JPH05256271A - 冷凍サイクル用コンプレッサ - Google Patents

冷凍サイクル用コンプレッサ

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Publication number
JPH05256271A
JPH05256271A JP5837392A JP5837392A JPH05256271A JP H05256271 A JPH05256271 A JP H05256271A JP 5837392 A JP5837392 A JP 5837392A JP 5837392 A JP5837392 A JP 5837392A JP H05256271 A JPH05256271 A JP H05256271A
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JP
Japan
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drive shaft
drive motor
compressor
scroll
refrigeration cycle
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JP5837392A
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Inventor
Takashi Nagate
手 隆 長
Yoshihiko Yamagishi
岸 善 彦 山
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Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 製造が容易であり、磁束洩れをほぼ防止で
き、かつ、軽量な冷凍サイクル用コンプレッサを提供す
る。 【構成】 駆動軸13と、バランスウェイト24,25
と、磁気シールド部材26,27とを耐冷媒性の熱硬化
性ポリエステル樹脂を用いて一体に成型した。また、駆
動軸13を、金属製の駆動用係合部材13aと耐冷媒性
の熱硬化性樹脂からなる軸本体13bとによって一体に
構成した。また、駆動軸29を耐冷媒性の熱硬化性樹脂
によって一体に形成し、旋回翼部材4側の先端部分の外
周面と、旋回翼部材4に設けられた被駆動軸4dと遊嵌
する係合孔30の内周面の少なくとも一方に金属製のス
リーブ36を嵌着させた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は冷媒が流通する密閉容器
の内部に、駆動モータと圧縮装置とを直列的に配設し、
駆動モータの回転によって圧縮装置で冷媒を圧縮するよ
うにした冷凍サイクル用コンプレッサに関する。
【0002】
【従来の技術】密閉容器の内部に、駆動モータと圧縮装
置とを直列的に配設し、駆動軸を介して駆動モータと圧
縮装置とを連結し、駆動モータの回転によって圧縮装置
で冷媒を圧縮するようにした冷凍サイクル用コンプレッ
サにおいて、前記駆動軸を金属材によって形成し、この
金属製の駆動軸の外周面にバランスウェイトを嵌着させ
た冷凍サイクル用コンプレッサが一般に知られている。
図6は従来のスクロール形の冷凍サイクル用コンプレッ
サの縦断面を示している。全体を符号51で示すスクロ
ール形の冷凍サイクル用コンプレッサは、冷媒が流通す
る密閉容器52を有している。この密閉容器52の内部
には、固定翼部材53と旋回翼部材54とからなるスク
ロール形圧縮装置55と、駆動モータ56とが上下直列
的に配設されている。前記固定翼部材53は、固定側ス
クロール翼53aを有し、前記旋回翼部材54は、旋回
側スクロール翼54aを有している。この固定側スクロ
ール翼53aと旋回側スクロール翼54aは、互いに係
合して翼の間に圧縮室57を形成している。旋回翼部材
54は、フレーム58によって水平に、かつ、摺動可能
に支承されている。旋回翼部材54の下端面には、円形
の溝が設けられ、この溝の内部にオルダムリング59が
収納されている。このオルダムリング59の上面と下面
には、互いに直交する半径方向の切欠が設けられてい
る。この上面の切欠と下面の切欠は、それぞれ旋回翼部
材54とフレーム58に固定されたキーと遊嵌してい
る。符号60は旋回翼部材54に固定されたキーを示し
ている。旋回翼部材54の下面には被駆動軸54bが突
設されている。前記駆動モータ56は、固定子61と回
転子62とから構成されている。前記固定子61は、固
定子鉄心63と励磁用コイル64とからなり、密閉容器
52の内周面に固定されている。一方、前記回転子62
は、回転子鉄心65と永久磁石66とから構成されてい
る。回転子62の中心孔67には、金属製の駆動軸68
が焼き嵌めされている。この駆動軸68は、上端部がフ
レーム58のベアリング部58aにより、下端部がベア
リング69により、それぞれ回転可能に支持されてい
る。駆動軸68の上端面の偏心した位置には、前記旋回
翼部材54の被駆動軸54bと係合する係合孔70が設
けられている。さらに駆動軸68の外周面には、振動を
減少するバランスウェイト71が固定されている。上記
構造により、駆動軸68が回転することによって旋回翼
部材54は駆動され、オルダムリング59の作用によっ
て旋回翼部材54は回転することなく旋回運動を行う。
旋回翼部材54の旋回により、圧縮室57内の冷媒は圧
縮され、密閉容器52の上部から吐出される。同時に、
新たな冷媒が密閉容器52の下部側壁から吸入される。
吸入された冷媒は、駆動モータ56の各構成部品の間の
隙間を通って圧縮室57に送られる。上述のように、従
来のスクロール形冷凍サイクル用コンプレッサ51の駆
動軸68は、冷媒と直接接触するので、冷媒中の材料の
劣化を防止するために、金属材によって一体に形成され
ている。さらに金属製の駆動軸68は、回転子62の中
心孔67と嵌合する必要から、外形寸法を精度良く加工
された後に、回転子62の中心孔67に焼き嵌めによっ
て嵌合されていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の冷凍サイクル用コンプレッサは、駆動モータの駆動
軸を金属によって形成し、この駆動軸を駆動モータの回
転子の中心孔に焼き嵌めし、さらにバランスウェイトの
内部に圧入するので、駆動軸の外形を高い寸法精度で形
成する必要がある。このため、冷凍サイクル用コンプレ
ッサの製造が困難であり、製造工程に要する時間が長
く、コストが高いという問題があった。また、従来の冷
凍サイクル用コンプレッサは、金属製の駆動軸が駆動モ
ータの回転子の中心孔に嵌入されているので、回転子の
界磁用永久磁石の磁束がこの駆動軸の内部を通って回転
子の両端面から駆動軸の軸方向外側に洩れ、駆動モータ
の回転に寄与せず、界磁用永久磁石の磁力の利用効率が
悪かった。さらに金属製の駆動軸は大きな重量を有して
いるので、振動増大の原因になり、冷凍サイクル用コン
プレッサ全体の重量が大きくなって好ましくなかった。
そこで本発明の目的は、製造が容易であり、磁束洩れを
ほぼ防止でき、かつ、軽量な冷凍サイクル用コンプレッ
サを提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明の冷凍サイクル用コンプレッサは、冷媒が流通
する密閉容器の内部に、駆動モータと、圧縮装置とを直
列的に配設し、前記圧縮装置の圧縮用回転部材と前記駆
動モータの駆動軸とを連結し、前記駆動モータの回転に
よって前記圧縮装置で冷媒を圧縮するようにした冷凍サ
イクル用コンプレッサにおいて、前記駆動軸と、この駆
動軸の外周に取り付けて振動を防止するバランスウェイ
トと、前記駆動モータの回転子の両端面に取り付けて磁
束洩れをほぼ防止する磁気シールド部材とを耐冷媒性の
熱硬化性樹脂を用いて一体に成型したことを特徴とする
ものである。
【0005】また、本発明の冷凍サイクル用コンプレッ
サは、冷媒が流通する密閉容器の内部に、駆動モータ
と、渦巻状のスクロール翼を係合させてスクロール翼間
に圧縮室を形成する固定翼部材と旋回翼部材とからなる
スクロール形圧縮装置とを軸方向に配設し、前記旋回翼
部材を前記駆動モータの駆動軸に偏心的に連結し、駆動
軸の回転によって前記旋回翼部材を旋回させるように構
成したスクロール形冷凍サイクル用コンプレッサにおい
て、前記駆動モータの駆動軸は、前記旋回翼部材に設け
られた被駆動軸と係合する金属製の駆動用係合部材と、
少なくとも表面が耐冷媒性の熱硬化性樹脂からなる軸本
体とによって一体に構成されていることを特徴とするも
のである。
【0006】また、本発明の冷凍サイクル用コンプレッ
サは、冷媒が流通する密閉容器の内部に、駆動モータ
と、渦巻状のスクロール翼を係合させてスクロール翼間
に圧縮室を形成する固定翼部材と旋回翼部材からなるス
クロール形圧縮装置とを軸方向に配設し、前記旋回翼部
材を前記駆動モータの駆動軸に偏心的に連結し、駆動軸
の回転によって前記旋回翼部材を旋回させるように構成
したスクロール形冷凍サイクル用コンプレッサにおい
て、前記駆動モータの駆動軸は、耐冷媒性の熱硬化性樹
脂によって一体に形成され、その旋回翼部材側の端部の
外周面と、前記旋回翼部材に設けられた被駆動軸と係合
する係合孔の内周面の少なくとも一方に、金属製のスリ
ーブが嵌着されていることを特徴とするものである。
【0007】
【作用】上記駆動軸とバランスウェイトと磁気シールド
部材とを耐冷媒性の熱硬化性樹脂で一体に形成した本発
明の冷凍サイクル用コンプレッサは、鋳型の内部に回転
子を配置し、この鋳型に耐冷媒性の熱硬化性樹脂を注入
することによって駆動軸とバランスウェイトと磁気シー
ルド部材とを一体に形成できるので、高い寸法精度で駆
動軸を加工する必要がなく、駆動軸等を容易に製造する
ことができる。また、樹脂の注入温度は、回転子の界磁
用永久磁石を減磁させる高温に至らないので、焼き嵌め
によって回転軸を回転子中に嵌入させていた従来の冷凍
サイクル用コンプレッサと比較して、大きな駆動力を有
する駆動モータを得ることができる。また、駆動軸が非
磁性の樹脂からなるので、駆動軸の内部を通って回転子
の両端面から軸方向外側の空間に洩れる磁束が少なく。
さらに、回転子の両端面には、駆動軸と一体に形成され
た磁気シールド部材が配設されているので、回転子の永
久磁石の磁束は、ほぼ完全に回転子の回転駆動力に寄与
し、駆動モータの効率が高い。さらに、駆動軸の重量が
小さいので、冷凍サイクル用コンプレッサ全体の重量が
小さく、この冷凍サイクル用コンプレッサを用いる装置
の設計上好ましい。また、上記駆動軸を金属製の駆動用
係合部材と耐冷媒性の熱硬化性樹脂製の軸本体とによっ
て構成した本発明の冷凍サイクル用コンプレッサは、駆
動軸の軸本体が軽量・非磁性の耐冷媒性の熱硬化性ポリ
エステル樹脂によって形成されているので、上述したコ
ンプレッサの軽量化と駆動軸の製造の容易化と回転子の
磁束洩れ防止の作用を有すると共に、旋回翼部材と係合
する部分が金属製の駆動用係合部材からなるので、高い
強度と耐久性とを有する冷凍サイクル用コンプレッサを
得ることができる。
【0008】また、上記駆動軸全体を耐冷媒性の熱硬化
性樹脂によって形成し、旋回翼部材と係合する駆動軸の
先端部分に偏心した係合孔を設け、この先端部分の外周
面と内周面の少なくとも一方に金属製のスリーブを嵌着
させた本発明の冷凍サイクル用コンプレッサは、回転軸
自体は耐冷媒性の熱硬化性樹脂によって形成され、旋回
翼部材等との摺接部分に金属製スリーブが設けられてい
るので、上述したコンプレッサの軽量化と駆動軸の製造
の容易化と回転子の磁束洩れ防止の作用を有すると共
に、金属スリーブによって駆動軸の先端部分の機械的強
度が増大され、かつ、磨耗が防止されるので、高い強度
と耐久性とを有する冷凍サイクル用コンプレッサを得る
ことができる。
【0009】
【実施例】以下、本発明の実施例について添付の図面を
参照して説明する。図1は、本発明によるスクロール形
の冷凍サイクル用コンプレッサの縦断面を示している。
全体を符号1で示すスクロール形の冷凍サイクル用コン
プレッサは、内部を冷媒が流通する密閉容器2を有して
いる。この密閉容器2の内部には、固定翼部材3と旋回
翼部材4とからなるスクロール形圧縮装置5と、駆動モ
ータ6とが上下に配設されている。前記固定翼部材3
は、密閉容器2内の配線室7を仕切る仕切板3aを有
し、この仕切板3aの下面には、スクロール翼3bが仕
切板3aと一体に形成されている。前記旋回翼部材4は
旋回板4aを有し、この旋回板4aの上面には、スクロ
ール翼4bが旋回板4aと一体に形成されている。この
旋回翼部材4はフレーム8によって水平に支承されてい
る。固定翼部材3のスクロール翼3bと旋回翼部材4の
スクロール翼4bとは、互いに係合してスクロール翼3
b,4bの間に圧縮室9を形成している。旋回翼部材4
の旋回板4aの下面の周縁部には円形の溝4cが設けら
れている。この溝4cの内部には、オルダムリング10
が収納されている。このオルダムリング10の上面互い
に180°をなす位置には半径方向の1対の切欠が設け
られている。この切欠は、溝4cの底面に固定された1
対のキー11とそれぞれ遊嵌している。この一対のキー
11と90°をなすオルダムリング10の下面には、図
示しない一対の切欠が設けられ、フレーム8の上面に固
定された1対のキーと遊嵌している。このオルダムリン
グ10とキー11との係合により、旋回翼部材4は回転
することなく、固定翼部材3に対して相対的に旋回運動
する。旋回板4aの下面には、被駆動軸4dが密閉容器
2の軸方向に突設されている。駆動モータ6は、上記ス
クロール形圧縮装置5の下方に設けられている。駆動モ
ータ6の固定子12は、固定子鉄心12aと励磁用コイ
ル12bとからなり、密閉容器2の内周面に固定されて
いる。この固定子12の内側中心部には、上端が前記フ
レーム8のベアリング部8aに、下端が隔壁15に取り
付けられたベアリング14によって回転自在に支承され
た回転軸13が配設されている。この駆動軸13の外周
面には回転子16が固定されている。回転子16は、回
転子鉄心16aと永久磁石16bとから構成されてい
る。回転子16の外周の磁極面は、固定子12の磁極面
と僅かな隙間を隔てて対向するように構成されている。
駆動軸13は金属製の駆動用係合部材13aと耐冷媒性
の熱硬化性ポリエステル樹脂製の軸本体13bとから構
成されている。前記金属製の駆動用係合部材13aは、
その上端面の偏心した位置に、旋回翼部材4の被駆動軸
4dと遊嵌する係合孔17を有している。駆動軸13
は、その駆動用係合部材13aの上端部が、前記ベアリ
ング部8aの内側に挿入され、かつ、係合孔17と被駆
動軸4dとが互いに遊嵌するように取り付けられてい
る。符号18は外部電源と接続する接続端子を示してい
る。この接続端子18は、マグネットワイヤ19によっ
て固定子12の励磁用コイル12bと接続されている。
また、隔壁15の下方の空間は潤滑油を貯溜する潤滑油
室20を形成している。密閉容器2の側壁下方には、外
部の低圧の冷媒流路と連通する吸入管が設けられてい
る。また、固定翼部材3の仕切板3aの中心部には吐出
孔22が穿設されており、この吐出孔22と連通し、密
閉容器2の上端壁を貫通して外部の高圧の冷媒流路と連
通する吐出管23が設けられている。
【0010】次に本実施例のスクロール形冷凍サイクル
用コンプレッサ1の動作を以下に説明する。運転時に
は、配線室7と潤滑油室20とを除く密閉容器2の内部
に、冷媒が満される。接続端子18とマグネットワイヤ
19とを介して、励磁用コイル12bに電流が流され
と、固定子鉄心12aの磁極は励磁され、この結果、固
定子12と回転子16の磁極同士の相互作用によって回
転子16が回転駆動される。回転子16の回転により、
回転軸13の上端の係合孔17が偏心的に回転する。係
合孔17と被駆動軸4dとの係合により、さらにオルダ
ムリング10の作用により、旋回翼部材4は旋回運動を
行う。旋回翼部材4が旋回運動をすることにより、スク
ロール翼間3b,4bの間の圧縮室9の体積は減少す
る。圧縮室9の体積が減少することにより、圧縮室9内
の冷媒は圧縮され、吐出孔22と吐出管23とを介して
外部の高圧の冷媒流路に吐出される。上記の動作が繰り
返されることにより、冷媒は連続的に吸入管21から吸
入され、図1の矢印に示すように、駆動モータ6の各構
成部品と接触しながら流動し、スクロール形圧縮装置5
で圧縮され、吐出管23から外部に吐出される。なお、
潤滑油室20内の潤滑油は駆動軸13の回転にしたがっ
て、駆動軸13の内部に設けられた図示しない潤滑油通
路を通って駆動軸13の先端部分の摺動部に送られる。
【0011】図2乃至図4は、本発明の要部である駆動
軸13の構造を示している。このうち、図2は駆動軸1
3の軸方向の断面を示し、図3は図2に示す矢印A−A
方向に見た駆動軸13の横断面を示し、図4は図2に示
す矢印B−B方向に見た駆動軸の横断面を示している。
図2に示すように、本実施例の駆動軸13は金属製の駆
動用係合部材13aと耐冷媒性の熱硬化性ポリエステル
樹脂からなる軸本体13bとから構成されている。前記
軸本体13bは、バランスウェイト24,25と、磁束
洩れを防止する磁気シールド部材26,27とともに耐
冷媒性の熱硬化性ポリエステル樹脂によって一体に形成
されている。前記磁気シールド部材26,27は、高透
磁率の材料、例えば高透磁率のコバルト系アモルファス
合金を樹脂中に均一に分散したシールド層と樹脂層の積
層体によって形成されている。この軸本体13bの外周
面には回転子16が嵌着されている。前記金属製の駆動
用係合部材13aは、上端面に偏心した係合孔17を有
し、下端面に回転防止用の孔28を有している。
【0012】図3に示すように、前記回転防止用孔28
は切欠を有するほぼ円形の断面を有している。この回転
防止用孔28の内部には、軸本体13bのポリエステル
樹脂が隙間なく入り込んでいるので、駆動用係合部材1
3aが軸本体13bに対して相対的に回転するすること
がない。
【0013】図4に示すように、回転子13の中心孔1
3cは切欠を有するほぼ円形の断面を有している。この
中心孔13cの内部には、軸本体13bのポリエステル
樹脂が隙間なく入り込んでいるので、回転子16が軸本
体13bに対して相対的に回転するすることがない。
【0014】上記の構造に基づき以下に本実施例の作用
について説明する。本実施例の冷凍サイクル用コンプレ
ッサ1は、駆動軸13がポリエステル樹脂によって形成
されているので、駆動軸13が軽く、このことにより、
冷凍サイクル用コンプレッサ1全体の軽量化をすること
ができる。また、本実施のように、駆動軸13を駆動用
係合部材13aと軸本体13bとから構成することによ
り、上記軽量化の効果を維持すると共に、旋回翼部材4
との係合部の機械的強度と耐久性を増すことができる。
また、本実施例の駆動軸13を製造するには、鋳型内部
の所定位置に駆動用係合部材13aと回転子16と磁気
シールド部材26,27とを固定し、この鋳型に耐冷媒
性の熱硬化性ポリエステル樹脂を注入し、これを加熱硬
化させる。この方法により、回転子と駆動軸等の製造工
程を大幅に簡略化でき、製造が容易な冷凍サイクル用コ
ンプレッサを得ることができる。また、本実施例による
回転子16と駆動軸13によれば、回転軸16の中心孔
16cを通る駆動軸13が非磁性のポリエステル樹脂か
らなり、かつ、回転子16両端面に磁気シールド部材2
6,27を設けているので、駆動軸を通って回転子の両
端面から駆動軸の軸方向外側に洩れる磁束は、上記回転
軸16と磁気シールド部材26,27とによって阻止さ
れ、この結果、回転子の永久磁石の磁束は回転子の外周
面のみから出入し、回転子の回転駆動力に寄与する。こ
のことにより、本実施例の駆動軸によれば、回転子の永
久磁石の磁力を効率よく利用することができる。
【0015】上述した説明から明らかなように、上記構
造の冷凍サイクル用コンプレッサでは、駆動モータの各
部品は常に冷媒と接触する。従来、冷媒と接触する冷凍
サイクル用コンプレッサの部品にポリエステル樹脂を使
用した場合、冷媒によってポリエステル樹脂が劣化して
砕片化する問題があった。これに対し、本発明では耐冷
媒性の熱硬化性のポリエステル樹脂を使用することによ
り、長時間冷媒中で使用してもポリエステル樹脂が劣化
することがない。以下に、本発明に使用する耐冷媒性の
熱硬化性ポリエステル樹脂の組成例を示す。
【0016】 不飽和ポリエステル樹脂 13.07wt% (イソフタール酸・無水フタール酸・プロピレングリコール) 低収縮付与剤 6.53wt% (ポリスチレン) 重合性単量体 13.07wt% (スチレンモノマ) 重合開始剤 0.32wt% (ターシャル・ブチルパーベンゾエイド) 充填剤 65.36wt% (炭酸カルシウム) 離型剤 1.63wt% (ステアリン酸亜鉛) ガラス繊維 10%(体積比) 図5は、他の実施例による本発明の冷凍サイクル用コン
プレッサの駆動軸を示している。この実施例の駆動軸2
9は、前記耐冷媒製の熱硬化性のポリエステル樹脂によ
って一体に形成されている。駆動軸29上端面には、偏
心した係合孔30が形成されている。この駆動軸29の
外周面には、回転子31が嵌着されている。回転子31
の上下両側の駆動軸29には、駆動軸29と同一材料か
らなるバンランスウェイト32,33と、磁気シールド
部材34,35とが駆動軸29と一体に形成されてい
る。駆動軸29の上端部の外周面と係合孔30の内周面
には、金属製のスリーブ36が嵌着されている。この駆
動軸29を冷凍サイクル用コンプレッサに組み込むに
は、駆動軸は29の上端部を、フレームの中心部に形成
されたベアリング部に挿入するとともに、係合孔30を
旋回翼部材の被駆動軸に遊嵌させる。一方、駆動軸29
の下端部は、ベアリングによって回転自在に支承される
ようにする。
【0017】上記構成により、フレームのベアリング部
と摺接する駆動軸29の外周面と、旋回翼部材の被駆動
軸と遊嵌する係合孔30の内周面は、金属製のスリーブ
36によって保護され、駆動軸29の磨耗を防止すると
同時に、駆動軸全体の軽量化を図ることができる。ま
た、本実施例の駆動軸によっても、上述した駆動軸の製
造の容易化と回転子の磁束洩れ防止の作用を有すること
は明らかである。なお、上記冷凍サイクルコンプレッサ
は、スクロール形の冷凍サイクルコンプレッサを用いて
説明したが、この発明はスクロール形の冷凍サイクルコ
ンプレッサに限られることなく、例えばロータリ形の冷
凍サイクルコンプレッサについても適用できることが明
らかである。
【0018】
【発明の効果】上記説明から明らかなように、本発明の
冷凍サイクル用コンプレッサによれば、駆動軸の少なく
とも一部を比重の低い耐冷媒性の熱硬化性樹脂によって
形成しているので、軽量な駆動軸、ひいては軽量な冷凍
サイクル用コンプレッサを得ることができる。また、摺
動部に金属製の係合部品やスリーブを配した冷凍サイク
ル用コンプレッサによれば、軽量化と共に耐久性を増す
ことができる。また、本発明の冷凍サイクル用コンプレ
ッサによれば、上述したように駆動軸が小さな重量を有
しているので、駆動軸の回転による慣性モーメントが小
さく、振動が少ない冷凍サイクル用コンプレッサを得る
ことができる。また、本発明の冷凍サイクル用コンプレ
ッサによれば、駆動軸を形成する鋳型の内部に回転子お
よび必要な部品を配置し、この鋳型に耐冷媒性の熱硬化
性ポリエステル樹脂を注入することによって駆動軸とバ
ランスウェイトと磁気シールド部材とを一体に形成でき
るので、高い寸法精度で駆動軸を加工し、これを回転子
の中心孔に焼き嵌めする必要がなく、駆動軸等を容易に
製造することができる。このことにより、全体として製
造が容易な冷凍サイクル用コンプレッサを得ることがで
きる。また、駆動軸が非磁性のポリエステル樹脂からな
り、回転子の両端面に磁気シールド部材を設けているの
で、駆動軸の内部を通って回転子の両端面から駆動軸の
軸方向外側の空間に洩れる磁束が少ない。このため、回
転子の永久磁石の磁束は、ほぼ全て回転子の回転駆動力
に寄与し、効率が良い冷凍サイクル用コンプレッサを得
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の冷凍サイクル用コンプレッサの縦断面
図。
【図2】本発明の冷凍サイクル用コンプレッサの駆動軸
の縦断面図。
【図3】本発明の冷凍サイクル用コンプレッサの駆動軸
の横断面図。
【図4】本発明の冷凍サイクル用コンプレッサの駆動軸
の横断面図。
【図5】他の実施例による本発明の冷凍サイクル用コン
プレッサの駆動軸の縦断面図。
【図6】従来の冷凍サイクル用コンプレッサの縦断面
図。
【符号の説明】
1 冷凍サイクル用コンプレッサ 2 密閉容器 3 固定翼部材 3b スクロール翼 4 旋回翼部材 4b スクロール翼 4d 被駆動軸 5 スクロール形圧縮装置 6 駆動モータ 9 圧縮室 12 固定子 13 駆動軸 13a 駆動用係合部材 13b 軸本体 16 回転子 16c 中心孔 17 係合孔 24 バランスウェイト 25 バランスウェイト 26 磁気シールド部材 27 磁気シールド部材 29 駆動軸 30 係合孔 31 回転子 32 バランスウェイト 33 バランスウェイト 34 磁気シールド部材 35 磁気シールド部材 36 金属製スリーブ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】冷媒が流通する密閉容器の内部に、駆動モ
    ータと、圧縮装置とを直列的に配設し、前記圧縮装置の
    圧縮用回転部材と前記駆動モータの駆動軸とを連結し、
    前記駆動モータの回転によって前記圧縮装置で冷媒を圧
    縮するようにした冷凍サイクル用コンプレッサにおい
    て、前記駆動軸と、この駆動軸の外周に取り付けて振動
    を防止するバランスウェイトと、前記駆動モータの回転
    子の両端面に取り付けて磁束洩れをほぼ防止する磁気シ
    ールド部材とを耐冷媒性の熱硬化性樹脂を用いて一体に
    成型したことを特徴とする冷凍サイクル用コンプレッ
    サ。
  2. 【請求項2】冷媒が流通する密閉容器の内部に、駆動モ
    ータと、渦巻状のスクロール翼を係合させてスクロール
    翼間に圧縮室を形成する固定翼部材と旋回翼部材とから
    なるスクロール形圧縮装置とを軸方向に配設し、前記旋
    回翼部材を前記駆動モータの駆動軸に偏心的に連結し、
    駆動軸の回転によって前記旋回翼部材を旋回させるよう
    に構成したスクロール形冷凍サイクル用コンプレッサに
    おいて、前記駆動モータの駆動軸は、前記旋回翼部材に
    設けられた被駆動軸と係合する金属製の駆動用係合部材
    と、少なくとも表面が耐冷媒性の熱硬化性樹脂からなる
    軸本体とによって一体に構成されていることを特徴とす
    る冷凍サイクル用コンプレッサ。
  3. 【請求項3】冷媒が流通する密閉容器の内部に、駆動モ
    ータと、渦巻状のスクロール翼を係合させてスクロール
    翼間に圧縮室を形成する固定翼部材と旋回翼部材からな
    るスクロール形圧縮装置とを軸方向に配設し、前記旋回
    翼部材を前記駆動モータの駆動軸に偏心的に連結し、駆
    動軸の回転によって前記旋回翼部材を旋回させるように
    構成したスクロール形冷凍サイクル用コンプレッサにお
    いて、前記駆動モータの駆動軸は、耐冷媒性の熱硬化性
    樹脂によって一体に形成され、その旋回翼部材側の端部
    の外周面と、前記旋回翼部材に設けられた被駆動軸と係
    合する係合孔の内周面の少なくとも一方に、金属製のス
    リーブが嵌着されていることを特徴とする冷凍サイクル
    用コンプレッサ。
JP5837392A 1992-03-16 1992-03-16 冷凍サイクル用コンプレッサ Pending JPH05256271A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2014010484A1 (ja) * 2012-07-09 2014-01-16 国立大学法人長崎大学 電動機
WO2014083939A1 (ja) * 2012-11-30 2014-06-05 三菱電機株式会社 スクロール圧縮機

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US9976556B2 (en) 2012-11-30 2018-05-22 Mitsubishi Electric Corporation Scroll compressor

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