JP7221069B2 - スクロール圧縮機及びスクロール圧縮機の組立方法 - Google Patents

スクロール圧縮機及びスクロール圧縮機の組立方法 Download PDF

Info

Publication number
JP7221069B2
JP7221069B2 JP2019019952A JP2019019952A JP7221069B2 JP 7221069 B2 JP7221069 B2 JP 7221069B2 JP 2019019952 A JP2019019952 A JP 2019019952A JP 2019019952 A JP2019019952 A JP 2019019952A JP 7221069 B2 JP7221069 B2 JP 7221069B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
wall
shell
scroll
fixed
holding portion
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2019019952A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2020125749A (ja
Inventor
文昭 安田
賢司 矢野
浩平 達脇
慎一 伊藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Electric Corp filed Critical Mitsubishi Electric Corp
Priority to JP2019019952A priority Critical patent/JP7221069B2/ja
Publication of JP2020125749A publication Critical patent/JP2020125749A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7221069B2 publication Critical patent/JP7221069B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Rotary Pumps (AREA)
  • Applications Or Details Of Rotary Compressors (AREA)

Description

本発明はスクロール圧縮機及びスクロール圧縮機の組立方法に関する。
スクロール圧縮機には、固定スクロールと揺動スクロールの渦巻体を高精度に組み合わせたものがある。
例えば、特許文献1には、固定スクロールと、揺動スクロールを揺動可能に保持するフレームと、固定スクロールとフレームを収納する円筒状のシェルと、を備えるスクロール圧縮機が開示されている。
特許文献1に記載のスクロール圧縮機では、シェルの内壁に円筒軸方向に離れた2つの突出部を設け、それら突出部それぞれに、固定スクロールとフレームを係止させている。これにより、特許文献1に記載のスクロール圧縮機では、固定スクロールの渦巻体と揺動スクロールの渦巻体をシェルの円筒軸方向に高精度に位置決めしている。
国際公開第2018/078787号
特許文献1に記載のスクロール圧縮機では、固定スクロールを突出部に係止させた後、焼嵌め、アークスポット溶接等の加熱処理をして固定スクロールをシェルに固定している。その結果、加熱処理で熱応力が生じて、固定スクロールの渦巻体に対する揺動スクロールの渦巻体の位置がずれてしまうことがある。
本発明は上記の課題を解決するためになされたもので、固定スクロールに対する揺動スクロールの位置を調整できるスクロール圧縮機及びスクロール圧縮機の組立方法を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明に係るスクロール圧縮機は、筒状のシェルと、シェルに収容され、シェルの内壁に固定された固定スクロールと、保持部、固定部及び、位置可変部を有するフレームと、を備える。保持部は、固定スクロールに対して揺動スクロールを揺動可能に保持する。固定部は、保持部を内壁に固定する。位置可変部は、保持部と固定部との間に設けられ、シェルの熱変形に応じて変形することにより、固定部に対する保持部の位置を変えることが可能である。また、内壁は、固定部が嵌め合わされた第一の内壁と、第一の内壁よりも内周の半径が小さく第一の内壁よりも内側に突出する第二の内壁とを有する。固定部は、第一の内壁と第二の内壁との間の段差に係合する。保持部は、段差よりも第一の内壁部の側に位置するフレームの面で揺動スクロールを支える。位置可変部は、保持部と固定部との間に形成され、保持部が揺動スクロールを支える面の側と反対側である第二の内壁の側から第一の内壁の側に向かって凹んでいる凹部を有する。
本発明の構成によれば、位置可変部がシェルの熱変形に応じて変形することにより、固定部に対する保持部の位置を変えることが可能である。このため、シェルを熱変形させることにより、保持部の位置を変えて、保持部に揺動可能に保持された揺動スクロールの位置を変えることができる。これにより、固定スクロールに対する揺動スクロールの位置を調整できる。
本発明の実施の形態に係るスクロール圧縮機の斜視図 本発明の実施の形態に係るスクロール圧縮機の断面図 本発明の実施の形態に係るスクロール圧縮機が備えるメインシェルの斜視図 本発明の実施の形態に係るスクロール圧縮機が備える固定スクロールの斜視図 本発明の実施の形態に係るスクロール圧縮機が備えるメインフレームの斜視図 本発明の実施の形態に係るスクロール圧縮機が備えるオルダムリングの斜視図 図2に示すVII領域の拡大断面図 本発明の実施の形態に係るスクロール圧縮機が備えるメインシェルが熱変形したときの位置可変溝の断面図 図8に示すIX領域の拡大断面図 本発明の実施の形態に係るスクロール圧縮機が備える位置可変溝の変形例の断面図 本発明の実施の形態に係るスクロール圧縮機が備える位置可変溝の別の変形例の断面図
以下、本発明の実施の形態に係るスクロール圧縮機及びスクロール圧縮機の組立方法について図面を参照して詳細に説明する。なお、図中、同一又は同等の部分には同一の符号を付す。図に示す直交座標系XYZにおいて、スクロール圧縮機の吸入管を右に配置した場合の、左右方向がX軸、上下方向がZ軸、X軸とZ軸とに直交する方向がY軸である。以下、適宜、この座標系を引用して説明する。
実施の形態に係るスクロール圧縮機では、固定スクロールに対する揺動スクロールの位置を所望の位置に調整するため、揺動スクロールを保持するメインフレームに位置可変溝が設けられている。まず、図1-図6を参照して、スクロール圧縮機の構成について説明する。次に、図7を参照して、メインフレームの位置可変溝について説明する。続いて、図8及び図9を参照して、位置可変溝を利用したスクロール圧縮機の組立方法について説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係るスクロール圧縮機1の斜視図である。図2は、スクロール圧縮機1の断面図である。図3は、スクロール圧縮機1が備えるメインシェル10の斜視図である。図4は、スクロール圧縮機1が備える固定スクロール20の斜視図である。図5は、スクロール圧縮機1が備えるメインフレーム40の斜視図である。図6は、スクロール圧縮機1が備えるオルダムリング50の斜視図である。なお、図2では、理解を容易にするため、スラストプレートを省略している。
図1及び図2に示すように、スクロール圧縮機1は、装置の外形を画定するメインシェル10と、スクロール圧縮機1に供給された冷媒を圧縮する圧縮室を形成する固定スクロール20及び揺動スクロール30と、揺動スクロール30を揺動可能に保持するメインフレーム40と、を備えている。
メインシェル10は、円筒状に形成されている。そして、メインシェル10には、装置内に圧縮対象の冷媒を吸入させるための吸入管11が接続されている。一方、メインシェル10の上端と下端は、図2に示すように、開放されている。これら上端と下端とには、半球状のアッパーシェル12とロアシェル13によって覆われている。アッパーシェル12には、圧縮された冷媒を装置内から吐出する吐出管14が接続されている。また、ロアシェル13には、装置を固定するための固定台15が設けられている。なお、本明細書では、メインシェル10を単にシェルともいう。
メインシェル10には、図3に示すように、上端側から、第一内壁110と、第一内壁110よりも半径が小さく、第一内壁110からメインシェル10の円筒軸側に突出する第二内壁120と、第二内壁120よりも半径が小さく、第二内壁120よりもさらに円筒軸側に突出する第三内壁130と、が形成されている。
第一内壁110には、図2に示すように、固定スクロール20が嵌め合わされている。そして、第一内壁110と第二内壁120との間の段差、すなわち、第二内壁120の上端に固定スクロール20が係合している。これにより、メインシェル10の第一内壁110に囲まれる空間には、固定スクロール20が収容されている。さらに、メインシェル10の円筒軸方向に固定スクロール20が位置決めされている。固定スクロール20は、焼嵌めによって第一内壁110に固定されている。
これに対して、第二内壁120には、メインフレーム40が嵌め合わされている。そして、第二内壁120と第三内壁130との間の段差、すなわち、第三内壁130の上端に、メインフレーム40の後述する係合部43が係合している。これにより、メインシェル10の第二内壁120に囲まれる空間には、メインフレーム40が収容されている。また、メインシェル10の円筒軸方向にメインフレーム40が位置決めされている。メインフレーム40は、圧入によって第二内壁120に固定されている。
固定スクロール20は、図2及び図4に示すように、第一内壁110に嵌め合わされた第一基板21と、第一基板21の下側に設けられ、第二内壁120に係合する係合部22と、第一基板21の下側に設けられ、第一基板21と同心の第一渦巻体23と、を有する。
第一基板21は、円板の形状に形成され、上述したように、焼嵌めによって、第一内壁110に固定されている。
一方、係合部22は、図4に示すように、第一渦巻体23から第一基板21の半径方向に突出している。上述した、メインシェル10の第二内壁120には、図3に示すように、位相決め溝121が形成されている。係合部22は、図示しないが、第一基板21が第一内壁110に嵌め合わされたときに、位相決め溝121に係合する。これにより、係合部22は、第一基板21の周方向の位置を決める。
第一渦巻体23は、図4に示すように、板が渦巻状に曲げられた形状に形成されている。その渦巻は、メインシェル10の第二内壁120よりも径が小さい。第一渦巻体23は、図2に示すように、渦巻の板の先端、すなわち、歯先を揺動スクロール30に向けている。
揺動スクロール30は、メインシェル10内で揺動可能とするため、第二内壁120よりも小さい径の円板の形状に形成された第二基板31と、第二基板31の上側に設けられ、第二基板31と同心の第二渦巻体32と、第二基板31の下側に設けられ、第二基板31と同心の円筒部33を有する。
第二渦巻体32は、固定スクロール20の第一渦巻体23と同様に、板が渦巻状に曲げられた形状に形成されている。その径は、第二基板31よりも小さい。そして、第二渦巻体32は、歯先を上に向けている。第二渦巻体32は、第一渦巻体23と圧縮室を形成するため、第一渦巻体23に噛合されている。
一方、第二基板31は、図2に示さないが、メインフレーム40の上面に設けられた、後述するスラストプレートに載置される。ここで、スラストプレートは、第二渦巻体32の歯先と固定スクロール20の第一基板21との隙間を所望の大きさに調整する板のことであり、また、上面が滑らかに形成されてスラスト軸受として機能する板のことである。第二基板31の下面には、スラストプレートを挟んで2つのキー溝310が配置されている。それら2つのキー溝310それぞれには、揺動スクロール30の揺動時の自転を防止する、図6に示すオルダムリング50のキー部51それぞれが挿入される。図2に戻って、第二基板31の中心には、円筒部33が配置されている。
円筒部33には、円筒部を有するブッシュ60が挿入されている。ここで、ブッシュ60は、円筒部33にクランクシャフト70を接続するための部材である。ブッシュ60には、クランクシャフト70が備える偏心部71が挿入されている。
クランクシャフト70は、上述した偏心部71と、偏心部71から下へ延在する主軸部72と、を有している。メインシェル10の第三内壁130の下には、第二内壁120と同径の第四内壁140が形成されている。その第四内壁140には、軸受91を有するサブフレーム90が嵌め合わされている。クランクシャフト70の主軸部72は、その軸受91に回転可能に支持されている。そして、クランクシャフト70は、主軸部72の外周壁に固定されたロータ81と、メインシェル10の第三内壁130に固定されたステータ82と、で構成される駆動機構80によって主軸部72の回りに回転される。
円筒部33には、上述したように、ブッシュ60が挿入されている。そのブッシュ60には、クランクシャフト70の偏心部71が挿入されている。このため、クランクシャフト70の主軸部72が回転した場合、円筒部33には、その主軸部72の回転がブッシュ60を介して伝動される。クランクシャフト70では、偏心部71が主軸部72に対して偏心しているため、円筒部33は、主軸部72が回転した場合、公転する。その結果、揺動スクロール30全体が公転する。一方、円筒部33は、ブッシュ60と共に、メインフレーム40に回転可能に保持されている。
メインフレーム40は、図2及び図5に示すように、クランクシャフト70の主軸部72を回転可能に保持する軸受部41と、揺動スクロール30を回転可能に保持する、上述した保持部42と、メインフレーム40の第二内壁120に圧入された係合部43と、を備えている。なお、本明細書では、メインフレーム40のことを単にフレームともいう。
軸受部41は、クランクシャフト70の主軸部72が挿入可能な円筒内壁を有する。そして、軸受部41には、図2に示すように、主軸部72が挿通され、上述したように主軸部72を回転可能に保持している。軸受部41の上側には、保持部42が配置されている。
保持部42は、図5に示すように、上面視円環状に形成されている。その上面は、平坦に形成されている。保持部42の上面には、図示しないが、上述したスラストプレートが載置される。そのスラストプレートの上には、揺動スクロール30の第二基板31が載置される。保持部42では、クランクシャフト70の回転によってブッシュ60が回転した場合、その回転が第二基板31に伝動される。これにより、保持部42の上面では、ブッシュ60の回転により、第二基板31が回転する。
一方、保持部42の中心には、下から、小円筒状空間421と、小円筒状空間421とつながった大円筒状空間422と、が形成されている。
小円筒状空間421には、図2に示すように、クランクシャフト70の偏心部71が差し込まれたブッシュ60が挿入されている。そして、ブッシュ60を回転可能に保持している。
これに対して、大円筒状空間422には、オルダムリング50が収容されている。大円筒状空間422には、図5に示すように、その円筒軸を挟んで、上面視長方形状の2つのキー溝423が形成されている。2つのキー溝423には、図6に示すオルダムリング50の2つのキー部52がそれぞれ挿入され、それらキー部52がキー溝423の長手方向にスライド可能である。キー溝423は、図示しないが、上述した揺動スクロール30の第二基板31にあるキー溝310の長手方向と直交している。キー溝423は、ブッシュ60の回転によって、オルダムリング50のキー部52をスライドさせ、上述した第二基板31のキー溝310も、キー部51をスライドさせる。これにより、キー溝423は、第二基板31、すなわち揺動スクロール30の自転を防止する。
係合部43は、図5に示すように、保持部42から半径方向に突出した突起の形状に形成されている。そして、係合部43は、保持部42の外周全体にわたって形成されている。係合部43は、メインシェル10の第二内壁120に圧入可能な程度の外径を有する。その外径は、第三内壁130の内径よりも小さい。そして、係合部43は、第二内壁120にメインフレーム40が圧入されることにより、第二内壁120に固定されている。また、係合部43は、図2に示すように、第三内壁130の上端に係合している。なお、本明細書では、係合部43がメインシェル10に固定されていることから、係合部43のことを固定部ともいう。
図5に戻って、係合部43には、さらに保持部42の半径方向に突出する係合部425が形成されている。図示しないが、係合部425は、メインシェル10の位相決め溝121に係合して、保持部42の周方向の位置を決める。
上述したように、固定スクロール20の第一基板21は、焼嵌めによってメインシェル10の第一内壁110に固定されている。これに対して、メインフレーム40の係合部43は、メインシェル10の第二内壁120に圧入されている。このため、第一基板21と係合部43のうち、第一基板21のほうだけが焼嵌めの熱で熱変形してしまい、その結果、第一基板21とメインフレーム40との距離が変化してしまうことがある。そして、第一基板21とメインフレーム40に保持された揺動スクロール30の第二渦巻体32の歯先との隙間が所望の寸法とならず、その隙間が所望の寸法よりも大きくなったり小さくなったりすることがある。
しかし、第一基板21と第二渦巻体32の歯先との隙間が大きすぎたり小さすぎたりすると、第一渦巻体23と第二渦巻体32で形成する圧縮室で十分な冷媒の圧縮を行うことができない。
そこで、上記第一基板21と第二渦巻体32の歯先との隙間の大きさを調整するため、メインフレーム40の保持部42と係合部43との間には、図2に示すように、メインフレーム40の位置を変化させるための位置可変溝44が設けられている。次に、図7を参照して、位置可変溝44について説明する。
図7は、図2に示すVII領域の拡大断面図である。
図7に示すように、係合部43と保持部42とを接続する部分には、保持部42の位置を変化させるための位置可変溝44が形成されている。位置可変溝44は、係合部43の下側の面から上に凹んでいる。その深さは、例えば、係合部43の厚みの半分である。これにより、位置可変溝44は、係合部43と保持部42とを接続する部分の厚みを薄くして、変形しやすくしている。
上述したように、係合部43は、メインシェル10の第二内壁120に圧入されている。後述するように、第一基板21と第二渦巻体32の歯先との距離の調整は、メインシェル10を局所的に加熱することにより行われる。これにより、メインシェル10を熱変形させて、係合部43が圧入されたメインシェル10の第二内壁120の位置と、係合部43が係合する第二内壁120第三内壁130との間の段差の位置と、を変化させる。これにより、保持部42の位置が変化する。このとき、位置可変溝44は、その幅を変えて、係合部43と保持部42とを接続する部分を変形しやすくしている。その結果、第一基板21と第二渦巻体32の歯先との隙間の大きさが変化する。なお、本明細書では、位置可変溝44のことを、位置可変部ともいう。また、係合部43の下側の面で凹んでいることから、位置可変溝44のことを、凹部ともいう。
一方、係合部43は、外周側の上側コーナーが面取り部45を有する。面取り部45は、メインシェル10が熱変形して第二内壁120がメインシェル10の内側に向かって変形したときに、第二内壁120に当接して、メインシェル10が熱変形しすぎることを防止する。面取り部45の係合部43の端面に対する傾斜角、その大きさは、防止する熱変形の程度に応じて決められている。
次に、図8及び図9を参照して、スクロール圧縮機1の組立方法について説明する。その組立方法の説明とあわせて、位置可変溝44を利用した、第一基板21と第二渦巻体32の歯先との隙間の大きさの調整方法を説明する。
以下の説明では、スクロール圧縮機1を設計する毎に、或いは製造ロット毎に、予め実験により、焼嵌めの加熱条件と、その焼嵌めによって固定スクロール20が変形することによって発生するずれ量との関係を求めておくものとする。ここで、ずれ量とは、上記の第一基板21と第二渦巻体32の歯先との隙間が所望の寸法からずれたときのそのずれの大きさのことである。例えば、焼嵌めの加熱条件と、第二渦巻体32の歯先に接する面を、図7に示すPQ平面としたときのPQ平面から第一基板21の下面までの距離D、PQ平面に対する傾きθとの関係を求めておく。ここで、距離Dは、PQ平面がメインシェル10の円筒軸と交わる点を原点としたときの、その原点での距離のことである。また、ずれ量をなくすためのメインシェル10の加熱条件を求めておくものとする、例えば、上述した距離Dを所望の寸法にし、かつ傾きθを0にするための、メインシェル10を熱変形させるための局所加熱の位置、加熱量等の加熱条件を求めておくものとする。これにより、焼嵌めの加熱条件とメインシェル10を調整するための加熱条件との関係を示すデータベースを作成しておくものとする。
図8は、メインシェル10が熱変形したときの位置可変溝44の断面図である。図9は、図8に示すIX領域の拡大断面図である。
まず、上述した形状のメインシェル10に、クランクシャフト70、ステータ82及び、サブフレーム90及びを組み込む。
次に、メインシェル10の上端からメインフレーム40を挿入して、メインシェル10にメインフレーム40を圧入する。この工程では、挿入したメインフレーム40を、メインシェル10の第二内壁120と第三内壁130との間の段差まで押し込んで、その段差にメインフレーム40の係合部43を係合させる。これにより、メインシェル10の円筒軸方向にメインフレーム40を位置決めする。また、位相決め溝121に係合部425を係合させてメインフレーム40の周方向の位置を決める。なお、本明細書では、この工程で固定スクロール20がメインシェル10に固定されることから、第一固定工程ともいう。
続いて、メインフレーム40が固定されたメインシェル10に、スラストプレート、揺動スクロール30、ブッシュ60、オルダムリング50、ロアシェル13等を組み付ける。
次に、揺動スクロール30、ブッシュ60等が組み付けられたメインシェル10を加熱し、加熱された状態のメインシェル10の上端から固定スクロール20を挿入する。これにより、固定スクロール20をメインシェル10に焼嵌めする。このとき、位相決め溝121に係合部22を係合させて固定スクロール20の周方向の位置を決め、その状態のまま、固定スクロール20を、メインシェル10の第二内壁120と第三内壁130との間の段差に第一基板21が係合するまで押し込む。なお、本明細書では、この工程で固定スクロール20がメインシェル10に固定されることから、第二固定工程ともいう。
固定スクロール20が焼嵌めされたメインシェル10に、アッパーシェル12を組み付ける。この段階で、スクロール圧縮機1が完成するが、固定スクロール20の焼嵌めでの加熱条件により固定スクロール20の第一基板21が熱変形して、上述した、固定スクロール20の第一基板21と揺動スクロール30の第二渦巻体32の歯先との距離が所望の距離からずれることがある。そこで、続いて、位置可変溝44を利用した、第一基板21と第二渦巻体32の歯先との距離の調整を行う。
位置可変溝44を利用した、第一基板21と第二渦巻体32の歯先との距離の調整では、まず、上述したデータベースを用いて、焼嵌めの加熱条件に対するメインシェル10を調整するための加熱条件を求める。
続いて、求めたメインシェル10の加熱条件で、メインシェル10を局所加熱する。これにより、メインシェル10を熱変形させる。例えば、図7に示す加熱位置でメインシェル10を局所加熱する。
例えば、求めたメインシェル10の加熱条件で、加熱位置がメインフレーム40の係合部43が係合する位置、すなわち、メインシェル10の第二内壁120と第三内壁130との間の段差よりも上である場合、図7に示す加熱位置P1でメインシェル10を局所加熱する。その後、冷却する。これにより、その局所加熱された箇所が収縮して応力が発生して、図8及び図9に示すように、メインシェル10の第三内壁130側が外側に向かって熱変形する。その結果、第三内壁130の径が拡大する。これにより、上記段差が外側に移動して、上記段差の面、すなわち、第三内壁130の上端が内側に向かって下方に傾斜する。このとき、位置可変溝44が変形して、溝幅が拡大する。その結果、係合部43が段差の傾斜に追従して、係合部43が係合する位置が下がる。これにより、固定スクロール20の第一基板21と第二渦巻体32の歯先との距離が図8及び図9に示す距離Lだけ拡大する。
また、求めたメインシェル10の加熱条件で、加熱位置がメインシェル10の第二内壁120と第三内壁130との間の段差よりも下である場合、メインフレーム40の係合部43が係合する位置よりも下の、図7に示す加熱位置P2でメインシェル10を局所加熱し、その後、冷却する。これにより、その局所加熱された箇所が収縮して応力が発生する。これにより、図示しないが、メインシェル10の第二内壁120が外側に向かって熱変形する。その結果、第三内壁130の径が縮小する。これにより、上記段差が内側に移動して、第三内壁130の上端が内側に向かって上へ傾斜する。この場合も位置可変溝44が変形する。位置可変溝44の幅は、上記と異なり縮小する。その結果、係合部43が段差の傾斜に追従して、係合部43が係合する位置が上がる。これにより、固定スクロール20の第一基板21と第二渦巻体32の歯先との距離が縮小する。
なお、データベースを用いて、加熱条件を求める場合に、メインフレーム40の周方向に数カ所を局所加熱する箇所を求め、それら局所加熱する箇所それぞれの加熱条件を求めても良い。例えば、メインフレーム40の円筒軸の回りに120°毎に合計3箇所の局所加熱する箇所を決め、それら局所加熱する箇所それぞれの加熱量と加熱位置、すなわち、係合部43が係合する位置よりも上又は下の位置を求めても良い。この場合、係合部43が係合する位置からの距離を求めても良い。これにより、第二渦巻体32の歯先に接する面に対する第一基板21の下面の傾きを小さくして0°の傾きに近づけることができる。
このように、データベースを用いて加熱条件を求め、求めた加熱条件でメインフレーム40を局所加熱する。これにより、第一基板21と第二渦巻体32の歯先との距離が調整される。なお、本明細書では、この工程を加熱工程という。
以上のように、本実施の形態に係るスクロール圧縮機1では、位置可変溝44がメインシェル10の熱変形に応じて変形することにより、メインフレーム40の係合部43に対する保持部42の位置を変えることが可能である。このため、スクロール圧縮機1では、メインシェル10を加熱することにより、メインシェル10を熱変形させて、保持部42の位置を変えることができる。その結果、保持部42に保持された揺動スクロール30の位置を変えて、固定スクロール20に対する揺動スクロール30の位置を調整することができる。
また、メインフレーム40の位置可変溝44が熱変形するだけで、揺動スクロール30それ自体は熱変形しない。このため、揺動スクロール30が備える第二渦巻体32も熱変形しない。その結果、揺動スクロール30の第二渦巻体32と固定スクロール20の第一渦巻体23で形成する圧縮室がゆがみにくい。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではない。例えば、上記の実施の形態では、メインフレーム40に位置可変溝44が形成されている。しかし、本発明では、位置可変溝44は、メインフレーム40の保持部42の外周部と係合部43との間に設けられた位置可変部であれば良い。そして、位置可変部が、メインシェル10の熱変形に応じて変形することにより、係合部43に対する保持部42の位置を変えることが可能であれば良い。
図10は、位置可変溝44の変形例の断面図である。図11は、位置可変溝44の別の変形例の断面図である。なお、図10、図11では、スクロール圧縮機1の、図7と同じ領域を拡大している。
位置可変溝44は、図10に示す位置可変板46であっても良い。位置可変板46は、図10に示すように、位置可変板46は、保持部42と係合部43を接続し、保持部42及び係合部43よりも上下方向の厚みが小さい接続板で形成されている。
また、位置可変溝44は、図11に示す位置可変凹み47U、47Lであっても良い。位置可変凹み47U、47Lは、図11に示すように、係合部43と保持部42との間に配置されている。そして、位置可変凹み47Uは、係合部43と保持部42との間の上面に配置され、下に凹んでいる。位置可変凹み47Lは、それらの間の下面に配置され、上に凹んでいる。位置可変凹み47Uと47Lは、上下方向に対向している。このような形態であっても、メインシェル10の熱変形によって変形して、係合部43に対する保持部42の位置を変えることができる。なお、本明細書では、位置可変凹み47U、47Lのことを単に凹部ともいう。
上記の実施の形態では、メインフレーム40がメインシェル10に形成された内壁の段差に係合する係合部43を備えている。しかし、本発明はこれに限定されない。本発明では、メインフレーム40が保持部42をメインシェル10の内壁に固定する固定部を備えていると良い。例えば、メインフレーム40が保持部42をメインシェル10の内壁に固定する溶接部を備えていても良い。この場合、位置決めの正確性に劣るものの、メインシェル10に第一内壁110、第二内壁120、第三内壁130等による段差は形成されていなくても良い。すなわち、メインシェル10の内壁に凹部、凸部が形成されていなくても良い。このような形態であっても、位置可変溝44を利用することにより、固定スクロール20に対する揺動スクロール30の位置を調整することができる。
上記の実施の形態では、メインフレーム40が圧入によってメインシェル10に固定されている。しかし、本発明では、メインフレーム40のメインシェル10への固定方法は限定されない。例えば、メインフレーム40がメインシェル10に焼嵌めされても良い。また、溶接されても良い。
1 スクロール圧縮機、10 メインシェル、11 吸入管、12 アッパーシェル、13 ロアシェル、14 吐出管、15 固定台、20 固定スクロール、21 第一基板、22 係合部、23 第一渦巻体、30 揺動スクロール、31 第二基板、32 第二渦巻体、33 円筒部、40 メインフレーム、41 軸受部、42 保持部、43 係合部、44 位置可変溝、45 面取り部、46 位置可変板、47U,47L 位置可変凹み、50 オルダムリング、51,52 キー部、60 ブッシュ、70 クランクシャフト、71 偏心部、72 主軸部、80 駆動機構、81 ロータ、82 ステータ、90 サブフレーム、91 軸受、110 第一内壁、120 第二内壁、121 位相決め溝、130 第三内壁、140 第四内壁、310 キー溝、421 小円筒状空間、422 大円筒状空間、423 キー溝、424 外周部、425 係合部、D,L 距離、P1,P2 加熱位置、θ 傾き。

Claims (5)

  1. 筒状のシェルと、
    前記シェルに収容され、前記シェルの内壁に固定された固定スクロールと、
    前記固定スクロールに対して揺動スクロールを揺動可能に保持する保持部、前記保持部を前記内壁に固定する固定部及び、前記保持部と前記固定部との間に設けられ、前記シェルの熱変形に応じて変形することにより、前記固定部に対する前記保持部の位置を変えることが可能な位置可変部を有するフレームと、
    を備え
    前記内壁は、前記固定部が嵌め合わされた第一の内壁部と、前記第一の内壁部よりも内周の半径が小さく前記第一の内壁部よりも内側に突出する第二の内壁部とを有し、
    前記固定部は、前記第一の内壁部と前記第二の内壁部との間の段差に係合し、
    前記保持部は、前記段差よりも前記第一の内壁部の側に位置する前記フレームの面で前記揺動スクロールを支え、
    前記位置可変部は、前記保持部と前記固定部との間に形成され、前記保持部が前記揺動スクロールを支える前記面の側と反対側である前記第二の内壁部の側から前記第一の内壁部の側に向かって凹んでいる凹部を有するスクロール圧縮機。
  2. 前記固定部は、前記保持部から前記内壁に向かって突出する突起であり、
    前記突起は、その突出した先端の側かつ前記固定スクロールが位置する側に面取り部を有する、
    請求項1に記載のスクロール圧縮機。
  3. 筒状のシェルと、
    前記シェルに収容され、前記シェルの内壁に固定された固定スクロールと、
    前記固定スクロールに対して揺動スクロールを揺動可能に保持する保持部、前記保持部を前記内壁に固定する固定部及び、前記保持部と前記固定部との間に設けられ、前記シェルの熱変形に応じて変形することにより、前記固定部に対する前記保持部の位置を変えることが可能な位置可変部を有するフレームと、
    を備えるスクロール圧縮機の組立方法であって、
    前記フレームを前記シェルに収容し、前記フレームを前記シェルに固定する第一固定工程と、
    前記固定スクロールを前記シェルに収容し、加熱処理で前記固定スクロールを前記シェルに固定する第二固定工程と、
    前記第二固定工程の後に前記シェルを加熱して前記シェルを熱変形させることにより、前記位置可変部を変形させて前記固定部に対する前記保持部の位置を変える加熱工程と、
    を備えるスクロール圧縮機の組立方法。
  4. 前記加熱工程では、前記内壁の前記固定部がある部分よりも前記固定スクロールが位置する側にある前記シェルの一部を加熱する、
    請求項に記載のスクロール圧縮機の組立方法。
  5. 前記加熱工程では、前記内壁の前記固定部がある部分よりも、前記固定スクロールが位置する側と反対側にある前記シェルの一部を加熱する、
    請求項又はに記載のスクロール圧縮機の組立方法。
JP2019019952A 2019-02-06 2019-02-06 スクロール圧縮機及びスクロール圧縮機の組立方法 Active JP7221069B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019019952A JP7221069B2 (ja) 2019-02-06 2019-02-06 スクロール圧縮機及びスクロール圧縮機の組立方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019019952A JP7221069B2 (ja) 2019-02-06 2019-02-06 スクロール圧縮機及びスクロール圧縮機の組立方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2020125749A JP2020125749A (ja) 2020-08-20
JP7221069B2 true JP7221069B2 (ja) 2023-02-13

Family

ID=72083773

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019019952A Active JP7221069B2 (ja) 2019-02-06 2019-02-06 スクロール圧縮機及びスクロール圧縮機の組立方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7221069B2 (ja)

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2019003335A1 (ja) 2017-06-28 2019-01-03 三菱電機株式会社 スクロール圧縮機および冷凍サイクル装置

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH04252886A (ja) * 1991-01-29 1992-09-08 Mitsubishi Electric Corp スクロール圧縮機
JP2795021B2 (ja) * 1991-01-29 1998-09-10 三菱電機株式会社 スクロール圧縮機

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2019003335A1 (ja) 2017-06-28 2019-01-03 三菱電機株式会社 スクロール圧縮機および冷凍サイクル装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2020125749A (ja) 2020-08-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100734699B1 (ko) 스크롤압축기부품의 정렬방법
CN108869280B (zh) 涡旋压缩机
JPH0932771A (ja) スクロール圧縮機
JP6986998B2 (ja) スクロール圧縮機、冷凍装置及び空調装置
JP7221069B2 (ja) スクロール圧縮機及びスクロール圧縮機の組立方法
WO2015064300A1 (ja) 圧縮機および圧縮機の製造方法
JP2013050038A (ja) ベーン型圧縮機
JP2006283673A (ja) スクロール式流体機械
JP2743568B2 (ja) スクロール圧縮機及びその製造方法
JPH0821376A (ja) スクロール圧縮機
JP2002235669A (ja) 密閉形圧縮機
JP6391953B2 (ja) 下部フレームを備えた圧縮機及びその製造方法
JP7150196B2 (ja) スクロール圧縮機およびスクロール圧縮機の製造方法
JP4415178B2 (ja) スクロール流体機械及びその組立方法
JP2003286942A (ja) 往復動圧縮機に用いるピストンの製造方法
WO2024105950A1 (ja) スクロール圧縮機
WO2023189893A1 (ja) 電動圧縮機及び電動圧縮機の組立方法
JP2005195005A (ja) スクロール圧縮機の組立方法
JP6584471B2 (ja) 電動圧縮機
JP4360622B2 (ja) スクロール圧縮機の製作方法
JPH0579473A (ja) スクロール式流体機械
JP2630069B2 (ja) スクロール圧縮機
JP3009344U (ja) 偏心半径調節機構を備えたスクロール圧縮機
JPH0617024Y2 (ja) スクロ−ル圧縮機
JPH0330683B2 (ja)

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20211029

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20220824

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20220913

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20221031

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20230104

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20230201

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7221069

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150