JP7233876B2 - 印刷方法およびインク組成物 - Google Patents
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該ラジカル重合性化合物の平均官能基数が1.3~1.8であり、
該被印刷物の温度をT[℃]とし、該インク組成物の着弾から活性エネルギー線の照射までの時間をt[s]としたとき、該温度Tと該時間tの関係が、下記式(1):
T≧2/t ・・・(1)
を満たすことを特徴とする印刷方法。
2. 前記温度Tと前記時間tの関係が、更に下記式(2):
T≦200/t ・・・(2)
を満たすことを特徴とする前記1に記載の印刷方法。
3. 前記時間tが、0<t≦10であることを特徴とする前記1又は2に記載の印刷方法。
4. 前記温度Tが、20≦T≦60であることを特徴とする前記1~3のいずれか1に記載の印刷方法。
5. 前記被印刷物がプラスチック基材であって、前記式(1)および(2)が下記であることを特徴とする前記1または2記載の印刷方法。
T≧2/t ・・・(1)
T≦200/t ・・・(2)
本発明の印刷方法は、インクジェットプリンタによって、少なくとも顔料、ラジカル重合性化合物および光重合開始剤を含む活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物を被印刷物の表面に着弾させて印刷層を形成し、次いで、該印刷層に活性エネルギー線を照射して硬化させる印刷方法であって、
該ラジカル重合性化合物の平均官能基数が1.3~1.8であり、
該被印刷物の温度をT[℃]とし、該インク組成物の着弾から活性エネルギー線の照射までの時間をt[s]としたとき、該温度Tと該時間tの関係が、下記式(1):
T≧2/t ・・・(1)
を満たすことを特徴とする。
≪印刷工程≫
本発明の印刷方法においては、まず、インクジェットプリンタによって、すくなくとも、ラジカル重合性化合物および光重合開始剤含む活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物を被印刷物の表面に着弾させて印刷層を形成させる。
(印刷条件式(1)(2))
本発明では、前記インク組成物を使用し、式(1)T≧2/tに規定されるように、被印刷物の温度Tと活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物の着弾から活性エネルギー線の照射までの時間tとの関係がT≧2/tを満たすと、硬度を維持しながら優れた付着性を有する印刷層を形成することができる。
T≦200/t ・・・(2)
本発明の印刷方法においては、次に、上記印刷工程で得られた印刷層に活性エネルギー線(可視光線、紫外線、電子線等)を照射して、該印刷層を硬化させる(硬化工程)。ここで、活性エネルギー線源としては、水銀灯、メタルハライドランプ、キセノンランプ、エキシマレーザー、色素レーザー、LEDランプ等の紫外線源、並びに電子線加速装置等が使用できる。活性エネルギー線の照射エネルギー量(積算光量)は、200~2,000mJ/cm2であることが好ましい。
<インク組成物に含有される化合物>
本発明のインク組成物に用いるラジカル重合性化合物は、紫外線や可視光線等の活性エネルギー線の照射により重合を起こす化合物である。
本発明のラジカル重合性化合物の平均官能基数は、1.3~1.8であることを特徴とする。平均官能基数が1.3に満たないものは、もともと付着性に劣ることは無いが、硬度が不足する。
4官能モノマーとしては、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、EO変性ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート等が挙げられる。
本発明のインク組成物に用いる光重合開始剤は、活性エネルギー線を照射することによって、上述したラジカル重合性化合物の重合を開始させる。本発明のインク組成物中において、光重合開始剤の含有量は、1~25質量%であることが好ましく、3~20質量%であることが更に好ましく、3~15質量%であることが一層好ましい。
本発明のインク組成物は、光安定剤を更に含有してもよい。光安定剤としては、市販の光安定剤を使用することができ、シアノアクリレート系化合物、ベンゾフェノン系化合物、ベンゾエート系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、ヒドロキシフェニルトリアジン系化合物、ベンジリデンカンファー系化合物、無機微粒子等が挙げられ、中でも、紫外線吸収がより短波長にあるヒドロキシフェニルトリアジン系化合物がインクの硬化性の観点から好ましい。
本発明のインク組成物は、顔料、ラジカル重合性化合物、光重合開始剤および非反応性溶剤と必要に応じて適宜選択される各種成分とを混合し、必要に応じて、使用するインクジェットプリントヘッドのノズル径の約1/10以下のポアサイズを持つフィルターを用い、得られた混合物を濾過することによって、調製できる。
<インク組成物>
表1に記載のように、ラジカル重合性化合物を配合したインクA~Cを作製した。
インクジェットプリンタ(ヘッドノズル径30μm,ヘッド内フィルター#2300メッシュ)とメタルハライドランプ(500mW/cm2、1000mJ/cm2)を使用し、基材温度T[℃]と、インク組成物の着弾から活性エネルギー線の照射までの時間t[s]を、下記の表2~6に示す実施例及び比較例のとおり設定し、印刷を行った。
被印刷物A・・・・・アクリル板
被印刷物B・・・・・ポリカーボネート板
被印刷物C・・・・・ポリアクリロニトリル・ブタジエン・スチレン板
被印刷物D・・・・・ポリ塩化ビニル板
被印刷物E・・・・・ポリスチレン板
印刷物の印刷層に1mm幅100マスのクロスカットを施し、セロハンテープを十分に接着させた後に引き剥がした。評価基準は以下の通りである。なお、評価は23℃、55%RHの雰囲気下で行った。結果を表2~6に示す。
◎・・カット部に剥離が確認されない。
○・・カット部に10%未満の剥離が確認できる。
△・・カット部に10%以上で且つ25%未満の剥離が確認できる。
×・・カット部に25%以上の剥離が確認できる。
JISK-5600-5-4に従い、引っ掻き硬度(鉛筆法)により評価を行った。結果を表7に示す。
b)2,4,6-トリメチルベンゾイル-ジフェニル-フォスフィンオキサイド(Lambson社製)
c)顔料分散剤(ビックケミー・ジャパン社製)
Claims (4)
- インクジェットプリンタによって、少なくとも顔料、ラジカル重合性化合物および光重合開始剤を含む活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物を被印刷物の表面に着弾させて印刷層を形成し、次いで、該印刷層に活性エネルギー線を照射して硬化させる印刷方法であって、
該ラジカル重合性化合物の平均官能基数が1.3~1.8であり、
該被印刷物の温度をT[℃]とし、該インク組成物の着弾から活性エネルギー線の照射までの時間をt[s]としたとき、該温度Tと該時間tの関係が、
下記式(1):
T≧2/t ・・・(1)
更に、下記式(2):
T≦200/t ・・・(2)
を満たし、
前記ラジカル重合性化合物が、2官能以上の多官能アクリルモノマーを40~59質量%含有し、かつ、前記インクジェットインク組成物中に70~88質量%を含有し、
前記光重合開始剤が、前記インクジェットインク組成物中に1~25質量%を含有し、
前記被印刷物が、ABS(ポリアクリロニトリル・ブタジエン・スチレン)樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリスチレンのいずれかである
ことを特徴とする印刷方法。 - 前記温度Tが、20≦T≦60であって、かつ、前記時間tが、0<t≦10であることを特徴とする請求項1に記載の印刷方法。
- 前記インクジェットインク組成物は、非反応性溶剤を含み、かつ、40℃における粘度が5.0~30.0mPa・sの範囲にある、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の印刷方法。
- 前記活性エネルギー線の照射エネルギー量(積算光量)は、200~2,000mJ/cm2である、ことを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の印刷方法。
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