JPH0586360A - ブレーキ用摩擦材 - Google Patents

ブレーキ用摩擦材

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JPH0586360A
JPH0586360A JP27481591A JP27481591A JPH0586360A JP H0586360 A JPH0586360 A JP H0586360A JP 27481591 A JP27481591 A JP 27481591A JP 27481591 A JP27481591 A JP 27481591A JP H0586360 A JPH0586360 A JP H0586360A
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JP
Japan
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friction material
binder
brake
friction
film
Prior art date
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Pending
Application number
JP27481591A
Other languages
English (en)
Inventor
Yukinori Yamashita
幸典 山下
Masanori Ibuki
正紀 伊吹
Hironari Kishimoto
裕也 岸本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Electric Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 制動時に発生する低周波ブレーキノイズ、特
に摩擦材使い初めにおける低周波ブレーキノイズの発生
を防止する。 【構成】 摩擦材摺動面に平面網状結晶構造の無機物と
バインダーとからなる混合物の膜を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車などの車両又は
産業用機械の摩擦式ブレーキに用いる摩擦材に関するも
のであり、特に低周波のブレーキノイズの発生を防止し
うるブレーキ用摩擦材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、自動車などのブレーキに用いる摩
擦材としては、アスベストを主成分とするアスベスト系
摩擦材が用いられてきたが、近年アスベストの人体への
影響が懸念され、アスベストを用いないいわゆるアスベ
ストフリーの摩擦材が開発されるようになった。
【0003】ところが、残念ながらアスベストフリーの
摩擦材は、従来のアスベスト系摩擦材に比べて1KHz
以下の周波数のブレーキノイズが発生し易く、場合によ
ってはブレーキ制動時に車体に振動を伴うことがあっ
て、運転者や搭乗者に不快感を与えるという新たな問題
が発生した。この発生源が摩擦材と摩擦相手材との摩擦
におけるスティックスリップであることが判明し、先に
出願した特願平1ー241570号、特願平2ー185
491号において、前記スティックスリップを防止する
ため、マイカ、タルク、水酸化アルミニウム等の平面網
状結晶構造をもつ無機物を摩擦材中に添加することを提
案した。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記の平面網
目結晶構造の無機物を摩擦材中に添加したものでも、摩
擦材中のこれら無機物が摺動面上に広がるまでは、低周
波ブレーキノイズを防止することができなかった。特
に、新品の摩擦材と新品の相手材との組み合わせ、ある
いは新品の摩擦材と既に使用している相手材との組み合
わせでは、摺動面になじみ(摩擦材が相手材と摩擦して
面の当たりができること)ができるまでの初期に、低周
波のブレーキノイズが発生し易く、運転者や搭乗者に不
快感を与えていた。本発明は、上記の課題を解決するた
めのもので、特に摺動面になじみができるまでの間にお
ける低周波ブレーキノイズを防止することを目的とす
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記の課題を解決するた
めに、本発明ブレーキ用摩擦材は、摩擦材の摺動面に、
平面網状結晶構造を有する無機物とバインダーとからな
る混合物の膜を形成したことを特徴とするものである。
ここで、前記無機物として、マイカ、タルク、バーミキ
ュライト、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、
蝋石、カオリン、緑泥石、絹雲母、水酸化鉄、モンモリ
ナイトから選ばれた少なくとも1種類の材料を用いるこ
とが好ましい。又、前記バインダーとしては、摩擦相手
材を傷つけないものが好ましく、例えば、フェノール系
樹脂、尿素系樹脂、メラミン樹脂、エポキシ系樹脂等の
熱硬化性樹脂、又は酢酸ビニル、PVA、CMC等の熱
可塑性樹脂、水ガラス、セラミックス系のリン酸塩、シ
リカ等を用いることが好ましい。尚、摩擦相手材を傷つ
ける場合のあるバインダー、例えばアルミナ等であって
も、用いる量を少なくすることで利用可能である。
【0006】
【作用】アスベストフリーの摩擦材で問題となっている
1KHz以下の低周波ブレーキノイズは、摩擦材と摩擦
相手材間におけるスティックスリップ現象がその発生源
となっている。この現象は、摩擦材及び摩擦相手材両者
の静止摩擦係数と動摩擦係数の比が大きくなる場合に発
生し易くなる。本発明で用いる平面網状結晶構造の無機
物は、結晶の層間の滑り現象により摩擦材の静止摩擦係
数を低くし、摩擦材と摩擦相手材間のスティックスリッ
プ現象を発生し難くするものである。
【0007】従って、新品の摩擦材と新品の摩擦相手材
との組み合わせ、あるいは新品の摩擦材と既に使用して
いる摩擦相手材との組み合わせで、低周波のブレーキノ
イズ発生を防止するには、摩擦材の摺動面に前記の平面
網状結晶構造の無機物を膜として介在させておくことが
有効である。
【0008】膜中の平面網状結晶構造の無機物の量は、
一般に10〜95重量%であり、望ましくは25〜90
重量%である。前記無機物の量は、10重量%以下では
低周波ブレーキノイズ防止に有効でなく、95重量%以
上であれば、膜強度が不十分で、摩擦材の摺動面に無機
物を有効に留めることができず、やはり低周波ブレーキ
ノイズの発生を有効に防止できない。
【0009】前記膜の形成は、無機物とバインダーを上
記の割合で混合し、これを摩擦材の摺動面に薄く一様に
塗布し、乾燥することで行う。又、バインダーの種類に
よっては前記乾燥後、膜を適宜硬化させる。
【0010】尚、摩擦材の使用にともない、摺動面に形
成された膜もいずれは摩耗消失する。しかし、実際には
前記膜と相手材(ロータ:鋳鉄製)との摩擦により、ロ
ータ表面に極めて薄い摩擦変質層が形成され、この変質
層にもスティックスリップを抑制する効果があるらし
く、膜が全部消失してもスティックスリップは発生しな
い。
【0011】
【実施例】バインダーとなる、IPAを溶剤とするレゾ
ール系の液状フェノール樹脂と、結合剤にフェノール樹
脂を用いたアスベストフリーのブレーキパッドを準備し
た。この液状フェノール樹脂と無機物とをそれぞれ表1
に示す重量比で混合し、両者をよく攪拌して均一なペー
ストを作製した。
【0012】
【表1】
【0013】次に、前記ブレーキパッドの摺動面を回転
砥石で研磨して、この研磨面に前記各ペーストを薄く均
一に塗って膜を形成させ、室内放置による風乾及び熱処
理炉での200℃×1時間の硬化を行った。そして、再
び回転砥石で膜を研磨して膜の厚みが0.5mmになる
ようにした(実施例1〜13)。
【0014】次に、バインダーに水ガラスを用いた摩擦
材を作製した。まず、水ガラスとマイカを40:60の
重量比で混合して均一なペーストを得た。これを、前記
実施例1〜13と同様に摺動面を研磨したアスベストフ
リーのブレーキパッドに均一に塗って膜を形成させ、次
に炭酸ガスを吹き付けてペーストの硬化を行った。その
後、回転砥石で膜を研磨して膜の厚みが0.5mmにな
るようにした(実施例14)。
【0015】又、バインダーにシリカを主成分とする液
状セラミックバインダーをバインダーとした摩擦材を作
製した。セラミックバインダーの具体的なものとして
は、朝日化学工業(株)のスミセラムTM(商品名)が
あり、これとマイカを30:70の重量比で混合して均
一な混合液を得た。そして、この混合液を前記実施例1
から13までと同様のブレーキパッドの摺動面に塗布し
て膜を形成させ、室内放置による風乾及び熱乾燥炉での
150℃×1時間の硬化を行った。その後、回転砥石で
膜を研磨して膜の厚みが0.5mmになるようにした
(実施例15)。
【0016】上記の実施例に対して比較例として、次の
ものを用いた。摺動面に膜を形成していない、実施例1
〜14に用いたアスベストフリーのブレーキパッド(比
較例1)、マイカを15重量%添加した、実施例1〜1
4に用いたアスベストフリーのブレーキパッド(比較例
2)。
【0017】(試験方法)上記の実施例及び比較例摩擦
材を、2000ccの乗用車のディスクブレーキキャリ
パーに組み込み、ブレーキノイズの試験を行った。ブレ
ーキノイズの試験スケジュールは表2に示す通りであ
る。
【0018】
【表2】
【0019】制動中のブレーキノイズは振動ピックアッ
プを用いて計測し、振動はバンドパスフィルタにより2
0〜1000Hzに分離して計測した。そして、ある一
定以上の振動が発生した場合に、ブレーキノイズが発生
したとカウントし、試験制動中に発生したブレーキノイ
ズを低周波のものと一般のものとに分離して、100回
の制動回数における低周波ブレーキノイズの発生率を計
測した。この試験結果を表3に示す。
【0020】
【表3】
【0021】同表に示すように、比較例1は100回の
制動回数のうち95回、比較例2は同35回のブレーキ
ノイズが確認されたのに対し、実施例はいずれもブレー
キノイズが全く発生せず、特に摩擦材の使い初めにおい
てブレーキノイズの発生抑制に効果的であることが確認
された。又、試験中、制動力も安定して高いブレーキ力
が得られた。
【0022】さらに、実施例1のみ試験回数を増やして
上記と同じ制動を5000回行って、ブレーキノイズ試
験を実施した。その結果、前記の100回の場合と同
様、ブレーキノイズは全く検出されず、摩擦材の使い初
めのみならず、その後の使用においてもブレーキノイズ
の抑制に効果的であることが確認された。
【0023】
【発明の効果】以上説明したように、アスベストフリー
のブレーキパッドの摺動面に、平面網状結晶構造を有す
る無機物とバインダーとからなる混合物の膜を形成する
ことによって、低周波のブレーキノイズの発生、特に摩
擦材の使い初めにおける低周波のブレーキノイズの発生
を防止することができ、運転者などの不快感を無くすと
共に、安定したブレーキ力を得ることができる。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 摩擦材の摺動面に、平面網状結晶構造を
    有する無機物とバインダーとからなる混合物の膜を形成
    したことを特徴とするブレーキ用摩擦材。
  2. 【請求項2】 無機物として、マイカ、タルク、バーミ
    キュライト、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウ
    ム、蝋石、カオリン、緑泥石、絹雲母、水酸化鉄、モン
    モリナイトから選ばれた少なくとも1種類の材料を用い
    たことを特徴とする請求項1記載のブレーキ用摩擦材。
  3. 【請求項3】 バインダーとして、熱硬化性樹脂又は熱
    可塑性樹脂を用いたことを特徴とする請求項1記載のブ
    レーキ用摩擦材。
  4. 【請求項4】 バインダーとして、水ガラスを用いたこ
    とを特徴とする請求項1記載のブレーキ用摩擦材。
  5. 【請求項5】 バインダーとして、セラミックス系のバ
    インダーを用いたことを特徴とする請求項1記載のブレ
    ーキ用摩擦材。
JP27481591A 1991-09-25 1991-09-25 ブレーキ用摩擦材 Pending JPH0586360A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008503625A (ja) * 2004-06-23 2008-02-07 ルーク ラメレン ウント クツプルングスバウ ベタイリグングス コマンディートゲゼルシャフト 摩擦材料を製造する方法並びにこの摩擦材料から製造された摩擦ライニング
JP2009221400A (ja) * 2008-03-18 2009-10-01 Advics Co Ltd 摩擦材

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