JP2016211264A - 制振装置 - Google Patents

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啓介 塩田
Keisuke Shioda
啓介 塩田
宏之 今塩
Hiroyuki Imashio
宏之 今塩
仁志 内藤
Hitoshi Naito
仁志 内藤
有哉 櫻井
Yuya Sakurai
有哉 櫻井
萩原 健一
Kenichi Hagiwara
健一 萩原
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Abstract

【課題】常時の温度変化や上載荷重のたわみで変位するときにはダンパーが変形せず、疲労劣化を防止する制振装置を提供する。
【解決手段】相対変位する第1構造体4及び第2構造体3のうち第1構造体に連結されたダンパー7と、第2構造体とダンパーとの間に連結された反力発生部8とを備えている。反力発生部は、常時の温度変化や上載荷重のたわみにより第1構造体及び第2構造体が相対変位するときにはダンパーに反力を発生させず、所定の大きさ以上の地震加速度が発生したときにダンパーに反力を発生し、ダンパーが、第1構造体及び第2構造体の間の相対変位で発生したエネルギーを自身の変形で吸収するようにした。
【選択図】図1

Description

本発明は、橋梁や水門などの土木構造物、ビルなどの建築構造物に採用される制振装置に関する。
近年、東日本大震災の経験の反映、首都直下型地震や南海トラフ地震などの将来想定される大地震への対策とし、既設の構造物の耐震補強や今後建設する構造物の耐震性向上が危急の課題となっている。
耐震性向上の一つとして、構造物にダンパーを設置して地震エネルギーを吸収することで、構造物に作用する地震力を低減し、構造物の安全性向上や対策工事の経済性を向上させることが行なわれている。例えば、橋梁では、上部工と橋脚の間にダンパーを設置し、大地震時に発生する大きな相対変位のエネルギーを吸収するダンパーを備えた技術が開発されている(例えば、特許文献1,2)。
特許文献1は、上部工及び橋脚が相対変位する方向にねじりによるせん断塑性変形を行なうダンパーを配置し、大地震時に、上部工及び橋脚の大きな相対変位で発生したエネルギーを、ダンパーのねじりによるせん断塑性変形で吸収して減衰していく装置である。
また、特許文献2は、上部工及び橋脚が相対変位する方向に粘弾性体からなるダンパーを配置し、大地震時に上部工及び橋脚の大きな相対変位で発生したエネルギーを、粘弾性体(ダンパー)の塑性変形で吸収して減衰していく装置である。
特許第4358293号公報 特開2013−108260号公報
ところで、橋梁の上部工は、常時の温度変化や上載荷重のたわみにより変位するが(以下、常時の変位時と称する)、このような常時の変位時にも特許文献1,2のダンパーが変形する。このような常時の変位によるダンパーの変形に伴って反力が発生し、この反力が上部工及び橋脚に対して余分の応力を発生させてしまう。
また、特許文献1,2のダンパーは通常時の変位でも変形するので疲労劣化の面で問題がある。
そこで、本発明は、上記従来例の未解決の課題に着目してなされたものであり、常時の温度変化や上載荷重のたわみで変位するときにはダンパーが変形せず、疲労劣化を防止することで、地震時の制振機能を長期に渡って確保することができる制振装置を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明の一態様に係る制振装置は、相対変位する第1構造体及び第2構造体のうち前記第1構造体に連結されたダンパーと、前記第2構造体と前記ダンパーとの間に連結された反力発生部と、を備え、前記反力発生部は、常時の温度変化や上載荷重のたわみにより前記第1構造体及び前記第2構造体が相対変位するときには前記ダンパーに反力を発生させず、所定の大きさ以上の地震加速度が発生したときに前記ダンパーに反力を発生し、当該ダンパーが、前記第1構造体及び前記第2構造体の間の前記相対変位で発生したエネルギーを自身の変形で吸収するようにした。
本発明に係る制振装置によれば、所定の大きさ以上の地震加速度で地震が発生したときには、反力発生部からダンパーに反力を伝達し、ダンパーによる減衰力で第1構造体及び第2構造体の大きな相対変位によるエネルギーを減衰することができ、構造物の耐震性能を大幅に向上させることができる。また、反力発生部は、常時の温度変化や上載荷重のたわみにより第1構造体及び第2構造体が相対変位するときにはダンパーに反力を発生させないので、ダンパーの疲労劣化を防止することができる。
本発明に係る第1実施形態の制振装置を示すものである。 本発明に係る第1実施形態の制振装置の反力発生部の動作を示すものである。 本発明に係る第1実施形態のダンパーの塑性変形部の変形メカニズムを示すものである。 本発明に係る第2実施形態の制振装置を示すものである。 本発明に係る第2実施形態の制振装置の反力発生部を示すものである。 本発明に係る第3実施形態の制振装置を示すものである。 本発明に係る第4実施形態の制振装置を示すものである。 本発明に係る第4実施形態の制振装置の反力発生部を示すものである。 本発明に係る第5実施形態の制振装置を示すものである。 本発明に係る第6実施形態の制振装置を示すものである。 本発明に係る第6実施形態の制振装置の反力発生部を示すものである。 本発明に係る第7実施形態の制振装置を示すものである。 本発明に係る第8実施形態の制振装置を示すものである。 本発明に係る第8実施形態の制振装置の反力発生部を示すものである。 本発明に係る第9実施形態の制振装置を示すものである。
次に、図面を参照して、本発明の第1〜第9実施形態を説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、厚みと平面寸法との関係、各層の厚みの比率等は現実のものとは異なることに留意すべきである。したがって、具体的な厚みや寸法は以下の説明を参酌して判断すべきものである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることはもちろんである。
また、以下に示す第1〜第9実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記のものに特定するものでない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された請求項が規定する技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
[第1実施形態]
図1は、本発明に係る橋梁1に配置した第1実施形態の制振装置2を示すものである。
橋梁1は、図1に示すように、地中(不図示)から立設している柱部3と、柱部3の上端に配置された上部工4とを備え、上部工4が常時の温度変化や上載荷重のたわみにより伸縮する場合に、柱部3や上部工4に余分な応力が加わらないように、柱部3の上端と上部工4との間に、上部工4を長手方向(図1の左右方向)に移動可能とする可動支承5が設置されている。
柱部3の側面上部3aにはブラケット6が突出して形成されており、このブラケット6と上部工4の下面4aの間の空間に、上部工4の長手方向を制振する第1実施形態の制振装置2が配置されている。
第1実施形態の制振装置2は、柱部3及び上部工4の水平方向の相対変位で発生したエネルギー(外力)を自身の変形で吸収して減衰していくダンパー7と、反力発生部8と、を備えている。
ダンパー7は、履歴減衰特性(塑性変形に伴うエネルギー減衰特性)を有する普通鋼又は低降伏点鋼の鋼管からなる塑性変形部7aと、塑性変形部7aが変形した場合に、塑性変形部7aの外周面に内周面が接触するように塑性変形部7aを内挿する円筒形状の補剛管7bと、塑性変形部7aの長手方向の一方の端部に形成した一端側連結部7cと、を備えている。
ダンパー7の一端側連結部7cは、上部工4の下面4aに固定した第1上部工側連結部9と、水平方向に延在するピン10を介して連結されている。
反力発生部8は、ブラケット6に軸線が水平方向に延在するように回転自在に設けられた回転軸11と、この回転軸11の一端(ブラケット6に対して図1の前面側)に同軸に固定されたピニオン12と、回転軸11の他端(ブラケット6に対して図1の裏面側)に同軸に固定されたフライホイール13と、ダンパー7の塑性変形部7aの他方の端部に形成されてピニオン12に向けて延在しているラック14と、ブラケット6に固定されてラック14の下部を支持し、ラック14をピニオン12に噛合させているラック支持部15と、を備えている。
地震が発生すると、柱部3及び上部工4が水平方向に相対変位し、反力発生部8のラック14が、所定の加速度(地震加速度)で水平方向に移動する。
ラック14が所定の地震加速度で水平方向に移動すると、ピニオン12に回転軸11を介して固定されている反力発生部8のフライホイール13が回転して慣性モーメントが発生する。この慣性モーメントをラック14に付与することで、ダンパー7に反力を発生させるようになっている。
次に、図2は、地震発生時における反力発生部8の動作メカニズムを示し、図3は、ダンパー7の塑性変形部7aの変形メカニズムを示すものである。
図2において、フライホイール13の半径をR、ピニオン12の半径をL、フライホイール13の回転角をθ、ラック14に発生する反力をF、ラック14の変位をδ、変位増幅率をA、フライホイール13で発生した慣性モーメントをI、時間をt、トルクをT、地震加速度をEとすると、
地震発生時の反力発生部8の運動方程式は、
I × (dθ/dt) = T = F × L ……… (1)式
となる。
また、ラック14の変位δと、フライホイール13の回転角θとの関係は
θ = A × (δ/L) ……… (2)式
となる。
これら(1)式、(2)式より、
F = I × (A/L) × (dδ/dt
= I × (A/L) × E ……… (3)式
となる。
そして、図3に示すように、ダンパー7を構成する塑性変形部7aは、地震加速度Eが0.5Gのときに降伏軸力Fyとなって塑性変形が開始する材料が選定されている。
したがって、反力発生部8は、少なくとも地震加速度Eが0.5Gのときに降伏軸力Fyに等しい反力Fが発生するように、慣性モーメントI及び変位増幅率Aが設定されている。
ここで、本発明に係る第1構造体が上部工4に対応し、本発明に係る第2構造体が柱部3に対応し、本発明に係る回転慣性体がフライホイール13に対応している。
次に、第1実施形態の制振装置2の動作について説明する。
常時の温度変化や上載荷重のたわみにより柱部3及び上部工4が水平方向(図1の左右方向)に相対変位すると、地震加速度Eが略ゼロ(0)なのでラック14には反力Fが発生しない。そして、柱部3及び上部工4が相対変位すると、フライホイール13がゆっくり回転していき、ピニオン12がラック14の長手方向に噛合しながら移動していくので、ダンパー7の塑性変形部7aには外力が作用しない。
また、0.5Gを下回る地震加速度で地震が発生する場合には、ラック14に発生する水平方向(図1の左右方向)の反力Fにより、ダンパー7を構成する塑性変形部7aが弾性変形する。
そして、0.5G以上の地震加速度で地震が発生すると、ラック14に発生する反力Fによりダンパー7を構成する塑性変形部7aが塑性変形する。ラック14に発生する反力Fは、図1の左右方向に繰り返し発生し、塑性変形部7aは軸方向の塑性変形を繰り返して履歴減衰特性を発揮する。
したがって、この第1実施形態の制振装置2は、0.5G以上の地震加速度で地震が発生したときには、反力発生部8のラック14からダンパー7に反力Fを伝達し、ダンパー7の塑性変形部7aの塑性変形による減衰力で柱部3及び上部工4の大きな相対変位によるエネルギーを減衰することができ、構造物の耐震性能を大幅に向上させることができる。
また、この第1実施形態の制振装置2は、常時の温度変化や上載荷重のたわみにより柱部3及び上部工4が水平方向に相対変位する際には、反力発生部8のピニオン12がラック14の長手方向に噛合しながら移動してことでダンパー7には外力が作用しないので、ダンパー7の疲労劣化を防止することができる。
さらに、反力発生部8には、ピニオン12とともに回転するフライホイール13が設けられており、地震発生時にピニオン12が回転することでフライホイール13の慣性モーメントが発生し、ダンパー7に大きな反力Fを伝達することができるので、反力発生部8の小型化を図ることができる。
[第2実施形態]
次に、図4及び図5は、本発明に係る橋梁1に配置した第2実施形態の制振装置20を示すものである。なお、図1で示した橋梁1及び第1実施形態の制振装置2の構成と同一構成部分には、同一符号を付して説明を省略する。
柱部3の側面上部3aと上部工4の下面4aとの間の空間に、上部工4の長手方向を制振する第2実施形態の制振装置20が配置されている。
第2実施形態の制振装置20は、ダンパー7と、反力発生部21と、を備えている。
ダンパー7の一端側連結部7cは、上部工4の下面4aに固定した第1上部工側連結部22、水平方向に延在するピン23を介して連結されている。
反力発生部21は、柱部3の側面上部3aに連結されたナット支持部材24と、このナット支持部材24に回転自在に支持されている第1ナット部材25と、ダンパー7の塑性変形部7aの他方の端部に形成されて第1ナット部材25に螺合している第1ネジ軸26と、第1ナット部材25の外周に形成されたフライホイール27と、を備えている。
ナット支持部材24は、側面上部3aに固定した第1柱部側連結部28と、水平方向に延在したピン29を介して連結されており、筒状部30の内面の周方向に凸条部30aが形成されている。
第1ナット部材25は、内周に第1内周ネジ25aが形成されており、軸方向の一端側の外周に、ナット支持部材24の凸条部30aを軸方向から挟み込みながら突出している支持凸条部31a,31bが形成されているとともに、軸方向の他端側にフライホイール27が一体に形成されている。これにより、第1ナット部材25は、ナット支持部材24に回転自在、且つ軸方向の移動が拘束されて支持されている。
第1ネジ軸26は、第1ナット部材25の第1内周ネジ25aに螺合する第1外周ネジ26aが外周に形成された部材である。
地震が発生すると、柱部3及び上部工4が水平方向に相対変位し、反力発生部21の第1ネジ軸26が、所定の加速度(地震加速度)で軸方向に移動する。
第1ネジ軸26が所定の地震加速度で軸方向に移動すると、第1ネジ軸26に螺合する第1ナット部材25に回転が伝達され、第1ナット部材25の外周に形成されているフライホイール27が回転して慣性モーメントが発生する。この慣性モーメントを軸方向に移動している第1ネジ軸26に付与することで、ダンパー7に反力を発生させるようになっている。
第2実施形態のダンパー7を構成する塑性変形部7aも、地震加速度Eが0.5Gのときに降伏軸力Fyとなって塑性変形が開始する材料が選定されている。そして、反力発生部21は、少なくとも地震加速度Eが0.5Gのときに降伏軸力Fyに等しい反力Fが発生するように設定されている。
ここで、本発明に係る回転慣性体がフライホイール27に対応している。
次に、第2実施形態の制振装置20の動作について説明する。
常時の温度変化や上載荷重のたわみにより柱部3及び上部工4が水平方向(図5の左右方向)に相対変位すると、地震加速度Eは略ゼロ(0)なので第1ネジ軸26には反力Fが発生しない。そして、柱部3及び上部工4が相対変位すると、フライホイール13及び第1ナット部材25がゆっくり回転するので、ダンパー7の塑性変形部7aには外力が作用しない。
また、0.5Gを下回る地震加速度で地震が発生する場合には、第1ネジ軸26に発生する軸方向の反力により(図5の左右方向の反力F)、ダンパー7の塑性変形部7aが弾性変形する。
そして、0.5G以上の地震加速度で地震が発生すると、第1ネジ軸26に発生する反力Fによりダンパー7の塑性変形部7aが塑性変形する。第1ネジ軸26に発生する反力Fは、図5で示すように左右方向に繰り返し発生し、塑性変形部7aは軸方向の塑性変形を繰り返して履歴減衰特性を発揮する。
したがって、この第2実施形態の制振装置20は、0.5G以上の地震加速度で地震が発生したときには、反力発生部21の第1ネジ軸26からダンパー7に反力Fを伝達し、ダンパー7の塑性変形部7aの塑性変形による減衰力で柱部3及び上部工4の大きな相対変位によるエネルギーを減衰することができ、構造物の耐震性能を大幅に向上させることができる。
また、第2実施形態の制振装置20は、常時の温度変化や上載荷重のたわみにより柱部3及び上部工4が水平方向に相対変位する際には、反力発生部21の第1ネジ軸26が軸方向に移動しながら第1ナット部材25がゆっくり回転することでダンパー7には外力が作用しないので、ダンパー7の疲労劣化を防止することができる。
さらに、反力発生部21には、第1ナット部材25の外周にフライホイール27が設けられており、地震発生時に第1ナット部材25が回転することでフライホイール27の慣性モーメントが発生し、ダンパー7に大きな反力Fを伝達することができるので、反力発生部21の小型化を図ることができる。
[第3実施形態]
次に、図6は、第2実施形態の制振装置20に類似した第3実施形態の制振装置40を示すものである。
第3実施形態の制振装置40は、ダンパー7と、反力発生部21と、連結アーム41と、を備えている。
第3実施形態のダンパー7は、他端側に他端側連結部7dが形成されている。
また、第3実施形態の反力発生部21は、第1ネジ軸26の端部に第1ねじ軸連結部44が形成されている。
連結アーム41は、長手方向の一方の端部に一端側連結部41aが形成され、他方の端部に他端側連結部41bが形成されている。
連結アーム41の一端側連結部41aは、第1上部工側連結部22より柱部3側の上部工4の下面4aに固定した第2上部側連結部42に、水平方向に延在するピン43を介して連結されている。
この連結アーム41は、一端側連結部41aを上端として鉛直下方に延在し、他端側連結部41bが、第1ネジ軸26の第1ねじ軸連結部44に、水平方向に延在するピン45を介して連結されている。
ダンパー7は、一端側連結部7cが、上部工4の下面4aに固定した第1上部工側連結部22、水平方向に延在するピン23を介して連結されているとともに、他端側連結部7dが、上部工4に近い連結アーム41の上部側に水平方向に延在するピン46を介して連結されている。
次に、第3実施形態の制振装置40の動作について説明する。
常時の温度変化や上載荷重のたわみにより柱部3及び上部工4が水平方向(図6の左右方向)に相対変位すると、地震加速度Eは略ゼロ(0)なので第1ネジ軸26には反力Fが発生しない。そして、柱部3及び上部工4が相対変位すると、フライホイール27及び第1ナット部材25がゆっくり回転するので、ダンパー7の塑性変形部7aには外力が作用しない。
また、0.5Gを下回る地震加速度で地震が発生する場合には、第1ネジ軸26に発生する軸方向の反力が、連結アーム41を介してダンパー7に伝達され、塑性変形部7aが弾性変形する。
そして、0.5G以上の地震加速度で地震が発生すると、第1ネジ軸26に発生する反力が、連結アーム41を介してダンパー7に伝達され、塑性変形部7aが塑性変形する。第1ネジ軸26に発生する反力は、軸方向に繰り返し発生するので、塑性変形部7aは軸方向の塑性変形を繰り返して履歴減衰特性を発揮する。
したがって、第3実施形態の制振装置40も、第2実施形態の制振装置20と同様の効果を奏することができる。
[第4実施形態]
次に、図7及び図8は、本発明に係る橋梁1に配置した第4実施形態の制振装置50を示すものである。なお、図4で示した第2実施形態の制振装置20の構成と同一構成部分には、同一符号を付して説明を省略する。
第4実施形態の制振装置50は、ダンパー7と、反力発生部51と、を備えている。
反力発生部51は、柱部3の側面上部3aに連結されたナット支持部材52と、このナット支持部材52に回転自在に支持されている第1ナット部材53と、ダンパー7の塑性変形部7aの他方の端部に形成されて第1ナット部材53に螺合している第1ネジ軸54と、第1ナット部材53の外周に形成されたフライホイール55と、を備えている。
ナット支持部材52は、側面上部3aに固定した第1柱部側連結部28と、水平方向に延在したピン29を介して連結されており、棒状部56の外周の一部に突起部57が形成されている。
第1ナット部材53は、内周に第1内周ネジ53aが形成されており、軸方向の一端側の外周に、ナット支持部材52の突起部57が嵌まり込む環状の凹部58が形成されている。また、第1ナット部材53の外周にフライホイール55が一体に形成されている。
これにより、第1ナット部材53は、ナット支持部材52に回転自在、且つ軸方向の移動が拘束されて支持されている。
第1ねじ軸54は、第1ナット部材53の第1内周ネジ53aに螺合する第1外周ネジ54aが外周に形成された部材である。
地震が発生すると、柱部3及び上部工4が水平方向に相対変位し、反力発生部51の第1ネジ軸54が、所定の加速度(地震加速度)で軸方向に移動する。
第1ネジ軸54が所定の地震加速度で軸方向に移動すると、第1ネジ軸54に螺合する第1ナット部材53に回転が伝達され、第1ナット部材53の外周に形成されているフライホイール55が回転して慣性モーメントが発生する。この慣性モーメントを軸方向に移動している第1ネジ軸54に付与することで、ダンパー7に反力を発生させるようになっている。
第4実施形態のダンパー7を構成する塑性変形部7aも、地震加速度Eが0.5Gのときに降伏軸力Fyとなって塑性変形が開始する材料が選定されている。そして、反力発生部21は、少なくとも地震加速度Eが0.5Gのときに降伏軸力Fyに等しい反力Fが発生するように設定されている。
ここで、本発明に係る回転慣性体がフライホイール55に対応している。
次に、第4実施形態の制振装置20の動作について説明する。
常時の温度変化や上載荷重のたわみにより柱部3及び上部工4が水平方向(図8の左右方向)に相対変位すると、地震加速度Eは略ゼロ(0)なので第1ネジ軸54には反力Fが発生しない。そして、柱部3及び上部工4が相対変位すると、フライホイール55及び第1ナット部材53がゆっくり回転するので、ダンパー7の塑性変形部7aには外力が作用しない。
また、0.5Gを下回る地震加速度で地震が発生する場合には、第1ネジ軸54に発生する軸方向の反力により(図8の左右方向の反力F)、ダンパー7の塑性変形部7aが弾性変形する。
そして、0.5G以上の地震加速度で地震が発生すると、第1ネジ軸54に発生する反力Fによりダンパー7の塑性変形部7aが塑性変形する。第1ネジ軸54に発生する反力Fは、図8で示すように左右方向に繰り返し発生し、塑性変形部7aは軸方向の塑性変形を繰り返して履歴減衰特性を発揮する。
したがって、この第4実施形態の制振装置50は、0.5G以上の地震加速度で地震が発生したときには、反力発生部51の第1ネジ軸54からダンパー7に反力Fを伝達し、ダンパー7の塑性変形部7aの塑性変形による減衰力で柱部3及び上部工4の大きな相対変位によるエネルギーを減衰することができ、構造物の耐震性能を大幅に向上させることができる。
また、第4実施形態の制振装置50は、常時の温度変化や上載荷重のたわみにより柱部3及び上部工4が水平方向に相対変位する際には、反力発生部51の第1ネジ軸54が軸方向に移動しながら第1ナット部材53がゆっくり回転することでダンパー7には外力が作用しないので、ダンパー7の疲労劣化を防止することができる。
さらに、反力発生部51には、第1ナット部材53の外周にフライホイール55が設けられており、地震発生時に第1ナット部材53が回転することでフライホイール55の慣性モーメントが発生し、ダンパー7に大きな反力Fを伝達することができるので、反力発生部51の小型化を図ることができる。
[第5実施形態]
次に、図9は、第4実施形態の制振装置50に類似した第5実施形態の制振装置60を示すものである。
第5実施形態の制振装置60は、ダンパー7と、反力発生部51と、第3実施形態の制振装置40で示した連結アーム41と、を備えている。
第5実施形態のダンパー7は、他端側に他端側連結部7dが形成されている。
また、第5実施形態の反力発生部51は、第1ネジ軸54の端部に第1ねじ軸連結部44が形成されている。
ダンパー7は、一端側連結部7cが、上部工4の下面4aに固定した第1上部工側連結部22、水平方向に延在するピン23を介して連結されているとともに、他端側連結部7dが、上部工4に近い連結アーム41の上部側に水平方向に延在するピン46を介して連結されている。
次に、第5実施形態の制振装置60の動作について説明する。
常時の温度変化や上載荷重のたわみにより柱部3及び上部工4が水平方向(図9の左右方向)に相対変位すると、地震加速度Eは略ゼロ(0)なので第1ネジ軸54には反力Fが発生しない。そして、柱部3及び上部工4が相対変位すると、フライホイール55及び第1ナット部材53がゆっくり回転するので、ダンパー7の塑性変形部7aには外力が作用しない。
また、0.5Gを下回る地震加速度で地震が発生する場合には、第1ネジ軸54に発生する軸方向の反力が、連結アーム41を介してダンパー7に伝達され、塑性変形部7aが弾性変形する。
そして、0.5G以上の地震加速度で地震が発生すると、第1ネジ軸54に発生する反力が、連結アーム41を介してダンパー7に伝達され、塑性変形部7aが塑性変形する。第1ネジ軸54に発生する反力は、軸方向に繰り返し発生するので、塑性変形部7aは軸方向の塑性変形を繰り返して履歴減衰特性を発揮する。
したがって、第5実施形態の制振装置40も、第4実施形態の制振装置50と同様の効果を奏することができる。
[第6実施形態]
次に、図10及び図11は、本発明に係る橋梁1に配置した第6実施形態の制振装置70を示すものである。
第6実施形態の制振装置70は、ダンパー7と、反力発生部71と、を備えている。
反力発生部71は、柱部3の側面上部3aに連結された回転保持用ネジ軸72と、この回転保持用ネジ軸72に一端側が螺合している第2ナット部材73と、ダンパー7の塑性変形部7aの他方の端部に形成されて第2ナット部材73の他端側で螺合している第2ネジ軸74と、第2ナット部材73の外周に形成されたフライホイール75と、を備えている。
回転保持用ネジ軸72は、側面上部3aに固定した第1柱部側連結部28と、水平方向に延在したピン29を介して連結されており、外周に外周ネジ72aが形成されている。
第2ナット部材73の内周の一端側には、回転保持用ネジ軸72の外周ねじ72aに螺合する第1内周ネジ73aが形成されているとともに、内周の他端側には、第1内周ネジ73aと逆ネジの第2内周ネジ73bが形成されている。
また、第2ネジ軸74の外周には、第2ナット部材73の第2内周ネジ73bに螺合する第2外周ネジ74aが形成されている。そして、第2ナット部材73の外周にフライホイール75が一体に形成されている。
このように、回転保持用ネジ軸72及び第2ナット部材73の一端側と、第2ネジ軸74及び第2ナット部材73の他端側とが、互いに逆ネジで螺合しているので、回転保持用ネジ軸72及び第2ネジ軸74が互いに離間する方向に軸方向に移動すると、第2ナット部材73が所定方向に回転し、回転保持用ネジ軸72及び第2ネジ軸74が互いに近接する方向に軸方向に移動すると、第2ナット部材73が逆方向に回転する。
地震が発生すると、柱部3及び上部工4が水平方向に相対変位し、反力発生部71の回転保持用ネジ軸72及び第2ネジ軸74が、所定の加速度(地震加速度)において、互いが離間する軸方向、或いは互いに近接する軸方向に移動する。
回転保持用ネジ軸72及び第2ネジ軸74が所定の地震加速度で軸方向に移動すると、第2ナット部材73に回転が伝達され、第2ナット部材73の外周に形成されているフライホイール75が回転して慣性モーメントが発生する。この慣性モーメントを軸方向に移動している第2ネジ軸74に付与することで、ダンパー7に反力を発生させるようになっている。
第6実施形態のダンパー7を構成する塑性変形部7aも、地震加速度Eが0.5Gのときに降伏軸力Fyとなって塑性変形が開始する材料が選定されている。そして、反力発生部71は、少なくとも地震加速度Eが0.5Gのときに降伏軸力Fyに等しい反力Fが発生するように設定されている。
ここで、本発明に係る回転慣性体がフライホイール75に対応している。
次に、第6実施形態の制振装置70の動作について説明する。
常時の温度変化や上載荷重のたわみにより柱部3及び上部工4が水平方向(図11の左右方向)に相対変位すると、地震加速度Eは略ゼロ(0)なので第2ネジ軸74には反力Fが発生しない。そして、柱部3及び上部工4が相対変位すると、フライホイール75及び第2ナット部材73がゆっくり回転するので、ダンパー7の塑性変形部7aには外力が作用しない。
また、0.5Gを下回る地震加速度で地震が発生する場合には、第2ネジ軸74に発生する軸方向の反力により(図11の左右方向の反力F)、ダンパー7の塑性変形部7aが弾性変形する。
そして、0.5G以上の地震加速度で地震が発生すると、第2ネジ軸74に発生する反力Fによりダンパー7の塑性変形部7aが塑性変形する。第2ネジ軸74に発生する反力Fは、図11で示すように左右方向に繰り返し発生し、塑性変形部7aは軸方向の塑性変形を繰り返して履歴減衰特性を発揮する。
したがって、この第6実施形態の制振装置70は、0.5G以上の地震加速度で地震が発生したときには、反力発生部71の第2ネジ軸74からダンパー7に反力Fを伝達し、ダンパー7の塑性変形部7aの塑性変形による減衰力で柱部3及び上部工4の大きな相対変位によるエネルギーを減衰することができ、構造物の耐震性能を大幅に向上させることができる。
また、第6実施形態の制振装置70は、常時の温度変化や上載荷重のたわみにより柱部3及び上部工4が水平方向に相対変位する際には、反力発生部71の第2ネジ軸74が軸方向に移動しながら第2ナット部材73がゆっくり回転することでダンパー7には外力が作用しないので、ダンパー7の疲労劣化を防止することができる。
また、第2ナット部材73の外周にフライホイール55が設けられており、地震発生時に第2ナット部材73が回転することでフライホイール75の慣性モーメントが発生し、ダンパー7に大きな反力Fを伝達することができるので、反力発生部51の小型化を図ることができる。
さらに、反力発生部71は、回転保持用ネジ軸72及び第2ネジ軸74が、互いに逆ネジ方向で第2ナット部材73に螺合しているので、回転保持用ネジ軸72及び第2ネジ軸74が互いに離間する方向、或いは互いに近接する軸方向に移動することで第2ナット部材73が高速回転し、フライホイール75は大きな慣性モーメントを発生することができる。
[第7実施形態]
次に、図12は、第6実施形態の制振装置70に類似した第7実施形態の制振装置80を示すものである。
第7実施形態の制振装置80は、ダンパー7と、反力発生部71と、第3実施形態の制振装置40で示した連結アーム41と、を備えている。
第7実施形態のダンパー7は、他端側に他端側連結部7dが形成されている。
また、第7実施形態の反力発生部71は、第2ネジ軸74の端部に第2ねじ軸連結部76が形成されている。
ダンパー7は、一端側連結部7cが、上部工4の下面4aに固定した第1上部工側連結部22、水平方向に延在するピン23を介して連結されているとともに、他端側連結部7dが、上部工4に近い連結アーム41の上部側に水平方向に延在するピン46を介して連結されている。
次に、第7実施形態の制振装置80の動作について説明する。
常時の温度変化や上載荷重のたわみにより柱部3及び上部工4が水平方向(図12の左右方向)に相対変位すると、地震加速度Eは略ゼロ(0)なので第2ネジ軸74には反力Fが発生しない。そして、柱部3及び上部工4が相対変位すると、フライホイール75及び第2ナット部材73がゆっくり回転するので、ダンパー7の塑性変形部7aには外力が作用しない。
また、0.5Gを下回る地震加速度で地震が発生する場合には、第2ネジ軸74に発生する軸方向の反力が、連結アーム41を介してダンパー7に伝達され、塑性変形部7aが弾性変形する。
そして、0.5G以上の地震加速度で地震が発生すると、第2ネジ軸74に発生する反力が、連結アーム41を介してダンパー7に伝達され、塑性変形部7aが塑性変形する。第2ネジ軸74に発生する反力は、軸方向に繰り返し発生するので、塑性変形部7aは軸方向の塑性変形を繰り返して履歴減衰特性を発揮する。
したがって、第7実施形態の制振装置80も、第6実施形態の制振装置70と同様の効果を奏することができる。
[第8実施形態]
次に、図13及び図14は、本発明に係る橋梁1に配置した第8実施形態の制振装置90を示すものである。
第8実施形態の制振装置90は、ダンパー7と、反力発生部91と、を備えている。
反力発生部91は、柱部3の側面上部3aに連結されたネジ軸支持部材92と、このネジ軸支持部材92に回転自在に支持されている中空形状の第3ネジ軸93と、ダンパー7の塑性変形部7aの他方の端部に形成されて第3ネジ軸93に螺合している第3ナット部材94と、第1ナット部材53の外周に形成されたフライホイール95と、を備えている。
ネジ軸支持部材92は、側面上部3aに固定した第1柱部側連結部28と、水平方向に延在したピン29を介して連結されており、棒状部96の外周の一部に突起部97が形成されている。
中空形状の第3ネジ軸93は、内周面にネジ軸支持部材92の突起部97が嵌まり込む環状の凹部98が形成されているとともに、外周に第3外周ネジ99が形成されている。また、第3ネジ軸93の外周に、フライホイール95が一体に形成されている。
これにより、第3ネジ軸93は、ネジ軸支持部材92に回転自在、且つ軸方向の移動が拘束されて支持されている。
第3ナット部材94は、第3ネジ軸93の第3外周ネジ99に螺合する第3内周ネジ100が内面に形成されている。
地震が発生すると、柱部3及び上部工4が水平方向に相対変位し、反力発生部91の第3ナット部材94が、所定の加速度(地震加速度)で軸方向に移動する。
第3ナット部材94が所定の地震加速度で軸方向に移動すると、第3ナット部材94に螺合する第3ネジ軸93に回転が伝達され、第3ネジ軸93の外周に形成されているフライホイール95が回転して慣性モーメントが発生する。この慣性モーメントを軸方向に移動している第3ナット部材94に付与することで、ダンパー7に反力を発生させるようになっている。
第8実施形態のダンパー7を構成する塑性変形部7aも、地震加速度Eが0.5Gのときに降伏軸力Fyとなって塑性変形が開始する材料が選定されている。そして、反力発生部91は、少なくとも地震加速度Eが0.5Gのときに降伏軸力Fyに等しい反力Fが発生するように設定されている。
ここで、本発明に係る回転慣性体がフライホイール95に対応している。
次に、第8実施形態の制振装置90の動作について説明する。
常時の温度変化や上載荷重のたわみにより柱部3及び上部工4が水平方向(図13の左右方向)に相対変位すると、地震加速度Eは略ゼロ(0)なので第3ナット部材94には反力Fが発生しない。そして、柱部3及び上部工4が相対変位すると、フライホイール95及び第3ネジ軸93がゆっくり回転するので、ダンパー7の塑性変形部7aには外力が作用しない。
また、0.5Gを下回る地震加速度で地震が発生する場合には、第3ナット部材94に発生する軸方向の反力により(図14の左右方向の反力F)、ダンパー7の塑性変形部7aが弾性変形する。
そして、0.5G以上の地震加速度で地震が発生すると、第3ナット部材94に発生する反力Fによりダンパー7の塑性変形部7aが塑性変形する。第3ナット部材94に発生する反力Fは、図14で示すように左右方向に繰り返し発生し、塑性変形部7aは軸方向の塑性変形を繰り返して履歴減衰特性を発揮する。
したがって、この第8実施形態の制振装置90は、0.5G以上の地震加速度で地震が発生したときには、反力発生部51の第3ナット部材94からダンパー7に反力Fを伝達し、ダンパー7の塑性変形部7aの塑性変形による減衰力で柱部3及び上部工4の大きな相対変位によるエネルギーを減衰することができ、構造物の耐震性能を大幅に向上させることができる。
また、第8実施形態の制振装置90は、常時の温度変化や上載荷重のたわみにより柱部3及び上部工4が水平方向に相対変位する際には、反力発生部91の第3ネジ軸93及び第3ナット部材94の螺合位置が変化しながらフライホイール95がゆっくり回転することでダンパー7には外力が作用しないので、ダンパー7の疲労劣化を防止することができる。
さらに、反力発生部91は、第3ネジ軸93の外周にフライホイール95が設けられており、地震発生時に第3ネジ軸93が回転することでフライホイール95の慣性モーメントが発生し、ダンパー7に大きな反力Fを伝達することができるので、反力発生部91の小型化を図ることができる。
[第9実施形態]
さらに、図12は、第8実施形態の制振装置90に類似した第9実施形態の制振装置110を示すものである。
第9実施形態の制振装置110は、ダンパー7と、反力発生部91と、第3実施形態の制振装置40で示した連結アーム41と、を備えている。
第9実施形態のダンパー7は、他端側に他端側連結部7dが形成されている。
また、連結アーム41の他端側連結部41bは、水平方向に延在するピン45を介して第3ナット部材94に連結されている。
次に、第9実施形態の制振装置110の動作について説明する。
常時の温度変化や上載荷重のたわみにより柱部3及び上部工4が水平方向(図15の左右方向)に相対変位すると、地震加速度Eは略ゼロ(0)なので第3ナット部材94には反力Fが発生しない。そして、柱部3及び上部工4が相対変位すると、フライホイール95及び第3ネジ軸93がゆっくり回転するので、ダンパー7の塑性変形部7aには外力が作用しない。
また、0.5Gを下回る地震加速度で地震が発生する場合には、第3ナット部材94に発生する軸方向の反力が、連結アーム41を介してダンパー7に伝達され、塑性変形部7aが弾性変形する。
そして、0.5G以上の地震加速度で地震が発生すると、第3ナット部材94に発生する反力が、連結アーム41を介してダンパー7に伝達され、塑性変形部7aが塑性変形する。第3ナット部材94に発生する反力は、軸方向に繰り返し発生するので、塑性変形部7aは軸方向の塑性変形を繰り返して履歴減衰特性を発揮する。
したがって、第9実施形態の制振装置110も、第8実施形態の制振装置90と同様の効果を奏することができる。
なお、上記各実施形態の制振装置では、鋼管の軸方向変形を利用したダンパー7を使用したが、本発明の要旨は上記のようなダンパーに限定するものではなく、例えば、オイルダンパー、摩擦ダンパー、粘弾性ダンパー、波板ダンパー、慣性体ダンパーを使用した制振装置であっても、同様の効果を奏することができる。
1 橋梁
2 制振装置
3 柱部
4 上部工
4a 下面
5 可動支承
6 ブラケット
7 ダンパー
7a 塑性変形部
7b 補剛管
7c 一端側連結部
7d 他端側連結部
8 反力発生部
9 第1上部工側連結部
10 ピン
11 回転軸
12 ピニオン
13 フライホイール
14 ラック
15 ラック支持部
20 制振装置
21 反力発生部
22 第1上部工側連結部
23 ピン
24 ナット支持部材
25 第1ナット部材
25a 第1内周ネジ
26 第1ネジ軸
26a 第1外周ネジ
27 フライホイール
28 第1柱部側連結部
29 ピン
30 筒状部
30a 凸条部
31a,31b 支持凸条部
40 制振装置
41 連結アーム
44 第1ねじ軸連結部
41a 一端側連結部
41b 他端側連結部
42 第2上部側連結部
43 ピン
44 第1ねじ軸連結部
45,46 ピン
50 制振装置
51 反力発生部
52 ナット支持部材
53 第1ナット部材
53a 第1内周ネジ
54 第1ネジ軸
54a 第1外周ネジ
55 フライホイール
56 棒状部
57 突起部
58 環状の凹部
60,70 制振装置
71 反力発生部
72 回転保持用ネジ軸
72a 外周ネジ
73 第2ナット部材
73a 第1内周ネジ
73b 第2内周ネジ
74 第2ネジ軸
74a 第2外周ネジ
75 フライホイール
76 第2ねじ軸連結部
80 制振装置
90 制振装置
91 反力発生部
92 ネジ軸支持部材
93 第3ネジ軸
94 第3ナット部材
95 フライホイール
96 棒状部
97 突起部
98 環状の凹部
99 第3外周ネジ
100 第3内周ネジ
110 制振装置

Claims (13)

  1. 相対変位する第1構造体及び第2構造体のうち前記第1構造体に連結されたダンパーと、
    前記第2構造体と前記ダンパーとの間に連結された反力発生部と、を備え、
    前記反力発生部は、常時の温度変化や上載荷重のたわみにより前記第1構造体及び前記第2構造体が相対変位するときには前記ダンパーに反力を発生させず、所定の大きさ以上の地震加速度が発生したときに前記ダンパーに反力を発生し、当該ダンパーが、前記第1構造体及び前記第2構造体の間の前記相対変位で発生したエネルギーを自身の変形で吸収するようにしたことを特徴とする制振装置。
  2. 前記反力発生部は、前記第2構造体側に設けた回転運動部と、前記ダンパー側に設けて前記回転運動部に連結されている直線運動部と、を備え、
    所定の大きさ以上の地震加速度が発生したときに、前記回転運動部の回転運動が前記直線運動部に直線運動として伝達され、前記ダンパーに前記反力として伝達されるようにしたことを特徴とする請求項1記載の制振装置。
  3. 前記回転運動部は、前記第2構造体に回転自在に設けた回転軸と、この回転軸に同軸に固定したピニオンと、を備え、
    前記直線運動部は、前記ピニオンに噛合するラックを備えていることを特徴とする請求項2記載の制振装置。
  4. 前記回転軸に、回転慣性体が固定されていることを特徴とする請求項3記載の制振装置。
  5. 前記回転運動部は、前記第2構造体に回転自在に設けられ、内周に内周ネジが形成された第1ナット部材を備え、
    前記直線運動部は、前記第1ナット部材の第1内周ネジに螺合する第1外周ねじが外周に形成された第1ネジ軸を備えていることを特徴とする請求項2記載の制振装置。
  6. 前記第1ナット部材の外周に、回転慣性体が固定されていることを特徴とする請求項5記載の制振装置。
  7. 前記回転運動部は、前記第2構造体に設けられ、外周に外周ねじが形成されている回転保持用ネジ軸と、この回転保持用ネジ軸に一端側が螺合している第2ナット部材と、を備え、
    前記直線運動部は、前記第2ナット部材の他端側に螺合する第2ネジ軸を備えており、
    前記回転保持用ネジ軸及び前記第2ナット部材の一端側と、前記第2ネジ軸及び前記第2ナット部材の他端側とは、互いに逆ネジで形成されていることを特徴とする請求項2記載の制振装置。
  8. 前記第2ナット部材の外周に、回転慣性体が固定されていることを特徴とする請求項7記載の制振装置。
  9. 前記回転運動部は、前記第2構造体に回転自在に設けられ、外周に第3外周ネジが形成された第3ネジ軸を備え、
    前記直線運動部は、前記第3ネジ軸の第3外周ネジに螺合する第3内周ネジが内周に形成された第3ナット部材を備えていることを特徴とする請求項2記載の制振装置。
  10. 前記第3ネジ軸の外周に、回転慣性体が固定されていることを特徴とする請求項9記載の制振装置。
  11. 前記ダンパーは、履歴減衰特性を有する塑性変形部を備えていることを特徴とする請求項1乃至10の何れか1項記載の制振装置。
  12. 前記塑性変形部は、普通鋼又は低降伏点鋼の鋼材であることを特徴とする請求項11記載の制振装置。
  13. 前記第1構造体及び前記第2構造体の一方は、橋梁の柱部であり、他方が前記橋梁の上部工であることを特徴とする請求項1乃至12の何れか1項記載の制振装置。
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