JP6546561B2 - 変位表示装置及び制振ダンパー - Google Patents
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Description
これに対して、近年では、制振ダンパーを構造物の部材間に設置することにより、ダンパーのエネルギー吸収効果により構造物の部材に作用する荷重や変形を低減することによって構造物の部材数や重量を低減し、安全性と経済性を向上させる方法がとられるようになっている。
この履歴型ダンパーでは、安定したエネルギー吸収能を発揮するために、最大変位量と、疲労耐久性を表すための累積変位量の二つの指標によって設計や安全性の管理が行われる。
ここで、地震を受けたときの制振ダンパーの安全性(耐久性)を外観によって測定するものとして、特許文献1に開示の変位センサーや特許文献2に開示の装置がある。
また、特許文献1、2とは別の技術で累積変位量を計測する場合には、何らかの電源が必要である。そのため、長時間商用電源が使用できない場所や、バッテリーなどの電源の交換が容易にできない場所では、累積変位量の測定が不可能であった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、少なくとも累積変位量の計測を、電力を使用せずに機械式で行うことができるとともに、目視で容易に確認することができる変位表示装置及び制振ダンパーを提供することにある。
また、以下に示す第1〜第3実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記のものに特定するものでない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された請求項が規定する技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
図1で示す第1実施形態は、軸降伏型の制振ダンパー1を示すものであり、ダンパー本体2と、変位表示装置3とを備えている。
[ダンパー本体]
ダンパー本体2は、振動エネルギーを軸方向に作用する圧縮及び引張りの軸荷重を塑性変形により吸収して減衰する軸部材5と、軸部材5の軸方向の両端にそれぞれ設けた一対の構造物連結部材6a,6bと、軸部材5を内挿する補剛部材7と、を備えている。
軸部材5は、履歴減衰特性(塑性変形に伴うエネルギー減衰特性)を有する普通鋼又は低降伏点鋼の鋼管からなる。そして、軸部材5は、軸方向に作用する軸荷重に対して伸縮して降伏する。補剛部材7は、軸部材5に軸方向の圧縮荷重が作用したときに軸部材5の座屈を防止するようになっており、例えば円筒形状で形成されている。一対の構造物連結部材6a,6bは、橋梁、アーチ橋、水門、ボックスカルバートなどの土木構造物や、ビル、塔、倉庫などの建築構造物に制振ダンパー1を取り付けるときの継ぎ手として用いられる。一対の構造物連結部材6a,6bとしてはボルト接合タイプやピン接合タイプがあるが、この第1実施形態ではピン接合タイプを採用している。
変位表示装置3は、図2に示すように、補剛部材7と構造物連結部材6aとの間で生じる相対変位を正逆方向の回転運動に変換するラック&ピニオン部8と、ラック&ピニオン部8のピニオン12から伝達された正逆方向の回転を一方向の回転に変換する一方向回転変換部9と、一方向回転変換部9から得られた一方向の回転により累積変位量を表示する累積変位量表示部10と、軸部材5の軸方向変位量の最大値を表示する最大変位量表示部4と、を備えている。
ラック&ピニオン部8のピニオン12は、図1に示す補剛部材7の外周に固定された一方向回転変換部9のケース14に回転自在に支持されている。
一方向回転変換部9は、補剛部材7の外周に固定ベルト16で固定されている。
一方向回転変換部9のケース14内には、図2に示すように、入力軸17に、ラック&ピニオン部8のピニオン12及びウォーム18が軸方向に離間して固定されている。そして、第1回転軸19に固定されたウォーム歯車20がウォーム18に噛合されていることで、入力軸17の回転が減速されてウォーム歯車20に伝達されるようになっている。
第1ワンウェイクラッチ21及び第2ワンウェイクラッチ22は、図示しないが、外輪と、内輪と、外輪及び内輪の間に配置され、第1回転軸19に伝達された正逆方向の回転の一方向の回転のみを外輪に伝達する回転制御部とを備えた装置である。
そして、第1ワンウェイクラッチ21の外輪の外周に第1クラッチ歯車23が固定され、第2ワンウェイクラッチ22の外輪の外周に第2クラッチ歯車24が固定されている。
第1ワンウェイクラッチ21の回転制御部は、ウォーム歯車20を介して第1回転軸19に図3のR1方向及びR2方向の回転が伝達された場合に、R1方向の回転のみを第1クラッチ歯車23に伝達し、R2方向の回転が伝達された場合には第1クラッチ歯車23が空回りする構造としている。
そして、第1クラッチ歯車23は、第2回転軸25に固定された第1分岐歯車26に噛合されており、第2回転軸25には、第1分岐歯車26に対して軸方向に離間した位置に第2分岐歯車27が固定されている。
この合成歯車30に、第2回転軸25に固定された第2分岐歯車27が噛合されている。
また、累積変位量表示部10は、図4に示すように、表示回転軸31から回転が伝達される指針32と、一方向回転変換部9のケース14に固定され、指針32が回転する表示円の範囲内に3つの表示領域33a,33b,33cが表示されている表示プレート33と、指針32が1回転以上時計回りに回転するのを規制するストッパー34と、を備えている。
3つの表示領域33a,33b,33cの各々は、時計回りに並んで表示されており、表示領域33aは例えば青色、表示領域33bは例えば黄色、表示領域33cは例えば赤色で表示されており、軸部材5の累積変位量に対応して識別されており、青色の表示領域33a、黄色の表示領域33b、赤色の表示領域33cの順に累積変位量が多くなることを示している。
図5(a)は、軸部材5が引張り方向に変位したときの変位表示装置3の動作を示し、図5(b)は、軸部材5が圧縮方向に変位したときの変位表示装置3の動作を示している。なお、図5(a)、(b)で記載したR1,R2は、図3で示したR1方向(右回り)の回転、R2方向(左回り)の回転を示している。
ウォーム歯車20に伝達されたR1方向の回転は、第1ワンウェイクラッチ21及び第1クラッチ歯車23を介して第1分岐歯車26にR2方向の回転として伝達される。第1分岐歯車26に伝達されたR2方向の回転は、第2分岐歯車27を介して合成歯車30にR1方向の回転として伝達される。
そして、合成歯車30に伝達されたR1方向の回転が出力軸28を介して表示回転軸31に伝達されることで、累積変位量表示部10の指針32が、軸部材5が引張り方向に変位したときの累積変位量として、所定角度だけ時計回りに回転する。
ウォーム歯車20に伝達されたR2方向の回転は、第2ワンウェイクラッチ22及び第2クラッチ歯車24を介して第3分岐歯車29にR1方向の回転として伝達される。第3分岐歯車29に伝達されたR1方向の回転は、出力軸28に同軸に固定されている合成歯車30にR1方向の回転として伝達される。
そして、合成歯車30に伝達されたR1方向の回転が出力軸28を介して表示回転軸31に伝達されることで、累積変位量表示部10の指針32が、軸部材5が圧縮方向に変位したときの累積変位量として、所定角度だけ時計回りに回転する。
ここで、本発明に係る一方向回転変換部から累積変位量表示部10に伝達される一方向の回転が、R1方向の回転に対応している。
最大変位量表示部4は、図6(a)に示すように、圧縮側変位表示部材36と、引張り側変位表示部材37と、を備えている。
圧縮側変位表示部材36は、一方向回転変換部9のケース14を貫通しているラック部材11の一端側(ラック連結部材13側)に突出しているラック部材11の側面及びラック歯11aに摺動自在に係合しているとともに、ケース14に接触しないときにはラック部材11上で停止している門型、或いは輪型形状の部材である。
圧縮側変位表示部材36は、軸部材5が圧縮方向に変位する際には、ケース14のラック連結部材13を向く側面14aの一部に当接しながらラック部材11の一端側に摺動していく。
引張り側変位表示部材37は、軸部材5が引張り方向に変位する際には、ケース14の前述した側面14aに対して逆側の側面14bの一部に当接しながらラック部材11の自由側に摺動していく。
この図によると、圧縮側変位表示部材36は、ラック部材11の一端側に移動しており、ケース14の側面14aからの距離CXmaxを、現在までの圧縮側最大変位量として表示する。
また、引張り側変位表示部材37は、ラック部材11の自由端側に移動しており、ケース14の側面14bからの距離TXmaxを、現在までの引張り側最大変位量として表示する。
次に、図7及び図8は、変位表示装置3の具体的な構成部材を示すものである。
変位表示装置3は、ラック&ピニオン部8のピニオン12から伝達された正逆方向の回転運動が、ピニオン12の回転軸(入力軸17)に対して回転軸(第1回転軸19)が直交配置されたウォーム歯車20にR1方向及びR2方向の回転(図3参照)として伝達される。
そして、ウォーム歯車20に伝達されたR1方向及びR2方向の回転が、一方向回転変換部9によりR1方向に合成されて出力軸28に出力される。
ここで、図7及び図8では図示していないが、一方向回転変換部9を構成している第1ワンウェイクラッチ21は、第1回転軸19に配置されている第1クラッチ歯車23に内蔵されており、第2ワンウェイクラッチ22は、第1回転軸19に配置されている第2クラッチ歯車24に内蔵されている。
次に、図9は、第1実施形態1の制振ダンパー1を橋梁に適用した状態を示す図である。
橋梁40は、地中(不図示)から立設している柱部41と、柱部41の上端に配置された上部工42とを備え、上部工42が温度や変形で伸縮する場合に、柱部41や上部工42に余分な応力が加わらないように、柱部41の上端と上部工42との間に、上部工42を長手方向(図9の左右方向)に移動可能とする可動支承43が設置されている。上部工42は、柱部41を横切るようにして柱部41の上端上に配置されている。柱部41の側面上部41aには柱部側ブラケット44が設けられ、上部工42の下面42aには上部工側ブラケット45が設けられている。
制振ダンパー1は、柱部41及び上部工42で仕切られた空間内に、上部工42の長手方向に沿うようにして配置されている。そして、制振ダンパー1は、一端側の構造物連結部材6aが上部工側ブラケット45に回動自在に連結され、他端側の構造物連結部材6bが柱部41の柱部側ブラケット44に回動自在に連結されている。
次に、図10は、地震時において制振ダンパー1の軸部材5に生じる軸方向の変位状態の一例を示したものである。図10の横軸は、軸部材5の伸縮量を表し、縦軸は軸部材5に付加される軸力を表す。また、破線は軸部材5の弾性変形量を表し、実線のC1,C2,C3は圧縮方向の塑性変位量であり、実線のT1,T2,T3は引張り方向の塑性変位量である。また、図10の符号δで示す範囲は、軸部材5の変位初期で発生する遊びである。
一方、制振ダンパー1の変位表示装置3は、地震時に軸部材5が引張り方向に変位するときには、一方向回転変換部9が、ラック&ピニオン部8のピニオン12の正回転をR1方向の回転として累積変位量表示部10の表示回転軸31に伝達していき、指針32を時計回りに回転させて累積変位量を加算していく(図5(a)参照)。また、地震時に軸部材5が圧縮方向に変位するときには、一方向回転変換部9が、ラック&ピニオン部8のピニオン12の逆回転をR1方向の回転として累積変位量表示部10の表示回転軸31に伝達していき、指針32を時計回りに回転させて累積変位量を加算していく(図5(b)参照)。
また、制振ダンパー1の最大変位量表示部4は、図10の圧縮側の最大変位量CXmaxを、図6(b)で示した圧縮側変位表示部材36とケース14の側面14aからの距離CXmaxで表示するとともに、図10の引張り側の最大変位量TXmaxを、図6(b)で示した引張り側変位表示部材37とケース14の側面14bからの距離TXmaxで表示する。
橋梁に適用した制振ダンパー1は、地震により柱部41と上部工42との水平方向の相対変位Hで発生した振動エネルギーを、軸部材5の軸方向の引張り方向の塑性変形及び圧縮方向の塑性変形で吸収して減少させるので、上部工42の長手方向に沿う1軸方向の制振を確実に行うことができる。
軸部材5の累積変位量は、制振ダンパー1の低サイクル疲労の度合いを算定するための指標であることから、制振ダンパー1の疲労の度合いを、変位表示装置3の累積変位量表示部10を見るだけで容易に判断することができる。
また、制振ダンパー1に最大変位量表示部4を備えているので、制振ダンパー1の疲労に関わる歪みの度合いを、目視で簡単に測定することができる。
また、最大変位量表示部4は、ラック&ピニオン部8を構成しているラック部材11に圧縮側変位表示部材36及び引張り側変位表示部材37を配置した簡便な構造としているので、製造コストの低減化を図ることができる。
また、変位表示装置3は、補剛部材7と構造物連結部材6aとの間で生じる相対変位(直線運動)を正逆方向の回転運動に変換するラック部材11及びピニオン12を備えたラック&ピニオン部8を備えているが、ピニオン12をゴム車(不図示)に替え、ゴム車に回転運動を伝達する摩擦板をラック部材11に替えた構造としても同様の効果を奏することができる。
さらに、図9において紙面の表裏方向に制振ダンパー1が延在した状態で柱部41及び上部工42の間に連結されていても、前述した効果を奏することができる。
図2の一方向回転変換部9では、入力軸17の回転を減速する機構としてウォームギア式減速機構(ウォーム18及びウォーム歯車20)を使用したが、この減速機構は、図2で示した一方向回転変換部9の第1ワンウェイクラッチ21及び第2ワンウェイクラッチ22に発生する遊びが、図10で示した軸部材5の変位初期で発生する遊びδに相当するように調整するためのものである。
図11(a)のタンジェントスクリュー式減速機構50は、入力軸17の外周に形成した雄ねじ51と、雄ねじ51に螺合する雌ねじ(不図示)が形成され、入力軸17の回転によって入力軸17の軸方向に移動する軸方向移動部材52と、軸方向移動部材52の入力軸17の軸方向の移動を第1回転軸19にR1方向の回転、或いはR2方向の回転として伝達する回転伝達部材53と、を備えている。なお、R1方向及びR2方向の回転は、図3で示したR1方向(右回り)の回転、R2方向(左回り)の回転である。
図1で示したように、補剛部材7と構造物連結部材6aとの相対変位は、軸部材5の軸方向の伸縮変位によって生じる。軸部材5の軸方向の伸縮変位は、軸方向に作用する圧縮及び引張りの軸荷重により生じる。
図11(a)は、軸部材5が引張り方向に変位したときのタンジェントスクリュー式減速機構50の動作を示し、図11(b)は、軸部材5が圧縮方向に変位したときのタンジェントスクリュー式減速機構50の動作を示している。
なお、図2で示したウォームギア式減速機構(ウォーム18及びウォーム歯車20)、図11(a)、(b)で示したタンジェントスクリュー式減速機構50の他の構造の減速機構として、遊星変速ギヤを使用した減速機構を採用してもよい。
次に、図12は、第3実施形態の累積変位量表示部60を示すものである。
第3実施形態の累積変位量表示部60は、表示台61上を直線運動する表示移動部材62と、表示移動部材62の表面に表示されている表示部63と、一方向回転変換部9の出力軸28から一方向の回転が伝達される直線運動変換部64と、表示台61に形成され、直線運動した表示移動部材62の所定位置を指し示すマーク65と、を備えている。
表示移動部材62の具体的な構成は、上面にラック歯(不図示)を規制したラック部材であり、表示台61に設けた支持部材(不図示)により直線運動可能に配置されている。
また、直線運動変換部64の具体的な構成は、表示移動部材62のラック歯に係合するピニオンである。
そして、表示台61に形成したマーク65が、表示部63の所定の表示領域(例えば表示領域63a)を指し示す。
したがって、第3実施形態の累積変位量表示部60も、電力を使用せずに機械式で軸部材5の累積変位量を表示することができる。
なお、第1〜第3実施形態の変位表示装置3は、振動エネルギーを吸収する制振ダンパー1のダンパー本体2に装着されるものとして説明したが、例えば免震装置に装着して累積変位量及び最大変位量を表示する装置として使用しても、同様の効果を発揮することができる。
2 ダンパー本体
3 変位表示装置
4 最大変位量表示部
5 軸部材
6a,6b 構造物連結部材
7 補剛部材
8 ラック&ピニオン部
9 一方向回転変換部
10 累積変位量表示部
11 ラック部材
11a ラック歯
12 ピニオン
13 ラック連結部材
14 ケース
16 固定ベルト
17 入力軸
18 ウォーム
19 第1回転軸
20 ウォーム歯車
21 第1ワンウェイクラッチ
22 第2ワンウェイクラッチ
23 第1クラッチ歯車
24 第2クラッチ歯車
25 第2回転軸
26 第1分岐歯車
27 第2分岐歯車
28 出力軸
29 第3分岐歯車
30 合成歯車
31 表示回転軸
32 指針
33 表示プレート
33a〜33c 表示領域
34 ストッパー
36 圧縮側変位表示部材
37 引張り側変位表示部材
40 橋梁
41 柱部
41a 側面上部
42 上部工
43 可動支承
44 柱部側ブラケット
45 上部工側ブラケット
50 タンジェントスクリュー式減速機構
51 雄ねじ
52 軸方向移動部材
53 回転伝達部材
54 突起
55 長穴
56 回転伝達板
60 累積変位量表示部
61 表示台
62 表示移動部材
63 表示部
63a〜63c 表示領域
64 直線運動変換部
65 マーク
Rd 相対変位方向
R1 右回りの回転
R2 左回りの回転
δ 遊び
Claims (8)
- 地震時に相対変位を生じる一対の相対変位部の一方に設けられて相対変位方向に直線運動する直線運動伝達部と、
前記一対の相対変位部の他方に設けられて前記直線運動伝達部に連結し、前記直線運動伝達部の直線運動を回転運動に変換する回転運動伝達部と、
前記回転運動伝達部から伝達された正逆方向の回転を一方向の回転に変換する複数の回転伝達要素で構成された一方向回転変換部と、
前記一方向回転変換部から伝達された前記一方向の回転を利用して前記一対の相対変位部の累積変位量を表示する累積変位量表示部と、
前記一対の相対変位部の最大変位量を表示する最大変位量表示部と、を備え、
前記一方向回転変換部は、
前記回転運動伝達部から伝達された正逆方向の回転が伝達される第1回転軸と、
前記第1回転軸に軸方向に離間して固定された第1及び第2ワンウェイクラッチと、を備え、
前記第1ワンウェイクラッチが、前記第1回転軸に伝達された正方向の回転のみを第1回転伝達要素に伝達し、前記第2ワンウェイクラッチが、前記第1回転軸に伝達された逆方向の回転のみを第2回転伝達要素に伝達し、
前記直線運動伝達部は、前記相対変位方向にラック歯が形成されている長尺なラック部材であり、
前記最大変位量表示部は、
前記一対の相対変位部の他方に設けられて前記一方向回転変換部を収納しているケースと、
前記ケースを前記相対変位方向に貫通している前記ラック部材と、
門型、或いは輪型に形成され、前記相対変位方向を向く前記ケースの一方の側面側で前記ラック部材の短尺方向の外周に摺動自在に係合している第1変位表示部材と、
門型、或いは輪型に形成され、前記ケースの一方の側面に対して前記相対変位方向の逆側である前記ケースの他方の側面側で前記ラック部材の短尺方向の外周に摺動自在に係合している第2変位表示部材と、を備え、
前記第1変位表示部材は、前記ラック部材の前記相対変位方向の移動により前記ケースの一方の側面に当接することで前記ラック部材上を摺動し、前記一方の側面に接触しないときには前記ラック部材上で停止し、
前記第2変位表示部材は、前記ラック部材の前記相対変位方向の移動により前記ケースの他方の側面に当接することで前記ラック部材上を摺動し、前記他方の側面に接触しないときには前記ラック部材上で停止することを特徴とする変位表示装置。 - 前記最大変位量表示部は、前記ラック部材の長手方向に設けられ、前記第1及び第2変位表示部材が停止している位置の前記最大変位量の大きさを表示する表示部を備えていることを特徴とする請求項1記載の変位表示装置。
- 前記累積変位量表示部は、
表示円に前記累積変位量の大きさが表示されている表示プレートと、
前記一方向回転変換部から前記一方向の回転が伝達されて回転し、前記表示プレートの前記表示円に表示されている前記累積変位量の所定の大きさを指し示す指針と、
を備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載の変位表示装置。 - 前記累積変位量表示部は、
表示台上を直線運動する表示移動部材と、
前記表示移動部材の表面に前記累積変位量の大きさが表示されている表示部と、
前記表示移動部材に係合し、前記一方向回転変換部から前記一方向の回転が伝達されることで前記表示移動部材を直線運動させる直線運動変換部と、
前記表示台に形成され、直線運動した前記表示移動部材の前記表示部における前記累積変位量の所定の大きさを指し示すマークと、
を備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載の変位表示装置。 - 前記第1回転伝達要素は、前記第1ワンウェイクラッチの外周に固定された第1クラッチ歯車であり、前記第2回転伝達要素は、前記第2ワンウェイクラッチの外周に固定された第2クラッチ歯車であり、
前記回転伝達要素の全てが、前記第1クラッチ歯車及び前記第2クラッチ歯車から回転が伝達される歯車であることを特徴とする請求項1から4の何れか1項記載の変位表示装置。 - ダンパー本体と、前記ダンパー本体に設けられている請求項1から請求項5の何れか1項に記載の変位表示装置とを備え、
前記ダンパー本体は、振動エネルギーを吸収する吸収部を備え、前記吸収部が前記振動エネルギーを吸収する際に前記変位表示装置の一対の相対変位部が相対変位することを特徴とする制振ダンパー。 - 前記吸収部は、軸方向に作用する圧縮及び引張りの軸荷重を弾性変形及び塑性変形により吸収する軸部材で構成され、
前記一対の相対変位部の一方は、前記軸部材を内挿する補剛部材で構成され、
前記一対の相対変位部材の他方は、前記軸部材の端部に設けられた連結部材で構成されていることを特徴とする請求項6記載の制振ダンパー。 - 前記ダンパー本体は、座屈拘束ブレース、鋼材ダンパー、鉛ダンパー、摩擦ダンパー、シリンダー型ダンパー、オイルダンパー、粘弾性体ダンパー、せん断ダンパー、曲げ降伏型ダンパー、せん断パネル型ダンパー、鋼管ダンパー、アンボンドプレース、波形鋼板ダンパー、慣性質量ダンパー、回転慣性質量ダンパーの何れかであることを特徴とする請求項6又は7に記載の制振ダンパー。
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