JP2015067765A - 活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物 - Google Patents

活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】親水性基材に対するレベリング性に優れる印刷物を形成可能な活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物を提供する。
【解決手段】水に対する接触角が60°以下である親水性基材用の活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物であり、官能基数が1〜2であるラジカル重合性モノマー(A)、光重合開始剤(B)及びアクリル系表面調整剤(C)を含むことを特徴とする活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物である。
【選択図】なし

Description

本発明は、活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物に関し、特にはレベリング性に優れる活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物に関するものである。なお、活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物とは、インクジェットプリンタ用のインク組成物であって、紫外線等の活性エネルギー線照射により硬化させることができるインク組成物を意味する。
近年、種々の活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物が提案されており、例えば、特開2003−147233(特許文献1)には、顔料、紫外線硬化性化合物及び光重合開始剤を含有する紫外線硬化型インクジェットインク組成物に、更に特定のシリコーンオイルを表面張力調整剤として含有させることによって、吐出安定性及びインク濡れ性を改善できることが報告されている。
特開2003−147233号公報
しかしながら、従来の活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物を親水性基材にインクジェットプリンタで印刷した場合、その印刷物のレベリング性が必ずしも十分でないという問題があった。なお、レベリング性とは、インクを基材上に印刷した後にインクが基材上で濡れ広がり、印刷物が平坦になる性質であり、レベリング性が低いと、基材上に凹凸が消えずに残ってしまうことになる。
そこで、本発明の目的は、上記従来技術の問題を解決し、親水性基材に対するレベリング性に優れる印刷物を形成可能な活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物を提供することにある。なお、親水性基材とは、水が表面に濡れ広がる基材であり、本発明においては、水に対する接触角が60°以下である基材をいう。
本発明者は、上記目的を達成するために鋭意検討した結果、アクリル系表面調整剤を活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物に用いることによって、親水性基材に対するレベリング性に優れる印刷物を形成できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明の活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物は、水に対する接触角が60°以下である親水性基材用の活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物であり、官能基数が1〜2であるラジカル重合性モノマー(A)、光重合開始剤(B)及びアクリル系表面調整剤(C)を含むことを特徴とする。
本発明の活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物の好適例において、前記アクリル系表面調整剤(C)は、SP値が8.5〜10.5であり、重量平均分子量が3000〜100000である。
本発明の活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物の他の好適例においては、前記アクリル系表面調整剤(C)が、ラウリル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート及び2−エチルヘキシル(メタ)アクリレートよりなる群から選択される少なくとも一種のアクリルレートモノマーを構成単位として含むポリマーである。
本発明の活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物の他の好適例においては、40℃におけるインクの粘度が5〜15mPa・sであり、かつ25℃におけるインクの表面張力が30〜36mN/mである。
本発明によれば、アクリル系表面調整剤を用いることによって、親水性基材に対するレベリング性に優れる印刷物を形成可能な活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物を提供することができる。
以下に、本発明の活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物を詳細に説明する。本発明の活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物は、水に対する接触角が60°以下である親水性基材用の活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物であり、官能基数が1〜2であるラジカル重合性モノマー(A)、光重合開始剤(B)及びアクリル系表面調整剤(C)を含むことを特徴とする。本発明の活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物は、アクリル系表面調整剤を含むため、水に対する接触角が60°以下である親水性基材に対してレベリング性に優れる印刷物を形成可能であるが、水に対する基材の接触角が0°〜40°の範囲であると、レベリング性を更に向上させることができる。
本発明において、親水性基材は、上述したように、水に対する接触角が60°以下であれば特に限定されるものではないが、例えば、プラスチック類、ガラス類、金属類、セラミック類、樹脂で表面をコーティングした紙等の材質が挙げられ、サインディスプレイ等の屋外用物品において好適に用いられる。
なお、水に対する基材の接触角は、液滴法に従い基材表面に付着した液滴の接触角を測定した値である。
本発明の活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物に用いるラジカル重合性モノマー(A)は、官能基数が1〜2であることを要する。官能基数が1〜2であるラジカル重合性モノマーを用いることで、印刷物の硬化性や印刷物の強度のコントロールが可能になる。なお、本発明において、官能基とは、活性エネルギー線照射時に反応性を示す官能基を指す。また、上記ラジカル重合性モノマー(A)は、分子量が1000以下であることが好ましい。
上記ラジカル重合性モノマー(A)は、官能基数が1〜2であれば特に限定されるものではなく、後述するように、官能基数が1である単官能モノマー及び官能基数が2である2官能モノマーが挙げられる。なお、上記ラジカル重合性モノマー(A)は、一種単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記単官能モノマーの具体例としては、ステアリルアクリレート、アクリロイルモルホリン、トリデシルアクリレート、ラウリルアクリレート、N,N−ジメチルアクリルアミド、デシルアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、イソデシルアクリレート、イソボルニルアクリレート、ジシクロペンタニルアクリレート、ジシクロペンテニルアクリレート、イソオクチルアクリレート、オクチルアクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、N−ビニルカプロラクタム、イソアミルアクリレート、2−エチルヘキシル−ジグリコールアクリレート、EO(エチレンオキシド)変性2−エチルヘキシルアクリレート、ネオペンチルグリコールアクリル酸安息香酸エステル、N−ビニル−2−ピロリドン、N−ビニルイミダゾール、テトラヒドロフルフリルアクリレート、メトキシジプロピレングリコールアクリレート、(2−メチル−2−エチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)メチルアクリレート、環状トリメチロールプロパンフォルマルアクリレート、エトキシ−ジエチレングリコールアクリレート、及び2−(2’−ビニルオキシエトキシ)エチルアクリレート等が挙げられる。これらの中でも、イソボルニルアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、メトキシジプロピレングリコールアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、及びテトラヒドロフルフリルアクリレートが好ましい。なお、これら単官能モノマーは、一種単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記2官能モノマーの具体例としては、1,10−デカンジオールジアクリレート、2−メチル−1,8−オクタンジオールジアクリレート、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールジアクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレート、1,8−オクタンジオールジアクリレート、1,7−ヘプタンジオールジアクリレート、ポリテトラメチレングリコールジアクリレート、3−メチル−1,5−ペンタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、及びジプロピレングリコールジアクリレート等が挙げられる。これらの中でも、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレート及びネオペンチルグリコールジアクリレートが好ましい。なお、これら2官能モノマーは、一種単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明の活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物中において、上記ラジカル重合性モノマー(A)の含有量は、印刷物の硬化性や印刷物の強度のコントロールの観点から、50〜90質量%であることが好ましい。
本発明の活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物においては、上記ラジカル重合性モノマー(A)以外にも、硬化性や印刷膜の強度を上げるため、官能基数が3以上である3官能以上の多官能ラジカル重合性モノマーを使用してもよい。また、上記3官能以上の多官能ラジカル重合性モノマーは、分子量が2000未満であることが好ましい。なお、3官能以上の多官能ラジカル重合性モノマーの含有量は、例えば、インク組成物中1〜20質量%である。
上記3官能以上の多官能ラジカル重合性モノマーとしては、トリメチロールプロパントリアクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート、プロポキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、エトキシ化グリセリントリアクリレート、テトラメチロールメタントリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラアクリレート、EO変性ジグリセリンテトラアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、及びジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等が挙げられる。なお、これら多官能ラジカル重合性モノマーは、一種単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、本発明の活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物においては、印刷膜の強度を上げるため、アクリレートオリゴマーを使用してもよい。アクリレートオリゴマーとは、アクリロイルオキシ基(CH2=CHCOO−)を一つ以上有するオリゴマーであり、官能基数は3〜6であることが好ましい。また、アクリレートオリゴマーは、分子量が2000〜20000であることが好ましい。なお、該分子量は、ポリスチレン換算の重量平均分子量である。そして、アクリレートオリゴマーの具体例としては、アミノアクリレートオリゴマー[アミノ基(−NH)を複数持つアクリレートオリゴマー]、ウレタンアクリレートオリゴマー[ウレタン結合(−NHCOO−)を複数持つアクリレートオリゴマー]、エポキシアクリレートオリゴマー[エポキシ基を複数持つアクリレートオリゴマー]、シリコーンアクリレートオリゴマー[シロキサン結合(−SiO−)を複数持つアクリレートオリゴマー]、エステルアクリレートオリゴマー[エステル結合(−COO−)を複数持つアクリレートオリゴマー]及びブタジエンアクリレートオリゴマー[ブタジエン単位を複数持つアクリレートオリゴマー]等が挙げられる。これらの中でも、耐候性や密着性の観点から、ウレタンアクリレートオリゴマーが好ましく、構造中に芳香環を持たない脂肪族ウレタンアクリレートオリゴマーが更に好ましい。なお、アクリレートオリゴマーの含有量は、例えば、インク組成物中1〜10質量%である。
アクリレートオリゴマーの具体例としては、以下のものが挙げられる。なお、これらアクリレートオリゴマーは、一種単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
ビームセット502H、ビームセット505A−6、ビームセット550B、ビームセット575、ビームセットAQ−17(荒川化学工業社製)、
UA−306H、UA−306I、UA−510H、UF−8001G(共栄社化学社製)、
CN929、CN940、CN944B85、CN959、CN961E75、CN961H81、CN962、CN963A80、CN963B80、CN963E75、CN963E80、CN963J75、CN964、CN964A85、CN964E75、CN965、CN965A80、CN966A80、CN966B85、CN966H90、CN966J75、CN966R60、CN968、CN980、CN981、CN981A75、CN981B88、CN982A75、CN982B88、CN982E75、CN982P90、CN983、CN985B88、CN989、CN991、CN996、CN9001、CN9002、CN9004、CN9005、CN9006、CN9007、CN9008、CN9009、CN9010、CN9011、CN9014、CN9178、CN9788、CN9893(サートマー社製)、
U−4HA、U−6HA、U−6LPA、UA−1100H、UA−53H、UA−33H、U−200PA、UA−4200、UA−122P(新中村化学工業社製)、
ニューフロンティアR−1214、ニューフロンティアR−1301、ニューフロンティアR−1304、ニューフロンティアR−1306X、ニューフロンティアR−1150D(第一工業製薬社製)、
EBECRYL230、EBECRYL244、EBECRYL245、EBECRYL264、EBECRYL265、EBECRYL270、EBECRYL284、EBECRYL285、EBECRYL294、EBECRYL1290、EBECRYL4820、EBECRYL5129、EBECRYL8201、EBECRYL8402、(ダイセル・サイテック社製)、
UV−1700B、UV−7600B、UV−7605B、UV−6630B、UV−7000B、UV−7461TE、UV−3000B、UV−3310B、UV−3520TL、UV−3700B(日本合成化学社製)、
アートレジンUN−333、UN−1255、UN−2600、UN−2700、UN−5500、UN−5507、UN−6060P、UN−6200、UN−6300、UN−6301、UN−7600、UN−7700、UN−9000PEP、UN−9200A、UN−3320HA、UN−3320HC、UN−904(根上工業社製)
本発明の活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物に用いる光重合開始剤(B)は、活性エネルギー線を照射されることによって、上述したラジカル重合性モノマー(A)、アクリレートオリゴマー及び3官能以上の多官能ラジカル重合性モノマーの重合を開始させる作用を有する。また、上記光重合開始剤(B)の含有量は、該インク組成物中1〜25質量%であることが好ましく、1〜10質量%であることが更に好ましい。上記光重合開始剤(B)の含有量が1質量%未満では、印刷物が硬化不良となることがあり、25質量%を超えると、低温時に析出物が発生してインクの吐出が不安定になることがある。更に、光重合開始剤の開始反応を促進させるため、光増感剤等の助剤を併用することも可能である。
上記光重合開始剤(B)としては、ベンゾフェノン系化合物、アセトフェノン系化合物、チオキサントン系化合物、フォスフィンオキサイド系化合物等が挙げられるが、硬化性の観点から、照射する活性エネルギー線の波長と光重合開始剤の吸収波長ができるだけ重複するものが好ましい。
上記光重合開始剤(B)の具体例としては、
2,2−ジメトキシー1,2−ジフェニルエタン−1−オン、
1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、
2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、
ベンゾフェノン、
1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、
2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオニル)−ベンジル]−フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン、
フェニルグリオキシリックアシッドメチルエステル、
2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、
2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン、
2−ジメチルアミノ−2−(4−メチル−ベンジル)−1−(4−モルフォリン−4−イル−フェニル)−ブタン−1−オン、
ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、
ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルフォスフィンオキサイド、
2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド、
1,2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)−2−(O−ベンゾイルオキシム)]、
エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(O−アセチルオキシム)、
2,4−ジエチルチオキサントン、
2−イソプロピルチオキサントン、
2−クロロチオキサントン等が挙げられる。これらの中でも、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイドが、インクの硬化性の観点から好ましい。なお、これら光重合開始剤(B)は、一種単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明の活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物に用いるアクリル系表面調整剤(C)は、親水性基材上での印刷物のレベリング性を向上させる作用を有しており、ポリ(メタ)アクリレート骨格を備える。なお、表面調整剤としては、アクリル系表面調整剤の他、フッ素系表面調整剤及びシリコーン系表面調整剤が知られている。しかしながら、フッ素系表面調整剤又はシリコーン系表面調整剤を配合した場合、インク表面が疎水性になるため、親水性基材上に印刷しても、印刷物のレベリング性を十分に向上させることができない。
上記アクリル系表面調整剤(C)は、特に限定されるものではないが、親水性基材上での印刷物のレベリング性を更に向上させるため、ラウリル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート及び2−エチルヘキシル(メタ)アクリレートよりなる群から選択される少なくとも一種のアクリルレートモノマーを構成単位として含むポリマーであることが好ましい。また、上記ポリマーは、更に、上述のアクリレートモノマー以外のモノマーを構成単位として含むことができ、例えば、アルキル(メタ)アクリレートやアルケニル(メタ)アクリレート、アクリル酸、メタクリル酸等が挙げられる。アルキル(メタ)アクリレート及びアルケニル(メタ)アクリレートの具体例としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート等が挙げられる。なお、これらモノマーは、一種単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記アクリル系表面調整剤(C)は、SP値が8.5〜10.5であることが好ましい。アクリル系表面調整剤(C)のSP値(溶解パラメータ)が8.5未満であったり、10.5を超えたりすると、本発明の活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物において相溶性に問題が生じ、吐出安定性が低下する場合がある。なお、SP値とは、相溶性を判断する際の目安となるもので、種々の計算方法や実測方法があるが、本発明においては、Hoyの提唱した蒸気圧法によるSP値を用いて求めた分子引力定数を使用し、文献〔K. L. Hoy, J. Paint Technology, 42, [541], 76(1970)〕に記載された方法に準拠して計算した値を意味する。具体的には、SP値は、δ=(dΣG)/Mで表され、dはポリマーの密度、Mはポリマーの基本構造単位の分子量、ΣGは該基本構造単位中に存在する原子(団)に対応する分子引力定数Gの総和である。
また、上記アクリル系表面調整剤(C)は、ポリスチレン換算の重量平均分子量が3000〜100000であることが好ましい。該アクリル系表面調整剤(C)の重量平均分子量が3000未満では、レベリング性の向上効果が十分に得られない場合があり、また、100000を超えると、本発明の活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物において相溶性に問題が生じ、吐出安定性が低下する場合がある。
本発明の活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物中において、上記アクリル系表面調整剤(C)の含有量は、0.01〜5質量%であることが好ましく、0.02〜2質量%であることが更に好ましい。上記アクリル系表面調整剤(C)の含有量が0.01質量%未満では、レベリング性の向上効果が十分に得られない場合があり、また、5質量%を超えると、印刷物が硬化不良となることがある。
本発明の活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物は、光安定剤を更に含有してもよい。光安定剤は、紫外線を吸収し、紫外線による劣化を防止する作用を有する。光安定剤としては、シアノアクリレート系化合物、ベンゾフェノン系化合物、ベンゾエート系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、ヒドロキシフェニルトリアジン系化合物、ベンジリデンカンファー系化合物、無機微粒子等が挙げられ、中でも、紫外線吸収がより短波長にあるヒドロキシフェニルトリアジン系化合物がインクの硬化性の観点から好ましい。硬化性の観点から、照射する活性エネルギー線の波長と光安定剤の吸収波長が出来るだけ重複しないものが好ましい。なお、光安定剤の含有量は、インク組成物中0.1〜15質量%であることが好ましく、0.2〜5質量%であることが更に好ましい。該光安定剤の含有量が0.1質量%未満では、充分な紫外線の吸収効果が得られず、15質量%を超えると、印刷物が硬化不良となることがある。
上記光安定剤の具体例としては、
2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、
2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、
2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルフォニックアシッド、
2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、
2−ヒドロキシ−4−ドデシロキシベンゾフェノン−2−ヒドロキシ−4−ベンジロキシベンゾフェノン、
ビス(5−ベンゾイル−4−ヒドロキシ−2−メトキシフェニル)メタン、
2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、
2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、
2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、
2―ヒドロキシ−4−メトキシ−2’−カルボキシベンゾフェノン、
2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール
2−[2’−ヒドロキシ−3’,5’−ビス(α,α−(ジメチルベンジル)フェニル]ベンゾトリアゾール、
2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、
2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、
2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、
2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−アミルフェニル)ベンゾトリアゾール、
2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、
2,2’−メチレン−ビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2N−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール]、
メチル−3−[3−t−ブチル−5−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−ヒドロキシフェニル]プロピオネートとポリエチレングリコールとの縮合物、
2−(2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、
2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、
2,6−ジ−t−ブチルフェニル−3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシベンゾエート、
ヘキサデシル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート等が挙げられる。なお、これら光安定剤は、一種単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明の活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物は、染料や顔料等の着色剤を更に含有してもよいが、耐候性の観点から、顔料を含有することが好ましい。なお、着色剤の含有量は、例えばインク組成物中0.1〜10質量%である。また、着色剤は、一種単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記着色剤の具体例としては、
C.I.Pigment Yellow 1、2、3、4、5、6、7、9、10、12、13、14、15、16、17、24、32、34、35、36、37、41、42、43、49、53、55、60、61、62、63、65、73、74、75、77、81、83、87、93、94、95、97、98、99、100、101、104、105、106、108、109、110、111、113、114、116、117、119、120、123、124、126、127、128、129、130、133、138、139、150、151、152、153、154、155、165、167、168、169、170、172、173、174、175、176、179、180、181、182、183、184、185、191、193、194、199、205、206、209、212、213、214、215、219、
C.I.Pigment Orange 1、2、3、4、5、13、15、16、17、19、20、21、24、31、34、36、38、40、43、46、48、49、51、60、61、62、64、65、66、67、68、69、71、72、73、74、81、
C.I.Pigment Red 1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、14、15、16、17、18、21、22、23、31、32、38、41、48、48:1、48:2、48:3、48:4、48:5、49、52、52:1、52:2、53:1、54、57:1、58、60:1、63、64:1、68、81:1、83、88、89、95、101、104、105、108、112、114、119、122、123、136、144、146、147、149、150、164、166、168、169、170、171、172、175、176、177、178、179、180、181、182、183、184、185、187、188、190、193、194、200、202、206、207、208、209、210、211、213、214、216、220、220、221、224、226、237、238、239、242、245、247、248、251、253、254、255、256、257、258、260、262、263、264、266、268、269、270、271、272、279、
C.I.Pigment Violet 1、2、3、3:1、3:3、5:1、13、15、16、17、19、23、25、27、29、31、32、36、37、38、42、50、
C.I.Pigment Blue 1、15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:5、15:6、16、17:1、24、24:1、25、26、27、28、29、36、56、60、61、62、63、75、79、80、
C.I.Pigment Green 1、4、7、8、10、15、17、26、36、50、
C.I.Pigment Brown 5、6、23、24、25、32、41、42、
C.I.Pigment Black 1、6、7、9、10、11、20、31、32、34、
C.I.Pigment White 1、2、4、5、6、7、11、12、18、19、21、22、23、26、27、28、
アルミニウムフレーク、ガラスフレーク、及び中空粒子等が挙げられる。
これらの中でも、印刷物の耐候性と色再現性の観点から
C.I.PigmentBlack7、
C.I.PigmentBlue15:3、C.I.PigmentBlue15:4、C.I.PigmentBlue28、
C.I.PigmentRed101、C.I.PigmentRed122、
C.I.PigmentRed202、C.I.PigmentRed254、
C.I.PigmentRed282、
C.I.PigmentViolet19、
C.I.PigmentWhite7、
C.I.PigmentYellow42、C.I.PigmentYellow120、
C.I.PigmentYellow138、C.I.PigmentYellow139、C.I.PigmentYellow150、C.I.PigmentYellow151、C.I.PigmentYellow155、C.I.PigmentYellow213が好ましい。
上記着色剤として顔料を用いる場合、吐出安定性の観点から、インク組成物中に分散している顔料粒子は、体積平均粒子径が0.05〜0.4μmであり且つ体積最大粒子径が0.2〜1μmであることが好ましい。体積平均粒子径が0.4μmより大きく且つ体積最大粒子径が1μmよりも大きいと、インク組成物を安定に吐出することが困難となる傾向がある。なお、体積平均粒子径及び体積最大粒子径は、動的光散乱法を用いた測定機器によって測定できる。
本発明の活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物は、顔料を分散させるために、必要に応じて顔料分散剤を更に含有してもよい。なお、顔料分散剤の含有量は、例えばインク組成物中0.1〜5質量%である。また、顔料分散剤は、一種単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記顔料分散剤の具体例としては、
ANTI−TERRA−U、ANTI−TERRA−U100、
ANTI−TERRA−204、ANTI−TERRA−205、
DISPERBYK−101、DISPERBYK−102、
DISPERBYK−103、DISPERBYK−106、
DISPERBYK−108、DISPERBYK−109、
DISPERBYK−110、DISPERBYK−111、
DISPERBYK−112、DISPERBYK−116、
DISPERBYK−130、DISPERBYK−140、
DISPERBYK−142、DISPERBYK−145、
DISPERBYK−161、DISPERBYK−162、
DISPERBYK−163、DISPERBYK−164、
DISPERBYK−166、DISPERBYK−167、
DISPERBYK−168、DISPERBYK−170、
DISPERBYK−171、DISPERBYK−174、
DISPERBYK−180、DISPERBYK−182、
DISPERBYK−183、DISPERBYK−184、
DISPERBYK−185、DISPERBYK−2000、
DISPERBYK−2001、DISPERBYK−2008、
DISPERBYK−2009、DISPERBYK−2020、
DISPERBYK−2025、DISPERBYK−2050、
DISPERBYK−2070、DISPERBYK−2096、
DISPERBYK−2150、DISPERBYK−2155、
DISPERBYK−2163、DISPERBYK−2164、
BYK−P104、BYK−P104S、BYK−P105、
BYK−9076、BYK−9077、BYK−220S、BYKJET−9150、BYKJET−9151(以上、ビックケミー・ジャパン社製)、
Solsperse3000、Solsperse5000、
Solsperse9000、Solsperse11200、
Solsperse13240、Solsperse13650、
Solsperse13940、Solsperse16000、
Solsperse17000、Solsperse18000、
Solsperse20000、Solsperse21000、
Solsperse24000SC、Solsperse24000GR、
Solsperse26000、Solsperse27000、
Solsperse28000、Solsperse32000、
Solsperse32500、Solsperse32550、
Solsperse32600、Solsperse33000、
Solsperse34750、Solsperse35100、
Solsperse35200、Solsperse36000、
Solsperse36600、Solsperse37500、
Solsperse38500、Solsperse39000、
Solsperse41000、Solsperse54000、
Solsperse55000、Solsperse56000、
Solsperse71000、Solsperse76500、
SolsperseX300(以上、ルブリゾール社製)、
ディスパロンDA−7301、ディスパロンDA−325、
ディスパロンDA−375、ディスパロンDA−234(以上、楠本化成社製)、
フローレンAF−1000、フローレンDOPA−15B、フローレンDOPA−15BHFS、フローレンDOPA−17HF、フローレンDOPA−22、フローレンDOPA−33、フローレンG−600、フローレンG−700、フローレンG−700AMP、フローレンG−700DMEA、フローレンG−820、フローレンG−900、フローレンGW−1500、フローレンKDG−2400、フローレンNC−500、フローレンWK−13E、(以上、共栄社化学社製)、
TEGO Dispers610、TEGO Dispers610S、
TEGO Dispers630、TEGO Dispers650、
TEGO Dispers652、TEGO Dispers655、
TEGO Dispers662C、TEGO Dispers670、
TEGO Dispers685、TEGO Dispers700、
TEGO Dispers710、TEGO Dispers740W、
LIPOTIN A、LIPOTIN BL、
LIPOTIN DB、LIPOTIN SB(以上、エボニック・デグサ社製)、
PB821、PB822、PN411、PA111(以上、味の素ファインテクノ社製)、
テキサホール963、テキサホール964、テキサホール987、テキサホールP60、テキサホールP61、テキサホールP63、テキサホール3250、テキサホールSF71、テキサホールUV20、テキサホールUV21(以上、コグニス社製)、
BorchiGenSN88、BorchiGen0451(以上、ボーシャス社製)等が挙げられる。
本発明の活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物には、その他の成分として、重合禁止剤、酸化防止剤、シランカップリング剤、可塑剤、防錆剤、溶剤、非反応性ポリマー、充填剤、pH調整剤、消泡剤、荷電制御剤、応力緩和剤、浸透剤、導光材、光輝材、磁性材、蛍光体等の添加剤を必要に応じて使用してもよい。
本発明の活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物は、上記ラジカル重合性モノマー(A)、光重合開始剤(B)及びアクリル系表面調整剤(C)と、必要に応じて適宜選択される各種成分とを混合し、必要に応じて、使用するインクジェットプリントヘッドのノズル径の約1/10以下のポアサイズを持つフィルターを用い、得られた混合物を濾過することによって、調製できる。なお、本発明の活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物においては、使用されるラジカル重合性モノマー(A)及びアクリル系表面調整剤(C)の配合比を調整することによって、所望の粘度及び表面張力を達成することができる。
本発明の活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物は、その40℃における粘度が、5〜15mPa・sであることが好ましく、5〜10mPa・sであることが更に好ましい。40℃におけるインク粘度が上記特定した範囲内にあれば、良好な吐出安定性が得られる。なお、インク粘度は、B型粘度計を用いて測定できる。
本発明の活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物は、その25℃における表面張力が30〜36mN/mであることが好ましい。25℃におけるインク表面張力が上記特定した範囲内にあれば、良好な吐出安定性が得られる。なお、インク表面張力は、プレート法により測定できる。
本発明の活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物は、種々のインクジェットプリンタに使用することができる。インクジェットプリンタとしては、例えば、荷電制御方式又はピエゾ方式によりインク組成物を噴出させるインクジェットプリンタを挙げることができる。また、本発明の活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物は、特に大型インクジェットプリンタ、具体例としてはサインディスプレイ等の屋外用物品に印刷することを目的としたインクジェットプリンタによる印刷に好適に適用できる。なお、インクジェットプリンタによる印刷後、活性エネルギー線を照射して印刷物を硬化させることによって、耐候性が良好な印刷物を形成することができる。また、上記印刷物を硬化させるために照射する活性エネルギー線の波長は、光重合開始剤の吸収波長と重複していることが好ましく、本発明の活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物に対しては、活性エネルギー線の主波長が、360〜425nmであることが好ましい。
以下に、実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明は下記の実施例に何ら限定されるものではない。
(表面調整剤1の調製例)
環流冷却器、温度計、攪拌機及び滴下槽を備えた重合装置に、キシレン25質量部を入れ、窒素雰囲気下で、以下の配合処方に従う混合物溶液を110℃に保持しながら約3時間かけて均一滴下し、共重合物(表面調整剤1)を得た。
ブチルアクリレート:49質量部
2−エチルヘキシルアクリレート:20.9質量部
アクリル酸:0.1質量部
(2−エチルヘキサノイル)(tert−ブチル)ペルオキシド[重合開始剤]:0.8質量部
この共重合物は、TSKgelカラム(東ソー(株)社製)を備えたゲル・パーミュエイション・クロマトグラフィ(GPC)分析装置(RIを装備した東ソー(株)社製;HLC−8220GPC)により、分子量分布の分析を行った結果、ポリスチレン換算重量平均分子量が約19000であった。GPCの条件は、展開溶媒がテトラヒドロフランであり、流速が0.35ml/分であり、温度が40℃であった。また、表面調整剤1は、SP値が9.5であり、Tgが−64℃であった。
(表面調整剤2の調製例)
以下の配合処方に従う混合物溶液を用いた以外は、表面調整剤1の調製例と同様にして重合を行い、共重合物(表面調整剤2)を得た。なお、表面調整剤2は、ポリスチレン換算重量平均分子量が6,000であり、SP値が9.5であり、Tgが−64℃であった。
ブチルアクリレート:49.0質量部
2−エチルヘキシルアクリレート:20.9質量部
アクリル酸:0.1質量部
(2−エチルヘキサノイル)(tert−ブチル)ペルオキシド[重合開始剤]:0.4質量部
(表面調整剤3の調製例)
以下の配合処方に従う混合物溶液を用いた以外は、表面調整剤1の調製例と同様にして重合を行い、共重合物(表面調整剤3)を得た。なお、表面調整剤3は、ポリスチレン換算重量平均分子量が110,000であり、SP値が8.9であり、Tgが−64℃であった。
ブチルアクリレート:49.0質量部
2−エチルヘキシルアクリレート:20.9質量部
アクリル酸:0.1質量部
(2−エチルヘキサノイル)(tert−ブチル)ペルオキシド[重合開始剤]:0.2質量部
(表面調整剤4の調製例)
以下の配合処方に従う混合物溶液を用いた以外は、表面調整剤1の調製例と同様にして重合を行い、共重合物(表面調整剤4)を得た。なお、表面調整剤4は、ポリスチレン換算が20,000であり、SP値が10.6であり、Tgが−44℃であった。
ブチルアクリレート:49.0質量部
ヒドロキシエチルアクリレート:20.9質量部
アクリル酸:0.1質量部
(2−エチルヘキサノイル)(tert−ブチル)ペルオキシド[重合開始剤]:0.8質量部
<インク調製方法>
表1に示す配合処方に従う混合物を得、これをビーズミルで練合して均質にし、実施例1〜6及び比較例1、2の活性エネルギー線硬化型インクジェットインクを調製した。
Figure 2015067765
a)顔料分散剤(ビックケミー・ジャパン社製)
b)シリコーン系表面調整剤(信越シリコーン製)
c)2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド(BASFジャパン社製)
次いで、上記活性エネルギー線硬化型インクジェットインクに関して、下記の方法により、粘度及び表面張力を測定し、吐出安定性及びレベリング性を評価した。結果を表2に示す。
<粘度測定方法>
40℃におけるインク粘度をB型粘度計を用いて測定した。
<表面張力測定方法>
25℃におけるインク表面張力をプレート法により測定した。
<吐出安定性>
活性エネルギー線硬化型インクジェットインクを用いたインクジェットプリンタによって画像を印刷し、その吐出安定性を下記の基準に従い目視で評価した。
○:ノズル詰まりを起こすことなく、画像を所定の位置に印刷することができる。
△:ノズル詰まりは発生しないが、わずかに飛行曲りが発生する。
×:ノズル詰まりが発生して、画像に抜けが生じ、更には、インクを所定の位置に付着できず、綺麗な画像を印刷することができない。
<レベリング性>
活性エネルギー線硬化型インクジェットインクを用いたインクジェットプリンタによってドット状の印刷物を接触角30°のガラス基材に作製し、搬送速度40m/minのベルトコンベア式照射機を用いて、高圧水銀ランプ(出力160W/cm,主波長365nm)、照射距離10cm及び照射幅13cmの条件下、印刷物を硬化させ、印刷物のレベリング性を下記の基準に従い目視で評価した。
○:ドット状の印刷物がガラス基材上を濡れ広がり、硬化後の印刷物は平坦である。
×:ガラス基材がインクを弾いてしまい、硬化後、ガラス基材上にドット模様が残る。
Figure 2015067765
表2から明らかなように、実施例1〜6のインクは、吐出安定性及びレベリング性に優れる。一方、比較例1のインクは、表面調整剤としてシリコーン系表面調整剤を用いており、レベリング性が劣る結果となり、比較例2のインクは、多官能ラジカル重合性モノマーのみを用いたインクとなっているため吐出不良となった。

Claims (4)

  1. 水に対する接触角が60°以下である親水性基材用の活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物であり、官能基数が1〜2であるラジカル重合性モノマー(A)、光重合開始剤(B)及びアクリル系表面調整剤(C)を含むことを特徴とする活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物。
  2. 前記アクリル系表面調整剤(C)は、SP値が8.5〜10.5であり、重量平均分子量が3000〜100000であることを特徴とする請求項1に記載の活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物。
  3. 前記アクリル系表面調整剤(C)が、ラウリル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート及び2−エチルヘキシル(メタ)アクリレートよりなる群から選択される少なくとも一種のアクリルレートモノマーを構成単位として含むポリマーであることを特徴とする請求項1又は2に記載の活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物。
  4. 40℃におけるインクの粘度が5〜15mPa・sであり、かつ25℃におけるインクの表面張力が30〜36mN/mであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物。
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