JP7237248B1 - 冷凍サイクル装置 - Google Patents

冷凍サイクル装置 Download PDF

Info

Publication number
JP7237248B1
JP7237248B1 JP2022544129A JP2022544129A JP7237248B1 JP 7237248 B1 JP7237248 B1 JP 7237248B1 JP 2022544129 A JP2022544129 A JP 2022544129A JP 2022544129 A JP2022544129 A JP 2022544129A JP 7237248 B1 JP7237248 B1 JP 7237248B1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
refrigerant
resin material
crystalline resin
temperature
refrigeration cycle
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2022544129A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2023170858A1 (ja
Inventor
宣行 藤井
善弘 高井
悟 外山
研吾 平塚
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Electric Corp filed Critical Mitsubishi Electric Corp
Application granted granted Critical
Publication of JP7237248B1 publication Critical patent/JP7237248B1/ja
Publication of JPWO2023170858A1 publication Critical patent/JPWO2023170858A1/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F25REFRIGERATION OR COOLING; COMBINED HEATING AND REFRIGERATION SYSTEMS; HEAT PUMP SYSTEMS; MANUFACTURE OR STORAGE OF ICE; LIQUEFACTION SOLIDIFICATION OF GASES
    • F25BREFRIGERATION MACHINES, PLANTS OR SYSTEMS; COMBINED HEATING AND REFRIGERATION SYSTEMS; HEAT PUMP SYSTEMS
    • F25B41/00Fluid-circulation arrangements
    • F25B41/40Fluid line arrangements

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Thermal Sciences (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Compressor (AREA)

Abstract

圧縮機(101)を含む冷媒回路を備え、前記冷媒回路内に冷媒が封入されており、前記冷媒回路は、前記冷媒に触れる部品を有し、前記部品の前記冷媒に触れる表面は、結晶性樹脂材料を含み、前記結晶性樹脂材料は、示差走査熱量計を用いて昇温速度10℃/minで昇温した際に、前記示差走査熱量計により測定された熱量を時間で微分した値が、前記結晶性樹脂材料のガラス転移温度以上融点以下の温度領域に20μW/mg/min以上となる発熱ピークを有しない、冷凍サイクル装置。

Description

本開示は、冷凍サイクル装置に関する。
冷凍サイクル装置の信頼性を担保するために、冷凍サイクルに必須である冷媒および冷凍機油のみならず、冷凍サイクル装置に使用される部品に関して適切な設計が求められる。特に、一般的には金属材料と比較して劣化を生じやすい樹脂材料で構成される、絶縁フィルム、インシュレータ、各種弁等の部品について、材料の寿命も含めた適切な設計が求められる。これらの部品に使用される材料に関しては、冷凍サイクル装置内で生じ得る劣化モードに対して、適切に設計した材料を使用することで、冷凍サイクル装置の信頼性や生産性を担保することができる。
例えば、特許文献1(特開2004-52730号公報)には、密閉型電動圧縮機において、電動機を構成する絶縁体として適用されるインシュレータの材料に液晶ポリマー樹脂を用いることで、オリゴマーの低抽出性や耐熱性向上により信頼性を向上する方法が開示されている。また、特許文献2(特開2004-208446号公報)には、液晶ポリマーとして、結晶化潜熱および溶融時の生成ガス量が少ないものを使用することで、信頼性を確保しつつ生産性も向上することができる方法が開示されている。
特開2004-52730号公報 特開2004-208446号公報
従来、冷凍サイクル装置の信頼性について、冷凍サイクル装置に用いられる樹脂材料を用いた部品に関連するものとして考慮されてきたことは、オリゴマーの抽出性の低い樹脂材料を用いることで、冷凍サイクル内の回路閉塞の要因となるスラッジの生成を抑制することや、樹脂材料自体の耐熱性や耐湿熱性を向上させることで、該部品を長期的に使用可能とすることであった。
しかし、該部品は、冷凍サイクル装置内において、冷媒が液状およびガス状のどちらの状態でも存在する可能性がある箇所に使用される。そして、該部品に染み込んだ液状の冷媒が、ガス状となることで膨張する作用により、樹脂材料の膨張が引き起こされる。これにより、該部品の変形が生じるため、冷凍サイクル装置の信頼性が低下するおそれがある。
本開示は、上記課題に鑑みてなされたものであり、冷媒に触れる部品に関して、膨張の発生が抑制された結晶性樹脂材料を用いることで、信頼性の向上した冷凍サイクル装置を提供することを目的とする。
圧縮機を含む冷媒回路を備え、
前記冷媒回路内に冷媒が封入されており、
前記冷媒回路は、前記冷媒に触れる部品を有し、
前記部品の前記冷媒に触れる表面は、結晶性樹脂材料を含み、
前記結晶性樹脂材料は、示差走査熱量計を用いて昇温速度10℃/minで昇温した際に、前記示差走査熱量計により測定された熱量を時間で微分した値が、前記結晶性樹脂材料のガラス転移温度以上融点以下の温度領域に20μW/mg/min以上となる発熱ピークを有しない、冷凍サイクル装置。
冷媒に触れる部品に関して、膨張の発生が抑制された結晶性樹脂材料を用いることで、信頼性の向上した冷凍サイクル装置を提供することができる。
図1は、本開示の実施の形態に係る冷凍サイクル装置の一例である空気調和機の概略構成図である。 図2は、本開示の実施の形態に係る圧縮機の一例を示す断面模式図である。 図3は、No.1の示差走査熱量測定のグラフである。 図4は、No.1の示差走査熱量測定値の時間微分値のグラフである。 図5は、No.2の示差走査熱量測定のグラフである。 図6は、No.2の示差走査熱量測定値の時間微分値のグラフである。
以下、本開示の実施の形態を図面を参照して説明する。なお、図面において、長さ、幅、厚さ、深さ等の寸法関係は図面の明瞭化と簡略化のために適宜変更されており、実際の寸法関係を表すものではない。
実施の形態1.
まず、冷凍サイクル装置の概要について簡単に説明する。図1は、実施の形態1に係る冷凍サイクル装置の一例である空気調和機の概略構成図である。空気調和機100は、例えば、建築物の室内の空気調和を行う。空気調和機100は、圧縮機101、室外熱交換器102、減圧装置103、室内熱交換器104、流路切替装置105、冷媒配管106等を備え、冷媒配管106によって圧縮機101と室外熱交換器102と減圧装置103と室内熱交換器104と流路切替装置105とが環状に接続されている。このため、圧縮機101と室外熱交換器102と減圧装置103と室内熱交換器104と流路切替装置105とを順次に介して冷媒が循環する冷媒回路が形成されている。
圧縮機101には、吐出口101aおよび吸入口101bが形成されており、吸入口101bから吸入した冷媒を圧縮して高温高圧のガス状態にして吐出口101aから吐出する。減圧装置103は、内部を通過する冷媒を減圧させる。減圧装置103には、例えば、電子膨張弁、キャピラリーチューブ等が用いられる。
このような冷凍サイクル装置の構成により冷媒回路100が形成され、液管およびガス管を介して冷媒回路100内を冷媒が循環する。
室外熱交換器102は、内部に第一の接続口102aおよび第二の接続口102bを繋ぐ流路が形成されており、流路を通過する冷媒と建築物の室外の空気との間で熱交換を行わせる。
室内熱交換器104は、内部に第一の接続口104aおよび第二の接続口104bを繋ぐ流路が形成されており、流路を通過する冷媒と建築物の室内の空気との間で熱交換を行わせる。
流路切替装置105は、冷媒回路を流れる冷媒の流れの向きを切り替える。具体的には、流路切替装置105は、aポート、bポート、cポートおよびdポートの4つのポートを有する四方弁である。
冷媒配管106は、第一の冷媒配管106a、第二の冷媒配管106b、第三の冷媒配管106c、第四の冷媒配管106d、第五の冷媒配管106eおよび第六の冷媒配管106fで構成される。第一の冷媒配管106aは、圧縮機101の吐出口101aと流路切替装置105のaポートとを接続する。第二の冷媒配管106bは、流路切替装置105のbポートと室外熱交換器102の第一の接続口102aとを接続する。第三の冷媒配管106cは、室外熱交換器102の第二の接続口102bと減圧装置103とを接続する。第四の冷媒配管106dは、減圧装置103と室内熱交換器104の第一の接続口104aとを接続する。第五の冷媒配管106eは、室内熱交換器104の第二の接続口104bと流路切替装置105のcポートとを接続する。第六の冷媒配管106fは、流路切替装置105のdポートと圧縮機101の吸入口101bとを接続する。
次に、空気調和機100に形成された冷媒回路を流れる冷媒の流れについて説明する。空気調和機100では、流路切替装置105によって冷房時の冷媒回路と暖房時の冷媒回路との2種類の冷媒回路が形成される。
冷房時の冷媒回路を流れる冷媒の流れについて説明する。図2は、本実施の形態に係る圧縮機の一例を示す断面模式図である。冷房時の冷媒回路では、流路切替装置105は、図2の実線が示すように、aポートとbポートとが接続し、cポートとdポートとが接続する状態になる。圧縮機101の吐出口101aから吐出された高温高圧のガス状態の冷媒は、第一の冷媒配管106a、流路切替装置105および第二の冷媒配管106bを通過して第一の接続口102aから室外熱交換器102の内部の流路に流入する。室外熱交換器102の内部の流路を通過する冷媒は、室外の空気によって冷却される。すなわち、冷房時の冷媒回路において、室外熱交換器102は、凝縮器の役割を果たす。
室外熱交換器102で冷却された冷媒は、低温高圧の液状となって第二の接続口102bから室外熱交換器102の外部へ流出する。室外熱交換器102から流出した冷媒は、第三の冷媒配管106cを介して減圧装置103に流入する。減圧装置103に流入した低温高圧の液状の冷媒は、減圧されて低温低圧の気液2相状となって減圧装置103から流出する。減圧装置103から流出した冷媒は、第四の冷媒配管106dを介して第一の接続口104aから室内熱交換器104の内部の流路に流入する。室内熱交換器104の内部の流路を通過する冷媒は、室内の空気によって加熱される。換言すると、室内の空気は、室内熱交換器104の内部の流路を通過する冷媒によって冷却される。すなわち、冷房時の冷媒回路において、室内熱交換器104は、蒸発器の役割を果たす。
室内熱交換器104で加熱された冷媒は、高温低圧のガス状となって第二の接続口104bから室内熱交換器104の外部へ流出する。室内熱交換器104から流出した冷媒は、第五の冷媒配管106e、流路切替装置105および第六の冷媒配管106fを介して圧縮機101の吸入口101bから圧縮機101の内部に吸入される。圧縮機101の内部に吸入された冷媒は、再び高温高圧のガス状となって吐出口101aから吐出される。このように、冷媒が冷媒回路を流れることによって、室内の空気は冷却され、室内の空気調和を行うことができる。
暖房時の冷媒回路を流れる冷媒の流れについて説明する。暖房時の冷媒回路では、流路切替装置105は、図2の破線が示すように、aポートとcポートとが接続し、bポートとdポートとが接続する状態になる。圧縮機101の吐出口101aから吐出された高温高圧のガス状の冷媒は、第一の冷媒配管106a、流路切替装置105および第五の冷媒配管106eを通過して第二の接続口104bから室内熱交換器104の内部の流路に流入する。室内熱交換器104の内部の流路を通過する冷媒は、室内の空気によって冷却される。換言すると、室内の空気は、室内熱交換器104の内部の流路を通過する冷媒によって加熱される。すなわち、暖房時の冷媒回路において、室内熱交換器104は、凝縮器の役割を果たす。
室内熱交換器104で冷却された冷媒は、低温高圧の液状となって第一の接続口104aから室内熱交換器104の外部へ流出する。室内熱交換器104から流出した冷媒は、第四の冷媒配管106dを介して減圧装置103に流入する。減圧装置103に流入した低温高圧の液状の冷媒は、減圧されて低温低圧の気液2相状となって減圧装置103から流出する。減圧装置103から流出した冷媒は、第三の冷媒配管106cを介して第二の接続口102bから室外熱交換器102の内部の流路に流入する。室外熱交換器102の内部の流路を通過する冷媒は、室外の空気によって加熱される。すなわち、暖房時の冷媒回路において、室外熱交換器102は、蒸発器の役割を果たす。
室外熱交換器102で加熱された冷媒は、高温低圧のガス状となって第一の接続口102aから室外熱交換器102の外部へ流出する。室外熱交換器102から流出した冷媒は、第二の冷媒配管106b、流路切替装置105および第六の冷媒配管106fを介して圧縮機101の吸入口101bから圧縮機101の内部に吸入される。圧縮機101の内部に吸入された冷媒は、再び高温高圧のガス状となって吐出口101aから吐出される。このように、冷媒が冷媒回路を流れることによって、室内の空気は加熱され、室内の空気調和を行うことができる。
<冷媒>
次に、本実施の形態において、冷媒回路内に封入される冷媒について説明する。本実施の形態で用いられる冷媒は、特に制限はないが、例えば、地球温暖化係数(Global Warming Potential:GWP)が750以下であることが好ましい。冷媒のGWPが750以下の場合、環境性能に優れ、法令上の規制に対する適合性が高いからである。また、冷媒のGWPが750以下の場合、冷凍サイクル装置として冷凍機のみでなく空気調和機にも使用可能となる。なお、GWPとしては、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)第五次評価報告書(AR5)の値(100年値)が用いられる。また、AR5に記載されていない冷媒のGWPは、他の公知文献に記載された値を用いてもよいし、公知の方法を用いて算出または測定した値を用いてもよい。
GWPが750以下の冷媒としては、例えば、R32、R454A、R454B、R454C、R466A、R513A、R290、R1234yf等が挙げられる。
また、本実施の形態で用いられる冷媒は、例えば、ISO817:2014において、燃焼性区分が不燃性に分類される冷媒であることが好ましい。燃焼性区分が不燃性に分類される冷媒を用いることで、冷凍サイクル装置に漏洩した冷媒を拡散させる手段、設備または構造と、冷媒漏洩を検知するセンサと、センサが冷媒漏洩を検知した時に発報する発報装置と、を設ける必要がなくなるからである。また、燃焼性区分が不燃性に分類される冷媒は、法令上の規制で可燃性冷媒の使用が認められていない地域でも使用可能となる。
ISO817:2014において、燃焼性区分が不燃性に分類される冷媒としては、例えば、R134a、R407H、R410A、R448A、R449A、R463A、R466A、R513A、R744等が挙げられる。
<圧縮機>
本実施の形態において、冷凍サイクル装置は、圧縮機を備える。冷媒は、圧縮機の内部を通過する。
図2は、本実施の形態に係る圧縮機の一例を示す断面模式図であり、具体的には、スクロール圧縮機について、モータの主軸の軸方向に平行な断面で切断した断面図である。ただし、本実施の形態において、圧縮機としては、スクロール圧縮機に限定されず、例えば、ロータリー圧縮機、スクリュー圧縮機等を用いてもよい。
圧縮機101は、シェル11を備える。シェル11は、内部に圧縮機構12を備え、圧縮機構12を駆動する電動機13を、下部空間16に備える。また、シェル11には、冷媒を内部に入れる吸入管14と、外部に流出させるための吐出管15とが接続されている。
吸入管14から入った冷媒は、電動機13等が収められたシェル11の下部空間16に流れる。下部空間16に流れた冷媒は、電動機13の隙間等を通って電動機13を冷却した後に、圧縮機構12に吸入されて圧縮機構12の吐出口12aからシェル11の上部空間18を経て、この空間に接続された吐出管15から吐出される。すなわち、圧縮機構12は、吸入管14からシェル11に流入した冷媒を圧縮して吐出管15から吐出するように構成されている。
圧縮機構12は、固定スクロールの歯と揺動スクロールの歯との組み合わせからなるスクロール型の圧縮機構である。揺動スクロールが揺動することによって、周囲の固定スクロールの歯の間から吸入した冷媒を、中央に向かうにつれて圧縮して固定スクロールの台板12bの中央の吐出口12aから上部空間18に吐出する。上部空間18と下部空間16とは、固定スクロールの台板12bで仕切られている。上部空間18は、下部空間16に比べて容積が小さく、シェル11の大部分が吸入した冷媒ガスの圧力となる。すなわち、該圧縮機101は、低圧シェル型圧縮機である。
電動機13は、駆動軸19によって、圧縮するための力を圧縮機構12に伝える。例えば、圧縮機101にクランクが配置されており、このクランクによって駆動軸19の回転が、揺動スクロールの揺動運動となるように構成されている。
圧縮機101は、駆動軸19をシェル11内に回転できるように保持するため、軸受けを有する主フレーム20を備え、主フレーム20の下方に副フレーム21を備える。
圧縮機101は、圧縮機構12の内部、駆動軸19の軸受け等に摺動部を有する。摺動部の潤滑のため、圧縮機101には、下方に位置する油溜部22に冷凍機油が貯留されている。油溜部22に貯留された冷凍機油は、駆動軸19の軸内に設けられた給油孔19aを通じて駆動軸19の軸受けおよび圧縮機構12の内部の摺動部に供給される。低圧シェル型の圧縮機101は、給油孔19aを介して圧縮機構12の内部に潤滑油の給油を行うため、駆動軸19の下方に油ポンプ17が設置されている。
本実施の形態で用いられる冷凍機油としては、特に制限はないが、例えば、ポリオールエステル油、ポリビニルエーテル油、ポリアルキレングリコール油、アルキルベンゼン油、鉱物油、ポリα―オレフィン、または、それらの混合物等が挙げられる。
また、冷凍機油には、油中添加剤として、酸化防止剤、酸捕捉剤、極圧剤(摩耗防止剤)が含まれていてもよい。
酸化防止剤としては、2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェノール、2,6-ジ-tert-ブチル-4-エチルフェノール、2,2’-メチレンビス(4-メチル-6-tert-ブチルフェノール)等のフェノール系、フェニル-α-ナフチルアミン、N.N’-ジ-フェニル-p-フェニレンジアミン等のアミン系が挙げられる。
酸捕捉剤としては、フェニルグリシジルエーテル、アルキルグリシジルエーテル、アルキレングリコールグリシジルエーテル、シクロヘキセンオキシド、α-オレフィンオキシド、エポキシ化大豆油等のエポキシ化合物が挙げられ、グリシジルエステル、グリシジルエーテル、α-オレフィンオキシドが好ましい。
極圧剤(摩耗防止剤)としては、リン酸エステル、酸性リン酸エステル、亜リン酸エステル、酸性亜リン酸エステルおよびこれらのアミン塩等のリン系極圧剤を挙げられ、トリクレジルホスフェート、トリチオフェニルホスフェート、トリ(ノニルフェニル)ホスファイト、ジオレイルハイドロゲンホスファイト、2-エチルヘキシルジフェニルホスファイト等が好ましい。
ただし、冷凍機油に水分が含まれると、冷媒、冷凍機油、圧縮機内材料の劣化を促進させるおそれがあるため、充填される冷凍機油に含まれる水分は、100重量ppm以下に制御する必要がある。
<部品>
本実施の形態において、冷媒回路は、冷媒に触れる部品を有する。部品の冷媒に触れる表面は、後述する結晶性樹脂材料を含む。
該部品としては、例えば、電動機13に含まれるインシュレータおよび絶縁フィルム、四方弁105、冷媒配管106に含まれる逆止弁等の樹脂製の部品が挙げられる。
なお、樹脂製の部品は、冷媒に触れる表面のみが本実施の形態の結晶性樹脂材料により構成されていてもよいし、樹脂部全体が本実施の形態の結晶性樹脂材料により構成されていてもよい。
<結晶性樹脂材料>
本実施の形態において、部品の冷媒に触れる表面は、結晶性樹脂材料を含む。結晶性樹脂材料としては、例えば、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、液晶ポリマー(LCP)等が挙げられる。本実施の形態における結晶性樹脂材料は、示差走査熱量計(Differential Scanning Calorimeter:DSC)を用いて昇温速度10℃/minで昇温した際に、DSCにより測定された熱量を時間で微分した値(DDSC)が、結晶性樹脂材料のガラス転移温度以上融点以下の温度領域に20μW/mg/min以上となる発熱ピークを有しない。以下、該結晶性樹脂材料を使用するに至った理由を説明する。
冷媒は、圧縮機101によって循環する。冷媒回路内においては、冷媒は、液状またはガス状で存在する。冷媒の状態は、例えば、冷凍サイクル装置の稼働、停止、運転状態の切替等によって、液状からガス状またはガス状から液状に相転移する。
上述の部品は、冷媒が液状およびガス状のどちらの状態でも存在し得る箇所に使用される。冷媒が液状の場合、従来の樹脂材料により構成されていた部品では、冷媒が染み込むおそれがあった。染み込んだ液状の冷媒は、ガス状の冷媒に相転移する場合、体積が増加する。そのため、樹脂材料も膨張し、部品が変形する結果、冷凍サイクル装置の信頼性が低下するおそれがあった。
そこで、本発明者らは、上記の問題を鑑みて、冷媒の作用によって膨張が生じない樹脂材料について鋭意検討した結果、上述の結晶性樹脂材料を案出した。
本実施の形態の結晶性樹脂材料は、結晶構造を有する樹脂材料であるが、結晶構造を有しない非晶部を含んでいてもよい。結晶性樹脂材料の結晶状態を分析する方法としては、DSCが一般的に使用される。DSCは、温度を設定した速度で上昇させながら、熱量を測定することが可能な装置である。温度上昇に伴って測定試料の状態が変化するとき、測定試料が周辺の熱を吸収するまたは発する場合がある。したがって、DSCによる測定で、測定試料の状態変化を確認することができる。
非晶部を含む結晶性樹脂材料の場合、DSCで昇温(昇温速度:10℃/min)する過程において、ガラス転移温度以上融点以下の温度領域で非晶部の結晶化が生じ、熱が発せられる。そのため、DSCによる昇温測定で、発熱ピークを持つ場合は、十分な結晶部を有しない結晶性樹脂材料であるということを確認することができる。
一方、上述のDSCによる昇温測定では、発熱ピークを持つことで非晶部を含むことは確認できるものの、結晶性樹脂材料の種類や結晶性樹脂材料以外に含まれる成分によって発熱ピークの絶対値は変化する。例えば、結晶性樹脂材料に加えてガラス繊維等のフィラーを含む場合、発熱ピークが小さくなり、結晶性樹脂材料が非晶部を含むか否かの確認が困難になるおそれがある。
そこで、本発明者らは、上述のDSCにより測定された熱量を時間で微分した値、すなわち、DDSCを用いることで、上記のような要因を排除することを可能とした。DDSCが高いことは、ベースラインから急激な変化があることを意味し、発熱ピークの有無を確認することが可能となる。
ただし、測定ノイズを加味して、DDSCが、結晶性樹脂材料のガラス転移温度以上融点以下の温度領域に20μW/mg/min以上となる発熱ピークを有しない場合を、本実施の形態における結晶性樹脂材料とした。なお、本実施の形態において、DDSCが上述の値を示す場合、非晶部において結晶化が生じていることを意味するため、十分な結晶部を有しない結晶性樹脂材料であるということを数値的に確認することができる。
以下、実施例を挙げて本開示を詳細に説明するが、本開示はこれらに限定されるものではない。
<評価試験1>
結晶性樹脂材料の測定試料として、PPS(No.1および2)を準備した。これらの測定試料を、示差走査熱量分析装置(株式会社日立ハイテクサイエンス社製、DSC6220)により、下記の条件で示差走査熱量測定を実施した。また、測定された熱量を時間で微分することで、DDSCを求めた。結果を図3~6に示す。図3および5は、No.1および2の示差走査熱量測定の各グラフであり、図4および6は、No.1および2のDDSCの各グラフである。なお、PPSのガラス転移温度は85℃であり、融点は280℃である。
《測定条件》
サンプル量:2~10mg
雰囲気ガス:窒素
温度範囲 :50~300℃
昇温速度 :10℃/min
図3中、点線で囲んだ発熱ピークが、測定試料の結晶化に伴う発熱ピークであり、図4中、点線で囲んだ上に凸のピークが、上記発熱ピークに相当する。図4から、No.1のDDSCは、ガラス転移温度以上融点以下の温度領域で約1050μW/mg/minとなる発熱ピークを有することが確認された。
一方、図5中、点線で囲んだ部分に発熱ピークは存在せず、図6中、点線で囲んだ部分に上に凸のピークも存在しない。すなわち、図6から、No.2のDDSCは、ガラス転移温度以上融点以下の温度領域で20μW/mg/min以上となる発熱ピークを有さないことが確認された。
以上のように、No.1では、ガラス転移温度以上融点以下の温度領域に20μW/mg/min以上となる発熱ピークを有し、No.2では、ガラス転移温度以上融点以下の温度領域に20μW/mg/min以上となる発熱ピークを有しないことから、No.1は、十分な結晶部を有しないPPSであり、No.2は、十分な結晶部を有するPPSであることが確認された。
<評価試験2>
上述のNo.1および2からなる試験片(厚み:3mm)を準備した。各試験片に、液状の冷媒を浸透させ、加温によりガス状の冷媒に相転移させることを、表1に示す回数繰り返し行った場合の各試験片の厚みの変化(膨張率)を測定した。結果を表1に示す。
Figure 0007237248000001
表1に示すように、No.1では、上記の行為を1回行うことで試験片が膨張し、回数を重ねることで膨張率も増加した。一方、No.2では、上記の行為を1回行っても試験片は膨張せず、回数を重ねても膨張率に変化はなかった。
<評価試験3>
評価試験2において使用したNo.1および2の試験片に加えて、同じ厚みのPPS(No.3)の試験片を準備した。No.3の試験片に関して、評価試験2と同様の試験を5回繰り返し行った場合の膨張率を測定した。結果を表2に示す。No.1および2の試験片に関しても、同様に5回繰り返し行った場合の膨張率を記載している。なお、No.3のPPSは、評価試験1と同様の条件でDDSCを求めたところ、ガラス転移温度以上融点以下の温度領域で約640μW/mg/minであることが確認されている。
Figure 0007237248000002
表2より、各試験片の膨張率はNo.2<No.3<No.1の順番であった。これは、各試験片を構成するPPSのDDSCにおいて、ガラス転移温度以上融点以下の温度領域における発熱ピークの大きさと一致する。すなわち、該発熱ピークの大きさと膨張率には相関性があることが確認された。
評価試験1~3の結果より、DSCを用いて昇温速度10℃/minで昇温した際に、DDSCが、PPSのガラス転移温度以上融点以下の温度領域に20μW/mg/min以上となる発熱ピークを有しない場合、試験片は膨張しないことが確認された。したがって、冷凍サイクル装置内の冷媒に触れる部品にこのような結晶性樹脂材料を用いることで、冷凍サイクル装置全体の信頼性を確保することができると考えられる。
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本開示の範囲は上記した説明ではなくて請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
100 空気調和機、101 圧縮機、101a 吐出口、101b 吸入口、102 室外熱交換器、102a 第一の接続口、102b 第二の接続口、103 減圧装置、104 室内熱交換器、104a 第一の接続口、104b 第二の接続口、105 流路切替装置、106 冷媒配管、106a 第一の冷媒配管、106b 第二の冷媒配管、106c 第三の冷媒配管、106d 第四の冷媒配管、106e 第五の冷媒配管、106f 第六の冷媒配管、11 シェル、12 圧縮機構、12a 吐出口、12b 台板、13 電動機、14 吸入管、15 吐出管、16 下部空間、17 油ポンプ、18 上部空間、19 駆動軸、19a 給油孔、20 主フレーム、20a 軸受、21 副フレーム、21a 副軸受、22 油溜部。

Claims (3)

  1. 圧縮機を含む冷媒回路を備え、
    前記冷媒回路内に冷媒が封入されており、
    前記冷媒回路は、前記冷媒に触れる部品を有し、
    前記部品の前記冷媒に触れる表面は、結晶性樹脂材料を含み、
    前記結晶性樹脂材料は、示差走査熱量計を用いて昇温速度10℃/minで昇温した際に、前記示差走査熱量計により測定された熱量を時間で微分した値が、前記結晶性樹脂材料のガラス転移温度以上融点以下の温度領域に20μW/mg/min以上となる発熱ピークを有しない、冷凍サイクル装置。
  2. 前記部品は、インシュレータ、絶縁フィルム、四方弁および逆止弁からなる群より選択される少なくとも1種である、請求項1に記載の冷凍サイクル装置。
  3. 前記結晶性樹脂材料は、ポリフェニレンサルファイド、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートおよび液晶ポリマーからなる群より選択される少なくとも1種である、請求項1または請求項2に記載の冷凍サイクル装置。
JP2022544129A 2022-03-10 2022-03-10 冷凍サイクル装置 Active JP7237248B1 (ja)

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
PCT/JP2022/010570 WO2023170858A1 (ja) 2022-03-10 2022-03-10 冷凍サイクル装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP7237248B1 true JP7237248B1 (ja) 2023-03-10
JPWO2023170858A1 JPWO2023170858A1 (ja) 2023-09-14

Family

ID=85503249

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2022544129A Active JP7237248B1 (ja) 2022-03-10 2022-03-10 冷凍サイクル装置

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP7237248B1 (ja)
WO (1) WO2023170858A1 (ja)

Citations (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0560254A (ja) * 1991-07-29 1993-03-09 Ranco Japan Ltd 切替弁
JPH05268740A (ja) * 1992-03-17 1993-10-15 Seiko Epson Corp 冷凍サイクル用コンプレッサ
JP2002349347A (ja) * 2001-05-22 2002-12-04 Sharp Corp スターリングエンジン
JP2008222888A (ja) * 2007-03-14 2008-09-25 Asahi Kasei Chemicals Corp 無機充填材含有ポリエステルシート
JP2008266572A (ja) * 2007-01-17 2008-11-06 Mitsubishi Chemicals Corp 樹脂組成物及びその製造方法、並びに共重合体
JP2010060262A (ja) * 2008-08-04 2010-03-18 Sanden Corp 冷凍回路用樹脂材料
JP2011148251A (ja) * 2010-01-25 2011-08-04 Sumitomo Bakelite Co Ltd カードの製造方法
WO2012011487A1 (ja) * 2010-07-21 2012-01-26 東レ株式会社 プリプレグ、繊維強化複合材料およびプリプレグの製造方法
WO2012133502A1 (ja) * 2011-03-29 2012-10-04 日油株式会社 燃料油用流動性向上剤及び燃料油組成物
JP6976494B1 (ja) * 2021-02-09 2021-12-08 三菱電機株式会社 冷凍サイクル装置および圧縮機

Patent Citations (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0560254A (ja) * 1991-07-29 1993-03-09 Ranco Japan Ltd 切替弁
JPH05268740A (ja) * 1992-03-17 1993-10-15 Seiko Epson Corp 冷凍サイクル用コンプレッサ
JP2002349347A (ja) * 2001-05-22 2002-12-04 Sharp Corp スターリングエンジン
JP2008266572A (ja) * 2007-01-17 2008-11-06 Mitsubishi Chemicals Corp 樹脂組成物及びその製造方法、並びに共重合体
JP2008222888A (ja) * 2007-03-14 2008-09-25 Asahi Kasei Chemicals Corp 無機充填材含有ポリエステルシート
JP2010060262A (ja) * 2008-08-04 2010-03-18 Sanden Corp 冷凍回路用樹脂材料
JP2011148251A (ja) * 2010-01-25 2011-08-04 Sumitomo Bakelite Co Ltd カードの製造方法
WO2012011487A1 (ja) * 2010-07-21 2012-01-26 東レ株式会社 プリプレグ、繊維強化複合材料およびプリプレグの製造方法
WO2012133502A1 (ja) * 2011-03-29 2012-10-04 日油株式会社 燃料油用流動性向上剤及び燃料油組成物
JP6976494B1 (ja) * 2021-02-09 2021-12-08 三菱電機株式会社 冷凍サイクル装置および圧縮機

Also Published As

Publication number Publication date
JPWO2023170858A1 (ja) 2023-09-14
WO2023170858A1 (ja) 2023-09-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20200208882A1 (en) Refrigeration cycle apparatus
KR102137609B1 (ko) 냉동 장치
WO2020044721A1 (ja) 冷凍サイクル装置
CN105907376B (zh) 冷冻空调用压缩机及冷冻空调装置
RU2461599C2 (ru) Фторированные композиции и системы, применяющие такие композиции
CN110832051B (zh) 制冷剂组合物以及使用其的冷冻循环装置
CN109072895B (zh) 电动压缩机及冷冻空调装置
JP2011052032A (ja) 2,3,3,3−テトラフルオロプロペンを用いた冷凍空調装置
JP7237248B1 (ja) 冷凍サイクル装置
EP1174665B1 (en) Freezer
JP2015014395A (ja) 空気調和機
KR102103225B1 (ko) 냉동 장치
WO2015093183A1 (ja) 空調装置
JP2003336916A (ja) 冷凍サイクル及びヒートポンプ式給湯機
KR20160030998A (ko) 압축기 및 냉동 사이클 장치
WO2013084431A1 (ja) 空気調和機
JP6522345B2 (ja) 冷凍装置及び密閉型電動圧縮機
WO2022024342A1 (ja) 冷凍サイクル装置および圧縮機
WO2020050022A1 (ja) 電動圧縮機及びこれを用いた冷凍空調装置
JP3437177B2 (ja) 冷蔵庫
JP7053938B1 (ja) 冷凍サイクル装置
JP2001152172A (ja) 冷凍機油
JPH08240362A (ja) 冷凍装置
JP2002194369A (ja) 空調用作動媒体組成物及び該組成物を用いた空調機
JP2005098611A (ja) 冷媒圧縮機及び冷凍装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20220720

A871 Explanation of circumstances concerning accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871

Effective date: 20220720

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20220906

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20230131

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20230228

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7237248

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150