アルミニウム六水和物17.5gとイオン交換水27.3gを添加し、室温下でスターラーにて撹拌した。数分後、均一かつ透明となった溶液に、テトラエトキシシラン7.5gを添加し、室温下で5時間撹拌して均一な溶液とすることにより、被覆層形成用原料を調製した。
上記シリカ粒子(宇部エクシモ株式会社製、商品名:ハイプレシカAS、平均粒径:0.57μm、水分散スラリー、固形分濃度10質量%)50gを250ml遠心瓶に入れ、遠心分離し、粒子を沈降させた。上澄み溶液を取り除き、メタノールを200ml加えて遠心瓶を振とうして粒子を均一に分散させた後、再び遠心分離を行った。この操作を3回繰り返した後、金属製バットにシリカ粒子を移し替え、150℃のホットプレートにて3時間加熱し、乾燥粉体を得た。得られた乾燥粉体を500℃の電気炉にて9時間焼成することにより、物性測定用の母粒子を得た。
<複合粒子>
300mlセパラブルフラスコにテトラエトキシシラン200gとアルミニウム-sec-ブトキシド10gを室温下でスターラーにて30分撹拌することにより、被覆層形成用原料を調製した。
上記シリカ粒子(宇部エクシモ株式会社製、商品名:ハイプレシカAS、平均粒径:0.18μm、水分散スラリー、固形分濃度4質量%)125gを250ml遠心瓶に入れ、遠心分離し、粒子を沈降させた。上澄み溶液を取り除き、メタノールを200ml加えて遠心瓶を振とうして粒子を均一に分散させた後、再び遠心分離を行った。この操作を3回繰り返した後、金属製バットに粒子を移し替え、150℃のホットプレートにて3時間加熱し、乾燥粉体を得た。得られた乾燥粉体を550℃の電気炉にて5時間焼成することにより、物性測定用の母粒子を得た。
<複合粒子>
110mlスクリュー管瓶に塩化アルミニウム六水和物31.3gとイオン交換水41.0gを添加し、室温下でスターラーにて撹拌した。数分後、均一かつ透明となった溶液に、テトラエトキシシラン1.5gを添加し、室温下で18時間撹拌して均一な溶液とすることにより、被覆層形成用原料を調製した。
上記シリカ粒子(宇部エクシモ株式会社製、商品名:ハイプレシカAS、平均粒径:1.05μm、水分散スラリー、固形分濃度15質量%)100gを250ml遠心瓶に入れ、遠心分離し、粒子を沈降させた。上澄み溶液を取り除き、メタノールを200ml加えて遠心瓶を振とうして粒子を均一に分散させた後、再び遠心分離を行った。この操作を3回繰り返した後、金属製バットに粒子を移し替え、150℃のホットプレートにて3時間加熱し、乾燥粉体を得た。得られた乾燥粉体を500℃の電気炉にて9時間焼成することにより、物性測定用の母粒子を得た。
比較例1では、シリカ系粒子からなる母粒子をシリカ層で被覆した複合粒子を製造した。
(比較例2)
比較例2では、シリカ系粒子からなる母粒子をアルミナ層で被覆した複合粒子の製造を試みた。
走査型電子顕微鏡(SEM:Scanning Electron Microscope、JEOL社製、JSM-6700F)を用いて各実施例の複合粒子の平均粒径を求めた。平均粒径は、100,000倍の画像を撮影し、画像解析ソフト(Smileview、ver.2.2)にて、50個の粒子の直径を測定し、その平均値を平均粒径とした。
(吸水率の測定、及び水分保持率の測定)
まず、粒子の試料をガラス製シャーレに入れ、150℃のオーブンで1時間以上乾燥した後、デシケーターの中で室温まで放冷した。その後、電子天秤で5g程度試料を秤量した。試料を秤量したシャーレを150℃で3時間乾燥し、直ちに五酸化リンの入ったデシケーター中で冷却した。室温まで冷却した後、試料の質量を測定した。このときの質量を吸水前の試料の質量とした。試料を30℃、90%RHに設定した恒温恒湿チャンバーに放置し、吸水させた。24時間経過毎に試料の質量(吸水後の試料の質量)を測定し、下記式(3)により吸水率を算出した。24時間経過前後における吸水率の変化量が0.5%以下になったところで、飽和吸水状態に達したと判断し、測定を終了した。
但し、式(3)中のK1は、吸水前の試料の質量を示し、K2は、吸水後の試料の質量を示す。1つの試料について3回測定を行い、その平均値を吸水率とした。
Claims (2)
- シリカ系粒子からなる母粒子と、金属酸化物からなる被覆層とを有する複合粒子であって、
前記金属酸化物は、シリカとアルミナとから構成され、
飽和吸水状態とした粒子を0℃から300℃まで昇温速度5℃/minの条件で加熱する熱重量測定から算出される水分保持率Wを下記式(1):
W[%]=A/B×100・・・(1)
(但し、式(1)中のAは、100℃から300℃の質量減少量であり、Bは、0℃から300℃の質量減少量である。)で表した場合、
前記母粒子の水分保持率W1と前記複合粒子の水分保持率W2は、下記式(2):
W2/W1>1・・・(2)
で表される関係を満たすことを特徴とする複合粒子。 - 前記被覆層の前記金属酸化物を構成するケイ素(Si)とアルミニウム(Al)との原子比は、Si:Al=96:4~5:95であることを特徴とする請求項1に記載の複合粒子。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2019040523A JP7237303B2 (ja) | 2019-03-06 | 2019-03-06 | 複合粒子 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2019040523A JP7237303B2 (ja) | 2019-03-06 | 2019-03-06 | 複合粒子 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2020142954A JP2020142954A (ja) | 2020-09-10 |
JP7237303B2 true JP7237303B2 (ja) | 2023-03-13 |
Family
ID=72353160
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2019040523A Active JP7237303B2 (ja) | 2019-03-06 | 2019-03-06 | 複合粒子 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP7237303B2 (ja) |
Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006255599A (ja) | 2005-03-17 | 2006-09-28 | Tosoh Corp | シリカアルミナを含む新規な構造体、およびその製造方法。 |
JP2006319108A (ja) | 2005-05-12 | 2006-11-24 | Sharp Corp | 半導体パッケージのリードフレーム |
JP2011037659A (ja) | 2009-08-07 | 2011-02-24 | Jgc Catalysts & Chemicals Ltd | コアシェル型複合酸化物微粒子の分散液および該分散液の製造方法、該コアシェル型複合酸化物微粒子を含む塗料組成物、硬化性塗膜および硬化性塗膜付き基材 |
JP2014172771A (ja) | 2013-03-07 | 2014-09-22 | Ube Exsymo Co Ltd | 複合粒子及びその製造方法 |
JP2018024748A (ja) | 2016-08-09 | 2018-02-15 | 共同印刷株式会社 | 光透過性吸湿フィルム |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3744569B2 (ja) * | 1995-08-22 | 2006-02-15 | 宇部日東化成株式会社 | 吸湿性シリカ粒子およびその製造方法 |
-
2019
- 2019-03-06 JP JP2019040523A patent/JP7237303B2/ja active Active
Patent Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006255599A (ja) | 2005-03-17 | 2006-09-28 | Tosoh Corp | シリカアルミナを含む新規な構造体、およびその製造方法。 |
JP2006319108A (ja) | 2005-05-12 | 2006-11-24 | Sharp Corp | 半導体パッケージのリードフレーム |
JP2011037659A (ja) | 2009-08-07 | 2011-02-24 | Jgc Catalysts & Chemicals Ltd | コアシェル型複合酸化物微粒子の分散液および該分散液の製造方法、該コアシェル型複合酸化物微粒子を含む塗料組成物、硬化性塗膜および硬化性塗膜付き基材 |
JP2014172771A (ja) | 2013-03-07 | 2014-09-22 | Ube Exsymo Co Ltd | 複合粒子及びその製造方法 |
JP2018024748A (ja) | 2016-08-09 | 2018-02-15 | 共同印刷株式会社 | 光透過性吸湿フィルム |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2020142954A (ja) | 2020-09-10 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
TW567103B (en) | Copper powder for use in conductive paste having excellent anti oxidization property and process | |
TWI597312B (zh) | Coated magnesia powder and its manufacturing method | |
CN105189356B (zh) | 耐热氢氧化铝的制造方法 | |
JP6238440B2 (ja) | シリカ被覆金属窒化物粒子およびその製造方法 | |
JP6076510B2 (ja) | 酸化マグネシウム、熱伝導性フィラー及びこれを含む熱伝導性樹脂組成物並びに酸化マグネシウムの製造方法 | |
JP2021161005A (ja) | 粒子材料、その製造方法、フィラー材料及び熱伝導物質 | |
JP7237303B2 (ja) | 複合粒子 | |
JP6977666B2 (ja) | 低ソーダα−アルミナ粉体及びその製造方法 | |
JP2021127288A (ja) | 窒化アルミニウム系フィラー | |
TW202102440A (zh) | 球狀氧化鎂、其製造方法、熱傳導性填充材及樹脂組成物 | |
JP2002338230A (ja) | シリカ粒子及び樹脂組成物 | |
CN110475751A (zh) | 粉末混合物 | |
JP6071128B2 (ja) | 複合粒子及びその製造方法 | |
WO2020203710A1 (ja) | 球状酸化マグネシウム、その製造方法、熱伝導性フィラー及び樹脂組成物 | |
TW202132222A (zh) | 被覆氧化鋯微粒子及其製造方法 | |
JP3744569B2 (ja) | 吸湿性シリカ粒子およびその製造方法 | |
WO2022071020A1 (ja) | ホウ素含有シリカ分散体及びその製造方法 | |
WO2022185648A1 (ja) | 粉体、フィラー、組成物、フィラーの製造方法 | |
JP7311077B1 (ja) | 酸化物微粒子及び酸化物微粒子の製造方法 | |
JP7239608B2 (ja) | 改質リン酸タングステン酸ジルコニウム、負熱膨張フィラー及び高分子組成物 | |
WO2022071021A1 (ja) | ホウ素含有非晶質シリカ粉体及びその製造方法 | |
WO2023149315A1 (ja) | 酸化物微粒子及び酸化物微粒子の製造方法 | |
JP7107075B2 (ja) | 組成物、グリーンシート、焼成物、及びガラスセラミックス基板 | |
WO2021068139A1 (en) | Alumina particles and method for producing alumina particles | |
JP2015193493A (ja) | 高比重アルミナおよびその製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20220119 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20220912 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20221004 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20221130 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20230201 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20230220 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 7237303 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |