JP2003062471A - 光触媒塗装板及びその製造方法 - Google Patents

光触媒塗装板及びその製造方法

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JP2003062471A
JP2003062471A JP2001260436A JP2001260436A JP2003062471A JP 2003062471 A JP2003062471 A JP 2003062471A JP 2001260436 A JP2001260436 A JP 2001260436A JP 2001260436 A JP2001260436 A JP 2001260436A JP 2003062471 A JP2003062471 A JP 2003062471A
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photocatalytic
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Takeshi Tofuji
剛 東藤
Toshihiro Terada
利坦 寺田
Hiroshi Nakajo
弘 中條
Hideaki Sado
英昭 佐渡
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Kawatetsu Galvanizing Co Ltd
Kawasaki Steel Metal Products and Engineering Inc
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Kawatetsu Galvanizing Co Ltd
Kawasaki Steel Metal Products and Engineering Inc
Kawasaki Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高い光触媒活性を保持しつつ、基板の曲げ加
工時における光触媒性半導体を含む層の断裂及び層間剥
離を確実に抑制し、工業上生産性を向上させることを可
能とした光触媒塗装板及びその製造方法を提供する。 【解決手段】 鋼板1の少なくとも一表面に塗布された
可撓性プライマー1からなる第一層の上面に、Ti
2 、ZrO2 、ZnO、SnO2 、SrTiO3 、W
3 、Bi2 3 、Fe2 3 から選択される少なくと
も一種の光触媒性半導体材料を含む混合物3からなる第
二層を、被覆率50〜95%、直径100〜1000μ
m、高さ0.3〜30μmの三次元ドット状に塗布す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、汚染物質の分解、
抗菌、脱臭、防汚、殺菌等に有効な光触媒塗装板及びそ
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、金属化合物半導体の光触媒作用を
利用して、汚染物質の分解、抗菌、脱臭、防汚、殺菌な
ど様々な環境浄化に応用する試みがなされている。この
金属化合物半導体の光触媒作用とは、酸化チタン、酸化
亜鉛、酸化鉄等の金属化合物半導体に、そのバンドギャ
ップ以上のエネルギーを持つ波長の光を照射すること
で、照射面に生じる電子及び正孔の酸化還元作用によっ
て、金属化合物半導体に接近する有機物を分解する作用
のことである。
【0003】このため、上記光触媒作用を備えた金属化
合物半導体は、光触媒性半導体と称され、ガラス、プラ
スチック、金属等の基板表面に薄膜状に塗布されて使用
されている。ここで、光触媒性半導体の光触媒活性を高
く維持するために、基板に塗布する光触媒性半導体の層
厚を10〜20μm以上として反応表面積を大きくする
ことが必要である。そのため、従来の光触媒性半導体層
は、最大許容歪みの小さなシリケート系バインダー(結
合剤) を用いて基板表面に平板状に形成されている。
【0004】ところが、基板上面に平板状の光触媒性半
導体層を積層すると、あとから基板に折り曲げ加工を施
す際に、厚み方向の応力差を吸収できず、この光触媒性
半導体層が断裂してしまうという不具合があった。よっ
て、外観不良や曲げ加工部を起点とする層間剥離等を引
き起こしてしまう恐れがあった。このような不具合を解
消するために、特開2000−17229号公報におい
て、金属基板の上面に、SiO2 を主成分とした緻密層
と、その上面に一体形成された凹凸層とからなり、粗面
を有する光触媒用下地皮膜を積層したのち、その粗面の
上面に光触媒性半導体層を積層した光触媒塗装板が提案
されている(第1従来例)。
【0005】この提案によれば、光触媒用下地皮膜にお
ける粗面のアンカー効果によって、、光触媒用下地皮膜
と光触媒性半導体層の密着性を向上させるため、層間剥
離を抑制することが可能となる。ところが、第1従来例
においては、光触媒性半導体層の断裂防止については未
だ未解決であり、基板の曲げ加工部の外観不良を克服す
るには至らなかった。また、この光触媒用光皮膜として
シリカ系下地皮膜を使用していることによって、基板と
の密着性の点より基板選択に大きな制約があるため、光
触媒塗装板としての幅広い用途への適用が困難であっ
た。
【0006】そこで、光触媒性半導体層の断裂を防止す
るために、特開2000−14755号公報において、
光触媒性半導体層に0〜10重量%の有機潤滑剤を含有
する方法が提案されている(第2従来例)。また、特開
2000−317393号公報においては、光触媒性半
導体層にアクリルシリケートを含有する方法が提案され
ている(第3従来例)。さらに、特開2000−637
33号公報においては、光触媒性半導体層にフッ化ビニ
リデン樹脂及びアクリル樹脂を含有する方法が提案され
ている(第4従来例)。上記第2〜第4従来例によっ
て、光触媒性半導体層の可撓性を高めるため、断裂を抑
制することができ、基板の曲げ加工部の外観不良を解消
することが可能となった。
【0007】ところが、上記第2〜第4従来例における
いずれの方法であっても、光触媒性半導体層に添加する
有機成分の酸化分解を防止するため、その光触媒性半導
体層に添加する光触媒性半導体材料の添加量を低く制限
しなくてはならないという不具合があった。このため、
汚染物質の分解、抗菌、脱臭、殺菌等の環境浄化に必要
な高い光触媒活性を実現できないという問題点があっ
た。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】そこで、上記第1〜第
4従来例におけるそれぞれの問題点を解消するために、
特開2000−38686号公報において、光触媒性半
導体層の表面に、凹凸を形成する方法が提案されている
(第5従来例)。この提案によれば、光触媒性半導体層
の表面に凹凸を形成することによって、基板の曲げ加工
時の歪みが各凹部に分散されるため、光触媒性半導体層
の断裂を緩衝することが可能となった。また、光触媒性
半導体層の表面に凹凸を形成することによって、光触媒
の反応表面積を拡大することができるため、光触媒作用
による汚染物質の分解、抗菌、脱臭、殺菌等の環境浄化
機能を向上させることが可能となった。
【0009】ところが、上記第5従来例において、光触
媒性半導体層の表面に凹凸が形成されているため、隣接
する凸部はその底面で連結している状態である。このた
め、基板の曲げ加工時の歪みによって、その光触媒性半
導体層の凹部に断裂を生じてしまう恐れがあった。ま
た、光触媒性半導体層の凹凸をスプレー塗装によって形
成しているため、再現性よく凹凸を形成することは困難
であり、工業生産には適用できないというのが現状であ
る。
【0010】そこで、本発明は、上記事情に鑑みてなさ
れたものであり、高い光触媒活性を保持しつつ、基板の
曲げ加工時における光触媒性半導体層の断裂及び層間剥
離を確実に抑制することができるとともに、工業上生産
性を向上させることを可能とした光触媒塗装板及びその
製造方法を提供することを課題としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】このような課題を解決す
るために、請求項1に記載の発明は、基板の少なくとも
一表面に塗布された第一層の上面に、光触媒性半導体材
料を含む第二層が、三次元ドット状に塗布されている光
触媒塗装板としている。請求項1に記載の発明におい
て、基板の少なくとも一表面に塗布された第一層の上面
に、光触媒性半導体材料を含む第二層を三次元ドット状
に塗布することによって、基板の曲げ加工時における歪
みによる第二層への影響が抑制されるため、第二層の断
裂を確実に抑制することが可能となる。よって、基板の
曲げ加工による外観不良の発生を抑制することができ
る。
【0012】また、第二層を三次元ドット形状とするこ
とによって、光触媒の反応表面積が拡大されるため、汚
染物質の分解、抗菌、脱臭、防汚、殺菌等光触媒作用に
よる環境浄化機能を向上させることができる。ここで、
光触媒性半導体材料とは、光触媒作用を有する金属化合
物半導体のことを指す。
【0013】また、三次元ドット形状とは、ドット状の
第二層が点状に分散し、その個々が独立して存在してい
る形状のことを指すが、その基板表面を見た時の外形は
必ずしも完全な円形である必要はなく、長円や多角形状
等であっても構わない。請求項2に記載の発明は、請求
項1に記載の光触媒塗装板において、前記第二層が、直
径100〜1000μm、高さ0.3〜30μmからな
る複数の三次元ドットで、被覆率50〜95%となるよ
うに塗布されているものとしている。
【0014】ここで、三次元ドット形状の第二層の直径
とは、点状の第二層のそれぞれが第一層と接触している
面の形状における面積に相当する円の直径である。ま
た、高さは、各点状の第二層の第一層から突出している
方向の高さで表す。さらに、被覆率とは、基板の表面積
に対する、その面積中に存在する第二層の第一層との接
触面積の総和の割合を百分率で示したものである。
【0015】請求項2に記載の発明において、第二層
を、直径100〜1000μm、高さ0.3〜30μm
からなる複数の三次元ドットで塗布したが、この直径及
び高さの範囲は、各ドットの第一層からの耐剥離性を維
持するために必要な値である。また、第二層の被覆率の
下限を50%とすることで、光触媒作用を十分発現させ
るための第二層を確保することができる。一方、第二層
の被覆率の上限を95%とすることで、基板の曲げ加工
時に隣接するドット間の接触を防止することが可能とな
る。ここで、基板の曲げ加工時に、隣接するドット間の
接触を防止するために、例えば、曲げ角度が大である場
合には被覆率を小さくする等、基板の曲げ角度によって
第二層の被覆率を変化させるようにすることが望まし
い。
【0016】請求項3に記載の発明は、請求項1又は2
に記載の光触媒塗装板において、前記第一層が、フッ素
系樹脂、シリコーン系樹脂、ケイ素化合物から選択され
る少なくとも一種からなるものとしている。請求項3に
記載の発明において、第一層を、可撓性を有するフッ素
系樹脂、シリコーン系樹脂、ケイ素化合物から選択され
る少なくとも一種からなるものとしたことによって、基
板との密着性に優れ、光触媒の酸化分解力に耐えること
が可能となる。
【0017】請求項4に記載の発明は、請求項1〜3の
いずれかに記載の光触媒塗装板において、前記第二層
が、TiO2 、ZrO2 、ZnO、SnO2 、SrTi
3 、WO3 、Bi2 3 、Fe2 3 から選択される
少なくとも一種の前記光触媒性半導体材料と、フッ素系
樹脂、シリコーン系樹脂、ケイ素系化合物から選択され
る少なくとも一種の結合剤成分との混合物であるものと
している。
【0018】請求項4に記載の発明において、第二層
が、TiO2 、ZrO2 、ZnO、SnO2 、SrTi
3 、WO3 、Bi2 3 、Fe2 3 から選択される
少なくとも一種の光触媒性半導体材料と、フッ素系樹
脂、シリコーン系樹脂、ケイ素系化合物から選択される
少なくとも一種の結合剤成分との混合物であるものとし
たことによって、特に優れた光触媒活性機能を発現させ
ることが可能となる。
【0019】ここで、第一層と第二層との密着性の問題
から、第一層と第二層の樹脂組成を一致させるとさらに
有効である。特に、シリコーン系樹脂を使用した場合に
は、基板との密着性、可撓性、耐光触媒酸化性をバラン
スよく維持するために有効であり、さらに、このときの
第二層に、親水性に優れたケイ素化合物も分散させるよ
うにすれば、汚染物質の分解で生じる反応生成物を雨水
等で効率よく除去することが可能となる。また、光触媒
性半導体材料としてTiO2 を用いる場合には、アナタ
ーゼ型二酸化チタン単体、アナターザ型二酸化チタンと
ルチル型二酸化チタンとの混合物、ブルッカイト形二酸
化チタン単体、アナターゼ型二酸化チタンとブルッカイ
ト型二酸化チタンとの混合物、アナターゼ型二酸化チタ
ンとルチル型二酸化チタンとブルッカイト型二酸化チタ
ンの混合物より選ぶことが望ましい。さらに、光触媒性
半導体材料を含む第二層は、ポーラス(多孔性)構造と
して反応表面積を拡大させるために、結合剤成分100
重量部に対して、光触媒性半導体材料を40〜70重量
部とすることが望ましい。
【0020】請求項5に記載の発明は、基板の少なくと
も一表面に平板状に塗布され、焼付乾燥処理が施された
第一層のさらに表面に、第二層をグラビアコーターを用
いて三次元ドット状に塗布した後、焼付け乾燥処理を施
すことを行う光触媒塗装板の製造方法としている。請求
項 5に記載の発明によれば、第二層の三次元ドット状を
グラビアコーターを用いて形成するようにしたことによ
って、第二層の塗布部 (ドット部)と、非塗布部との塗
り分けが容易且つ確実に行われるため、工業生産上効率
よく光触媒塗装板を製造することが可能となる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明における一実施の形
態について図面を参照して説明する。図1は、本発明に
おける光触媒塗装板の断面図である。図2は、本発明に
おける光触媒塗装板の平面図である。本発明における一
実施の形態の光触媒塗装板100は、図1に示すよう
に、基板として冷延鋼板、亜鉛系めっき鋼板、 ステンレ
ス鋼板等の鋼板1の上面に、第一層としてフッ素系樹
脂、 シリコーン系樹脂、 ケイ素化合物から選択される可
撓性プレイマー2が塗布されたさらに上面に、第二層と
して、TiO2 、ZrO2、ZnO、SnO2 、SrT
iO3 、WO3 、Bi2 3 、Fe2 3 から選択され
る少なくとも一種の光触媒性半導体材料と、フッ素系樹
脂、シリコーン系樹脂、ケイ素系化合物から選択される
少なくとも一種の結合剤成分との混合物3が塗布されて
いる。
【0022】この第二層を構成する混合物3は、図2に
示すように、被覆率が50〜95%となるように、直径
100〜1000μm、高さ 0. 3〜30μmのドット
(水玉)として複数存在しており、その複数のドット
は、隣接するドットと接触せず、個々が独立した状態で
点在している。ここで、このドットの形成位置は、基板
の曲げ加工が施される方向を考慮して、その方向と同一
方向に一直線上に並ぶように形成することが望ましい。
本実施形態におけるドットは、図2における左右方向に
一直線上に並列しており、特に、図2における上下方向
への曲げ加工がなされた場合、第二層の断裂を抑制する
のに効果を奏する。
【0023】ここで、鋼板1は、表面にリン酸塩処理、
複合酸化膜処理、 クロメート処理等の化成処理を施した
ものであってもよい。また、亜鉛系めっき鋼板とは、溶
融亜鉛めっき鋼板、 電気亜鉛めっき鋼板、鉄−亜鉛合金
めっき鋼板、ニッケル−亜鉛合金めっき鋼板、アルミニ
ウム−亜鉛合金めっき鋼板等のことを指す。また、第一
層を構成する可撓性プライマー2には、着色のための無
機系顔料、熱硬化性向上のための触媒等が添加されてい
ても構わない。
【0024】さらに、第二層を構成する光触媒性半導体
材料と結合剤成分との混合物3には、熱硬化性向上のた
めの触媒等が添加されていても構わない。次に、本発明
に係る一実施形態における光触媒塗装板100の製造方
法について、説明する。図3は、本発明に係る一実施形
態における光触媒塗装板の製造方法を示す図である。
【0025】本実施形態における光触媒塗装板100
は、図3に示すように、帯状の鋼帯1aの巻き出しロー
ラ11Aと、巻き出す鋼帯1aの長さを調節する第一の
ルーパ12Aと、鋼帯1aの表面に化成処理を施す前処
理設備13と、前処理が施された鋼帯1aに第一層を塗
布するロールコーター14と、第一層塗布後の鋼帯1a
を焼付け乾燥する第一の焼付け乾燥炉15Aと、第一層
の上面に第二層を塗布するグラビアコーター16と、第
二層塗布後の鋼帯1aを焼付け乾燥する第二の焼付け乾
燥炉15Bと、巻き取る鋼帯1aの長さを調節する第二
のルーパ12Bと、鋼帯1aの巻き取りローラ11B
と、から構成されている。
【0026】ここで、グラビアコーター16は、円周面
に丸型、四角型、六角型等のメッシュ形状を有するグラ
ビア版16aと、平滑な円周面を備えたオフセットロー
ル(アプリケーションロール)16bとから構成され、
グラビア版16aとオフセットロール16b、或いはグ
ラビア版16aと鋼帯1aとの周速度が略同一となるよ
うに設定されている。ここで、グラビア版16bは、銅
版をエッチングして製作されるのが一般的であり、メッ
シュ間隔は任意に設定できるが、相応の膜厚を得るため
には、1メッシュの直径はおおむね100〜1000μ
mの範囲に限定される。
【0027】上記構成の製造装置10において、まず、
巻き出しローラ11Aから巻き出され、第一のルーパ1
2Aを通過して搬送される鋼帯1aは、前処理設備13
において、基板としての鋼帯1aの表面にリン酸塩処
理、複合酸化膜処理、 クロメート処理等の化成処理が施
される。その後、鋼帯1aの一表面に、第一層である可
撓性プライマー2を、ロールコーター14を用いて均一
に塗布される。そして、可撓プライマー2が塗布された
鋼帯1aは、焼付け乾燥炉15Aで焼付け乾燥処理が施
される。ここで、ロールコーター14としては、ナチュ
ラルロールコーターやリバースロールコーター等がある
が、いずれを適用しても構わない。
【0028】次に、第一層である可撓性プライマー2の
さらに表面に、第二層である光触媒半導体材料と結合剤
との混合物3を、グラビアコーター16を用いて塗布さ
れる。ここで、グラビア版16aの円周面に供給された
混合物3は、メッシュ(図示しない)を介してオフセッ
トロール16bの円周面に転写され、そのオフセットロ
ール16bの円周面に付着した混合物3が鋼帯1aの上
面に塗布される。このため、メッシュを介して転写され
た混合物3は、鋼帯1aの上面に三次元ドット状に塗布
されるようになる。ここで、第二層として、直径100
〜1000μm、高さ0.3〜30μmの三次元ドット
形状をした混合物3が、被覆率50〜95%の範囲で塗
布される。
【0029】次いで、混合物3が塗布された鋼帯1a
は、焼付乾燥炉15Bで焼付け乾燥処理が施され、第二
のルーパ12Bを経て、巻き取りローラ11Bに巻き取
られる。その後、この鋼帯1aを、所定寸法に切断する
ことで光触媒塗装板100としての光触媒塗装鋼板が製
造される。
【0030】上記構成の光触媒塗装板100において、
光触媒性半導体材料を含む第二層を三次元ドット状に形
成することによって、基板1の曲げ加工時の歪みによる
第2層への影響が抑制されるため、第二層の断裂を確実
に抑制することが可能となる。よって、基板1の曲げ加
工部における外観不良を抑制することができる。また、
第二層を三次元ドット状に形成したことによって、光触
媒の反応面積を拡大することができ、汚染物質の分解、
抗菌、脱臭、防汚、 殺菌等の光触媒活性機能を向上させ
ることが可能となる。
【0031】さらに、三次元ドッド状をグラビアコータ
ー16によって形成するようにしたことによって、第二
層の塗布部 (ドット部)と、非塗布部との塗り分けが容
易且つ確実に行われるため、工業生産上効率よく光触媒
塗装板を製造することが可能となる。さらに、光触媒塗
装板100を単純な2層構造とすることで、通常のライ
ンでの適用が容易であるため、光触媒塗装板100の大
量生産が可能となり、安価で光触媒塗装板100を供給
することができる。
【0032】ここで、本実施の形態において、基板とし
て鋼板1を使用したが、これに限らず、アルミニウム板
等の金属板、ガラス、プラスチック、コンクリート等そ
の他の材料からなる基板を使用しても構わない。また、
混合物3の塗布直後に、ドットパターンの崩れ(レベリ
ング)を低減するため、この混合物3のコーティング液
の粘度を高めるとともに、塗布後の乾燥焼付け炉15B
のすぐ直前にグラビアコーター16を配置することが望
ましい。
【0033】次いで、上記方法を用いて製造した光触媒
塗装板100の実施例と、比較例における屈曲試験及び
光触媒反応能力試験の結果について表1に説明する。こ
こで、屈曲試験は、「JIS.K5400 8.1」に
基づき実施した。この時の心棒の直径は、2、3、4、
6mmφの4つの条件としている。また、光触媒反応能
力試験は、光触媒活性評価のため、NOX 除去試験を実
施した。このNOX 除去試験装置20として、図4に示
すように、まず、上面が石英ガラス21である容積3.
4Lの反応容器22の底に75mm×150mmの寸法
に調整された光触媒塗装板100を設置する。次いで、
空気中のNO、NO 2 をともに除去したガスで反応容器
21内を満たしたのち、その反応容器22を通過しない
ようにバルブ23を設定し、初期濃度0.83ppmの
NOガス25を流出した。続いて、バルブ23を切り換
え、反応容器22内に、NOガス25を0.8L/mi
nで導入し、反応容器22内を通過したガスのNO、N
2 濃度を、窒素酸化物濃度測定装置24(堀場製作所
(株)製APNA−360)を用いて測定した。
【0034】ここで、光触媒塗装板100のNOに対す
る吸着能力を調査するために、光がない状態でNOガス
25を20分間流出してガス濃度を一定とする。この
後、キセノンランプ26の光を反応容器22の直上から
照射し、さらに30分間NO、NO2 濃度を測定し、一
定となるガス濃度を求めた。実施例は、基板として、板
厚0.3mmの溶融亜鉛めっき鋼板1(SGH400−
Z27)にクロメート処理を施したものを使用した。ま
た、第一層として塗布する可撓プライマー2として、シ
リコーン系樹脂(オキツモ(株) 製エコーティオ695
0P)を粘度調節したものを使用した。さらに、第二層
として塗布する混合物3として、光触媒性半導体材料で
あるアナターゼ型酸化チタン (石原テクノ(株)製ST
−01)と、結合剤である純シリコーン樹脂(東芝シリ
コーン(株)TSR45)と、その他硬化触媒等とを混
合し、キシレンで粘度調節したものを使用した。
【0035】そして、溶融亜鉛めっき鋼板1の一面に、
ロールコーター14としてナチュラルコーターを用いて
可撓性プライマー2を乾燥膜厚5μmで塗布したのち、
160℃で10分間乾燥焼付け処理を施した。さらに、
この可撓プライマー2のさらに表面に、175メッシュ
/inchの四角メッシュパターンを有するグラビア版
を装着したグラビアコーター16としてグラビアオフセ
ットコーターを用いて、第二層をドット状に塗布したの
ち、180℃で20分間乾燥焼付け処理を施し、光触媒
塗装鋼板を完成させる。この光触媒塗装鋼板におけるド
ットサイズを測定した結果、被覆率80%、直径160
μm、高さ20μmであった。
【0036】ここで、比較例として、実施例と同様の鋼
板1の一表面に、第一層として同様の可撓性プライマー
2を実施例と同様に塗布し、焼付乾燥処理を行う。その
後、第一層の上面に、第二層として同様の光触媒性半導
体材料及び結合剤との混合物3を、ロールコーター14
であるナチュラルロールコーターを用いて、乾燥膜厚で
20μm塗布し、実施例と同様の焼付乾燥処理を行っ
た。
【0037】
【表1】
【0038】表1に示す屈曲試験結果より、実施例にお
ける光触媒塗布綱板は、すべての条件において塗膜の割
れ・はがれが見られず、優れた加工性を示していること
が分かる。一方、比較例における光触媒塗布綱板は、心
棒の直径2mmφ及び3mmφの条件において塗膜に割
れ・はがれが見られた。このため、美観的には不良と判
断された。
【0039】よって、第二層を三次元ドット状に形成し
たことによって、基板の曲げ加工による歪みによる第二
層への影響を抑制していることが確認できた。また、光
触媒活性評価結果より、実施例における光触媒塗布綱板
のNO除去率は3%であったのに対し、比較例における
光触媒塗布綱板のNO除去率は2.5%であったことが
わかる。
【0040】よって、第二層を三次元ドット状に形成し
たことによって、光触媒反応面積を拡大させていること
が確認できた。
【0041】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1〜請求項
4に記載の光触媒塗装板によれば、高い光触媒活性を保
持しつつ、基板の曲げ加工時の光触媒性半導体材料を含
む第二層の断裂及び層間剥離を確実に抑制することがで
きる。このため、曲げ加工を行っても、美しい表面形状
を保持することが可能となる。
【0042】また、請求項5に記載の光触媒塗装板の製
造方法によれば、光触媒性半導体材料を含む第二層の三
次元ドット状を容易且つ確実に形成することができるた
め、光触媒塗装板を工業生産上効率よく製造することが
可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における光触媒塗装板の断面図である。
【図2】本発明における光触媒塗装板の平面図である。
【図3】本発明における光触媒塗装板の製造工程を示す
配置図である。
【図4】NOX 除去試験装置を示す配置図である。
【符号の説明】
1 鋼板 1a 鋼帯 2 可撓性プライマー(第1層) 3 光触媒性半導体材料と結合剤との混合物(第2
層) 10 光触媒塗装板の製造装置 11A 巻き出しローラ 11B 巻き取りローラ 12A、12B ルーパ 13 前処理設備 14 ローラコーター 15A、15B 焼付け乾燥炉 16 グラビアコーター 16a グラビア版 16b オフセットロール 20 NOX 除去試験装置 21 石英ガラス 22 反応容器 23 バルブ 24 窒素酸化物濃度測定装置 25 NOガス 100 光触媒塗布板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B32B 27/18 B32B 27/18 Z (72)発明者 東藤 剛 東京都千代田区内幸町2丁目2番3号 川 崎製鉄株式会社内 (72)発明者 寺田 利坦 東京都千代田区内幸町2丁目2番3号 川 崎製鉄株式会社内 (72)発明者 中條 弘 兵庫県神戸市中央区北本町通1丁目1番28 号 川鉄建材株式会社内 (72)発明者 佐渡 英昭 東京都中央区日本橋室町3丁目1番9号 川鉄鋼板株式会社内 Fターム(参考) 4D075 AC07 AC25 CA45 DB02 DB11 DB39 DB54 DC10 EC02 EC60 4F100 AA17C AA21C AA27C AB03 AG002 AH06B AH06C AK17B AK17C AK52B AK52C AL05C AR00C AT00A BA03 BA07 BA10A BA10C CC00B EH462 EJ483 JC00 JL08C 4G069 AA03 AA08 AA11 BA04A BA05A BA22A BA22B BA48A BB04A BB06A BC12A BC22A BC25A BC35A BC50A BC60A BC66A CA10 CA17 DA06 EA02X EA02Y EA08 FA04 FB23

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板の少なくとも一表面に塗布された第
    一層の上面に、光触媒性半導体材料を含む第二層が、三
    次元ドット状に塗布されていることを特徴とする光触媒
    塗装板。
  2. 【請求項2】 前記第二層が、直径100〜1000μ
    m、高さ0.3〜30μmからなる複数の三次元ドット
    で、被覆率50〜95%となるように塗布されているこ
    とを特徴とする請求項1に記載の光触媒塗装板。
  3. 【請求項3】 前記第一層が、フッ素系樹脂、シリコー
    ン系樹脂、ケイ素化合物から選択される少なくとも一種
    からなることを特徴とする請求項1又は2に記載の光触
    媒塗装板。
  4. 【請求項4】 前記第二層が、TiO2 、ZrO2 、Z
    nO、SnO2 、SrTiO3 、WO3 、Bi2 3
    Fe2 3 から選択される少なくとも一種の前記光触媒
    性半導体材料と、フッ素系樹脂、シリコーン系樹脂、ケ
    イ素系化合物から選択される少なくとも一種の結合剤成
    分との混合物であることを特徴とする請求項1〜請求項
    3のいずれかに記載の光触媒塗装板。
  5. 【請求項5】 基板の少なくとも一表面に平板状に塗布
    され、焼付乾燥処理が施された第一層のさらに表面に、
    第二層をグラビアコーターを用いて三次元ドット状に塗
    布した後、焼付け乾燥処理を施すことを行うことを特徴
    とする光触媒塗装板の製造方法。
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