以下、本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、遊技場用システムの全体構成を示す概略図である。遊技場A内には複数機種の遊技機1が設置されており、各遊技機1に対応して遊技装置2が設置されている。これら遊技機1及び遊技装置2は2台ずつ中継装置3に接続されており、中継装置3はLAN4を介して管理装置5と接続されている。また、遊技場A内には、図示しないPOSや残高精算機も設置されており、これらPOSや残高精算機もLAN4を介して管理装置5と接続されている。尚、図1では図示を省略したが、実際には多数(例えば数百台)の遊技機1が管理装置5の管理対象となっている。
管理装置5は、遊技場A内の例えば事務室等に設置されており、遊技場の管理者が操作するキーボード6、モニタ7、マウスやプリンタ(図示略)等が接続されている。管理装置5は、遊技機側(遊技機1、遊技装置2等)から出力される遊技信号により特定される遊技情報を管理する。詳しくは後述するように、管理装置5は遊技情報として、少なくとも遊技機1の稼動状況を示す稼動情報を管理するようになっており、例えば当該遊技場A内における遊技機1や遊技装置2の稼動状態、会員登録された会員毎の個人情報等も管理対象としている。
遊技場用システムでは、別の遊技場(図1の例示では遊技場B、遊技場C)においても、上記した遊技機1、遊技装置2、中継装置3、LAN4、管理装置5等を設置した遊技場Aと同様の構成が採用されている。各遊技場A~Cに設置されている各管理装置5は、夫々インターネットやVPN接続等の公衆回線8を介して、各遊技場A~Cとは別に設置されているサーバ9と接続されており、各種信号や各種情報を公衆回線8等を介してサーバ9と通信可能に構成されている。
遊技機1は、CR(カードリーダ)パチンコ機であり、盤面10に玉を発射する発射装置を構成する操作ハンドル11、上部受皿12、下部受皿13を有すると共に、盤面10に、液晶表示部14、普図入賞口15、第1始動口16、第2始動口17、大入賞口18等を有する。
遊技機1は以下に示すように動作する。
(1)第1始動口16は入賞率が変動しない入賞口(所謂ヘソ入賞口)であり、第2始動口17は入賞率が変動する入賞口(所謂電チュー)である。各始動口16、17への入賞(始動入賞)に応じて大当り抽選を行い、抽選結果を液晶表示部14にて行う図柄変動にて報知し、その変動結果に応じて大当りとなる。
(2)図柄変動中に始動入賞した場合には所定の保留上限値(例えば各4つ)まで図柄変動を累積的に保留し、図柄変動終了後に保留している図柄変動を開始する。尚、保留している図柄変動数(保留数)が上限値である状態で始動入賞した場合、図柄変動は保留されない。
(3)図2(a)は、大当り抽選の当選確率(大当り確率)に係るスペック値を例示している。同図に示すように、「大当り確率」は、確変状態(確変)でも大当りでもない通常遊技状態(通常状態)と確変とを対象として規定され、「継続回数」は、大当りがその後に確変となる大当り(確変大当り)となる割合である確変率等の大当りの継続回数に関わる値を規定している。
尚、通常状態での大当り確率に関して、後述する図2(b)の「TS上限」は、当該大当り確率の分母を表している。また、大当りの継続回数は、確変時の大当り確率や確変率や後述する時短回数等から想定される想定値として把握することができる。尚、所謂モード(遊技機設定値)により大当り確率等を変更可能な遊技機1に対応してもよく、スペック値は、そのモード等に応じて適宜変更しうるものである。
(4)大当りが発生すると対応するラウンド(R)分だけ大入賞口18を開放する。尚、1Rの上限入賞数は10個、上限開放期間は30秒であり、上限入賞数または上限開放期間のいずれかが満たされた場合に1Rを終了する。対応するラウンドも大当り抽選と同様に抽選され、その振分率は第1始動口16に入賞した場合は2Rが10%で4Rが51%で15Rが39%であるが、第2始動口17の場合は4Rが10%で15Rが90%となり、入賞に応じた図柄変動の保留消化優先順位は第1始動口16よりも第2始動口17の方が高く設定される。
(5)確変中は大当り確率が向上すると共に、第2始動口17の入賞率が高くなる時短状態(時短)になる。尚、確変は次回大当りまで継続するため、通常状態となる大当り(通常大当り)が発生するまで継続し、その後は所定の時短回数(例えば100回)の図柄変動を行うまで時短状態となる。
(6)第2始動口17は普図入賞口15への入賞に応じて変動する普通図柄(普図)が当りとなった場合に入賞率の高い開放状態となる。この場合、普図1回の変動期間は通常状態では30秒であり時短状態では3秒となる。また、開放期間は通常状態では0.3秒であり時短状態では5秒となる。即ち、時短状態では通常状態と比較して普図変動期間が短くなる一方、開放期間は長くなることで第2始動口17の入賞率が高くなる。以上は機種AAAAを例にして説明したが、例示した値は例えば機種BBBB(図23等参照)であればラウンドの振分が異なる等、機種に応じて様々な値となる。
ここで、図2(b)は、上記したパチンコ機について、そのスペック値に応じたタイプ別に予め分類した一例を示している。即ち、管理装置5は分類手段として、キーボード6での入力操作等に基づき、遊技機1をスペックに応じたタイプ別に分類する機能を有しており、「ハイミドル」「ミドル」「ライトミドル」「ライト」「ミニマム」「その他」の6つのタイプごとにスペック値等を対応付けて規定している。同図(b)に示す「TS上限」及び「TS下限」は、通常時の大当り確率の分母つまり理論TSに対応しており、対応する遊技機1のタイプは、理論TSを目安に分類される射幸性のタイプである。「その他」は、同図(b)に示すように所謂羽根モノに属するタイプのような大当り確率が設けられないタイプの遊技機1が分類されるものとする。
遊技機1を分類する指標は、理論TS(実際のTSでもよい)に限るものではなく、パチンコ機とスロットマシンとで分類できるのは勿論である。尚、スロットマシンの場合、遊技性に応じてノーマル(RTやAT等が設けられない所謂Aタイプ)、RT、ART、ノーマル+ART、30φノーマル、30φART等のタイプ別に分類されるものとするが、例えば一定の出玉を得るまでにスペック上必要な投資金額のような遊技機のスペックに応じた他の区分方法にて分類してもよい。
遊技機1及び当該遊技機1に付設された周辺機器は、遊技者による玉の打ち込みや各始動口16、17への始動入賞等の遊技の進行に伴って、以下に示す遊技信号を出力する。
・アウト信号=消費玉を回収するアウトBOXから出力される消費価値(アウト)を特定可能な信号(稼動信号)。消費(使用、打込、回収)玉10玉に対して1パルスが出力されるので、「アウト信号数×10」をアウトとして特定。尚、遊技機側から出力される信号でもよい。
・セーフ信号=遊技機側から出力される入賞付与価値(セーフ)を特定可能な信号。入賞に応じた払出10玉に対して1パルスが出力されるので、「セーフ信号数×10」をセーフとして特定する。尚、補給装置から出力される補給信号をセーフ信号としてもよい。また、玉を実際に払出した際に出力される実セーフ信号と、入賞に応じて払出が予約された場合に出力される入賞セーフ信号とがあるが、入賞から出力までのタイムラグを極力省くため後者を採用することが望ましい。
・スタート信号=遊技機側から出力される始動入賞(S入賞)により変動(作動)する液晶表示部14(役物)におけるスタート処理(図柄変動、役物作動、単位遊技)、及びスタート(スタート処理数)を特定可能な信号。図柄変動確定時に出力されるので信号入力に応じてスタート処理を特定する。
・S入賞信号=遊技機側から出力されるS入賞を特定可能な信号。始動入賞時に出力されるので信号入力に応じて始動入賞を特定する。尚、スタートとS入賞とのいずれか一方のみを管理する等、兼用して管理対象としてもよい。
・大当り信号=遊技機側から出力される大当り期間を特定可能な信号。大当り中にレベル出力される状態信号なので大当り信号入力中を大当り中として特定する。
・特別状態信号=遊技機側から出力される特別状態(甘中)を特定可能な信号。第2始動口17の入賞率が向上する特別状態中(時短中(確変時を含む))にレベル出力される状態信号なので、特別状態信号入力中を特別状態中として特定する。尚、大当り確率が向上する確変中にレベル出力される状態信号(確変信号)であってもよい。また、大当り信号と特別状態信号のいずれも入力していない期間を通常状態として特定する。
遊技装置2は、所謂各台計数機能付の貸出機であり、遊技機1の遊技状態を示す状態表示灯19、貨幣(貨幣価値、有価価値)が投入される貨幣投入口20、遊技者からの入力操作を受け付けると共に遊技の進行に伴って図柄変動回数(スタート回数)や大当り確率等の遊技情報を表示するタッチパネル式の液晶表示部21、持玉(会員であれば貯玉も含む、獲得価値、有価価値)を払い出すための払出釦22、払い出された玉が通過する払出ノズル23、一般カードや会員カードが挿入されるカード挿入口24、遊技機1の下部受皿13の下方に位置する着脱可能な計数受皿25等を有する。
遊技装置2は、以下に示す機能を備えている。
(1)貨幣を受け付けると(貨幣受付処理)と、遊技機1と遊技装置2の双方に入金額を表示すると共に貸出1単位(例えば500円)分の貸出玉(対価付与価値)を遊技機1から払い出させ(対価付与処理)、その対価付与処理に応じて入金額の表示を貸出玉の対価を除いた残高の表示とする。貨幣は複数回分の対価付与処理の対応分を受付可能である(例えば1万円まで)。
(2)残高がある状態で遊技機1の貸出釦が押下(貸出操作、付与操作)されると、貸出1単位分の貸出玉を遊技機1から払い出させ、その対価分を残高から引き落とす。また、遊技者が獲得した獲得玉を計数し、その計数した獲得玉を対価として再度玉を払い戻すことも可能であり、その払い戻し分の対価を除いた玉数を持玉として特定することも可能である。
(3)残高や持玉が残存する状態で遊技機1の返却釦が押下(発行操作)されると、残玉や持玉を特定可能な一般カードを発行する。尚、残高や持玉の一部を発行対象とする分割発行は説明の簡略化のため不可としたが可能としてもよい。
(4)中継装置3とのシリアル通信(売上信号の受信)により貨幣受付処理や対価付与処理、残高や貸出玉数、入金額や貸出玉数や貸出玉の対価となる売上額、計数玉、持玉、払戻玉、及び一般カードの受付や発行処理を特定可能であるが、これらはパルス信号(例えば入金1000円毎に1パルス、売上100円毎に1パルス等)でも特定可能である。
管理装置5の制御部(単に「管理装置5」と称す)は、マイクロコンピュータを主体に構成され、ROM、RAM、HDD等からなる記憶部、I/O等を備えており、その不揮発性の記憶部に記憶された制御プログラムに従い動作する。管理装置5は、遊技機側から出力される遊技信号により特定される遊技情報を管理する管理手段として各遊技機1の遊技情報を集計している。
図3は管理装置5が営業日単位で集計した例えば機種AAAAに属する各遊技機1の基データ(実績値)の一覧を示しており、以下の各項目が設定されている。
・アウト=アウト信号により特定される遊技機1にて消費された遊技価値
・セーフ=セーフ信号により特定される遊技機1への入賞に応じて付与された遊技価値
・スタート=スタート信号により特定される遊技機1における役物の作動回数(図柄変動数)
・S入賞=S入賞信号により特定される始動入賞回数
・売上玉=売上信号により特定される対応する貸出機にて貨幣価値を対価として付与された遊技価値(貸出玉数、対価付与価値)
・大当り数=大当り信号により特定される大当り数で、「通常」は通常時に発生した大当り数で所謂「初当り」数、「特定」は特定の条件を満たす(例えばT1Yに対して設定される基準範囲(例えば1000~2000)内のT1Yとなった)大当りである特定大当りの発生回数
・Tアウト<Tセーフ>=T中(大当り中、及び甘中)のアウト<セーフ>
・T1アウト<T1セーフ>=T1中(大当り中)のアウト<セーフ>
・特T1アウト<特T1セーフ>=特定大当りのみを対象としたT1中のアウト<セーフ>
尚、図3の「平均」は機種AAAAを対象とした遊技機平均であり、「甘中」は時短などの特別状態期間に対応した遊技情報を示す。また、本実施形態では、所謂貯玉に基づく再プレイシステムのない遊技場を前提としているが、再プレイシステムのある遊技場であれば、売上玉に再プレイ玉を含めて演算することが望ましい。但し、図1に示す払出ノズル23は遊技者が当日に獲得した獲得玉を払戻すための再プレイ用であり、この再プレイ玉は売上玉に含める必要はない。
管理装置5は、遊技情報を所定期間単位で管理可能であり、図3の基データに基づいて当該所定期間(例えば一週間、一カ月といった複数日からなる参照期間)における各遊技機1の遊技情報を集計する。ここで、図4は例えば機種AAAAに属する各遊技機1の遊技情報の集計(実績情報)であり、以下の各項目が設定されている。尚、実績情報とは実績値のみだけではなく、実績値に基づく理論値も含む概念である。
・ベース=状態(通常時、甘中)別の出率で、「通常」はBセーフ÷BO、「甘中」はBセーフA÷BOAの演算値を示す遊技情報(遊技価値の付与状況)
尚、以下も含め通常中のアウトであるBOはアウト-Tアウト、通常中のセーフであるBセーフはセーフ-Tセーフ、甘中のアウトであるBOAはTアウト-T1アウト、甘中のセーフであるBセーフAはTセーフ-T1セーフにて特定しているが、BO、Bセーフ、BOA、BセーフAを素データとして求めてもよい。以下、通常中のベースを単にベース、甘中のベースをBAとも言うことがある。
・平均S=状態別のアウトに対する図柄変動数の割合で、通常(甘中)スタート÷BO(BOA)の演算値を示す遊技情報(遊技機における入賞状況)
・平均S入賞=状態別の始動入賞数の割合で、通常(甘中)S入賞÷BO(BOA)の演算値を示す遊技情報
尚、以下では通常中の平均SをS、甘中の平均SをSAと言うことがある。
・有効率=始動入賞数に対する図柄変動数の割合で、通常スタート÷通常S入賞の演算値を示す遊技情報
尚、通常だけでなく甘中の有効率を管理してもよい。
・BY=図柄変動分を除いたベースで、通常(甘中)ベース-通常(甘中)平均S×始動賞球の演算値を示す遊技情報
・BYmin=始動入賞分を除いたベースで、通常(甘中)ベース-通常(甘中)平均S入賞×始動賞球の演算値を示す遊技情報
尚、始動賞球は始動入賞1回当りのセーフで、3にて演算している。
・T1Y=平均大当り中出玉数で、(T1セーフ-T1アウト)÷合計大当り数の演算値を示す遊技情報
T1O=平均大当り中アウトで、T1アウト÷合計大当り数の演算値を示す遊技情報
尚、合計大当り数=通常大当り数+甘中大当り数である。
・特T1Y=特定大当りを対象としたT1Yで、(特T1セーフ-特T1アウト)÷特定大当り数の演算値を示す遊技情報(遊技価値の付与状況)
・特T1O=特定大当りを対象としたT1Oで、特T1アウト÷特定大当り数の演算値を示す遊技情報
・出率=アウトに対するセーフの割合(払出率、付与率)で、セーフ÷アウトの演算値を示す遊技情報
・Bサ=通常時の差玉数で、BO-Bセーフの演算値を示す遊技情報
・客滞率=売上玉に対するBサの割合で、Bサ÷売上玉の演算値を示す遊技情報(特定情報)
・粗利=遊技に応じた遊技場側の営業利益で、売上額-獲得玉×貸単価×原価率の演算値を示す遊技情報
尚、獲得玉(獲得価値)=売上玉+セーフ-アウトである。また、貸単価等は遊技場単位で設定すればよい。
・売上額=売上玉×貸単価の演算値を示す遊技情報
尚、貸単価=4円、原価率=75%にて演算している。
・玉単価=アウト1当りの売上額で、売上額÷アウトの演算値を示す遊技情報
・玉粗利=アウト1当りの粗利で、粗利÷アウトの演算値を示す遊技情報
・営業割数=実際の売上額(売上玉)に対する遊技場側の損益額(損失玉)の割合で、獲得玉÷売上玉の演算値を示す遊技情報
尚、図4の「平均」は、機種AAAAを対象とした遊技機平均(図3の「合計」の対応値)である。
ここで、図5は、機種AAAAを対象としたスペック情報を示している。
スペック情報としては、図2で例示したTS、TSA及び継続回数(平均継続数)の他、ラウンド係数、アタッカ係数、始動賞球、貸単価、原価率が規定され、夫々のスペック値が設定されている。ここで、TS~始動賞球は機種別に設定する必要がある。また、貸単価と原価率とは遊技場における各機種に対応したレート情報として設定されるが、遊技場や機種が同一でも異なる場合もあるので、そのようなレート情報があれば機種別等で適宜設定される。
上記のスペック情報は、管理装置5に予め設定されているものとする。また、スペック情報については、遊技者の遊技傾向により遊技機1のスペック情報から特定される期待値とは異なる期待値となる場合もあるので、後述するようにサーバ9にて統合して集計した遊技情報により特定してもよく、図5の少なくとも一部をサーバ9から配信される情報により設定可能としてもよい。
ここで、図5中、貸単価の値「4」円(後述する図23の「4円P」)は、パチンコ機での遊技に使用される遊技媒体の単価としての第1単価であり、当該第1単価が設定される遊技機1は第1遊技機に相当する。また、貸単価の値1円(図23の「1円P」)は、当該第1単価とは異なる第2単価であり、当該第2単価が設定される遊技機1は第2遊技機に相当する。
尚、スロットマシンについても、第1単価と第2単価があり(図23の「20円G」と「5円G」参照)、管理装置5において第1単価を設定することができるが、詳しくは後述する(図23下側の(c)「基準売単価設定」参照)。また、例えばパチンコ機の貸単価としては、4円や1円以外に2円や0.5円等もあり、第1単価や第2単価は、図23等に示す値以外の値に設定可能であることは勿論である。
管理装置5或いは当該装置5の記憶部は、遊技機1の機種に関する機種情報を登録する機種登録手段として構成されており、機種情報としては、新台の機種名や、その機種が遊技場Aに導入された日(以下「導入日」とも称す)等の情報を含む。また、サーバ9或いは当該サーバ9の記憶部も機種登録手段として構成されている。管理装置5やサーバ9は、夫々管理対象とする上記した各種の遊技情報について、機種情報と対応付けて管理し、蓄積する。尚、管理装置5やサーバ9において、機種情報と対応付けて管理する情報の蓄積期間は、例えば導入日を登録した機種について当該導入日(登録日)から1年間とする。
また、管理装置5は、管理対象とする遊技情報を集計する等して、その集計値を含む各種情報を出力する構成とされている。こうした、管理装置5における出力は、例えばモニタ7への表示やプリンタによる印字等で行われるものであるが、係る出力手段はモニタ7等に限定するものではない。
ところで、「背景技術」で述べたように、係る遊技情報の集計方法において、例えば単位期間を一週間に設定し、その単位期間毎の遊技情報の推移を確認したとすれば、比較的長い期間をかけて遊技機の撤去等の判断指標となる評価方法として非常に有益であるものの、例えば遊技場Aに新規導入した所謂新台の評価方法としては不向きである。
また、例えば遊技場Aにおいて上記した貸単価を変更した場合、その貸単価の変更前後で遊技情報を比較すれば、貸単価の変更による成果を把握可能にはなるが、機種の中には貸単価の高い所謂高貸よりも貸単価の低い所謂低貸の方が向いている機種、或いはその逆となる機種もあり、そのような機種を貸単価の変更前等のような、貸単価を変更すべき機種の選定時に把握したいとのニーズも少なくない。
そこで、本実施形態の遊技場用システムにあっては、遊技機1の機種情報と管理手段により管理される稼動情報とを比較することで、遊技機1が新台として導入された日に対応する初日の稼動情報に基づいて機種のランク分けを行い、そのランク分けの結果に基づき前記出力手段による出力対象となる対象機種を特定する構成としている。
また、貸単価の変更に関して、機種としては共通する第1遊技機と第2遊技機とにおける遊技情報の値の比率に基づき順位付けされる機種単位の順位を示す順位情報を特定し、その順位情報が予め設定される順位条件を満たすことで第1単価から第2単価へ貸単価の変更が推奨される変更推奨機種を特定可能な情報を出力する構成としている。
この点、前記管理手段としては、当該遊技場Aに設置された遊技機1の遊技情報を管理対象とする個々の遊技場A~Cの遊技情報を管理対象とする個々の遊技場の管理装置5(第1管理手段)と、複数の第1管理手段で管理される遊技情報を管理対象とするサーバ9(第2管理手段)とを含み、全国の遊技場(遊技場A~Cを含む)の遊技情報をサーバ9で集計する等して求めた値(サーバ9から配信される値)を、管理装置5で用いることもできる。係る具体的な構成について、「1.新台評価」と「2.低貸移設推奨」との順に、図7以降の図面も参照しながら説明する。
<1.新台評価>
図7は、遊技場Aの管理装置5において、モニタ7に表示されるパチンコ機の新台の対象機種(該当機種)に関する通知画面71を示している。この通知画面71は例えば、スロットマシンの新台の該当機種に関する通知画面(図示略)を含めたローテーション表示がなされる、サブウィンドウ画面であり、遊技場A或いは市場(全国)に導入された新台について、管理装置5で管理される自店データ或いはサーバ9から送信される全国データ(全国標準値、乃至全国平均値)に基づく情報を通知するための画面である。
図7に示すように、通知画面71には、新台の「機種名」と、その機種の「台遊技時間」とが表示される。台遊技時間は、アウト信号のような稼動信号を入力した際に所定期間作動する所謂稼動タイマの作動期間として求められる遊技時間である。或いは、機種単位で特定した基準アウト(単位期間当りのアウト(例えば1時間当りのアウト=5000))と実際のアウト(アウト50000の場合10時間)とに基づき台遊技時間を特定してもよい。また、複数の機種で統一した基準アウト(例えば1時間当りのアウト=6000)を用いて台遊技時間を特定してもよい。
通知画面71は、新台の導入初日の台遊技時間が、後述する図13の台遊技時間マトリクスにおける「全国」で「S」又は「A」ランク(同図上欄のランク)に該当する機種を表示し、該当機種が複数ある場合には、代表機種(設定台数が1番多い機種)を表示する。また、図7の「機種名」の欄72において、台遊技時間と併せて表示される「○位/○中」の順位は、当該台遊技時間に関して前記ランクに応じた順位を表すものであるが、ランク或いはランク分けについて詳しくは後述する。
通知画面71下側の欄73には、該当機種についての「アウト」「台遊技時間」「玉粗利」「台粗利」が表示される。このうち、玉粗利は図4で説明した通りで、台粗利は図4で「粗利」として説明した遊技情報となる。同通知画面71を、キーボード6やマウス等を用いてクリックする入力操作(以下「クリック操作」と称す)を行うと、図8に示すように、該当機種の遊技情報の一覧表81と推移グラフ82とを示す画面が、モニタ7上でポップアップ表示される。
図8の一覧表81では、パチンコ機の新台の該当機種を例えば10機種表示し、機種名「○○」は、機種AAAA,BBBB,…といった具体的な機種名を表すものとする。また、一覧表81では、ハイミドル、ミドル、…といった「タイプ名」、「アウト」、「台遊技時間」、「台数」、「玉粗利」、「台粗利」の夫々について、サーバ9から取得した全国データの値(同図の網掛けの欄の値)と、自店データの値(網掛けでない欄に表される当該遊技場Aでの値)とを上下に並べて表示する。
ここで、管理装置5は、遊技場Aに新台の該当機種が導入されていない場合、一覧表81において、全国データのみを表示させる。つまり、管理装置5は、自身の記憶部に記憶されている機種情報に基づき、該当機種が遊技場Aに導入されていないと判定したとき、一覧表81において、遊技場Aで未導入の機種の欄をブランクとする。
尚、図8の一覧表81や推移グラフ82による表示対象、つまり管理装置5による出力対象は、全国データと自店データとの夫々の稼動情報を用いてランク分けを行い、そのランク分けの結果に基づき特定された該当機種に関する遊技情報である。
図8の推移グラフ82は、横軸が日数「1(初日),2,…,7」、縦軸が台遊技時間「0~10」(アウトでもよい)に設定されており、代表機種並びにこれと同じ「タイプ名」の比較機種についての台遊技時間の推移を表す。同図に示すように、推移グラフ82は、最大で「7」日目まで(後述の判定対象期間に相当)の日数分について、導入日から通知画面71による通知日までの台遊技時間を折れ線グラフで表わすものとする。
そして、代表機種が遊技場Aに導入されている場合には、その代表機種の台遊技時間の自店データ(グラフ82右側の欄83の符号(i)参照)及び全国データ(符号(ii)参照)と、代表機種よりも前記ランクの順位で1ランク上位機種及び1ランク下位機種となる比較機種夫々の台遊技時間の全国データ(符号(iii)及び(iv)参照)と、の(i)~(iv)の4種類の台遊技時間推移を比較可能に表示出力する。
代表機種に対して1ランク上位機種が無い場合は、(iv)の1ランク下位機種と図示しない2ランク下位機種とを表示させる。代表機種に対して1ランク下位機種が無い場合は、(iii)の1ランク上位機種と図示しない2ランク上位機種とを表示させる。また、代表機種が遊技場Aに導入されていない場合には、(ii)~(iv)の3種類の台遊技時間推移を表示する。こうした上位機種或いは下位機種の機種名は、グラフ82右側の欄83に表示される。
(i)~(iv)のデータの台遊技時間推移のうち、自店データ(i)は、管理装置5により管理される稼動情報の推移を示す第1推移情報に相当し、(ii)~(iv)の全国データは、サーバ9により管理される稼動情報の推移を示す第2推移情報に相当する。また、管理装置5は、特定手段としての当該装置5或いはサーバ9により特定された該当機種における自店データ(i)と全国データ(ii)との夫々の台遊技時間推移を、当該推移情報の出力対象となる該当機種のランク、及び当該ランクに応じた順位の少なくとも一方に近似、或いは一致する機種の稼動情報の推移を示す全国データ(iii)及び(iv)の夫々の台遊技時間推移と比較可能に出力するものといえる。
詳しくは後述するが、ランク付けは台遊技時間に応じて行われ、図9の「順位」はランクに応じた台遊技時間の降順による順位を表す。それ故、全国データ(iii)及び(iv)を示す、該当機種のランク及び順位の少なくとも一方に近似する或いは一致する機種は、稼動情報に関して予め設定される近似条件(例えば近似範囲を設定するといったように順位やランク等が近似し若しくは一致するという条件)を満たす機種であり、その条件に見合う機種を近似する機種として、稼動情報の推移を表す。
また、図8の一覧表81左側のチェックボックス81aにおいて、任意の機種を選択するクリック操作が行われると(同図の「レ点」参照)、推移グラフ82は、その選択された機種(選択機種)の自店データ(i)及び全国データ(ii)、並びに当該選択された機種の上位機種の全国データ(iii)及び下位機種の全国データ(iv)の、夫々の台遊技時間推移を表すグラフ(図示略)に自動的に切替わる。
推移グラフ82は、その右下隅の「閉じる」釦84aのクリック操作を行うと、推移グラフ82を表示せずに一覧表81のみを表示する画面(図示略)に切替わる。この場合、例えば一覧表81で表示する新台の機種数が、10機種を超えるとき、その超過分の機種一覧を推移グラフ82に替えて表示させることができ、又、図示しないスクロールバーを用いたスクロール表示により、全該当機種を表示させることができるものとする。更に、一覧表81上側の「パチスロ」釦85のクリック操作を行うと、スロットマシンについての一覧表81と推移グラフ82を表す画面(図示略)に切替わり、その画面のバチンコ釦(図示略)のクリック操作を行うと、パチンコ機についての一覧表81と推移グラフ82を表す元の画面に切替わる(復帰する)。
図8における推移グラフ82右側の「比較機種選択」釦84bのクリック操作を行うと、図9の比較機種選択画面91に遷移する。比較機種選択画面91では、上記した選択機種(機種選択がなされていない場合には代表機種)と同タイプの機種が比較機種として一覧表示される。また、比較機種選択画面91では、台遊技時間の降順の順位付けで「機種名」が表示されるとともに、夫々の機種に対応する「アウト」「台数」「台遊技時間」「台粗利」「総合貢献週」が表示される。「総合貢献週」は、例えば対応する機種について稼動情報等の値から貢献したと判断される週が表される。
比較機種を選択する場合、画面91左側のチェックボックス91aにおいて、例えば2機種(1機種でもよい)の比較機種を選択するクリック操作を行う。選択した比較機種は、「キャンセル」釦92のクリック操作で取消し、「OK」釦93のクリック操作で決定する。
これにより比較機種を決定すると、図9の比較機種選択画面91から図10の一覧表101と推移グラフ102を表す画面に遷移する。推移グラフ102では、決定した比較機種が2機種ある場合、同グラフ102右側の欄103において、「選択1の機種」及び「選択2の機種」として比較機種の機種名が表示されるとともに、夫々の比較機種の台遊技時間推移が(符号(iii)及び(iv)参照)、前記上位機種及び下位機種の台遊技時間推移に替えて表示される。尚、図10の一覧表101は、図8の一覧表81と同じである。
続いて、サーバ9や管理装置5によるランク分けや、該当機種の特定方法について説明する。前記サーバ9及び管理装置5は、図11や図12に示すランク分けの判定テーブルを用いて機種のランク分けを夫々行うランク分け手段として構成されている。
ここで、図11の判定テーブルは、(a)のパチンコ機と(b)のスロットマシンとの夫々の台遊技時間を対象として、サーバ9によりS,A,B,C,Dの5段階のランクに振り分ける範囲をタイプ別に設定したものである。同様に、図12の判定テーブルは、(a)のパチンコ機と(b)のスロットマシンとの夫々の台遊技時間を対象として、管理装置5によりS~Dのランクに振り分ける範囲をタイプ別に設定したものである。
尚、図11や図12の判定テーブルにおける台遊技時間の範囲(閾値による区分)は、その閾値が高い方から(つまり降順で)S,A,B,C,Dのランク順、つまり稼動貢献が見込めるランク(S>A>B>C>D)の順に設定されるものとする。また、図11の判定テーブルにおける「検知」は、S~Dのランク別且つタイプ別に、コメント設定に係る検知の有無(後述する「2日目判定」以降のコメント表示の有無)をサーバ9において設定するためのものである。
また、本実施形態において、ランク分けは、新台の導入日に対応する判定対象期間の開始日である初日の台遊技時間に基づき行われる。即ち、新台の導入日は、暦上の月曜日であるが、その導入日の営業開始時間が例えば午後3時となる等、時間短縮営業が多いため(判定対象から除外するため)、ランク分けは原則として導入日の翌日たる火曜日を初日(導入初日)として判定する(後述の図16(a)参照)。また、新台の導入日は、暦上の月曜日が祝日の場合或いは国の行事等により所轄による検査を受けられない場合、火曜日にずれることがあり(図16(b)参照)、このような場合には翌日水曜日を導入初日として判定する。尚、本例では上記事情により実際の導入日の翌日を初日としたが、導入日に対応していれば実際の導入日を初日としたり、導入日の翌日も時間営業等の傾向があるため敬遠すべく導入日の翌々日を初日としたりする等、適宜、初日の特定方法を変更してもよい。
そして、サーバ9は、前記機種情報から特定される導入初日の機種について、台遊技時間をタイプ別に集計して求めるとともに、求めた台遊技時間が図11の判定テーブルのうちのS~Dの何れの範囲のランクに該当するかを判定する。つまり、サーバ9は、自身の記憶部に記憶されている機種情報と自身9が管理する台遊技時間(稼動情報)とを比較することにより、導入初日の全国の稼動情報で機種のランク分けを行う。
また、管理装置5は、自身の記憶部に記憶されている機種情報と自身5が管理する台遊技時間(稼動情報)とを比較することにより、自店導入初日の稼動情報に基づいて機種のランク分けを行う(図12参照)。
これにより、一の遊技場Aにおいて、導入されている機種についてのランク分けを、当該遊技場Aの管理装置5により管理される稼動情報とサーバ9により管理される稼動情報とに基づき、図13の台遊技時間マトリクスを用いて行うことができ、当該遊技場Aに導入されていない機種についてのランク分けをサーバ9により管理される稼動情報に基づき行うことができる(図11、図13参照)。
具体的には、図13の台遊技時間マトリクスにおいて、上側の「全国」の「S~D」は、図11の判定テーブル中のランクS~Dに対応する。また、同マトリクスにおける左側の「自店」の「S~D」は、図12の判定テーブル中のランクS~Dに対応し、「無(Z)」は、当該遊技場Aに未だ機種が新台として導入されていない場合のランクを表す。よって例えば、自店で「S」ランクにランク分けされた機種は、更に全国のランク「S~D」を加味した「SS,SA,SB,SC,SD」の順にランク分けと順位付けを行うことができる。
同様に、「自店」で「A~D,無(Z)」ランクにランク分けされた機種も、夫々全国のランク「S~D」を加味した「AS~AD,BS~BD,CS~CD,DS~DD,ZS~ZD」の順にランク分けと順位付けを行う。これにより、当該遊技場Aに未導入の機種を含めたマトリクス評価を行うことができ、その評価結果に基づき該当機種を特定することができる。
これにより、図7に示した通知画面71の如き通知画面(初日用の通知画面)において、マトリクス評価のランクの順位に応じたコメントを併せて表示させる。例えば、サーバ9や管理装置5は、図14に示すように順位毎に夫々異なる複数種類のコメントが対応付けられた第1コメントテーブルを予め記憶している。この第1コメントテーブルを利用して、タイプ別の順位が1位から3位に該当する機種については、複数種類のコメントのうちの何れかをランダムに抽出してモニタ7上の通知画面で表示させることができる。
尚、係る順位付けは、サーバ9や管理装置5に蓄積された過去の新台に係る稼動情報を含めて(過去に新台として導入された機種を含めて)タイプ別に行われることから、その順位付けの対象となる機種数がある程度必要となる。そこで、サーバ9や管理装置5では、タイプ別に順位付けする対象機種数が少ない場合にコメントの表示を抑制すべく、予め最低機種数(例えば10)が設定され、その設定機種数に達したことを条件にコメントの表示を行うものとする。
また、導入初日の稼動情報に基づき通知する初日用のコメントについては、マトリクス評価のランク分けに応じた第2コメントテーブルが予め記憶されている。第2コメントテーブルはタイプ毎に設定されていて、図15は、ハイミドルのパチンコ機についての第2コメントテーブルを示している。同図に示すように、第2コメントテーブルでは、「SS」~「SD」に夫々対応付けられたコメントが設定されており、例えば「SS」にランク分けされた機種では「自店でもうまく活用できています。長期の稼動貢献が期待できます!」と表示させる。尚、図15でブランクの「BS」等にランク分けされた機種では、コメントを表示しない。
上記した図14や図15は、初日用のコメントであるが、図18は、2日目以降用のコメントである。
ここで、初日と2日目以降の判定対象期間の処理内容ついて、図16(a)~(c)も参照しながら説明する。尚、図16(a)は、新台の導入日(同図で「新台登場」の月曜日)が祝日でなく且つ火曜以降の一週間も祝日がない場合、図16(b)は、同図にて丸で囲った「月」曜日が祝日の場合、図16(c)は、同図にて丸で囲った木曜日が祝日の場合、を例示している。
図16(a)に示すように祝日がない場合、火曜日を初日として翌日水曜日に「全国データ公開」と「初日判定」とがなされる。即ち、「全国データ公開」に関して、サーバ9は各遊技場における導入初日の台遊技時間等の稼動情報を集計し、水曜日の営業開始前には、その稼動情報を含む全国データを各遊技場に配信する。また、「初日判定」に関して、上記したように管理装置5とサーバ9とで導入初日の台遊技時間を基にランク付けした結果により、図13で説明したマトリクス評価を行い、水曜日の営業開始前には、モニタ7上でその新台の機種の通知に併せて初日用のコメント(図14,図15参照)を表示させることができる。
また、図16(a)の「2日目判定」~「翌月曜判定」では、所定の基準情報として、前記初日からの経過日数に応じた第1基準情報と、暦上の土曜日及び日曜日の少なくとも一方に対応した第2基準情報とを用いた判定が行われる。具体的には、サーバ9や管理装置5では、図17に示すように、台遊技時間変動率の判定基準として、「2日目」~「翌月曜日」の夫々に対応した閾値(%)が予め設定されている。
同図に示すように、「2日目」「3日目」「4日目」及び「翌月曜日」は、第1基準情報としてその判定対象期間が経過するにつれ「min」又は「max」の閾値が低くなるように設定されている。これに対し、「土曜日」及び「日曜日」は、第2基準情報として判定対象期間の経過に関わりなく「min」と「max」との閾値が比較的高い値(2日目の閾値と同じ値)に設定されている。尚、図17の判定基準は、タイプ毎に設定されるものであり、一のタイプの判定基準の一例を示している。また、判定基準となる第1基準情報及び第2基準情報は、夫々の設定手段としての管理装置5或いはサーバ9により、設定できるものとする。
これにより、2日目以降は、台遊技時間変動率を、前日アウト÷当日アウトにより求め、初日のランクが全国データにて「S」又は「A」ランク(図13上欄のランク)になった機種を対象として(自店データでのランク分けに関わりなく)、当該遊技場Aにおいて、該当機種(或いは代表機種)が導入されていれば自店データと全国データとの双方により、該当機種が導入されていなければ全国データにより、当該台遊技時間変動率を特定する。
こうして、2日目以降、特定された台遊技時間変動率は営業日単位の遊技情報として、図17の判定基準と比較することで、その比較結果に応じたコメントを(図18参照)、図7の通知画面71で該当機種の機種名と併せて表示させることができる。
例えば、遊技場Aに該当機種が導入されていないケースでは、その該当機種がパチンコ機であれば、図18(a)のコメントが表示され、該当機種がスロットマシンであれば、同図(b)のコメントが表示される。他方、遊技場Aに該当機種が導入されているケースでは、その該当機種がパチンコ機であれば、同図(c)のコメントが表示され、該当機種がスロットマシンであれば、同図(d)のコメントが表示される。
図18(a)~(d)に示すように、2日目以降用のコメントは、夫々のケース(該当機種導入の有無)に対応した内容となっており、又、何れも図17の判定基準を基に、台遊技時間変動率が「min」以下の場合と「max」以上の場合との条件に応じた内容で表示されるため、新台評価に関して好適なコメント内容を提示することができる。
尚、図18(a)~(d)では便宜上、一のタイプ(パチンコ機ではハイミドル、スロットマシンではノーマル)のコメントを例示しているが、こうしたコメントがタイプ別に設定されているものとする。また、図17の判定基準の閾値として、2日目は85(%)と100(%)とを設けているが、もう1つ閾値(例えば70(%))を設ける等、3段階以上の区分を設け、その区分の何れに属するかにより対応するコメントを表示するようにしてもよい。この場合、70(%)以下の条件に応じたコメント内容は、例えば「稼動貢献は期待できません」等と設定してもよい。
ここで、「2日目判定」以降、図16(a)の如く祝日がない場合、「3日目判定」「4日目判定」「土曜判定」「日曜判定」「翌月曜判定」は、この順の経過日数或いは土・日曜日といった曜日に対応した、図17の判定基準の閾値(「判定閾値」とも称す)が、そのまま適用される。
もっとも、図16(b)に示すように月曜日が祝日であれば、新台登場が1日遅れるため、図17の判定閾値をそのまま適用したとすれば、遊技場における土・日曜日の実態に合わない判定結果となる虞がある。そこで、遊技場Aにおいて水曜日に初日がずれこんだ場合、前記所定の基準情報の対象となる営業日を営業日単位で遅延する遅延処理が行われる。具体的には、図16(b)に示すように、「初日」以降の「判定」は、初日が営業日単位でずれこむ(同図で右側にずれる)ことに伴い、判定に係る基準情報も営業日単位で遅延するようにシフトさせる遅延処理が実行される。
このため、管理装置5(遅延手段)においては、係る遅延処理が行われることで、第1基準情報と第2基準情報とに対応する営業日が生じた場合、つまり土曜日が4日目となって第1基準情報たる「4日目」の判定閾値と第2基準情報たる「土曜日」の判定閾値とが同じ営業日で重畳する場合、第2基準情報を優先して用いられた比較結果に基づき上記コメントを表示出力する。こうして、図16(b)に示すように月曜日が祝日でも、土・日曜日は、図17の土・日曜日用の判定閾値で判定が行われ、翌月曜日は、図17の翌月曜日用の判定閾値で判定が行われることとなる。
他方、図17(c)に示すように月曜以外の平日(例えば木曜祝日)が暦上の祝日にあたる場合には、管理装置5(出力手段)において、前記比較による判定(同図でブランクとなっている「3日目判定」に相当)を抑制する。このため、「3日目判定」の比較結果に基づくコメントも、通知画面71(図7参照)で表示されないが、その通知画面71による通知(表示)自体はなされる。
上記の遊技場Aにて水曜日に該当機種が導入されたものとする。この場合、当該遊技場Aでは木曜日が初日となるが、前記全国データにより、原則通り火曜日を初日つまり図16(a)の「全国データ公開」に合せた「初日判定」と翌日の「2日目判定」とが行われ、導入後は自店データと全国データとの双方により、「3日目判定(即ち、木曜日分の判定)」以降の判定が行われる。それ故、このケースでは、遅延処理が行われることがなく、その経過日数或いは曜日に対応した図17の判定閾値がそのまま適用される。
上記のコメントは、台遊技時間或いはアウトに関する判定結果に基づくものであるため、図7の通知画面71で通知する際には、その画面71の「アウト」や「台遊技時間」を表す欄73に付記することができる。また、コメントとしては、玉粗利に関する判定結果に基づき、通知画面71の「玉粗利」を表す欄73にその玉粗利に関するコメントを付記するようにしてもよい。
例えば、図19に示すように玉粗利の判定基準として、(a)のパチンコ機のタイプ別に対応した閾値と、(b)のスロットマシンのタイプ別に対応した閾値とが予め設定されている。同図に示すように、玉粗利の判定基準の閾値(「判定閾値」とも称す)は、「>0.60(0.60に達している)」とする条件「1」と、「>0.40」とする条件「2」と、「<0.10(0.10に達していない)」とする条件「3」と、「<0.00」とする条件「4」と、を規定する4つの値に設定されている。尚、説明の便宜上、玉粗利の判定閾値は、各タイプで共通の値を示しているが、相互に異なる値に設定することができるのは勿論である。
そして、管理装置5において、「初日判定」に際し該当機種が当該遊技場Aに導入されていなくても、全国データにより特定される玉粗利と判定閾値とを比較して、条件「1」~「4」に対応する、初日用のコメントを表示させる(図20(a)参照)。同図に示すように、初日用のコメントは、「辛い」或いは「甘い」調整といった全国的な運用について、その程度を4段階に区分した内容で表わされる。
また、「2日目判定」以降は、全国データにより特定される玉粗利と判定閾値とを比較して、前日の条件「1」~「4」とは別の条件「1」~「4」に該当すると判定された場合(前日と本日とで条件が変わった場合)、該当する条件のコメントを表示させる(図20(b)参照)。同図に示すように、2日目以降用のコメントは、全国的に運用が変わったとき、その程度を4段階に区分した内容で表わされる。
こうして、管理装置5において、判定対象期間の玉粗利に係る「1」~「4」の条件に応じて、初日用のコメント或いは2日目以降用のコメントを通知画面71で表示させることができる。
また、管理装置5において、「初日判定」に際し該当機種が当該遊技場Aに導入されている場合には、当該遊技場AのSP玉粗利(理論玉粗利)を用いた比較による判定を行い、その比較結果に応じたコメントを通知画面71で表示させる。ここで、SP玉粗利について説明しておく。
SP玉粗利とは、前述した図5のようなスペック情報通り(例えば通常状態にてTS分のスタートを得た場合に初当りが発生し、その後に通常状態に戻るまでには平均継続数分の大当りが発生する等)に大当りや甘中等の有利状態が発生した場合といった、スペック通りに遊技結果が得られたと仮定した場合の、遊技情報である理論値の1つ(玉粗利)に相当する。大当り状態等は抽選により発生の有無が特定されるため、その抽選に偏りが生ずる図3で説明した実績値と必ずしも近似する値にはならない(図6参照)。この点、図6は、図4で説明した機種AAAAのパチンコ機について、図5の「スペック情報」を設定し、「基データ」を特定した上で、それらにより特定される当該遊技機1のデータに基づき抽選等の偏りが生じずに大当り等の有利状態が発生した場合における出率等の理論値の一例を示しており、その定義や演算式を示している。図6の「基データ」は、図3、図4のような集計に対して指定した参照期間における平均値を示しており、参照期間を複数日とすることで安定した遊技情報が得られる。図6の「理論値」は、前記スペック情報と基データとに基づく理論値として特定される。「SP玉粗利」とは同図に示されるような「理論値」における「玉粗利」を称するものであり、大当りの発生の偏りに影響を受けない玉粗利(粗利÷アウト)である。
このように、SP玉粗利は、一の遊技場Aにおいて営業日単位の遊技情報として遊技機1が遊技場Aに与えた利益を示す利益情報として集計することができ、当該遊技場Aの管理装置5により管理される利益情報ということができる。これに対し、図21(a)に示すように、SP玉粗利と比較対象となる、玉粗利指標は、前記原価率を考慮した再プレイによる損益を考慮した理論上の玉粗利(実績値、理論値のどちらでも採用可能)であり、前記所定の基準情報としてサーバ9により管理される利益情報に相当する。
尚、利益情報として一の遊技場AではSP玉粗利、全国データでは玉粗利指標を採用することを例示したが、いずれかの同一の利益情報により比較したり、一の遊技場Aでは玉粗利指標、全国データではSP玉粗利とするといったように双方を入替えて比較したり、更には理論情報ではなく実際の玉粗利により比較する等、どのような利益情報を採用してもよい。
同図21(a)は、一の遊技場AにおけるSP玉粗利の自店データの値と玉粗利指標の全国データの値との比較による判定の結果に応じて予め設定されたコメントを示している。同図では、「全国>>自店(玉粗利指標がSP玉粗利よりも大きく、その差も大きい)」とする条件「1」と、「全国>自店(玉粗利指標がSP玉粗利よりも大きい)」とする条件「2」と、「全国≒自店(玉粗利指標とSP玉粗利とが略同じ)」とする条件「3」と、「全国<自店(玉粗利指標よりもSP玉粗利が大きい)」とする条件「4」と、「全国<<自店(玉粗利指標よりもSP玉粗利が大きく、その差も大きい)」とする条件「5」と、を規定している。
そして、管理装置5において、判定対象期間のSP玉粗利と玉粗利指標との比較により、図21(a)の「1」「2」「4」「5」の何れかの条件に該当すると判定された場合、対応するコメントを通知画面71で表示させることができる。尚、管理装置5では、図21(b)に示すように、玉粗利指標の値とSP玉粗利の値との差の設定を任意に変更する入力操作を行うことができ、その差を「0.10」円に設定した場合には、図21(a)の条件「1」~「5」相互間における夫々の差(閾値)が「0.10」きざみとなるように設定することができる(図21(b)参照)。
以上のように、「初日判定」に係る図7の通知画面71は、新台の導入に伴い必ず表示され、その後の「2日目判定」以降は、図17の判定基準を基に台遊技時間変動率が「min」以下の場合並びに「max」以上の場合に通知画面71で通知し、こうした通知画面71において各種コメント(各種の基準情報との比較結果)を提示することができる。また、通知画面71に対するクリック操作により、図8の一覧表81や推移グラフ82を表示させることができる。
また、管理装置5において、マトリクス評価といった稼動評価に応じて、「2日目判定」以降の通知をタイプ別に抑制する(通知画面71で通知しない)設定が可能に構成してもよい。
<2.低貸移設推奨>
図22は、管理装置5において、モニタ7に表示されるパチンコ機の貸単価の変更が推奨される変更推奨機種に関する通知画面221を示している。この通知画面221は、例えば所謂高貸よりも貸単価の低い所謂低貸の方が向いている機種を、自店データと全国データとに基づき通知するための画面であり、スロットマシンの変更推奨機種に関する通知画面(図示略)も用意されている。
図22に示すように、通知画面221には、変更推奨機種の「機種名」とともに、その機種の「アウト」と「台粗利」とが表示され、又「低貸の方が業績貢献の可能性があります!」とのメッセージが表示される。この場合、変更推奨機種について、通知画面221で具体的な貸単価、つまり「4円」から「1円」への変更が推奨される旨を明示してもよい。
通知画面221は、変更推奨機種が複数ある場合には、代表機種(設定台数が1番多い機種)を表示する。そして、通知画面221のクリック操作を行うと、図23に示すように、代表機種を含む変更推奨機種の候補となる機種の一覧表231と推移グラフ232とを示す画面が、モニタ7上でポップアップ表示される。
即ち、一覧表231と推移グラフ232は、図23(a)に示すパチンコ機用のものと、図23(b)に示すスロットマシン用のものとがある。同図に示すように、一覧表231と推移グラフ232はパチンコ機とスロットマシンとで同様の表示内容とし、又、係る機種の特定方法もパチンコ機とスロットマシンとで同様の特定方法が採用されていることから、以下では、パチンコ機の変更推奨機種並びにその候補となる機種を中心に説明する。
図23(a)の一覧表231では、パチンコ機に係る変更推奨機種の候補となる「機種名」「アウト」及び「台粗利」と、該当する「タイプ名」とが夫々表示される。このうち、「アウト」は、管理装置5の自店データとして求められた第1貸単価「4円P」の機種夫々のタイプ別の当該アウトの値と、サーバ9から送信された第2貸単価「1円P」の機種夫々のタイプ別の当該アウトの値と、で示される。同様に、「台粗利」は、管理装置5で管理される「4円P」の機種夫々のタイプ別の当該台粗利の値と、サーバ9から送信される「1円P」の機種夫々のタイプ別の当該台粗利の値と、で示される。
即ち、同図に示される変更推奨機種の候補となる機種は、これを特定する遊技場Aにおいて、「4円P」の第1遊技機としては設置される一方、「1円P」の第2遊技機としては設置されていない機種である。このように、管理装置5は、当該遊技場Aにおいて登録されている前記機種情報と貸単価とを対応付けて遊技機1を管理しており、移設元となる「4円P」として設置され且つ移設先となる「1円P」に設置されていない機種を抽出する。
また、同一覧表231において変更推奨機種の候補となる機種は、管理装置5により抽出した「4円P」の機種について、アウトと台粗利とが、夫々の自店データの平均値(当該遊技場A全体での夫々の基準値)を下回る機種を、一週間単位で特定したものである。換言すれば、当該遊技場Aに対応する管理装置5の管理対象となる台粗利(利益情報)が予め設定される基準利益条件(「台粗利>基準値」の条件)を満たさないとともに、同じく管理装置5の管理対象となるアウト(稼動情報)が予め設定される基準稼動条件(「アウト>基準値」の条件)を満たさない機種を対象として、変更推奨機種の候補となる機種を抽出し、一覧表231として出力する。
他方、一覧表231における、アウトと台粗利との欄夫々における「1円P」は、前記候補となる機種及びタイプが一致する機種について、サーバ9から送信された夫々の値を表すが、詳しくは後述する。
一覧表231左側のチェックボックス231aにおいて、任意の機種を選択するクリック操作が行われると(同図の「レ点」参照)、その選択された機種の推移グラフ232が、一覧表231の下側に表示される。
推移グラフ232について、詳しい図示は省略するが、期間を横軸(第1週、第2週、…第8週)、アウト及び台粗利を縦軸としている。また、推移グラフ232は、アウトを棒グラフ、台粗利を折れ線グラフとして、変更推奨機種の候補となる機種のアウト及び台粗利の推移を、「4円P」と「1円P」との双方について8週間分表すものとする。この8週分は導入週を起点とした経過期間としてもよいし、現時点を起点として遡った期間としてもよい。
尚、図23(c)に示すように、管理装置5においては、「基準売単価」として4円P或いは20円Gに対応する、第1単価の値の範囲を夫々設定することができる。つまり同図(c)の「個」の欄は、パチンコ機の第1単価の設定範囲として4円Pを含む「4.00~4.40円」を表わし、「枚」の欄は、スロットマシンの第1単価の設定範囲として20円Gを含む「20.00~22.00円」を表わす。同様に、図示は省略するが、第2単価としては1円Pを含む「1.00~1.20円」や5円Gを含む「5.00~6.00円」を設定範囲と定めて、前記移設先としてアウトや台粗利を求めることができるが、両者を入替えて例えば1円Pに対応する設定範囲を第1単価、4円Pに対応する設定範囲を第2単価とする等して、1円Pから4円Pへの移設を対象としてもよい。
他方、図24(a)(b)は、サーバ9側で管理される全国データに基づき抽出(ピックアップ)される変更推奨機種について、そのピックアップ最大順位を「10」とし(同図(b)の上欄参照)、前記設定範囲に含まれる「4円」Pの第1遊技機を前記移設元、「1円」Pの第2遊技機を移設先とした場合の説明図を示している。
ピックアップ最大順位は、デフォルト値として例えば10位に設定され、管理装置5側ではデフォルト値を変更不能とする。これにより、図24(b)の一覧表241右側の網掛け部分で示すように、10位までの変更推奨機種(BBBB~DDDD,FFFF,GGGG,JJJJ~MMMM,QQQQ,WWWW)がピックアップされるようになっている。
ここで、サーバ9は、図24(a)に示すように「種別平均アウト」と「種別平均台粗利」とを一週間単位で特定する。「種別」とは、貸単価に基づく種別グループを称するものであり、例えば1円や1.2円の貸単価の機種をグループ化した同図(a)の「1円」の第2遊技機、及び前記設定範囲に含まれる機種をグループ化した「4円」の第1遊技機を対象としている。
また、「種別平均アウト」における、「4円」及び「1円」の値は、夫々の種別の全国データ(夫々のアウトの平均値)として求められ、「比率」の値は、当該「1円」のアウトの平均値を当該「4円」のアウトの平均値で除して求められる。また、「種別平均台粗利」における、「4円」及び「1円」の値は、夫々の種別の台粗利の平均値として求められ、「比率」の値は、当該「1円」の台粗利の平均値を当該「4円」の台粗利の平均値で除して求められる。
そして、全国データに基づく変更推奨機種のピックアップに際し、先ず前提として図24(b)に示す機種AAAA~0000は、少なくとも遊技場Aの導入台(自店導入台)であるものとする。つまり、サーバ9は、図24(b)の順位等の特定を、自店導入台等に応じた適正数について行うために、管理装置5から送信される自店導入台の情報に基づき、機種AAAA~0000をリストアップした同図の一覧表241を生成する。自店導入台の情報には、前記変更推奨機種の候補となる機種の情報も含まれる。
次いで、サーバ9は、同一覧表241の「1円」の種別における、「台粗利」の値が種別平均台粗利(1,573)より低い値(網掛け部分の値)を示す機種を、抽出対象から除外する(同図のピックアップ「除外」参照)。換言すれば、第2遊技機における台粗利(利益情報)が予め設定される利益条件(「台粗利>1,573」の条件)を満たすことで、貸単価の変更により当該平均値(1,573)分以上の利益(特定の利益)が見込まれる機種を変更推奨機種の対象とする。
これにより、少なくとも変更推奨機種の対象外とならなかった機種について、「4円」の種別のアウトに対する「1円」の種別のアウトの「比率」を求める(一覧表241の左半部参照)。同様に少なくとも当該対象外とならなかった機種について、「4円」の種別の台粗利に対する「1円」の種別の台粗利の「比率」を求める(一覧表241の右半部参照)。この場合に求める遊技情報の値の比率については、アウトに代えて台遊技機時間といった他の稼動情報の値の比率、或いは台粗利に代えて玉粗利やSP玉粗利といった他の利益情報の値の比率を用いるようにしてもよい。
尚、図24では対象外となった機種をアウトについては含む一方、台粗利については含まずに順位を特定しているが、アウトについては含まず、台粗利については含むようにしたり、双方含まず、或いは双方含めたりして順位を特定しても勿論よい。また、対象外となる機種の除外方法として台粗利の順位の特定対象から除外することを例示しているが、アウトの順位や後述する順位和順位の特定対象から除外するといったようにどのような方法で除外してもよい。
こうして、サーバ9は順位情報特定手段として、例えば機種BBBBのように機種としては共通する「4円」の第1遊技機と「1円」の第2遊技機とにおけるアウトの比率に基づく順位付けと、台粗利の比率に基づく順位付けと、をタイプ別に機種単位で行うとともに、夫々順位付けした順位の和である順位和を示す。
具体的には、図24(b)に示すように、一覧表241は「ハイミドル」のタイプの機種を例示しており、上記のように特定の利益が見込まれる機種、例えば、機種BBBBについては、台粗利の比率の高い方から順位付けして求めた順位「1」と、アウトの比率の高い方から順位付けして求めた順位「11」と、を合計して順位和「12」を特定する。
同様に例えば、機種CCCCについて、台粗利の比率の順位「2」とアウトの比率の順位「4」とを合計して順位和「6」を特定し、機種DDDDについて、台粗利の比率の順位「3」とアウトの比率の順位「1」とを合計して順位和「4」を特定する。また、機種FFFFについて、台粗利の比率の順位「4」とアウトの比率の順位「6」とを合計して順位和「10」を特定し、機種GGGGについて、台粗利の比率の順位「5」とアウトの比率の順位「15」とを合計して順位和「20」を特定する。このように、機種単位でタイプ毎の順位和が特定される。尚、上記のように特定の利益が見込まれる機種だけを対象として順位付け(乃至順位和)を求めることで、ピックアップの判定精度乃至有用性を高めることができるが、対象機種が少ない場合等を考慮し、全機種を対象として順位和を求めるようにしてもよい。
係る順位和は、機種単位の順位を示す順位情報に相当する。サーバは、予め設定される順位条件として、その順位和を更に順位付けした順位和順位を特定した上で、当該順位和順位がピックアップ最大順位「10」以内の機種であることを条件(順位和順位≧10)に、該当する機種をピックアップする。つまり、順位条件は、変更推奨機種の対象となる機種を順位和により順位付けした順位が10位以内の順位(特定の順位)となる場合に満たされる。
例えば一覧表241における、機種BBBBについては、その順位和「12」を更に順位和の低い方から順位付けして順位和順位「4」が特定され、順位条件を満たすことでピックアップされる。同様に、機種CCCCについて、順位和「6」の順位和順位「2」が特定されピックアップされ、機種DDDDについて、順位和「4」の順位和順位「1」が特定されピックアップされ、機種FFFFについて、順位和「10」の順位和順位「3」が特定されピックアップされ、機種DDDDについて、順位和「4」の順位和順位「5」が特定されピックアップされる。
こうして、図24(b)の一覧表241右側の網掛け部分で示すように、順位和順位が10位までの機種BBBB~DDDD,FFFF,GGGG,JJJJ~MMMM,QQQQ,WWWWは、順位条件を満たすことで「4円」の第1単価から「1円」の第2単価へ単価の変更が推奨される変更推奨機種として特定される。
これにより、遊技場Aにおいて管理装置5は自店導入台のうち、サーバ9から送信され全国データに基づき抽出された変更推奨機種(つまり順位和順位が10位までのピックアップ機種)を、当該遊技場Aにおける変更推奨機種として、前記図22の通知画面221で代表機種を表示し、又、図23の一覧表231や推移グラフ232を表示させることができる。
この場合、管理装置5は、自店データに基づき抽出した変更推奨機種の候補(つまり自店に「4円P」として設置され且つ「1円P」に設置されていない機種であって基準利益条件や基準稼動条件を満たさない一覧表231の機種)について、前記全国データに基づき同一覧表231の「1円P」のアウトと台粗利の値を表示させることができる。また、この場合、管理装置5は、全国データに基づき抽出された変更推奨機種と、自店データに基づき抽出した変更推奨機種の候補とを照合し、この照合によって合致する機種については一覧表231で変更推奨機種である旨を特定可能に表示し、或いは一覧表231とは別に変更推奨機種のみの一覧表を表示出力してもよい。
更に、図24(b)の一覧表241は、遊技場Aの自店導入台に限らず、自店データに基づき抽出した変更推奨機種の候補となる機種を対象としてリストアップしてもよいし、自店導入台以外の機種をも対象としてリストアップしてもよい(つまり自店データによらずに当該一覧表241を生成してもよい)。この後者の一覧表241に基づき抽出された変更推奨機種と、自店データに基づき抽出した変更推奨機種の候補と、の照合によって合致する機種を変更推奨機種としてもよい。
尚、管理装置5において、自店データに基づき抽出した変更推奨機種に対して、サーバ9から送信される前記順位和をタイプ別に関連付け、当該変更推奨機種の順位和順位を特定した上で、当該順位和順位が10位以内の機種(上位N機種)を特定してもよい。この場合の上位N機種のNの値、或いは前記ピックアップ最大順位のデフォルト値は、管理装置5側で、任意に変更可能に設定してもよく、順位条件は適宜変更しるものである。
また、順位情報特定手段或いは出力手段としては、管理装置5及びサーバ9の少なくとも一方により管理される前記遊技情報の値の比率に基づく順位情報を特定可能な装置(端末装置)であればよく、例えばサーバ9や遊技場管理者の携帯端末といった端末装置を出力手段として、変更推奨機種を特定可能な情報を出力してもよい。
以上説明した本実施形態によれば、以下の効果を奏する。
図11等で例示したように、初日の稼動情報(例えば台遊技時間)でランク分けした結果に基づき対象機種を特定し、対象機種について営業日単位の遊技情報と基準情報との比較結果を出力することが可能となり、所謂新台導入時に新台を好適に評価可能な指標を示し得るようになる。また、特定のランクになった機種を対象として出力対象とするため、注目すべき機種対象にして初日以降の状況をも報知可能となる。
サーバ9の全国データと管理装置5の自店データとで各々ランク分けしてマトリクス評価するが、自店で導入していない機種は、全国データでのみで評価できるため、自店における状況と、サーバ9にて管理される複数の遊技場における状況とを比較した上で遊技機1を評価でき、例えば新台の遊技情報が芳しくない場合に自店の活用方法と機種自体との何れに問題があるかを把握可能となる。
機種を選択した場合、全国データと自店データとの推移を出力(表示)し、更に前後のランクの機種(つまり参考となる関連機種)の推移をも表示する。このため、自店における状況と、サーバ9にて管理される複数の遊技場における状況とを比較した上で遊技機1を評価でき、例えば新台の遊技情報が芳しくない場合に自店の活用方法と機種自体との何れに問題があるかを把握可能となる。
図17に例示したように、判定対象期間の経過日数に応じて第1基準情報を設定するが、暦上の土日に対応する第2基準情報を別途設定し、祝日が含まれる等して期間が遅延した場合は、経過日数に応じた第1基準情報より土日の第2基準情報を優先して判定する。このため、平日が土日かにより遊技情報に影響が生じる場合であっても、例えば土曜日の遊技情報を比較判定する場合、祝日がなければ5日目となる一方、祝日があれば4日目となるが、4日目=平日の比較判定ではなく、土曜日の比較判定を優先するので、適切に遊技情報を判定可能となり、適切な比較結果を出力することができる。
図16(c)に示したように祝日の週を含む場合、祝日の比較判定を抑制するため、祝日は、土日と同様に遊技情報に影響が生じる虞があるとともに、導入日からの日数を考慮して祝日だけを区分して比較判定を行ってしまうと、母数の低下により比較判定に係る情報が不確かになる虞があるが、そのような虞を軽減できる。
利益情報によって遊技機を評価する場合に、サーバ9により管理される利益情報の全国データと、管理装置5により管理される利益情報の自店データとを比較することで遊技機1を評価するため、自店における新台の活用について、全国データを基準に甘い調整なのか、辛い調整なのかを把握可能となる。
図22~図24で例示したように、管理装置5とサーバ9との少なくとも一方により管理される遊技情報であって、機種としては共通する第1遊技機と第2遊技機との遊技情報の値に比率による順位付けに基づき、「4円」から「1円」への貸単価の変更が推奨される変更推奨機種を出力するため、貸単価の変更前後に関わらず変更先(移設先)の方が向いている機種を把握可能になり、貸単価の変更対象となる機種を好適に把握可能な指標として提示し得るようになる。
変更推奨機種は、「1円」の第2遊技機における利益情報が利益条件を満たすことで、貸単価の変更により特定の利益が見込まれる機種を対象として特定されるため、移設先に向いていない機種を好適に除外した上で、変更推奨機種を特定可能となる。
アウトと粗利との順位の合計を順位和とするため、アウトと粗利との双方を考慮した変更推奨機種を把握可能となる。
順位和で順位付けし、その順位が自店における特定の順位の機種(例えば上位10機種)を順位条件とするため、アウトと粗利との双方を考慮した変更推奨機種を特定可能となる。
自店に「1円」の第2遊技機としては無い機種であり、自店の「4円」の第1遊技機に係るアウトと粗利との双方が基準を下回っている機種を対象とするため、既に移設を行い、実績のある機種を除外するとともに、移設元にて好適な遊技情報を得ていない機種を対象として変更推奨機種を把握可能となる。
<その他の実施形態>
本発明は、上記した実施形態及び変形例に限定されることなく、次のように変形または拡張したり、各変形例を上記実施形態と組み合わせたりしてもよい。
前記ランク分け手段は、図11で示した全国データだけでランク分けを行い、又は、図12で示した自店データだけでランク分けを行う構成としてもよい。
図17で示した台遊技時間変動率等の、所定の基準情報は、前日データと当日データとの比率を表す変動率で規定されていればよく、その変動率は、台遊技時間に限らず、アウト、スタート、売上、大当り数等、各種の遊技情報を対象とした判定基準とすることができる。
図16(c)で示したように暦上の祝日にあたる場合、前記比較による判定を抑制するものとして、例えば前記「3日目判定」の比較結果については、通常とは異なる態様で(祝日にあたり平日とは異なる旨を注意喚起するものとして)、モニタ7上で表示出力するようにしてもよい。
第1単価を図23(c)の基準売単価の範囲で示される単価とし、或いは第2単価について1円や1.2円の貸単価の機種をグループ化した「種別」グループと称したが、こうした貸単価の範囲を定めず、特定の単価(例えば4円丁度の値)そのものであってもよい。
図24で例示した順位和は、アウトに係る順位と台粗利に係る順位とをそのまま合計した値とせずに、アウトと台粗利といった夫々の遊技情報の値に対する、所謂重み係数を乗じた上で、その乗じた値を合計した値を用いるようにしてもよい。例えばアウトに係る順位が15位、台粗利に係る順位が12位だった場合、合計の27位とせずに、台粗利の計数を1.5として、15+12×1.5=33位として順位和を求めるようにしてもよい。
順位和や順位和順位の値等は、サーバ9から管理装置5へ出力せず、又、管理装置5で表示出力する必要はなく、変更推奨機種を特定可能な情報、つまり少なくとも当該推奨機種そのものを把握可能な情報を出力する構成であればよい(図22の機種名参照)。
管理装置5が行う処理の一部を中継装置3、或いは遊技装置2等にて行ってもよい。また、サーバ9で行う処理を管理装置5で行ったり、管理装置5で行う処理をサーバ9にて行ったり、サーバ9を設けずに管理装置5のみで順位情報等を特定することにより変更推奨機種を特定する等、どのように構成してもよい。
各種の設定値(設定情報)は、遊技場管理者が任意に入力操作により設定してもよいし、予め管理装置の製造メーカにて設定してもよい。又、例えばチェーン店本部等の外部のサーバから設定情報をダウンロードして設定してもよい。
例示した全ての遊技情報は、遊技機側から出力される信号により直接的に特定してもよいし、演算式を利用して間接的に特定してもよい。
上記した数値、桁数、項目等は例示であり、どのような数値を採用してもよい。また、以上と超過についてはどちらを採用してもよく、「達した」等の表現は以上となった或いは超過したのいずれにも対応する表現となる。以下と未満についても同様で、「達していない」等の表現は双方に対応する表現となる。また、グラフや一覧表を出力する出力態様については、どのような出力態様としてもよく、印字出力や、表示出力を採用することができる。
対象となる遊技機としては遊技媒体をデータのみで管理する所謂封入式等の例示したパチンコ機やスロットマシン以外の遊技機も採用できる。
尚、以上に例示した実施形態からは以下の特徴を抽出することも可能である。
遊技機側から出力される遊技信号により特定される遊技情報を管理する遊技場用システムであって、前記遊技情報として、少なくとも稼動状況を示す稼動情報を管理する管理手段と、遊技機の機種に関する機種情報を登録する機種登録手段と、前記機種情報と前記管理手段により管理される稼動情報とを比較することで、遊技機が新台として導入された日に対応する判定対象期間の開始日である初日の稼動情報に基づいて機種のランク分けを行うランク分け手段と、営業日単位の遊技情報と、所定の基準情報との比較結果を出力可能な出力手段と、前記ランク分け手段によるランク分けの結果に基づき前記出力手段による出力対象となる対象機種を特定する特定手段と、を備えることを特徴とする。
前記管理手段は、遊技場に設置された遊技機の遊技情報を管理対象とする個々の遊技場の第1管理手段と、複数の前記第1管理手段で管理される遊技情報を管理対象とする第2管理手段と、を含み、前記ランク分け手段は、一の遊技場において、導入されている機種についての前記ランク分けを、当該遊技場の第1管理手段により管理される稼動情報と前記第2管理手段により管理される稼動情報とに基づき行い、当該遊技場に導入されていない機種についての前記ランク分けを前記第2管理手段により管理される稼動情報に基づき行うことを特徴とする。
前記管理手段は、遊技場に設置された遊技機の遊技情報を管理対象とする個々の遊技場の第1管理手段と、複数の前記第1管理手段で管理される遊技情報を管理対象とする第2管理手段と、を含み、前記第1管理手段により管理される稼動情報の推移を示す第1推移情報と、前記第2管理手段により管理される稼動情報の推移を示す第2推移情報とを管理し、前記出力手段は、前記特定手段により特定された対象機種における前記第1推移情報と前記第2推移情報とを、当該推移情報の出力対象となる対象機種のランク、及び当該ランクに応じた順位の少なくとも一方に近似、或いは一致する機種の稼動情報の推移を示す推移情報と比較可能に出力することを特徴とする。
前記所定の基準情報として、前記初日からの経過日数に応じた第1基準情報と、暦上の土曜日及び日曜日の少なくとも一方に対応した第2基準情報とを設定する設定手段と、前記所定の基準情報の対象となる営業日を営業日単位で遅延する遅延処理を行う遅延手段と、を備え、前記出力手段は、前記遅延処理が行われることで前記第1基準情報と前記第2基準情報とに対応する営業日が生じた場合、前記第2基準情報を優先して用いられた比較結果を出力することを特徴とする。
前記第1管理手段は、遊技機が遊技場に与えた利益を示す利益情報と、遊技機の稼動状況を示す稼動情報とを管理対象とし、前記変更推奨機種は、当該変更推奨機種の特定対象となる遊技場において、前記第1遊技機としては設置される一方、前記第2遊技機としては設置されていない機種であって、当該遊技場に対応する前記第1管理手段の管理対象となる利益情報が予め設定される基準利益条件を満たさないとともに、同じく第1管理手段の管理対象となる稼動情報が予め設定される基準稼動条件を満たさない機種を対象とすることを特徴とする。
前記出力手段は、暦上の祝日にあたる場合には、前記比較による判定を抑制することを特徴とする。
前記管理手段は、遊技場に設置された遊技機の遊技情報を管理対象とする個々の遊技場の第1管理手段と、複数の前記第1管理手段で管理される遊技情報を管理対象とする第2管理手段と、を含み、
一の遊技場において、前記出力手段は、前記営業日単位の遊技情報として遊技機が遊技場に与えた利益を示す利益情報であって当該遊技場の第1管理手段により管理される利益情報と、前記所定の基準情報として前記第2管理手段により管理される利益情報との比較による判定の結果を出力することを特徴とする。