JP7223670B2 - 変位表示装置、制振ダンパー及び土木建築構造物 - Google Patents

変位表示装置、制振ダンパー及び土木建築構造物 Download PDF

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本発明は、地震時に相対変位を生じる一対の相対変位部の累積変位量を表示する変位表示装置、変位表示装置を備えた制振ダンパー、及び制振ダンパーを備えた土木建築構造物に関する。
近年、橋梁、水門、ボックスカルバート、ビル、倉庫などの土木建築構造物の地震対策として、土木建築構造物の部材間に制振ダンパーが設置されている。
制振ダンパーは、鋼材を使用したものが多用されており、その一つに、座屈拘束ブレースやダンパーブレースと呼ばれるものがある。これらの制振ダンパーは、軸方向に作用する軸荷重により伸縮する軸部材と、この軸部材を内挿して軸部材の座屈を防止する補剛部材とを備え、軸部材の伸縮に伴う塑性変形によってエネルギーを吸収する。
この制振ダンパーは、安定したエネルギー吸収能を発揮するために、変形性能の限界値を表すための最大変位量と、疲労耐久性を表すための累積変位量の二つの指標によって安全性の管理を行っている。
本出願人は、特許文献1に示すように、電力を使用せずに機械式で最大変位量と累積変位量を計測する変位表示装置を備えた制振ダンパーを開発した。
特許文献1の変位表示装置は、地震時に相対変位を生じる一対の相対変位部の一方に設けられて相対変位方向に直線運動する直線運動伝達部と、一対の相対変位部の他方に設けられて直線運動伝達部に連結し、直線運動伝達部の直線運動を回転運動に変換する回転運動伝達部と、回転運動伝達部から伝達された正逆方向の回転を一方向の回転に変換する複数の回転伝達要素で構成された一方向回転変換部と、一方向回転変換部から伝達された一方向の回転を利用して一対の相対変位部の累積変位量を表示する累積変位量表示部と、一対の相対変位部の最大変位量を表示する最大変位量表示部と、を備えている。
直線運動伝達部は、相対変位方向にラック歯が形成されている長尺なラック部材であり、このラック部材のラック歯に回転運動伝達部のピニオンが噛合している。
そして、特許文献1の回転運動伝達部及び一方向回転変換部を構成するケース内には、第1回転軸、第2回転軸及び出力軸が配置されている。第1回転軸には、第1ワンウェイクラッチ及び第2ワンウェイクラッチが軸方向に離間して固定されており、直線運動伝達部から変換した回転運動が伝達される。また、第2回転軸には、回転運動伝達部から第1ワンウェイクラッチに伝達された正逆方向回転の正方向回転のみが一方向回転として伝達される。また、出力軸には、回転運動伝達部から第2ワンウェイクラッチに伝達された正逆方向回転の逆方向回転のみが一方向回転として伝達されるとともに、第2回転軸の一方向回転が合成して伝達され、この出力軸から累積変位量表示部に一方向回転が出力される。
特許第6546561号公報
ところで、特許文献1の変位表示装置は、ラック部材が一対の相対変位部の相対変位方向に延在して配置され、ケースを収納した第1、第2回転軸及び出力軸は、ラック部材の延在方向に対して垂直方向に延在して配置されている。このため、第1、第2回転軸及び出力軸に収納したケースの高さが増大した変位表示装置となるので、一対の相対変位部の一方に配置すると、地震時の揺れによる増幅によって誤作動や故障が発生しやすい、という問題がある。また、ケースの高さが高いために、変位表示装置を設置する位置の周辺にある構造部材と干渉するために、変位表示装置の設置が困難な場合がある、という問題もある。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、複数本の回転軸などの回転要素を収納する一方向回転変換部のケース高さを低くすることで、地震時の揺れが伝達されても増幅せず誤作動や故障を防止することができるとともに、設置する位置の周辺に構造部材がある場合でも干渉することがなく、所定の位置に設置することができる変位表示装置、この変位表示装置を備えた制振ダンパー、及びこの制振ダンパーを備えた土木建築構造物を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の一態様に係る変位表示装置は、地震時に相対変位を生じる一対の相対変位部の一方に設けられて相対変位方向に直線運動する直線運動伝達部と、一対の相対変位部の他方に設けられて直線運動伝達部に連結し、直線運動伝達部の直線運動を回転運動に変換する回転運動伝達部と、回転運動伝達部から伝達された正逆方向の回転を一方向回転に変換する一方向回転変換部と、一方向回転変換部から伝達された一方向回転を利用して前記一対の相対変位部の累積変位量を表示する累積変位量表示部と、を備えている。そして、直線運動伝達部は、ラック歯が形成されている長尺なラック部材であり、ラック部材は、一方向回転変換部を収納するケースの内部を貫通して相対変位方向に配置されている。ケースの内部には、第1ワンウェイクラッチ及び第2ワンウェイクラッチが軸方向に離間して固定され、回転運動伝達部から回転運動が伝達される第1回転軸と、第1ワンウェイクラッチに伝達された正逆方向回転の正方向回転のみが一方向回転として伝達される第2回転軸と、第2ワンウェイクラッチに伝達された正逆方向回転の逆方向回転のみが一方向回転として伝達され、第2回転軸に伝達された一方向回転が合成して伝達されるとともに、これら一方向回転を前記累積変位量表示部に伝達する第3回転軸と、が配置されている。ここで、ケース内の第1回転軸、第2回転軸及び第3回転軸は、ラック部材が延在している相対変位方向に平行に配置されている。
また、本発明に係る制振ダンパーは、ダンパー本体と、ダンパー本体に設けられている上記変位表示装置とを備え、ダンパー本体は、振動エネルギーを吸収する吸収部を備え、吸収部が振動エネルギーを吸収する際に変位表示装置の一対の相対変位部が相対変位する。
また、本発明に係る土木建築構造物は、構造枠部の内部に上記制振ダンパーをブレース材として配置して振動エネルギーを吸収するようにした土木建築構造物であって、制振ダンパーの軸力材の一端側の取付け部材が、構造枠部の内部に設けた第1のガセットプレートに固定されており、軸力材の他端側の取付け部材が、構造枠部の内部に設けた第2のガセットプレートと添接板を介して固定されているとともに、添接板にケースが着脱自在に固定されている。
本発明に係る変位表示装置、制振ダンパー及び土木建築構造物によると、一方向回転変換部を収納するケースの内部に、一方向回転変換部を構成する第1回転軸、第2回転軸及び第3回転軸が、ラック部材が延在している相対変位方向に平行に配置されているので、ケースの高さを低くすることができ、それにより、地震時の揺れが伝達されても増幅せず誤作動や故障を防止することができる。また、設置する位置の周辺に構造部材がある場合でも干渉することがなく、所定の位置に変位表示装置を設置することができる。
本発明に係る土木建築構造物である橋梁を示す模式図である。 図1の橋梁を構成する橋脚と、この橋脚に配置された本発明に係る制振ダンパーを示す図である。 制振ダンパーの構造を示す図である。 制振ダンパーに連結されている一方の取付け板側に設けた一方向回転変換部及び累積変位量表示部を示す図である。 第1実施形態の一方向回転変換部を構成する部材の動作を示す図である。 一対の相対変位部の他方に配置した一方向回転変換部を側方から示した断面図である。 一方向回転変換部に一体化した累積変位量表示部を取り外して一方向回転変換部を収納しているケースの内部を示した図である。 第2実施形態の一方向回転変換部を構成する部材の動作を示す図である。
次に、図面を参照して、本発明に係る実施形態を説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、厚みと平面寸法との関係、各層の厚みの比率等は現実のものとは異なることに留意すべきである。したがって、具体的な厚みや寸法は以下の説明を参酌して判断すべきものである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることはもちろんである。
また、以下に示す実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記のものに特定するものでない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された請求項が規定する技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
[橋梁について]
図1は、本発明に係る橋梁1を模式的に示したものである。橋梁1は、上部構造2が、地盤3から立設された複数の橋脚4で支持されている。
複数の橋脚4は、図2に示すように、地盤3に埋設された基礎5から2本の柱材6a,6bが平行に立ち上がっている。2本の柱材6a,6bの間には、水平方向に延在する複数本の水平材7a~7dが上下方向に離間して連結されており、これら柱材6a,6b及び水平材7a~7dで囲まれた上下方向の空間に複数の構造枠部8a~8dが形成されている。所定の水平材7a,7cの長手方向両端部及び2本の柱材6a,6bの連結位置には、ガセットプレート9aが設けられており、他の水平材7b,7dの長手方向中央部にもガセットプレート9bが設けられている。
複数の構造枠部8a~8dの内部には、ガセットプレート9a,9bに連結されて斜め方向に延在する軸降伏型の複数の制振ダンパー10A~10Hが配置されている。このように構成された複数の橋脚4の上部に、上部構造2が連結されている。ここで、構造枠部8cの内部空間に配置されている制振ダンパー10Eが、変位表示装置15を備えている。
図3は、制振ダンパー10A~10Hの構造を示すものであり、中空形状の軸力材11と、軸力材11の軸方向の両端11a,11bに円板形状のエンドプレート12a,12bを介して固定された取付け部材13a,13bと、軸力材11を内挿する補剛部材14と、を備えている。軸力材11は、履歴減衰特性(塑性変形に伴うエネルギー減衰特性)を有する普通鋼又は低降伏点鋼の鋼管からなり、軸方向に作用する軸荷重に対して伸縮して降伏する。補剛部材14は、軸力材11に軸方向の圧縮荷重が作用したときに軸力材11の座屈を防止する。ここで、補剛部材14の一方の端部14aはエンドプレート12aに固定されておらず、補剛部材14の他方の端部14bはエンドプレート12bに固定されている。
制振ダンパー10A~10Hは、各々の取付け部材13a,13bを橋脚4に設けたガセットプレート9a,9bにボルト接合することで、複数の構造枠部8a~8dの内部で斜め方向に延在して配置される。
上記構成のように複数の橋脚4が上部構造2を支持している橋梁1は、図2に示すように、上部構造2が地震動によって白抜きの矢印方向に変位すると、複数の制振ダンパー10A~10Hの軸力材11の伸縮(図2の実線矢印方向)に伴う塑性変形によって、地震動エネルギーを吸収することで上部構造2の変位が抑制される。
[変位表示装置を備えた制振ダンパーについて]
次に、変位表示装置15を備えた制振ダンパー10Eについて、図4から図7を参照して説明する。
図4に示すように、制振ダンパー10Eの一方の取付け部材13a及びガセットプレート9bは、所定の互いに対向する連結板16,17同士が、固定用添接板18を介してボルト接合されている。また、固定用添接板18で連結されていない連結板16,17同士には、変位表示装置用添接板19がボルト接合されている。
変位表示装置用添接板19には、後述する変位表示装置15の一方向回転変換部23を内蔵したケース20が固定されている。
ここで、制振ダンパー10Eの他方の取付け部材13bの軸方向変位及び補剛部材14の他方の端部14bの軸方向変位は等しくなるので、軸力材11の伸縮量は、補剛部材14の一方の端部14aと一方の取付け部材13aとの間で生じる相対変位量と等しくなる。
変位表示装置15は、図5(a)に示すように、補剛部材14の一方の端部14aと一方の取付け部材13aとの間で生じる相対変位を正逆方向の回転運動に変換するラック&ピニオン部21と、ラック&ピニオン部21のピニオン22から伝達された正逆方向の回転を一方向の回転に変換する一方向回転変換部23と、一方向回転変換部23から得られた一方向の回転により累積変位量を表示する累積変位量表示部24と、最大変位量表示部25と、を備えている。
ラック&ピニオン部21は、ラック部材26と、ラック部材26のラック歯26aに噛合しているピニオン22と、を備えている。
ラック部材26は、図4に示すように、補剛部材14及び一方の取付け部材13aの相対変位方向に沿ってラック歯26aが並んでおり、その一端側が、補剛部材14の一方の端部14aの外周に固定された締結バンド27及びラック固定部材28を介して補剛部材14に連結されている。そして、ラック部材26は、変位表示装置用添接板19に固定された一方向回転変換部23のケース20の側壁を貫通した状態で配置され、ケース20に配置されたピニオン22に噛合している。
一方向回転変換部23のケース20内には、図5(a)に示すように、入力軸29に、ラック&ピニオン部21のピニオン22及びウォーム30が軸方向に離間して固定されている。第1回転軸31に固定されたウォーム歯車32がウォーム30に噛合されていることで、入力軸29の回転が減速されてウォーム歯車32に伝達されるようになっている。第1回転軸31には、第1ワンウェイクラッチ33及び第2ワンウェイクラッチ34がウォーム歯車32に対して同軸に、互いに軸方向に離間して固定されている。
第1ワンウェイクラッチ33及び第2ワンウェイクラッチ34は、図示しないが、外輪と、内輪と、外輪及び内輪の間に配置され、第1回転軸31に伝達された正逆方向の回転の一方向の回転のみを外輪に伝達する回転制御部とを備えた装置である。第1ワンウェイクラッチ33の外輪の外周に第1クラッチ歯車35が固定され、第2ワンウェイクラッチ34の外輪の外周に第2クラッチ歯車36が固定されている。
第1クラッチ歯車35は、第2回転軸37に固定された第1分岐歯車38に噛合されており、第2回転軸37には、第1分岐歯車38に対して軸方向に離間した位置に第2分岐歯車39が固定されている。第2クラッチ歯車36は、第3回転軸40に固定された第3分岐歯車41に噛合されている。第3回転軸40には、第3分岐歯車41に対して軸方向に離間した位置に合成歯車42が固定されているとともに、出力歯車56が固定されている。そして、合成歯車42に、第2回転軸37に固定された第2分岐歯車39が噛合されている。
また、累積変位量表示部24は、出力歯車56に噛合する表示歯車57が固定されている表示回転軸43と、表示回転軸43から回転が伝達される指針44と、有底箱形状のケース20の開口部を閉塞するように固定され、指針44が回転する表示円の範囲内に表示領域が表示されている表示プレート45と、を備えている。
最大変位量表示部25は、図4に示すように、ラック部材26に固定されて平行に延在している表示バー46と、表示バー46の長手方向に摺動自在に係合している引張り側表示部材47及び圧縮側表示部材48と、ケース20の一方のケース側面20aに固定されて引張り側表示部材47に接触している引張り側係止部材49と、ケース20の他方のケース側面20bに固定されて圧縮側表示部材48に接触している圧縮側係止部材50と、を備えている。
表示バー46は、ケース側面20a及びラック固定部材28の間で連結したバー固定部材51と、ケース側面20aから突出しているラック部材26の先端で連結したバー固定部材52とに固定されてラック部材26に平行に延在している。
引張り側表示部材47及び圧縮側表示部材48は互いに対向しており、引張り側表示部材47に対向していない圧縮側表示部材48の裏面に、ケース20の他方のケース側面20bに固定された圧縮側係止部材50の先端側が接触している。また、圧縮側表示部材48に対向していない引張り側表示部材47の裏面に、ケース20の一方のケース側面20aに固定された引張り側係止部材49の先端側が接触している。
表示バー46の表示面46aには、センター位置Sと、このセンター位置Sを中心位置として図4の右側方向及び左側方向に距離Cまで離れた位置からセンター位置Sに向けて目盛り(不図示)が表示されている。また、センター位置Sを含む右側及び左の所定範囲(図4の網かけ部分)に、伸縮量許容値オーバーゾーン46bが表示されている。
次に、図6及び図7は、変位表示装置用添接板19に固定された一方向回転変換部23及び累積変位量表示部24を示すものである。
ケース20は、図6に示すように、有底箱形状の部材であり、底部が変位表示装置用添接板19に固定されており、上方で開口しているケース20の開口部を閉塞するように、累積変位量表示部24の表示プレート45が固定されている。
図4で示したように、ラック部材26は、補剛部材14及び一方の取付け部材13aの相対変位方向に長手方向(ラック歯26aが並んでいる方向)が沿うように配置されており、図7に示すように、ケース20の内部に収納された第1回転軸31、第2回転軸37及び第3回転軸40は、ラック部材26に平行に配置されている。
図6に示すように、第3回転軸40は、第1回転軸31及び第2回転軸37と比較してケース20の最も開口部側に配置されている。また、表示回転軸43は表示プレート45の表裏を貫通した状態で、第3回転軸40に直交して配置されている。そして、第3回転軸40に固定した出力歯車56は、はすば歯車で構成され、表示回転軸43の一端に固定されて出力歯車56に噛合する表示歯車57もはすば歯車で構成されており、互いに直交した配置された第3回転軸40の回転が表示回転軸43に伝達され、表示回転軸43の他端に固定した指針44が回転する。
次に、制振ダンパー10Eの軸力材11が伸縮する際の変位表示装置15の一方向回転変換部23及び累積変位量表示部24の動作について、図5(a)、(b)を参照して説明する。
図5(a)は、軸力材11が圧縮方向に変位したときの変位表示装置15の動作を示し、図5(b)は、軸力材11が引張り方向に変位したときの変位表示装置15の動作を示している。なお、図5(a)、(b)で記載しているR1回転は右回りの回転とし、R2回転は左回りの回転とする。
軸力材11が圧縮方向に変位すると、図5(a)に示すように、ラック部材26の往運動によりラック歯26aに噛合しているピニオン22がR2回転し、このピニオン22の回転がウォーム30を介してウォーム歯車32にR1回転として伝達される。ウォーム歯車32に伝達されたR1回転は、第2ワンウェイクラッチ34及び第2クラッチ歯車36を介して第3分岐歯車41にR2方向の回転として伝達される。第3分岐歯車41に伝達されたR2回転は出力歯車56にR2回転として伝達される。
そして、出力歯車56に伝達されたR2回転は、表示歯車57を介して表示回転軸43にR1回転として伝達されることで、累積変位量表示部24の指針44が、軸力材11が圧縮方向に変位したときの累積変位量として、所定角度だけ時計回り(R1方向)に回転する。
また、軸力材11が引張り方向に変位すると、図5(b)に示すように、ラック部材26の復動作によりラック歯26aに噛合しているピニオン22がR1回転し、このピニオン22の回転がウォーム30を介してウォーム歯車32にR2回転として伝達される。
ウォーム歯車32に伝達されたR2回転は、第1ワンウェイクラッチ33及び第1クラッチ歯車35を介して第1分岐歯車38にR1回転として伝達される。第1分岐歯車38に伝達されたR1回転は、第2分岐歯車39を介してから合成歯車42にR2回転として伝達される。合成歯車42に伝達されたR2回転は出力歯車56に伝達される。
そして、出力歯車56に伝達されたR2回転は、表示歯車57を介して表示回転軸43にR1回転として伝達されることで、累積変位量表示部24の指針44が、軸力材11が引張り方向に変位したときの累積変位量として、所定角度だけ時計回り(R1方向)に回転する。
[橋梁、制振ダンパー、一方向回転変換部及び累積変位量表示部の効果について]
図1及び図2に示した橋梁1は、上部構造2が地震動により変位すると、上部構造2を支持している複数の橋脚4が、複数の制振ダンパー10A~10Hの軸力材11の伸縮に伴う塑性変形によって地震動エネルギーを吸収するので、上部構造2の変位を確実に抑制することができる。
また、制振ダンパー10A~10Hの一つ(制振ダンパー10E)に累積変位量表示部24を備えているので、制振ダンパー10A~10Hの変形性能に関わる疲労耐久性を、目視で簡単に測定することができる。
また、一方向回転変換部23のケース20に配置されている第1回転軸31、第2回転軸37、第3回転軸40は、ラック部材26が延在している方向と平行に配置されているので、特許文献1(特許第6546561号公報)で示した変位表示装置のケース(ラック部材が延在している方向に対して第1、第2回転軸及び出力軸が垂直に配置されている)と比較して、ケース20の高さを低くすることができる。したがって、高さが低いケース20は地震時の揺れが伝達されても増幅しにくい構造となり、一方向回転変換部23の誤作動や故障を防止することができる。また、変位表示装置15を設置する位置の周辺に構造部材がある場合でも干渉することがなく、所定の位置に変位表示装置15を設置することができる。
また、ケース20は有底箱形状であり、ケース20の開口部を閉塞するように表示プレート45が固定されている。また、第3回転軸40は、第1回転軸31及び第2回転軸37と比較してケース20の最も開口部側に配置されている。そして、第3回転軸40に固定したはすば歯車で構成した出力歯車56と、表示プレート45を貫通する表示回転軸43に固定したはすば歯車で構成した表示歯車57が噛合することで、互いに直交している第3回転軸40から表示回転軸43に、簡便な構造で回転運動を伝達することができる。
そして、高さを低くしたケース20の広い開口部に、広い面積の表示プレート45を固定することができるので、遠方から見ても累積変位量を正確に測定することができる。
[第2実施形態の一方向回転変換部について]
次に、図8(a)は、第2実施形態の一方向回転変換部23の構成を示すものである。
第2実施形態の一方向回転変換部23が、図5(a)で示した第1実施形態の一方向回転変換部23と異なる点は、先ず、第1回転軸31に固定されている第2ワンウェイクラッチ34が、第1ワンウェイクラッチ33に対してウォーム歯車32側で固定されている点である。また、第2回転軸37には第1分岐歯車38のみが固定されており、この第1分岐歯車38は、第1ワンウェイクラッチ33の第1クラッチ歯車35と第3回転軸40に固定された合成歯車42との間で噛合している。
そして、軸力材11が圧縮方向に変位すると、図8(a)に示すように、ラック部材26の往運動によりラック歯26aに噛合しているピニオン22がR2回転し、このピニオン22の回転がウォーム30を介してウォーム歯車32にR1回転として伝達される。ウォーム歯車32に伝達されたR1回転は、第2ワンウェイクラッチ34及び第2クラッチ歯車36を介して第3分岐歯車41にR2方向の回転として伝達される。第3分岐歯車41に伝達されたR2回転は出力歯車56にR2回転として伝達される。
そして、出力歯車56に伝達されたR2回転は、表示歯車57を介して表示回転軸43にR1回転として伝達されることで、累積変位量表示部24の指針44が、軸力材11が圧縮方向に変位したときの累積変位量として、所定角度だけ時計回り(R1方向)に回転する。
また、軸力材11が引張り方向に変位すると、図8(b)に示すように、ラック部材26の復動作によりラック歯26aに噛合しているピニオン22がR1回転し、このピニオン22の回転がウォーム30を介してウォーム歯車32にR2回転として伝達される。
ウォーム歯車32に伝達されたR2回転は、第1ワンウェイクラッチ33及び第1クラッチ歯車35を介して第1分岐歯車38にR1回転として伝達される。第1分岐歯車38に伝達されたR1回転は合成歯車42にR2回転として伝達される。合成歯車42に伝達されたR2回転は出力歯車56に伝達される。
そして、出力歯車56に伝達されたR2回転は、表示歯車57を介して表示回転軸43にR1回転として伝達されることで、累積変位量表示部24の指針44が、軸力材11が引張り方向に変位したときの累積変位量として、所定角度だけ時計回り(R1方向)に回転する。
第2実施形態の一方向回転変換部23によると、第2回転軸37には第1分岐歯車38のみが固定されており、この第1分岐歯車38が、第1ワンウェイクラッチ33の第1クラッチ歯車35と第3回転軸40に固定された合成歯車42との間で噛合している。このように、ケース20内に内蔵される回転要素の部品点数が減少するので、一方向回転変換部23の小型化を図ることができる。
1 橋梁
2 上部構造
3 地盤
4 橋脚
5 基礎
6a,6b 柱材
7a~7d 水平材
8a~8d 構造枠部
9a,9b ガセットプレート
10A~10H 制振ダンパー
11 軸力材
11a,11b 軸力材11の軸方向の端部
12a,12b エンドプレート
13a,13b 取付け部材
14 補剛部材
14a,14b 補剛部材の端部
15 変位表示装置
16,17 連結板
18 固定用添接板
19 変位表示装置用添接板
20 ケース
20a 一方のケース側面
20b 他方のケース側面
21 ラック&ピニオン部
22 ピニオン
23 一方向回転変換部
24 累積変位量表示部
25 最大変位量表示部
26 ラック部材
26a ラック歯
27 締結バンド
28 ラック固定部材
29 入力軸
30 ウォーム
31 第1回転軸
32 ウォーム歯車
33 第1ワンウェイクラッチ
34 第2ワンウェイクラッチ
35 第1クラッチ歯車
36 第2クラッチ歯車
37 第2回転軸
38 第1分岐歯車
39 第2分岐歯車
40 第3回転軸
41 第3分岐歯車
42 合成歯車
43 表示回転軸
44 指針
45 表示プレート
46 表示バー
47 引張り側表示部材
48 圧縮側表示部材
49 引張り側係止部材
50 圧縮側係止部材
51 バー固定部材
52 バー固定部材
56 出力歯車
57 表示歯車

Claims (7)

  1. 地震時に相対変位を生じる一対の相対変位部の一方に設けられて相対変位方向に直線運動する直線運動伝達部と、前記一対の相対変位部の他方に設けられて前記直線運動伝達部に連結し、前記直線運動伝達部の直線運動を回転運動に変換する回転運動伝達部と、前記回転運動伝達部から伝達された正逆方向の回転を一方向回転に変換する一方向回転変換部と、前記一方向回転変換部から伝達された一方向回転を利用して前記一対の相対変位部の累積変位量を表示する累積変位量表示部と、を備え、
    前記直線運動伝達部は、ラック歯が形成されている長尺なラック部材であり、
    前記ラック部材は、前記一方向回転変換部を収納するケースの内部を貫通して相対変位方向に配置されており、
    前記ケースの内部には、
    第1ワンウェイクラッチ及び第2ワンウェイクラッチが軸方向に離間して固定され、前記回転運動伝達部から回転運動が伝達される第1回転軸と、
    前記第1ワンウェイクラッチに伝達された正逆方向回転の正方向回転のみが一方向回転として伝達される第2回転軸と、
    前記第2ワンウェイクラッチに伝達された正逆方向回転の逆方向回転のみが一方向回転として伝達され、前記第2回転軸に伝達された一方向回転が合成して伝達されるとともに、これら一方向回転を前記累積変位量表示部に伝達する第3回転軸と、が配置され、
    前記ケース内の前記第1回転軸、前記第2回転軸及び前記第3回転軸は、前記ラック部材が延在している相対変位方向に平行に配置されていることを特徴とする変位表示装置。
  2. 前記ケースは、前記一対の相対変位部の他方に底部が固定された有底箱形状の部材であり、
    前記累積変位量表示部は、
    前記ケースの開口部を閉塞するように固定され、表示円に累積変位量の大きさが表示されている表示プレートと、
    前記表示プレートを貫通する表示回転軸と、
    前記表示回転軸の一端に固定されて前記表示円の前記累積変位量を示す指針と、を備えており、
    互いに直交して配置された前記第3回転軸及び前記表示回転軸の間に、一方向回転伝達歯車が配置されていることを特徴とする請求項1記載の変位表示装置。
  3. 前記一方向回転伝達歯車は、前記第3回転軸に固定されたはすば歯車で構成した出力歯車と、前記表示回転軸の他端に固定され、前記出力歯車に噛合するはすば歯車で構成した表示歯車と、であることを特徴とする請求項2記載の変位表示装置。
  4. ダンパー本体と、前記ダンパー本体に設けられている請求項1から3の何れか1項に記載の変位表示装置とを備え、
    前記ダンパー本体は、振動エネルギーを吸収する吸収部を備え、前記吸収部が前記振動エネルギーを吸収する際に前記変位表示装置の一対の相対変位部が相対変位することを特徴とする制振ダンパー。
  5. 前記ダンパー本体は、座屈拘束ブレース、鋼材ダンパー、鉛ダンパー、摩擦ダンパー、シリンダー型ダンパー、オイルダンパー、粘弾性体ダンパー、せん断ダンパー、曲げ降伏型ダンパー、せん断パネル型ダンパー、鋼管ダンパー、アンボンドプレース、波形鋼板ダンパー、慣性質量ダンパー、回転慣性質量ダンパーの何れかであることを特徴とする請求項4記載の制振ダンパー。
  6. 前記吸収部は、軸方向に作用する圧縮及び引張りの軸荷重を弾性変形及び塑性変形により吸収する軸力材で構成され、
    前記軸力材の両端に取付け部材が固定され、
    前記軸力材を内挿する補剛部材の一端が前記軸力材の一端側の前記取付け部材に固定されており、
    前記補剛部材の他端前記軸力材の他端側の前記取付け部材固定せず、前記補剛部材の他端に前記ラック部材が固定され、前記軸力材の他端側の前記取付け部材に前記ケースが固定されていることを特徴とする請求項4又は5記載の制振ダンパー。

  7. 構造枠部の内部に請求項6記載の制振ダンパーをブレース材として配置して振動エネルギーを吸収するようにした土木建築構造物であって、
    前記制振ダンパーの前記軸力材の一端側の前記取付け部材が、前記構造枠部の内部に設けた第1のガセットプレートに固定されており、
    前記軸力材の他端側の前記取付け部材が、前記構造枠部の内部に設けた第2のガセットプレートと添接板を介して固定されているとともに、前記添接板に、前記ケースが着脱自在に固定されていることを特徴とする土木建築構造物。
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