JP4467066B2 - 車両用シートベルト装置 - Google Patents
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Description
ところで、助手席には小さい子供を座らせるために、チャイルドシートを後ろ向きに取付ける場合がある。その場合に、シートベルトのプリテンショナやエアバッグの作動を、一時的に停止状態にするようにした技術が知られている(例えば、特許文献1−3参照。)。また、作動を禁止するために疑似抵抗を用いた技術も知られている(例えば、特許文献4参照。)。
特許文献2に示す従来の乗員保護装置は、インストルメントパネル内に備えたカットオフスイッチを操作することによって、エアバッグを一時的に停止状態にするというものである。
特許文献3に示す従来の乗員保護装置は、助手席にチャイルドシートを取付けた状態でだけ作動するカットオフスイッチを設けることによって、シートベルトのプリテンショナやエアバッグを一時的に停止状態にするというものである。
また、助手席の他にもシートベルトやエアバッグを装着している場合に、これらのシート(後部席など)でも、シートベルトのプリテンショナやエアバッグを一時的に停止状態にするには、やはりカットオフスイッチ等の機能部品を設ける必要がある。例えば、全てのシートで同時に停止させる、又は必要に応じて選択した一部のシートで同時に停止させる場合などである。これでは、過剰なコストが発生するので、得策ではない。
しかしながら、疑似抵抗をエアバッグ負荷の代用品としているので、制御回路は疑似抵抗とエアバッグ負荷との判別ができない。制御回路は、エアバッグ負荷を制御するための通常の制御を実行するので、不要な制御や通電を行うことになる。これでは、無駄な電力を消費し、しかも、通電による余分なノイズが発生する要因となる。
さらには、助手席からチャイルドシートを外したにもかかわらず、疑似抵抗を装着したままの場合には、助手席のエアバッグを作動できない。
制御部は、電動モータの端子に発した駆動信号に対する、電動モータ又は前記擬似的抵抗側からの応答信号に基づいて、車両用シートベルト装置が正常状態にあるか否かを診断する診断手段を有し、
更にこの診断手段は、応答信号に基づいて、前記擬似的抵抗が接続されているか否かを判定し、これらの診断結果並びに判定結果に基づいて、
正常状態の前記電動モータが接続されていると判断した場合は、正常状態の制御を選択し、
前記擬似的抵抗が接続されていると判断した場合は、前記車両用シートベルト装置が作動を禁止されている作動禁止状態の制御を選択し、
接続された前記電動モータが故障状態であると判断した場合は、故障処理を選択するように構成したことを特徴とする。
しかも、この診断手段によれば、正常か否かの診断だけではなく、更に応答信号に基づいて、車両用シートベルト装置が作動を禁止されている作動禁止状態であるか否かを、判定(作動禁止判定)することができる。従って、これらの診断結果並びに判定結果に基づいて、正常状態の電動モータが接続されていると判断した場合は、正常状態の制御を選択し、擬似的抵抗が接続されていると判断した場合は、車両用シートベルト装置が作動を禁止されている作動禁止状態の制御を選択し、接続された電動モータが故障状態であると判断した場合は、故障処理を選択して実行することができる。
つまり、作動禁止状態であるから、入れ替えられた電動モータに対して、制御部から不要な駆動信号を発する必要はない。不要な制御や通電を行わないので、無駄な電力消費を削減するとともに、通電による不要なノイズの発生を抑制することができる。
このようなことから、比較的簡単な構成で安価な車両用シートベルト装置によって、無駄な電力消費を削減するとともに、通電による不要なノイズの発生を抑制することができる。ノイズを抑制することにより、車両に搭載された他の通信システムに与えるノイズの影響を、極力排除することができる。
電動モータを停止させたときには、逆起電圧が発生するので、電動モータの端子における電圧波形(応答信号)の時間的な変化は、比較的緩慢である。これに対し、電動モータを疑似抵抗と入れ替えたときには、制御部からの制御電圧(駆動信号)を停止したときに、電圧波形(応答信号)がすぐに低下し、その状態を維持する。このため、電圧波形を監視することによって、制御部に接続されているものが、電動モータであるか疑似抵抗であるかを、より一層明確に判定することができる。
図1は本発明に係る車両の助手席及びシートベルト装置の模式図であり、車両10の室内に設置された助手席20及び車両用シートベルト装置40を正面から見て表したものである。
助手席20(シート20)は、シートクッション21と、シートクッション21に起倒可能に設けたシートバック22と、シートバック22の上部に設けたヘッドレスト23とからなる。
なお、ドライバ回路55における出力端子、すなわちコネクタ55a,55bに、端子47a,47bを取り外し可能に差し込むことによって、ドライバ回路55に電動モータ47を接続することができる。
つまり、制御部58は、電動モータ47を駆動するときは、先ずメインリレー61をオンにし、次にドライバ昇圧回路56に駆動信号であるパルス幅変調信号(PWM信号)を発することで、ドライバ昇圧回路56を介してドライバ回路55を制御し、この結果、電動モータ47をオン・オフ制御することになる。
さらに制御部58は、報知切替スイッチ63のスイッチ信号に応じて、報知器64を制御することができる。
図4(a)〜(c)は本発明に係る車両用シートベルト装置の作用図であり、横軸を時間としたタイムチャートで各部の作動を示す。
制御部58がオンの駆動信号(制御電圧)を発している間、電動モータ47の端子47a,47b間の電圧は正電圧である。つまり、電動モータ47は駆動されて回転する。
その後、制御部58が駆動信号を停止、すなわちオフ信号とすることによって、電動モータ47の駆動を停止する。このときの端子47a,47b間の電圧波形(応答信号)は、図4(b)に示す線S1のように一旦急降下する。
制御部58がオンの駆動信号(制御電圧)を発している間、疑似抵抗72の端子72a,72b間の電圧は正電圧である。その後、制御部58が駆動信号を停止、すなわちオフ信号としたときの端子72a,72b間の電圧波形(応答信号)は、図4(c)に示す線S11のように一旦急降下した後に、線S12のように速やかに0(零)に戻り、その状態を維持する。つまり、図4(b)に示す線S2のような、再び徐々に降下する特性はない。
これに対し、電動モータ47を疑似抵抗72と入れ替えたときには、制御部58からの制御電圧(駆動信号)を停止したときに、線S12のように電圧波形(応答信号)がすぐに低下し、その状態を維持する。
このため、電圧波形を監視することによって、制御部58に接続されているものが、電動モータ47であるか疑似抵抗72であるかを、より一層明確に判定することができる。
ST01;初期設定をする。具体的には、それぞれの実カウント値Cu1,Cu2,Cu3を0にセットする。
ST02;イグニションスイッチ51のスイッチ信号(オン、オフ)を読み込む。
ST03;イグニションスイッチ51がオンであるか否かを調べ、YESならST04に進み、NOならST02に戻る。つまり、イグニションスイッチ51がオンになるまで、ST02を繰り返す。
ここで、実負荷の特性とは、車両用シートベルト装置40(特に電動モータ47)が正常に機能している場合の、標準の応答信号の波形のことであり、図4(b)で線S2のように表すことができる。なお、実負荷の特性のデータについては、例えば、制御部58に内蔵されているROMに記憶しておき、適宜読み出せばよい。
ST08;実カウント値Cu1に1を加算する(Cu1=Cu1+1)。
ST21;ST06においてNOの判断だったので、応答信号の波形が予め設定されている「疑似負荷の特性」に一致するか(概ね一致を含む)否かを調べ、YESならST22に進み、NOならST30に進む。
ここで、疑似負荷の特性とは、電動モータ47を疑似抵抗72と入れ替えた場合の、標準の応答信号の波形のことであり、図4(c)で線S12のように表すことができる。なお、疑似負荷の特性のデータについては、例えば、制御部58に内蔵されているROMに記憶しておき、適宜読み出せばよい。
ST23;実カウント値Cu2に1を加算する(Cu2=Cu2+1)。
ST27;報知切替スイッチ63がオンであるか否かを調べ、YESならST28に進み、NOならST29に進む。
ST28;報知器64を作動させて、助手席20にチャイルドシート30が取付けられた状態、すなわち作動禁止状態にあることを乗員に報知して、この制御を終了する。
ST29;報知器64を停止させた後に、この制御を終了する。
ST31;実カウント値Cu3に1を加算する(Cu3=Cu3+1)。
すなわち、シートベルト41に拘束力を付加する電動モータ47に対して、駆動信号を発し、この駆動信号に対する電動モータ47側の応答信号に基づいて、診断手段81により、車両用シートベルト装置40が正常状態にあるか否かを、診断(故障診断)することができる。このため、電動モータ47の特性に適した精密な故障診断を、適切に且つ容易に行うことができる。
しかも、この診断手段81によれば、正常か否かの診断だけではなく、更に応答信号に基づいて、車両用シートベルト装置40が作動を禁止されている作動禁止状態であるか否かを、判定(作動禁止判定)することができる。従って、これらの診断結果並びに判定結果に基づいて、制御部58の制御内容を正常状態の制御、故障処理及び作動禁止状態の制御の中から選択して実行することができる。
この特定の値としては、例えば、電動モータ47や疑似抵抗72が劣化する等の要因によって、これらの部品の電気特性が変化した場合であっても、実負荷(電動モータ47)と疑似負荷(疑似抵抗7)とを判別することが可能な抵抗値に、設定することが好ましい。このように設定することで、劣化による検出への影響を排除することができるとともに、精度良く判別可能となる。すなわち、電動モータ47と疑似抵抗72との区別や、電動モータ47及び疑似抵抗72が正常であるか否かの判別をすることができる。さらには、他の機種の電動モータ47や疑似抵抗72を誤って組付けたときに、これを検出する等にも、応用することができる。
Claims (3)
- 車両のシートに着座した乗員をシートベルトで拘束する車両用シートベルト装置であって、前記車両の運転状態に応じて電動モータが発生した駆動力により、前記シートベルトに拘束力を付加するようにし、前記電動モータの駆動力を制御部にて制御するようにして、前記電動モータの代わりに擬似的抵抗を接続できるようにした車両用シートベルト装置において、
前記制御部は、前記電動モータの端子に発した駆動信号に対する、電動モータ又は前記擬似的抵抗側からの応答信号に基づいて、車両用シートベルト装置が正常状態であるか否かを診断する診断手段を有し、
更にこの診断手段は、前記応答信号に基づいて、前記擬似的抵抗が接続されているか否かを判定し、これらの診断結果並びに判定結果に基づいて、
正常状態の前記電動モータが接続されていると判断した場合は、正常状態の制御を選択し、
前記擬似的抵抗が接続されていると判断した場合は、前記車両用シートベルト装置が作動を禁止されている作動禁止状態の制御を選択し、
接続された前記電動モータが故障状態であると判断した場合は、故障処理を選択するように構成したことを特徴とする車両用シートベルト装置。 - 前記駆動信号は、前記電動モータの端子に発した制御電圧であり、
前記応答信号は、前記制御電圧を停止した後の前記端子における電圧波形を含み、
前記診断手段は、前記端子における電圧波形に基づいて、前記擬似的抵抗が接続されているか否かの判定を実行するように構成したことを特徴とする請求項1記載の車両用シートベルト装置。 - 前記車両用シートベルト装置は、前記擬似的抵抗が接続されていることを報知する報知手段を備えていることを特徴とした請求項1又は請求項2記載の車両用シートベルト装置。
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