JP6926620B2 - ニッケル粉末の製造方法 - Google Patents
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1.ニッケル粉末の製造方法
1−1.晶析工程
1−1−1.晶析工程で用いる薬剤
1−1−2.晶析反応の手順(晶析手順)
1−1−3.晶析反応(還元反応、ヒドラジン自己分解反応)
1−1−4.晶析条件(反応開始温度)
1−1−5.ニッケル晶析粉の回収
1−2.調製・解砕工程
1−3.解砕後の処理
2.ニッケル粉末
まず、本発明の一実施形態に係るニッケル粉末の製造方法について説明する。図1には、本発明の一実施形態に係るニッケル粉末の製造方法における製造工程の一例を示す模式図を示す。本発明の一実施形態に係るニッケル粉末の製造方法は、図1に示すように、少なくとも調製工程S21と、解砕工程S22とを有する。上記の調製工程S21は、平均粒径が0.02μm〜0.20μmの原料ニッケル粉末を用い、ニッケル粉スラリーを作製し、ニッケル粉スラリー濃度を調製する。また、上記解砕工程S22は、調製工程S21で調製された上記ニッケル粉スラリーを噴霧によって液滴状にして上記ニッケル粉スラリーを解砕する。
晶析工程S10では、少なくとも水溶性ニッケル塩、ニッケルよりも貴な金属の塩、還元剤、水酸化アルカリ、および水を混合した反応液中でニッケル塩(正確には、ニッケルイオン、またはニッケル錯イオン)をヒドラジンで還元する。
本発明の一実施形態に係る晶析工程S10では、ニッケル塩、ニッケルよりも貴な金属の塩、還元剤、水酸化アルカリなどの各種薬剤と水を含む反応液が用いられている。溶媒としての水は、得られるニッケル粉末中の不純物量を低減させる観点から、超純水(導電率:≦0.06 μS/cm(マイクロジーメンス・パー・センチメートル)、純水(導電率:≦1μS/cm)という高純度のものがよく、中でも安価で入手が容易な純水を用いることが好ましい。以下、上記各種薬剤について、それぞれ詳述する。
本発明の一実施形態に係るニッケル粉末の製造方法に用いるニッケル塩は、水に易溶である水溶性ニッケル塩であれば、特に限定されるものではなく、塩化ニッケル、硫酸ニッケル、硝酸ニッケルから選ばれる1種以上を用いることができる。これらのニッケル塩の中では、塩化ニッケル、硫酸ニッケルあるいはこれらの混合物がより好ましい。
ニッケルよりも貴な金属をニッケル塩溶液に含有させることで、ニッケルを還元析出させる際に、ニッケルよりも貴な金属が先に還元されて初期核となる核剤として作用しており、この初期核が粒子成長することで微細なニッケル晶析粉(ニッケル粉末)を作製することができる。
本発明の一実施形態に係るニッケル粉末の製造方法では、還元剤としてヒドラジン(N2H4、分子量:32.05)を用いる。なお、ヒドラジンには、無水のヒドラジンの他にヒドラジン水和物である抱水ヒドラジン(N2H4・H2O、分子量:50.06)があるが、どちらを用いてもかまわない。ヒドラジンは、その還元反応は後述する式(2)に示す通りであるが、特にアルカリ性で還元力が高いこと、還元反応の副生成物が窒素ガスと水で、不純物成分が反応液中に生じないこと、ヒドラジン中の不純物が少ないこと、および入手が容易なこと、という特徴を有しているため還元剤に好適であり、例えば、市販されている工業グレードの60質量%抱水ヒドラジンを用いることができる。
ヒドラジンの還元力は、反応液のアルカリ性が強い程大きくなるため(後述する式(2)参照)、本発明の一実施形態に係るニッケル粉末の製造方法では、水酸化アルカリを、アルカリ性を高めるpH調整剤として用いる。水酸化アルカリは特に限定されるものではないが、入手の容易さや価格の面から、アルカリ金属水酸化物を用いることが好ましく、具体的には、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムから選ばれる1種以上とすることがより好ましい。
本発明の一実施形態に係るニッケル粉末の製造方法に用いるアミン化合物は、分子内に第1級アミノ基(−NH2)または第2級アミノ基(−NH−)を合わせて2個以上含有する化合物である。このようなアミン化合物を反応液に配合させることにより、ヒドラジンの自己分解抑制剤、還元反応促進剤、さらにはニッケル粒子同士の連結抑制剤の作用を有しており、必要に応じて反応液に配合させるとよい。特にこのアミン化合物が持つ還元反応促進剤としての作用は、反応液に予めアミン化合物を配合した場合には、上記硫黄含有化合物やニッケルよりも貴な金属の金属塩の作用との相乗効果により、微細なニッケル晶析粉(ニッケル粉末)を安定的に晶析させることができる。
本発明の一実施形態に係るニッケル粉末の製造方法に用いるスルフィド化合物は、分子内にスルフィド基(−S−)を1個以上含有する化合物である。スルフィド化合物は、上記アミン化合物と異なり、単独で用いた場合にはヒドラジンの自己分解抑制作用はそれ程大きくないが、上記アミン化合物と併用すると、ヒドラジンの自己分解抑制作用を大幅に強めることができるヒドラジンの自己分解抑制補助剤の作用を有し、また、ニッケル粒子同士の連結抑制剤としての作用も有しており、上記アミン化合物と併用すると、ニッケル粒子同士が互いに連結した粗大粒子の生成量をより効果的に低減できる。さらに、反応液が調合された時点でスルフィド化合物を配合していると、核発生促進作用を有し得られるニッケル晶析粉が微粒化されるため、あらかじめニッケル塩を含む溶液または還元剤を含む溶液に添加混合しておき、反応液が調合された時点で配合されるようにしてもよい。
晶析工程S10の反応液中には、ニッケル塩、ニッケルよりも貴な金属の塩、還元剤(ヒドラジン)、水酸化アルカリに加え、上述したようにやアミン化合物やスルフィド化合物を含有させてもよく、さらに分散剤、錯化剤、消泡剤などの各種添加剤も少量含有させてもよい。分散剤や錯化剤は、適切なものを適正量用いれば、ニッケル晶析粉の粒状性(球状性)や粒子表面平滑性を改善できたり、粗大粒子低減が可能になる場合がある。また、消泡剤も、適切なものを適正量用いれば、晶析反応で生じる窒素ガス(後述の式(2)〜式(4)参照)に起因する晶析工程S10での発泡を抑制することが可能となる。分散剤と錯化剤の境界線は曖昧であるが、分散剤としては、公知の物質を用いることができ、例えば、アラニン(CH3CH(COOH)NH2)、グリシン(H2NCH2COOH)、トリエタノールアミン(N(C2H4OH)3)、ジエタノールアミン(NH(C2H4OH)2)などが挙げられる。錯化剤としては、公知の物質を用いることができ、ヒドロキシカルボン酸、カルボン酸(少なくとも一つのカルボキシル基を含む有機酸)、ヒドロキシカルボン酸塩やヒドロキシカルボン酸誘導体、カルボン酸塩やカルボン酸誘導体、具体的には、酒石酸、クエン酸、リンゴ酸、アスコルビン酸、蟻酸、酢酸、ピルビン酸、およびそれらの塩や誘導体などが挙げられる。
少なくとも水溶性ニッケル塩を水に溶解させたニッケル塩溶液と、還元剤(ヒドラジン)を水に溶解させた溶液と、および水酸化アルカリを水に溶解させた溶液を水に溶解させた溶液を用意し、これらを添加混合させて反応液を調合し、この反応液中で晶析反応を行うものである。ニッケルよりも貴な金属の塩をあらかじめニッケル塩の溶液に添加混合させておき反応液を調合してもよい。アミン化合物は、反応液を調合する前に上記いずれかの溶液またはそれらを混合させた液に添加混合させるか、反応液を調合してから反応液に添加混合させる。スルフィド化合物は、あらかじめ還元剤溶液とニッケル塩溶液の少なくともいずれかに添加混合させておき反応液を調合してもよいし、反応液を調合してから反応液に添加混合させてもよい。なお、反応液が調合された時点で還元反応が開始される。
晶析工程S10では、反応液中において、水酸化アルカリ共存下でニッケル塩をヒドラジンで還元ニッケル晶析粉を得ている。また必要に応じて、微量の特定のアミン化合物の作用でヒドラジンの自己分解を大幅に抑制して還元反応させている。
晶析工程S10の晶析条件として、少なくとも、ニッケル塩、ニッケルよりも貴な金属の塩、ヒドラジン、水酸化アルカリ、必要に応じてアミン化合物を含む反応液(アミン化合物は最終的に反応液に必ず含まれる)が調合された時点、すなわち、反応開始温度が、40℃〜90℃とすることが好ましく、50℃〜80℃とすることがより好ましく、60℃〜70℃とすることがさらに好ましい。ニッケル塩溶液、還元剤溶液、水酸化アルカリ溶液などの個々の溶液の温度は、それらを混合して得られる反応開始温度が上記温度範囲になれば特に制約はなく自由に設定することができる。反応開始温度は、高いほど還元反応は促進され、かつニッケル晶析粉は高結晶化する傾向にあるが、一方で、ヒドラジンの自己分解反応がそれ以上に促進される側面があるため、ヒドラジンの消費量が増加するとともに、反応液の発泡が激しくなる傾向がある。したがって、反応開始温度が高すぎると、ヒドラジンの消費量が大幅に増加したり、多量の発泡で晶析反応を継続できなくなる場合がある。一方で、反応開始温度が低くなり過ぎると、ニッケル晶析粉の結晶性が著しく低下したり、還元反応が遅くなって晶析工程S10の時間が大幅に延長して生産性が低下する傾向がある。以上の理由から、上記温度範囲にすることで、ヒドラジン消費量を抑制しながら、高い生産性を維持しつつ、高性能のニッケル晶析粉を安価に製造することができる。
ヒドラジンによる還元反応で反応液中に生成したニッケル晶析粉は、必要に応じて、メルカプト化合物やジスルフィド化合物などの硫黄化合物で硫黄コート処理を施こした後、公知の手順を用いて反応液から分離すればよい。
晶析工程S10で得られた原料ニッケル粉末(ニッケル晶析粉)は、前述の通り、アミン化合物が晶析中においてニッケル粒子の連結抑制剤として作用するため、ニッケル粒子が還元析出の過程で互いに連結して形成される粗大粒子の含有割合はそもそもそれ程大きくない。しかし、ニッケル粉末の粒子径が小さくなることで、ニッケル粒子同士の凝集力が強くなり、分散状態が十分とは言い難いため、晶析工程S10に引き続いて調製・解砕工程S20を設け、ニッケル粒子が連結した粗大粒子をその連結部で分断して粗大粒子の低減を図る必要がある。特に平均粒径が0.02μm〜0.20μmの原料ニッケル粉末の場合に粗大粒子の低減を図る必要がある。
調製・解砕工程S20で得られたニッケル粉スラリーは、固液分離してから乾燥処理を行いニッケル粉末とする方法、ニッケル粉スラリーの溶媒を例えば積層セラミックコンデンサ内部電極ペースト用の溶媒に置換してニッケル粉スラリーとする方法、解砕工程で得られたニッケル粉スラリーを最終形態とする方法のいずれでもよい。
本発明の一実施形態に係るニッケル粉末の製造方法で得られるニッケル粉末は、安価で、かつ高性能であって、積層セラミックコンデンサの内部電極に好適である。ニッケル粉末特性としては、以下の、平均粒径、粗大粒子の含有量等があり、本発明により得られたニッケル粉末は以下の特性を有する。
近年の積層セラミックコンデンサの内部電極の薄層化に対応するという観点から、ニッケル粉末の平均粒径は0.02μm〜0.20μmが好ましい。本明細書中の平均粒径は、ニッケル粉末の走査電子顕微鏡写真(SEM像)から求めた数平均の粒径である。
ニッケル粉末に粗大粒子が含まれると、積層セラミックコンデンサの内部電極に用いた時に、内部電極層の連続性が低下したり、隣接する誘電体層を圧迫してショート不良を起こすことがある。よって上述した調製・解砕工程の必要性が高まる。粗大粒子とはこれらの不具合を起こす頻度から、平均粒径の3〜5倍以上の径を持つ粒子とされている。本発明の一実施形態に係る粗大粒子の含有量は、平均粒径が0.1μm以上のニッケル粉末については、例えば倍率1000倍の走査電子顕微鏡写真(SEM像)を20視野で撮影し、その20視野のSEM像において、主にニッケル粒子が連結して形成された粒径0.5μm以上の粗大粒子の含有量(%)、すなわち、粗大粒子の個数/全粒子の個数×100、を計測して求めることができる。
[ニッケル塩溶液の調製]
ニッケル塩として塩化ニッケル6水和物(NiCl2・6H2O、分子量:237.69)405g、核発生促進剤としてのスルフィド化合物として分子内にスルフィド基(−S−)を1個含有するL−メチオニン(CH3SC2H4CH(NH2)COOH、分子量:149.21)2.542g、ニッケルよりも貴な金属の金属塩として塩化パラジウム(II)アンモニウム(別名:テトラクロロパラジウム(II)酸アンモニウム)((NH4)2PdCl4、分子量:284.31)13.36mgを純水1880mLに溶解して、ニッケル塩溶液を調製した。L−メチオニンはニッケルに対し、モル比で0.01(1.0モル%)と微量であった。
還元剤として抱水ヒドラジン(N2H4・H2O、分子量:50.06)を純水で1.67倍に希釈した市販の工業グレードの60%抱水ヒドラジン(エムジーシー大塚ケミカル株式会社製)を215g秤量し、水酸化アルカリを含まず、主成分としてのヒドラジンを含有する水溶液である還元剤溶液を調製した。還元剤溶液に含まれるヒドラジンのニッケルに対するモル比は1.51であった。
水酸化アルカリとして、水酸化ナトリウム(NaOH、分子量:40.0)230gを、純水560mLに溶解して、主成分としての水酸化ナトリウムを含有する水溶液である水酸化アルカリ溶液を用意した。水酸化アルカリ溶液に含まれる水酸化ナトリウムのニッケルに対するモル比は3.38であった。
アミン化合物として、分子内に第1級アミノ基(−NH2)を2個含有するアルキレンアミンであるエチレンジアミン(略称:EDA)(H2NC2H4NH2、分子量:60.1)2.048gを、純水18mLに溶解して、主成分としてのエチレンジアミンを含有する水溶液であるアミン化合物溶液を用意した。アミン化合物溶液に含まれるエチレンジアミンはニッケルに対し、モル比で0.02(2.0モル%)と微量であった。
塩化ニッケル、スルフィド化合物、およびパラジウム塩を純水に溶解したニッケル塩溶液を撹拌羽根付テフロン(登録商標)被覆ステンレス容器内に入れ液温75℃になるように撹拌しながら加熱した後、液温25℃のヒドラジンと水を含む上記還元剤溶液を混合時間20秒で添加混合してニッケル塩・還元剤含有液とした。このニッケル塩・還元剤含有液に液温25℃の水酸化アルカリと水を含む上記水酸化アルカリ溶液を混合時間80秒で添加混合し、液温63℃の反応液(塩化ニッケル+ヒドラジン+水酸化ナトリウム+硫黄含有化合物 )を調合し、還元反応(晶析反応)を開始した(反応開始温度63℃)。反応開始後8分後から18分後までの10分間にかけて上記アミン化合物溶液を上記反応液に滴下混合し、ヒドラジンの自己分解を抑制しながら還元反応を進めてニッケル晶析粉を反応液中に析出させた。反応開始から90分以内には還元反応は完了し、反応液の上澄み液は透明で、反応液中のニッケル成分はすべて金属ニッケルに還元されていることを確認した。その後、導電率が1μS/cmの純水を用い、ニッケル晶析粉含有スラリーからろ過したろ液の導電率が10μS/cm以下になるまでろ過洗浄し、固液分離し、平均粒径が0.09μmの原料ニッケルを得た。
上記の得られた平均粒径が0.09μmの原料ニッケルに純水を添加して、ニッケル粉スラリーを作製し、スラリー濃度が10質量%のニッケル粉スラリーを得た。
引き続いて解砕工程を実施し、ニッケル粉末中の主にニッケル粒子が連結して形成された粗大粒子の低減を図った。具体的には、上記で得られたニッケル粉スラリーに、湿式解砕機であるG−smasher(リックス株式会社)で10回処理を施した。解砕処理後、固液分離し真空乾燥機を用いて乾燥して実施例1に係るニッケル粉末を得た。実施例で得られた粉末の特性を表1に示す。
実施例1において、解砕処理を行わなかった以外は同様の条件でニッケル粉末を作製した。
実施例1において、ニッケル晶析粉含有スラリーをろ過洗浄し、固液分離した後、真空乾燥機を用いて乾燥してニッケル粉末とした。得られたニッケル粉末の解砕処理を調製工程を経ずに、窒素雰囲気中のスパイラルジェットミル(乾式解砕装置)で行った。得られた粉末の特性を表1に示す。なお、解砕処理は1回としたが、2回繰り返しても粗大粒子の含有量は変わらないことを確認している。
Claims (10)
- 平均粒径が0.02μm〜0.20μmのニッケル晶析粉を用いたニッケル粉末の製造方法であって、
前記ニッケル晶析粉を用い、ニッケル粉スラリーを作製し、前記ニッケル粉スラリー濃度を調製する調製工程と、
前記調製工程で調製された前記ニッケル粉スラリーを噴霧によって液滴状にして前記ニッケル粉スラリーを解砕する解砕工程とを有し、
前記調製工程における前記ニッケル粉スラリー濃度は、5〜40重量%であり、
前記解砕工程では、高圧ガスで加速させた前記ニッケル粉スラリーを衝突板に衝突させ、もしくは前記ニッケル粉スラリーを衝突させて前記ニッケル粉スラリーを解砕し、
前記ニッケル晶析粉は、少なくとも水溶性ニッケル塩、ニッケルよりも貴な金属の塩、還元剤、水酸化アルカリ、およびアミン化合物と、水と、を混合した反応液中において、還元反応を行う晶析工程により得られ、
前記晶析工程で混合させる前記還元剤はヒドラジン(N2H4)であり、
前記アミン化合物は、ヒドラジンの自己分解抑制剤であって、分子内に第1級アミノ基(−NH2)または第2級アミノ基(−NH−)を合わせて2個以上含有しており、
前記反応液中のニッケルのモル数に対する前記アミン化合物のモル数の割合が0.01モル%〜5モル%の範囲であることを特徴とするニッケル粉末の製造方法。 - 前記アミン化合物がアルキレンアミンまたはアルキレンアミン誘導体の少なくともいずれかであることを特徴とする請求項1に記載のニッケル粉末の製造方法。
- 前記アルキレンアミンが、エチレンジアミン(H2NC2H4NH2)、ジエチレントリアミン(H2NC2H4NHC2H4NH2)、トリエチレンテトラミン(H2N(C2H4NH)2C2H4NH2)、テトラエチレンペンタミン(H2N(C2H4NH)3C2H4NH2)、ペンタエチレンヘキサミン(H2N(C2H4NH)4C2H4NH2)、プロピレンジアミン(CH3CH(NH2)CH2NH2)から選ばれる1種以上、アルキレンアミン誘導体が、トリス(2−アミノエチル)アミン(N(C2H4NH2)3)、N−(2−アミノエチル)エタノールアミン(H2NC2H4NHC2H4OH)、N−(2−アミノエチル)プロパノールアミン(H2NC2H4NHC3H6OH)、2,3−ジアミノプロピオン酸(H2NCH2CH(NH)COOH)、エチレンジアミン−N,N’−二酢酸(HOOCCH2NHC2H4NHCH2COOH)、1,2−シクロヘキサンジアミン(H2NC6H10NH2)から選ばれる1種以上であることを特徴とする請求項2に記載のニッケル粉末の製造方法。
- 前記アミン化合物に加えて、前記ヒドラジンの自己分解抑制補助剤としてのスルフィド化合物が前記反応液中に配合されており、
該スルフィド化合物は、分子内にスルフィド基(−S−)を1個以上含有しており、
前記反応液中の前記ニッケルのモル数に対する前記スルフィド化合物のモル数の割合が0.01モル%〜5モル%の範囲であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のニッケル粉末の製造方法。 - 前記スルフィド化合物が、分子内にさらにカルボキシ基(−COOH)または水酸基(−OH)を少なくとも1個以上含有するカルボキシ基含有スルフィド化合物または水酸基含有スルフィド化合物であることを特徴とする請求項4に記載のニッケル粉末の製造方法。
- 前記カルボキシ基含有スルフィド化合物または前記水酸基含有スルフィド化合物が、L(または、D、DL)−メチオニン(CH3SC2H4CH(NH2)COOH)、L(または、D、DL)−エチオニン(C2H5SC2H4CH(NH2)COOH)、チオジプロピオン酸(HOOCC2H4SC2H4COOH)、チオジグリコール酸(HOOCCH2SCH2COOH)、チオジグリコール(HOC2H5SC2H5OH)から選ばれる1種以上であることを特徴とする請求項5に記載のニッケル粉末の製造方法。
- 前記水溶性ニッケル塩が、塩化ニッケル(NiCl2)、硫酸ニッケル(NiSO4)、硝酸ニッケル(Ni(NO3)2)から選ばれる1種以上であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のニッケル粉末の製造方法。
- 前記ニッケルよりも貴な金属の塩が、銅塩、金塩、銀塩、白金塩、パラジウム塩、ロジウム塩、イリジウム塩から選ばれる1種以上であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のニッケル粉末の製造方法。
- 前記水酸化アルカリが、水酸化ナトリウム(NaOH)、水酸化カリウム(KOH)から選ばれる1種以上であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載のニッケル粉末の製造方法。
- 前記晶析工程において、還元反応を開始させる時点の前記反応液の温度(反応開始温度)が、40℃〜90℃であることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載のニッケル粉末の製造方法。
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