JP7224103B2 - 研磨材及び研磨材の製造方法 - Google Patents

研磨材及び研磨材の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、研磨材及び研磨材の製造方法に関する。
従来から、研磨材の一種として、不織布等の基材に樹脂を介して砥粒を付着させて研磨材が利用されている。例えば、特許文献1には、バインダー樹脂で砥粒を担持した研磨シートを用いた研磨工具が記載されている。
特開平9-201232号公報
上述のような研磨材には、使用時の砥粒の脱落等による研磨性能の劣化が抑制され、長期間使用した場合でも高い研磨性能が維持されることが求められている。
本発明の目的は、研磨性能が劣化し難く、優れた研磨性能を長期間維持できる研磨材及びその製造方法を提供することにある。
本発明の一側面は、基材と、ベンゼン環及び当該ベンゼン環に直接結合する2つ以上のヒドロキシ基を有する表面処理剤で表面処理された砥粒と、基材と砥粒とを結合する結合剤と、を含む、研磨材に関する。
一態様において、表面処理剤はカテコール基を有していてよい。
一態様において、基材は不織布基材であってよい。
本発明の他の一側面は、ベンゼン環及び当該ベンゼン環に直接結合する2つ以上のヒドロキシ基を有する表面処理剤と砥粒とを溶剤中で混合して砥粒を表面処理し、表面処理済み砥粒を含有する処理液を得る表面処理工程と、処理液にバインダー樹脂を添加して、表面処理済み砥粒及びバインダー樹脂を含有する塗布液を得る添加工程と、塗布液を基材に塗布して、基材と基材に付着した表面処理済み砥粒とを含有する研磨材を得る塗布工程と、を備える、研磨材の製造方法に関する。
一態様において、表面処理剤はカテコール基を有していてよい。
一態様において、基材は不織布基材であってよい。
本発明によれば、研磨性能が劣化し難く、優れた研磨性能を長期間維持できる研磨材及びその製造方法が提供される。
研磨材の一形態を示す斜視図である。 図1に示す研磨材の一部分を表す拡大図である。 研磨材の他の一形態を示す斜視図である。
以下、図面を参照しつつ、本発明の好適な実施形態について説明する。なお、図面の説明において同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。また、図面は理解を容易にするため一部を誇張して描いており、寸法比率等は図面に記載のものに限定されるものではない。
<研磨材>
本実施形態に係る研磨材は、基材と、ベンゼン環及び当該ベンゼン環に直接結合する2つ以上のヒドロキシ基を有する表面処理剤で表面処理された砥粒と、基材と砥粒とを結合する結合剤と、を含む。
本実施形態に係る研磨材によれば,研磨性能が劣化し難く、優れた研磨性能を長期間維持できる研磨材を容易に製造できる。本実施形態に係る研磨材は、研磨材中の砥粒が所定の表面処理剤で表面処理したものであるため、結合剤によって基材に対して強固に結合され、使用時の砥粒の脱落が抑制される。
基材は、特に限定されず、結合剤によって砥粒を付着できる基材であればよい。基材としては、例えば、不織布基材、紙基材、フィルム基材、クロス基材、スクリム基材等が挙げられる。
砥粒の種類及び形状は、研磨材の用途に応じて適宜選択してよい。表面処理剤による表面処理が容易である観点からは、砥粒の材質は、無機材料であることが好ましく、金属酸化物であることがより好ましい。砥粒の具体例としては、アルミナ粉末、酸化クロム粉末等が挙げられる。
砥粒の平均粒径は、例えば0.1μm以上であってよく、好ましくは1μm以上である。また、砥粒の平均粒径は、例えば1000μm以下であってよく、好ましくは800μm以下である。なお、本明細書中、砥粒の平均粒径は、JIS R 6003(1998)に準拠して測定される値を示す。
表面処理剤は、ベンゼン環及び当該ベンゼン環に直接結合する2つ以上のヒドロキシ基を有している。表面処理剤は、例えば、カテコール基を有するものであってよい。また、表面処理剤は、カテコール基に変換可能な基(例えば、1,2-メトキシベンゼン、1,2-ベンゾキノン等)を有していてよく、この場合、当該基は、表面処理時にカテコール基に変換される。なお、カテコール基は、ベンゼン環と、当該ベンゼン環上の隣接2つの炭素原子にそれぞれ直接結合した2つのヒドロキシ基と、を有する基を示す。カテコール基において、ベンゼン環には上記ヒドロキシ基以外の基が更に結合していてよい。例えば、カテコール基は、ベンゼン環上の隣接する3つの炭素原子にそれぞれ直接結合した3つのヒドロキシ基を有する基であってよく、このような基はピロガロール基ということもできる。
表面処理剤は、ベンゼン環に直接結合する2つのヒドロキシ基で砥粒表面と結合される。特に、カテコール基は、ヒドロキシ基がベンゼン環上で隣接しているため、砥粒表面とより強固に結合される。
表面処理剤は重合してポリマーを形成してもよい。この場合、砥粒表面が表面処理剤のポリマーにより修飾される。この態様では、ポリマーによって砥粒とバインダー樹脂(又はその硬化物)とがより強固に接着され、砥粒の脱落が顕著に抑制される。
カテコール基を有する表面処理剤としては、例えば、下記式(1)で表される化合物が挙げられる。
Figure 0007224103000001
式中、R、R、R及びRはそれぞれ独立に1価の基を示し、R及びR、R及びR並びにR及びRは、それぞれ互いに結合して環を形成していてもよい。R、R、R及びRの1価の基としては、例えばハロゲン原子、アルキル基、アリール基、ヒドロキシ基、カルボニル基、エステル基等が挙げられる。
ピロガロール基を有する表面処理剤としては、例えば、下記式(2)で表される化合物が挙げられる。
Figure 0007224103000002
式中、R、R及びRはそれぞれ独立に1価の基を示し、R及びR並びにR及びRは、それぞれ互いに結合して環を形成していてもよい。R、R及びRの1価の基としては、例えばハロゲン原子、アルキル基、アリール基、ヒドロキシ基、カルボニル基、エステル基等が挙げられる。
カテコール基を有する表面処理剤としては、例えば、カテコール、ドーパミン、4-フルオロカテコール(4-Fluorocatechol)、4-メチルカテコール(4-Methylcatechol)、4-クロロカテコール(4-Chlorocatechol)、4-ブロモカテコール(4-Bromocatechol)、1,2-ジヒドロキシナフタレン(1,2-Dihydroxynaphthalene)、2,3-ジヒドロキシナフタレン(2,3-Dihydroxynaphthalene)、1,2,4-トリヒドロキシベンゼン(1,2,4-Trihydroxybenzene)、3-メトキシカテコール(3-Methoxycatechol)、3,4-ジヒドロキシベンズアルデヒド(3,4-Dihydroxybenzaldehyde)、4-tert-ブチルピロカテコール(4-tert-Butylpyrocatechol)、3,4-ジヒドロキシベンゾニトリル(3,4-Dihydroxybenzonitrile)、2,3-ジヒドロキシベンズアルデヒド(2,3-Dihydroxybenzaldehyde)、3’,4’-ジヒドロキシアセトフェノン(3’,4’-Dihydroxyacetophenone)、3,4-ジヒドロキシベンジルアルコール(3,4-Dihydroxybenzyl Alcohol)、3,4-ジヒドロキシベンゾフェノン(3,4-Dihydroxybenzophenone)、4-ニトロカテコール(4-Nitrocatechol)、ノルジヒドログアイアレチン酸(Nordihydroguaiaretic Acid)、3,4-ジヒドロキシ安息香酸メチル(Methyl 3,4-Dihydroxybenzoate)、4-アリルピロカテコール(4-Allylpyrocatechol)、6,7-ジヒドロキシナフタレン-2-スルホン酸ナトリウム(Sodium 6,7-Dihydroxynaphthalene-2-sulfonate)、3,5-ジ-tert-ブチルカテコール(3,5-Di-tert-butylcatechol)、2-(3,4-ジヒドロキシフェニル)エチルアルコール(2-(3,4-Dihydroxyphenyl)ethyl Alcohol)、3,4-ジヒドロキシ安息香酸(3,4-Dihydroxybenzoic Acid)、タイロン1水和物(Tiron Monohydrate)、ピロガロール(pyrogallol)、タンニン酸(Tannic Acid)、没食子酸(Gallic Acid)、5-メチルピロガロール(5-Methylpyrogallol)、2,3,6,7,10,11-ヘキサヒドロキシトリフェニレン(2,3,6,7,10,11-Hexahydroxytriphenylene)、ヘキサヒドロキシベンゼン(Hexahydroxybenzene)、3,4,5-トリヒドロキシベンズアルデヒド(3,4,5-Trihydroxybenzaldehyde)、2,3,4-トリヒドロキシベンズアルデヒド(2,3,4-Trihydroxybenzaldehyde)、2,3,4,4’-テトラヒドロキシジフェニルメタン(2,3,4,4’-Tetrahydroxydiphenylmethane)等が挙げられる。
なお、上記のうち、ピロガロール(pyrogallol)、タンニン酸(Tannic Acid)、没食子酸(Gallic Acid)、5-メチルピロガロール(5-Methylpyrogallol)、2,3,6,7,10,11-ヘキサヒドロキシトリフェニレン(2,3,6,7,10,11-Hexahydroxytriphenylene)、ヘキサヒドロキシベンゼン(Hexahydroxybenzene)、3,4,5-トリヒドロキシベンズアルデヒド(3,4,5-Trihydroxybenzaldehyde)、2,3,4-トリヒドロキシベンズアルデヒド(2,3,4-Trihydroxybenzaldehyde)、及び、2,3,4,4’-テトラヒドロキシジフェニルメタン(2,3,4,4’-Tetrahydroxydiphenylmethane)は、ピロガロール基を有する表面処理剤ということもできる。
表面処理剤の使用量は、砥粒表面の表面処理が十分に進行する量であればよい。表面処理剤の使用量は、例えば、砥粒100質量部に対して0.1質量部以上であってよく、好ましくは0.3質量部以上、より好ましくは0.5質量部以上である。また、表面処理剤の使用量は、例えば、砥粒100質量部に対して、10質量部以下であってよく、好ましくは5質量部以下、より好ましくは3質量部以下である。
結合剤は、基材と砥粒とを結合する成分である。結合剤は、例えば、バインダー樹脂又はその硬化物を含有していてよい。バインダー樹脂としては、例えば、フェノール樹脂、ウレタン樹脂、尿素樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。
結合剤の含有量は、例えば、砥粒100質量部に対して5質量部以上であってよく、好ましくは10質量部以上である。また、結合剤の含有量は、例えば、砥粒100質量部に対して、200質量部以下であってよく、好ましくは150質量部以下である。
本実施形態に係る研磨材は、例えば、表面処理済み砥粒とバインダー樹脂とを含有する塗布液を基材に塗布し、塗布液を乾燥及び/又は硬化させて形成してよい。また、本実施形態に係る研磨材は、後述の研磨材の製造方法により製造されたものであってもよい。
<研磨材の製造方法>
本実施形態に係る研磨材の製造方法は、ベンゼン環及び当該ベンゼン環に直接結合する2つ以上のヒドロキシ基を有する表面処理剤と砥粒とを溶剤中で混合して砥粒を表面処理し、表面処理済み砥粒を含有する処理液を得る表面処理工程と、処理液にバインダー樹脂を添加して、表面処理済み砥粒及びバインダー樹脂を含有する塗布液を得る添加工程と、塗布液を基材に塗布して、基材と基材に付着した表面処理済み砥粒とを含有する研磨材を得る塗布工程と、を備える。
本実施形態に係る製造方法によれば、研磨性能が劣化し難く、優れた研磨性能を長期間維持できる研磨材を容易に製造できる。本実施形態に係る製造方法により得られる研磨材は、研磨材中の砥粒が所定の表面処理剤で表面処理したものであるため、使用時の砥粒の脱落が抑制される。また、本実施形態に係る製造方法では、表面処理工程後の砥粒を溶剤中から取り出さず、溶剤中にバインダー樹脂を添加している。これにより、表面処理済み砥粒の凝集が抑制され、研磨性能に優れた研磨材が得られる。
以下、本実施形態に係る製造方法の各工程について詳述する。
(表面処理工程)
表面処理工程は、上記表面処理剤と砥粒とを溶剤(以下、表面処理用溶剤ともいう。)中で混合して、砥粒を表面処理する工程である。表面処理工程により、表面処理済み砥粒を含有する処理液が得られる。
砥粒の種類及び形状は研磨材の用途等に応じて適宜選択してよい。表面処理剤による表面処理が容易である観点からは、砥粒の材質は、無機材料であることが好ましく、金属酸化物であることがより好ましい。砥粒の具体例としては、アルミナ粉末、酸化クロム粉末等が挙げられる。
砥粒の平均粒径は、例えば0.1μm以上であってよく、好ましくは1μm以上である。また、砥粒の平均粒径は、例えば1000μm以下であってよく、好ましくは800μm以下である。なお、本明細書中、砥粒の平均粒径は、JIS R 6003(1998)に準拠して測定される値を示す。
表面処理剤は、ベンゼン環及び当該ベンゼン環に直接結合する2つ以上のヒドロキシ基を有している。表面処理剤は、例えば、カテコール基を有するものであってよい。また、表面処理剤は、カテコール基に変換可能な基(例えば、1,2-メトキシベンゼン、1,2-ベンゾキノン等)を有していてよく、この場合、当該基は、表面処理時にカテコール基に変換される。なお、カテコール基は、ベンゼン環と、当該ベンゼン環上の隣接2つの炭素原子にそれぞれ直接結合した2つのヒドロキシ基と、を有する基を示す。カテコール基において、ベンゼン環には上記ヒドロキシ基以外の基が更に結合していてよい。例えば、カテコール基は、ベンゼン環上の隣接する3つの炭素原子にそれぞれ直接結合した3つのヒドロキシ基を有する基であってよく、このような基はピロガロール基ということもできる。カテコール基を有する表面処理剤としては上記と同じものが例示できる。
表面処理剤は、ベンゼン環に直接結合する2つのヒドロキシ基で砥粒表面と結合される。特に、カテコール基は、ヒドロキシ基がベンゼン環上で隣接しているため、砥粒表面とより強固に結合される。
表面処理剤は重合してポリマーを形成してもよい。この場合、砥粒表面が表面処理剤のポリマーにより修飾される。この態様では、ポリマーによって砥粒とバインダー樹脂(又はその硬化物)とがより強固に接着され、砥粒の脱落が顕著に抑制される。
なお、表面処理工程後の砥粒を溶剤中から取り出して乾燥させると、表面処理済み砥粒の凝集が顕著に生じる傾向がある。
表面処理剤の使用量は、砥粒表面の表面処理が十分に進行する量であればよい。表面処理剤の使用量は、例えば、砥粒100質量部に対して0.1質量部以上であってよく、好ましくは0.3質量部以上、より好ましくは0.5質量部以上である。表面処理剤の量を多くすることで、砥粒表面の表面処理がより速やかに進行し、上述の効果がより顕著に奏される。また、表面処理剤の使用量は、例えば、砥粒100質量部に対して、10質量部以下であってよく、好ましくは5質量部以下、より好ましくは3質量部以下である。
表面処理用溶剤は特に限定されず、表面処理剤を溶解可能であり、且つ、その溶剤中で表面処理の反応が進行する溶剤あればよい。表面処理用溶剤としては、例えば、1-メトキシ-2-プロパノール、イソプロパノール、水等を好適に使用できる。表面処理用溶剤は一種を単独で用いてよく、二種以上を混合して用いてもよい。
表面処理用溶剤の量は特に限定されず、表面処理の反応が十分に進行する濃度となる量であればよい。
表面処理工程では、表面処理用溶剤及び砥粒の混合液に表面処理剤を添加してよく、表面処理用溶剤及び表面処理剤の混合液に砥粒を添加してもよく、表面処理剤及び砥粒を同時に表面処理用溶剤中に添加してもよい。また、表面処理工程では、表面処理剤及び砥粒を表面処理用溶剤中に添加した後、系中を撹拌して表面処理を行ってよく、静置した状態で表面処理を行ってもよい。
表面処理工程の温度は特に限定されず、表面処理の反応が十分に進行する温度であればよい。表面処理時の温度は、例えば、室温以上であってよく、60℃以上であってよく、80℃以上であってもよく、100℃以下であってよく、95℃以下であってもよい。
表面処理工程の表面処理時間は特に限定されず、表面処理の反応が十分に進行する時間であればよい。表面処理時間は、例えば、1時間以上であってよく、10時間以上であってもよく、72時間以下であってよく、64時間以下であってもよい。
表面処理工程では、表面処理済み砥粒を含有する処理液が得られる。ここで、処理液から溶剤を完全に除去する、又は、処理液から表面処理済み砥粒を取り出すと、表面処理済み砥粒が凝集して、研磨性能にムラが生じたり、砥粒の脱離が生じやすくなったり、塗布液の調製が困難となったりする場合がある。本実施形態に係る製造方法では、表面処理済み砥粒を含有する処理液の状態で添加工程に供することにより、上述の優れた効果が奏される。
処理液は、通常、表面処理用溶剤の少なくとも一部を含む。表面処理後の混合液そのものであってよく、表面処理後の混合液から表面処理用溶剤の一部が除去されたものであってもよい。また、処理液は、表面処理後の混合液に他の溶剤を更に添加してものであってもよい。他の溶剤は、表面処理用溶剤と同種の溶剤であってよく、異種の溶剤であってもよい。他の溶剤としては、例えば、後述する塗布用溶剤が挙げられる。
処理液は、表面処理済み砥粒100質量部に対して、溶剤を10質量部以上含有することが好ましく、20質量部以上含有することがより好ましい。これにより、表面処理済み砥粒の凝集が顕著に抑制される。
(添加工程)
添加工程は、表面処理工程で得られた処理液にバインダー樹脂を添加して、表面処理済み砥粒及びバインダー樹脂を含有する塗布液を得る工程である。
バインダー樹脂は、後述する塗布工程を経て、基材と表面処理済み砥粒とを結合できる樹脂材料であればよい。例えば、バインダー樹脂は、熱硬化性を有していてよく、硬化により基材と表面処理済み砥粒とを結合できる樹脂材料であってよい。
バインダー樹脂としては、例えば、フェノール樹脂、ウレタン樹脂、尿素樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。
バインダー樹脂の添加量は、後述する塗布工程を経て、基材と表面処理済み砥粒とを結合できる量であればよい。バインダー樹脂の添加量は、例えば、表面処理前の砥粒100質量部に対して5質量部以上であってよく、好ましくは10質量部以上である。また、バインダー樹脂の添加量は、例えば、表面処理前の砥粒100質量部に対して200質量部以下であってよく、好ましくは150質量部以下である。
バインダー樹脂の量(R)に対する砥粒(M)の比(M/R)は、例えば0.5以上であることが好ましく、0.75以上であることがより好ましい。これにより、研磨力がより向上する傾向がある。また、比(M/R)は、例えば20以下であることが好ましく、10以下であることがより好ましい。これにより、砥粒の脱落がより顕著に抑制される。
添加工程では、処理液にバインダー樹脂以外の成分を添加してもよい。例えば、添加工程では、塗布用溶剤を更に添加してもよい。塗布用溶剤は、バインダー樹脂を溶解可能であり、且つ、塗布工程における塗布後に基材上から除去可能な溶剤であればよい。塗布用溶剤としては、例えば、1-メトキシ-2-プロパノール、イソプロパノール等が挙げられる。
塗布工程で得られる塗布液は、溶剤として、表面処理用溶剤及び塗布用溶剤からなる群より選択される少なくとも一種を含有している。塗布液に塗布用溶剤が添加されている場合、表面処理用溶剤は塗布液中に含まれていてよく、塗布液中から除去されていてもよい。
塗布液の粘度は特に限定されず、後述の塗布工程で採用する塗布方法に応じて適宜変更してよい。
塗布液の固形分濃度は特に限定されず、後述の塗布方法で採用する塗布方法、及び、研磨材に求められる固形分の付着量に応じて適宜変更してよい。例えば、後述の塗布工程でスプレー塗布液の固形分濃度は50質量%以上であることが好ましい。
(塗布工程)
塗布工程は、塗布液を基材に塗布して、研磨材を得る工程である。塗布工程により、基材と、基材に付着した表面処理済み砥粒と、を含有する研磨材が得られる。
基材は特に限定されず、バインダー樹脂によって砥粒を付着できる基材であればよい。基材としては、例えば、不織布基材、紙基材、フィルム基材、クロス基材、スクリム基材等が挙げられる。
塗布液の塗布方法は特に限定されず、塗布液を基材に均一に塗布できる方法であればよい。塗布方法としては、例えば、スプレー塗布、浸漬法等が挙げられる。
塗布液の塗布量は、研磨材の用途等に応じて適宜変更してよい。例えば、塗布液の塗布量は、例えば、基材表面の単位面積当たりに対する砥粒(表面処理前の砥粒基準)の量が、0.01g/cm以上となる塗布量が好ましく、0.05g/cm以上となる塗布量がより好ましく、1.0g/cm以下となる塗布量が好ましく、0.5g/cm以下となる塗布量がより好ましい。
塗布工程では、塗布液を基材に塗布した後、溶剤を除去してよい。本実施形態では、例えば、加熱及び/又は減圧によって溶剤を揮発させて除去してよい。また、塗布工程では、塗布液を基材に塗布した後、バインダー樹脂を硬化してよい。本実施形態では、例えば、加熱及び/又は光照射によってバインダー樹脂を硬化させてよい。溶剤の除去及びバインダー樹脂の硬化は別途実施してよく、同時に実施してもよい。
本実施形態に係る製造方法によれば、基材と、基材に付着した表面処理済み砥粒と、基材と表面処理済み砥粒とを結合する結合剤と、を含有する研磨材が得られる。ここで、結合剤は、バインダー樹脂又はその硬化物を含有し、基材上で砥粒を強固に保持している。本実施形態では、表面処理済み砥粒が分散性よく基材上に付着しているため、優れた研磨性能を有する。また、本実施形態の研磨材では、砥粒が表面処理されていることで、結合剤と砥粒との接着性が良好となり、砥粒の脱落が抑制され、優れた研磨性能を長期間維持できる。
以下、図面を参照して、本実施形態に係る製造方法により得られる研磨材の好適な一形態について説明する。図1は、研磨材の一形態を示す斜視図であり、図2は、図1に2Aで示した研磨材の一部分を表す拡大図である。
研磨材10は、不織布基材11と、不織布基材11を構成する繊維111に付着した砥粒12と、砥粒12と繊維111と結合する結合剤13と、含有している。砥粒12は、表面処理剤によって表面処理された表面処理済み砥粒であり、結合剤13を介して繊維111上に付着している。結合剤13はバインダー樹脂又はその硬化物を含有しており、繊維111の表面の一部に付着して、繊維111上に砥粒12を保持している。
砥粒12は、表面処理により結合剤13との接着性が向上しており、これにより使用時の砥粒12の脱落が抑制されると考えられる。また、砥粒12は、凝集体をほとんど形成せず、不織布基材11に高分散で付着している。これにより、研磨材10は優れた研磨性能を有し、また、研磨領域全体で均一な研磨性能を発揮できる。
本実施形態において、研磨材の形状は、図1に示す円板状に限定されない。例えば、図3は、研磨材の他の一形態を示す斜視図である。図3に示す研磨材20は、ホイール状に成型された不織布基材21と、不織布基材21に付着した砥粒及び結合剤(図示せず)と、不織布基材21を支持する芯材22と、を含有している。芯材22を構成する材料は特に限定されず、例えばベークライト等であってよい。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。
例えば、本発明の一側面は、ベンゼン環及び当該ベンゼン環に直接結合する2つ以上のヒドロキシ基を有する表面処理剤で表面処理された砥粒に関する。
一態様において、上記砥粒は、表面処理剤で表面修飾されたものであってよい。ここで、表面修飾とは、砥粒表面に表面処理剤又は表面処理剤に由来する成分(例えば表面処理剤の重合体)が結合していることを示す。なお、砥粒表面上に結合した成分は、例えば、飛行時間型二次イオン質量分析法(TOF-SIMS)等により分析できる。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
3-ヒドロキシチラミン塩酸塩(ドーパミン塩酸塩)2.75g、1-メトキシ-2-プロパノール65g及び蒸留水10gを室温で混合し、ドーパミン溶液を調製した。アルミナ粉末(MORUNDUM A-43、昭和電工株式会社(東京都港区)製)275gをドーパミン溶液に加え、18時間室温で静置し、ドーパミンで表面処理されたアルミナ粉末を含む処理液を得た。得られた処理液と、レゾール型フェノール樹脂(BRS-300、アイカ工業株式会社製)150gを混合し、よく撹拌して塗布液を得た。
スプレー塗布装置を用いて、不織布(厚さ6mm)上に塗布液を塗布した。塗布量は、不織布の単位面積当たりの重量が35mg/cm~60mg/cmとなる量とした。塗布後、165℃のオーブンに10分間入れて、乾燥及び硬化を行い、研磨材を得た。
得られた研磨材について、以下の方法で研磨力評価を行った。
<研磨力評価の方法>
研磨材を直径10cmの円形に切り出し、評価用試験片を得た。次いで、評価用試験片と厚さ3mmのポリメチルメタクリレート(PMMA)板をシーファー摩耗試験機にセットし、少量の水を供給しながら評価用試験片を6000回転させた。1000回転、2000回転、4000回転及び6000回転のそれぞれの回転数で、PMMA板の重量減少を測定し、研磨力の評価を行った。各回転数での重量減少を、累積研磨回数1000~6000回での研磨量として、表1に示した。
(実施例2)
タンニン酸2.75g、1-メトキシ-2-プロパノール65g及び蒸留水10gを室温で混合し、タンニン酸溶液を調製した。アルミナ粉末(MORUNDUM A-43、昭和電工株式会社(東京都港区)製)275gをタンニン酸溶液に加え、18時間室温で静置し、タンニン酸で表面処理されたアルミナ粉末を含む処理液を得た。得られた処理液と、レゾール型フェノール樹脂(BRS-300、アイカ工業株式会社製)150gを混合し、よく撹拌して塗布液を得た。
この塗布液を用いて実施例1と同様にして研磨材を作製した。得られた研磨材について、実施例1と同様の研磨力評価を行った。
(実施例3)
没食子酸水和物2.75g、1-メトキシ-2-プロパノール65g及び蒸留水10gを室温で混合し、没食子酸溶液を調製した。アルミナ粉末(MORUNDUM A-43、昭和電工株式会社(東京都港区)製)275gを没食子酸溶液に加え、18時間室温で静置し、没食子酸で表面処理されたアルミナ粉末を含む処理液を得た。得られた処理液と、レゾール型フェノール樹脂(BRS-300、アイカ工業株式会社製)150gを混合し、よく撹拌して塗布液を得た。
この塗布液を用いて実施例1と同様にして研磨材を作製した。得られた研磨材について、実施例1と同様の研磨力評価を行った。
(実施例4)
ピロガロール2.75g、1-メトキシ-2-プロパノール65g及び蒸留水10gを室温で混合し、ピロガロール溶液を調製した。アルミナ粉末(MORUNDUM A-43、昭和電工株式会社(東京都港区)製)275gをピロガロール溶液に加え、18時間室温で静置し、ピロガロールで表面処理されたアルミナ粉末を含む処理液を得た。得られた処理液と、レゾール型フェノール樹脂(BRS-300、アイカ工業株式会社製)150gを混合し、よく撹拌して塗布液を得た。
この塗布液を用いて実施例1と同様にして研磨材を作製した。得られた研磨材について、実施例1と同様の研磨力評価を行った。
(比較例1)
アルミナ粉末(MORUNDUM A-43、昭和電工株式会社(東京都港区)製)385g、レゾール型フェノール樹脂(BRS-300、アイカ工業株式会社製)210g、1-メトキシ-2-プロパノール91g及び蒸留水14gを混合し、よく撹拌して塗布液を得た。
スプレー塗布装置を用いて、不織布(厚さ6mm)上に塗布液を塗布した。塗布量は、不織布の単位面積当たりの重量が35mg/cm~60mg/cmとなる量とした。塗布後、165℃のオーブンに10分間入れて、乾燥及び硬化を行い、研磨材を得た。得られた研磨材について、実施例1と同様の研磨力評価を行った。
実施例及び比較例の評価結果を表1に示す。
Figure 0007224103000003
表1に示すとおり、実施例の研磨材では、表面処理剤で砥粒を表面処理しているため、高い研磨量が実現された。
(実施例5)
3-ヒドロキシチラミン塩酸塩(ドーパミン塩酸塩)2.45g、1-メトキシ-2-プロパノール91g及び蒸留水14gを室温で混合し、ドーパミン溶液を調製した。アルミナ粉末(MORUNDUM A-43、昭和電工株式会社(東京都港区)製)245gをドーパミン溶液に加え、18時間室温で静置し、ドーパミンで表面処理されたアルミナ粉末を含む処理液を得た。得られた処理液と、レゾール型フェノール樹脂(BRS-300、アイカ工業株式会社製)350gを混合し、よく撹拌して塗布液を得た。
スプレー塗布装置を用いて、不織布(厚さ6mm)上に塗布液を塗布した。塗布量は、不織布の単位面積当たりの重量が35mg/cm~60mg/cmとなる量とした。塗布後、研磨材を内径8.5cm、外径16cmのリング形に切り出し、12枚重ねたものを165℃のオーブンに入れて、乾燥及び硬化を行い、ホイール状に成型された研磨基材を得た。
得られた研磨材について、以下の方法で研磨力評価を行った。
<研磨力評価の方法>
ホイール状評価用試験片と厚み2mmの銅板をロボットテスターにセットし、水を供給しながら評価用試験片を50分間1800rpmで回転させた。累積時間が5分、10分、20分、30分、40分、50分経過したときの2mm厚の銅板の重量減少を測定し、研磨力の評価を行った。各時間での重量減少を、累積時間5~50分での研磨量として、表2に示した。
(実施例6)
タンニン酸2.45g、1-メトキシ-2-プロパノール91g及び蒸留水14gを室温で混合し、タンニン酸溶液を調製した。アルミナ粉末(MORUNDUM A-43、昭和電工株式会社(東京都港区)製)245gをタンニン酸溶液に加え、18時間室温で静置し、タンニン酸で表面処理されたアルミナ粉末を含む処理液を得た。得られた処理液と、レゾール型フェノール樹脂(BRS-300、アイカ工業株式会社製)350gを混合し、よく撹拌して塗布液を得た。
この塗布液を用いて実施例5と同様にして研磨材を作製した。得られた研磨材について、実施例5と同様の研磨力評価を行った。
(実施例7)
没食子酸水和物2.45g、1-メトキシ-2-プロパノール91g及び蒸留水14gを室温で混合し、没食子酸溶液を調製した。アルミナ粉末(MORUNDUM A-43、昭和電工株式会社(東京都港区)製)245gを没食子酸溶液に加え、18時間室温で静置し、没食子酸で表面処理されたアルミナ粉末を含む処理液を得た。得られた処理液と、レゾール型フェノール樹脂(BRS-300、アイカ工業株式会社製)350gを混合し、よく撹拌して塗布液を得た。
この塗布液を用いて実施例5と同様にして研磨材を作製した。得られた研磨材について、実施例5と同様の研磨力評価を行った。
(実施例8)
ピロガロール2.45g、1-メトキシ-2-プロパノール91g及び蒸留水14gを室温で混合し、ピロガロール溶液を調製した。アルミナ粉末(MORUNDUM A-43、昭和電工株式会社(東京都港区)製)245gをピロガロール溶液に加え、18時間室温で静置し、ピロガロールで表面処理されたアルミナ粉末を含む処理液を得た。得られた処理液と、レゾール型フェノール樹脂(BRS-300、アイカ工業株式会社製)350gを混合し、よく撹拌して塗布液を得た。
この塗布液を用いて実施例5と同様にして研磨材を作製した。得られた研磨材について、実施例5と同様の研磨力評価を行った。
(比較例2)
アルミナ粉末(MORUNDUM A-43、昭和電工株式会社(東京都港区)製)325g、レゾール型フェノール樹脂(BRS-300、アイカ工業株式会社製)464g、1-メトキシ-2-プロパノール209g及び蒸留水2gを混合し、よく撹拌して塗布液を得た。
スプレー塗布装置を用いて、不織布(厚さ6mm)上に塗布液を塗布した。塗布量は、不織布の単位面積当たりの重量が35mg/cm~60mg/cmとなる量とした。塗布後、研磨材を内径8.5cm、外径16cmのリング形に切り出し、12枚重ねたものを165℃のオーブンに入れて、乾燥及び硬化を行い、ホイール状に成型された研磨基材を得た。得られたホイール状に成型された研磨基材について、実施例5と同様の研磨力評価を行った。
実施例及び比較例の評価結果を表2に示す。
Figure 0007224103000004
表2に示すとおり、実施例の研磨材では、表面処理剤で砥粒を表面処理しているため、ホイール状に成型された研磨基材においても高い研磨量が実現された。
(実施例9)
タンニン酸40mg、1-メトキシ-2-プロパノール13g及び蒸留水2gを室温で混合し、タンニン酸溶液を調製した。アルミナ粉末(MORUNDUM A-43、昭和電工株式会社(東京都港区)製)4gをタンニン酸溶液に加え、64時間室温で静置し、タンニン酸で表面処理されたアルミナ粉末を含む処理液を得た。処理液をろ過して得られたアルミナ粉末を蒸留水で洗浄し、100℃のオーブンに入れて乾燥を行い、研磨砥粒を得た。
得られた研磨砥粒について、飛行時間型二次イオン質量分析法(TOF-SIMS)により表面修飾の確認を行なったところ、Bi 2+のイオンビームを照射した際の、陰イオンのスペクトルにおいて、酸化したピロガロール基に由来するピーク(124m/z)が観測された。この結果から、研磨砥粒がタンニン酸により表面修飾されていることが確認された。
(実施例10)
3-ヒドロキシチラミン塩酸塩(ドーパミン塩酸塩)40mg、1-メトキシ-2-プロパノール13g及び蒸留水2gを室温で混合し、ドーパミン溶液を調製した。アルミナ粉末(MORUNDUM A-43、昭和電工株式会社(東京都港区)製)4gをドーパミン溶液に加え、64時間室温で静置し、ドーパミンで表面処理されたアルミナ粉末を含む処理液を得た。処理液をろ過して得られたアルミナ粉末を蒸留水で洗浄し、100℃のオーブンに入れて乾燥を行い、研磨砥粒を得た。
得られた研磨砥粒について、飛行時間型二次イオン質量分析法(TOF-SIMS)により表面修飾の確認を行なったところ、Bi 2+のイオンビームを照射した際の、陽イオンのスペクトルにおいて、アミノ基に由来するピーク(30m/z)が観測された。この結果から、研磨砥粒がドーパミン塩酸塩により表面修飾されていることが確認された。
10,20…研磨材、11,21…不織布基材、12…砥粒、13…結合剤、22…芯材、111…繊維。

Claims (9)

  1. 不織布基材と、ベンゼン環及び当該ベンゼン環に直接結合する2つ以上のヒドロキシ基を有する表面処理剤で表面処理された砥粒と、前記不織布基材と前記砥粒とを結合する結合剤と、を含み、
    前記表面処理剤が、前記ベンゼン環上の隣接する2つの炭素原子にそれぞれ結合する2つのヒドロキシ基を有する、研磨材。
  2. 前記表面処理剤が下記式(1)で表される化合物である、請求項1に記載の研磨材。
    Figure 0007224103000005

    [式中、R 、R 、R 及びR はそれぞれ独立に、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、ヒドロキシ基、カルボニル基又はエステル基を示し、R 及びR 、R 及びR 並びにR 及びR は、それぞれ互いに結合して環を形成していてもよい]
  3. 前記表面処理剤が、カテコール、ドーパミン、4-フルオロカテコール、4-メチルカテコール、4-クロロカテコール、4-ブロモカテコール、1,2-ジヒドロキシナフタレン、2,3-ジヒドロキシナフタレン、1,2,4-トリヒドロキシベンゼン、3-メトキシカテコール、3,4-ジヒドロキシベンズアルデヒド、4-tert-ブチルピロカテコール、3,4-ジヒドロキシベンゾニトリル、2,3-ジヒドロキシベンズアルデヒド、3’,4’-ジヒドロキシアセトフェノン、3,4-ジヒドロキシベンジルアルコール、3,4-ジヒドロキシベンゾフェノン、4-ニトロカテコール、ノルジヒドログアイアレチン酸、3,4-ジヒドロキシ安息香酸メチル、4-アリルピロカテコール、6,7-ジヒドロキシナフタレン-2-スルホン酸ナトリウム、3,5-ジ-tert-ブチルカテコール、2-(3,4-ジヒドロキシフェニル)エチルアルコール、3,4-ジヒドロキシ安息香酸及びタイロン1水和物からなる群より選択される、請求項1に記載の研磨材。
  4. 前記表面処理剤が下記式(2)で表される化合物(但しタンニン酸を除く。)である、請求項1に記載の研磨材。
    Figure 0007224103000006

    [式中、R 、R 及びR はそれぞれ独立に、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、ヒドロキシ基、カルボニル基又はエステル基を示し、R 及びR 並びにR 及びR は、それぞれ互いに結合して環を形成していてもよい]
  5. 前記表面処理剤が、ピロガロール、没食子酸、5-メチルピロガロール、2,3,6,7,10,11-ヘキサヒドロキシトリフェニレン、ヘキサヒドロキシベンゼン、3,4,5-トリヒドロキシベンズアルデヒド、2,3,4-トリヒドロキシベンズアルデヒド及び2,3,4,4’-テトラヒドロキシジフェニルメタンからなる群より選択される、請求項1に記載の研磨材。
  6. 前記表面処理剤が、ピロガロール、没食子酸及びドーパミンからなる群より選択される、請求項1に記載の研磨材。
  7. ベンゼン環及び当該ベンゼン環に直接結合する2つ以上のヒドロキシ基を有する表面処理剤と砥粒とを溶剤中で混合して前記砥粒を表面処理し、表面処理済み砥粒を含有する処理液を得る表面処理工程と、
    前記処理液にバインダー樹脂を添加して、前記表面処理済み砥粒及び前記バインダー樹脂を含有する塗布液を得る添加工程と、
    前記塗布液を不織布基材に塗布して、前記不織布基材と前記不織布基材に付着した前記表面処理済み砥粒とを含有する研磨材を得る塗布工程と、
    を備え
    前記表面処理剤が、前記ベンゼン環上の隣接する2つの炭素原子にそれぞれ結合する2つのヒドロキシ基を有する、研磨材の製造方法。
  8. 前記表面処理剤が、下記式(1)で表される化合物である、請求項に記載の製造方法。
    Figure 0007224103000007

    [式中、R 、R 、R 及びR はそれぞれ独立に、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、ヒドロキシ基、カルボニル基又はエステル基を示し、R 及びR 、R 及びR 並びにR 及びR は、それぞれ互いに結合して環を形成していてもよい]
  9. 前記処理液が前記表面処理済み砥粒100質量部に対して、前記溶剤を10質量部以上含有する、請求項7又は8に記載の製造方法。
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