JP7226375B2 - 金属粉末の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、金属粉末の製造方法に関する。
積層セラミックコンデンサでは、誘電体層と内部電極層とを交互に積層し、焼成処理して得られた積層体の両端面に外部電極を形成している。このような構造とすることにより、小型で大きな容量を得ることができることから、近年のモバイル機器等の需要増加に伴って、種々の用途に広く用いられている。
積層セラミックコンデンサの大容量化、小型化を図るためには、内部電極層の薄層化が重要な課題であるが、内部電極層の形成に用いる金属粉末の平均粒径が小さくないと、積層セラミックコンデンサの電気特性を満足できず、ショート不良や構造欠陥などの問題が多発する。
金属粉末の製造方法としては、液相合成法及び気相合成法が一般的に用いられており、特に、液相合成法は微粒金属粉末の製造が簡易な方法である。液相合成法により微粒金属粉末を製造する手法としては、核生成エネルギーを上げるため核剤を添加する手法が知られている。ニッケル金属粉末の製造においては、Pd、Pt、Au、Ag、Cuなどを核剤に用い、その添加量を調整することにより微粒な金属粉末を製造することができる。
例えば、特許文献1では、水溶性ニッケル塩、核剤、ヒドラジン、錯化剤としてのカルボン酸、pH調整剤及び水を含有する反応液中で、還元反応を開始した後、さらにヒドラジンを追加投入するニッケル粉末の製造方法を開示している。
特開2017-171957号公報
特許文献1の実施例では、平均粒径が0.12~0.37μmでCV値が25%以下のニッケル粉末が得られているが、積層セラミックコンデンサを小型化するためには、更に平均粒径が小さいニッケル粉末が求められている。
特許文献1に開示された方法を用いて更に微粒化した金属粉末を得るためには、核剤の量を増やして錯化剤の量を減らすことが考えられる。しかしながら、核剤の量が増えると、核剤と金属イオンでの核生成反応開始のズレや反応場での核剤分散などにより、得られる金属粉末の粒度分布がブロードとなる。金属粉末の粒度分布がブロードであると、金属粉末を積層セラミックコンデンサの内部電極層を形成する用途に使用した場合に、電極平滑性の悪化や不均一な焼結挙動を発生させるという問題がある。
本発明は上記の問題を解決するためになされたものであり、平均粒径がより小さく、かつ粒度分布がシャープな金属粉末を製造する方法を提供することを目的とする。
本発明の金属粉末の製造方法は、金属塩と、塩基性アミノ酸と、1価以上のカルボン酸又はその塩と、貴金属触媒とを水に混合し、金属塩溶液を調製する工程と、アルカリ性のpH調整剤と、還元剤とを水に混合し、還元剤溶液を調製する工程と、上記還元剤溶液を上記金属塩溶液に添加して混合する工程と、を行う金属粉末の製造方法であって、上記塩基性アミノ酸の配合量は製造される金属粉末の重量に対して35重量%以下であり、上記1価以上のカルボン酸又はその塩の配合量は製造される金属粉末の重量に対して120重量%以下であり、上記1価以上のカルボン酸又はその塩の配合量に対する上記塩基性アミノ酸の配合量の比が0.2より大きく1.0以下であることを特徴とする。
本発明によれば、平均粒径がより小さく、かつ粒度分布がシャープな金属粉末を製造する方法を提供することができる。
以下、本発明の金属粉末の製造方法について説明する。しかしながら、本発明は、以下の構成に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲において適宜変更して適用することができる。なお、以下において記載する個々の望ましい構成を2つ以上組み合わせたものもまた本発明である。
本発明の金属粉末の製造方法は、液相合成法を用いており、金属塩、塩基性アミノ酸及び1価以上のカルボン酸又はその塩、貴金属触媒、及び水を含む金属塩溶液と、アルカリ性のpH調整剤、還元剤及び水を含む還元剤溶液とをそれぞれ調製し、次いで還元剤溶液を金属塩溶液に添加して混合することで、混合溶液中に金属粉末が析出する。
特に、本発明の製造方法では、金属塩溶液に配合する錯化剤として、塩基性アミノ酸と、1価以上のカルボン酸又はその塩とを組み合わせて用いることを特徴としている。
[金属塩溶液]
金属粉末となる金属としては、積層セラミックコンデンサの内部電極層を構成する材料等に用い得る金属が挙げられ、具体的にはNi、Cu、Pt及びAg等である。
金属塩溶液に混合する金属塩は、金属粉末となる金属の塩である。上記金属塩としては、水溶性であれば特に限定されず、Ni、Cu、Pt、Ag等の塩化物、臭化物、硫酸塩、硝酸塩等が挙げられる。上記金属塩として、具体的には、塩化ニッケル、硫酸ニッケル、硝酸ニッケル、酢酸ニッケル、塩化銅(I)、塩化銅(II)、硫酸銅(II)、硫酸銅(I)、酢酸銅(II)、塩化白金(II)、塩化白金(IV)、ヘキサクロロ白金酸、硝酸銀、酢酸銀等が挙げられる。金属塩は、1種又は2種以上を用いてもよい。
また、これらの塩の水和物であってもよい。
金属粉末としてニッケル粉末を製造する場合、ニッケル塩としては、安価で容易に調達できるという観点から、塩化ニッケル、硫酸ニッケル又はこれらの混合物が好ましい。
金属塩の配合量は、金属塩溶液全体の重量に対して、12重量%以上、50重量%以下が好ましい。
塩基性アミノ酸としては、リシン、アルギニン及びヒスチジンからなる群から選択された少なくとも1種が好ましい。塩基性アミノ酸はL体又はD体のいずれであってもよい。
塩基性アミノ酸は、1種又は2種以上を用いてもよい。平均粒径が小さく、かつCV値が低い金属粉末が得られることから、塩基性アミノ酸としてはL-アルギニンがより好ましい。
塩基性アミノ酸は、金属粉末の析出工程において金属粉末の平均粒径を小さく抑える効果(金属粒子成長抑制効果)を有し、粒度分布を均一化させる効果を有する。
金属塩溶液における上記塩基性アミノ酸の配合量は、製造される金属粉末の重量に対して35重量%以下である。塩基性アミノ酸は、金属粉末の平均粒径を小さく抑える作用を有し、粒度分布を均一化させる効果を有するが、塩基性アミノ酸の配合量が35重量%を超えると、析出反応が進行せず、金属粉末を得ることができない。塩基性アミノ酸の配合量は10重量%以上が好ましい。
1価以上のカルボン酸又はその塩(以下では、「1価以上のカルボン酸又はその塩」を「1価以上のカルボン酸」ともいう)としては、還元性を有しかつ水に溶解性を有するものが好ましい。このような1価以上のカルボン酸としては、アスコルビン酸、蟻酸、酢酸、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、マロン酸、コハク酸等が挙げられる。上記の1価以上のカルボン酸の塩としては、例えばクエン酸三ナトリウム、アスコルビン酸ナトリウム等が挙げられる。1価以上のカルボン酸は、水和物の形(例えばクエン酸三ナトリウム二水和物)で添加されてもよい。1価以上のカルボン酸は、1種又は2種以上を用いてもよい。
1価以上のカルボン酸又はその塩としては、クエン酸若しくはその塩、及び、アスコルビン酸若しくはその塩から選択された少なくとも1種であることがより好ましい。
1価以上のカルボン酸を使用することで金属粒子が析出する。
金属塩溶液における1価以上のカルボン酸の配合量は、製造される金属粉末の重量に対して120重量%以下である。1価以上のカルボン酸の配合量が120重量%を超えると、得られる金属粉末の粒径が大きくかつCV値(粒度分布)が25%より大きくなる。そのような金属粉末を積層セラミックコンデンサの内部電極層を形成するための材料として用いると、電極平滑性の悪化や不均一な焼結挙動を発生させることがある。1価以上のカルボン酸の配合量は、10重量%以上が好ましい。
1価以上のカルボン酸の配合量に対する塩基性アミノ酸の配合量の比(塩基性アミノ酸/1価以上のカルボン酸)は、0.2より大きく1.0以下である。この比が0.2以下であると、塩基性アミノ酸の金属粒子成長抑制効果が十分でなく、金属粉末の平均粒径が大きくなる。この比が1.0を超えると、塩基性アミノ酸の金属粒子成長抑制効果が1価以上のカルボン酸の還元作用を上回り、金属粒子の析出反応が進行しない。上記配合量の比は、0.3以上、0.6以下であることが好ましい。
貴金属触媒は、金属粉末の析出過程において、結晶の核を発生させるための核剤として機能させるために金属塩溶液に配合する。貴金属触媒の金属イオンが、製造する金属粉末の金属イオンよりも先に還元されて初期核となり、この初期核が粒子成長することで微細な金属粉末を得ることができる。
貴金属触媒は、製造する金属粉末となる金属よりも貴な金属の塩であり、金塩、銅塩、銀塩、パラジウム塩、プラチナ塩、ロジウム塩、イリジウム塩等の水溶性の貴金属塩が挙げられる。貴金属触媒の例として具体的には、硫酸銅、硝酸銀、塩化パラジウム(II)ナトリウム、塩化パラジウム(II)アンモニウム、硝酸パラジウム(II)、硫酸パラジウム(II)、ヘキサクロロ白金酸等が挙げられる。これらの塩の水和物を使用してもよい。貴金属触媒は、1種又は2種以上を用いることができる。
一態様として、ニッケル粉末を製造する場合、貴金属触媒として、上記に例示したニッケルより貴な金属の貴金属塩を複数併用することで、得られるニッケル粉末の粒径をより微細に制御したり、粒度分布を狭くしたりすることが可能となる。特に、銅塩と、金塩、銀塩、プラチナ塩、パラジウム塩、ロジウム塩、イリジウム塩などから選ばれる一種以上とを併用した、二種以上の成分からなる貴金属触媒を用いると、ニッケル粉末の粒径制御がより容易となり、また粒度分布をより狭くすることが可能となる。
ニッケル粉末を製造する場合、貴金属触媒としては硫酸銅又は塩化パラジウムが好ましい。
貴金属触媒の量は、製造する金属粉末の重量、すなわち金属塩溶液に含まれる金属塩中の金属の重量に対して、30重量ppm以上、120重量ppm以下が好ましい。貴金属触媒の量を上記範囲にすると、金属粉末の平均粒径を小さくすることができるが、120重量ppm以上配合しても、金属粉末の平均粒径は小さくならない。より好ましくは、50重量ppm以上、100重量ppm以下である。
金属塩溶液に配合する水としては、金属粉末中の不純物量を低減させる観点から純水を用いることが好ましい。また、金属塩溶液に配合する塩基性アミノ酸などの溶質の溶解度を高めるために、水とともにアルコール等の水溶性有機溶媒を配合してもよい。
金属塩溶液には、金属粉末の粒径や粒度分布を制御する目的で、更に分散剤を配合することもできる。分散剤としては公知の成分を用いることができるが、具体的には、トリエタノールアミン(N(COH))、ジエタノールアミン(別名:イミノジエタノール)(NH(COH))、オキシエチレンアルキルアミンなどのアミン類、及びこれらの塩や誘導体;又は、アラニン(CHCH(COOH)NH)、グリシン(HNCHCOOH)などのアミノ酸類、及びこれらの塩や誘導体が挙げられる。
また、金属塩溶液に配合される各成分の混合順序は、特に限定されない。
[還元剤溶液]
還元剤溶液は、アルカリ性のpH調整剤、還元剤及び水を含む。
pH調整剤としては、特に限定されるものではないが、入手の容易さや価格の面から、アルカリ金属水酸化物を用いることができる。アルカリ金属水酸化物としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等が挙げられる。アルカリ性のpH調整剤は、1種又は2種以上を用いることができる。
還元剤としては、例えばヒドラジン、水素化ホウ素ナトリウム、アルコール、アスコルビン酸又はその塩等を用いることができる。ヒドラジンには、無水のヒドラジンの他に、ヒドラジン水和物である抱水ヒドラジン(N・HO)があり、いずれを用いてもよい。ヒドラジンは、還元力が高い、還元反応の副生成物が反応液中に生じない、不純物が少ない、及び、入手が容易であるという特徴を有しているため、還元剤として好適である。
ヒドラジンとしては、具体的には、市販されている工業グレードの60質量%抱水ヒドラジンを用いることができる。
還元剤溶液に配合する水としては、金属粉末中の不純物量を低減させる観点から、金属塩溶液と同様に純水を用いることが好ましい。また水とともにアルコール等の水溶性有機溶媒を配合してもよい。
還元剤溶液に配合される各成分の混合順序は、特に限定されない。
金属塩溶液を調製する工程と還元剤溶液を調製する工程とは、いずれを先に行ってもよいし、同時に行ってもよい。
[析出工程]
次いで、還元剤溶液を金属塩溶液に添加して混合する工程を行う。金属塩溶液と還元剤溶液とを混合することにより、金属塩溶液と還元剤溶液とを含む混合溶液中で、還元剤の還元反応により金属粉末が析出する。以下では、「還元剤溶液を金属塩溶液に添加して混合する工程」を「析出工程」ともいう。
還元剤溶液の金属塩溶液への添加は、一括で行ってもよいし、複数回に分割して行ってもよいし、還元剤溶液を連続して滴下することも可能である。
混合溶液を作製し、金属の析出が開始する時点の混合溶液の温度、すなわち、反応開始温度は、40℃以上、95℃以下とすることが好ましく、50℃以上、90℃以下とすることがより好ましい。還元剤溶液を金属塩溶液に添加した直後から金属の析出が開始するため、上記反応開始温度は、作製された時点の混合溶液の温度と考えてよい。反応開始温度は、高いほど還元反応速度を大きくできるが、95℃を超えて高くなると、金属晶析粉の粒径制御が困難となったり、反応速度が制御できずに混合溶液が反応容器から吹きこぼれたりするなどの問題を引き起こす可能性がある。また、反応開始温度が40℃未満まで低くなると、還元反応速度が小さくなり、析出工程に要する時間が長くなって、生産性が低下する。以上の理由から、反応開始温度を40℃以上、95℃以下の温度範囲にすれば、高い生産性を維持しつつ、粒径及びCV値の制御を容易にして金属粉末を製造することができる。
上述の理由から、還元剤溶液を金属塩溶液に添加して混合する工程の前に、金属塩溶液及び還元剤溶液のうち少なくとも一方の溶液を、還元剤による還元温度まで加熱することが好ましい。「還元剤による還元温度」とは、還元剤により金属塩を還元して金属の析出を行う温度のことを指し、40℃以上、95℃以下が好ましい。
混合前に金属塩溶液及び還元剤溶液を還元温度に加熱しておくと、混合時に急激な温度変化が起こらず、混合直後に始まる析出の反応開始温度を還元温度と同程度に保つことができる。
析出工程においては、還元剤溶液を金属塩溶液に添加して得られる混合溶液のpHを11以上とすることが好ましい。例えば、還元剤がヒドラジンである場合、4電子反応であるN→N↑+4H+4e-のような還元反応から明らかであるように、高アルカリほどヒドラジンの還元力が強くなる。
析出工程においては、混合溶液をpH11以上の高アルカリにして還元剤の還元力を高めて混合溶液中で貴金属の核を発生させることが好ましい。混合溶液のpHが11以上であると、多くの初期核を均一に形成でき、金属粉末の微粒化と粒度分布の狭小化が達成可能となる。
pHの調製は、上述のpH調整剤を含む還元剤溶液の添加で行われる。
析出工程で混合溶液に添加される還元剤の量は、金属塩の種類や還元剤の種類などによって適宜調製する。一態様において、金属塩がニッケル塩で還元剤がヒドラジンの場合、ヒドラジンの添加量は、ニッケル粉末に対するモル比で表すと、好ましくは2.0以上、3.25以下の範囲である。ヒドラジンの添加量がニッケル粉末に対するモル比で2.0未満では、反応液中のニッケルが全量還元されない可能性がある。一方、ヒドラジンの量がニッケル粉末に対するモル比で3.25を超えてしまうと、さらなる効果は得られず、過剰なヒドラジンを用いることで経済的に不利になる。
金属塩溶液及び還元剤溶液の混合時には、各溶液を撹拌することが好ましい。この撹拌により、金属析出反応を均一化でき、粒度分布の狭い金属粉末を得ることができる。撹拌方法は、公知の方法を用いればよく、制御性や設備製作コストの面から撹拌羽根を用いることが好ましい。撹拌羽根としては、パドル翼、タービン翼、マックスブレンド翼、フルゾーン翼などの市販の製品を使用すればよく、析出槽内に邪魔板や邪魔棒などを設置して、撹拌混合性を高めるなどの措置を講じることもできる。
[金属粉末の回収]
上記の析出工程で得られた金属粉末を含む金属粉末スラリーから、公知の手順、たとえば、洗浄、固液分離、乾燥の手順を経ることにより、金属粉末のみが分離される。
金属粉末を金属粉末スラリーから分離するためには、デンバーろ過器、フィルタープレス、遠心分離機、デカンターなどの公知の手段で固液分離するとともに、導電率が1μS/cm以下の純水や超純水などの高純度の水で十分に洗浄する。ここで、十分な洗浄とは、例えば、導電率が1μS/cm程度の純水を用いた場合、金属粉末をろ過洗浄してろ別する際に得られたろ液の導電率が10μS/cm以下となる程度までの洗浄を意味する。このように、固液分離及び洗浄された後、大気乾燥機、熱風乾燥機、不活性ガス雰囲気乾燥機、真空乾燥機などの汎用の乾燥装置を用いて50℃以上200℃以下の範囲、好ましくは80℃以上150℃以下の範囲で乾燥することにより、金属粉末が得られる。
なお、一態様として、金属粉末スラリーに、水溶性硫黄化合物である硫黄コート剤を加えることにより、硫黄で表面修飾された金属粉末を得ることもできる。硫黄コート剤としては、例えば、チオリンゴ酸(HOOCCH(SH)CHCOOH)、L-システイン(HSCHCH(NH)COOH)、チオグリセロール(HSCHCH(OH)CHOH)、ジチオジグリコール酸(HOOCHS-SCHCOOH)などのメルカプト基(-SH)、ジスルフィド基(-S-S-)のいずれかを含む水溶性硫黄化合物が挙げられる。
[解砕工程(後処理工程)]
析出工程で得られた金属粉末は、そのまま最終製品の金属粉末として用いることも可能ではあるが、必要に応じて解砕処理を施すことにより、金属が析出する過程で形成された粗大粒子や連結粒子などの低減を図ることがより好ましい。解砕処理としては、スパイラルジェット解砕処理、カウンタージェットミル解砕処理などの乾式解砕方法や、高圧流体衝突解砕処理などの湿式解砕方法、その他の汎用の解砕方法を適用することが可能である。
以下、本発明の金属粉末の製造方法をより具体的に開示した実施例を示す。なお、本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。
[評価方法]
実施例及び比較例において、析出反応開始から60分後の混合溶液を調べて、析出反応が完了しているかを判定した。また、得られた金属粉末について、以下の方法により、平均粒径(nm)及び粒度分布(CV値)の測定及び算出を行った。
<反応完了判定>
析出反応開始から60分後の混合溶液の液色及びイオン検出紙による変色の有無により、混合溶液中に金属イオンが残存しているかを調べた。混合溶液の液色は目視で確認した。イオン検出紙は、ADVANTEC社製ニッケルチェックを用いた。
判定は、混合溶液の液色が無色透明、かつイオン検出紙の色の変化がないものに「〇」印、混合溶液の液色が有色、かつイオン検出紙の色が変化したものに「×」印を付した。
<平均粒径及びCV値>
得られた金属粉末について、走査型電子顕微鏡(SEM:JEOL Ltd.製、JSM-7100F)を用いて1000個以上の金属粉末を観察(倍率:20000倍)し、観察像(SEM像)の画像解析の結果から、数平均で求められた平均粒径(nm)とその標準偏差(σ)を算出し、平均粒径の標準偏差を平均粒径で除した値(%)であるCV値[平均粒径の標準偏差(σ)/平均粒径(nm))×100]を得た。
判定は、平均粒径が100nm以下、かつCV値が25%以下のものに「〇」印、平均粒径が100nmを超えるか、又はCV値が25%を超えるものに「×」を付した。
(実施例1)
[金属塩溶液の調製]
金属塩として硫酸ニッケル6水和物(NiSO・6HO、分子量:262.85)、貴金属触媒として硫酸銅5水和物(CuSO・5HO、分子量:249.7)1.52mg、塩基性アミノ酸としてL-アルギニン、1価以上のカルボン酸又はその塩としてクエン酸三ナトリウム2水和物(Na(CO(COO))・2HO)、分子量:294.1)を、表1に示す割合になるように純水に溶解し、金属塩溶液を調製した。
[還元剤溶液の調製]
還元剤として、ピラゾールなどの有機不純物を除去して精製した60%抱水ヒドラジン(N・HO、分子量:50.06)65g、pH調整剤として水酸化ナトリウム(NaOH、分子量:40.0)57gを、純水280mLに溶解して、還元剤溶液を調製した。
[析出工程]
金属塩溶液と還元剤溶液を、それぞれ液温60℃になるように加熱した後、2液を撹拌混合して混合溶液とし、析出反応を開始した。それぞれの液温が60℃の金属塩溶液と還元剤溶液の撹拌混合時の発熱により、混合溶液の温度は65℃に上昇したため、反応開始温度は65℃であった。析出反応開始時の混合溶液のpHは13であった。反応開始(2液の撹拌混合)から2分~3分程度すると、貴金属触媒の働きによる核発生に伴い反応液が変色(黄緑色→灰色)するが、さらに撹拌を続けながら還元反応を行い、ニッケル析出粉を得た。還元反応が終了した反応液の上澄み液は透明であり、イオン検出紙を用いて反応液中のニッケルの存在を確認し、反応液中のニッケル成分はすべて金属ニッケルに還元されていることを確認した。
得られたニッケル析出粉を含む反応液はスラリー状(ニッケル析出粉スラリー)であり、このニッケル析出粉スラリーに、硫黄コート剤(Sコート剤)としてのチオリンゴ酸(別名:メルカプトこはく酸)(HOOCCH(SH)CHCOOH、分子量:150.15)水溶液を加えて、ニッケル析出粉に表面処理を施した。表面処理後、導電率が1μS/cmの純水を用いて、ニッケル析出粉スラリーからろ過したろ液の導電率が10μS/cm以下になるまで、ろ過洗浄を行い、固液分離した後、150℃の温度に設定した真空乾燥機中で乾燥して、硫黄(S)で表面処理されたニッケル析出粉(ニッケル粉末)を得た。
[解砕処理工程(後処理工程)]
析出工程で得られたニッケル析出粉に、乾式解砕方法であるスパイラルジェット解砕処理を施し、粒度が均一でほぼ球形の実施例1に係るニッケル粉末を得た。
上記の手順で反応完了判定、並びに、得られたニッケル粉末の平均粒径及びCV値の測定及び算出を行った。結果を表1に示す。
(比較例1~3)
貴金属触媒及び塩基性アミノ酸の添加量を表1に示すように変更した以外は実施例1と同様に析出反応を行った。結果を表1に示す。
Figure 0007226375000001
表1に示すように、塩基性アミノ酸と1価以上のカルボン酸を用いた実施例1では、反応が60分以内で完了し、平均粒径が97nmでCV値20%の金属粉末を得ることができた。これは、塩基性アミノ酸がニッケル粒子の成長抑制に効果を示したためであると思われる。
一方、比較例1~3に示すように、塩基性アミノ酸を混合しないと、核剤である貴金属触媒のみを増加させても、平均粒径100nm以下かつCV値25%以下のニッケル粉末は得られなかった。
(比較例4~7)
1価以上のカルボン酸を添加せず、塩基性アミノ酸の添加量を表2に示すように変更した以外は実施例1と同様に反応を行った。しかしながら、いずれの比較例においても析出反応が開始しなかった。結果を表2に示す。
Figure 0007226375000002
表2に示すように、1価以上のカルボン酸を添加しないと析出反応が開始せず、金属粉末の製造ができなかった。
(比較例8、9)
塩基性アミノ酸を添加せず、1価以上のカルボン酸の添加量を表3に示す割合に変更した以外は実施例1と同様に析出反応を行った。結果を表3に示す。
Figure 0007226375000003
表3に示すように、1価以上のカルボン酸を添加すると析出反応が開始した。しかし、1価以上のカルボン酸の添加量が増加すると粒子成長が進行し、製造されるニッケル粉末の重量に対して1価以上のカルボン酸の添加量が120重量%以上となると、ニッケル粉末の平均粒径が200nm以上となった。
一方、ニッケル粉末の粒子成長にエネルギーが使用されるため、1価以上のカルボン酸の添加量が増加するとCV値は低下した。しかしながら、塩基性アミノ酸を添加せず、1価以上のカルボン酸の添加量を調整するのみでは、平均粒径100nm以下かつCV値25%以下のニッケル粉末は得られなかった。
(実施例2~7、比較例10~16)
塩基性アミノ酸の添加量と1価以上のカルボン酸の添加量を表4に示すように変更した以外は実施例1と同様に析出反応を行った。結果を表4に示す。
Figure 0007226375000004
表4に示すように、塩基性アミノ酸の添加量が35重量%を超える比較例11、12では、析出反応が進行せず、金属粉末を得ることができなかった。
また、1価以上のカルボン酸の添加量が120重量%を超える比較例13~15では、CV値が25%よりも大きくなった。
更に、塩基性アミノ酸の添加量が35重量%以下でも、1価以上のカルボン酸の添加量が多く、(塩基性アミノ酸添加量)/(1価以上のカルボン酸添加量)が0.2以下では、塩基性アミノ酸の粒子成長抑制効果が十分に発現せず、平均粒径100nm以下かつCV値が25%以下にならなかった(比較例10、13、15)。
一方、塩基性アミノ酸の添加量が35重量%以下でも1価以上のカルボン酸の添加量が少なく、(塩基性アミノ酸添加量)/(1価以上のカルボン酸添加量)が1.0より大きいと、塩基性アミノ酸の粒子成長抑制効果が1価以上のカルボン酸による還元作用よりも上回り、析出反応が進行しなかった(比較例16)。
これらの結果から、塩基性アミノ酸の添加量が金属粉末の重量に対し35重量%以下かつ1価以上のカルボン酸の添加量が金属粉末の重量に対し120重量%以下で、(塩基性アミノ酸添加量)/(1価以上のカルボン酸添加量)が0.2より大きく1.0以下の範囲であることが、平均粒径がより小さく、かつ粒度分布がシャープな金属粉末を製造するために必要である。
(実施例8)
金属塩を硫酸銅(II)5水和物に変更し、貴金属触媒を塩化パラジウム(II)アンモニウムに変更した以外は実施例2と同様に析出反応を行った。結果を表5に示す。
(実施例9)
金属塩を硝酸銀に変更し、貴金属触媒を塩化パラジウム(II)アンモニウムに変更した以外は実施例2と同様に析出反応を行った。結果を表5に示す。
(実施例10)
金属塩をヘキサクロロ白金酸に変更し、貴金属触媒を塩化パラジウム(II)アンモニウムに変更した以外は実施例2と同様に析出反応を行った。結果を表5に示す。
Figure 0007226375000005
表5に示すように、製造する金属種を変更しても、塩基性アミノ酸の添加量が金属粉末の重量に対して35重量%以下、かつ1価以上のカルボン酸の添加量が金属粉末の重量に対し120重量%以下で、(塩基性アミノ酸の添加量)/(1価以上のカルボン酸添加量)が0.2より大きく1.0以下の範囲であれば、平均粒径100nm以下かつCV値25%以下の金属粉末が得られた。
(実施例11~12、比較例17~18)
L-アルギニンを表6に示すアミノ酸に変更した以外は実施例2と同様にして析出反応を行った。結果を表6に示す。
Figure 0007226375000006
表6に示すように、L-アルギニンの代わりに他の塩基性アミノ酸(リシン、ヒスチジン)を使用した実施例11、12でも、平均粒径100nm以下かつCV値25%以下の金属粉末が得られた。
一方、L-アルギニンの代わりに酸性アミノ酸であるL-アスパラギン酸又はL-グルタミン酸を使用した比較例17、18では、金属粉末の成長抑制効果が発現せず、金属粉末の平均粒径が100nm以下にならなかった。

Claims (7)

  1. 金属塩と、塩基性アミノ酸と、1価以上のカルボン酸又はその塩と、貴金属触媒とを水に混合し、金属塩溶液を調製する工程と、
    アルカリ性のpH調整剤と、還元剤とを水に混合し、還元剤溶液を調製する工程と、
    前記還元剤溶液を前記金属塩溶液に添加して混合する工程と、を行う金属粉末の製造方法であって、
    前記塩基性アミノ酸の配合量は、前記金属塩溶液に含まれる前記金属塩がすべて還元された際に製造される金属粉末の重量に対して35重量%以下であり、
    前記1価以上のカルボン酸又はその塩の配合量は、前記金属塩溶液に含まれる前記金属塩がすべて還元された際に製造される金属粉末の重量に対して120重量%以下であり、
    前記1価以上のカルボン酸又はその塩の配合量に対する前記塩基性アミノ酸の配合量の比が0.2より大きく1.0以下であることを特徴とする金属粉末の製造方法。
  2. 前記還元剤溶液を前記金属塩溶液に添加して混合する工程の前に、前記金属塩溶液及び前記還元剤溶液のうち少なくとも一方の溶液を、前記還元剤による還元温度まで加熱する工程を含む請求項1に記載の金属粉末の製造方法。
  3. 前記還元剤溶液を前記金属塩溶液に添加して得られる混合溶液のpHを11以上とする請求項1又は2に記載の金属粉末の製造方法。
  4. 前記塩基性アミノ酸がリシン、アルギニン及びヒスチジンからなる群から選択された少なくとも1種である請求項1~3のいずれかに記載の金属粉末の製造方法。
  5. 前記1価以上のカルボン酸又はその塩が、還元性を有しかつ水に溶解性を有する請求項1~4のいずれかに記載の金属粉末の製造方法。
  6. 前記1価以上のカルボン酸又はその塩が、クエン酸若しくはその塩、及び、アスコルビン酸若しくはその塩から選択された少なくとも1種である請求項1~5のいずれかに記載の金属粉末の製造方法。
  7. 前記金属粉末となる金属は、Ni、Cu、Pt及びAgからなる群から選択された少なくとも1種である請求項1~6のいずれかに記載の金属粉末の製造方法。
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