JP7226100B2 - 塗装金属板 - Google Patents
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Description
一方で紫外線硬化型のインクは高硬度であることから、紫外線硬化型のインクを用いた塗装金属板は、加工時にインク層を起点とする亀裂が発生し易く、加工部の外観不良が発生しやすい。
紫外線硬化型インクを用いたインクジェット塗装に関する従来技術としては、インク組成物、或いは塗装の下地となるインク受理層用組成物、或いはその両方の組成物を制御することで、加工性と意匠性を向上させたインクジェットによる塗装金属板が提案されている。例えば特許文献1では、ベンゼン環を含まない脂肪族ウレタンアクリレートオリゴマーを主材とし、官能基数や重量平均分子量を規定したインク組成物を用いることで加工性、密着性に優れる塗装金属板が提案されている。また特許文献2では、インキ受理層の凹凸を制御することで密着性に優れた塗装金属板が提案されている。
(1) 金属板の少なくとも一方の面の表面に複数のドットから構成されるドット状インク層を設けた塗装金属板であり、前記ドット状インク層の弾性率は1.0 GPa以上であり、前記ドット状インク層の膜厚は100 μm以下であり、かつドット径x及びドット間距離yが80 μm≦x≦500 μmかつ、y≦500 μmかつ、0.8x≦y≦(√2/2+0.2)xを、満たし、前記ドットの95%以上が0.50以上の真円度を有することを特徴とする塗装金属板。
但し、ドット径xは各ドットの面積と等しい面積を持つ真円の直径であり、
ドット間距離yは隣接するドットの重心間距離である。
(2)前記ドット間距離yがy≦250 μmであることを特徴とする(1)に記載の塗装金属板。
(3)前記金属板と前記ドット状インク層の間に少なくとも1層の樹脂層を有していることを特徴とする(1)または(2)に記載の塗装金属板。
(4)前記ドット状インク層と接する前記樹脂層の弾性率が前記ドット状インク層の弾性率よりも小さいことを特徴とする(3)に記載の塗装金属板。
本発明の金属板は特に限定されない。適宜公知の金属板を使用することが可能であり、例えば、冷延鋼板、アルミニウム板、ステンレス鋼板、などや、これらの表面に金属めっき処理されたものなどを例示することができる。金属板の厚さは、必要とされる曲げ等の加工が実際的に可能なものであれば、特に限定されるものではなく、0.1~3.2 mmであってもよい。
本発明の構成となるドット状インク層(「インク層」と称することがある)は、主に紫外線硬化型インクのような、インクから構成される複数のドットにより形成される硬質なインク層を対象とする。具体的には弾性率が1.0 GPa以上のインク層を対象とする。インク層は、弾性率が1.0 GPa以上であれば、紫外線硬化型インクにより形成されるものには限定されず、本発明の効果を得ることができる。インク層の弾性率は、原子間力顕微鏡を用いたナノインデーション法により、インク層の断面で観察される少なくとも10のドットの弾性率を測定し、それらの値を平均することによって求めることができる。
このとき、80 μm≦x≦500 μmかつ、y≦500 μmかつ、0.8x≦y≦(√2/2+0.2)xを満たすところで、加工性(加工を行ってもインク層の亀裂が発生しにくいこと)と、意匠性(塗装した印刷物の色濃度が適切な範囲であり鮮明に画像が認識できること)とを両立できる。なお、色濃度は、印刷物画像を画像解析により2値化処理し、画像を印刷した塗装部面積(印刷ドットと認識されるものの合計面積)を、未塗装部分も含めた印刷領域の面積で割ることで求められる。色濃度が低すぎる場合には画像の色が薄くなり視認が困難であり、色濃度が高すぎる場合には画像の色が濃くなり(インクつぶれ)視認が困難となる。色濃度が低すぎず高すぎない場合に、鮮明に画像を認識できる。xが80 μm 未満では、吐出インク量が少な過ぎるため、インクが狙い位置に着弾せず、塗装された意匠の品質が担保できない。また、xが500 μmを超えると、ドット状インク層が加工に耐えられず、ドットでのクラックの発生や、ドットの金属板からのはく離の虞がある。
一般的にドットにより形成された意匠(画像)が最も鮮明となるドット径、ドット間の距離は、正方形の各頂点にドットの重心があると仮定した場合、最も離れた2つの頂点に重心があるドット同士が接する場合である。これを本発明で規定するドット径xとドット間距離yで表すと、y=(√2/2)xとなる。この関係は、本発明で良好な加工性を得られることを見出したyの上限値(√2/2+0.2)xと近い値となっている。このためy≦(√2/2+0.2)xを満たすことで良好な意匠性の担保が可能となる。y>500 μmの場合、ドット間隔が大き過ぎて鮮明な画像にならない。また、人間が1 m離れた距離から印刷物を見た場合のドット間隔の視認限界は250 μmであるため、y≦250 μmであることが一層望ましい。
また、インク層は、複数のドットから構成されるものであり、インク層の膜厚は、上記と同様に光学顕微鏡および画像解析ソフトウェアを用いて解析して求める。測定値は、少なくとも10点以上の平均値とする。
本発明による一態様は前記金属板と前記ドット状インク層の間に少なくとも1層の樹脂層を有することができる。金属板とインク層との間に設けられた樹脂層が、ドット状インクを塗装する際のインク受理層として機能することで、加工性、密着性、意匠性の向上が可能となる。樹脂層は、弾性率がインク層より大きいと、曲げ等の加工時にインク層よりも先に樹脂層に亀裂が発生し、それに追従してインク層にも亀裂が入るため、本発明の効果が得られない。そのため、樹脂層は、弾性率がインク層より小さいことが好ましい。また、樹脂層は、インク受理性を有するものであると、塗装が容易となり好ましい。これらの特性を有するものであれば、特に限定されない。樹脂層のマトリックスとなる樹脂の種類は特に限定されない。樹脂の種類としては、例えば、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂等が挙げられる。加工性やコストの観点から、特にポリエステル樹脂が好ましい。
前記インク層の上に、必要に応じてオーバーコート層を設けてもいい。
金属板と樹脂層の間には、化成処理皮膜や下塗り塗膜等が形成されていても良い。
また、ポリウレタン系樹脂として、スーパーフレックス170(第一工業製薬社製)を使用した。膜厚はいずれも15 μmとして、PMT230℃(到達まで30 秒)で焼き付けた後水冷して形成した。
Claims (4)
- 金属板の少なくとも一方の面の表面に複数のドットから構成されるドット状インク層を設けた塗装金属板であり、前記ドット状インク層の弾性率は1.0 GPa以上であり、前記ドット状インク層の膜厚は100 μm以下であり、かつドット径x及びドット間距離yが80 μm≦x≦500 μmかつ、y≦500 μmかつ、0.8x≦y≦(√2/2+0.2)xを、満たし、前記ドットの95%以上が0.50以上の真円度を有することを特徴とする塗装金属板。
但し、ドット径xは各ドットの面積と等しい面積を持つ真円の直径であり、
ドット間距離yは隣接するドットの重心間距離である。 - 前記ドット間距離yがy≦250 μmであることを特徴とする請求項1に記載の塗装金属板。
- 前記金属板と前記ドット状インク層の間に少なくとも1層の樹脂層を有していることを特徴とする請求項1または2に記載の塗装金属板。
- 前記ドット状インク層と接する前記樹脂層の弾性率が前記ドット状インク層の弾性率よりも小さいことを特徴とする請求項3に記載の塗装金属板。
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