JP7225964B2 - 遮光部材及びカメラ - Google Patents
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Description
以下、図面を参照して本発明の各実施形態について説明する。
以下、第一実施形態に係る遮光部材及び遮光部材付きのカメラについて、図1から図6を用いて説明する。第一実施形態では、車両周辺の画像を取得するカメラ本体を車両に取り付けるための取付部材(以下、ブラケットという)が遮光部材として機能する場合について説明する。また、第一実施形態では、遮光部材付きカメラの一例として、カメラ本体が上述したブラケットに取り付けられた車載用のカメラについて説明する。第一実施形態において、ブラケットが取り付けられたカメラ本体を「カメラ」という。
図1及び図2は、第一実施形態に係るカメラ10の一構成例を説明するための図である。図1は、カメラ10の前方から見た外観斜視図である。図2は、第一実施形態に係るカメラ10が取り付けられた車両の一構成例を説明するための図である。
以下、カメラ本体100及びブラケット200の各構成について、図1及び図2を参照しつつ図3から図5を用いて詳細に説明する。
図3(A)及び図3(B)、並びに図4(A)及び図4(B)は、第一実施形態に係るカメラ本体100の一構成例を説明するための斜視図である。図3(A)はカメラ本体100の前方から見た外観斜視図であり、図3(B)はカメラ本体100の後方から見た外観斜視図である。図4(A)はカメラ本体100の前方から見た分解斜視図、図4(B)はカメラ本体100の後方から見た分解斜視図である。
本実施形態では、レンズ130が露出するカメラ本体100の一面を正面とし、カメラ本体100の正面と反対側の面を背面として説明する。
以下、カメラ本体100の各部について説明する。
カメラ本体100は、ケースとしてリアケース110及びフロントケース120を備えている。
リアケース110は、カメラ本体100の図3(A)における背面側のケースである。リアケース110は、取付部112を有している。取付部112には、カメラ本体100に電力を供給し、またカメラ本体100で撮影した画像(映像)を車両に取り付けられた制御装置(例えばカーナビゲーションシステム)に対して送信するためのケーブル(不図示)が取り付けられる。リアケース110は、取付部112の側に、ケーブルをネジ止めにより固定するための固定部113a,113bを有している。
リアケース110は、フロントケース120と当接する当接部111を有している。当接部111は、例えば断面L字形状に形成されており、フロントケース120と嵌め合わせるための突出部を有する形状に形成されている。当接部111の当接面111aは、フロントケース120と接合されている。
以下、リアケース110が光透過性の材料で形成され、フロントケース120が光吸収性の材料で形成された場合について説明する。
光吸収性の材料としては、例えばポリアミド(PA)樹脂、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS)樹脂、ポリカーボネート(PC)樹脂、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂、ポリプロピレン(PP)樹脂、ポリアセタール(POM)、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)樹脂、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂等を基材とし、例えば必用に応じこれに粉末状の炭素材料等を添加し、光を吸収する特性を持たせたものが挙げられる。
レンズ130は、フロントケース120に配置されており、撮像対象からの光をカメラ本体100内に取り込み撮像素子160上に結像させる機能を有する。レンズ130は、例えば複数枚のレンズで構成されたレンズユニットであっても良い。レンズ130は、フロントケース120の鏡筒121内に配置されている。レンズ130は、開口120aからカメラ本体100の外部に露出し、カメラ本体100の前面側にレンズ面130aを向けて配置される。レンズ面130aは、光の入射面となる。レンズ130のレンズ面130aと反対側の面(背面)は、光の出射面となる。レンズ130の背面には、映し出すべき画とは違う光が画像に現れる原因となることから撮像素子160において不要な光となる赤外光の透過を制限するための赤外線カットフィルタ140が設けられている。
撮像素子160は、リアケース110とフロントケース120とで形成された収納空間Sに配置される。撮像素子160は、レンズ130側の表面(撮像面)に受光素子を有しており、レンズ130から入射した光を受光して電気信号に変換する。撮像素子160としては、例えばCCD(Charge Coupled Device:電荷結合素子)イメージセンサやCMOS(Complementary MOS:相補性金属酸化膜半導体)イメージセンサ、又はその他の固体撮像素子イメージセンサが用いられる。
回路基板150は、撮像素子160及び電源モジュール170、並びに各電子部品が電気的に接続されて構成されている。回路基板150のレンズ130側の面には、撮像素子160が接続されている。また、回路基板150のレンズ130と反対側の面には、電源モジュール170及び各電子部品が接続されている。回路基板150は、リアケース110の取付部112に取り付けられたケーブルの接続端子と電気的に接続される。電源モジュール170は、ケーブルを介して供給される電力を制御し、撮像素子160を駆動する。
フロントケース120の支持部124と回路基板150との間には、接続層が備えられる。接続層は、接着剤が固化して形成され、支持部124と回路基板150とを接着する。
以下、ブラケット200の機能について図5を用いて説明する。
図5は撮像素子160の分光感度特性の一例を示すグラフである。なお、図5において、点線で示す特性は青色光(B)の分光感度特性、一点鎖線で示す特性は緑色光(G)の分光感度特性、二点鎖線で示す特性は赤色光(R)の分光感度特性である。
図5に示すように、撮像素子160は、可視光の範囲の波長(400nmから750nm程度)のみでなく、可視外光の範囲の波長(750nm超)に対しても感度を有している。このため、カメラ10の動作時にレンズ130以外から入射した光(自然光)が撮像素子160に入光すると、この光が撮像素子160によって捉えられてしまう。この光は、出力画像に例えば被写体の画像の上に不定形の光の筋等のノイズとして現れる。これにより被写体の認識精度は低下してしまう。
以下、ブラケット200の構成について詳細に説明する。
なお、図6(A)に示すブラケット200の正面は車両300の周辺を向く方向であり、図6(E)に示すブラケット200の背面は車両300の方向である。
上述したカメラ本体100は、カメラ挿入部210に挿入されてブラケット200に取り付けられる。ブラケット200は、取付部230a及び230bにより車両300の車体310に取り付けられる。
遮光層を有するブラケット200は、例えば、樹脂材料を用いて形成された成形体の外表面及び内表面の少なくとも一方に、遮光層が形成された構成であっても良い。遮光層としては、光(自然光)を反射する反射層又は外光を吸収する光吸収層の少なくとも一方が挙げられる。反射層は、例えば金属材料で形成された金属層である。光吸収層は、例えば炭素材料を含む樹脂層である。
また、金属材料としては、光を遮り、樹脂材料の表面にめっき又はスパッタ等により金属膜を形成可能であればどのような材料であっても良い。
以下、ブラケット200の各部の構成について説明する。
カメラ挿入部210は、ブラケット200の正面側に設けられ、ブラケット200の正面側に開口を有する中空柱形状を有している。カメラ挿入部210は、カメラ本体100のリアケース110を覆う形状を有している。カメラ挿入部210は、カメラ本体100の外形に沿った形状であればよい。本実施形態では、中空四角柱形状のカメラ挿入部210を一例として示している。
鍔部220は、カメラ挿入部210と交差する方向にはみだすように張り出して形成されている。鍔部220は、ブラケット200が車体310に取り付けられた際に、車体310の表面に当接する。
取付部230a,230bは、ブラケット200を車両300の車体310に取り付けるために設けられている。取付部230a,230bは、鍔部220からブラケット200の後方に向けて突出した突出部232a,232bをそれぞれ有している。また、取付部230a,230bは、突出部232a,232bの外側面に設けられた係合部234a,234bをそれぞれ有している。
係合部234a,234bは、突出部232a,232bが開口に挿入された際に広がり、車体310の背面側(車両300の内部側)で開口12の外周方向にはみ出して車体310引っ掛かるように形成されている。このような係合部234a,234bを有することにより、ブラケット200が車体310に取り付け可能となる。
なお、取付部は二つに限られたものではなく、三つ以上形成されていても良い。また、取付部は、車体310に取り付け可能であれば一つであっても良い。
壁部240は、挿入口210a内において、カメラ挿入部210の挿入口210aの空間を正面側と背面側に区画するように設けられている。壁部240は、カメラ本体100がカメラ挿入部210に挿入された場合に、カメラ本体100の背面と対向する位置に設けられている。
壁部240は、例えば、壁部240の中央部に設けられた開口242と、開口242の周辺に形成されたネジ孔244a,244b及び孔部246a,246bを有している。
ネジ孔244a,244bは、カメラ本体100とブラケット200とを固定するネジを挿入するための孔である。
孔部246a,246bは、カメラ本体100の位置合わせを行うための孔である。孔部246a,246bは、カメラ本体100の背面に設けられた突出部114a,114bがそれぞれ嵌め合わせ可能に形成される。
第一実施形態に係るカメラ10は、以下の効果を有する。
(1)リアケース110及びフロントケース120をレーザ溶着等により容易に接合することを可能としつつ、光透過性のケースを覆い光を遮るブラケット200を配置したため、外光がカメラ本体100に入光することを防止し、出力画像のノイズを防止することができる。
(2)カメラ本体100は、フロントケース120とリアケース110との当接面の全面がレーザ溶着等により接合されるため、カメラ本体100内部の高い気密性を保つことができる。
(3)カメラ本体100は、リアケース110及びフロントケース120をレーザ溶着等により接合するため、ネジや接着剤等を用いる必要がなく、低コスト化が可能である。
以下、本発明の第二実施形態について、図1から図6を参照しつつ、図7(A)及び図7(B)を用いて説明する。図7(A)は、第二実施形態に係るカメラ20の構成を示す分解斜視図である。図7(B)は、カメラ20がブラケット200Aに取り付けられた状態を示す断面図である。
第二実施形態に係るカメラ20は、カメラ本体100とブラケット200Aとの間に配置される光を遮る遮光ケース400を有し、遮光ケース400が遮光部材として機能する点で第一実施形態に係るカメラ10と相違する。なお、本実施形態のブラケット200Aは、第一実施形態に係るブラケット200と異なり、遮光機能の有無は問わない。
カメラ20は、カメラ本体100と遮光ケース400とを有する。ここで、カメラ本体100は第一実施形態に係るカメラ10のカメラ本体100と同様の構成であるため、説明を省略する。
図7(A)及び図7(B)に示すように、遮光ケース400は、カメラ本体100を後方から覆う形状を有している。すなわち、遮光ケース400は、カメラ本体100のうち、光透過性材料で形成されたリアケース110を覆っている。図7(B)に示すように、遮光ケース400が取り付けられたカメラ本体100は、ブラケット200Aに挿入される。カメラ本体100とブラケット200Aとは、遮光ケース400を介して取り付けられる。
図7(A)に示すように、後壁部420は、リアケース110のケーブル取付部112と対向する位置に開口422を有している。また、遮光ケース400は、開口422の周辺に形成された孔部424a,424bを有している。孔部424a,424bは、カメラ本体100の背面に設けられた突出部114a,114bがそれぞれ嵌め合わせ可能に形成される。
この場合、遮光ケース400は、例えば、樹脂材料を用いた射出成形により形成されたブラケット前駆体の外側面又は内側面に、遮光層を形成することにより得られる。遮光層としては、光(自然光)を反射する反射層又は外光を吸収する光吸収層の少なくとも一方が挙げられる。反射層は、例えば金属材料で形成された金属層である。光吸収層は、例えば炭素材料を含む樹脂層である。
また、金属材料としては、光を遮り、樹脂材料の表面にめっき又はスパッタ等により金属膜を形成可能であればどのような材料であっても良い。
なお、遮光部材として遮光ケース400を用いる場合、ブラケット200Aの遮光機能の有無は問わない。
第二実施形態に係るカメラ20は、第一実施形態における効果(1)~(3)に加えて、以下の効果を有する。
(4)カメラ20では、遮光ケース400が光透過性の材料で形成されたリアケース110を覆っている。このため、遮光ケース400により外光がカメラ本体100に入光することを防止し、出力画像のノイズを防止することができる。
(5)カメラ20では、遮光部材として遮光ケース400を有するため、ブラケット200Aは遮光機能を有していても良く、遮光機能を有していなくても構わない。このため、遮光ケース400を有するカメラ20は、遮光機能を有さない従来のブラケットと組み合わせて使用されることも可能となり、高い汎用性を有する。
遮光部材の一例として、第一実施形態ではブラケット200を、第二実施形態では遮光ケース400を説明したが、遮光部材はこれらに限られない。例えば、遮光部材は、カメラが取り付けられる車両の車体の一部であっても良い。
例えば、図2に示す車両300の車体310の一部が、カメラ本体100が挿入されたブラケットを覆う形状に形成されることで、遮光部材として機能しても良い。この場合、ブラケットの遮光機能の有無は問わない。
100 カメラ本体
110 リアケース
111 当接部
111a 当接面
112 ケーブル取付部
113a,113b 固定部
120 フロントケース
120a 開口
121 鏡筒
122 当接部
122a 当接面
123 溝部
124,125 支持部
130 レンズ
130a レンズ面
140 フィルタ
150 回路基板
160 撮像素子
200,200A ブラケット
210 カメラ挿入部
220 鍔部
230a及び230b 取付部
240 壁部
300 車両
310 車体
400 遮光ケース
Claims (6)
- 光透過性材料で形成された第一のケース、
前記第一のケースに接合されて該第一のケースとともに収納空間を形成する、光吸収性材料又は光反射性材料で形成された第二のケース、
前記第二のケースに配置されたレンズ、及び
前記収納空間に配置され、前記レンズから入射した光を受光する撮像素子、
を有するカメラ本体と、
前記第一のケースの全体を覆うように形成された光を遮る遮光部材と、
を備え、
前記第一のケースと前記第二のケースとがレーザ溶着されている
カメラ。 - 前記遮光部材は、光吸収性材料で形成されるか、又は樹脂材料を用いて形成された成形体の外表面及び内表面の少なくとも一方の全面に遮光層が形成されている
請求項1に記載のカメラ。 - 前記遮光部材は、
正面側に開口を有し、前記カメラ本体が挿入可能に形成されたカメラ挿入部と、
前記カメラ挿入部と交差する方向にはみだすように張り出して形成された鍔部と、
前記鍔部から後方に向けて突出した突出部、及び前記突出部の外側面に設けられた係合部を有する取付部と、
を備える
請求項1又は2に記載のカメラ。 - 前記遮光部材は、前記カメラ本体と、前記カメラ本体を車両に取り付けるための取付部材との間に配置される遮光ケースである
請求項1又は2に記載のカメラ。 - 前記遮光部材は、前記カメラ本体が取り付けられる車両の車体の一部である
請求項1又は2のいずれか一つに記載のカメラ。 - 光透過性材料で形成された第一のケースと、前記第一のケースにレーザ溶着されて該第一のケースとともに収納空間を形成する、光吸収性材料又は光反射性材料で形成された第二のケースと、前記第二のケースに配置されたレンズと、前記収納空間に配置され前記レンズから入射した光を受光する撮像素子とを有するカメラ本体の、前記第一のケースの全体を覆うように形成された遮光部材。
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