JP7221656B2 - 車両制御装置 - Google Patents
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Description
また下記特許文献2には、車両の電源状態が走行可能状態(レディオン状態)であるにも拘わらず検知手段により運転者の降車の意思を示す所定の動作が検知されると、リップル昇温制御を実行し、リップル昇温に伴う振動音を、降車しようとする運転者への警告音として用いることが記載されている。
その場合、レディオン状態でありバッテリが消費され、また充電量の低下によりエンジンが始動されて燃料が消費されてしまうことも生じ得る。
そのために、運転者のシステムオフのし忘れの場合には自動的にシステムシャットダウン制御することが考えられるが、駆動制御のためのシステムのシャットダウンは、車両の各種の機能を停止させることになり、安全性や使用性を考えると、状況を適切に判断したうえで行われる必要がある。
即ちハイブリッド車両がレディオン状態で停止しているときに乗員が降車した場合に、所定の条件に応じて車両駆動システムを自動的にシャットダウンするようにする。
例えばシャットダウン条件の一部が成立し、その後シャットダウン制御を実行する可能性が生じた場合に、乗員にその旨を予告する。
即ち車両の故障状態の判定結果に基づいてシャットダウン制御の実行可否を決める。
即ち車両の故障が検出されるときはシャットダウンの条件が揃った場合でもシャットダウン制御を行わない。
例えばシステムバスとしての信号線や所定のセンサからの配線としての信号線などによる複数系統の信号線により各種の故障検出信号を受信して故障診断判定を行う。1つの部位に関する故障診断判定のために独立した複数系統の信号線の両方の信号を入力することもある。
車両停止判定のための要素とは、車速やシフトレンジなど、停止状態を示す検出項目のことである。例えば車両状態判定部は、システムバスとしての信号線と、所定のセンサからの配線としての信号線のような複数系統の信号線により車速などの一要素に関する信号を入力する。
例えば車両がレディオン状態で停止していること、乗員が降車したことのそれぞれ、もしくは一方がシャットダウン条件とされる。
即ち車両がレディオン状態で停止していることが確認されている場合にエンジン回転数が上昇することをシャットダウン条件の1つとする。
例えば車両がレディオン状態で停止していることやエンジン回転数上昇があるときなどとして複数のシャットダウン条件が成立した状態で、それが所定時間継続されることを確認する。
例えば運転者や同乗者が車外に出たときに音声等によりシャットダウンを予告する。
即ちシャットダウン制御を実行する際に、シャットダウンを実行する旨を通知する。
故障判定がなされた場合には、シャットダウンに関する通知、例えばシャットダウン予告やシャットダウン実行の通知を行わないようにする。
例えばシートベルトの脱着、運転席ドアの開閉、運転席荷重、携帯機電波などの複数の検出要素により運転者の降車を判定する。
本発明に係る車両制御装置は、エンジンと電動機とを駆動源として備えたハイブリッド車両の車両制御装置であって、車両の状態として少なくとも、車両がレディオン状態で停止しているか否かの判定、及びエンジン駆動状態の判定を行う車両状態判定部と、乗員が降車したか否かの判定を行う降車判定部と、前記車両状態判定部による判定結果と前記降車判定部の判定結果を用いて車両駆動システムのシャットダウンの実行可否の判定を行うシャットダウン判定部と、前記シャットダウン判定部の判定に基づく車両駆動システムのシャットダウン要求の出力を行う要求出力部と、を備え、前記シャットダウン判定部は、複数のシャットダウン条件によりシャットダウン実行の判定を行い、前記シャットダウン条件として、車両がレディオン状態で停車していること、乗員が降車したことのいずれかを少なくとも含むとともに、エンジン回転数の上昇を含む。
以下実施の形態としてハイブリッド車両の車両駆動システム1を説明する。ここでは車両駆動システム1を構成する各装置のうち、電源制御ユニット2が本発明の車両制御装置に相当する場合を例に挙げて説明していく。
これらの各制御ユニットは、例えばCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等を有するマイクロコンピュータを備えて構成され、それぞれがバス配線21を介して接続されることで互いに通信可能とされている。
本例では、バス配線21を介した各制御ユニット間の通信は、例えばCAN(Controller Area Network)通信規格に従った方式で行われる。
即ち車外ブザー10、車室内ブザー11、Pレンジ(パーキングレンジ)スイッチ12、シートベルトバックルスイッチ13、運転席ドアカーテシスイッチ14、車輪速センサ15、エンジン16、インヒビタスイッチ17、ハイブリッド駆動システム18、アンテナ19、携帯機20を示している。
また電源制御ユニット2は表示ユニットとの間のバス配線21により、表示ユニット7の動作を指示することができる。例えば電源制御ユニット2は、表示ユニット7に配備された車室内ブザー11の吹鳴を指示したり、表示ユニット7における表示部(例えばマルチインフォメーションディスプレイ等)にシャットダウン制御に関する所定の内容の割込表示要求を送信し、該表示を実行させることができる。
また電源制御ユニット2は独立した配線24によりPレンジスイッチ12の情報を取得しており、これによりシフトポジションがPレンジに操作されている状態か否かを検知できるようにされている。
ここでは、ボディ統合制御ユニット3は、運転席ドアカーテシスイッチ14の検出を行い、その運転席ドアカーテシスイッチ情報を電源制御ユニット2に送信するものとしている。これにより電源制御ユニット2が運転席のドアの開閉を検知できる。
またボディ統合制御ユニット3は車外ブザー10の吹鳴の実行を制御する。例えばボディ統合制御ユニット3は、電源制御ユニット2からブザー吹鳴要求が送信されることに応じて、車外ブザー10を吹鳴させる。
この場合、走安制御ユニット4は、車輪速センサの検出信号を入力し、車輪速の情報をバス配線21により電源制御ユニット2に送信する。また走安制御ユニット4から電源制御ユニット2に接続された配線22によっても車輪速の情報が電源制御ユニット2に送信されるようにしている。
なお配線22は車輪速センサ15から電源制御ユニット2に直結されたものとしてもよい。
またエンジン制御ユニット5は、ハイブリッド制御ユニット6からの制御情報に基づいて、燃料噴射量や点火時期、並びに電子制御式スロットルバルブ等の各種デバイスを制御することによりエンジン16を制御する。
モータ制御部18aは、ハイブリッド制御ユニット6からの指示に基づき、車両に設けられた走行用のモータ・ジェネレータについての駆動制御を行う。
充電制御部18bは、ハイブリッド制御ユニット6からの指示に基づき、車両においてモータ・ジェネレータの電源として設けられた走行用バッテリの充電制御を行う。充電制御部18bは、モータ・ジェネレータが回生回転により発電した電力に基づき走行用バッテリを充電させる制御を行う。
EV走行モード時においてハイブリッド制御ユニット6は、アクセル開度値に基づき計算した要求トルクTに基づきモータ・ジェネレータに要求されるトルクを計算し、該要求されるトルクをモータ制御部18aに指示してモータ・ジェネレータの動作を制御する。
また、ハイブリッド走行モード時においてハイブリッド制御ユニット6は、要求トルクTに基づき、エンジンに要求されるトルクとモータ・ジェネレータに要求トルクとを計算し、それぞれエンジン制御ユニット5とモータ制御部18aに指示してエンジン、モータ・ジェネレータの動作を制御する。
またハイブリッド制御ユニット6は、バス配線21により電源制御ユニット2にレディ状態のオン/オフの通知を行う。
本実施の形態では、例えば乗員がレディオン状態のままシステムオフ操作を忘れて降車してしまったような事態を想定して、自動的に上記の車両駆動システム1のシャットダウンを行う。そして、このための判定及び制御を、電源制御ユニット2が実行するものとする。
図2は横軸を時間として、状況毎の乗員(ここでは運転者)の状態、車両の状態を示している。
状況としては、車両が走行中である「走行」、走行を停止した状態である「停車」、及び運転者が降車した状態である「降車」を示している。
乗員(運転者)の状態としては、シートベルを装着しているか外したかの状態、及び運転席ドアが開かれる前か開かれた後かの状態を示している。
車両の状態としては、レディ状態(レディオンか否か)、車速、シフトレンジ、エンジン回転数を示している。
降車判定とは、運転者の降車を検出することで条件成立とする判定である。
車両停止判定とはレディオン状態での停車が検出されることで条件成立とする判定である。
エンジン回転数上昇経験判定とは、エンジン回転数の上昇状態が検出されることで条件成立とする判定である。
さらにこれらの判定に応じて、通知(表示やブザー吹鳴)やシャットダウンに関する制御が行われる。
時点t0は走行中であるとしている。乗員の状態は「シートベルト装着」「運転席ドアは閉じ」である。車両の状態としては「レディオン」であり、車速は例えば「50km/h」など走行中の車速が検出され、またシフトレンジは例えば「Dレンジ」(ドライブレンジ)である。エンジン回転数は「0rpm」としているが、これはつまりモータ走行をしている状態である。
この場合、降車判定、車両停止判定、エンジン回転数上昇経験判定はいずれも成立しない。
この場合、車両停止判定が成立する。
さらにその後時点t3で運転席ドアが開かれたとする。これにより降車判定が成立する。
なお、ドアは降車後に閉じられることが通常であり、従って、時点t3でドアが開いたことを検出した後に、ドアが閉じられた状態を検出しても、降車判定は成立したままとする。
また車室内ブザー11及び車外ブザー10により、シャットダウン予告としてブザー音(或いは「このままではシャットダウンされます」というメッセージ音声でもよい)を出力する。
これにより運転者や他の乗員に、自動的なシャットダウン制御が行われる可能性が生じていることを告知する。
これによりエンジン回転数上昇経験判定が成立する。
これにより、もしこの時点で車室内或いは車外の近辺に運転者や他の乗員がいる場合に、何の告知もなく自動的にシャットダウンされてしまうことがないようにする。
上記図2のようなシャットダウン制御を行うための電源制御ユニット2の機能構成を図3に示す。
電源制御ユニット2には、例えばソフトウエア又はハードウエアによって実現される機能として、図3のように車両状態判定部32、降車判定部33、シャットダウン判定部34、要求出力部35、故障診断判定部36が設けられる。
信号Sig4はハイブリッド制御ユニット6からバス配線21により供給されるPレンジであるか否かを示す信号である。
信号Sig5は走安制御ユニット4からバス配線21により供給される車速(車輪速)情報の信号である。
信号Sig6はハイブリッド制御ユニット6からバス配線21により供給されるレディ状態のオン/オフを示す信号である。
信号Sig7はエンジン制御ユニット5からバス配線21により供給されるエンジン回転数の情報を示す信号である。
信号Sig8はPレンジスイッチ12からのPレンジであるか否かを示す信号である。
信号Sig9は走安制御ユニット4からの配線22により供給される車輪速情報の信号である。
特に車両停止を判定する要素としてはシフトレンジ、車速がある。
シフトレンジがPレンジであることを信号Sig4、Sig8の両方で確認する。
車速がゼロであることは、信号Sig5、Sig9の両方で確認する。
結局、車両状態判定部32は、信号Sig4、Sig5、Sig8、Sig9の全てが停止を示す状態であることで車両の停止状態を判定し、かつ信号Sig6によりレディオン状態であることを検知した場合に、車両停止判定成立とする。
車両状態判定部32は、この車両停止判定の結果を降車判定部33及びシャットダウン判定部34に受け渡す。
例えばその場合、当該独立した配線23によるエンジン回転数の信号を車両状態判定部32が入力するようにする。これにより電源制御ユニット2は、バス配線21のCAN信号と独立配線の2系統の入力からエンジン回転数上昇経験判定を行うことができ、判定精度を向上させることができる。
なおその場合の配線はエンジン回転数センサから電源制御ユニット2に直結されたものとしてもよい。
信号Sig1はシートベルトバックルスイッチ13からのスイッチオン/オフを示す信号であり、表示ユニット7を介してバス配線21により供給される。
信号Sig2は運転席のドアカーテシスイッチ14からのスイッチオン/オフを示す信号であり、ボディ統合制御ユニット3からバス配線21により供給される。
その上で、信号Sig1によりシートベルトが解除されたこと、及び信号Sig2により運転席ドアが開いたことを検出したときに、運転者が降車したと判定し、降車判定成立とする。
降車判定部33は、降車判定の結果はシャットダウン判定部34に受け渡す。
信号Sig11はイグニッションオン/オフを示す信号であり、例えばハイブリッド制御ユニット6あるいはエンジン制御ユニット5から取得することができる。
シャットダウン判定部34には、車両状態判定部32からの車両停止判定の結果によりシャットオフの条件の1つ(以下、第1条件)が成立しているか否かを確認する。
またシャットダウン判定部34には、降車判定部33からの降車判定の結果によりシャットオフの条件の1つ(以下、第2条件)が成立しているか否かを確認する。
さらにシャットダウン判定部34には、車両状態判定部32からのエンジン回転数上昇経験判定の結果によりシャットオフの条件の1つ(以下、第3条件)が成立しているか否かを確認する。
シャットダウン予告条件成立通知は、シャットダウン判定部34が例えば第1条件、第2条件が成立した時点(例えば図2の時点t3)で、要求出力部35にシャットダウン予告の制御を実行させるためにする通知である。
シャットダウン実行事前通知は、シャットダウン判定部34が例えば第1条件、第2条件、第3条件が成立した後、継続時間カウンタのカウントによりシャットダウン直前となったタイミング(例えば図2の時点t5)で、要求出力部35にシャットダウン実行通知の制御を行わせるためにする通知である。
シャットダウン通知は、シャットダウン判定部34が、シャットダウンの実行タイミング(例えば図2の時点t6)で要求出力部35にシャットダウン要求の出力を実行させるためにする通知である。
またシャットダウン判定部34は、上記の条件判定の処理においてイグニッションオン/オフを示す信号Sig11を補助的に用いることができる。例えばエンジン回転数上昇経験判定としての第3条件の成立の信頼性確認に用いることが考えられる。
信号OUT1はシャットダウン要求としての制御信号である。要求出力部35はシャットダウン判定部34からのシャットダウン通知に応じて、信号OUT1を出力して車両駆動システム1のシャットダウンを実行させる。例えばシャットダウン要求(信号OUT1)により電源リレーを駆動させ、シャットダウンを実行させる。
信号Sig12は、電源制御ユニット2自体の異常診断結果を示す信号である。
信号Sig13は、ボディ統合制御ユニット3とのCAN通信の正常/異常の診断結果を示す信号である。これはバス配線21によるドアカーテシスイッチ14のオン/オフ検出についての信頼性を判定するための信号となる。
信号Sig14は、走安制御ユニット4とのCAN通信による情報の正常/異常の診断結果を示す信号である。これはバス配線21による車輪速センサ15の情報の信頼性を判定するための信号となる。
信号Sig16は、ハイブリッド制御ユニット6とのCAN通信による情報の正常/異常の診断結果を示す信号である。これはバス配線21によるレディ状態のオン/オフの情報の信頼性を判定するための信号となる。
信号Sig17は、Pレンジスイッチ12との配線24による情報の正常/異常の診断結果であり、つまりPレンジスイッチ12の情報の信頼性を判定するための信号となる。
信号Sig18は、走安制御ユニット4(又は車輪速センサ15)との配線22による情報の正常/異常の診断結果を示す信号、つまり車輪速センサ15の情報の信頼性を判定するための信号となる。
要求出力部35は、故障診断判定結果の通知により、故障が発生しているか、あるいは正常であるかを認識できる。これはつまり、シャットダウン判定部34の判定が正常であるか否かを確認するものとなる。
故障診断判定結果の通知により故障有りと認識した場合は、要求出力部35は上述のシャットダウン要求、シャットダウン予告の制御信号、シャットダウン実行通知の制御信号はいずれも出力しない。
そして要求出力部35は、信号OUT4として故障通知の制御信号を出力する。具体的には要求出力部35は、表示ユニット7に故障通知としての表示実行及び車室内ブザー11の吹鳴を指示する。また要求出力部35は、ボディ統合制御ユニット3に故障通知としての車外ブザー10の吹鳴を指示するようにしてもよい。
以上の図3の機能を備える電源制御ユニット2による処理例を以下説明する。
図4は電源制御ユニット2における故障診断判定部36の処理を示している。故障診断判定部36はシステムオン状態にあるときには、例えば図4の処理を継続的に或いは一定時間毎に実行している。
そして故障診断判定部36はステップS202で故障診断判定を行う。例えば各信号Sig12、Sig13、Sig14、Sig15、Sig16、Sig17、Sig18のうちで1つでも異常と判定されていれば、故障が生じているとする。全てが正常であれば正常と判定する。
そして動作終了でなければステップS204からステップS201に戻り、上記処理を繰り返す。
要求出力部35は逐次、故障診断判定部36からの故障診断判定結果を確認しており、故障と判定されていた場合は、ステップS210からS211に進み、故障通知制御を行う。即ち上記した信号OUT4として故障通知の制御信号を出力する。
これにより、故障が生じたときには迅速に運転者等の乗員に通知されることになる。
なお図6のステップS110からは「C1」で示すように図7のステップS111に続くものとして示している。この図6,図7の処理は継続的に或いは一定時間毎に行われる。
「レディオン状態で停止」という判定がなされなかった場合は、電源制御ユニット2はステップS102からステップS120に進んでフラグF1=0とし、さらにステップS121で継続時間カウンタをリセットした後、処理がリターン(RET)となり、ステップS101に戻る。
フラグF1は第2条件が成立したときのタイミングでシャットダウン予告を行うためのフラグである。
継続時間カウンタは、シャットダウン判定部34において、第1,第2,第3条件が成立した状態の継続時間をカウントするカウンタである。例えば継続時間カウンタは、図2で説明した時点t4からの10分間をカウントするタイマとしてのカウンタである。第1,第2,第3条件が成立していないときは、ステップS121で継続時間カウンタをリセットすることになる。
ここで運転者の降車の判定がされない場合は、電源制御ユニット2はステップS104からS120に進んでフラグF1=0とし、さらにステップS121で継続時間カウンタをリセットして、処理リターンとなりステップS101に戻る。
なお、ステップS103の降車判定は、シートベルトの解除と運転席ドアの開放のアンド条件で行われるが、一旦、ドアが開かれて第2条件が成立したら、その後に運転席ドアが閉じられたり、再び運転席ドアが開けられたりしても、第2条件成立を継続するようにする。降車後はドアを閉じることが通常であり、また何らかの事情で再度ドアを開けることもあるためである。
具体的な処理は各種考えられるが、例えば第2条件成立の後は、シートベルトの装着その他の検出要素で運転者の乗車が確認されたり、あるいは車両が走行状態になった場合でなどでなければ、シャットダウンに至るまで第2条件成立を継続する。
エンジン回転数の上昇が検知されていない期間では、処理はステップS110からステップS121に進み、継続時間カウンタをリセットした後、処理はリターンとなりステップS101に戻る。
ある時点でエンジン回転数上昇と判定されて第3条件の成立と認識すると、電源制御ユニット2はステップS110から図7のステップS111に進む。
なお、ステップS109のエンジン回転数上昇経験判定は、一旦、エンジン回転数上昇が検知されたら、その後、エンジン回転が停止されたり、回転数が低下されても、第3条件成立を維持する。エンジン回転数の変化が有り得るためである。
具体的な処理は各種考えられるが、例えば第3条件成立の後は、運転者の乗車が確認されたり、あるいは車両が走行状態になった場合などとしての所定の成立解除条件が検出されなければ、シャットダウンに至るまで第3条件成立を継続する。
そしてステップS112で電源制御ユニット2は、継続時間カウンタによるタイムカウントとして、例えば10分が経過したか否かの確認を行う。
例えば10分というような所定時間が経過することで継続条件(第4条件)が成立するとする。
故障と診断されていたら処理はリターンとなり図6のステップS101に戻る。この場合は、先の図5の処理により、故障通知制御を行うことになる。
故障と診断されていない場合は、電源制御ユニット2はステップS114で、継続条件の充足まで残り時間Txに達したか否かを確認する。例えば仮に残り時間Tx=20秒とすると、継続時間カウンタによるタイムカウントが9分40秒に達したか否かの確認となる。これは図2の時点t5の確認となる。
残り時間Txに達したときは、電源制御ユニット2はステップS115に進み、シャットダウン実行通知制御を行う。即ちシャットダウン判定部34はタイムカウント値の確認により残り時間Txに達したことを確認したら、シャットダウン実行事前通知を要求出力部35に供給し、これに応じて要求出力部35は信号OUT3としてシャットダウン実行通知の制御信号を出力することになる。これにより表示ユニット7、車室内ブザー11、車外ブザー10においてシャットダウン実行通知が行われる。そして処理はリターンとなり図6のステップS101に戻る。
ステップS116で電源制御ユニット2(要求出力部35)は故障診断判定部36による故障診断判定結果を確認する。
故障と診断されていない場合は、電源制御ユニット2はステップS117で、シャットダウン制御を行う。即ち要求出力部35が信号OUT1としてシャットダウン要求を出力し、これに応じて車両駆動システム1がシャットダウンされ、システムオフとなる。
第2の実施の形態のシャットダウン動作を図8に示す。図8は先の図2と同様にシャットダウンに至るまでの乗員の状態、車両の状態、判定内容、制御動作について示している。
携帯機20との無線通信のためのアンテナとしては、車内アンテナ19Aと車外アンテナ19Bが設けられており、通信状況により、携帯機20を所持した乗員が車室内に居るか車外に出たかを判定できる。
そこで、降車判定部33は、携帯機20の検出結果の信号を入力するようにし、例えば時点t1で第1条件成立の状態で、シートベルトの解除、いずれかのドアの開閉と、及び携帯機20の検出結果が車室外であることにより、ば時点t3’でシャットダウン制御のための第2条件成立と判定するようにする。
即ちいずれかのドアが開かれた後に閉じられるとともに、携帯機20が車外にあるとすることで、携帯機20を持った乗員が車外に出たことを検出する。
なお、図2,図8のいずれの例でも、降車判定の要素としては、例えば運転席や乗員席の荷重判定を用いることもできる。さらに車室内にカメラがある場合には、カメラによる撮像画像の解析により、乗員の降車を判定することも可能である。
以上の実施の形態によれば次の効果が得られる。
実施の形態において電源制御ユニット2は、エンジン16と、バッテリから電力が供給される電動機(モータ・ジェネレータ)とを駆動源として備えたハイブリッド車両の車両制御装置として機能する。そして電源制御ユニット2は、車両の状態として少なくとも、車両がレディオン状態で停止しているか否かの判定、及びエンジン駆動状態の判定を行う車両状態判定部32と、乗員が降車したか否かの判定を行う降車判定部33と、車両状態判定部32による判定結果と降車判定部33の判定結果を用いて車両駆動システム1のシャットダウンの実行可否の判定を行うシャットダウン判定部34と、シャットダウン判定部34の判定に基づく車両駆動システムのシャットダウン要求の出力を行う要求出力部35とを備えている。
これにより、レディオン状態で乗員が例えばシャットダウンを忘れて車両から離れてしまったような場合でも、適切にシャットダウンを行い、無駄なバッテリ消費やエンジン駆動(燃料消費)を避けることができる。
そしてそのシャットダウンは、走行中などに行われることがなく安全な状況において行われ、またユーザが車両の機能を停止しても困らない状況を判定して行うものとなり、安全性や使用性を妨げないものとなる。
なお、実施の形態では電源制御ユニット2が請求項にいう車両制御装置に相当するものとしたが、例えば図1に示した(或いは不図示の)他の制御ユニット等が図3のような機能を備えることで、上記の車両制御装置として実現されてもよい。
或いは複数の制御ユニットの連携により上記のシャットダウン制御が実行されるようにしてもよい。
シャットダウンは車両の走行機能をオフするものであるため、その判定は正確に行われることが必要となる。そこで車両の故障判定を行い、それに応じてシャットダウン要求の出力可否を決める。これによりシャットダウンの条件判定の正確性を担保できるものとなる。
車両のいずれかにおいて故障が生じているときは、車両状態判定部32や降車判定部33の判定、ひいてはそれらを用いるシャットダウン判定部34によるシャットダウン条件成立の判定において誤判定が含まれている可能性がある。そこで故障状態と判定された場合はシャットダウン要求の出力を行わないことで、不適切な機会に自動的にシャットダウンさせるようなことが生じないようにする。これにより自動的にシャットダウン制御する場合の安全性が向上される。
また故障診断判定部36は、同じ判定要素について、独立した複数系統の信号線(例えばバス配線21と配線22)による入力信号により、車両の故障診断判定を行うようにもした。即ち車速(車輪速)に関しては信号Sig14、Sig18として走安制御ユニット4からのCAN信号と車輪速センサからの配線22の検出信号の両方についての診断結果を監視する。これにより、診断差による異常も検出できる。
もちろん車速(車輪速)以外にも、例えばエンジン回転に関して、バス配線21と配線23による信号の診断結果を参照して、診断判定をしてもよい。
例えば車両停止判定のための一要素である車速(車輪速)については、バス配線21及び配線22による入力信号(信号Sig5、Sig9)に基づいて検出している。
バス配線21によるCAN信号と、車輪速センサ15からの信号線による検出信号というように、複数系統の信号線からの信号を用いて車両の停止状態を判定することにより、車両停止判定のための1つの要素を確実に検出し、車両停止判定精度を高めることができる。
また車両停止判定のための一要素であるPレンジ検出については、バス配線21及び配線24による入力信号(信号Sig4、Sig8)を用いている。
これも同様に、車両停止判定の精度向上に寄与している。
即ち、車両がレディオン状態で停止しているという第1条件、乗員が降車しているという第2条件、エンジン回転数上昇という第3条件、さらに第1、第2、第3条件が成立してから所定時間経過という第4条件が満たされることで、シャットダウン要求を出力するようにしている。これにより、シャットダウンを実行させても問題ない状況であることが適切に判定され、適切な状況でシャットダウン制御が行われる。例えば走行中であったり、人が乗っているときなどにむやみにシャットダウンが行われないことで、システムオン状態が維持でき、それによる安全性確保ができる。またこれによりシャットダウンしても安全な状況において無駄な燃料消費を回避できる。
車両がレディオン状態で停止しているということは、走行中でないためシャットダウンしても安全性に問題の無いことを確認する条件となる。
また、第1の実施の形態の場合の運転者、或いは第2の実施の形態の携帯機20を所持した乗員が降車したということも、走行中でないためシャットダウンしても安全性に問題の無いことを確認する条件となる。
従ってこれらの一方又は両方を確認することがシャットダウン実行に適している。
車両がレディオン状態で停止しているときのエンジン回転数の上昇は、走行用バッテリの充電のためと想定されるが、燃料の無駄な消費を引き起こすことが多い。従ってエンジン駆動はシャットダウンをすべき場合を判定する適切な理由となる。
即ち車両がレディオン状態で停止しているという第1条件、乗員が降車しているという第2条件、エンジン回転数上昇という第3条件が成立して例えば10分継続することを確認している。これにより複数のシャットダウン条件成立が一瞬のことではなく継続的であることが確認できる。従ってシャットダウンすべき状況であることを適切に判定できることになる。
また第1,第2,第3条件の成立によりシャットダウン制御を行っても問題ないとされても、即時シャットダウンをしないことで、運転者やその他の乗員の使い勝手を低下させないことになる。
例えばシャットダウンの第1,第2条件が成立した際に、その後シャットダウン制御を実行する可能性が生じたとして、乗員にその旨を予告する。
これにより、もし乗員が車内や付近にいる場合には、シャットダウン予告を聞いて対応することができる。例えばシャットダウンが不要な場合に、乗員が所定の操作を行ってシャットダウンを不実行にできるようにすることも考えられる。
例えば停車時であっても、乗員が車内にいてエアコンディショナー等を使用していることも有り得るため、シャットダウンさせたくない場合もあるためである。
これにより、乗員が車外に出たタイミングで、シャットダウン予告が行われることになり、乗員は、もしシャットダウン操作を忘れていたのであれば、直ぐにシャットダウン操作を行うような注意喚起ともなる。
車外にいる乗員に通知するためには、車外ブザー10により予告音や予告メッセージ音声などを出力することが好適となる。
なおシャットダウン予告は他の条件の成立のときでもよい。例えば継続時間判定を第4条件として、第1,第2,第3条件が成立した場合にシャットダウン予告が行われるようにしてもよい。
例えばシャットダウン実行直前に、シャットダウンを行う旨を通知する。これにより、もし車内又は周囲に乗員がいても、突然のシャットダウンが車両の故障等によるものと誤認することがなくなる。また乗員等がシャットダウンさせたくないと考える場合には、対応操作を行う余地も得られる。
なお、シャットダウン予告のブザー音又は吹鳴パターンと、シャットダウン実行通知のブザー音又は吹鳴パターンは異なるものとすることが、ユーザの認識のために好適である。
故障ありと判定された場合は、シャットダウン実行が適切でないと考えられるため、シャットダウンを前提としたシャットダウン予告やシャットダウン実行通知を行わないようにする。これにより乗員等に不適切な情報告知を行わないようにする。
なおこの場合は、故障通知を行うことになり、乗員に故障を知らしめることになる。もちろん故障通知は、シャットダウン予告やシャットダウン実行通知とは異なる音やパターンとすることが適切である。
複数の検出要素により乗員の降車判定することで、降車検出精度を向上させることができる。
Claims (13)
- エンジンと電動機とを駆動源として備えたハイブリッド車両の車両制御装置であって、
車両の状態として少なくとも、車両がレディオン状態で停止しているか否かの判定、及びエンジン駆動状態の判定を行う車両状態判定部と、
乗員が降車したか否かの判定を行う降車判定部と、
前記車両状態判定部による判定結果と前記降車判定部の判定結果を用いて車両駆動システムのシャットダウンの実行可否の判定を行うシャットダウン判定部と、
前記シャットダウン判定部の判定に基づく車両駆動システムのシャットダウン要求の出力を行う要求出力部と、を備え、
前記シャットダウン判定部は、複数のシャットダウン条件によりシャットダウン実行の判定を行い、
前記要求出力部は、一部のシャットダウン条件が成立したことに応じて、シャットダウン予告を実行させる制御信号を出力する
車両制御装置。 - 車両の故障診断判定を行う故障診断判定部を備え、
前記要求出力部は、前記シャットダウン判定部の判定に基づく車両駆動システムのシャットダウン要求の出力を、前記故障診断判定部の判定結果に応じて実行する
請求項1に記載の車両制御装置。 - 前記要求出力部は、前記故障診断判定部により故障状態と判定された場合は、シャットダウン要求の出力を実行しない
請求項2に記載の車両制御装置。 - 前記故障診断判定部は、複数系統の入力信号により、車両の故障診断判定を行う
請求項2又は請求項3に記載の車両制御装置。 - 前記車両状態判定部は、車両停止判定のための一要素の検出に、独立した複数系統の信号線による入力信号を用いる
請求項1から請求項4のいずれかに記載の車両制御装置。 - 前記シャットダウン条件として、車両がレディオン状態で停車していること、乗員が降車したことのいずれかを少なくとも含む
請求項1から請求項5のいずれかに記載の車両制御装置。
に記載の車両制御装置。 - 前記シャットダウン条件として、さらに、エンジン回転数の上昇を含む
請求項6に記載の車両制御装置。 - 前記シャットダウン条件として、複数のシャットダウン条件が成立して所定時間経過したことを含む
請求項1から請求項7のいずれかに記載の車両制御装置。 - 前記要求出力部は、乗員の降車が検出されたことに応じて、シャットダウン予告を実行させる制御信号を出力する
請求項1から請求項8のいずれかに記載の車両制御装置。 - 前記要求出力部は、シャットダウン要求の出力に対応して、シャットダウン実行通知を実行させる制御信号を出力する
請求項1から請求項9のいずれかに記載の車両制御装置。 - 車両の故障診断判定を行う故障診断判定部を備え、
前記要求出力部は、前記故障診断判定部により故障が判定されている場合は、シャットダウンに関する通知を実行させる制御信号を出力しない
請求項1から請求項10のいずれかに記載の車両制御装置。 - 前記降車判定部は、複数の検出要素により乗員が降車したか否かの判定を行う
請求項1から請求項11のいずれかに記載の車両制御装置。 - エンジンと電動機とを駆動源として備えたハイブリッド車両の車両制御装置であって、
車両の状態として少なくとも、車両がレディオン状態で停止しているか否かの判定、及びエンジン駆動状態の判定を行う車両状態判定部と、
乗員が降車したか否かの判定を行う降車判定部と、
前記車両状態判定部による判定結果と前記降車判定部の判定結果を用いて車両駆動システムのシャットダウンの実行可否の判定を行うシャットダウン判定部と、
前記シャットダウン判定部の判定に基づく車両駆動システムのシャットダウン要求の出力を行う要求出力部と、を備え、
前記シャットダウン判定部は、複数のシャットダウン条件によりシャットダウン実行の判定を行い、
前記シャットダウン条件として、車両がレディオン状態で停車していること、乗員が降車したことのいずれかを少なくとも含むとともに、エンジン回転数の上昇を含む
車両制御装置。
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