JP7232141B2 - 電動式油圧工具 - Google Patents

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本発明は、電動式油圧工具に関するものである。
電動モータと、その電動モータの一端に連結されたハウジング内に設けられて電動モータにより回転駆動される油圧ポンプと、そのハウジングに該電動モータと反対側に設けられ、その油圧ポンプから圧送される作動油によって駆動される油圧シリンダと、油圧回路内の油圧を一定限度以下に維持するリリーフ弁や油圧を逃がすための戻し弁とを一体的に備え、その油圧シリンダにより所定の作業工具を駆動する形式の電動式油圧工具が知られている。たとえば、特許文献1に記載された電動式油圧工具がそれである。このような電動式油圧工具には、上記油圧シリンダによって駆動される切断工具、電線に対する圧着端子の圧着工具、圧縮工具、鉄板穴あけ工具等が選択的に装着されるので、比較的大きな荷重を必要とする鉄筋や大径電線の切断作業、大型圧着端子の大径電線への圧着作業、接続用管状ジョイントのパイプへの圧縮作業、パンチ工具を用いた穴あけ作業などが能率的に行われる。
上記電動式油圧工具には、切断作業、圧着作業、圧縮作業、或いは穴あけ作業が終了したときに、戻しレバーの操作によって、油圧シリンダのピストンを元の位置まで戻して次の作業を開始するものであった。このため、作業毎に、起動スイッチから指を一旦離して、戻しレバーの操作を行なう必要があるため、作業動作に手間や時間が増加するという欠点があった。
これに対して、特許文献2に記載された電動式油圧工具では、操作ねじを回転させる操作を用いて第1動作モードおよび第2動作モードを選択できるようにし、第1動作モードでは起動スイッチをオフ操作することで、油圧シリンダのピストンを元の位置へ自動的に復帰させるようにし、第2動作モードでは、起動スイッチのオン操作で油圧シリンダのピストンを前進させ、オフ操作で油圧シリンダのピストンをその場で停止させるようにして、作業を行なうようにしている。
特開2013-066897号公報 特開2018-058146号公報
しかしながら、特許文献に記載された電動式油圧工具では、第2動作モードによる作業の終了から、油圧シリンダのピストンを元の位置へ復帰させるために、切替バルブを切り換える円形の操作体を回転操作して第1動作モードへ切り換える必要があるため、円形の操作体に対する回転操作が煩雑で時間を要するため、作業能率が低下するという欠点があった。
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであって、その目的は、作業の終了時において一旦戻し操作を行なうことで油圧シリンダのピストンを元の位置へ自動的に復帰させることができ、油圧シリンダのピストンが元の位置へ復帰した後は、動作モードの切替を要することなく、起動スイッチのオン操作で油圧シリンダのピストンを前進させることが可能な電動式油圧工具を提供することにある。
かかる目的を達成するための第1発明の要旨とするところは、(a)起動スイッチのオン操作により起動する電動モータにより回転駆動される油圧ポンプと、前記油圧ポンプから圧送される作動油によって作動させられるピストンを有する単動式の油圧シリンダと、前記油圧ポンプと前記油圧シリンダとの間に設けられ、戻し操作部材により、前記油圧シリンダ内の作動油がドレン油路へ排出されることを阻止する阻止位置から、前記油圧シリンダ内の作動油をドレン油路へ排出させて前記油圧シリンダのピストンを元位置へ戻す戻し位置へ切り換えられる戻し弁とを、備える電動式油圧工具であって、(b)前記戻し弁は、前記油圧シリンダへ作動油を供給する供給油路と前記油圧シリンダから作動油を戻す戻し油路と作動油を排出するドレン油路とが開口するバルブボアと、前記バルブボアに摺動可能に嵌め入れられ、前記バルブボア内を前記供給油路に連通する第1油室と前記ドレン油路に連通する第2油室とを形成し、前記戻し位置では前記油圧シリンダと前記ドレン油路との間を開き、前記阻止位置では前記油圧シリンダと前記ドレン油路との間を閉じるスプール弁子とを、備え、(c)前記供給油路のうちの前記油圧シリンダと前記戻し弁との間には、前記起動スイッチのオン操作に応答して前記油圧ポンプから供給される作動油の流通時に前記戻し油路内よりも前記第1油室内の圧力を高めて前記スプール弁子を前記戻し位置から前記阻止位置へ移動させることで前記第1油室内の作動油を前記油圧シリンダ内へ供給する絞りが設けられていることにある。
第1発明の電動式油圧工具によれば、前記戻し弁は、前記油圧シリンダへ作動油を供給する供給油路と前記油圧シリンダから作動油を戻す戻し油路と作動油を排出するドレン油路とが開口するバルブボアと、前記バルブボアに摺動可能に嵌め入れられ、前記バルブボア内を前記供給油路に連通する第1油室と前記ドレン油路に連通する第2油室とを形成し、前記戻し位置では前記油圧シリンダと前記ドレン油路との間を開き、前記阻止位置では前記油圧シリンダと前記ドレン油路との間を閉じるスプール弁子とを、備え、前記供給油路のうちの前記油圧シリンダと前記戻し弁との間には、前記起動スイッチのオン操作に応答して前記油圧ポンプから供給される作動油の流通時に前記戻し油路内よりも前記第1油室内の圧力を高めて前記スプール弁子を前記戻し位置から前記阻止位置へ移動させることで前記第1油室内の作動油を前記油圧シリンダ内へ供給する絞りが設けられている。このため、戻し操作部材が操作されない状態では、電動モータのオンオフに応じて油圧ポンプから供給される作動油にしたがって作動させられる工具により、切断作業、圧着作業、圧縮作業、或いは穴あけ作業が行なわれる。作業が終了して戻し操作部材が一旦操作され、スプール弁子が阻止位置から戻し位置へ切り換えられると、油圧シリンダ内がドレン油路に接続されて、油圧シリンダのピストンが元位置まで自動的に後退させられる。この状態で、再び電動モータがオン状態とされると、動作モードの切り換えを要することなく、直ちに油圧ポンプから供給される作動油にしたがって作動させられる工具により、切断作業、圧着作業、圧縮作業、或いは穴あけ作業が行なわれる。
好適には、前記スプール弁子は、前記バルブボア内を前記第1油室と前記第2油室とに分けるランドを有し、前記油圧シリンダ内よりも前記第1油室内の圧力が高い場合には、前記ランドの両端面に作用する差圧によって前記阻止位置に位置させられる。このことから、油圧ポンプから油圧シリンダへ作動油が供給されると、前記スプール弁子が前記阻止位置に位置させられるので、戻し操作部材による戻し操作の後には、動作モードの切り換えを要することなく、直ちに作業を開始できる。
好適には、前記バルブボア内に摺動可能に嵌め入れられた前記スプール弁子は、前記阻止位置では、前記バルブボアに開口する前記戻し油路の開口に直接または間接的に着座して前記戻し油路の開口を閉じ、前記戻し位置では、前記バルブボアに開口する前記戻し油路の開口を開くものであり、前記スプール弁子が前記戻し油路から受ける受圧面の受圧面積よりも、前記ランドが前記第1油室からうける受圧面の受圧面積の方が大きい。これにより、前記油圧シリンダ内が加圧状態である限り、前記スプール弁子が前記戻し油路内の圧力に基づいて受ける開弁方向の推力よりも、前記ランドが前記第1油室内の圧力からに基づいて受ける閉弁方向の推力が大きいことから、加圧作業中に一旦電動モータが停止してもスプール弁子の阻止位置が維持されるので、電動モータが一旦停止してもその後の再起動操作により直ちに加圧作業を再開することができる。
好適には、前記電動式油圧工具は、前記油圧ポンプが吸引する作動油が貯留されている油タンクと、前記油圧シリンダ内の作動油の圧力が予め設定されたリリーフ圧力を超えると前記油圧シリンダ内の作動油を前記油タンクへ排出して圧力上昇を抑制するリリーフ弁とを、備えるので、油圧シリンダの内圧が異常に上昇することが回避され、油圧シリンダによって駆動される工具等の破損が防止される。
本発明の一実施例の電動式油圧工具を示す正面図である。 図1の電動式油圧工具の要部を示す断面図である。 図1のIII-III視断面図である。 図3のIV-IV視断面図である。 図3のV-V視断面図である。 図1の電動式油圧工具内に設けられた油圧回路を示す図である。 図1の電動式油圧工具の作動を説明するために、リリーフ弁、戻し弁、第2チェック弁、第1供給油路および第2供給油路、戻り油路、ドレン油路を、同一平面に展開して示す図であって、油圧ポンプから吐出された作動油が油圧シリンダへ供給されている状態を示す図である。 図1の電動式油圧工具の作動を説明するために、リリーフ弁、戻し弁、第2チェック弁、第1供給油路および第2供給油路、戻り油路、ドレン油路を、同一平面に展開して示す図であって、戻しレバーが操作された状態を示す図である。 図1の電動式油圧工具の作動を説明するために、リリーフ弁、戻し弁、第2チェック弁、第1供給油路および第2供給油路、戻り油路、ドレン油路を、同一平面に展開して示す図であって、戻しレバーが一旦操作された後の状態を示す図である。
以下、本発明の一実施例を図面を参照して説明する。
図1は本発明の一実施例の電動式油圧工具10の全体の構成を示す図である。図2は、電動式油圧工具10の要部構成を示す断面図である。電動式油圧工具10は、起動スイッチ12が設けられたグリップ14を有する電動モータ16と、電動モータ16の回転力を伝達する減速歯車機構18、油圧ポンプ20および油圧回路22を収容するとともに作動油が貯留された油タンク24が取り付けられたハウジング26と、ハウジング26に自在継手32および短管33を介して連結された単動式の油圧シリンダ34とを、備えている。油圧シリンダ34は、図示しない穴あけパンチ工具の雄型を雌型を通して連結する連結ねじが螺合される雌ねじが形成されたピストン28と、ピストン28を元位置に向かって付勢するリターンスプリング30とを、シリンダボア34a内に有している。図2は、ピストン28が元位置にある状態を示している。
上記自在継手32、短管33および油圧シリンダ34は、穴あけパンチ工具を用いるために、着脱可能にハウジング26に固定される。短管33の端に形成されたフランジ部35が締結ボルト37によってハウジング26に着脱可能に締結されるようになっている。そして、この締結ボルト37を用いて前述の穴あけパンチ工具を他の工具に交換することが可能となっている。
減速歯車機構18は、電動モータ16の出力歯車16aと、クランク軸36の軸端に固定されて出力歯車16aと噛み合う大径歯車18aとを有し、電動モータ16の回転を減速してクランク軸36に伝達する。クランク軸36は、ハウジング26により軸受38、40、42を介して回転中心線C1まわりに回転可能に支持されている。
油タンク24から作動油を吸引する油圧ポンプ20は、後述の第1チェック弁20a(図5参照)を介して油タンク24と連通するようにハウジング26内に形成されたポンプ室20bと、ポンプ室20b内に設けられ、一端がクランク軸36の偏心軸部36aに係合し、他端がスプリング20cによって一端側に付勢されるプランジャ20dとを備え、油タンク24から第1チェック弁20aを通してポンプ室20b内に吸入した作動油を後述の第2チェック弁20e(図5参照)を通して吐出する。
図3は、図1のIII-III視断面図であって、回転中心線C1に直交し且つリリーフ弁44の中心線C2および戻し弁48の中心線C3を含むハウジング26の断面である。図4は、図3のIV-IV視断面図であって、回転中心線C1に平行且つ戻し弁48の中心線C3を含むハウジング26の断面である。図5は、図3のV-V視断面図であって、回転中心線C1に平行且つ油圧ポンプ20のポンプ室20bおよびプランジャ20dの中心線C4に直交する断面である。図5には、第1チェック弁20aおよび第2チェック弁20eの断面が示されている。図6は、電動式油圧工具10のハウジング26内に設けられた油圧回路22を説明する図である。
図3および図4に示されるように、ハウジング26には、油圧シリンダ34内の作動油の圧力が予め設定されたリリーフ圧力を超えると油圧シリンダ34内の作動油を油タンク24へ排出して油圧シリンダ34内の圧力上昇を抑制するリリーフ弁44と、作動油が油圧シリンダ34へ供給される状態では阻止位置に切り換えられるが、戻し操作部材に対応する戻しレバー46による戻し操作によって、阻止位置から戻し位置へ切り換えられる戻し弁48とが、設けられている。戻しレバー46の基端部は、後述するスプール弁子48dの第1油室48b側の外側端部と連結されている。
図2、図5および図6に示されるように、起動スイッチ12のオン操作により起動する電動モータ16によってクランク軸36が回転駆動されると、プランジャ20dが往復移動させられてポンプ室20b内に油タンク24から第1チェック弁20aを通してポンプ室20b内に吸入された作動油が、第2チェック弁20eを通して第1供給油路50およびそれに続く第2供給油路52を通して油圧シリンダ34へ供給される。第1供給油路50および第2供給油路52は、供給油路を構成している。第2供給油路52は、図3および図4に示されるように、その断面積が小さくされた絞りとして機能している。
図6に示されるように、油圧シリンダ34からの作動油は、戻し弁48が設けられた戻し油路54を介して油タンク24へ回収されるようになっている。また、戻し油路54のうちの戻し弁48よりも上流側には、油圧シリンダ34内の作動油の圧力が予め設定されたリリーフ圧力を超えると油圧シリンダ34内の作動油を油タンク24へ排出して油圧シリンダ34内の圧力上昇を抑制するリリーフ弁44が、設けられている。上記絞りとして機能する第2供給油路52は、第1供給油路50および戻し油路54よりも径が1/6程度となるように小さく設定されており、油圧ポンプ20から油圧シリンダ34へ作動油が流通させられる状態では、第1供給油路50内と戻し油路54内との間に差圧が発生させられ、第1供給油路50内の圧力が戻し油路54内の圧力よりも大きくされるようになっている。
図3および図4に示されるように、戻し弁48は、バルブボア48aと、バルブボア48aに摺動可能に嵌め入れられたスプール弁子48dとを、備えている。バルブボア48aには、油圧シリンダ34に作動油を供給する第1供給油路50および第2供給油路52と、油圧シリンダ34から作動油を戻す戻し油路54と、作動油を油タンク24へ排出するドレン油路56とが、開口している。スプール弁子48dは、戻し油路54とドレン油路56との間を開く戻し位置と、戻し油路54とドレン油路56との間を閉じる阻止位置とに、選択的に位置させられる。このスプール弁子48dは、第1供給油路50および第2供給油路52に連通する第1油室48bと、戻し油路54およびドレン油路56に連通する第2油室48cとに、バルブボア48a内の空間を分割する一対のランド48eを有する。第1油室48bには、第1供給油路50および第2供給油路52が開口させられ、第2油室48cには戻し油路54とドレン油路56とが開口させられている。
戻し油路54は、バルブボア48a内の第2油室48c側の内壁面のうちの端面に中心線C3と同心位置に開口していて、その開口を閉じる鋼球48fがスプール弁子48dの第2油室48c側の内側端部と戻し油路54の開口との間に介挿されている。すなわち、戻し油路54の開口が弁座として機能しており、スプール弁子48dの内側端部が戻し油路54の開口に鋼球48fを介して間接的に着座可能とされている。鋼球48fはスプール弁子48dと一体的に設けられたものでもよいし、スプール弁子48dの内側端部の形状がたとえば球状やテーパ状であれば、戻し油路54の上記開口に直接に着座させられてもよい。
戻し油路54の径はバルブボア48aの径よりも充分に小さく、また、戻し油路54の断面積はランド48eの受圧に有効な断面積よりも小さい。このため、スプール弁子48dが戻し油路54内の作動油から実質的に受ける第2受圧面の受圧面S2の受圧面積よりも、ランド48eが第1油室48bすなわち油圧シリンダ34内の作動油から有効に受ける第1受圧面S1の受圧面積の方が大きい。これにより、油圧シリンダ34内が加圧状態である限り、スプール弁子48dが戻し油路54内の圧力に基づいて受ける開弁方向の推力よりも、ランド48eが第1油室48b内の圧力からに基づいて受ける閉弁方向の推力が大きくなる。
図7、図8、図9は、戻し弁48の作動を説明する図であって、戻し弁48の中心線C3、リリーフ弁44の中心線C2と、第1供給油路50、第2供給油路52、戻し油路54、およびドレン油路56とを、一平面に展開した図である。起動スイッチ12のオン操作により起動する電動モータ16によって油圧ポンプ20から油圧シリンダ34へ作動油が供給される状態では、第2供給油路52による絞り効果によって第2油室48c内よりも第1油室48b内の圧力が高くなる。言い換えると、油圧シリンダ34内よりも第1油室48b内の圧力が高くなる。このランド48eの両端面に作用する差圧によってスプール弁子48dが第2油室48c側へ付勢されて阻止位置となると、鋼球48fがスプール弁子48dの内側端部と戻し油路54の開口との間に挟まれて戻し油路54の開口に着座させられて戻し油路54の開口が閉じられる。図7は、この状態を示している。
戻し弁48のスプール弁子48dの外側端部には、戻しレバー46の基端部が連結されている。作業の終了によって起動スイッチ12がオフ操作されて電動モータ16が停止させられた状態で、戻しレバー46の先端部がハウジング26側すなわち電動モータ16側へ操作されると、スプール弁子48dが阻止位置から戻し位置へ移動させられる。図8はこの状態を示している。この状態では、油圧ポンプ20からの作動油の供給が停止していて第1供給油路50内と戻し油路54内との間に差圧が発生させられていないので、スプール弁子48dは戻し位置に維持される。
これにより、戻しレバー46の先端部が一旦操作されると、戻しレバー46の先端部から手を離しても、油圧シリンダ34のピストン28は元の位置に戻される。図9はこの状態を示している。この状態で、起動スイッチ12がオン操作されると、そのまま油圧シリンダ34を用いた作業を開始することができる。
上述のように、本実施例の電動式油圧工具10によれば、電動モータ16により回転駆動される油圧ポンプ20と、油圧ポンプ20から圧送される作動油によって作動させられるピストン28を有する単動式の油圧シリンダ34と、油圧ポンプ20と油圧シリンダ34との間に設けられ、戻しレバー46により、油圧シリンダ34内の作動油がドレン油路56へ排出されることを阻止する阻止位置から、油圧シリンダ34内の作動油をドレン油路56へ排出させて油圧シリンダ34のピストン28を元位置へ戻す戻し位置へ切り換えられる戻し弁48とを、備える電動式油圧工具10であって、戻し弁48は、油圧シリンダ34へ作動油を供給する供給油路(第1供給油路50および第2供給油路52)と油圧シリンダ34から作動油を戻す戻し油路54と作動油を排出するドレン油路56とが開口するバルブボア48aと、バルブボア48aに摺動可能に嵌め入れられ、バルブボア48a内を第1供給油路50に連通する第1油室48bとドレン油路56に連通する第2油室48cとを形成し、戻し位置では油圧シリンダ34とドレン油路56との間を開き、阻止位置では油圧シリンダ34とドレン油路56との間を閉じるスプール弁子48dとを、備え、供給油路(第1供給油路50および第2供給油路52)のうちの油圧シリンダ34と戻し弁48との間の供給油路(第2供給油路52)には、油圧ポンプ20から供給される作動油の流通時に戻し油路内よりも第1油室48b内の圧力を高める絞り(すなわち第2供給油路52)が、設けられている。
このため、戻しレバー46が操作されない状態では、電動モータ16のオンオフに応じて油圧ポンプ20から供給される作動油にしたがって作動させられる工具により、切断作業、圧着作業、圧縮作業、或いは穴あけ作業が行なわれる。作業が終了して戻し操作部材が一旦操作され、スプール弁子48dが阻止位置から戻し位置へ切り換えられると、油圧シリンダ34内がドレンに接続されて、油圧シリンダ34のピストン28が元位置まで自動的に後退させられる。この状態で、再び電動モータ16がオン状態とされると、動作モードの切り換えを要することなく、直ちに油圧ポンプから供給される作動油にしたがって作動させられる工具により、切断作業、圧着作業、圧縮作業、或いは穴あけ作業が行なわれる。
本実施例の電動式油圧工具10によれば、戻し弁48のスプール弁子48dは、バルブボア48a内を第1油室48bと第2油室48cとに分けるランド48eを有し、油圧シリンダ34内よりも第1油室48b内の圧力が高い場合には、ランド48eの両端面に作用する差圧に基づいて発生する推力によって阻止位置に自動的に位置させられる。このことから、油圧ポンプから油圧シリンダ34へ作動油が供給されると、スプール弁子48dが阻止位置に自動的に位置させられるので、戻しレバー46による戻し操作の後には、動作モードの切り換えを要することなく、直ちに作業を開始できる。
本実施例の電動式油圧工具10によれば、バルブボア48a内に摺動可能に嵌め入れられたスプール弁子48dは、阻止位置では、バルブボア48aに開口する戻し油路54の開口に直接または間接的に着座して戻し油路54の開口を閉じ、戻し位置では、バルブボア48aに開口する戻し油路54の開口を開くものであり、スプール弁子48dが戻し油路54内の作動油から実質的に受ける第2受圧面S2の受圧面積よりも、ランド48eが第1油室48bすなわち油圧シリンダ34内の作動油から有効に受ける第1受圧面S1の受圧面積の方が大きい。これにより、油圧シリンダ34内が加圧状態である限り、スプール弁子48dが戻し油路54内の圧力に基づいて受ける開弁方向の推力よりも、ランド48eが第1油室48b内の圧力に基づいて受ける閉弁方向の推力が大きいことから、加圧作業中に一旦電動モータ16が停止してもスプール弁子48dの阻止位置が維持されるので、加圧作業途中で電動モータ16が一旦停止させられてもその後の再起動操作により直ちに加圧作業を再開することができる。
本実施例の電動式油圧工具10によれば、油圧シリンダ34内の作動油の圧力が予め設定されたリリーフ圧力を超えると油圧シリンダ34内の作動油をドレンへ排出するリリーフ弁44を備えるので、油圧シリンダ34の内圧が異常に上昇することが回避され、油圧シリンダ34によって駆動される工具等の破損が防止される。
以上、本発明の一実施例を図面に基づいて説明したが、本発明はその他の態様においても適用される。
たとえば、前述の戻し弁48の第1油室48bには、第1供給油路50および第2供給油路52が開口させられていたが、第1供給油路50および第2供給油路52が他の場所で接続されていれば、第1供給油路50のみが戻し弁48の第1油室48bに開口させられた構成であっても差し支えない。
また、前述の実施例では、戻し油路54の開口に鋼球48fが設けられていたが、スプール弁子48dの端部が戻し油路54の開口を直接開閉すれば、鋼球48fは、設けられていなくてもよい。
その他一々例示はしないが、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を加えた態様で実施することができる。
10:電動式油圧工具
16:電動モータ
20:油圧ポンプ
24:油タンク
28:ピストン
34:油圧シリンダ
44:リリーフ弁
46:戻しレバー(戻し操作部材)
48:戻し弁
48a:バルブボア
48b:第1油室
48c:第2油室
48d:スプール弁子
48e:ランド
48f:鋼球
50:第1供給油路(供給油路)
52:第2供給油路(供給油路,絞り)
54:戻し油路
56:ドレン油路
S1:第1受圧面(受圧面)
S2:第2受圧面(受圧面)

Claims (4)

  1. 起動スイッチのオン操作により起動する電動モータにより回転駆動される油圧ポンプと、前記油圧ポンプから圧送される作動油によって作動させられるピストンを有する単動式の油圧シリンダと、前記油圧ポンプと前記油圧シリンダとの間に設けられ、戻し操作部材により、前記油圧シリンダ内の作動油がドレン油路へ排出されることを阻止する阻止位置から、前記油圧シリンダ内の作動油を前記ドレン油路へ排出させて前記油圧シリンダの前記ピストンを元位置へ戻す戻し位置へ切り換えられる戻し弁とを、備える電動式油圧工具であって、
    前記戻し弁は、前記油圧シリンダへ作動油を供給する供給油路と前記油圧シリンダから作動油を戻す戻し油路と作動油を排出する前記ドレン油路とが開口するバルブボアと、前記バルブボアに摺動可能に嵌め入れられ、前記バルブボア内を前記供給油路に連通する第1油室と前記ドレン油路に連通する第2油室とを形成し、前記戻し位置では前記油圧シリンダと前記ドレン油路との間を開き、前記阻止位置では前記油圧シリンダと前記ドレン油路との間を閉じるスプール弁子とを、備え、
    前記供給油路のうちの前記油圧シリンダと前記戻し弁との間には、前記起動スイッチのオン操作に応答して前記油圧ポンプから供給される作動油の流通時に前記戻し油路内よりも前記第1油室内の圧力を高めて前記スプール弁子を前記戻し位置から前記阻止位置へ移動させることで前記第1油室内の作動油を前記油圧シリンダ内へ供給する絞りが設けられている
    ことを特徴とする電動式油圧工具。
  2. 前記スプール弁子は、前記バルブボア内を前記第1油室と前記第2油室とに分けるランドを有し、前記油圧シリンダ内よりも前記第1油室内の圧力が高い場合には、前記ランドの両端面に作用する差圧によって前記阻止位置に位置させられる
    ことを特徴とする請求項1の電動式油圧工具。
  3. 前記バルブボア内に摺動可能に嵌め入れられた前記スプール弁子は、前記阻止位置では、前記バルブボアに開口する前記戻し油路の開口に直接または間接的に着座して前記戻し油路の開口を閉じ、前記戻し位置では、前記バルブボアに開口する前記戻し油路の開口を開くものであり、
    前記スプール弁子が前記戻し油路から受ける受圧面の受圧面積よりも、前記ランドが前記第1油室からうける受圧面の受圧面積の方が大きい
    ことを特徴とする請求項2の電動式油圧工具。
  4. 前記油圧ポンプが吸引する作動油が貯留されている油タンクと、
    前記油圧シリンダ内の作動油の圧力が予め設定されたリリーフ圧力を超えると前記油圧シリンダ内の作動油を前記油タンクへ排出して圧力上昇を抑制するリリーフ弁とを、備える
    ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1の電動式油圧工具。
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