JP7222199B2 - コイル部品、及びコイル構造 - Google Patents

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本発明は、コイル部品、及びコイル構造に関する。
従来、コイル部品として、軸線周りに巻回されることによってコイル部を形成するコイル導体と、コイル導体と一体成形された樹脂材料により、コイル導体を覆う樹脂製の被覆部と、を備えるものが知られている(例えば、特許文献1)。このように、コイル導体と樹脂材料を一体成形することで、被覆部内のコイル導体の絶縁性が確保されている。
特開2018-32730号公報
ここで、コイル部品のコイル導体は、使用時に発熱する部品である。このように発熱するコイル導体が樹脂材料の被覆部で覆われていた場合、被覆部の内部から外部へ熱をうまく逃がすことができない。この場合、コイル導体に接続される他の部品に熱が伝達されてしまうことで、不具合を生じる可能性がある。
本発明は、放熱性を高めることができるコイル部品、及びコイル構造を提供することを目的とする。
本発明に係るコイル部品は、軸線周りに巻回されることによってコイル部を形成するコイル導体と、コイル導体が有する第1のコイル部材と一体成形された樹脂材料により、第1のコイル部材を覆う樹脂製の被覆部と、を備え、被覆部は、第1のコイル部材の一部が露出する露出部を有し、露出部では、第1のコイル部材の軸線方向における端部のうち、コイル部に対応する領域の少なくとも一部が露出している。
本発明に係るコイル部品において、被覆部は、当該被覆部で覆われた第1のコイル部材の一部が露出する露出部を有する。露出部では、第1のコイル部材の軸線方向における端部のうち、コイル部に対応する領域の少なくとも一部が露出している。このような構成によれば、コイル部品の軸線方向における端部を他の部材に取り付けるときに、第1のコイル部材は、露出部にて他の部材と接触することができる。露出部では、発熱量が大きくなるコイル部に対応する領域が露出しているため、第1のコイル部材の熱を露出部から効率良く他の部材へ伝達することができる。これにより、他の部材を介して第1のコイル部材で発生した熱を放熱することができる。以上により、放熱性を高めることができる。
露出部は、第1のコイル部材の露出面から軸線方向へ立ち上がる壁部を有してよい。コイル部品を他の部材へ取り付けるときに、流動性を有する伝熱部材が用いられる場合がある。このとき、露出部は、第1のコイル部材の露出面から軸線方向へ立ち上がる壁部を有しているため、当該壁部で流動性を有する伝熱部材が流れてゆくことを抑制することができる。
第1のコイル部材には、露出部から露出している露出面から軸線方向の反対側へ向かって貫通する貫通孔が形成されてよい。この場合、露出部が流動性を有する伝熱部材を介して他の部材へ取り付けられるとき、伝熱部材が貫通孔に進入して、露出面の反対側から流出する。従って、露出面の反対側から伝熱部材が流れ出ることを確認することにより、露出面が伝熱部材で良好に接合(伝熱部材を介して熱接合)されていることを確認することができる。
露出部は、軸線方向から見て、当該軸線方向と直交する第1の方向へ延びており、第1のコイル部材には、露出部の第1の方向における両端部に貫通孔がそれぞれ形成されていてよい。この場合、伝熱部材は、第1の方向に延びるように配置されて、露出部から露出した露出面と接合(伝熱部材を介して熱接合)される。ここで、露出部の第1の方向における両端部に貫通孔がそれぞれ形成されているため、露出部の両端部において露出面と伝熱部材とが良好に接合(伝熱部材を介して熱接合)されていることを確認できる。この場合、中途位置においても良好な接合(伝熱部材を介して熱接合)が行われていることを把握することができる。
被覆部の露出部とは軸線方向の反対側には、第1のコイル部材の貫通孔の周囲を露出させる開口部が形成されていてよい。この場合、露出面側から貫通孔へ進入してきた伝熱部材は、開口部内において、貫通孔から周囲へ広がることができる。従って、露出面と伝熱部材が良好に接合(伝熱部材を介して熱接合)されていることを確認し易くなる。
コイル導体は、被覆部の外部に設けられる第2のコイル部材を更に有し、第2のコイル部材は、コイル部に対応する領域である巻回部と、巻回部の両端側に設けられ、他の部材に対して締結される締結部と、巻回部から外周側へ延びる爪部と、を備えてよい。第2のコイル部材は、巻回部の両端側に締結部を有している。従って、締結部にて締結を行うときに、当該締結部を起点として、第2のコイル部材全体が反り上がる可能性がある。ここで、第2のコイル部材は、巻回部から外周側へ延びる爪部を有している。従って、爪部を抑えることで、第2のコイル部材の反り上がりを抑制し、これにより第2のコイル部材と上側のコアなどの部品との短絡を防止することができる。
コイル導体は、被覆部の外部に設けられる第2のコイル部材を更に有し、被覆部は、第2のコイル部材の中心を軸線に位置合わせするための位置合わせ部と、第2のコイル部材の軸線周りの回転方向における位置決めをするための位置決め部と、を備えてよい。この場合、被覆部に対して第2のコイル部材を組み付ける時に、当該第2のコイル部材は、位置合わせ部及び位置決め部によって、容易に、且つ正確に位置合わせ及び位置決めを行うことができる。
本発明に係るコイル構造は、軸線周りに巻回されることによってコイル部を形成するコイル導体、及びコイル導体を樹脂材料で覆って支持する樹脂製の被覆部を備えるコイル部品と、コイル部品を設置する筐体と、を備え、被覆部は、コイル導体の一部が露出する露出部を有し、コイル導体は、露出部にて、伝熱部材を介して筐体と連結される。
本発明に係るコイル構造において、被覆部は、当該被覆部で覆われたコイル導体の一部が露出する露出部を有する。コイル導体は、露出部にて、伝熱部材を介して筐体と連結される。このような構成によれば、コイル部品を筐体に取り付けるときに、露出部にて伝熱部材と接触することができる。これにより、コイル導体の熱を伝熱部材を介して、筐体へ伝達することができる。これにより、筐体を介してコイル導体で発生した熱を放熱することができる。以上により、放熱性を高めることができる。
本発明によれば、放熱性を高めることができるコイル部品、及びコイル構造を提供することができる。
電源装置の内部構造を示す概略平面図である。 筐体に取り付けられた状態のコイル部品を示す斜視図である。 コイル部品の展開斜視図である。 被覆部を省略した状態のコイル部品の展開斜視図である。 一体化された成形部品の拡大斜視図である。 被覆部の下面側の構成を示す斜視図である。 図2のVII-VII線に沿った断面図斜視図である。 第1のコイル部材を下方から見た底面図である。 図9(a)は、図2のIXa―IXa線に沿った断面図であり、図9(b)は、図9(a)に対応する断面図であって、コイル部品を実装する直前の状態を示す図である。 固定台を示す拡大断面斜視図である。
図1を参照して、本実施形態に係るコイル部品及びコイル構造を備える電源装置の構成について説明する。図1は、電源装置の内部構造を示す概略平面図である。なお、以降の各図では、構成の説明のため、必要に応じてXYZ軸を記載している。また、以降の説明では、基板が水平方向に広がり、基板上の各部品が上側に配置された姿勢を基準として「上」「下」の語を用いる。X軸及びY軸は水平方向に延びる軸であり、Z軸は上下方向に延びる軸であるものとする。Z軸線方向の正側が上側であり、Z軸線方向の負側が下側であるものとする。また、Z軸線方向及び上下方向が請求項における「軸線方向」に対応する。ただし、当該「上」「下」の語は説明の便宜上用いるものであり、電源装置の使用時における姿勢を限定するものではない。
図1に示すように、電源装置1は、筐体10と、基板11と、コイル部品100を備える。電源装置1は、筐体10の内部に各電子部品が実装された基板11及びコイル部品100を収容する。基板11には、信号コネクタ13、入力端子台14、入力フィルタ15、半導体素子16、共振コア17、メイントランスコア18、及び整流ダイオード19等が実装されている。コイル部品100は、バスバーを介して基板11に接続されている。
筐体10は、底壁21、及び四方の側壁22A,22B,22C,22Dを含む本体部と、本体部を覆う蓋部と、を備える。筐体10は、上方から見て長方形状をなす扁平な箱形の部品である。ただし、図1(及び後述の図2)では、蓋部が取り除かれており、筐体10の本体部のみが示されている。なお、底壁21の下面(外面)には、下方へ向かって延びる複数の放熱フィン(不図示)が設けられている。これにより、筐体10内部で発生した熱は、筐体10へ伝達されて、放熱フィンで放熱される。側壁22A,22Cは、Y軸線方向に互いに対向するように配置される。側壁22AはY軸線方向の正側に配置され、側壁22CはY軸線方向の負側に配置される。側壁22B,22Dは、X軸線方向に互いに対向するように配置される。側壁22BはX軸線方向の正側に配置され、側壁22DはX軸線方向の負側に配置される。
次に、コイル部品100の構成について、図2~図5を参照して説明する。図2は、筐体に取り付けられた状態のコイル部品を示す斜視図である。なお、図2では、後述の上側のコアが仮想線で示されている。図3は、コイル部品の展開斜視図である。図4は、被覆部を省略した状態のコイル部品の展開斜視図である。図5は、一体化された成形部品の拡大斜視図である。なお、コイル構造200は、伝熱部材を介してコイル部品100を筐体10に接続する事によって構成された構造である。コイル構造200の詳細については後述する。
図2に示すように、コイル部品100は、機能的には、チョークコイル部30と、出力コンデンサ部31と、端子台32と、を備える。コイル部品100は、これらの構成要素が一つのユニットとして、筐体10及び基板11に対して取り外し可能に構成された部品である。コイル部品100は、筐体10のうち、側壁22Aと側壁22Dとの角部付近に取り付けられている。また、コイル部品100の端子台32は、側壁22Dから筐体10の外部に引き出されるように設けられる。コイル部品100は、複数の機能部がバスバーによって接続された部品であり、電源装置1を構成する筐体10内の機能構成部のうち最も出力側の機能構成部である。
図3及び図4に示すように、コイル部品100は、第1のコイル部材40A及び第2のコイル部材40Bを有するコイル導体40と、コア41A,41Bを有する一対のコア体と、導電部材42と、端子43と、接地部材44と、コンデンサ46と、被覆部47(図3参照)と、を備える。このうち、第1のコイル部材40A、導電部材42、端子43、及び接地部材44は、被覆部47(図3参照)と一体成形されることにより、一体化された一つの成形部品として構成される。
図4に示すように、コイル導体40は、軸線CL1周りに円環状に巻回されることによってコイル部50を形成する導体である。コイル導体40は、被覆部47に覆われる第1のコイル部材40Aと、被覆部47の外部に設けられる第2のコイル部材40Bと、を有する。第1のコイル部材40Aは、略一周分の巻回がなされた平板状の巻回部51,52を有する。下側の巻回部51と上側の巻回部52とは、上下方向に互いに離間した状態で対向するように配置されている。第2のコイル部材40Bは、略一周分の巻回がなされた平板状の巻回部53を有する。第2のコイル部材40Bの巻回部53は、第1のコイル部材40Aの巻回部52に対して上方に離間した状態で対向するように配置されている。これにより、コイル導体40は、三周分の巻回がなされたコイル部50を有する。
各段における巻回部51,52,53は、X軸線方向の正側の端部において、切れ目を有することで略C字状に形成されている。従って、各巻回部51,52,53は、X軸線方向の正側の端部に、周方向の両端部を有している。最下段の巻回部51の周方向の一方側(Y軸線方向の正側)の端部には、バスバー54が設けられる。バスバー54は、基板11の接続端子23Aと締結されることによって電気的に接続される(図2参照)。最下段の巻回部52の他方側(Y軸線方向の負側)の端部には、二段目の巻回部52と接続するためのバスバー56が設けられる。バスバー56は、上方へ向かって屈曲しており、上下の巻回部51,52を電気的に接続する。二段目の巻回部52の周方向の一方側(Y軸線方向の正側)の端部には、バスバー56が接続される。二段目の巻回部52の他方側(Y軸線方向の負側)の端部には、バスバー57が設けられる。最上段の巻回部53の周方向の一方側(Y軸線方向の正側)の端部には、バスバー58が設けられる。バスバー57とバスバー58は、互いに締結されることによって、巻回部52,53同士を電気的に直列接続する。最上段の巻回部53の他方側(Y軸線方向の正側)の端部には、バスバー59が設けられる。バスバー59は、基板11の接続端子23Bと締結されることによって電気的に接続される(図2参照)。
コア41A,41Bは、磁性材料によって組成される部材である。コア41Aはコイル部50に対して下側に配置され、コア41Bはコイル部50に対して上側に配置される。コア41A,41Bは、コイル部50の中央に形成された円形の開口部50aに収容される突出部41aと、コイル部50の外側におけるY軸線方向の両端側に配置される突出部41b,41cと、を備える。
導電部材42は、第2のコイル部材40Bのバスバー59、及び基板11の接続端子23B(図2参照)に締結される締結部42aと、端子接続部42fとを電気的に接続する部材である。導電部材42は、締結部42aと、バスバー42b,42cと、コンデンサ接続部42dと、屈曲部42eと、端子接続部42fと、を備える。締結部42aは、コイル部50に対してY軸線方向の負側及びX軸線方向の正側に離間した位置に配置される。バスバー42bは、締結部42aからX軸線方向の負側へ向かって、コイル部50よりもX軸線方向の負側へ離間した位置まで、真っ直ぐに延びる。バスバー42cは、バスバー42bのX軸線方向の負側の端部からY軸線方向の正側へ向かって真っ直ぐに延びる。なお、バスバー42b,42cは、上下方向に広がるような平板状の構成を有する。コンデンサ接続部42dは、コイル部50からX軸線方向の負側へ離間した位置に配置される。コンデンサ接続部42dは、XY平面と平行に広がる。コンデンサ接続部42dには、バスバー42cのY軸線方向の正側の端部が接続される。コンデンサ接続部42dには、コンデンサ46の一方のピンが接続される。屈曲部42eは、コンデンサ接続部42dから上方へ屈曲して、端子接続部42fと接続される。端子接続部42fは、屈曲部42eからX軸線方向の負側へ向かって延びており、XY平面と平行に広がる。端子接続部42fには、端子43を挿通させる貫通孔が形成される。
端子43は、上下方向に延びる柱状の部材であり、端子接続部42fの貫通孔から上方へ延びる部分を有する。端子43は、電源装置1の出力端子として機能する端子接続部42fに相手側の接続端子を密着させるための部材である。接地部材44は、導電部材42のコンデンサ接続部42dと隙間を空けて隣り合う位置に配置されている。接地部材44は、コンデンサ46の他方のピンが接続される。また、接地部材44は、筐体10に対して締結されることにより、接地状態とされる。コンデンサ46は、接地状態とされた接地部材44と、導電部材42のコンデンサ接続部42dとの間に設けられる。ここでは、コンデンサ46は、二つ設けられているが数量は特に限定されない。
図3に示すように、被覆部47は、第1のコイル部材40A、導電部材42、端子43、及び接地部材44と一体成形された樹脂材料により、各部材を覆う樹脂製の部材である。被覆部47は、各部材のうち、外部に対して絶縁性を確保する必要のある箇所に対しては、樹脂材料中に埋設させることによって、当該箇所を被覆する。一方、被覆部47は、バスバー54の締結部、バスバー57,58の締結部、導電部材42の締結部42a、導電部材42の端子接続部42f、接地部材44の締結部については、外部に露出させている(図5も参照)。また、被覆部47は、コイル部50の開口部50aに対応する部分には円形の貫通孔47aを有している。被覆部47は、導電部材42とコイル部50との間の隙間に対応する箇所に、矩形の貫通孔47bを有している。コア41A,41Bの突出部41bは、貫通孔47bの内部に配置される。被覆部47は、端子43のY軸線方向の両側に、筐体10と端子台32とを締結するためのフランジ部47cを有している。
以上の様な構成により、コイル部品100においては、チョークコイル部30は、コイル部50、コア41A,42Bによって構成される。出力コンデンサ部31は、コンデンサ46、導電部材42のコンデンサ接続部42d、及び接地部材44によって構成される。端子台32は、端子43、導電部材42の端子接続部42f、及び被覆部47の一部によって構成される。また、各機能部は、バスバーによって電気的に接続される。
次に、コイル部品100の更に詳細な構成について説明する。まず、図8を参照して、第1のコイル部材40Aの構成について更に詳細に説明する。図8は、第1のコイル部材40Aを下方から見た底面図である。
図8に示すように、第1のコイル部材40Aは、最下段の巻回部51のY軸線方向の正側の端部付近から、X軸線方向の正側をX軸線に沿って真っ直ぐに延びるバスバー54の直線部54aを有している。また、第1のコイル部材40Aは、軸線CL1よりもX軸線方向の負側であって、Y軸線方向の正側の位置に、拡張部61を有する。拡張部61は、巻回部51の外周縁からX軸線方向の負側へ向かって延びる片部である。また、第1のコイル部材40Aは、軸線CL1よりもX軸線方向の正側であって、Y軸線方向の負側の位置に、拡張部62を有する。拡張部62は、巻回部51の外周縁からX軸線方向の正側へ向かって延びる片部である。巻回部51と、バスバー54の直線部54aと、拡張部61,62は、同一の平面を形成するように、一体的に構成されている。
第1のコイル部材40Aは、軸線CL1よりもX軸線方向の負側であって、Y軸線方向の負側の位置に、拡張部63を有する。拡張部63は、二段目の巻回部52の外周縁からX軸線方向の負側へ向かって延びる片部である。巻回部52と、拡張部63は、同一の平面を形成するように、一体的に構成されている。なお、二段目の巻回部52には、最下段の巻回部51の拡張部61,62に対応する位置に片部が設けられていない。最下段の巻回部51には、二段目の巻回部52の拡張部63に対応する位置に片部が設けられていない。
第1のコイル部材40Aのうち、略円環状の巻回部51,52(及び第2のコイル部材40Bの巻回部53)が重なり合う領域は、コイル部50に対応するコイル領域Eに該当する。図8においては、巻回部51,52の外周縁を全周に渡って仮想的に延長した仮想線EL1を設定する。この場合、コイル領域Eは、仮想線EL1と、巻回部51,52の内周縁と、で囲まれる領域と定義される。すなわち、直線部54a、拡張部61,62,63は、コイル領域Eには該当しない。
図6及び図8を参照して、被覆部47及び第1のコイル部材40Aの下面側の構成について説明する。図6は、被覆部の下面側の構成を示す斜視図である。図6に示すように、第1のコイル部材40Aの下面側は、被覆部47の樹脂材料によって覆われているが、一部は外部に対して露出している。すなわち、被覆部47は、第1のコイル部材40Aの一部が露出する露出部70A,70B,70Cを有する。露出部70A,70B,70Cは、被覆部47の下面側に形成された開口部によって構成される。
露出部70Aは、第1のコイル部材40AのX軸線方向の正側の端部付近において、Y軸線方向に真っ直ぐに延びるように形成される。露出部70Aでは、第1のコイル部材40Aの軸線方向における下側の端部(ここでは巻回部51の下面)のうち、コイル部50に対応するコイル領域E(図8も参照)の少なくとも一部が露出している。また、露出部70Aでは、バスバー54の直線部54a及び拡張部62の一部が露出している。なお、露出部70Aから露出する第1のコイル部材40Aの面を露出面71Aと称する場合がある。
露出部70Bは、第1のコイル部材40AのX軸線方向の負側の端部付近において、Y軸線方向に延びるように形成される。露出部70Bでは、第1のコイル部材40Aの軸線方向における下側の端部(ここでは巻回部51の下面)のうち、コイル部50に対応するコイル領域E(図8も参照)の少なくとも一部が露出している。また、露出部70Bでは、拡張部61の一部が露出している。露出部70Cでは、二段目の巻回部52に設けられる拡張部63の一部が露出している。なお、露出部70B,70Cから露出する第1のコイル部材40Aの面を露出面71B,71Cと称する場合がある。
露出部70A,70B,70Cの各々の周辺部には、露出面71A,71B,71Cから軸線方向(ここでは下方)へ立ち上がる壁部を有する。
具体的には、露出部70Aは、長方形状をなしており、四方の辺に対応する位置に、壁部70Aaを有している。壁部70Aaは、露出面71Aの略全周を囲むように形成される。壁部70Aaの高さは、被覆部47の下面側において第1のコイル部材40Aを覆う厚み分の寸法に設定されている(図7参照)。ただし、露出部70Aの辺のうち、X軸線方向の負側においてY軸線方向に延びる辺では、下方へ向かって大きく立ち上がる延長壁部72が形成されている。延長壁部72は、露出部70Aに沿ってY軸線方向に延びている。延長壁部72の高さは、被覆部47の厚み分よりも大きい寸法に設定される。
露出部70Bは、Y軸線方向に延びる形状をなしており、各辺に対応する位置に、壁部70Baを有している。壁部70Baは、露出面71Bの略全周を囲むように形成される。壁部70Baの高さは、被覆部47の厚み分の寸法に設定されている(図7参照)。ただし、コイル領域Eの外周縁に対応する箇所の壁部70Baは、他の箇所よりも低い。また、露出部70Bの辺のうち、X軸線方向の正側においてY軸線方向に延びる辺では、下方へ向かって大きく立ち上がる延長壁部73が形成されている。延長壁部73は、露出部70Aに沿ってY軸線方向に延びている。延長壁部73の高さは、被覆部47の厚み分よりも大きい寸法に設定される。露出部70Cは、拡張部63に対応する形状をなしており、各辺に対応する位置に、壁部70Caを有している。壁部70Caは、露出面71Cの略全周を囲むように形成される。壁部70Caの高さは、被覆部47の厚み分の寸法に設定されている。
次に、図7及び図8を参照して、筐体10に取り付けられた状態のコイル部品100の構造、すなわちコイル構造200について説明する。図7は、図2のVII-VII線に沿った断面図斜視図である。
図7に示すように、筐体10の底壁21は、上方へ向かって立ち上がる台座部76A,76Bを有している。台座部76A,76Bは、上面にコイル部品100を載置させるための部分である。台座部76A,76Bは、互いにX軸線方向に離間した位置に配置されている。図8には、台座部76A,76Bの上面の範囲が仮想線で示されている。図8に示すように、台座部76A,76Bは、それぞれY軸線方向に平行に延びている。台座部76Aは、Y軸線方向において、バスバー54の直線部54a及び拡張部62の全長を含むように設けられる。台座部76Bは、Y軸線方向において、拡張部61,63の全長を含むように設けられる。
なお、台座部76A,76Bの上面には伝熱部材78が配置される。伝熱部材78は、高い伝熱性を有する材料で構成される。また、伝熱部材78は、コイル部品100の組付け時には流動性を有するパテ状の部材として台座部76A,76Bに塗布され、所定時間経過後、硬化する。これにより、伝熱部材78は、台座部76A、76Bに対してコイル部品100に生じた熱を伝熱する。このような伝熱部材78の材料として、1液性放熱剤、2液性硬化型放熱剤などを採用してよい。
図7に示すように、台座部76Aは、コイル部品100のうち、少なくとも露出部70Aに対応する箇所を支持する。従って、台座部76Aの上面は、露出面71Aと上下方向に対向する。コイル導体40の第1のコイル部材40Aは、露出部70Aにて、伝熱部材78(図9(b)も参照)を介して筐体10の台座部76Aと連結される。なお、図7では、露出部70A付近の構成を示すために、伝熱部材78は仮想線で示されている。台座部76AのX軸線方向の負側の縁部には、段差部76Aaが形成されている。段差部76Aaは、台座部76Aの上面よりも低い位置に形成される。また、段差部76Aaに対して、露出部70Aの延長壁部72の下面が対向するように配置される。延長壁部72の下面は、台座部76Aの上面よりも低い位置に配置される。露出部70Aは、幅方向(X軸線方向)において台座部76Aの幅方向の範囲内におさまるように配置される。すなわち、露出部70AのX軸線方向の正側の壁部70Aaの立ち上がり面は、台座部76Aの上面のX軸線方向の正側の端部よりも、幅方向の内側(X軸線方向の負側)に配置される。露出部70AのX軸線方向の負側の壁部70Aa(延長壁部72)の立ち上がり面は、段差部76AaのX軸線方向の負側の端部よりも、幅方向の内側(X軸線方向の正側)に配置される。これにより、露出面71Aと台座部76Aとの間の隙間に配置される伝熱部材78は、台座部76Aから流れ落ちることを抑制される。
台座部76Bは、コイル部品100のうち、少なくとも露出部70Bに対応する箇所を支持する。従って、台座部76Bの上面は、露出面71Bと上下方向に対向する。コイル導体40の第1のコイル部材40Aは、露出部70Bにて、伝熱部材78を介して筐体10の台座部76Bと連結される。台座部76BのX軸線方向の正側の縁部には、段差部76Baが形成されている。段差部76Baは、台座部76Bの上面よりも低い位置に形成される。また、段差部76Baに対して、露出部70Bの延長壁部73の下面が対向するように配置される。延長壁部73の下面は、台座部76Bの上面よりも低い位置に配置される。一部の露出部70Bは、幅方向(X軸線方向)において台座部76Aの幅方向の範囲内におさまるように配置される。すなわち、露出部70BのX軸線方向の正側の壁部70Ba(延長壁部73)の立ち上がり面は、段差部76BaのX軸線方向の正側の端部よりも、幅方向の内側(X軸線方向の負側)に配置される。なお、図7に示す位置では、露出面71Bが幅広となっているため、露出部70BのX軸線方向の負側の壁部70Baの立ち上がり面が、台座部76Bの上面のX軸線方向の負側の端部に近接した位置に配置されているが、他の部分では、台座部76Bの幅方向の内側に入り込んだ位置に配置されてよい。これにより、露出面71Bと台座部76Bとの間の隙間に配置される伝熱部材78は、台座部76Bから流れ落ちることを抑制される。
なお、露出部70Cは、他の露出部70A,70Bよりも上方に高い位置に配置されている(図6参照)。従って、台座部76Bのうち、露出部70Cに対応する箇所は、部分的に高さが高くなっている(図8に示す段差部76Ba)。従って、台座部76Bは、コイル部品100のうち、少なくとも露出部70Cに対応する箇所を支持する。従って、台座部76Bの上面は、露出面71Cと上下方向に対向する。コイル導体40の第1のコイル部材40Aは、露出部70Cにて、伝熱部材78を介して筐体10の台座部76Bと連結される。
図6に示すように、第1のコイル部材40Aには、露出部70A,70B,70Cから露出している露出面71A,71B,71Cから軸線方向の反対側(上側)へ向かって貫通する貫通孔81A,81B,81C,81Dが形成される。図6及び図8に示すように、貫通孔81Aは、直線部54aに形成される。貫通孔81Bは、拡張部61に形成される。貫通孔81Cは、拡張部62に形成される。貫通孔81Dは、拡張部63に形成される。
露出部70Aは、上下方向から見て、Y軸線方向(第1の方向)へ延びているものであった。これに対し、第1のコイル部材40Aには、露出部70AのY軸線方向における両端部に貫通孔81A,81Cがそれぞれ形成されている。露出部70B及び露出部70Cの組み合わせに係る露出部は、Y軸線方向へ延びているものであった。これに対し、第1のコイル部材40Aには、組み合わせに係る露出面のうち、露出面71BのY軸線方向における正側の端部に貫通孔81Bが形成されている。また、第1のコイル部材40Aには、組み合わせに係る露出面のうちのY軸線方向における負側の端部に該当する露出面71Cに貫通孔81Dが形成されている。このように、「露出部の第1の方向における両端部」とは、必ずしも連続して延びる露出部(露出部70A)に対する両端部のみならず、非連続的に延びている露出部(露出部70B,70Cの組み合わせ)に対する両端部も含むものである。
ここで、図9を参照して、貫通孔81Aについて説明する。図9(a)は、図2のIXa―IXa線に沿った断面図である。図9(b)は、図9(a)に対応する断面図であって、コイル部品を実装する直前の状態を示す図である。
図9(a)に示すように、第1のコイル部材40Aには、露出部70Aに対応する位置に貫通孔81Aが形成されている。被覆部47の露出部70Aとは上下方向の反対側には、第1のコイル部材40Aの貫通孔81Aの周囲を露出させる開口部82Aが形成されている。開口部82Aは、円形の形状を有している(図2参照)。開口部82Aの内周縁は、貫通孔81Aの内周縁よりも大きな直径を有している。従って、開口部82Aの内側では、貫通孔81Aの周囲に、第1のコイル部材40Aの上面が露出している。このような構成により、図9(b)に示すように、露出部70Aが伝熱部材78を介して被覆部47に取り付けられる前は、伝熱部材78は貫通孔81Aに進入していない。露出部70Aが伝熱部材78と接触し、当該伝熱部材78を介して台座部76Aに取り付けられる場合、伝熱部材78は、露出面71A側から貫通孔81A内を上方へ進入する。その後、伝熱部材78は、貫通孔81の上端から吐き出されて、周囲へ広がる。これにより、製造者は、開口部82Aの内部に伝熱部材78が広がっていることを確認することで、コイル部品100の台座部76Aへの接合(伝熱部材78を介して熱接合)が適切におこなわれたことを確認できる。
なお、図5に示すように、被覆部47には、貫通孔81Bの上端に対して開口部82Bが形成され、貫通孔81Cの上端に対して開口部82Cが形成され、貫通孔81Dの上端に対して開口部82Dが形成される。各開口部82B,82C,82Dは、図9に示す開口部82Aと同様の構成を有する。
図2に示すように、第2のコイル部材40Bは、コイル部50に対応する領域である巻回部53と、巻回部53の周方向の両端側に設けられ、他の部材に対して締結される締結部58a,59aと、巻回部53から外周側へ延びる爪部91と、を備える。締結部58aは、バスバー58のX軸線方向の正側の端部に設けられる。締結部58aは、バスバー57と共に被覆部47の固定台105に対してねじを介して締結される。締結部59aは、バスバー59のX軸線方向の正側の端部に設けられる。締結部59aは、接続端子23Bに対してねじを介して締結される。爪部91は、軸線CL1を挟んで締結部58a、59aと反対側の位置に形成される。
図5に示すように、被覆部47は、第1のコイル部材40Aを内部に備える円環状のコイル被覆部101を有し、当該コイル被覆部101のX軸線方向の負側に隣り合う位置に、壁部103を有する。壁部103の側面には、X軸線方向の正側へ突出する突出部92が形成されている。被覆部47に対して第2のコイル部材40Bを組み付けた場合、図2に示すように、爪部91は、突出部92の下側に配置される。突出部92は、爪部91が上方へ移動することを規制することができる。
図5に示すように、被覆部47は、第2のコイル部材40Bの中心を軸線CL1に位置合わせするための位置合わせ部93と、第2のコイル部材40Bの軸線周りの回転方向における位置決めをするための位置決め部94と、を備える。位置合わせ部93は、コイル被覆部101の貫通孔47aの内周縁から上方へ立ち上がるC字状の壁部によって構成される。位置合わせ部93は、第2のコイル部材40Bの内径と略等しい外径を有しているため、第2のコイル部材40Bの内周縁を位置合わせ部93に沿って挿入することで、位置合わせを行うことができる(図2参照)。位置決め部94は、第2のコイル部材40Bのバスバー59に対応するベース部102から、上方へ突出した突起部によって構成される。第2のコイル部材40Bは、バスバー59の貫通孔に位置決め部94を挿入することで、回転方向の位置決めが行われる(図2参照)。
また、図6に示すように、ベース部102の下面側には、筐体10に対して被覆部47自体の位置決めを行うための位置決め穴106が形成されている。また、ベース部102からコイル被覆部101を挟んでX軸線方向の負側の位置(図4の導電部材42のコンデンサ接続部42dの隣の位置)にも、位置決め穴107が形成されている。被覆部47を筐体10に設置するとき、筐体10から突出する位置決め用の突出部(不図示)を位置決め穴106,107に挿入させるように設置することで、被覆部47を位置決めすることができる。
図10に示すように、固定台105は、内部に非貫通式のナット部110を備えている。ナット部110は、上端が開口しており、下端が底壁によって塞がれている。固定台105に対して、第2のコイル部材40Bの締結部58a(図2参照)を締結する際、ネジを回すことで各締結部から金属粉が発生する場合がある。このとき、固定台105内のナット部110は、金属粉を底壁で受け取ることができる。これにより、金属粉が筐体10内に飛散することを抑制することができる。
次に、本実施形態に係るコイル部品100、及びコイル構造200の作用・効果について説明する。
本実施形態に係るコイル部品100において、被覆部47は、当該被覆部47で覆われた第1のコイル部材40Aの一部が露出する露出部70A,70B,70Cを有する。露出部70A,70B,70Cでは、第1のコイル部材40Aの軸線方向における端部のうち、コイル部50に対応するコイル領域Eの少なくとも一部が露出している。このような構成によれば、コイル部品100の軸線方向における端部を筐体10に取り付けるときに、第1のコイル部材40Aは、露出部70A,70B,70Cにて伝熱部材78を介して筐体10と接触することができる。露出部70A,70B,70Cでは、発熱量が大きくなるコイル部50に対応する領域が露出しているため、第1のコイル部材40Aの熱を露出部70A,70Bから効率良く筐体10へ伝達することができる。これにより、筐体10を介して第1のコイル部材40Aで発生した熱を放熱することができる。以上により、放熱性を高めることができる。
露出部70A,70B,70Cは、第1のコイル部材40Aの露出面71A,71B,71Cから軸線方向へ立ち上がる壁部70Aa,70Ba,70Caを有する。コイル部品100を筐体10へ取り付けるときに、流動性を有する伝熱部材78が用いられる。このとき、露出部70A,70B,70は、第1のコイル部材40Aの露出面71A,71B,71Cから軸線方向へ立ち上がる壁部70Aa,70Ba,70Caを有しているため、当該壁部70Aa,70Ba,70Caで流動性を有する伝熱部材78が流れてゆくことを抑制することができる。
第1のコイル部材40Aには、露出部70A,70B,70Cから露出している露出面71A,71B,71Cから軸線方向の反対側へ向かって貫通する貫通孔81A,81B,81C,81Dが形成されている。この場合、露出部70A,70B,70Cが流動性を有する伝熱部材78を介して筐体10へ取り付けられるとき、伝熱部材78が貫通孔81A,81B,81C,81Dに進入して、露出面71A,71B,71Cの反対側から流出する。従って、露出面71A,71B,71Cの反対側から伝熱部材78が流れ出ることを確認することにより、露出面71A,71B,71Cが伝熱部材78で良好に接合(伝熱部材78を介して熱接合)されていることを確認することができる。
露出部70Aは、軸線方向から見て、当該軸線方向と直交するY軸線方向へ延びており、第1のコイル部材40Aには、露出部70AのY軸線方向における両端部に貫通孔81A,81Cがそれぞれ形成されている。この場合、伝熱部材78は、Y軸線方向に延びるように配置されて、露出部70Aから露出した露出面71Aと接合(伝熱部材78を介して熱接合)される。ここで、露出部70AのY軸線方向における両端部に貫通孔81A,81Cがそれぞれ形成されているため、露出部70Aの両端部において露出面71Aと伝熱部材78とが良好に接合(伝熱部材78を介して熱接合)されていることを確認できる。この場合、中途位置においても良好な接合(伝熱部材78を介して熱接合)が行われていることを把握することができる。露出部70B及び露出部70Cの組み合わせに係る露出についても、同様の効果を得ることができる。
被覆部47の露出部70A,70B,70Cとは軸線方向の反対側には、第1のコイル部材40Aの貫通孔81A,81B,81C,81Dの周囲を露出させる開口部82A,82B,82C,82Dが形成されていている。この場合、露出面71A,71B,71C側から貫通孔81A,81B,81C,81Dへ進入してきた伝熱部材78は、開口部82A,82B,82C,82D内において、貫通孔81A,81B,81C,81Dから周囲へ広がることができる。従って、露出面71A,71B,71Cと伝熱部材71が良好に接合(伝熱部材78を介して熱接合)されていることを確認し易くなる。
コイル導体40は、被覆部47の外部に設けられる第2のコイル部材40Bを更に有し、第2のコイル部材40Bは、コイル部50に対応する領域である巻回部53と、巻回部53の両端側に設けられ、他の部材に対して締結される締結部58a,59aと、巻回部53から外周側へ延びる爪部91と、を備える。第2のコイル部材40Bは、巻回部53の両端側に締結部58a,59aを有している。従って、締結部58a,59aにて締結を行うときに、当該締結部58a,59aを起点として、第2のコイル部材40B全体が反り上がる可能性がある。ここで、第2のコイル部材40Bは、巻回部53から外周側へ延びる爪部91を有している。従って、爪部91を抑えることで、第2のコイル部材40Bの反り上がりを抑制し、これによって第2のコイル部材40Bと上側のコア41Bとの短絡を防止することができる。
コイル導体40は、被覆部47の外部に設けられる第2のコイル部材40Bを更に有し、被覆部47は、第2のコイル部材40Bの中心を軸線に位置合わせするための位置合わせ部93と、第2のコイル部材40Bの軸線周りの回転方向における位置決めをするための位置決め部94と、を備える。この場合、被覆部47に対して第2のコイル部材40Bを組み付ける時に、当該第2のコイル部材40Bは、位置合わせ部93及び位置決め部94によって、容易に、且つ正確に位置合わせ及び位置決めを行うことができる。
本実施形態に係るコイル構造200は、軸線周りに巻回されることによってコイル部50を形成するコイル導体40、及びコイル導体40を樹脂材料で覆って支持する樹脂製の被覆部47を備えるコイル部品100と、コイル部品100を設置する筐体10と、を備え、被覆部47は、コイル導体40の一部が露出する露出部70A,70B,70Cを有し、コイル導体40は、露出部70A,70B,70Cにて、伝熱部材78を介して筐体10と連結される。
コイル構造200において、被覆部47は、当該被覆部47で覆われたコイル導体40の一部が露出する露出部70A,70B,70Cを有する。コイル導体40は、露出部70A,70B,70Cにて、伝熱部材78を介して筐体10と連結される。このような構成によれば、コイル部品100を筐体10に取り付けるときに、露出部70A,70B,70Cにて伝熱部材78と接触することができる。これにより、コイル導体40の熱を伝熱部材78を介して、筐体10へ伝達することができる。これにより、筐体を10介してコイル導体40で発生した熱を放熱することができる。以上により、放熱性を高めることができる。
以上、本発明の実施形態及びその変形例について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されない。
例えば、露出部の形状、位置、個数などは上述の実施形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更してもよい。また、それに伴って貫通孔及び開口部の位置や、露出面を囲む壁部の構成も適宜変更されてもよい。
また、コイル部品として、コンデンサ部及び端子台が一つのユニットとして構成されたものを例示した。これに代えて、出力ノイズフィルターなどの部品とユニット化されたコイル部品を採用してもよい。また、上述のようなコイル部品にコンデンサ部及び端子台を組み合わせたもののみならず、コイル部品とコンデンサ部を組み合わせたもの、またはコイル部品と端子台を組み合わせたものを採用してもよい。
40…コイル導体、40A…第1のコイル部材、40B…第2のコイル部材、47…被覆部、50…コイル部、58a,59a…締結部、70A,70B,70C…露出部、70Aa,70Ba,70Ca…壁部、71A,71B,71C…露出面、81A,81B,81C,81D…貫通孔、82A,82B,82C,82D…開口部、91…爪部、93…位置合わせ部、94…位置決め部、100…コイル部品、200…コイル構造。

Claims (6)

  1. 軸線周りに巻回されることによってコイル部を形成するコイル導体と、
    前記コイル導体が有する第1のコイル部材と一体成形された樹脂材料により、前記第1のコイル部材を覆う樹脂製の被覆部と、を備え、
    前記被覆部は、前記第1のコイル部材の一部が露出する露出部を有し、
    前記露出部では、前記第1のコイル部材の軸線方向における端部のうち、前記コイル部に対応する領域の少なくとも一部が露出しており、
    前記第1のコイル部材には、前記露出部から露出している露出面から前記軸線方向の反対側へ向かって貫通する貫通孔が形成される、コイル部品。
  2. 前記露出部は、前記軸線方向から見て、当該軸線方向と直交する第1の方向へ延びており、
    前記第1のコイル部材には、前記露出部の前記第1の方向における両端部に前記貫通孔がそれぞれ形成されている、請求項1に記載のコイル部品。
  3. 前記被覆部の前記露出部とは前記軸線方向の反対側には、前記第1のコイル部材の前記貫通孔の周囲を露出させる開口部が形成されている、請求項1又は2に記載のコイル部品。
  4. 前記コイル導体は、前記被覆部の外部に設けられる第2のコイル部材を更に有し、
    前記第2のコイル部材は、
    前記コイル部に対応する領域である巻回部と、
    前記巻回部の両端側に設けられ、他の部材に対して締結される締結部と、
    前記巻回部から外周側へ延びる爪部と、を備える、請求項1~3の何れか一項に記載のコイル部品。
  5. 前記コイル導体は、前記被覆部の外部に設けられる第2のコイル部材を更に有し、
    前記被覆部は、
    前記第2のコイル部材の中心を前記軸線に位置合わせするための位置合わせ部と、 前記第2のコイル部材の前記軸線周りの回転方向における位置決めをするための位置決め部と、を備える、請求項1~4の何れか一項に記載のコイル部品。
  6. 軸線周りに巻回されることによってコイル部を形成するコイル導体、及び前記コイル導体を樹脂材料で覆って支持する樹脂製の被覆部を備えるコイル部品と、
    前記コイル部品を設置する筐体と、を備え、
    前記被覆部は、前記コイル導体の一部が露出する露出部を有し、
    前記コイル導体は、露出部にて、伝熱部材を介して前記筐体と連結され、
    前記コイル導体には、前記露出部から露出している露出面から軸線方向の反対側へ向かって貫通する貫通孔が形成される、コイル構造。

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