JP7237303B2 - 複合粒子 - Google Patents

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本発明は、吸湿性を有する複合粒子に関する。
例えば、電子部品の封止材料等としてエポキシ樹脂組成物が用いられている。こうしたエポキシ樹脂組成物中に含有させることで、エポキシ樹脂組成物の耐湿性を向上させるシリカ粒子が知られている(特許文献1)。特許文献1に開示されるシリカ粒子は、10%以上の吸水率を有している。また、特許文献1に開示されるシリカ粒子よりも高い吸水率を有する粒子として、シリカ系粒子からなる母粒子と、金属酸化物からなる被覆層とを有する複合粒子が知られている(特許文献2)。
特開平09-059014号公報 特開2014-172771号公報
上記のエポキシ樹脂組成物等の樹脂組成物中に吸湿性の比較的高い粒子を含有させることで、樹脂組成物の耐湿性を高めることが可能である。しかしながら、吸湿した粒子中の水分が放出され易い場合、樹脂組成物の耐湿性が十分に得られず、例えば、樹脂組成物を電子部品の封止材料として用いた場合、樹脂組成物中の粒子を介して電子部品側に水分が侵入し易くなるおそれがある。
そこで、本発明の目的は、樹脂組成物の耐湿性を高める用途に好適に用いることのできる複合粒子を提供することにある。
上記課題を解決する複合粒子は、シリカ系粒子からなる母粒子と、金属酸化物からなる被覆層とを有する複合粒子であって、前記金属酸化物は、シリカとアルミナとの複合酸化物であり、飽和吸水状態とした粒子を0℃から300℃まで昇温速度5℃/minの条件で加熱する熱重量測定から算出される水分保持率Wを下記式(1)で表した場合、前記母粒子の水分保持率W1と前記複合粒子の水分保持率W2は、下記式(2)で表される関係を満たす。
W[%]=A/B×100・・・(1)
(但し、式(1)中のAは、100℃から300℃の質量減少量であり、Bは、0℃から300℃の質量減少量である。)
W2/W1>1・・・(2)
上記複合粒子において、前記被覆層の前記金属酸化物を構成するケイ素(Si)とアルミニウム(Al)との原子比は、Si:Al=96:4~5:95であることが好ましい。
本発明によれば、吸湿した水分の放出を抑えることで、樹脂組成物の耐湿性を高める用途に好適に用いることができる。
実施例1で得られた複合粒子のSEM写真である。 実施例1において物性測定用に調製した母粒子のSEM写真である。
以下、複合粒子の一実施形態について説明する。
本実施形態の複合粒子は、シリカ系粒子からなる母粒子と、金属酸化物からなる被覆層とを有している。
<母粒子>
母粒子としてのシリカ系粒子としては、例えば、シリカ粒子、又はオルガノポリシルセスキオキサン粒子を用いることができる。シリカ系粒子の粒子形状は、特に限定されないが、被覆層を均一に被覆し、かつ凝集を抑えるという観点から、単分散かつ球状であることが好ましい。シリカ系粒子の粒径は、特に限定されないが、分散媒又は樹脂への分散性を高めるという観点から、0.05μm以上、10μm以下の範囲内であることが好ましい。
<被覆層>
被覆層を構成する金属酸化物は、アルミナとシリカとの複合酸化物である。この金属酸化物を構成するケイ素(Si)とアルミニウム(Al)との原子比は、Si:Al=96:4~5:95であることが好ましい。複合酸化物中のAlの比率を高めることで、吸湿した複合粒子からの水分の放出をより抑えることができる。複合酸化物中のSiの比率を高めることで、母粒子の表面と被覆層との密着性をより高めることができる。
被覆層を構成する金属酸化物におけるSiとAlとの原子比は、被覆層を形成するための原料、すなわちケイ素含有化合物及びアルミニウム含有化合物に含まれるSiとAlとの原子比から算出することができる。また、被覆層中におけるSiとAlとの原子比は、元素分析等の公知の分析法を用いて被覆層を分析することで求めることもできる。
被覆層の厚さは、吸湿した水分の放出をより抑えるという観点から、0.01μm以上であることが好ましい。
<複合粒子>
上記の母粒子及び上記の被覆層を有する複合粒子では、上記の母粒子単体よりも水分を放出し難い。ここで、飽和吸水状態とした粒子を0℃から300℃まで昇温速度5℃/minの条件で加熱する熱重量測定から算出される水分保持率Wを下記式(1)で表した場合、母粒子の水分保持率W1と複合粒子の水分保持率W2は、下記式(2)で表される関係を満たしている。
W[%]=A/B×100・・・(1)
但し、式(1)中のAは、100℃から300℃の質量減少量であり、Bは、0℃から300℃の質量減少量である。すなわち、式(1)により算出される水分保持率Wは、100℃における水分保持率を示しており、この水分保持率Wが高いほど、水分を放出し難い粒子、すなわち脱水速度が遅い粒子となる。
W2/W1>1・・・(2)
上記“W2/W1”の値が1を超えることで、複合粒子は母粒子よりも脱水速度が遅く、吸収した水を離し難い特性を有する粒子となる。
上記“W2/W1”の値は、1.2以上であることが好ましく、より好ましくは1.5以上である。
複合粒子の母粒子としてのシリカ系粒子の製造方法は、特に限定されず、例えば、市販品を用いることができる。
複合粒子の被覆層は、ケイ素含有化合物及びアルミニウム含有化合物を原料として形成することができる。ケイ素含有化合物としては、有機ケイ素化合物が好ましい。有機ケイ素化合物としては、例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、γ-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン等が挙げられる。
アルミニウム含有化合物としては、例えば、金属無機塩又は有機金属化合物が挙げられる。金属無機塩としては、例えば、塩化アルミニウム六水和物、硝酸アルミニウム九水和物等が挙げられる。有機金属化合物としては、例えば、金属アルコキシド(アルミニウム-sec-ブトキシド、アルミニウムイソプロポキシド等)を用いることができる。
複合粒子は、例えば、母粒子と、被膜層を形成するための原料とを接触させた後に焼成することで得ることができる。焼成条件は、特に限定されず、例えば、焼成温度200℃~800℃、焼成時間2時間~48時間の範囲内で適宜調整することができる。焼成条件が200℃、かつ2時間以上の場合、複合粒子中の水や分散媒を削減することができるため、複合粒子の吸水率をより高めることができる。また、焼成条件が800℃、かつ48時間以下の場合、複合粒子同士の間の焼結が抑えられることにより、分散し難い凝集塊の生成を抑えることができる。
複合粒子は、樹脂組成物に含有させて用いることができる。樹脂組成物の樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂が挙げられる。樹脂組成物は、電子部品における封止材料、接合材、パッケージ素材等の電子部品用途に好適に用いることができる。
次に、本実施形態の作用及び効果について説明する。
(1)複合粒子は、シリカ系粒子からなる母粒子と、金属酸化物からなる被覆層とを有している。被覆層の金属酸化物は、シリカとアルミナとの複合酸化物である。上記式(1)で表される水分保持率Wにおいて、母粒子の水分保持率W1と複合粒子の水分保持率W2とは、上記式(2)の関係を満たしている。
この構成によれば、吸湿した複合粒子から放出される水分を抑えることができる。従って、樹脂組成物の耐湿性を高める用途に好適に用いることができる。
(2)被覆層の金属酸化物を構成するケイ素(Si)とアルミニウム(Al)との原子比は、Si:Al=96:4~5:95であることが好ましい。この場合、吸湿した複合粒子からの水分の放出をより抑えることができるとともに、母粒子の表面と被覆層との密着性をより高めることができる。
次に、実施例及び比較例を説明する。
(実施例1)
<複合粒子>
110mlスクリュー管瓶に塩化アルミニウム六水和物17.5gとイオン交換水27.3gを添加し、室温下でスターラーにて撹拌した。数分後、均一かつ透明となった溶液に、テトラエトキシシラン7.5gを添加し、室温下で5時間撹拌して均一な溶液とすることにより、被覆層形成用原料を調製した。
続いて、500ml三角フラスコに、シリカ粒子(宇部エクシモ株式会社製、商品名:ハイプレシカAS、平均粒径:0.57μm、水分散スラリー、固形分濃度10質量%)50gを添加し、メタノール80g、プロピレンオキシド7gを加えて室温下でスターラーにて撹拌し、ここに上記被覆層形成用原料を4g/minの速度で滴下した。
滴下終了後、室温下で15時間撹拌した溶液の全量を250ml遠心瓶に移し替え、遠心分離し、生成した粒子を沈降させた。上澄み溶液を取り除き、メタノールを200ml加えて遠心瓶を振とうして粒子を均一に分散させた後、再び遠心分離を行った。この操作を3回繰り返した後、金属製バットに粒子を移し替え、150℃のホットプレートにて3時間加熱し、乾燥粉体を得た。
得られた乾燥粉体を500℃の電気炉にて9時間焼成することにより、母粒子としてのシリカ粒子と、シリカ-アルミナ層からなる被覆層とを有する複合粒子を得た。得られた複合粒子の被覆層中の“Si:Al”について、被覆層形成用原料で使用したテトラエトキシシラン中のSi(mol)と、塩化アルミニウム六水和物中のAl(mol)の原子比より算出した結果、“33:67”であった。
<物性測定用の母粒子>
上記シリカ粒子(宇部エクシモ株式会社製、商品名:ハイプレシカAS、平均粒径:0.57μm、水分散スラリー、固形分濃度10質量%)50gを250ml遠心瓶に入れ、遠心分離し、粒子を沈降させた。上澄み溶液を取り除き、メタノールを200ml加えて遠心瓶を振とうして粒子を均一に分散させた後、再び遠心分離を行った。この操作を3回繰り返した後、金属製バットにシリカ粒子を移し替え、150℃のホットプレートにて3時間加熱し、乾燥粉体を得た。得られた乾燥粉体を500℃の電気炉にて9時間焼成することにより、物性測定用の母粒子を得た。
(実施例2)
<複合粒子>
300mlセパラブルフラスコにテトラエトキシシラン200gとアルミニウム-sec-ブトキシド10gを室温下でスターラーにて30分撹拌することにより、被覆層形成用原料を調製した。
続いて、500mlセパラブルフラスコに、シリカ粒子(宇部エクシモ株式会社製、商品名:ハイプレシカAS、平均粒径:0.18μm、水分散スラリー、固形分濃度4質量%)30gを添加し、メタノール60g、25%アンモニア水72gを加え、30℃に設定した恒温水槽内で撹拌羽根にて80rpmで撹拌し、上記被覆層形成用原料を0.4g/minで滴下した。
滴下終了後、室温下で15時間撹拌した溶液200mlを250ml遠心瓶に移し替え、遠心分離し、生成した粒子を沈降させた。上澄み溶液を取り除き、メタノールを200ml加えて遠心瓶を振とうして粒子を均一に分散させた後、再び遠心分離を行った。この操作を3回繰り返した後、金属製バットに粒子を移し替え、100℃のホットプレートにて3時間加熱し、乾燥粉体を得た。
得られた乾燥粉体を550℃の電気炉にて5時間焼成することにより、母粒子としてのシリカ粒子とシリカ-アルミナ層からなる被覆層とを有する複合粒子を得た。得られた複合粒子の被覆層中の“Si:Al”について、被覆層形成用原料で使用したテトラエトキシシラン中のSi(mol)と、アルミニウム-sec-ブトキシド中のAl(mol)の原子比より算出した結果、“96:4”であった。
<物性測定用の母粒子>
上記シリカ粒子(宇部エクシモ株式会社製、商品名:ハイプレシカAS、平均粒径:0.18μm、水分散スラリー、固形分濃度4質量%)125gを250ml遠心瓶に入れ、遠心分離し、粒子を沈降させた。上澄み溶液を取り除き、メタノールを200ml加えて遠心瓶を振とうして粒子を均一に分散させた後、再び遠心分離を行った。この操作を3回繰り返した後、金属製バットに粒子を移し替え、150℃のホットプレートにて3時間加熱し、乾燥粉体を得た。得られた乾燥粉体を550℃の電気炉にて5時間焼成することにより、物性測定用の母粒子を得た。
(実施例3)
<複合粒子>
110mlスクリュー管瓶に塩化アルミニウム六水和物31.3gとイオン交換水41.0gを添加し、室温下でスターラーにて撹拌した。数分後、均一かつ透明となった溶液に、テトラエトキシシラン1.5gを添加し、室温下で18時間撹拌して均一な溶液とすることにより、被覆層形成用原料を調製した。
続いて、500ml三角フラスコに、シリカ粒子(宇部エクシモ株式会社製、商品名:ハイプレシカAS、平均粒径:1.05μm、水分散スラリー、固形分濃度15質量%)33gを添加し、メタノール40g、プロピレンオキシド25gを加えて室温下でスターラーにて撹拌し、ここに上記被覆層形成用原料を4g/minの速度で滴下した。
滴下終了後、室温下で15時間撹拌した溶液の全量を250ml遠心瓶に移し替え、遠心分離し、生成した粒子を沈降させた。上澄み溶液を取り除き、メタノールを200ml加えて遠心瓶を振とうして粒子を均一に分散させた後、再び遠心分離を行った。この操作を3回繰り返した後、金属製バットに粒子を移し替え、150℃のホットプレートにて3時間加熱し、乾燥粉体を得た。
得られた乾燥粉体を500℃の電気炉にて9時間焼成することにより、母粒子としてのシリカ粒子とシリカ-アルミナ層からなる被覆層とを有する複合粒子を得た。得られた複合粒子の被覆層中の“Si:Al”について、被覆層形成用原料で使用したテトラエトキシシラン中のSi(mol)と、塩化アルミニウム六水和物中のAl(mol)の原子比より算出した結果、“5:95”であった。
<物性測定用の母粒子>
上記シリカ粒子(宇部エクシモ株式会社製、商品名:ハイプレシカAS、平均粒径:1.05μm、水分散スラリー、固形分濃度15質量%)100gを250ml遠心瓶に入れ、遠心分離し、粒子を沈降させた。上澄み溶液を取り除き、メタノールを200ml加えて遠心瓶を振とうして粒子を均一に分散させた後、再び遠心分離を行った。この操作を3回繰り返した後、金属製バットに粒子を移し替え、150℃のホットプレートにて3時間加熱し、乾燥粉体を得た。得られた乾燥粉体を500℃の電気炉にて9時間焼成することにより、物性測定用の母粒子を得た。
(比較例1)
比較例1では、シリカ系粒子からなる母粒子をシリカ層で被覆した複合粒子を製造した。
まず、500ml三角フラスコに、実施例1で用いたシリカ粒子(宇部エクシモ株式会社製、商品名:ハイプレシカAS、平均粒径:0.57μm、水分散スラリー、固形分濃度10質量%)50gを添加し、メタノール160g、25%アンモニア水125gを加えて室温下でスターラーにて撹拌し、ここにテトラエトキシシラン15gを1.5g/minの速度で添加した。
滴下終了後、室温下で15時間撹拌した溶液の全量を250ml遠心瓶に移し替え、遠心分離し、生成した粒子を沈降させた。上澄み溶液を取り除き、メタノールを200ml加えて遠心瓶を振とうして粒子を均一に分散させた後、再び遠心分離を行った。この操作を3回繰り返した後、金属製バットに粒子を移し替え、150℃のホットプレートにて3時間加熱し、乾燥粉体を得た。
得られた乾燥粉体を500℃の電気炉にて9時間焼成することにより、複合粒子を製造した。
(比較例2)
比較例2では、シリカ系粒子からなる母粒子をアルミナ層で被覆した複合粒子の製造を試みた。
まず、110mlスクリュー管瓶に塩化アルミニウム六水和物31.3gとイオン交換水41.0gを添加し、室温下でスターラーにて数分間撹拌して均一な溶液とすることにより、被覆層形成用原料を調製した。
続いて、500ml三角フラスコに、シリカ粒子(宇部エクシモ株式会社製、商品名:ハイプレシカAS、平均粒径:1.05μm、水分散スラリー、固形分濃度15質量%)33gを添加し、メタノール40g、プロピレンオキシド25gを加えて室温下でスターラーにて撹拌し、ここに上記被覆層形成用原料を4g/minの速度で滴下した。
滴下終了後、室温下で15時間撹拌した溶液の全量を250ml遠心瓶に移し替え、遠心分離し、生成した粒子を沈降させた。上澄み溶液を取り除き、メタノールを200ml加えて遠心瓶を振とうして粒子を均一に分散させた後、再び遠心分離を行った。この操作を3回繰り返した後、金属製バットに粒子を移し替え、150℃のホットプレートにて3時間加熱し、乾燥粉体を得た。得られた乾燥粉体を500℃の電気炉にて9時間焼成することにより、粒子を得た。
(平均粒径及び被膜層の厚さ)
走査型電子顕微鏡(SEM:Scanning Electron Microscope、JEOL社製、JSM-6700F)を用いて各実施例の複合粒子の平均粒径を求めた。平均粒径は、100,000倍の画像を撮影し、画像解析ソフト(Smileview、ver.2.2)にて、50個の粒子の直径を測定し、その平均値を平均粒径とした。
各実施例の複合粒子における被膜層の厚さを複合粒子の平均粒径と母粒子の平均粒径との差から求めた。実施例1で得られた複合粒子のSEM写真を図1に示すとともに、実施例1において、物性測定用に調製した母粒子のSEM写真を図2に示す。
各比較例の粒子についても各実施例と同様に、複合粒子の平均粒径を求めるとともに、比較例1の被膜層の厚さを求めた。各例の結果を下記の表1に示す。
(吸水率の測定、及び水分保持率の測定)
まず、粒子の試料をガラス製シャーレに入れ、150℃のオーブンで1時間以上乾燥した後、デシケーターの中で室温まで放冷した。その後、電子天秤で5g程度試料を秤量した。試料を秤量したシャーレを150℃で3時間乾燥し、直ちに五酸化リンの入ったデシケーター中で冷却した。室温まで冷却した後、試料の質量を測定した。このときの質量を吸水前の試料の質量とした。試料を30℃、90%RHに設定した恒温恒湿チャンバーに放置し、吸水させた。24時間経過毎に試料の質量(吸水後の試料の質量)を測定し、下記式(3)により吸水率を算出した。24時間経過前後における吸水率の変化量が0.5%以下になったところで、飽和吸水状態に達したと判断し、測定を終了した。
吸水率[%]=(K2-K1)/K1×100・・・(3)
但し、式(3)中のK1は、吸水前の試料の質量を示し、K2は、吸水後の試料の質量を示す。1つの試料について3回測定を行い、その平均値を吸水率とした。
上記吸水率の測定を行った後の飽和吸水状態の試料について、熱重量測定装置(株式会社リガク製、TG8121)を用いて、5℃/minの昇温速度で300℃まで加熱した際の試料の質量変化を測定し、上述した式(1)により水分保持率W1,W2を算出した。各例の結果を下記の表1に示す。
Figure 0007237303000001
各実施例で得られた複合粒子における“W2/W1”の値は、式(2)の関係を満たしていることが分かる。比較例1で得られた複合粒子における“W2/W1”の値は、式(2)の関係を満たしていない。比較例2で得られた粒子については、上記走査型電子顕微鏡を用いて観察した結果、アルミナ層で被覆されていないことが分かった。

Claims (2)

  1. シリカ系粒子からなる母粒子と、金属酸化物からなる被覆層とを有する複合粒子であって、
    前記金属酸化物は、シリカとアルミナとから構成され
    飽和吸水状態とした粒子を0℃から300℃まで昇温速度5℃/minの条件で加熱する熱重量測定から算出される水分保持率Wを下記式(1):
    W[%]=A/B×100・・・(1)
    (但し、式(1)中のAは、100℃から300℃の質量減少量であり、Bは、0℃から300℃の質量減少量である。)で表した場合、
    前記母粒子の水分保持率W1と前記複合粒子の水分保持率W2は、下記式(2):
    W2/W1>1・・・(2)
    で表される関係を満たすことを特徴とする複合粒子。
  2. 前記被覆層の前記金属酸化物を構成するケイ素(Si)とアルミニウム(Al)との原子比は、Si:Al=96:4~5:95であることを特徴とする請求項1に記載の複合粒子。
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