JP2018168321A - 活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物 - Google Patents

活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物 Download PDF

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【課題】濡れ性及び再吐出性に優れる活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物を提供する。【解決手段】ラジカル重合性モノマー(A)及び光重合開始剤(B)を含む活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物であって、前記ラジカル重合性モノマー(A)が、(A−1)25℃における表面張力が32mN/m以下である単官能モノマー、(A−2)アルカンジオールジアクリレートである2官能モノマー及び(A−3)芳香環を有する単官能モノマーを少なくとも含み、ここで、前記インク組成物中におけるモノマー(A−1)の含有量が5〜40質量%であるとともに、該インク組成物中におけるモノマー(A−1):モノマー(A−2)の質量比が2:1〜1:4の範囲内であることを特徴とする活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物である。【選択図】なし

Description

本発明は、活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物に関し、特には、濡れ性及び再吐出性に優れる活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物に関するものである。
近年、インクジェット印刷に用いるインクとして活性エネルギー線硬化型インクが多数提案されている。活性エネルギー線硬化型インクは、紫外線等の活性エネルギー線の照射によって硬化するため、従来の有機溶剤系インクや水系インクの場合に行われる水や有機溶剤の揮発・乾燥といった工程が不要であり、また、速乾性であることから、印刷物の生産性を向上できるといった長所がある。しかしながら、その一方で、印刷面に対する十分な濡れ性が得られ難いという課題もあるため、このような課題に対処する手法が検討されている。
特開2008−207528号公報(特許文献1)は、インク付与面に、プラズマ処理、コロナ処理、フレーム処理よりなる群から選択される濡れ性向上化処理を行う工程、該処理面にインクジェット方式により紫外線硬化型インクを付与する工程、および、付与された紫外線硬化型インクに紫外線を照射する工程を、繰り返して行う着色物の製造方法を記載しております。
また、特開2010−112073号公報(特許文献2)は、下塗り塗料層を有する基材と、該下塗り塗料層と接するUVインク画像層とを有する建築板であって、該下塗り塗料層に塗布された塗料が、計算ガラス転移点Tg35〜90℃であるアクリル系樹脂エマルジョンであり、該UVインク画像層のUVインクに濡れ剤が含有されてなる建築板を記載しております。
特許文献1及び2に記載される手法は、活性エネルギー線硬化型インクの低い濡れ性をカバーするためにインクの印刷面を改良するものである。
一方、特開2015−67765号公報(特許文献3)は、官能基数が1〜2であるラジカル重合性モノマー(A)、光重合開始剤(B)及びアクリル系表面調整剤(C)を含むことを特徴とする活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物を記載し、該アクリル系表面調整剤を配合することによって、水に対する接触角が60°以下である親水性基材に対するインクの濡れ性、延いては印刷物のレベリング性を向上できることを記載している。
特開2012−219255号公報(特許文献4)は、重合性化合物として、CH=CR−COOR−O−CH=CH−R(式中、Rは水素原子又はメチル基であり、Rは炭素数2〜20の2価の有機残基であり、Rは水素原子又は炭素数1〜11の1価の有機残基である。)で表されるビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル類を含み、界面活性剤として、質量平均分子量が10,000〜13,000であり、HLBが5〜11であるポリエーテル変性シリコーンオイルを特定の割合で含むことを特徴とする紫外線硬化型インク組成物を記載しており、ここに記載されるビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル類及びポリエーテル変性シリコーンオイルの使用が濡れ性を良好にする上で好適であるとしている。
特開2010−235914号公報(特許文献5)は、少なくとも、重合性モノマーを含む活性エネルギー線硬化型インクジェットインキであって、重合性単官能モノマーが、全重合性モノマーに対して、60%以上98%以下含み、かつ、該単官能モノマーの一つがイソボルニルアクリレートであり、全重合性モノマーに対して25%以上65%以下含み、さらに、該単官能モノマーの一つが、N−ビニルカプロラクタムであり、全重合性モノマーに対して12.5%以上60%以下含むことを特徴とする活性エネルギー線硬化型インクジェットインキ組成物を記載しており、ここで、イソボルニルアクリレートが、基材に対する親和性が特に良く、さまざまな基材に対して良好な濡れ広がり性を示すことを記載している。
特開2008−207528号公報 特開2010−112073号公報 特開2015−67765号公報 特開2012−219255号公報 特開2010−235914号公報
特許文献3〜5に記載されるインク組成物は、いずれも濡れ性に優れるインクであるといえる。しかしながら、濡れ性に優れるインクは、印刷面だけではなく、インクジェットプリンタ、より具体的にはそのノズルヘッド部に対しても良好な濡れ性を示す。このため、印刷を断続的に行ったり、印刷を一時的に中断したりすると、ヘッド部に付着しているインクの揮発や、ノズル面への濡れ広がりにより、ある程度の時間間隔を置いて印刷を再開した場合、インクを正常に吐出できなくなるといった問題がある。
そこで、本発明の目的は、上記従来技術の問題を解決し、濡れ性に優れる活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物であっても、一定時間経過した後に印刷を再開した場合にノズルヘッド部から正常な吐出が可能であるインク組成物を提供することにある。
本明細書においては、一定時間経過した後にインクジェット印刷を再開した場合であっても画像を所定の位置に印刷することができる性質を「再吐出性」と称する。ここで、印刷再開までの一定時間とは、インクの吐出を停止してから再開までの間隔が10分から120分までの時間を想定している。例えば、印刷再開までの時間間隔が10分より短ければ、濡れ性に優れる従来のインクでも再吐出性の問題はないものと考えられる。また、印刷再開までの時間間隔が120分より長い場合は、濡れ性に関係なく、活性エネルギー線硬化型インクの揮発や、ノズル面への濡れ広がりにより、再吐出性を低下させる恐れがある。ちなみに、印刷再開までの時間間隔が長すぎ、再吐出性が低下するような場合は、例えば、インクを強制的に排出させて、ノズルプレートのインクを拭き取る等のプリンタヘッドの通常行われるメンテナンスにより対処することが考えられる。
本発明者は、上記目的を達成するために鋭意検討した結果、表面張力の低い単官能モノマーを特定の割合で含む濡れ性に優れる活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物に対して、該単官能モノマーに対して特定の割合でアルカンジオールジアクリレートを配合すると共に、芳香環を有する単官能モノマーを配合することで、再吐出性にも優れる活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物を提供できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明の活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物は、ラジカル重合性モノマー(A)及び光重合開始剤(B)を含む活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物であって、
前記ラジカル重合性モノマー(A)が、以下に示すモノマー(A−1)〜(A−3):
(A−1)25℃における表面張力が32mN/m以下である単官能モノマー、
(A−2)アルカンジオールジアクリレートである2官能モノマー、及び
(A−3)芳香環を有する単官能モノマー
を少なくとも含み、ここで、
前記インク組成物中におけるモノマー(A−1)の含有量が5〜40質量%であるとともに、該インク組成物中におけるモノマー(A−1):モノマー(A−2)の質量比が2:1〜1:4の範囲内であることを特徴とする。
本発明の活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物の好適例においては、前記インク組成物中におけるモノマー(A−1)の含有量が10〜35質量%であり、前記インク組成物中におけるモノマー(A−2)の含有量が10〜35質量%であり、前記インク組成物中におけるモノマー(A−3)の含有量が10〜25質量%である。
本発明の活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物の他の好適例においては、前記モノマー(A−1):モノマー(A−2)の質量比が1.5:1〜1:2である。
本発明の活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物の他の好適例においては、前記インク組成物中におけるモノマー(A−1)とモノマー(A−2)の合計含有量が30〜70質量%である。
本発明の活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物の他の好適例においては、前記モノマー(A−1)が、脂環式単官能モノマー及びプロピレングリコール系単官能モノマーからなる群から選択される少なくとも1種である。
本発明の活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物の他の好適例においては、前記モノマー(A−2)が、2つのアクリロイルオキシ基の間に6〜10個の炭素原子を有する。
本発明の活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物の他の好適例においては、前記インク組成物がラジカル重合性ウレタンオリゴマー(C)を更に含み、該インク組成物中におけるラジカル重合性ウレタンオリゴマー(C)の含有量が5〜15質量%である。
本発明の活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物の他の好適例においては、前記ラジカル重合性モノマー(A)が脂環式2官能モノマー(A−4)を更に含み、前記インク組成物中におけるモノマー(A−4)の含有量が5〜15質量%である。
本発明の活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物の他の好適例においては、前記ラジカル重合性モノマー(A)が下記式(1):
Figure 2018168321
〔式(1)中、Rは、水素原子又は炭素数が1〜8のアルキル基であり、Rは、水素原子又はメチル基である〕で表されるモノマー(A−5)を更に含み、前記インク組成物中における単官能モノマー(A−5)の含有量が1〜9質量%である。
本発明によれば、濡れ性及び再吐出性に優れる活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物を提供することができる。
以下に、本発明の活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物(以下、単に本発明のインク組成物ともいう)を詳細に説明する。本発明のインク組成物は、ラジカル重合性モノマー(A)及び光重合開始剤(B)を含む活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物であって、前記ラジカル重合性モノマー(A)が、(A−1)25℃における表面張力が32mN/m以下である単官能モノマー、(A−2)アルカンジオールジアクリレートである2官能モノマー、及び(A−3)芳香環を有する単官能モノマーを少なくとも含み、ここで、前記インク組成物中におけるモノマー(A−1)の含有量が5〜40質量%であるとともに、該インク組成物中におけるモノマー(A−1):モノマー(A−2)の質量比が2:1〜1:4の範囲内であることを特徴とする。
本明細書において、活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物とは、インクジェットプリンタによる印刷(インクジェット印刷ともいう)に用いるためのインク組成物であって、紫外線等の活性エネルギー線の照射により硬化させることができるインク組成物を意味する。
本発明のインク組成物に用いるラジカル重合性モノマー(A)は、活性エネルギー線の照射により重合性不飽和基(例えばアクリロイル基、メタクリロイル基、ビニル基又はアリル基を構成する炭素−炭素二重結合)を介して重合反応を起こすモノマーであり、具体的には、活性エネルギー線照射時に反応性を示す官能基の数が1である単官能モノマー(1つの重合性不飽和基を有する単官能モノマー)、該官能基数が2である2官能モノマー(2つの重合性不飽和基を有する2官能モノマー)、該官能基数が3以上である多官能モノマー(3つ以上の重合性不飽和基を有する多官能モノマー)等が挙げられる。なお、本発明において、モノマーは、通常、その分子量が2000未満である。本発明のインク組成物中において、ラジカル重合性モノマー(A)の含有量は、60〜95質量%であることが好ましい。
本発明のインク組成物において、ラジカル重合性モノマー(A)は、濡れ性と再吐出性とを両立させる観点から、以下に示すモノマー(A−1)〜(A−3)を少なくとも含む。なお、これらモノマー(A−1)〜(A−3)は、それぞれ一種単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
(A−1)25℃における表面張力が32mN/m以下である単官能モノマー
(A−2)アルカンジオールジアクリレートである2官能モノマー
(A−3)芳香環を有する単官能モノマー
上記単官能モノマー(A−1)は、25℃における表面張力が32mN/m以下であるため、濡れ性が良好である。また、25℃における単官能モノマー(A−1)の表面張力は、31mN/m以下が好ましい。一方、単官能モノマー(A−1)の表面張力の下限は、特に制限されないものの、再吐出性の観点から、25℃における単官能モノマー(A−1)の表面張力は20mN/m以上が好ましく、25mN/m以上が更に好ましい。なお、モノマーの表面張力は、プレート法により測定できる。
また、上記単官能モノマー(A−1)の中でも、濡れ性の向上効果の観点から、脂環式単官能モノマー及びプロピレングリコール系単官能モノマーが好ましい。ここで、「脂環式単官能モノマー」とは、芳香環を除く環状の炭化水素基(例えばシクロアルキル基、シクロアルケニル基など)を有する単官能モノマーを指し、この環状炭化水素基は単環でも多環でもよく、また、直鎖や枝分かれ鎖の炭化水素基(例えばアルキル基、アルケニル基など)やアルコキシ基等の置換基で置換されていてもよい。また、「プロピレングリコール系単官能モノマー」とは、プロピレングリコール由来の構造部分−(CHCHCHO)−又は−(CHCHCHO)−を分子内に1つ又は複数有する単官能モノマーを指す。
上記単官能モノマー(A−1)の具体例としては、イソボルニルアクリレート(30.6mN/m)、メトキシジプロピレングリコールアクリレート(29.4mN/m)、ラウリルアクリレート(29.8mN/m)、ステアリルアクリレート(26.0mN/m)、デシルアクリレート(24.8mN/m)、イソデシルアクリレート(28.5mN/m)、トリデシルアクリレート(29.6mN/m)、イソアミルアクリレート(25.7mN/m)、オクチルアクリレート(24.8mN/m)、イソオクチルアクリレート(25.7mN/m)、シクロヘキシルアクリレート(30.5mN/m)、(2−メチル−2−エチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)メチルアクリレート(31.6mN/m)、2−エチルヘキシル−ジグリコールアクリレート(30.2mN/m)及びt−ブチルシクロヘキシルアクリレート(28.5mN/m)等が好適に挙げられ、中でも、脂環式単官能モノマーやプロピレングリコール系単官能モノマーに分類されるイソボルニルアクリレート、メトキシジプロピレングリコールアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、及びt−ブチルシクロヘキシルアクリレート等が特に好適である。
本発明のインク組成物中において、上記単官能モノマー(A−1)の含有量は、5〜40質量%であり、10〜35質量%であることが好ましい。該単官能モノマー(A−1)の含有量が5質量%以上であれば、インクに良好な濡れ性を与えることができる。一方、該単官能モノマー(A−1)の含有量が40質量%を超えると、再吐出性が得られない場合がある。
上記2官能モノマー(A−2)は、アルカンジオールジアクリレートであるが、これをインクに配合することで、良好な再吐出性をインクに与えることができる。ここで、「アルカンジオールジアクリレート」とは、二価アルコールの2つのヒドロキシ基が2分子のアクリル酸のカルボキシ基とエステルを形成している2官能モノマーを指す。
また、上記2官能モノマー(A−2)は、再吐出性の向上効果の観点から、2つのアクリロイルオキシ基CH=CHCOO−の間に6〜10個の炭素原子を有することが好ましい。2つのアクリロイルオキシ基の間に存在する部位は、二価アルコールに由来する二価の炭化水素基に相当する。ここで、該炭化水素基としては、直鎖又は枝分かれ鎖の炭化水素基を挙げることができる。
上記2官能モノマー(A−2)の具体例としては、1,12−ドデカンジオールジアクリレート、1,10−デカンジオールジアクリレート、2−メチル−1,8−オクタンジオールジアクリレート、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールジアクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレート、1,8−オクタンジオールジアクリレート、1,7−ヘプタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、3−メチル−1,5−ペンタンジオールジアクリレート、及びネオペンチルグリコールジアクリレート等が挙げられる。
本発明のインク組成物中において、単官能モノマー(A−1):2官能モノマー(A−2)の質量比は、2:1〜1:4の範囲内であり、1.5:1〜1:2であることが好ましく、1.3:1〜1:1.5であることが最も好ましい。本発明のインク組成物中におけるモノマー(A−1):モノマー(A−2)の質量比が上記特定した範囲内にあれば、濡れ性と再吐出性とを両立させることができる。
また、本発明のインク組成物中において、単官能モノマー(A−1)と2官能モノマーモノマー(A−2)の合計含有量は、濡れ性と再吐出性の向上効果の観点から、30〜70質量%であることが好ましい。
本発明のインク組成物中において、上記2官能モノマー(A−2)の含有量は、再吐出性の向上効果の観点から、10〜35質量%であることが好ましい。
上記単官能モノマー(A−3)は、芳香環を有するモノマーであり、光重合開始剤や添加剤との相溶性が高く、インクからの光重合開始剤等の不都合な分離を起こさず、延いては濡れ性と再吐出性の両立に寄与し得る。ここで「芳香環」とは、芳香族化合物に含まれている環構造を指し、ベンゼン環やナフタレン環等の縮合環といった芳香族炭化水素に由来する芳香環やピリジン環等の芳香族複素環系化合物に由来する芳香環を挙げることができる。また、芳香環は、直鎖や枝分かれ鎖の炭化水素基(例えばアルキル基、アルケニル基など)やアルコキシ基等の置換基で置換されていてもよい。
上記単官能モノマー(A−3)の具体例としては、ネオペンチルグリコールアクリル酸安息香酸エステル、フェノキシエチルアクリレート、ベンジルアクリレート、及びフェノキシジエチレングリコールアクリレート等が挙げられ、これらの中でも、フェノキシエチルアクリレート、ベンジルアクリレート、及びフェノキシジエチレングリコールアクリレート等が好ましい。
本発明のインク組成物中において、上記単官能モノマー(A−3)の含有量は、溶解性の向上効果の観点から、10〜25質量%であることが好ましい。
本発明のインク組成物において、ラジカル重合性モノマー(A)は、脂環式2官能モノマー(A−4)を更に含むことが好ましい。脂環式2官能モノマー(A−4)を配合することによって、硬化した印刷層の硬度を向上させることができる。ここで、「脂環式2官能モノマー」とは、芳香環を除く環状の炭化水素基(例えばシクロアルキル基、シクロアルケニル基など)を有する2官能モノマーを指し、この環状炭化水素基は単環でも多環でもよく、また、直鎖や枝分かれ鎖の炭化水素基(例えばアルキル基、アルケニル基など)やアルコキシ基等の置換基で置換されていてもよい。
上記脂環式2官能モノマー(A−4)の具体例としては、ジメチロール−トリシクロデカンジアクリレート、及びジメチロール−シクロヘキサンジアクリレート等が挙げられる。なお、モノマー(A−4)は、一種単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明のインク組成物中において、上記脂環式2官能モノマー(A−4)の含有量は、硬化した印刷層の硬度を高める効果の観点から、5〜15質量%であることが好ましい。
本発明のインク組成物において、ラジカル重合性モノマー(A)は、下記式(1):
Figure 2018168321
〔式(1)中、Rは、水素原子又は炭素数が1〜8のアルキル基であり、Rは、水素原子又はメチル基である〕で表される単官能モノマー(A−5)を更に含むことが好ましい。上記式(1)の単官能モノマー(A−5)を配合することによって、印刷層の密着性を向上させることができる。上記式(1)の単官能モノマー(A−5)は、そのアミド結合部位に由来する水素結合によって、印刷層の密着性を向上させることができる。
上記式(1)において、Rは水素原子又は炭素数が1〜8のアルキル基であり、水素原子又は炭素数が1〜4のアルキル基であることが好ましい。また、上記式(1)において、Rは、水素原子又はメチル基であり、水素であることが好ましい。
上記式(1)の単官能モノマー(A−5)の具体例としては、N−n−ブトキシメチルアクリルアミド、N−イソブトキシメチルアクリルアミド、N−メトキシメチルアクリルアミド、及びN−メチロールアクリルアミド等が好適に挙げられる。なお、上記式(1)の単官能モノマー(A−5)は、一種単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明のインク組成物中において、上記式(1)の単官能モノマー(A−5)の含有量は、印刷層の密着性の向上効果の観点から、1〜9質量%であることが好ましい。
本発明のインク組成物において、ラジカル重合性モノマー(A)は、上述のモノマー(A−1)〜(A−5)以外のモノマー(以下、他のモノマーという)を更に含むことができる。
他のモノマーのうち、単官能モノマーは、その分子量が1000以下であるものが好ましく、具体例としては、4−ヒドロキシブチルアクリレート、アクリロイルモルホリン、N,N−ジメチルアクリルアミド、ジシクロペンタニルアクリレート、ジシクロペンテニルアクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチルアクリレート、N−ビニルカプロラクタム、EO(エチレンオキシド)変性2−エチルヘキシルアクリレート、N−ビニル−2−ピロリドン、テトラヒドロフルフリルアクリレート、及び環状トリメチロールプロパンフォルマルアクリレート、及びエトキシ−ジエチレングリコールアクリレート等が挙げられる。これらの中でも、インクの粘度の観点から、4−ヒドロキシブチルアクリレート、エトキシ−ジエチレングリコールアクリレート、及びテトラヒドロフルフリルアクリレートが好ましい。なお、これら単官能モノマーは、一種単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
他のモノマーのうち、2官能モノマーは、その分子量が1000以下であるものが好ましく、具体例としては、ポリテトラメチレングリコールジアクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジアクリレート、PO(プロピレンオキシド)変性ネオペンチルグリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、及びジプロピレングリコールジアクリレート等が挙げられる。なお、これら2官能モノマーは、一種単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
他のモノマーのうち、3官能以上の多官能モノマーは、その分子量が2000以下であるものが好ましく、具体例としては、トリメチロールプロパントリアクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート、プロポキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート、エトキシ化グリセリントリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラアクリレート、EO変性ジグリセリンテトラアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、及びEO変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等が挙げられる。これらの中でも、トリメチロールプロパントリアクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート、プロポキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート及びジペンタエリスリトールヘキサアクリレートが好ましい。なお、これら多官能モノマーは、一種単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明のインク組成物は、ラジカル重合性ウレタンオリゴマー(C)を更に含むことが好ましい。上記ウレタンオリゴマー(C)を配合することによって、硬化した印刷層の硬度を向上させることができる。本明細書において、「ラジカル重合性ウレタンオリゴマー」とは、活性エネルギー線の照射により重合性不飽和基(例えばアクリロイル基、メタクリロイル基、ビニル基又はアリル基を構成する炭素−炭素二重結合)を介して重合反応を起こすウレタンオリゴマー[ウレタン結合(−NHCOO−)を複数持つオリゴマー]であり、好ましくは重合性不飽和基としてアクリロイル基を有するウレタンアクリレートオリゴマーである。上記ウレタンオリゴマー(C)の重合性不飽和基の数は1〜6であることが好ましく、2〜6であることが更に好ましい。また、上記ウレタンオリゴマー(C)は、分子量が2000〜20000であることが好ましい。なお、該分子量は、ポリスチレン換算の重量平均分子量である。
本発明のインク組成物中において、上記ウレタンオリゴマー(C)の含有量は、印刷層の硬度を高める効果の観点から、5〜15質量%であることが好ましい。なお、本発明のインク組成物がウレタンオリゴマー(C)を含む場合、ラジカル重合性モノマー(A)とウレタンオリゴマー(C)の合計含有量はインクの全質量中60〜95質量%であることが好ましい。
ウレタンアクリレートオリゴマーの具体例としては、以下のものが挙げられる。なお、これらウレタンアクリレートオリゴマーは、一種単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
ビームセット502H、ビームセット505A−6、ビームセット550B、ビームセット575、ビームセットAQ−17(荒川化学工業社製)、
AH−600、UA−306H、UA−306T、UA−306I、UA−510H、UF−8001G(共栄社化学社製)、
CN910、CN959、CN963、CN964、CN965NS、CN966NS、CN969NS、CN980NS、CN981NS、CN982、CN983NS、CN985、CN991NS、CN996NS、CN2920、CN2921、CN8881NS、CN8883NS、CN9001NS、CN9004、CN9005、CN9009、CN9011、CN9021NS、CN9023、CN9028、CN9030、CN9178NS、CN9290、CN9893NS、CN929、CN989NS、CN968NS、CN9006NS、CN9010NS、CN9025、CN9026、CN9039、CN9062、CN9110NS、CN9029、CN8885NS、CN9013NS、CN973、CN978NS、CN992、CN9167、CN9782、CN9783、CN970、CN971、CN972、CN975NS、CN9165(サートマー社製)、
U−2PPA、U−6LPA、U−10HA、U−10PA、UA−1100H、U−15HA、UA−53H、UA−33H、U−200PA、UA−200PA、UA−160TM、UA−290TM、UA−4200、UA−4400、UA−122P(新中村化学工業社製)、
ニューフロンティアR−1235、R−1220、RST−201、RST−402、R−1301、R−1304、R−1214、R−1302XT、GX−8801A、R−1603、R−1150D(第一工業製薬社製)、
EBECRYL204、EBECRYL205、EBECRYL210、EBECRYL215、EBECRYL220、EBECRYL230、EBECRYL244、EBECRYL245、EBECRYL264、EBECRYL265、EBECRYL270、EBECRYL280/15IB、EBECRYL284、EBECRYL285、EBECRYL294/25HD、EBECRYL1259、EBECRYL1290、KRM8200、EBECRYL4820、EBECRYL4858、EBECRYL5129、EBECRYL8210、EBECRYL8254、EBECRYL8301R、EBECRYL8307、EBECRYL8402、EBECRYL8405、EBECRYL8411、EBECRYL8465、EBECRYL8800、EBECRYL8804、EBECRYL8807、EBECRYL9260、EBECRYL9270、EBECRYL7735、EBECRYL8296、EBECRYL8452、EBECRYL8904、EBECRYL8311、EBECRYL8701、EBECRYL8667(ダイセル・オルネクス社製)、
UV−1700B、UV−6300B、UV−7550B、UV−7600B、UV−7605B、UV−7610B、UV−7630B、UV−7640B、UV−7650B、UV−6630B、UV−7000B、UV−7510B、UV−7461TE、
UV−2000B、UV−2750B、UV−3000B、UV−3200B、UV−3300B、UV−3310B、UV−3700B、UV6640B(日本合成化学社製)、
アートレジンUN−333、UN−350、UN−1255、UN−2600、UN−2700、UN−5590、UN−6060PTM、UN−6200、UN−6202、UN−6300、UN−6301、UN−7600、UN−7700、UN−9000PEP、UN−9200A、UN−3320HA、UN−3320HC、UN−904、UN−906S(根上工業社製)
本発明のインク組成物は、ラジカル重合性ウレタンオリゴマー(C)以外のラジカル重合性オリゴマー、好ましくはアクリレートオリゴマーを更に含むことができる。具体例としては、アミノアクリレートオリゴマー[アミノ基(−NH)を複数持つアクリレートオリゴマー]、エポキシアクリレートオリゴマー[エポキシ基を複数持つアクリレートオリゴマー]、シリコーンアクリレートオリゴマー[シロキサン結合(−SiO−)を複数持つアクリレートオリゴマー]、エステルアクリレートオリゴマー[エステル結合(−COO−)を複数持つアクリレートオリゴマー]及びブタジエンアクリレートオリゴマー[ブタジエン単位を複数持つアクリレートオリゴマー]等が挙げられる。
本発明のインク組成物は、光重合開始剤(B)を含む。光重合開始剤は、活性エネルギー線を照射されることによって、上述したモノマーやオリゴマーの重合を開始させる作用を有する。また、上記光重合開始剤の含有量は、インクの全質量中1〜25質量%であることが好ましく、3〜20質量%であることが更に好ましく、3〜15質量%であることが一層好ましい。上記光重合開始剤の含有量が1質量%未満では、印刷層が硬化不良となることがあり、25質量%を超えると、低温時に析出物が発生してインクの吐出が不安定になることがある。更に、光重合開始剤の開始反応を促進させるため、光増感剤等の助剤を併用することも可能である。
上記光重合開始剤としては、ベンゾフェノン系化合物、アセトフェノン系化合物、チオキサントン系化合物、フォスフィンオキサイド系化合物等が挙げられるが、硬化性の観点から、照射する活性エネルギー線の波長と光重合開始剤の吸収波長ができるだけ重複するものが好ましい。
上記光重合開始剤の具体例としては、
2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、
1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、
2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、
ベンゾフェノン、
1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、
2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオニル)−ベンジル]−フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン、
フェニルグリオキシリックアシッドメチルエステル、
2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、
2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン、
2−ジメチルアミノ−2−(4−メチル−ベンジル)−1−(4−モルフォリン−4−イル−フェニル)−ブタン−1−オン、
ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、
ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルフォスフィンオキサイド、
2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド、
1,2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)−2−(O−ベンゾイルオキシム)]、
エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(O−アセチルオキシム)、
2,4−ジエチルチオキサントン、
2−イソプロピルチオキサントン、
2−クロロチオキサントン等が挙げられる。これらの中でも、インクの硬化性の観点から、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド及び2,4−ジエチルチオキサントンが好ましく、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイドが特に好ましい。なお、これら光重合開始剤は、一種単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明のインク組成物は、光安定剤を更に含有してもよい。光安定剤は、紫外線を吸収し、紫外線による劣化を防止する作用を有する。光安定剤としては、シアノアクリレート系化合物、ベンゾフェノン系化合物、ベンゾエート系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、ヒドロキシフェニルトリアジン系化合物、ベンジリデンカンファー系化合物、無機微粒子等が挙げられ、中でも、紫外線吸収がより短波長にあるヒドロキシフェニルトリアジン系化合物がインクの硬化性の観点から好ましい。硬化性の観点から、照射する活性エネルギー線の波長と光安定剤の吸収波長が出来るだけ重複しないものが好ましい。なお、光安定剤の含有量は、インクの全質量中0.1〜15質量%であることが好ましく、0.2〜5質量%であることが更に好ましい。該光安定剤の含有量が0.1質量%未満では、充分な紫外線の吸収効果が得られず、15質量%を超えると、印刷層の硬化性が低くなることがある。
上記光安定剤の具体例としては、
2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、
2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、
2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルフォニックアシッド、
2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、
2−ヒドロキシ−4−ドデシロキシベンゾフェノン−2−ヒドロキシ−4−ベンジロキシベンゾフェノン、
ビス(5−ベンゾイル−4−ヒドロキシ−2−メトキシフェニル)メタン、
2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、
2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、
2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、
2―ヒドロキシ−4−メトキシ−2’−カルボキシベンゾフェノン、
2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール
2−[2’−ヒドロキシ−3’,5’−ビス(α,α−(ジメチルベンジル)フェニル]ベンゾトリアゾール、
2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、
2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、
2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、
2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−アミルフェニル)ベンゾトリアゾール、
2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、
2,2’−メチレン−ビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2N−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール]、
メチル−3−[3−t−ブチル−5−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−ヒドロキシフェニル]プロピオネートとポリエチレングリコールとの縮合物、
2−(2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、
2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、
2,6−ジ−t−ブチルフェニル−3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシベンゾエート、
ヘキサデシル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート等が挙げられる。なお、これら光安定剤は、一種単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明のインク組成物は、重合禁止剤を更に含有してもよい。重合禁止剤は、インク中に発生する活性ラジカルと反応し、重合反応が起こることを防止する機能を有する。また、活性エネルギー線硬化型インクに重合禁止剤を配合すると、更に保存安定性を向上させることができる。上記重合禁止剤の含有量は、インクの全質量中0.001〜5質量%であることが好ましく、0.001〜1質量%であることが更に好ましい。上記重合禁止剤の含有量が0.001質量%未満では、保存安定性の向上効果が十分に得られず、5質量%を超えると、印刷層の硬化性を維持できず低下させる。
上記重合禁止剤としては、ハイドロキノン系化合物、フェノール系化合物、フェノチアジン系化合物、ニトロソ系化合物、N−オキシル系化合物等が挙げられる。
上記重合禁止剤の具体例としては、フェノール、o−、m−又はp−クレゾール、2−t−ブチル−4−メチルフェノール、6−t−ブチル−2,4−ジメチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、2−t−ブチルフェノール、4−t−ブチルフェノール、2,4−ジ−t−ブチルフェノール、2−メチル−4−t−ブチルフェノール、4−t−ブチル−2,6−ジメチルフェノール等のフェノール系化合物、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、メチルハイドロキノン、2,5−ジ−t−ブチルハイドロキノン、2−メチル−p−ハイドロキノン、2,3−ジメチルハイドロキノン、トリメチルハイドロキノン4−メチルベンズカテキン、t−ブチルハイドロキノン、3−メチルベンズカテキン、2−メチル−p−ハイドロキノン、2,3−ジメチルハイドロキノン、トリメチルハイドロキノン、t−ブチルハイドロキノン、ベンゾキノン、t−ブチル−p−ベンゾキノン、2,5−ジフェニル−p−ベンゾキノン等のハイドロキノン系化合物、フェノチアジン等のフェノチアジン系化合物、N−ニトロソ−N−フェニルヒドロキシルアミンアンモニウム、N−ニトロソ−N−フェニルヒドロキシルアミンアルミニウム塩等のニトロソ系化合物、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジン−N−オキシル、4−オキソ−2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジン−N−オキシル、4−メトキシ−2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジン−N−オキシル等のN−オキシル系化合物等が挙げられる。これらの中でも、ヒドロキノンモノメチルエーテル、フェノチアジン、N−ニトロソ−N−フェニルヒドロキシルアミンアンモニウム、N−ニトロソ−N−フェニルヒドロキシルアミンアルミニウム塩が、保存安定性の向上効果と硬化性の維持の観点から好ましい。なお、これら重合禁止剤は、一種単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明のインク組成物は、染料や顔料等の着色剤を含むことができるが、耐候性の観点から、顔料を含有することが好ましい。なお、着色剤の含有量は、例えばインクの全質量中0.1〜10質量%である。また、着色剤は、一種単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記着色剤の具体例としては、
C.I.Pigment Yellow 1、2、3、4、5、6、7、9、10、12、13、14、15、16、17、24、32、34、35、36、37、41、42、43、49、53、55、60、61、62、63、65、73、74、75、77、81、83、87、93、94、95、97、98、99、100、101、104、105、106、108、109、110、111、113、114、116、117、119、120、123、124、126、127、128、129、130、133、138、139、150、151、152、153、154、155、165、167、168、169、170、172、173、174、175、176、179、180、181、182、183、184、185、191、193、194、199、205、206、209、212、213、214、215、219、
C.I.Pigment Orange 1、2、3、4、5、13、15、16、17、19、20、21、24、31、34、36、38、40、43、46、48、49、51、60、61、62、64、65、66、67、68、69、71、72、73、74、81、
C.I.Pigment Red 1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、14、15、16、17、18、21、22、23、31、32、38、41、48、48:1、48:2、48:3、48:4、48:5、49、52、52:1、52:2、53:1、54、57:1、58、60:1、63、64:1、68、81:1、83、88、89、95、101、104、105、108、112、114、119、122、123、136、144、146、147、149、150、164、166、168、169、170、171、172、175、176、177、178、179、180、181、182、183、184、185、187、188、190、193、194、200、202、206、207、208、209、210、211、213、214、216、220、220、221、224、226、237、238、239、242、245、247、248、251、253、254、255、256、257、258、260、262、263、264、266、268、269、270、271、272、279、
C.I.Pigment Violet 1、2、3、3:1、3:3、5:1、13、15、16、17、19、23、25、27、29、31、32、36、37、38、42、50、
C.I.Pigment Blue 1、15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:5、15:6、16、17:1、24、24:1、25、26、27、28、29、36、56、60、61、62、63、75、79、80、
C.I.Pigment Green 1、4、7、8、10、15、17、26、36、50、
C.I.Pigment Brown 5、6、23、24、25、32、41、42、
C.I.Pigment Black 1、6、7、9、10、11、20、31、32、34、
C.I.Pigment White 1、2、4、5、6、7、11、12、18、19、21、22、23、26、27、28、
アルミニウムフレーク、ガラスフレーク、及び中空粒子等が挙げられる。
これらの中でも、印刷層の耐候性と色再現性の観点から、
C.I.Pigment Black 7、
C.I.Pigment Blue 15:3、C.I.Pigment Blue 15:4、C.I.Pigment Blue 28、
C.I.Pigment Red 101、C.I.Pigment Red 122、C.I.Pigment Red 202、C.I.Pigment Red 254、C.I.Pigment Red 282、
C.I.Pigment Violet 19、
C.I.Pigment White 6、
C.I.Pigment Yellow 42、C.I.Pigment Yellow 120、C.I.Pigment Yellow 138、C.I.Pigment Yellow 139、C.I.Pigment Yellow 150、C.I.Pigment Yellow 151、C.I.Pigment Yellow 155、C.I.Pigment Yellow 213が好ましい。
上記着色剤として顔料を用いる場合、吐出安定性の観点から、インク中に分散している顔料粒子は、体積平均粒子径が0.05〜0.4μmであり且つ体積最大粒子径が0.2〜1μmであることが好ましい。体積平均粒子径が0.4μmより大きく且つ体積最大粒子径が1μmよりも大きいと、インクを安定に吐出することが困難となる傾向がある。なお、体積平均粒子径及び体積最大粒子径は、動的光散乱法を用いた測定機器によって測定できる。
本発明のインク組成物は、顔料を分散させるために、必要に応じて顔料分散剤を更に含有してもよい。なお、顔料分散剤の含有量は、例えばインクの全質量中0.1〜5質量%である。また、顔料分散剤は、一種単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記顔料分散剤の具体例としては、
ANTI−TERRA−U、ANTI−TERRA−U100、
ANTI−TERRA−204、ANTI−TERRA−205、
DISPERBYK−101、DISPERBYK−102、
DISPERBYK−103、DISPERBYK−106、
DISPERBYK−108、DISPERBYK−109、
DISPERBYK−110、DISPERBYK−111、
DISPERBYK−112、DISPERBYK−116、
DISPERBYK−130、DISPERBYK−140、
DISPERBYK−142、DISPERBYK−145、
DISPERBYK−161、DISPERBYK−162、
DISPERBYK−163、DISPERBYK−164、
DISPERBYK−166、DISPERBYK−167、
DISPERBYK−168、DISPERBYK−170、
DISPERBYK−171、DISPERBYK−174、
DISPERBYK−180、DISPERBYK−182、
DISPERBYK−183、DISPERBYK−184、
DISPERBYK−185、DISPERBYK−2000、
DISPERBYK−2001、DISPERBYK−2008、
DISPERBYK−2009、DISPERBYK−2020、
DISPERBYK−2025、DISPERBYK−2050、
DISPERBYK−2070、DISPERBYK−2096、
DISPERBYK−2150、DISPERBYK−2155、
DISPERBYK−2163、DISPERBYK−2164、
BYK−P104、BYK−P104S、BYK−P105、
BYK−9076、BYK−9077、BYK−220S、BYKJET−9150、BYKJET−9151(以上、ビックケミー・ジャパン社製)、
Solsperse3000、Solsperse5000、
Solsperse9000、Solsperse11200、
Solsperse13240、Solsperse13650、
Solsperse13940、Solsperse16000、
Solsperse17000、Solsperse18000、
Solsperse20000、Solsperse21000、
Solsperse24000SC、Solsperse24000GR、
Solsperse26000、Solsperse27000、
Solsperse28000、Solsperse32000、
Solsperse32500、Solsperse32550、
Solsperse32600、Solsperse33000、
Solsperse34750、Solsperse35100、
Solsperse35200、Solsperse36000、
Solsperse36600、Solsperse37500、
Solsperse38500、Solsperse39000、
Solsperse41000、Solsperse54000、
Solsperse55000、Solsperse56000、
Solsperse71000、Solsperse76500、
SolsperseX300(以上、ルブリゾール社製)、
ディスパロンDA−7301、ディスパロンDA−325、ディスパロンDA−375、ディスパロンDA−234(以上、楠本化成社製)、
フローレンAF−1000、フローレンDOPA−15B、フローレンDOPA−15BHFS、フローレンDOPA−17HF、フローレンDOPA−22、フローレンDOPA−33、フローレンG−600、フローレンG−700、フローレンG−700AMP、フローレンG−700DMEA、フローレンG−820、フローレンG−900、フローレンGW−1500、フローレンKDG−2400、フローレンNC−500、フローレンWK−13E、(以上、共栄社化学社製)、
TEGO Dispers610、TEGO Dispers610S、
TEGO Dispers630、TEGO Dispers650、
TEGO Dispers652、TEGO Dispers655、
TEGO Dispers662C、TEGO Dispers670、
TEGO Dispers685、TEGO Dispers700、
TEGO Dispers710、TEGO Dispers740W、
LIPOTIN A、LIPOTIN BL、
LIPOTIN DB、LIPOTIN SB(以上、エボニック・デグサ社製)、
PB821、PB822、PN411、PA111(以上、味の素ファインテクノ社製)、
テキサホール963、テキサホール964、テキサホール987、テキサホールP60、テキサホールP61、テキサホールP63、テキサホール3250、テキサホールSF71、テキサホールUV20、テキサホールUV21(以上、コグニス社製)、
BorchiGenSN88、BorchiGen0451(以上、ボーシャス社製)等が挙げられる。
本発明のインク組成物は、その他の成分として、酸化防止剤、表面張力調整剤、可塑剤、防錆剤、溶剤、非反応性ポリマー、充填剤、消泡剤、荷電制御剤、応力緩和剤、浸透剤、導光材、光輝材、磁性材、蛍光体等の添加剤を必要に応じて使用してもよい。
本発明のインク組成物は、必要に応じて適宜選択される各種成分を混合し、必要に応じて、使用するインクジェットプリントヘッドのノズル径の約1/10以下のポアサイズを持つフィルターを用い、得られた混合物を濾過することによって、調製できる。
本発明のインク組成物は、その40℃における粘度が、5〜25mPa・sであることが好ましく、5〜20mPa・sであることが更に好ましい。40℃におけるインク粘度が上記特定した範囲内にあれば、良好な吐出安定性が得られる。なお、インク粘度は、コーンプレート型粘度計を用いて測定できる。
本発明のインク組成物は、その25℃における表面張力が20〜35mN/mであることが好ましく、23〜33mN/mであることが更に好ましい。25℃におけるインク表面張力が上記特定した範囲内にあれば、良好な吐出安定性が得られる。なお、インク表面張力は、プレート法により測定できる。
本発明のインク組成物を用いた印刷は、通常の印刷手段により、下地層上で行うことができ、印刷層を形成する。ここで、印刷手段としては、インクジェットプリンタを用いる印刷手段が好ましい。インクジェットプリンタとしては、例えば、荷電制御方式又はピエゾ方式によりインクを吐出させるインクジェットプリンタが挙げられ、特に大型インクジェットプリンタ、具体例としては工業ラインで生産される物品への印刷を目的としたインクジェットプリンタが好適に挙げられる。
本発明のインク組成物により形成される印刷層は、紫外線等の活性エネルギー線の照射により硬化されることになる。活性エネルギー線の光源としては、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、LEDランプ等を使用できる。また、上記印刷層を硬化させるために照射する活性エネルギー線の波長は、光重合開始剤の吸収波長と重複していることが好ましく、活性エネルギー線硬化型インク組成物に対しては、活性エネルギー線の主波長が、360〜425nmであることが好ましい。なお、活性エネルギー線の積算光量は100〜2000mJ/cmの範囲にあることが好ましい。
上記下地層は、印刷を行うための下地となる層を意味しており、基材そのものであってもよいし、基材上に形成され得る塗膜や印刷層であってもよい。
上記基材は、特に限定されるものではないが、工業ラインで用いられる基材が好適に挙げられる。基材の形状としては、例えば、板状等がある。基材の材質としては、例えば、エポキシ樹脂、ABS樹脂、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリエチレンテレフタラート(PET)、ポリプロピレン(PP)等のプラスチック、鉄、ステンレス、アルミニウム等の金属、木材、フレキシブルボード、ケイ酸カルシウム板、石膏スラグバーライト板、炭酸カルシウム板、木片セメント板、プレキャストコンクリート板、軽量発泡コンクリート(ALC)板、石膏ボード、タイル、及びガラス等が挙げられる。
上記下地層である塗膜の形成に用いる塗料や下地層である印刷層の形成に用いるインクには、主溶媒として有機溶剤を用いる有機溶剤系塗料及びインク、主溶媒として水を用いる水系塗料及びインク、活性エネルギー線硬化型塗料及びインク、粉体塗料等の従来から公知の各種塗料及びインクが利用可能である。上記塗料及びインクには、樹脂、硬化剤成分、着色剤、紫外線吸収剤、光安定剤、レオロジー調整剤、レベリング剤、表面張力調整剤、酸化防止剤、可塑剤、防錆剤、溶剤、充填剤、pH調整剤、消泡剤、荷電制御剤、活性エネルギー線硬化型モノマー及びオリゴマー、光重合開始剤、光増感剤、重合禁止剤、応力緩和剤、浸透剤、導光材、光輝材、磁性材、蛍光体、ワックス等を必要に応じて使用してもよい。上記塗料及びインクは、必要に応じて適宜選択される各種成分を混合することによって、調製できる。
上記下地層である塗膜の形成に用いる塗料の塗装方法は、エアスプレー、エアレススプレー、ロールコーター、フローコーター及び静電塗装等の従来から使用されている各種塗装手段が利用でき、また、上記下地層である印刷層の形成に用いるインクの印刷方法は、スクリーン印刷、グラビア印刷及びインクジェット印刷等の従来から使用されている各種印刷手段が利用できる。
上記下地層である塗膜や印刷層は、常温、加熱又は紫外線等の活性エネルギー線の照射により、硬化と共に乾燥させることが好ましい。加熱する場合の乾燥・硬化条件としては、60〜250℃の温度で且つ30秒〜1時間の条件が好ましい。活性エネルギー線の照射により硬化を行う場合は積算光量が100〜2000mJ/cmの範囲にあることが好ましい。
また、本発明のインク組成物が上記式(1)の単官能モノマー(A−5)を含む場合、上記下地層は、上記式(1)の単官能モノマー(A−5)と反応することが可能な官能基を含むことが好ましい。これにより、硬化した印刷層中に存在する上記式(1)の単官能モノマー(A−5)由来の部分(具体的には式(1)のCONHCHOR部位)と、下地層に含まれる該官能基とを、加熱により、反応させることができ、印刷層と下地層の層間密着性を向上させることができる。
本発明のインク組成物中には、配合される成分に含まれる少量の水が存在しており、硬化した印刷層中にも残存している。このため、硬化した印刷層中に存在する上記式(1)の単官能モノマー(A−5)由来の部分(具体的には式(1)のCONHCHOR部位)は、下地層に含まれる官能基との反応が可能となり、層間密着性を向上できるものと考えられる。
ここで、上記印刷層の加熱温度は、70〜300℃の範囲内であることが好ましく、90〜250℃の範囲内であることが更に好ましく、150〜190℃の範囲内であることが最も好ましい。なお、本発明において、上記印刷物の加熱温度とは、下地層又は基材の表面温度を指す。また、加熱時間については、例えば上記特定した範囲内であれば20分程度で十分である。
上記式(1)の単官能モノマー(A−5)と反応することが可能な官能基とは、より詳細には、硬化した印刷層中に存在する上記式(1)の単官能モノマー(A−5)由来の部分(具体的には式(1)のCONHCHOR部位)と、加熱により、反応することが可能な官能基と表現することもでき、その具体例としては、水酸基、アミノ基、アミド基、イミド基、及びアルコキシメチル基等が好適に挙げられる。これらの中でも、水酸基が最も好ましい。なお、上記下地層は、これら官能基を、一種でもよいが、二種以上を含んでいてもよい。
上記下地層は、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、アルキド樹脂、及びふっ素樹脂よりなる群から選ばれる少なくとも1種の樹脂を含むことが好ましい。下地層の材質が樹脂のような有機系の材料(好ましくはエポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、アルキド樹脂又はふっ素樹脂)であれば、上記式(1)の単官能モノマー(A−5)と反応することが可能な官能基を含む下地層を容易に準備することができる。
以下に、実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明は下記の実施例に何ら限定されるものではない。
<インク調製方法>
表1〜表4に示す配合処方に従う混合物を得、これをビーズミルで練合して均質にし、活性エネルギー線硬化型インクジェットインクを調製した。
Figure 2018168321
Figure 2018168321
Figure 2018168321
Figure 2018168321
a)ウレタンオリゴマー(ダイセル・オルネクス社製)
b)2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド(Lambson社製)
c)顔料分散剤(ビックケミー・ジャパン社製)
<濡れ性>
活性エネルギー線硬化型インクジェットインクを用いたインクジェットプリンタ(ヘッド温度45℃)によって、14pLの液滴を吐出させ、10%ベタ画像をPETフィルムに印刷した。印刷した画像の中から無作為にドットを3つ選出し、直径を測定した。その平均値を下記基準に従い濡れ性を評価した。結果を表1〜4に示す。
◎:平均直径が90μm以上
○:平均直径が70μm以上90μm未満
△:平均直径が50μm以上70μm未満
×:平均直径が50μm未満
<再吐出性>
活性エネルギー線硬化型インクジェットインクを用いたインクジェットプリンタ(ヘッド温度45℃)によって、コピー用紙にノズルチェック画像を印刷し、その後、メンテナンスや印刷を行わずにプリンタを30分放置し、再度同一画像を印刷した。その印刷外観を下記の基準に従い、目視で再吐出性を評価した。結果を表1〜4に示す。
◎:全ノズルが吐出できており、着弾位置のずれがない。
○:全ノズルが吐出できているが、一部着弾位置がずれている。
△:ノズルの20%未満が不吐出となっている。
×:ノズルの20%以上が不吐出となっている。
<鉛筆硬度>
アルミニウム板に大日本塗料社製PEプライマーを塗装し、下地層を作製した。次いで、活性エネルギー線硬化型インクジェットインクを用いたインクジェットプリンタによって、下地層上にベタ画像(厚さ:約8μm)を印刷し、その後、紫外線LEDランプを用いて主波長380〜390nmの活性エネルギー線を2000mJ/cm照射することで画像(印刷層)を硬化させた。該印刷物に対して、JIS K−5600−5−4に従い、引っ掻き硬度(鉛筆法)により鉛筆硬度の評価を行った。結果を表1〜4に示す。
<付着性>
上記<鉛筆硬度>にて記載される方法と同様にして下地層と印刷物を作製した。印刷物の印刷層に1mm幅100マスのクロスカットを施し、セロハンテープを十分に接着させた後に引き剥がした。以下に示す基準に従って付着性の評価を行った。結果を表1〜4に示す。
◎:カット部に剥離が確認されない。
○:カット部に10%未満の剥離が確認できる。
△:カット部に10%以上で且つ25%未満の剥離が確認できる。
×:カット部に25%以上の剥離が確認できる。

Claims (9)

  1. ラジカル重合性モノマー(A)及び光重合開始剤(B)を含む活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物であって、
    前記ラジカル重合性モノマー(A)が、以下に示すモノマー(A−1)〜(A−3):
    (A−1)25℃における表面張力が32mN/m以下である単官能モノマー、
    (A−2)アルカンジオールジアクリレートである2官能モノマー、及び
    (A−3)芳香環を有する単官能モノマー
    を少なくとも含み、ここで、
    前記インク組成物中におけるモノマー(A−1)の含有量が5〜40質量%であるとともに、該インク組成物中におけるモノマー(A−1):モノマー(A−2)の質量比が2:1〜1:4の範囲内であることを特徴とする活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物。
  2. 前記インク組成物中におけるモノマー(A−1)の含有量が10〜35質量%であり、
    前記インク組成物中におけるモノマー(A−2)の含有量が10〜35質量%であり、
    前記インク組成物中におけるモノマー(A−3)の含有量が10〜25質量%であることを特徴とする請求項1に記載の活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物。
  3. 前記モノマー(A−1):モノマー(A−2)の質量比が1.5:1〜1:2であることを特徴とする請求項1又は2に記載の活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物。
  4. 前記インク組成物中におけるモノマー(A−1)とモノマー(A−2)の合計含有量が30〜70質量%であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物。
  5. 前記モノマー(A−1)が、脂環式単官能モノマー及びプロピレングリコール系単官能モノマーからなる群から選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物。
  6. 前記モノマー(A−2)が、2つのアクリロイルオキシ基の間に6〜10個の炭素原子を有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物。
  7. 前記インク組成物がラジカル重合性ウレタンオリゴマー(C)を更に含み、該インク組成物中におけるラジカル重合性ウレタンオリゴマー(C)の含有量が5〜15質量%であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物。
  8. 前記ラジカル重合性モノマー(A)が脂環式2官能モノマー(A−4)を更に含み、前記インク組成物中におけるモノマー(A−4)の含有量が5〜15質量%であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物。
  9. 前記ラジカル重合性モノマー(A)が下記式(1):
    Figure 2018168321
    〔式(1)中、Rは、水素原子又は炭素数が1〜8のアルキル基であり、Rは、水素原子又はメチル基である〕で表されるモノマー(A−5)を更に含み、前記インク組成物中における単官能モノマー(A−5)の含有量が1〜9質量%であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物。
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