JPH05268740A - 冷凍サイクル用コンプレッサ - Google Patents

冷凍サイクル用コンプレッサ

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JPH05268740A
JPH05268740A JP6040492A JP6040492A JPH05268740A JP H05268740 A JPH05268740 A JP H05268740A JP 6040492 A JP6040492 A JP 6040492A JP 6040492 A JP6040492 A JP 6040492A JP H05268740 A JPH05268740 A JP H05268740A
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JP
Japan
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compressor
drive motor
closed container
refrigeration cycle
stator
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Application number
JP6040492A
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Inventor
Takashi Nagate
手 隆 長
Yoshihiko Yamagishi
岸 善 彦 山
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Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 製造が容易であり、かつ、適正な締付力によ
って駆動モータを密閉容器の内周面に固定する高効率の
冷凍サイクル用コンプレッサを提供する。 【構成】 駆動モータ6の固定子鉄心13の外周面に、
密閉容器2の内径より僅かに大きな外径を有する嵌合部
13aを形成し、この嵌合部13aの僅か内側に、嵌合
部13aの周方向長さより長いスリット13bを形成
し、嵌合部13aを半径方向に圧縮した状態で密閉容器
2の内部に圧入した。密閉容器2の内周面に、少なくと
も表面が耐冷媒性の熱硬化性樹脂によって形成された樹
脂筒22を嵌着し、この樹脂筒22の内側に樹脂筒22
の内径より僅かに大径の駆動モータ6の固定子10を圧
入した。密閉容器2の内周面と固定子鉄心13の外周面
の間に、樹脂を注入して固定子鉄心13を固定した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は冷媒が流通する密閉容器
の内部に、駆動モータと圧縮装置とを直列的に配設し、
駆動モータの回転によって圧縮装置で冷媒を圧縮するよ
うにした冷凍サイクル用コンプレッサに関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、冷媒が流通する密閉容器の内部
に、駆動モータと、圧縮装置とを直列的に配設し、密閉
容器の内径より僅かに大きな径を有する駆動モータの固
定子鉄心を焼き嵌めによって直接密閉容器の内部に固定
するようにした冷凍サイクル用コンプレッサが知られて
いる。
【0003】図5は従来のスクロール形の冷凍サイクル
用コンプレッサの縦断面を示している。全体を符号31
で示すスクロール形の冷凍サイクル用コンプレッサは、
冷媒が流通する密閉容器32を有している。この密閉容
器32の内部には、固定翼部材33と旋回翼部材34と
からなるスクロール形圧縮装置35と、駆動モータ36
とが上下直列的に配設されている。前記固定翼部材33
と旋回翼部材34はそれぞれスクロール翼33a,34
aを有し、これらスクロール翼33a,34aが互いに
係合して、翼の間に圧縮室37を形成している。旋回翼
部材34は、下面に被駆動軸34bを有し、オルダムリ
ング38の作用により、回転することなく旋回運動を行
うように構成されている。スクロール翼33a,34a
は、旋回翼部材34の旋回運動によって、圧縮室37の
体積を減少させるような形状を有している。駆動モータ
36は、回転子39と固定子40と駆動軸41とから構
成されている。前記固定子40は、固定子鉄心42と励
磁用コイル43とからなる。駆動軸41は、垂直に回転
自在に支承され、上端部で被駆動軸34bと偏心的に遊
嵌している。上記の構造により、駆動モータ36を作動
させたとき、駆動軸41は、被駆動軸34bを介して旋
回翼部材34を旋回駆動する。旋回翼部材34の旋回駆
動により、圧縮室37内の冷媒は圧縮され、吐出管44
より外部の高圧回路に吐出される。これに伴って、吸入
管45から低圧の冷媒が吸入され、圧縮室37に向かっ
て密閉容器32の内部を上昇する。
【0004】図6は、従来の冷凍サイクル用コンプレッ
サ31の横断面を示している。固定子鉄心42の外周面
は、密閉容器32と嵌合する嵌合部42aと、密閉容器
32の内周面との間に間隙を有する部分とを周方向に交
互に有している。固定子鉄心42は、いわゆる焼嵌めの
方法により密閉容器32の内周面に固定されている。す
なわち、固定子鉄心42は、嵌合部42aにおいて、常
温で密閉容器32の内径より僅かに大きな外径を有して
いる。組み立て時に、密閉容器32は、内径が固定子鉄
心42の外径より大きくなるように熱せられ、固定子鉄
心42を挿入した後に、常温に冷却する。密閉容器32
の冷却により、密閉容器32と固定子鉄心42は密着し
て脱落することがない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記焼
き嵌めによって固定子鉄心を直接密閉容器の内周面に固
定する従来の冷凍サイクル用コンプレッサでは、固定子
鉄心と密閉容器の大きな剛性のために、極めて小さな焼
き嵌め代の寸法誤差が極めて大きな締付力の相違にな
る。しかも、一般に密閉容器は引抜き加工あるいは深絞
り加工によって形成されるので、その内径の寸法誤差は
大きく、このため、固定子鉄心が大きすぎる締付力によ
って変形し、あるいは、逆に小さすぎる締付け力によっ
て脱落した。コンプレッサ全体の重量が必要以上に大き
いという問題もあった。また、上記従来の冷凍サイクル
用コンプレッサは、焼き嵌めによって固定子鉄心を密閉
容器の内周面に固定しているので、固定子鉄心が直接密
閉容器に接しており、運転中に駆動モータの磁束が前記
固定子鉄心と密閉容器の接触面を通って密閉容器の壁体
あるいは外部の空間に流れる。密閉容器の壁体は一般に
比透磁率が低いため、磁束が通過するときに渦電流を生
じてエネルギが熱として損失し、モータの効率が悪かっ
た。さらに、製造面から見れば、焼き嵌めによる適正な
締付力を得るために、上記従来の冷凍サイクル用コンプ
レッサは、高い寸法精度管理を必要とし、このことによ
り、冷凍サイクル用コンプレッサ全体の製造が困難であ
った。そこで本発明の目的は、製造が容易であり、か
つ、適正な締付力によって駆動モータを密閉容器の内周
面に固定でき、駆動モータの固定子鉄心の変形や脱落を
防止できる高効率の冷凍サイクル用コンプレッサを提供
することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明の冷凍サイクル用コンプレッサは、冷媒が流通
する密閉容器の内部に、駆動モータと、圧縮装置とを直
列的に配設した冷凍サイクル用コンプレッサにおいて、
前記駆動モータの固定子鉄心の外周面は、前記密閉容器
の内径より僅かに大きな外径を有する嵌合部を有し、こ
の嵌合部の僅か内側には、嵌合部の周方向長さより長い
スリットが嵌合部の外周面に沿って設けられ、前記駆動
モータは、前記嵌合部が固定子鉄心の半径方向に圧縮さ
れた状態で前記密閉容器の内部に圧入されていることを
特徴とするものである。
【0007】また、本発明の冷凍サイクル用コンプレッ
サは、冷媒が流通する密閉容器の内部に、駆動モータ
と、圧縮装置とを直列的に配設した冷凍サイクル用コン
プレッサにおいて、前記密閉容器の内周面に、少なくと
も表面が耐冷媒性の熱硬化性樹脂によって形成された樹
脂筒を嵌着し、この樹脂筒の内側に樹脂筒の内径より僅
かに大きな外径を有する駆動モータの固定子を圧入して
固定したことを特徴とするものである。
【0008】また、本発明の冷凍サイクル用コンプレッ
サは、冷媒が流通する密閉容器の内部に、駆動モータ
と、圧縮装置とを直列的に配設した冷凍サイクル用コン
プレッサにおいて、前記密閉容器の内部に密閉容器の内
径より小さな外径を有する前記駆動モータの固定子を配
置し、この固定子の外周面と密閉容器の内周面との隙間
に、耐冷媒性の熱硬化性樹脂を注入・硬化させて固定子
を密閉容器の内部に固定したことを特徴とするものであ
る。
【0009】
【作用】固定子鉄心の外周面に嵌合部を設け、嵌合部の
内側にスリットを設けた上記本発明の冷凍サイクル用コ
ンプレッサは、固定子鉄心の嵌合部が密閉容器の内径よ
り僅かに大きな外径を有し、かつ、嵌合部の外周面の内
側に嵌合部の周方向長さより長いスリットを有している
ので、嵌合部の外周面が、スリットの変形によって半径
方向に弾性的に変形することができる。本発明の冷凍サ
イクル用コンプレッサは、駆動モータが上記嵌合部を半
径方向に圧縮した状態で密閉容器の内部に圧入されてい
るので、嵌合部が密閉容器の内部で弾性的に復元しよう
とし、その反作用として密閉容器の締付力を受ける。こ
の密閉容器の反作用としての締付力により、駆動モータ
は密閉容器の内部に固定される。上述したように、嵌合
部が弾性的に変形することができるので、固定子鉄心お
よび密閉容器の多少の寸法誤差を吸収でき、したがって
寸法誤差の許容範囲を大きくでき、加工を容易なものに
することができる。また、固定子の磁極部の変形の面か
らみれば、密閉容器の締付力は、固定子鉄心の嵌合部に
のみ作用するので、固定子の磁極部が締付力によって変
形することがない。このため、固定子と回転子との磁極
の間の距離を小さくでき、高効率の駆動モータを得るこ
とができる。さらに、この冷凍サイクル用コンプレッサ
は、固定子鉄心の嵌合部内側にスリットを有しているの
で、駆動モータの磁束がスリットによってシールドさ
れ、固定子鉄心の内部に閉じ込められ、高効率の駆動モ
ータを得ることができる。また、運転中に冷媒がスリッ
トの内部を流れることにより、固定子を効率よく冷却す
ることができ、温度上昇を抑制して、高出力の駆動モー
タを得ることができる。また、スリットによって、重量
が軽減できる利点もある。
【0010】一方、密閉容器の内周面に弾性変形可能な
樹脂筒を嵌着し、この樹脂筒の内部に樹脂筒の内径より
僅かに大きい外径を有する固定子鉄心を圧入するように
した冷凍サイクル用コンプレッサと、密閉容器の内周面
と固定子鉄心の外周面との間に耐冷媒性の熱硬化性樹脂
を注入・硬化させた冷凍サイクル用コンプレッサは、密
閉容器の内周面と固定子鉄心の外周面の間に介在する樹
脂筒および樹脂層が、壁体の厚さ方向に圧縮され、その
弾性復元力として密閉容器に対しては半径方向外向きの
圧縮力、固定子鉄心に対しては半径方向内向きの圧縮力
を作用させる。この樹脂筒および樹脂層の壁体の弾性復
元力によって、固定子鉄心は、樹脂筒を介して密閉容器
の内部に固定される。上記樹脂筒および樹脂層の壁体の
弾性復元力は、駆動モータを焼き嵌めによって密閉容器
の内側に固定した場合の密閉容器の締付力と比較して小
さいので、固定子鉄心を変形させるのに至らない。ま
た、樹脂筒および樹脂層を形成する樹脂は、金属と比較
して縦弾性係数が小さいので、駆動モータと密閉容器の
寸法誤差によって締付力が激しく変化することがない。
このことにより、駆動モータと密閉容器に多少の寸法の
誤差がある場合でも、樹脂筒および樹脂層によってこれ
を吸収し、許容範囲内の締付力で駆動モータを固定する
ことができる。さらに、上記磁気シールド層を有する樹
脂筒および樹脂層を介して駆動モータの固定子を固定し
た冷凍サイクル用コンプレッサでは、固定子の外周を磁
気シールド層を有する樹脂筒および樹脂層が取り囲んで
いるので、駆動モータの磁束が外部空間に洩れることな
い。このことより、高効率の駆動モータを得ることがで
きるとともに、洩れた磁束によってコンプレッサを備え
た装置の信号ケーブルに誤信号を生じることがない。
【0011】
【実施例】以下、本発明の実施例について添付の図面を
参照して説明する。図1は、固定子鉄心にスリットを設
けた本発明によるスクロール形の冷凍サイクル用コンプ
レッサの側面の断面を示している。全体を符号1で示す
スクロール形の冷凍サイクル用コンプレッサは、内部を
冷媒が流通する密閉容器2を有している。この密閉容器
2の内部には、固定翼部材3と旋回翼部材4とからなる
スクロール形圧縮装置5と、駆動モータ6とが上下に直
列的に配設されている。前記固定翼部材3は、その下面
にスクロール翼3aを有している。前記旋回翼部材4
は、上面にスクロール翼4aを有している。この固定翼
部材3と旋回翼部材4のスクロール翼3a,4aは互い
に係合して、翼の間に圧縮室7を形成している。前記旋
回翼部材3,4のスクロール翼3a,4aは、相対的な
旋回運動を行った場合に、前記圧縮室7の容積が漸次小
さくなるような形状に形成されている。旋回翼部材4は
フレーム8の上面に滑動自在に支承され、かつ、滑動す
るときは、オルダムリング9の作用により、回転するこ
となく、旋回運動を行うように構成されている。旋回翼
部材4の下面には被駆動軸4bが突設されている。駆動
モータ6は、上記スクロール形圧縮装置5の下方に設け
られている。駆動モータ6の固定子10と回転子11と
駆動軸12とから構成されている。固定子10は、固定
子鉄心13と励磁用コイル14とからなり、密閉容器2
の内周面に固定されている。駆動軸12は、フレーム8
のベアリング部8aとベアリング15とによって上下端
がそれぞれ回転自在に支承されている。駆動軸12の外
周面には、前記回転子11が固着されている。駆動軸1
2の上端部は、偏心孔12aを有する係合部12bに形
成されている。この駆動軸12の係合部12bは、偏心
孔12aを前記旋回翼部材4の被駆動軸4bに遊嵌させ
るとともに、前記フレーム8のベアリング部8aの内側
に挿入されている。このような構成により、回転子11
が回転するとき、前記旋回翼部材4は、駆動軸12によ
って駆動され、オルダムリング9の作用により、旋回運
動を行う。
【0012】図2は、駆動モータ6を含むスクロール形
冷凍サイクルコンプレッサ1の横断面を示している。図
2に示すように、固定子鉄心13の外周面は、密閉容器
2の内周面に嵌合する部分と、密閉容器2の内周面との
間に僅かな間隙を有する部分とを周方向に交互に有して
いる。上記密閉容器2の内周面に嵌合する部分は、固定
子鉄心13を密閉容器2内周面に固定する嵌合部13a
を形成している。固定子鉄心13は、前記嵌合部13a
において、密閉容器2の内径より僅かに大きな外径を有
している。各嵌合部13aの内側には、嵌合部13aの
外周面に沿って嵌合部13aの周方向長さより長いスリ
ット13bが形成されている。嵌合部13aの内側に前
記スリット13bが形成されているので、スリット13
bと嵌合部13aの外周面との間に鉄心の細長い部分が
形成され、この鉄心の細長い部分は半径方向の力に応じ
て半径方向に変形することができる。駆動モータ6の固
定子10は、前記固定子鉄心13の嵌合部13aを半径
方向に圧縮した状態で、密閉容器2の内部に圧入されて
いる。
【0013】次に上記構成に基づいて本実施例の作用に
ついて以下に説明する。上述したように、駆動モータ6
の固定子10は、嵌合部13aを半径方向に圧縮した状
態で、密閉容器2の内部に圧入されているので、密閉容
器2内で嵌合部13aは弾性的に復元しようとして密閉
容器2の内周面を押圧し、その反作用として密閉容器2
の締付力を受ける。この密閉容器2の締付力により、駆
動モータ6は密閉容器2の内部に固定される。この締付
力の大きさは、嵌合部13aの変形量と嵌合部13aの
弾性係数との積である。前記嵌合部13aの弾性係数
は、スリット13bと嵌合部13aの外周面との間に形
成された鉄心部分の細長比によって調整することができ
る。比較的小さい適当な弾性係数を選択することによ
り、密閉容器2と固定子鉄心13の寸法誤差の範囲内
で、固定子10を固定でき、かつ、固定子10を許容範
囲以上に変形させることがない適当な締付力を得ること
ができる。また、本実施例のスクロール形冷凍サイクル
コンプレッサ1では、固定子10の変形がスリット13
bで吸収されるので、締付力によって固定子10の磁極
の変形を防止することができるので、固定子10と回転
子11との磁極間の距離を小さくでき、このことによ
り、高効率の駆動モータ6を得ることができる。さら
に、図1の矢印に示すように、本実施例のスクロール形
冷凍サイクル用コンプレッサ1は、運転中に冷媒が駆動
モータ6と密閉容器2の間の隙間を通って流動する。す
なわち、冷媒は、密閉容器2の下方に設けられた吸入管
16から吸入され、駆動モータ6と接触してこれを冷却
しつつ、スクロール形圧縮装置5に流れる。スクロール
形圧縮装置5では、冷媒は圧縮室7の内部に閉じ込めら
れ、旋回翼部材4の旋回運動に従って圧縮され、密閉容
器2の上方の吐出管17より、外部の高圧回路に吐出さ
れる。本実施例のスクロール形冷凍サイクル用コンプレ
ッサ1では、冷媒が駆動モータ6と密閉容器2の間の隙
間を通って流動する際に、冷媒の一部が固定子鉄心13
のスリット13bの内部を流通する。このスリット13
bの内部を流通する冷媒は、効率よく固定子鉄心13を
冷却することができる。このことにより、本実施例のス
クロール形冷凍サイクル用コンプレッサ1は、長時間の
高速回転で駆動モータ6が過熱して運転効率が低下する
ことがない。
【0014】また、上記スリット13bは、運転中の駆
動モータ6の磁束をシールドし、駆動モータ6の磁束を
すべて固定子鉄心の内部に閉じ込めることができるの
で、磁束洩れによる効率の低下を防止し、高効率の駆動
モータ6を得ることができる。
【0015】なお、上記説明では、嵌合部13aとスリ
ット13bの間の鉄心の部分は、ほぼ均一の幅を有して
いるが、鉄心部分の中心部の幅をその両端部分の幅に比
べて細く形成することにより、より大きな弾性を得られ
ることが明らかである。
【0016】図3は、密閉容器と固定子との間に樹脂筒
を介在させた本発明のスクロール形冷凍サイクル用コン
プレッサの縦断面図を示している。図1と同一の部分
に、同一の符号を付したスクロール形冷凍サイクル用コ
ンプレッサ21は、密閉容器2の内側に樹脂筒22を嵌
着させている。駆動モータ6の固定子鉄心13は、前記
樹脂筒22の内径より僅かに大きな外径を有しており、
樹脂筒22の内部に圧入されている。
【0017】図4は上記スクロール形冷凍サイクル用コ
ンプレッサ21の横断面を示している。密閉容器2の内
周面に上記樹脂筒22が密着している。固定子鉄心13
の外周面は、樹脂筒22の内周面と嵌合する嵌合部13
aと、樹脂筒22の内周面との間に間隙を形成する部分
とを周方向に交互に有している。固定子鉄心13は、前
記嵌合部13aにおいて、樹脂筒22の内径より僅かに
大きな外径を有している。樹脂筒22は、少なくとも表
面が耐冷媒性の熱硬化性の樹脂によって形成されてい
る。樹脂筒22の壁体は、高透磁率の金属、例えば高透
磁率コバルト系アモルファス合金の細片を樹脂内に分散
した磁気シールド層と樹脂層との積層体によって形成さ
れている。固定子鉄心13は、樹脂筒22の壁体を圧縮
した状態で樹脂筒22の内部に圧入されている。樹脂筒
22の壁体は圧縮された状態で密閉容器2と固定し鉄心
13との間に介在しているので、弾性的な復元力によっ
て、密閉容器2の内周面と固定子鉄心13の外周面とを
押圧している。この樹脂筒22の弾性復元力によって、
固定子鉄心13は樹脂筒22の内周面に固定されてい
る。
【0018】上記構造に基づいて以下に冷凍サイクル用
コンプレッサ21の作用について説明する。上記樹脂筒
22の壁体は、金属と比較して低い縦弾性係数を有して
いるので、固定子鉄心13と密閉容器2の寸法誤差によ
って固定子10への締付力が激しく変化することがな
い。このことにより、駆動モータ6と密閉容器2に多少
の寸法の誤差がある場合でも、樹脂筒22によってこれ
を吸収し、許容範囲内の締付力で固定子鉄心13を固定
することができる。従って、製造がより容易な密閉容器
2や固定子10を得ることができる。或いは、より締付
力が過大になることがないので、固定子10と回転子1
1の磁極間の距離を小さくして、より効率が高い駆動モ
ータ6を得ることができる。また、上記樹脂筒22は、
壁体が磁気シールド層と樹脂層との積層体によって形成
されているので、密閉容器2の側壁を通って外部空間に
洩れる磁束を遮断することができる。このことにより、
従来外部に洩れていた固定子10の磁束は、回転子11
の回転駆動に寄与し、より効率の良い駆動モータ6を得
ることができる。上記スクロール形冷凍サイクル用コン
プレッサ21では、予め樹脂筒22を形成し、これを密
閉容器2と固定子鉄心13の間に介在させているが、密
閉容器2の内部に密閉容器2の内径より小さい外径を有
する固定子鉄心13を配置し、この固定子鉄心13の外
周面と密閉容器2の内周面との隙間に、耐冷媒性の熱硬
化性樹脂を注入し、熱を加えて硬化させ、固定子鉄心1
3と密閉容器2との間に樹脂層を形成し、これにより、
固定子鉄心13を固定してよい。この場合のコンプレッ
サの構成およびその作用は、上記図3および図4で説明
したことと同一である。また、治具等を用いて耐冷媒性
の熱硬化性樹脂を段階的に注入・硬化させ、樹脂層を多
層構造にし、樹脂層中に上記磁気シールド層を形成する
ことにより、駆動モータ6の磁束洩れを防止でき、高効
率の駆動モータを有する冷凍サイクル用コンプレッサを
得ることができる。
【0019】上記構造の冷凍サイクル用コンプレッサで
は、運転中に駆動モータの各部品は常に冷媒と接触す
る。従来、冷媒と接触する部品にポリエステル樹脂を使
用した場合、冷媒によってポリエステル樹脂が劣化して
砕片化する問題があった。これに対し、本発明では耐冷
媒性の熱硬化性のポリエステル樹脂を使用することによ
り、長時間冷媒中で使用してもポリエステル樹脂が劣化
することがない。以下に、本発明に使用する耐冷媒性の
熱硬化性ポリエステル樹脂の組成例を示す。 不飽和ポリエステル樹脂 13.07wt% (イソフタール酸・無水フタール酸・プロピレングリコール) 低収縮付与剤 6.53wt% (ポリスチレン) 重合性単量体 13.07wt% (スチレンモノマ) 重合開始剤 0.32wt% (ターシャル・ブチルパーベンゾエイド) 充填剤 65.36wt% (炭酸カルシウム) 離型剤 1.63wt% (ステアリン酸亜鉛) ガラス繊維 10%(体積比) 上記組成の耐冷媒性の熱硬化性樹脂によれば、長時間冷
媒中で使用しても、砕片化することがない。
【0020】なお、上記冷凍サイクルコンプレッサは、
スクロール形の冷凍サイクルコンプレッサを用いて説明
したが、この発明はスクロール形の冷凍サイクルコンプ
レッサに限られることなく、例えばロータリ形の冷凍サ
イクルコンプレッサについても適用できることが明らか
である。
【0021】
【発明の効果】上記説明から明らかなように、固定子鉄
心の外周面に嵌合部を設け、嵌合部の内側にスリットを
設けた本発明の冷凍サイクル用コンプレッサによれば、
スリットの存在によって固定子鉄心の嵌合部が半径方向
に弾性的に変形し、固定子鉄心および密閉容器の寸法誤
差を吸収するとともに、締付力によって固定子が変形す
るのを防止できるので、製造が容易な冷凍サイクル用コ
ンプレッサ、或いは固定子と回転子の磁極の間の距離を
小さくした高効率の冷凍サイクル用コンプレッサを得る
ことができる。また、スリットを設けたことにより、ス
リットが駆動モータの磁束洩れを防止し、すべての磁束
を回転駆動力に寄与せしめ、高効率の駆動モータを備え
た冷凍サイクル用コンプレッサを得られ、また、冷媒が
スリットを通って流れるので、固定子を効率良く冷却す
ることができ、高出力の駆動モータを有する冷凍サイク
ル用コンプレッサを得ることができる。また、スリット
は固定子鉄心の重量を軽減し、コンプレッサ全体の重量
を軽減することができる。
【0022】一方、密閉容器と固定子鉄心の間に樹脂筒
あるいは樹脂層を介在させ、固定子を固定するようにし
た本発明の冷凍サイクル用コンプレッサによれば、樹脂
筒あるいは樹脂層の壁体が密閉容器と固定子鉄心の寸法
誤差を弾性的に吸収し、適切な締付力で固定子を固定す
るので、製造が容易な冷凍サイクル用コンプレッサを得
ることができる。また、樹脂筒あるいは樹脂層の低い比
重により、冷凍サイクル用コンプレッサの重量を軽減す
る効果もある。
【0023】また、樹脂筒あるいは樹脂層が磁気シール
ド層と樹脂層の積層体で形成されているので、従来密閉
容器の外部空間に洩れていた磁束を遮断し、このことに
より、固定子の回転駆動力を増加し、高効率の駆動モー
タを有する冷凍サイクル用コンプレッサを得ることがで
きる。密閉容器の外部空間に洩れる磁束を遮断できるの
で、この冷凍サイクル用コンプレッサを備えた装置の信
号ケーブルに誤信号を生じることがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】固定子鉄心にスリットを有する本発明の冷凍サ
イクル用コンプレッサの縦断面図。
【図2】固定子鉄心にスリットを有する本発明の冷凍サ
イクル用コンプレッサの横断面図。
【図3】密閉容器の内周面に樹脂筒を嵌着した本発明の
冷凍サイクル用コンプレッサの縦断面図。
【図4】密閉容器の内周面に樹脂筒を嵌着した本発明の
冷凍サイクル用コンプレッサの横断面図。
【図5】焼嵌めによって直接固定子鉄心を密閉容器内部
に固定した従来の冷凍サイクル用コンプレッサの縦断面
図。
【図6】焼嵌めによって直接固定子鉄心を密閉容器内部
に固定した従来の冷凍サイクル用コンプレッサの横断面
図。
【符号の説明】
1 冷凍サイクル用コンプレッサ 2 密閉容器 6 駆動モータ 5 スクロール形圧縮装置 6 駆動モータ 10 固定子 13 固定子鉄心 13a 嵌合部 13b スリット 21 冷凍サイクル用コンプレッサ 22 樹脂筒

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】冷媒が流通する密閉容器の内部に、駆動モ
    ータと、圧縮装置とを直列的に配設した冷凍サイクル用
    コンプレッサにおいて、前記駆動モータの固定子鉄心の
    外周面は、前記密閉容器の内径より僅かに大きな外径を
    有する嵌合部を有し、この嵌合部の僅か内側には、嵌合
    部の周方向長さより長いスリットが嵌合部の外周面に沿
    って設けられ、前記駆動モータは、前記嵌合部が固定子
    鉄心の半径方向に圧縮された状態で前記密閉容器の内部
    に圧入されていることを特徴とする冷凍サイクル用コン
    プレッサ。
  2. 【請求項2】冷媒が流通する密閉容器の内部に、駆動モ
    ータと、圧縮装置とを直列的に配設した冷凍サイクル用
    コンプレッサにおいて、前記密閉容器の内周面に、少な
    くとも表面が耐冷媒性の熱硬化性樹脂によって形成され
    た樹脂筒を嵌着し、この樹脂筒の内側に樹脂筒の内径よ
    り僅かに大きな外径を有する駆動モータの固定子を圧入
    して固定したことを特徴とする冷凍サイクル用コンプレ
    ッサ。
  3. 【請求項3】前記樹脂筒は、内部に高透磁率の材料を分
    散した磁気シールド層を有することを特徴とする請求項
    2記載の冷凍サイクル用コンプレッサ。
  4. 【請求項4】冷媒が流通する密閉容器の内部に、駆動モ
    ータと、圧縮装置とを直列的に配設した冷凍サイクル用
    コンプレッサにおいて、前記密閉容器の内部に密閉容器
    の内径より小さな外径を有する前記駆動モータの固定子
    を配置し、この固定子の外周面と密閉容器の内周面との
    隙間に、耐冷媒性の熱硬化性樹脂を注入・硬化させて固
    定子を密閉容器の内部に固定したことを特徴とする冷凍
    サイクル用コンプレッサ。
  5. 【請求項5】前記耐冷媒性の熱硬化性樹脂は、段階的に
    注入・硬化させることにより、内部に高透磁率の材料を
    分散した磁気シールド層を有していることを特徴とする
    請求項4記載の冷凍サイクル用コンプレッサ。
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