JP7219506B1 - 細胞輸送装置、培養細胞の製造方法、及び細胞輸送方法 - Google Patents

細胞輸送装置、培養細胞の製造方法、及び細胞輸送方法 Download PDF

Info

Publication number
JP7219506B1
JP7219506B1 JP2021122557A JP2021122557A JP7219506B1 JP 7219506 B1 JP7219506 B1 JP 7219506B1 JP 2021122557 A JP2021122557 A JP 2021122557A JP 2021122557 A JP2021122557 A JP 2021122557A JP 7219506 B1 JP7219506 B1 JP 7219506B1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
container
transport device
cell
cell transport
cells
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2021122557A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2023022847A (ja
Inventor
俊明 竹澤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
National Agriculture and Food Research Organization
Original Assignee
National Agriculture and Food Research Organization
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by National Agriculture and Food Research Organization filed Critical National Agriculture and Food Research Organization
Priority to JP2021122557A priority Critical patent/JP7219506B1/ja
Priority to PCT/JP2022/024581 priority patent/WO2023007985A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7219506B1 publication Critical patent/JP7219506B1/ja
Publication of JP2023022847A publication Critical patent/JP2023022847A/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12MAPPARATUS FOR ENZYMOLOGY OR MICROBIOLOGY; APPARATUS FOR CULTURING MICROORGANISMS FOR PRODUCING BIOMASS, FOR GROWING CELLS OR FOR OBTAINING FERMENTATION OR METABOLIC PRODUCTS, i.e. BIOREACTORS OR FERMENTERS
    • C12M1/00Apparatus for enzymology or microbiology
    • C12M1/12Apparatus for enzymology or microbiology with sterilisation, filtration or dialysis means
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12MAPPARATUS FOR ENZYMOLOGY OR MICROBIOLOGY; APPARATUS FOR CULTURING MICROORGANISMS FOR PRODUCING BIOMASS, FOR GROWING CELLS OR FOR OBTAINING FERMENTATION OR METABOLIC PRODUCTS, i.e. BIOREACTORS OR FERMENTERS
    • C12M3/00Tissue, human, animal or plant cell, or virus culture apparatus
    • C12M3/06Tissue, human, animal or plant cell, or virus culture apparatus with filtration, ultrafiltration, inverse osmosis or dialysis means
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N5/00Undifferentiated human, animal or plant cells, e.g. cell lines; Tissues; Cultivation or maintenance thereof; Culture media therefor
    • C12N5/06Animal cells or tissues; Human cells or tissues

Abstract

Figure 0007219506000001
【課題】コンタミネーションのリスクを低減できる細胞輸送装置、培養細胞の製造方法、及び細胞輸送方法を提供する。
【解決手段】培養細胞Cを収容する第1の収容空間111を有する第1の容器110と、第2の収容空間121を有する第2の容器120と、を備える細胞輸送装置100であって、前記第2の容器120は、底面の少なくとも一部に少なくとも1つの滅菌フィルタ122を有するとともに、前記第1の容器110の上部に装着されるように構成されており、前記第2の容器120が前記第1の容器110の上部に装着された状態において、前記第1の収容空間111は、前記第1の容器110及び前記第2の容器120によって囲まれるとともに、前記少なくとも1つの滅菌フィルタ122を通して前記第2の収容空間121と連通することを特徴とする、細胞輸送装置100。
【選択図】図1

Description

本発明は、細胞輸送装置、培養細胞の製造方法、及び細胞輸送方法に関する。
細胞の輸送は、クライオチューブを用いた凍結輸送が主流であるが、同一ロットの同じ凍結細胞を用いて同じ目的の実験を実施した際に、施設間(時には施設内)再現性が得られないことが問題となっている。
目的とする培養実験を開始する前に、凍結細胞を解凍してジメチルスルホキシド(DMSO)を除去した後に生存している細胞を増殖させる準備培養が必須であるが、この解凍に伴う準備培養の操作(特に、細胞の分化等の形質発現に影響を与えるDMSOの除去操作)が実験者により微妙に異なるため、改善が期待できないことが主な原因である。
このような背景から、解凍に伴う準備培養を必要とせずに、培養細胞を品質保証できる状態で、コンタミネーションのリスク無く、簡便に非凍結輸送する技術の開発が切望されている。したがって、これらの要件を満足する非凍結輸送法は公益性に優れ、大きな需要と普及が期待できる。
従来、培養細胞の非凍結輸送は、培養シャーレや多穴プレートでは培養液を満たした後に密封できないため不可能であったが、Tフラスコは培養液を満たした後に密封できるので、Tフラスコを用いた輸送が行なわれてきた。
しかし、Tフラスコを満杯にするには多量の培養液が必要であった。近年、従来の培養液の約4割の量で満杯にして密封できるTフラスコ(特許文献1参照。)、及び従来は培養液を密封できなかった培養シャーレや多穴プレートにメディカルシリコンラバーを被覆して密封して非凍結輸送するシステム(特許文献2~3参照。)が開発され製品化されている。
特許第6572240号公報 特許第6711825号公報 特許第6816894号公報
しかしながら、コンタミネーションのリスクが無い状態で培養細胞を非凍結輸送する方法は開発されておらず、未だ改善の余地がある。
本発明は、上記事情を鑑みてなされたものであり、コンタミネーションのリスクを低減できる細胞輸送装置、培養細胞の製造方法、及び細胞輸送方法を提供する。
本発明は以下の態様を含む。
[1]培養細胞を収容する第1の収容空間を有する第1の容器と、第2の収容空間を有する第2の容器と、を備える細胞輸送装置であって、前記第2の容器は、底面の少なくとも一部に少なくとも1つの滅菌フィルタを有するとともに、前記第1の容器の上部に装着されるように構成されており、前記第2の容器が前記第1の容器の上部に装着された状態において、前記第1の収容空間は、前記第1の容器及び前記第2の容器によって囲まれるとともに、前記少なくとも1つの滅菌フィルタを通して前記第2の収容空間と連通することを特徴とする、細胞輸送装置。
[2]前記第2の容器は、少なくとも1つの穴が形成された底壁を有し、前記少なくとも1つの滅菌フィルタは、前記少なくとも1つの穴を覆っている、[1]に記載の細胞輸送装置。
[3]前記第2の容器は、前記底面の少なくとも一部に複数の滅菌フィルタを有する、[1]又は[2]に記載の細胞輸送装置。
[4]前記第1の容器及び前記第2の容器のいずれにも装着可能であり、前記第1の容器又は前記第2の容器をカバーするように構成された第1の蓋をさらに備える、[1]~[3]のいずれか1つに記載の細胞輸送装置。
[5]前記第1の蓋は、前記第1の容器又は前記第2の容器に装着された状態において、気体が外部から容器内に進入できるように前記第1の容器又は前記第2の容器をカバーする、[4]に記載の細胞輸送装置。
[6]前記第2の容器を密閉するように構成された第2の蓋をさらに備える、[1]~[5]のいずれか1つに記載の細胞輸送装置。
[7]前記第2の蓋は、粘着剤付きのフィルムである、[6]に記載の細胞輸送装置。
[8]前記第1の容器の底面に観察面が形成され、前記観察面に基準線及び前記基準線の近傍において特定領域を示す指示部が表示される、[1]~[7]のいずれか1つに記載の細胞輸送装置。
[9]前記特定領域は、前記細胞輸送装置を用いた輸送前後において同一視野内の細胞を観察するための観察対象領域である、[8]に記載の細胞輸送装置。
[10]培養細胞を収容するように構成された少なくとも1つの培養ユニットが前記第1の収容空間内に保持される、[1]~[9]のいずれか1つに記載の細胞輸送装置。
[11]前記少なくとも1つの培養ユニットは、培養細胞を収容する内部空間と、前記内部空間と外部とを連通させる多孔質膜と、を有する、[10]に記載の細胞輸送装置。
[12]前記第2の容器は、前記少なくとも1つの培養ユニットを前記第1の収容空間内に保持するように構成された保持部を有する、[10]又は[11]に記載の細胞輸送装置。
[13]前記保持部は、前記第2の容器の前記底面から下方に突出する、[12]に記載の細胞輸送装置。
[14][1]~[13]のいずれか1つに記載の細胞輸送装置を使用して細胞を培養する工程を含む、培養細胞の製造方法。
[15][1]~[13]のいずれか1つに記載の細胞輸送装置を使用して細胞を輸送する工程を含む、細胞輸送方法。
本発明によれば、コンタミネーションのリスクを低減できる細胞輸送装置、培養細胞の製造方法、及び細胞輸送方法を提供することができる。
(a)第1の実施形態に係る細胞輸送装置の斜視図である。(b)第1の実施形態に係る細胞輸送装置の側面図である。(c)第1の実施形態に係る細胞輸送装置の側面図である。(d)第1の容器の側面図である。(e)第1の容器の上面図である。(f)(e)の線A-Aに沿った第1の容器の断面図である。(g)第2の容器の側面図である。(h)第2の容器の上面図である。 (a)~(d)第1の実施形態に係る細胞輸送装置による細胞輸送方法を示す断面図である。 第2の実施形態に係る細胞輸送装置の斜視図である。 第2の実施形態に係る第2の容器の底面図である。 第2の実施形態に係る細胞輸送装置の、図3の線B-Bに沿った断面図である。 第2の実施形態に係る培養ユニットの斜視図である。
以下、場合により図面を参照しつつ、本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、図面中、同一又は相当部分には同一又は対応する符号を付し、重複する説明は省略する。なお、各図における寸法比は、説明のため誇張している部分があり、必ずしも実際の寸法比とは一致しない。
1実施形態において、本発明は、培養細胞を収容する第1の収容空間を有する第1の容器と、第2の収容空間を有する第2の容器と、を備える細胞輸送装置であって、前記第2の容器は、底面の少なくとも一部に少なくとも1つの滅菌フィルタを有するとともに、前記第1の容器の上部に装着されるように構成されており、前記第2の容器が前記第1の容器の上部に装着された状態において、前記第1の収容空間は、前記第1の容器および前記第2の容器によって囲まれるとともに、前記少なくとも1つの滅菌フィルタを通して前記第2の収容空間と連通することを特徴とする、細胞輸送装置を提供する。
<第1の実施形態>
[細胞輸送装置100]
第1の実施形態に係る細胞輸送装置100について、図1及び図2を参照して説明する。
細胞輸送装置100は、細胞、培養モデル、移植モデル等を輸送するための装置であり、好ましくは非凍結輸送のための装置である。即ち、本実施形態の細胞輸送装置100は、輸送対象として、細胞によって構成される移植材料や組織もその権利範囲に含まれる。
図1(a)及び図1(b)は、本実施形態の細胞輸送装置100の一例の構造を説明する模式図である。図1(a)は、本実施形態の細胞輸送装置100の斜視図であり、図1(b)は、図1(a)の側面図である。
図1(a)及び図1(b)に示すように、細胞輸送装置100は、第1の容器110及び第2の容器120を備える。第1の容器110及び第2の容器120は、それぞれ円形の底部と底部の周縁から上方に延在する側部とを有する。第1の容器110の底部及び側部は、凹状の第1の収容空間111を画成する(図2参照。)。第2の容器120の底部及び側部は、凹状の第2の収容空間121を画成する(図2参照。)。
例えば、第1の容器110及び第2の容器120は、細胞C等を培養するための培養皿として使用することができる(図2参照。)。例えば、第1の容器110が細胞Cを培養するための培養皿として使用される場合、細胞Cは培養液Mとともに第1の収容空間111に供給されて、培養液M中で培養される。第1の収容空間111中で培養されている細胞Cは、上方から観察することができる。第1の容器110の底部の上面には、観察面Sが形成される。すなわち、顕微鏡の焦点を観察面S(ここでは底部の上面)又はその近傍に合わせて、観察面S上の細胞Cを観察することができる。
図1(a)及び図1(b)に示すように、第2の容器120は、第1の容器110の上部に装着される。第1の容器110と第2の容器120との間の隙間130の高さは、第1の容器110に対する第2の容器120の高さ方向の位置を変更することによって調節可能である。好ましくは、図1(b)に示すように、第2の容器120の上部に形成されたフランジの下面が第1の容器110の側壁の上端面に密着した状態(すなわち、第1の容器110に対する第2の容器120の高さ方向の位置を最も低くした状態)において、一定の高さの隙間130が形成される。
図1(c)は、細胞輸送装置100において、第2の容器120が、最も下方に位置する状態から、第2の容器120が第1の容器110から引き上げられた状態へ変化させたときの側面図である。図1(c)に示すように、第2の容器120が第1の容器110から引き上げられることにより、隙間130の高さが増加する。隙間130は、第1の容器110の底部及び側部と第2の容器120の底部とに囲まれて画成される。この場合、隙間130は、第1の容器110の第1の収容空間111に相当し、例えば第1の容器110の培養空間として利用可能である。隙間130の高さは、第1の容器110と第2の容器120との距離を調節することにより調節可能であり、例えば0cm~2cmが好ましく、0cm~0.5cmがより好ましい。隙間130の高さは、細胞輸送装置100の用途に応じて、例えば、封入する細胞の体積に応じて調節可能である。
図1(d)は、第1の容器110の側面図である(内周面の構造を併せて示している)。図1(d)において、第1の容器110は、内周面に雌ねじが切られており、雌ねじ構造を有している。
図1(e)は、第1の容器110の上面図である。図1(e)に示すように、第1の容器110は、「底部」として膜部材112を有している。膜部材112は、第1の容器110の側部とは別途製造されて側部に取り付けられてもよく、側部と一体であってもよい。なお、第1の容器110の底部は膜部材112に限定されず、より肉厚な底壁等の任意の構成であってよい。
膜部材112の材質としては、例えば、ポリスチレン、ポリホスファゼン、ポリ(ビニルアルコール)、ポリアミド(例えば、ナイロン等)、ポリエステルアミド、ポリ(アミノ酸)、ポリ無水物、ポリスルホン、ポリカーボネート、ポリアクリレート(アクリル樹脂)、ポリアルキレン(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等)、ポリアクリルアミド、ポリアルキレングリコール(例えば、ポリエチレングリコール等)、ポリアルキレンオキシド(例えば、ポリエチレンオキシド等)、ポリアルキレンテレフタレート(例えば、ポリエチレンテレフタレート等)、ポリオルトエステル、ポリビニルエーテル、ポリビニルエステル、ポリビニルハライド(例えば、ポリ(塩化ビニル)等)、フルオロカーボンポリマー(例えば、ポリテトラフルオロエチレン等)、環状オレフィンポリマー、ポリビニルピロリドン、ポリエステル、ポリシロキサン、ポリウレタン、ポリヒドロキシ酸(例えば、ポリラクチド、ポリグリコリド等)、ポリ(ヒドロキシ酪酸)、ポリ(ヒドロキシ吉草酸)、ポリ[ラクチド-co-(ε-カプロラクトン)]、ポリ[グリコリド-co-(ε-カプロラクトン)]等)、ポリ(ヒドロキシアルカノエート)、及びこれらのコポリマー等が挙げられ、これらに限定されない。
ポリアクリレート(アクリル樹脂)としてより具体的には、例えば、ポリ(メタクリル酸メチル)、ポリ(メタクリル酸エチル)、ポリ(メタクリル酸ブチル)、ポリ(メタクリル酸イソブチル)、ポリ(メタクリル酸ヘキシル)、ポリ(メタクリル酸イソデシル)、ポリ(メタクリル酸ラウリル)、ポリ(メタクリル酸フェニル)、ポリ(アクリル酸メチル)、ポリ(アクリル酸イソプロピル)、ポリ(アクリル酸イソブチル)、ポリ(アクリル酸オクタデシル)等が挙げられる。
中でも、ポリスチレン、ポリヒドロキシ酸(例えば、ポリラクチド、ポリグリコリド等)、ポリエチレンテレフタレート、ポリ(ヒドロキシ酪酸)、ポリ(ヒドロキシ吉草酸)、ポリ[ラクチド-co-(ε-カプロラクトン)]、ポリ[グリコリド-co-(ε-カプロラクトン)]等)、ポリ(ヒドロキシアルカノエート)、ポリオルトエステル、又はこれらのコポリマーが好ましい。
本実施形態における膜部材112は、上記に例示された材料のうち1種類から構成されていてもよく、2種類以上から構成されていてもよい。また、膜部材112の材料は、上記例に限定されず、上記以外の合成高分子化合物の他、天然高分子化合物で構成されていてもよく、天然高分子化合物及び合成高分子化合物の両方から構成されていてもよい。
本実施形態における膜部材112の厚さは特に制限されないが、1μm~1000μmが好ましく、1μm~500μmがより好ましく、5μm~300μmがさらに好ましく、10μm~200μmが特に好ましい。
図1(e)に示すように、第1の容器110の底部(ここでは膜部材112)には、観察面S上の細胞Cの観察を補助する基準線114及び指示部116が形成される。すなわち、第1の容器110の底面に観察面Sが形成され、観察面Sに基準線114及び基準線114の近傍において特定領域を示す指示部116が表示される。例えば、基準線114は、一方向に沿って観察面Sの一側から他側へ延在する線である。ここで、本明細書における「線」には、実線だけでなく点線や破線等の全体として線状の構成と認識可能な抽象的な「線」も含まれる。「線」の太さも特に限定されない。
本実施形態では、基準線114は、第1の容器110の底面(すなわち、膜部材112)の一端から他端まで延在する直線である。例えば、基準線114は、第1の容器110の底面(すなわち、膜部材112)の面積を二等分する線である。なお、基準線114は上記例に限定されず、2以上の線分に分断された線であってもよく、任意の形状の曲線であってもよく、互いに平行又は非平行である2本以上の線を含んでもよく、メッシュ状に配置された複数の直線を含んでもよく、その他の任意の形態であってよい。基準線114の数は特に限定されず、例えば、1本、2本、3本、又は4本以上である。
指示部116は、観察面S上で基準線114の近傍に位置する特定領域を示す。ここで「AがBの近傍に位置する」とは、一般的な光学顕微鏡を用いた細胞観察において、通常の倍率の顕微鏡視野内にA及びBの両方が少なくとも部分的に含まれ得ることを意味し、AとBとが互いに接する場合や交わる場合等、共通部分を有する場合を含む。したがって、「基準線の近傍に位置する特定領域」と言う場合、基準線から離間した特定領域だけでなく、基準線上に位置する特定領域も含まれる。
例えば、指示部116は、特定領域を取り囲む枠線である。図1(e)の例では、膜部材112には、5つの指示部116が形成されている。図1(e)の左側の3つの指示部116は、正方形の枠線であり、右側の2つの指示部116は、円形の枠線である。最も左側に位置する指示部116は、基準線114の一端部に配置された第1領域を示し、中央部に位置する指示部116は、基準線114の中央部に配置された第2領域を示し、その間に位置する指示部116は、第1領域と第2領域との間に配置された第3領域を示す。このように、少なくとも観察面Sの端部、中央部、及びその中間部の3点に観察対象の特定領域を設定することにより、観察面S上の細胞の分布を概観的に把握することができる。
指示部116の形状は特に限定されない。例えば、指示部116は、特定領域を取り囲む円形、楕円形、多角形その他の任意の閉曲線形状を有することができる。また、特定領域を示すことができれば、指示部116は必ずしも閉曲線形状でなくてもよい。例えば、指示部116は、特定領域が正方形である場合には4つの頂点を示す点であってもよく、点線や破線等であってもよく、特定領域の形状の窪みであってもよく、その他の任意の形態であってよい。
指示部116によって特定される観察面S上の特定領域は、同一視野内の細胞Cの経時変化を観察するための観察対象領域である。好ましくは、特定領域は、細胞輸送装置100を用いた輸送前後において同一視野内の細胞Cを観察するための観察対象領域である。指示部116が設けられていない場合には、細胞Cを複数回観察する場合において、前回の観察時の視野を容易に特定できないため、同一視野内の細胞Cの経時変化を観察することが困難である。これに対し、本実施形態に係る第1の容器110を使用した場合、毎回、所定の指示部116によって特定される同じ特定領域を観察することによって、同一視野内の細胞Cの経時変化を観察することができる。また、指示部116が基準線114の近傍に配置されているので、まず基準線114を見つけ、基準線114に沿って視野を移動させることにより、所望の指示部116を容易に発見することができる。
指示部116は、各特定領域を識別するための識別部を有してもよい。識別部は、数字、文字、記号等の任意の識別符号を含む。識別部は、特定領域の位置を示す部分(枠線等)に隣接してもよく、特定領域の位置を示す部分と一体であってもよい。例えば、指示部116の各々が実線、点線、破線等の異なる種類の枠線である場合には、特定領域の位置を示す部分が識別部としても機能する。
図1(f)は、図1(e)の線A-Aに沿った第1の容器110の断面図である。図1(f)に示すように、本実施形態では、基準線114及び指示部116は、膜部材112に形成された凹部である。例えば、基準線114及び指示部116は、膜部材112の上面又は下面に溝部として形成される。基準線114及び指示部116に相当する凹部は、物理的手法や化学的手法等の任意の方法で形成され得る。例えば、基準線114及び指示部116は、膜部材112の上面又は下面に対してナイフ、パンチ、針等の任意の手段で力を加えることにより、ケガキ線のような刻印として形成され得る。例えば、指示部116は、指示部116に対応する先端形状を有するパンチ状のブレードによって、膜部材112を破らないようにして形成され得る。このような基準線114及び指示部116は、極めて容易に形成することができるので、簡便である。あるいは、基準線114及び指示部116は、感光性材料から形成された膜部材112に対して光を照射して照射部分を変形又は変性させることにより形成されてもよい。また、膜部材112が、基準線114及び指示部116に相当する凹部を有するように成形されてもよい。なお、逆に基準線114及び指示部116が膜部材112の上面に凸部として形成されてもよい。例えば、膜部材112が、基準線114及び指示部116に相当する凸部を有するように成形されてもよい。
なお、膜部材112に形成される基準線114及び指示部116は、上記例に限定されず、任意の方法により膜部材112の一部に形成された視認可能な任意の特徴部であってよい。例えば、基準線114及び指示部116は、膜部材112に形成された凹部、凸部、折り目、切れ目、ミシン目、穿孔、開口、変色部等、視認可能な任意の特徴部であってよい。例えば、基準線114及び指示部116は、膜部材112に対する光照射等によって膜部材112の一部を変色させることにより、変色部として形成されてもよい。基準線114及び指示部116は、膜部材112の上面又は下面に印刷されてもよく、ペンや鉛筆等で描画されてもよいが、細胞毒性を有する成分が第1の収容空間111内の細胞Cに接触しないことが望ましい。基準線114及び指示部116が印刷又は描画された膜部材112の面が下方を向く(すなわち、第1の収容空間111と反対側に向く)ように配置すると、印刷又は描画された成分が第1の収容空間111内の細胞Cに接触しない点で好ましい。あるいは、基準線114及び指示部116が、膜部材112の上面に描画され、その上に保護膜が形成されてもよい。また、細長い棒状部材やメッシュ部材等の別の部材を膜部材112の上又は下に配置し、この別の部材の一部又は全部(例えば棒状部材の全体やメッシュ部材の一部)を基準線114や指示部116として利用してもよい。あるいは、膜部材112とは別途、基準線114及び/又は指示部116が形成された第2の膜部材が設けられてもよい。例えば、膜部材112と、基準線114及び指示部116が形成された第2の膜部材とが、2層構造で第1の容器110の底部に設けられてもよい。例えば第2の膜部材は、膜部材112の上面又は下面に貼り付けられる。第2の膜部材上の基準線114や指示部116は、膜部材112について上述したのと同様に任意の方法により形成可能である。
基準線114及び指示部116は、観察面Sに直交する方向において観察面Sを基準として細胞観察用の顕微鏡の対物レンズの焦点深度内に位置する。例えば、図1(f)に示すように、基準線114及び指示部116が膜部材112の上面に凹部として形成される場合には、観察面S(すなわち膜部材112の上面)からの凹部の深さは、好ましくは対物レンズの焦点深度以内である。基準線114及び指示部116が膜部材112の上面に凸部として形成される場合には、観察面S(すなわち膜部材112の上面)からの凸部の高さは、好ましくは対物レンズの焦点深度以内である。
膜部材112の下面に基準線114及び指示部116が形成される場合には、観察面Sと基準線114及び指示部116とがともに対物レンズの焦点深度内に含まれるように、膜部材112の厚さは十分に小さいことが好ましい。
対物レンズの焦点深度Dは、一般に以下のBerekの式で求められる。ここで、nはサンプルと対物レンズとの間の媒質の屈折率、ωは観察者の眼の分解能、Mは対物レンズ及び接眼レンズの総合倍率、NAは対物レンズの開口数、λは光の波長である。
D=n×[(250000×ω)/(M・NA)+λ/2NA](μm)
上記式によれば、n=1、ω=0.0014、λ=0.55μm(可視光)、NA=0.90とすると、総合倍率M=5倍の場合には焦点深度D=78μm、総合倍率M=10倍の場合には焦点深度D=39μm、総合倍率M=20倍の場合には焦点深度D=20μm、総合倍率M=50倍の場合には焦点深度D=8.1μm、総合倍率M=100倍の場合には焦点深度D=4μmである。
例えば、観察面Sに直交する方向における観察面Sと基準線114及び指示部116との距離は、100μm以下、90μm以下、80μm以下、70μm以下、60μm以下、50μm以下、40μm以下、30μm以下、20μm以下、又は10μm以下である。この場合、基準線114及び指示部116と観察対象の細胞Cとがともに対物レンズの焦点深度内に含まれ得る点で好ましい。図1(f)に示す例において、基準線114及び指示部116を形成する凹部の深さは、例えば、100μm以下、90μm以下、80μm以下、70μm以下、60μm以下、50μm以下、40μm以下、30μm以下、20μm以下、又は10μm以下である。
指示部116によって示される特定領域の大きさは、特定領域の全体が顕微鏡で観察できるように、かつ特定領域に含まれる細胞Cの数が多すぎないように設定されることが好ましい。例えば、特定領域の面積は、5mm以下、4mm以下、3mm以下、2mm以下、1mm以下、0.5mm以下、0.3mm以下、0.2mm以下、又は0.1mm以下である。例えば、特定領域は、1mm四方、0.5mm四方、又は0.25mm四方の正方形である。あるいは、特定領域は、直径1mm、直径0.5mm、又は直径0.25mmの円である。特定領域が、0.25mm四方の正方形である場合、血球計算盤として機能する。
上記例では、基準線114及び指示部116がともに同一の方法で形成されているが、基準線114及び指示部116は、異なる方法で形成されてもよい。指示部116が複数の指示部を含む場合には、1以上の指示部は、同一の手法で形成されてもよく、異なる方法で形成されてもよい。
図1(g)は、第2の容器120の側面図である。図1(g)において、第2の容器120は、外周面に雄ねじが切られており、第1の容器110の雌ねじ構造に対応する雄ねじ構造を有する。図1(h)は、第2の容器120の上面図である。図1(h)において、第2の容器120は、底面に滅菌フィルタ122を有している。
第1の容器110と第2の容器120の間に生じる隙間の高さを調節する手段として、雄ねじ構造の根元にシリコンO-リング、金属ワッシャー、又は環状ナイロン膜等を装着した後に雌ねじと螺着してもよい。
第1の容器110及び第2の容器120は、高さを調節可能な隙間130を有した状態で装着されていればよく、係合又は嵌合により装着されていることが好ましい。本実施形態においては、第1の容器110の雄ねじと第2の容器120の雌ねじとの締め切った状態において、一定の高さを有する隙間130が形成されることが好ましい。
図1(a)及び図1(b)では、第1の容器110と第2の容器120とが螺着により装着されているが、装着機構は問わず、テーパー構造を介して装着されていてもよい。
本実施形態では、第2の容器120が第1の容器110の上部に装着された状態において、第1の収容空間111は、第1の容器110及び第2の容器120によって囲まれて画成される。より具体的には、第1の収容空間111は、第1の容器110の底面の膜部材112、第1の容器110の側部の内周面、及び第2の容器120の底面の滅菌フィルタ122によって囲まれて画成される。好ましくは、隙間130は、滅菌フィルタ122を除いて細胞輸送装置100の外部から密閉され、滅菌フィルタ122を通じてのみ外部(例えば第2の収容空間121)と連通することができる。
滅菌フィルタ122は、気体及び液体を通過させるが、一般的な大きさ(約1μm~5μm)の細菌を通過させない。第2の容器120が第1の容器110に装着された状態において、滅菌フィルタ122は、第2の容器120の第2の収容空間121から第1の容器110の第1の収容空間111への細菌及びそれ以上の大きさの物質の進入を抑制することができる。
滅菌フィルタ122としては、第2の容器120に混入した細菌が第1の容器110の培養空間へ透過することを防ぐ膜であればよく、特別な限定はない。例えば、滅菌フィルタ122は、細菌が通過できない大きさの孔を有する膜である。滅菌フィルタ122の孔の大きさとしては、例えば、細菌の大きさを考慮して、0.01μm~1.0μm、0.01μm~0.5μm、0.01μm~0.2μm、又は0.01μm~0.1μmであるのが好ましいが、これに限定されない。滅菌フィルタ122としては、例えば濾紙、半透膜(例えば、限外濾過膜等)、不織布、ガーゼ様メッシュ、各種メンブレンフィルタ等の多孔質膜が挙げられるが、これらに限定されない。
本実施形態における滅菌フィルタ122の厚さは特に制限されないが、1μm~1000μmが好ましく、1μm~500μmがより好ましく、5μm~300μmがさらに好ましく、10μm~200μmが特に好ましい。
図1(h)では、第2の容器120の底面全体に滅菌フィルタ122が設けられているが、滅菌フィルタ122の構成はこれに限定されない。好ましくは、第2の容器120は、少なくとも1つの穴が形成された底壁を有し、少なくとも1つの滅菌フィルタ122が、当該少なくとも1つの穴を覆ってもよい。この場合、高価な滅菌フィルタ122の使用面積を低減することができ、経済的である。滅菌フィルタ122は、底壁の穴の周囲に接着されてもよく、機械的に取り付けられてもよく、底壁と一体成形されてもよく、任意の方法で第2の容器120の底壁に設けられる。
第2の容器120は、底面の少なくとも一部に複数の滅菌フィルタ122を有してもよい。例えば、第2の容器120が、複数の穴が形成された底壁を有し、滅菌フィルタ122が各穴を覆うように設けられてもよい。このような構成は、第2の容器120が第1の容器110に装着された状態で1つの滅菌フィルタ122を通して第1の収容空間111内の培養液Mをピペット等で吸い上げる場合に、別の滅菌フィルタ122から空気が第1の収容空間111内に流入可能であることにより培養液Mの吸い上げが容易になる点で好ましい。
第1の容器110及び第2の容器120の外径は、略同一が好ましい。外径は、6mm~150mmが好ましく、10mm~100mmがより好ましく、14mm~60mmがさらに好ましい。第1の容器110の内径は、2mm~146mmが好ましく、6mm~96mmがより好ましく、10mm~56mmがさらに好ましい。第2の容器120の内径は、1mm~140mmが好ましく、2mm~90mmがより好ましく、3mm~50mmがさらに好ましい。
また、細胞輸送装置100の高さは、0.5cm~10cmが好ましく、1cm~5cmがより好ましい。
細胞輸送装置100は、第1の蓋140(図2(a)、図2(c)、及び図2(d)参照)及び第2の蓋150(図2(b)参照)をさらに備える。
第1の蓋140は、第1の容器110及び第2の容器120のいずれにも装着可能であり、第1の容器110又は第2の容器120をカバーするように構成される。第1の蓋140は、容器110、120の上面を被覆することができれば特に限定されず、任意の構成であってよい。第1の蓋140は、必ずしも容器110、120の上面を密封できなくてもよい。例えば、図2(a)及び図2(c)に示すように、第1の蓋140は、容器110、120に装着された場合に、容器110、120の上端部の外側面と第1の蓋140の内側面との間に隙間が形成されるような大きさであってよい。好ましくは、第1の蓋140は、第1の容器110又は第2の容器120に装着された状態において、気体が外部から容器110、120内に進入できるように第1の容器110又は第2の容器120をカバーするように構成される。このような構成は、細菌等が容器内に進入するのを防ぎつつ、二酸化炭素等の気体を培養空間に供給することができる点で好ましい。
第1の蓋140の材質としては、特に限定されず、エラストマー材料、プラスチック材料、ガラス材料等の任意の材料が使用可能である。第1の蓋140を通して細胞Cを顕微鏡で観察する観点から、第1の蓋140は、透明又は半透明な材料で構成されることが好ましい。
第2の蓋150は、第2の容器120の上面を被覆することにより、第2の容器120を密閉することができる。第2の蓋150は、第2の容器120を密閉可能な任意の構成であってよい。例えば、図2(b)に示すように、第2の蓋150は、第2の容器120に装着された場合に、第2の容器120の上端部の外側面と第1の蓋140の内側面とが緊密に接触するような大きさであってよい。例えば、第2の蓋150は、第2の容器120に装着された場合に、気体及び/又は液体が第2の容器120の外部から第2の蓋150と第2の容器120との間を通って第2の容器120の内部に進入するのを防止する。例えば、第2の蓋150は、第2の容器120が第1の容器110に装着された状態において、滅菌フィルタ122を通して連通する第1の収容空間111及び第2の収容空間121を外部から密閉することができる。
第2の蓋150の材質としては、特に限定されず、エラストマー材料、プラスチック材料、ガラス材料等の任意の材料が使用可能であるが、密閉性の観点からはエラストマー材料等の可撓性及び弾性を有する材料が特に好ましい。エラストマー材料としては、例えば、ウレタンゴム、ニトリルゴム、シリコーンゴム、シリコーン樹脂(例えば、ポリジメチルシロキサン)、フッ素ゴム、アクリルゴム、イソプレンゴム、エチレンプロピレンゴム、クロロスルホン化ポリエチレンゴム、エピクロルヒドリンゴム、クロロプレンゴム、スチレン・ブタジエンゴム、ブタジエンゴム、ポリイソブチレンゴム等が挙げられる。特に、生体適合性を有し、細胞毒性がない材料が好ましい。第2の蓋150は、透明又は半透明な材料で構成されてもよく、不透明な材料で構成されてもよい。
なお、本明細書において、「生体適合性」とは、生体組織と材料との適合性を示す評価基準を意味する。また、「生体適合性を有する」とは、材料それ自体が毒性を有さず、内毒素等の微生物由来の成分を有さず、生体組織を物理的に刺激することなく、生体組織を構成するタンパク質や細胞等と相互作用しても拒絶されない状態を意味する。
例えば、第2の蓋150は、第2の容器120の側壁の上端に貼り付けることができる粘着剤付きのフィルムである。あるいは、第2の蓋150は、第2の容器120の上から被せることにより上部開口を塞ぐように構成された弾性カバーであってもよい。このような構成によれば、簡便な操作によって第2の容器120の上部開口を密閉することができる。また、第2の容器120からの取り外しも容易である。
膜部材112、滅菌フィルタ122、第1の蓋140、及び第2の蓋150以外の細胞輸送装置100(例えば第1の容器110の本体部分及び第2の容器120の本体部分)の材質としては、特に限定されないが、ソーダ石灰ガラス、パイレックス(登録商標)ガラス、バイコール(登録商標)ガラス、石英ガラス等のガラス材料;ウレタンゴム、ニトリルゴム、シリコーンゴム、シリコーン樹脂(例えば、ポリジメチルシロキサン)、フッ素ゴム、アクリルゴム、イソプレンゴム、エチレンプロピレンゴム、クロロスルホン化ポリエチレンゴム、エピクロルヒドリンゴム、クロロプレンゴム、スチレン・ブタジエンゴム、ブタジエンゴム、ポリイソブチレンゴム等のエラストマー材料;ポリ(塩化ビニル)、ポリ(ビニルアルコール)、ポリ(メタクリル酸メチル)、ポリ(酢酸ビニル-共-無水マレイン酸)、ポリ(ジメチルシロキサン)モノメタクリレート、環状オレフィンポリマー、フルオロカーボンポリマー、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンイミン、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のポリマーを含むプラスチック;ポリ(酢酸ビニル-共-無水マレイン酸)、ポリ(スチレン-共-無水マレイン酸)、ポリ(エチレン-共-アクリル酸)、又はこれらの誘導体等のコポリマー等が挙げられ、プラスチックが好ましく、特に透明なプラスチックが好ましい。また、かかるプラスチックはシリコンコートが施されていてもよい。
細胞輸送装置100の色としては、特に限定されないが、各種顕微鏡を用いて細胞を観察する等の観点から透明色および不透明(遮光)色を適宜選択することが好ましい。また、細胞輸送装置100には、培養する個々の細胞を識別するための工夫(例えば、着色、印字等)が施されていてもよい。
第1の容器110と膜部材112の材質が同じ場合には、両者が一体化したものとして捉えてもよい。例えば、第1の容器110と膜部材112の材質がPET等プラスチック樹脂である場合、別途PET等プラスチック膜を張らずとも、本発明の範囲内に含まれる。
[細胞輸送装置100の製造方法]
第1の容器110は、任意の方法で製造することができる。例えば、第1の容器110は、圧縮成形法、射出成形法、押出成形法等の任意の方法で膜部材112以外の部分を形成し、別途任意の方法で膜部材112を製造し、膜部材112を膜部材112以外の部分に結合することにより製造される。あるいは、第1の容器110は膜部材112を含めて一体成型されてもよい。膜部材112に代えて、より肉厚の底壁が、第1の容器110の一部として、又は第1の容器110に取り付けられる別部材として製造されてもよい。
第2の容器120は、任意の方法で製造することができる。例えば、第2の容器120は、圧縮成形法、射出成形法、押出成形法等の任意の方法で滅菌フィルタ122以外の部分を形成し、別途任意の方法で滅菌フィルタ122を製造し、滅菌フィルタ122を滅菌フィルタ122以外の部分に結合することにより製造される。あるいは、第2の容器120は滅菌フィルタ122を含めて一体成型されてもよい。
第1の蓋140及び第2の蓋150は、任意の方法で製造することができる。例えば、第1の蓋140及び第2の蓋150はそれぞれ、圧縮成形法、射出成形法、押出成形法等の任意の方法で製造可能である。
[細胞輸送装置100の使用方法]
本実施形態の細胞輸送装置100は、細胞の培養、細胞の輸送等に使用することができる。細胞輸送装置100は、容器として又は細胞培養装置として利用可能である。本実施形態の培養細胞の製造方法は、細胞輸送装置100を使用して細胞Cを培養する工程を含む。
[細胞輸送装置100による細胞輸送方法]
本実施形態の細胞輸送方法は、上述の細胞輸送装置100を用いる方法である。本実施形態の細胞輸送方法は、細胞輸送装置100を使用して細胞Cを輸送する工程を含む。本実施形態の輸送方法によれば、細胞を安全かつ確実に容易に輸送することができ、輸送される細胞の品質を保証することができ、培養細胞へのコンタミネーションのリスクの高い酵母、カビおよび細菌などの微生物(一般的な大きさ:約0.5μm~5μm)のコンタミネーションを防止することができ、長期間の輸送にも対応することができる。
本実施形態の輸送方法について、図2(a)~(d)を参照して、以下に詳細に説明する。
図2(a)~(d)は、本実施形態の細胞輸送装置100による細胞輸送方法を示す断面図である。
まず、細胞Cを懸濁した培養液Mを準備する。次いで、第1の容器110内に細胞Cを懸濁した培養液Mを注入する。次いで、図2(a)に示すように、第1の容器110の上面を第1の蓋140で被覆し、第1の容器110内で細胞Cの培養を行う。
細胞Cを輸送する前に、第1の蓋140を通して、第1の容器110内の細胞Cを顕微鏡で観察する。この観察工程は、顕微鏡下で基準線114を特定する工程と、顕微鏡下で基準線114に沿って所定の指示部116を探索する工程と、顕微鏡下で所定の指示部116を特定する工程と、特定された指示部116により示される特定領域に含まれる細胞Cを顕微鏡下で観察する工程と、をこの順に含む。
観察工程では、例えば、細胞Cを含む第1の容器110を顕微鏡のステージ上に配置し、第1の収容空間111内を顕微鏡で観察する。まず、観察面Sに表示された基準線114を特定する。図1(e)に示すように、基準線114が観察面Sの一側から他側へ延在していることにより、基準線114の特定は顕微鏡下であっても比較的容易である。
顕微鏡下で基準線114を発見した後、基準線114に沿ってステージ又はステージ上の第1の容器110自体を一方向に移動させる。指示部116は基準線114の近傍に配置されているので、上記操作によって所望の特定領域を示す指示部116を探索することができる。
次いで、観察対象とする特定領域に対応する指示部116を顕微鏡下で特定する。例えば、各指示部116により示された複数の特定領域のうち、細胞Cの数、配置、状態等に基づき、細胞Cの観察に適した特定領域を選定することができる。好ましくは、選定した特定領域の全体が顕微鏡の視野に含まれるようにステージ又はステージ上の第1の容器110の位置や顕微鏡の倍率を調節する。
次いで、特定した指示部により示される特定領域に含まれる細胞Cを顕微鏡下で観察する。例えば、特定領域に含まれる細胞像や細胞数を検査する。一定時間の経過後、再び同じ特定領域を観察し、細胞像や細胞数の経時変化を調べることができる。ここで、最初の観察後に容器が一旦顕微鏡のステージから回収されたり、ステージ上の容器の位置が変更されたりすることがある。しかしながら、そのような場合でも、再び上記の各工程を実行することにより、所定の指示部116を発見し、前回の観察と同じ特定領域を観察することができる。
培養された細胞Cの輸送においては、図2(b)に示すように、第1の蓋140を取り外して第2の容器120を第1の容器110に装着する。好ましくは、第2の容器120の上部に形成されたフランジの下面が第1の容器110の側壁の上端面と密着するまで、第1の容器110の雌ねじと第2の容器120の雄ねじとを締め切る。第1の容器110内の培養液Mは、滅菌フィルタ122を通って第2の容器120の内部に進入する。細胞Cは滅菌フィルタ122の小さい穴を通れないので、引き続き第1の容器110内に位置する。次いで、第2の容器120に培養液Mをさらに注入し、第2の容器120の上端まで培養液Mで満たす。次いで、第2の蓋150で第2の容器120を密封する。これにより、容器110、120の内部の培養空間が完全に培養液Mで満たされるので、培養空間内に気泡が存在せず、輸送中に細胞輸送装置100に加わる振動等の細胞Cへの影響が抑制される。また、細胞Cが存在する第1の容器110の培養空間(すなわち、第1の収容空間111)と、第2の容器120の培養空間(すなわち、第2の収容空間121)とが滅菌フィルタ122で仕切られているので、万一第2の蓋150の装着操作中等に微生物のコンタミネーションが第2の収容空間121内に混入した場合でも、細胞Cが存在する第1の収容空間111へのコンタミネーションは防止される。例えば、第2の蓋150を取り外す際の反動で第2の容器120の内容物が溢れ、細菌が繁殖したとしても、細菌は、滅菌フィルタ122を通ることができないので、第1の容器110の内部は無菌状態に保たれる。
次いで、図2(b)の状態で細胞輸送装置100を輸送する。好ましくは、輸送は非凍結輸送で行われる。また、細胞輸送装置100の輸送は、内部の培養液Mの漏れを防ぐ観点から、図2(b)に示すように、ねじを締め切って第1の容器110と第2の容器120とを密封した状態で行われるのが好ましい。輸送後は、図2(c)に示すように、密封用の第2の蓋150を取り外し、培養液Mの約半量を除去した後、第1の蓋140を第2の容器120に装着する。この操作を行う際にも、滅菌フィルタ122により、細胞Cが存在する第1の収容空間111へのコンタミネーションが防止される。
次いで、第1の蓋140を通して、第1の容器110内の細胞Cを顕微鏡で観察する。基準線114に沿って輸送前に特定した指示部116を探索することにより、所望の指示部116を容易に発見することができるので、輸送前に観察した特定領域と同一の領域を特定し、観察することができる。すなわち、輸送前後における同一視野での細胞観察を容易に行うことができる。特定領域に含まれる細胞Cを顕微鏡下で観察し、例えば、特定領域に含まれる細胞像や細胞数を検査する。これにより、輸送前後における同一の特定領域における細胞像や細胞数を容易に比較することができる。このように、基準線114及び指示部116を利用することにより、輸送前後で同一視野の細胞Cの比較観察を行ってサンプルの同一性を容易に確認することができる。このようにして、輸送前後で特定領域内の細胞数の計測や細胞形態の観察を行うことにより、輸送される細胞Cの品質を保証することができる。
その後、図2(c)に示すような状態で細胞Cの培養を行ってもよく、第2の容器120を第1の容器110から取り外した図2(d)に示すような状態で細胞Cの培養を行ってもよい。
輸送時の温度としては、例えば4℃以上37℃以下であってもよく、18℃以上37℃以下であってもよい。
輸送時間としては、細胞Cの種類、細胞数等により適宜選択することができ、例えば1時間以上14日以下であってもよく、例えば12時間以上7日以下であってもよく、例えば1日以上3日以下であってもよい。
本実施形態の細胞輸送装置100によれば、輸送前後及び輸送中の培養容器内へのコンタミネーションを抑制することができる。培養容器内に収容される物は特に限定されない。また、上記例では第1の収容空間111及び第2の収容空間121を培養液Mで満たしているが、培養液M以外の液体を使用してもよく、第1の収容空間111及び/又は第2の収容空間121に液体を入れずに気相状態としてもよい。例えば、輸送先で水を加えて輸血用の血液を得るための乾燥した人工赤血球を、第1の収容空間111に収容して輸送することができる。この場合、第1の収容空間111及び第2の収容空間121は気相であり、第1の収容空間111は滅菌フィルタ122によって無菌状態に保たれる。また、移植用の細胞シート等の移植材料を第1の収容空間111に収容し、第1の収容空間111を滅菌フィルタ122によって無菌状態に保ったままで、移植材料を移植現場に輸送することもできる。この場合、収容される移植材料に応じて第1の収容空間111を気相としても液相としてもよく、第1の収容空間111内で最適な無菌環境を形成することができる。
<第2の実施形態>
[細胞輸送装置200]
第2の実施形態に係る細胞輸送装置200について、図3~図6を参照して説明する。
細胞輸送装置200は、細胞、培養モデル、移植モデル等を輸送するための装置であり、好ましくは非凍結輸送のための装置である。
図3は、第2の実施形態に係る細胞輸送装置の斜視図である。図4は、第2の実施形態に係る第2の容器の底面図である。図5は、第2の実施形態に係る細胞輸送装置の、図3の線B-Bに沿った断面図である。図6は、第2の実施形態に係る培養ユニットの斜視図である。
図3に示すように、細胞輸送装置200は、第1の容器210、第2の容器220、第1の蓋240、及び第2の蓋250を備える。第1の実施形態と同様に、第2の容器220は第1の容器210の上部に装着可能であり、第1の蓋240は第1の容器210及び第2の容器220のいずれにも装着可能であり、第2の蓋250は第2の容器220に装着可能である。
図3及び図5に示すように、第1の容器210は、第1の実施形態の第1の容器110と同様に、円形の底部(底壁212)と底部の周縁から上方に延在する側部とを有する。底壁212及び側部の内周面は、凹状の第1の収容空間211を画成する。第1の容器210は、側部の内周面に雌ねじ構造を有する。第1の容器210は、細胞C等を培養するための培養皿として使用可能であり、使用時には第1の収容空間211が無菌状態に保たれることが好ましい。
図3及び図5に示すように、第2の容器220は、円形の底部(底壁222)と底部の周縁から上方に延在する側部とを有する。底壁222及び側部の内周面は、凹状の第2の収容空間221を画成する。第2の容器220は、側部の外周面に第1の容器210の雌ねじ構造に対応する雄ねじ構造を有し、このねじ構造によって第1の容器210に着脱可能に装着される。なお、第1の容器210と第2の容器220との結合方法はねじ結合に限定されず、係合、嵌合等の任意の結合方法が採用可能である。図5に示すように、第2の容器220は、第1の容器210と第2の容器220との間に高さ方向に隙間を有した状態で第1の容器210に装着される。この場合、隙間は第1の収容空間211に相当する。第2の容器220が第1の容器210の上部に装着された状態において、第1の収容空間211は、第1の容器210及び第2の容器220に囲まれて画成される。
図3及び図4に示すように、第2の容器220は、底壁222の中央部に形成された穴を覆うように設けられた滅菌フィルタ223と、底壁222の下面から下方に突出する12個の保持部224と、を有する。例えば、保持部224は、上面視で滅菌フィルタ223を取り囲むように周方向に実質的に等間隔で配置される。
滅菌フィルタ223は、気体及び液体を通過させるが、一般的な大きさ(約0.5μm~5μm)の微生物を通過させない任意のフィルタであってよい。例えば、滅菌フィルタ223は、第1の実施形態の滅菌フィルタ122と同様の構成、材質等であってよい。滅菌フィルタ223は、第2の容器220が第1の容器210に装着された状態において、第2の収容空間221から第1の収容空間211への細菌及びそれ以上の大きさの物質の進入を抑制することができる。図5に示すように、第1の収容空間211は、滅菌フィルタ223を通してのみ第2の収容空間221と連通することが好ましい。
滅菌フィルタ223の配置、形状、数等は特に限定されない。例えば、滅菌フィルタ223は、底壁222の中央部以外の場所に設けられてもよく、円形以外の形状であってもよい。また、第2の容器220が、複数の穴が形成された底壁222を有し、滅菌フィルタ223が各穴を覆うように設けられてもよい。
図3及び図5に示すように、保持部224は、第2の容器220の底面から下方に突出する。保持部224は、第2の容器220と一体に形成されてもよく、第2の容器220と別部材として形成されて第2の容器220に取り付けられてもよい。保持部224は、後述の培養ユニット260を第1の収容空間211内に保持するように構成される。例えば、保持部224は、底壁222から下方に突出した円錐台の形状を有する。例えば、円錐台形の培養ユニット260を下方から保持部224に嵌めることにより、培養ユニット260が保持部224に嵌合されて固定され、第1の収容空間211内に保持される。このような構成によれば、細胞輸送装置200に対して多数の培養ユニット260を簡便に取り付けることができるので、細胞輸送における簡便性及びハンドリング性が向上する。ただし、保持部224が培養ユニット260を保持する方法はこれに限定されず、螺合、係合等の任意の保持方法が採用可能である。保持部224の配置、形状、数等も、培養ユニット260を第1の収容空間211内に保持できれば特に限定されない。
保持部224の材質としては、特に限定されず、エラストマー材料、プラスチック材料、ガラス材料等の任意の材料が使用可能であるが、密閉性の観点からはエラストマー材料等の可撓性及び弾性を有する材料が特に好ましい。エラストマー材料としては、例えば、ウレタンゴム、ニトリルゴム、シリコーンゴム、シリコーン樹脂(例えば、ポリジメチルシロキサン)、フッ素ゴム、アクリルゴム、イソプレンゴム、エチレンプロピレンゴム、クロロスルホン化ポリエチレンゴム、エピクロルヒドリンゴム、クロロプレンゴム、スチレン・ブタジエンゴム、ブタジエンゴム、ポリイソブチレンゴム等が挙げられる。特に、生体適合性を有し、細胞毒性がない材料が好ましい。
第1の蓋240は、第1の容器210及び/又は第2の容器220の上部をカバーするように装着可能な蓋部材である。例えば、第1の蓋240は、第1の実施形態の第1の蓋140と同様の構成、材質等であってよい。
第2の蓋250は、図5に示すように、輸送時に第2の容器220の上部を密閉可能な任意の構成の蓋部材である。例えば、第2の蓋250は、第1の実施形態の第2の蓋150と同様の構成、材質等であってよい。
培養ユニット260は、培養細胞Cを収容するように構成されており、第1の収容空間211内に保持される。培養ユニット260は、細胞輸送装置200に着脱可能な培養容器であり、細胞輸送装置200に取り付けて輸送することができる。培養ユニット260は、培養細胞Cを収容する内部空間262と、内部空間262と外部とを連通させる多孔質膜264と、を有する。例えば、培養ユニット260は、一般的なカルチャーインサートであってもよい。
例えば、培養ユニット260は、図6に示すように、両端に開口を有するテーパー付けられた筒状部材である。培養ユニット260の大径側の端は、開口の周りにフランジを有し、保持部224に装着可能である。培養ユニット260の小径側の端には、開口を覆うように多孔質膜264が設けられている。内部空間262は、培養ユニット260の内周面及び多孔質膜264によって画成された円錐台形の空間である。培養ユニット260の大径側の端が保持部224に取り付けられると、内部空間262は多孔質膜264のみによって外部(第1の収容空間211)と連通する状態となる。
本明細書において、「多孔質膜」とは、細孔を多数有する膜を意味し、空隙を有する膜、細孔と空隙とを有する膜も包含する。多孔質膜264としては、例えば、濾紙、半透膜(例えば、限外濾過膜等)、不織布、ガーゼ様メッシュ、各種メンブレンフィルタ等が挙げられ、これらに限定されない。
多孔質膜264の細孔の大きさとしては、例えば0.01μm以上1,500μm以下であればよく、例えば0.01μm以上1.0μm以下であればよく、例えば0.01μm以上0.45μm以下であればよい。細孔の大きさは、内部に封入する細胞等の大きさに応じて適宜選択すればよい。
好ましくは、多孔質膜264は、気相中で液密性を有し、液相中で半透性を有する半透膜である。本明細書において、「液密性」とは、液体が漏れない状態を意味する。
また、本明細書において、「半透性」とは、一定の分子量以下の分子又はイオンのみを透過可能な性質を意味し、「半透膜」とは、当該性質を有する膜である。
本実施形態に用いられる半透膜は、例えば、分子量約1,000,000以下の高分子化合物を透過することができるものであればよく、例えば、分子量約200,000以下の分子化合物を透過することができるものであればよい。
本実施形態における多孔質膜264の厚さは特に限定されないが、1μm~1000μmが好ましく、1μm~500μmがより好ましく、5μm~300μmがさらに好ましく、10μm~200μmが特に好ましい。多孔質膜264の厚さが上記範囲であることにより、細胞を培養するのにより好ましい強度とすることができる。
多孔質膜264の材料としては、細胞毒性の無いものが好ましく、天然高分子化合物であってもよく、合成高分子化合物であってもよい。また、多孔質膜が半透膜である場合、その材料としては、生体適合性を有する材料であることが好ましい。
天然高分子化合物としては、例えば、ゲル化する細胞外マトリックス由来成分、多糖類(例えば、アルギネート、セルロース、デキストラン、プルラン(pullulane)、ポリヒアルロン酸、及びそれらの誘導体等)、キチン、ポリ(3-ヒドロキシアルカノエート)(特に、ポリ(β-ヒドロキブチレート)、ポリ(3-ヒドロキシオクタノエート))、ポリ(3-ヒドロキシ脂肪酸)、フィブリン、寒天、アガロース等が挙げられ、これらに限定されない。
セルロースには、合成により改質されたものも含み、例えば、セルロース誘導体(例えば、アルキルセルロース、ヒドロキシアルキルセルロース、セルロースエーテル、セルロースエステル、ニトロセルロース、キトサン等)等が挙げられる。より具体的なセルロース誘導体としては、例えば、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシブチルメチルセルロース、セルロースアセテート、セルロースプロピオネート、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートフタレート、カルボキシメチルセルロース、セルローストリアセテート、セルローススルフェートナトリウム塩等が挙げられる。
中でも、前記天然高分子化合物としては、優れた保水性を有することから、ゲル化する細胞外マトリックス由来成分、フィブリン、寒天、又はアガロースが好ましい。
ゲル化する細胞外マトリックス由来成分としては、例えば、コラーゲン(I型、II型、III型、V型、XI型等)、マウスEHS腫瘍抽出物(IV型コラーゲン、ラミニン、ヘパラン硫酸プロテオグリカン等を含む)より再構成された基底膜成分(商品名:マトリゲル)、グリコサミノグリカン、ヒアルロン酸、プロテオグリカン、ゼラチン等が挙げられ、これらに限定されない。それぞれのゲル化に至適な塩等の成分、その濃度、pH等を選択し多孔質膜(特に、半透膜)を作製することが可能である。また、原料を組み合わせることで、様々な生体内組織を模倣した多孔質膜(特に、半透膜)を得ることができる。
合成高分子化合物としては、例えば、膜部材112の材料として上述したものが挙げられる。多孔質膜264の材料は、上記に例示された材料のうち1種類から構成されていてもよく、2種類以上から構成されていてもよい。また、多孔質膜264の材料は、天然高分子化合物又は合成高分子化合物のうちいずれかで構成されていてもよく、天然高分子化合物及び合成高分子化合物の両方から構成されていてもよい。
中でも、多孔質膜264が半透膜である場合、その材料としては、天然高分子化合物が好ましく、ゲル化する細胞外マトリックス由来成分がより好ましく、コラーゲンがさらに好ましい。また、コラーゲンの中でもより好ましい原料としては、ネイティブコラーゲン又はアテロコラーゲンを例示できる。
また、多孔質膜264の構成材料として、ハイドロゲルが挙げられる。本明細書において、「ハイドロゲル」とは、高分子化合物が化学結合によって網目構造をとり、その網目に多量の水を保有した物質を示す。ハイドロゲルとしてより具体的には、天然高分子化合物や合成高分子化合物の人工素材に架橋を導入してゲル化させたものを意味する。
ハイドロゲルには、例えば、上述のゲル化する細胞外マトリックス由来成分、フィブリン、寒天、アガロース、セルロース等の天然高分子化合物、及びポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキシド、poly(II-hydroxyethylmethacrylate)/polycaprolactone等の合成高分子化合物が含まれる。
多孔質膜264は、このようなハイドロゲルを乾燥させたハイドロゲル乾燥体をPBSや使用する培養液等で再水和することで得られるビトリゲル(登録商標)で構成されてもよい。なお、本明細書において、「ビトリゲル(登録商標)」とは、従来のハイドロゲルをガラス化(vitrification)した後に再水和して得られる安定した状態にあるゲルのことを指し、本発明者によって、「ビトリゲル(vitrigel)(登録商標)」と命名されている。なお、本明細書において、用語「ビトリゲル」を用いる際には、用語「(登録商標)」を省略して用いる場合がある。
多孔質膜264が気相中で液密性を有する半透膜の場合には、第1の収容空間211を気相とすることにより、内部空間262内の培養液Mが、第1の収容空間211に進入しないので、多孔質膜264を挟んで「液相-膜-気相」の状態とすることができる。これにより、輸送中も第1の収容空間211内を気相に保ちながら、多孔質膜264を培養液Mに接触させた状態を維持することができる。この場合、輸送時に細胞輸送装置200が揺れても多孔質膜264に気泡が触れないように、内部空間262が培養液Mで満たされることが好ましい。ただし、本発明はこれに限定されず、第1の収容空間211及び第2の収容空間221を培養液M等の液体で満たして「液相-膜-液相」や「気相-膜-液相」等の状態にしてもよいし、多孔質膜264の外部側(下側)を固相としてもよい。
従来、培養細胞を含むカルチャーインサート等の培養ユニットは寒天培地上に配置して輸送されることが多かったが、輸送後にカルチャーインサートの底面の多孔質膜に付着した寒天培地を削ぎ落とす必要があり、手間がかかっていた。また、カルチャーインサートの多孔質膜は上記のような削ぎ落としが可能なものに制限されていた。しかしながら、本実施形態の細胞輸送装置200によれば、培養ユニット260を寒天培地上ではなく培養液M内に保持することが可能であるので、輸送後に寒天培地を削ぎ落とす等の作業が不要であり、使用可能な多孔質膜の種類にも制限がない点で有利である。また、一般的なカルチャーインサート等の培養ユニットを保持するように保持部224を構成することにより、高い汎用性が得られ、カルチャーインサート等の培養ユニットを細胞輸送装置200内で保護しながら簡便に輸送することができる。
細胞輸送装置200によれば、培養ユニット260内に培養モデルや移植モデルが形成される場合に、任意のモデルを適切な環境に保持して輸送することができる。例えば、培養ユニット260にヒト肝細胞を懸濁した培養液Mを注入して培養し、第1の収容空間211内の培養液を除き、多孔質膜264の下側の第1の収容空間211を気相とし、多孔質膜264の上側を液相としてヒト肝臓モデルを構築した場合、上記のように培養液Mで満たされた培養ユニット260を気相の第1の収容空間211内に配置することにより、細胞輸送装置200内でヒト肝臓モデルに適した環境を保ちながら輸送を行うことができる。同様に、他の培養モデル等についても、内部空間262や第1の収容空間211の状態を適宜変更することにより、各種モデルに適した環境を保ちながら輸送を行うことができる。このように、細胞輸送装置200により輸送物の保存性を向上させることができる。
第2の容器220を第1の容器210に装着した状態の細胞輸送装置200の大きさは、特に限定されないが、例えば直径が40mm~200mm、50mm~150mm、又は60mm~120mmであってよく、高さが10mm~200mm、20mm~100mm、又は25mm~50mmであってよい。培養ユニット260の大きさは、特に限定されないが、例えば直径が2mm~25mm、高さが5mm~20mmであってよい。培養ユニット260が保持部224に保持された状態で第2の容器220が第1の容器210に装着されると、培養ユニット260の下面と第1の容器210の底壁212との間の距離は、特に限定されないが、例えば0.5mm~5mm、又は1mm~2mmであってよい。
なお、細胞輸送装置200においても第1の実施形態と同様に基準線及び特定領域を示す指示部が設けられてもよい。例えば、基準線及び指示部が第1の容器210の底壁212に形成されてもよく、培養ユニット260の多孔質膜264に形成されてもよい。
[細胞輸送装置200の製造方法]
第1の容器210、第2の容器220、第1の蓋240、及び第2の蓋250は、それぞれ上述の第1の容器110、第2の容器120、第1の蓋140、及び第2の蓋150と同様にして製造することができる。
培養ユニット260は、任意の方法で製造することができる。例えば、培養ユニット260は、圧縮成形法、射出成形法、押出成形法等の任意の方法で多孔質膜264以外の部分を形成し、別途任意の方法で多孔質膜264を製造し、多孔質膜264を多孔質膜264以外の部分に結合することにより製造される。あるいは、培養ユニット260は多孔質膜264を含めて一体成型されてもよい。
[細胞輸送装置200の使用方法]
本実施形態の細胞輸送装置200は、細胞の培養、細胞の輸送等に使用することができる。細胞輸送装置200は、容器として又は細胞培養装置として利用可能である。本実施形態の培養細胞の製造方法は、細胞輸送装置200を使用して細胞Cを培養する工程を含む。細胞Cの培養は、第1の収容空間211内で行われ、例えば培養ユニット260内で行われる。それに加えて、又はその代わりに、細胞Cが第1の収容空間211内であって培養ユニット260の外側で(例えば、多孔質膜264の下面や底壁212上で)培養されてもよい。また、細胞Cの培養は第2の収容空間221でも行うことができる。
[細胞輸送装置200による細胞輸送方法]
本実施形態の細胞輸送方法は、上述の細胞輸送装置200を用いる方法である。本実施形態の細胞輸送方法は、細胞輸送装置200を使用して細胞Cを輸送する工程を含む。本実施形態の輸送方法によれば、細胞を安全かつ確実に容易に輸送することができ、輸送される細胞の品質を保証することができ、培養細胞へのコンタミネーションを防止することができ、長期間の輸送にも対応することができる。また、多数の培養ユニットを簡便に輸送することができ、効率的な輸送が可能である。
本実施形態の細胞輸送方法は、細胞Cを含む培養ユニット260を第2の容器220に取り付ける工程1と、細胞輸送装置200を組み立てる工程2と、細胞輸送装置200を輸送する工程3と、をこの順に含む。
<工程1>
工程1は、例えば、培養ユニット260に細胞Cを播種する工程と、必要に応じて培養ユニット260内で細胞Cを培養する工程と、培養ユニット260を第2の容器220の保持部224に取り付ける工程と、を含む。ここで、輸送対象のすべての培養ユニット260を保持部224に取り付けることにより、複数の培養ユニット260をまとめて輸送することができる。
<工程2>
工程2は、例えば、第1の容器210の第1の収容空間211を培養液Mで満たす工程と、培養ユニット260を取り付けた第2の容器220を第1の容器210に装着する工程と、さらに培養液Mを供給することにより第2の収容空間221を培養液Mで満たす工程と、第2の蓋150を第2の容器220の上部に装着する工程と、を含む。第1の収容空間211が培養液Mで満たされるので、多孔質膜264が培養液Mに接した状態で輸送が行われる。これにより、多孔質膜264の劣化や細胞Cへの悪影響が抑制される。また、万一第2の収容空間221に細菌等が混入しても、滅菌フィルタ223が第2の収容空間221から第1の収容空間211への細菌等の進入を防ぐので、細胞Cの培養空間である第1の収容空間211へのコンタミネーションが抑制される。
<工程3>
工程3は、第2の蓋250が第2の容器220に装着された状態の細胞輸送装置200を目的地まで輸送する工程を含む。輸送中の気泡による細胞Cや多孔質膜264への悪影響を抑制する観点から、第1の収容空間211及び第2の収容空間221の全体が培養液Mで満たされていることが好ましい。
輸送後に第2の蓋250が取り外される際にも、第2の収容空間221に細菌等が混入するリスクをゼロにすることはできない。しかしながら、細胞輸送装置200によれば、滅菌フィルタ223が第2の収容空間221から第1の収容空間211への細菌等の進入を防ぐので、細胞Cの培養空間である第1の収容空間211へのコンタミネーションが抑制される。これにより、安全かつ効率的な培養細胞の輸送が可能である。
本発明によれば、コンタミネーションのリスクを低減できる細胞輸送装置、培養細胞の製造方法、及び細胞輸送方法を提供することができる。一実施形態では、輸送前後の細胞数及び細胞形態を容易に確認できる細胞輸送装置が提供される。このような細胞輸送装置は、iPS細胞をはじめ品質保証の重要な様々な細胞の輸送に貢献すると考えられるので、再生医療、創薬、動物実験代替法等の分野での利用が期待できる。
100…細胞輸送装置、110…第1の容器、111…第1の収容空間、112…膜部材、114…基準線、116…指示部、120…第2の容器、121…第2の収容空間、122…滅菌フィルタ、130…隙間、140…第1の蓋、150…第2の蓋、200…細胞輸送装置、210…第1の容器、211…第1の収容空間、212…底壁、220…第2の容器、221…第2の収容空間、222…底壁、223…滅菌フィルタ、224…保持部、240…第1の蓋、250…第2の蓋、260…培養ユニット、262…内部空間、264…多孔質膜、S…観察面、C…細胞、M…培養液。

Claims (15)

  1. 培養細胞を収容する第1の収容空間を有する第1の容器と、第2の収容空間を有する第2の容器と、を備える細胞輸送装置であって、
    前記第2の容器は、底面の少なくとも一部に少なくとも1つの滅菌フィルタを有するとともに、前記第1の容器の上部に装着されるように構成されており、
    前記第2の容器が前記第1の容器の上部に装着された状態において、前記第1の収容空間は、前記第1の容器及び前記第2の容器によって囲まれるとともに、前記少なくとも1つの滅菌フィルタを通して前記第2の収容空間と連通し、
    前記第1の容器の底面に観察面が形成され、前記観察面に一本の基準線及び前記基準線の近傍において特定領域を示す指示部が表示され、前記指示部は、前記特定領域を取り囲む枠線であり、前記基準線は、一方向に沿って前記観察面の一側から他側へ延在する線であり、前記特定領域は、前記細胞輸送装置を用いた輸送前後において同一視野内の細胞を観察するための観察対象領域である、細胞輸送装置。
  2. 前記基準線及び前記指示部は、前記第1の容器の底面の上面又は下面に凹部又は凸部を有するように形成され、
    前記観察面からの前記凹部の深さ又は前記観察面からの前記凸部の高さは、対物レンズの焦点深度内である、請求項1に記載の細胞輸送装置。
  3. 前記基準線及び前記指示部は、膜部材上に形成され、前記膜部材は、前記第1の容器の底面の上面又は底面に貼りつけられている、請求項1又は2に記載の細胞輸送装置。
  4. 前記第2の容器は、少なくとも1つの穴が形成された底壁を有し、前記少なくとも1つの滅菌フィルタは、前記少なくとも1つの穴を覆っている、請求項1~3のいずれか一項に記載の細胞輸送装置。
  5. 前記第2の容器は、前記底面の少なくとも一部に複数の滅菌フィルタを有する、請求項1~4のいずれか一項に記載の細胞輸送装置。
  6. 前記第1の容器及び前記第2の容器のいずれにも装着可能であり、前記第1の容器又は前記第2の容器をカバーするように構成された第1の蓋をさらに備える、請求項1~5のいずれか一項に記載の細胞輸送装置。
  7. 前記第1の蓋は、前記第1の容器又は前記第2の容器に装着された状態において、気体が外部から容器内に進入できるように前記第1の容器又は前記第2の容器をカバーする、請求項6に記載の細胞輸送装置。
  8. 前記第2の容器を密閉するように構成された第2の蓋をさらに備える、請求項1~7のいずれか一項に記載の細胞輸送装置。
  9. 前記第2の蓋は、粘着剤付きのフィルムである、請求項8に記載の細胞輸送装置。
  10. 培養細胞を収容するように構成された少なくとも1つの培養ユニットが前記第1の収容空間内に保持される、請求項1~9のいずれか一項に記載の細胞輸送装置。
  11. 前記少なくとも1つの培養ユニットは、培養細胞を収容する内部空間と、前記内部空間と外部とを連通させる多孔質膜と、を有する、請求項10に記載の細胞輸送装置。
  12. 前記第2の容器は、前記少なくとも1つの培養ユニットを前記第1の収容空間内に保持するように構成された保持部を有する、請求項10又は11に記載の細胞輸送装置。
  13. 前記保持部は、前記第2の容器の前記底面から下方に突出する、請求項12に記載の細胞輸送装置。
  14. 請求項1~13のいずれか一項に記載の細胞輸送装置を使用して細胞を培養する工程を含む、培養細胞の製造方法。
  15. 請求項1~13のいずれか一項に記載の細胞輸送装置を使用して細胞を輸送する工程を含む、細胞輸送方法。
JP2021122557A 2021-07-27 2021-07-27 細胞輸送装置、培養細胞の製造方法、及び細胞輸送方法 Active JP7219506B1 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021122557A JP7219506B1 (ja) 2021-07-27 2021-07-27 細胞輸送装置、培養細胞の製造方法、及び細胞輸送方法
PCT/JP2022/024581 WO2023007985A1 (ja) 2021-07-27 2022-06-20 細胞輸送装置、培養細胞の製造方法、及び細胞輸送方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021122557A JP7219506B1 (ja) 2021-07-27 2021-07-27 細胞輸送装置、培養細胞の製造方法、及び細胞輸送方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP7219506B1 true JP7219506B1 (ja) 2023-02-08
JP2023022847A JP2023022847A (ja) 2023-02-16

Family

ID=85086685

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2021122557A Active JP7219506B1 (ja) 2021-07-27 2021-07-27 細胞輸送装置、培養細胞の製造方法、及び細胞輸送方法

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP7219506B1 (ja)
WO (1) WO2023007985A1 (ja)

Citations (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001017157A (ja) 1999-07-06 2001-01-23 Asahi Techno Glass Corp 培養容器
US20050208467A1 (en) 2003-04-17 2005-09-22 Jean Qiu Micro-pattern embedded plastic optical film device for cell-based assays
JP2009237277A (ja) 2008-03-27 2009-10-15 Nippon Zeon Co Ltd 顕微鏡観察用容器
JP2011120504A (ja) 2009-12-09 2011-06-23 Sumitomo Bakelite Co Ltd 多重型培養容器および培養方法
JP2013128458A (ja) 2011-12-22 2013-07-04 Hitachi Ltd 包装容器
WO2014041593A1 (ja) 2012-09-11 2014-03-20 株式会社日立製作所 生体試料用包装容器及びそれを用いた生体試料の輸送方法
CN205974528U (zh) 2016-08-30 2017-02-22 丁文龙 一种用于筛选拮抗菌的刻度尺
WO2018135252A1 (ja) 2017-01-18 2018-07-26 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構 半透膜及びその使用
WO2020213634A1 (ja) 2019-04-18 2020-10-22 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構 細胞培養装置及びその使用
WO2021095848A1 (ja) 2019-11-14 2021-05-20 富士フイルム株式会社 細胞の保存又は輸送器具及び細胞の輸送方法

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH1175819A (ja) * 1997-08-29 1999-03-23 Nippo Kk 細線付きプラスチック容器

Patent Citations (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001017157A (ja) 1999-07-06 2001-01-23 Asahi Techno Glass Corp 培養容器
US20050208467A1 (en) 2003-04-17 2005-09-22 Jean Qiu Micro-pattern embedded plastic optical film device for cell-based assays
JP2009237277A (ja) 2008-03-27 2009-10-15 Nippon Zeon Co Ltd 顕微鏡観察用容器
JP2011120504A (ja) 2009-12-09 2011-06-23 Sumitomo Bakelite Co Ltd 多重型培養容器および培養方法
JP2013128458A (ja) 2011-12-22 2013-07-04 Hitachi Ltd 包装容器
WO2014041593A1 (ja) 2012-09-11 2014-03-20 株式会社日立製作所 生体試料用包装容器及びそれを用いた生体試料の輸送方法
CN205974528U (zh) 2016-08-30 2017-02-22 丁文龙 一种用于筛选拮抗菌的刻度尺
WO2018135252A1 (ja) 2017-01-18 2018-07-26 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構 半透膜及びその使用
WO2020213634A1 (ja) 2019-04-18 2020-10-22 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構 細胞培養装置及びその使用
WO2021095848A1 (ja) 2019-11-14 2021-05-20 富士フイルム株式会社 細胞の保存又は輸送器具及び細胞の輸送方法

Also Published As

Publication number Publication date
WO2023007985A1 (ja) 2023-02-02
JP2023022847A (ja) 2023-02-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101357337B1 (ko) 세포 배양을 위한 지지 장치
RU2426592C2 (ru) Устройство для выращивания и транспортировки клеток
US11555172B2 (en) Cell and tissue culture container
JP4897752B2 (ja) 細胞培養装置および使用方法
KR20130131329A (ko) 세포 배양 삽입구
EP2652120B1 (en) Bioreactor with lid for easy access to incubation cavity
US20240034968A1 (en) Cell Culture Plate, Assembly And Methods Of Use
JP7219506B1 (ja) 細胞輸送装置、培養細胞の製造方法、及び細胞輸送方法
JP5727174B2 (ja) 細胞培養用中空糸モジュールおよび細胞培養方法
JP5866663B2 (ja) 顕微鏡用細胞収容器
EP0380768A2 (en) Multiplate subculture solid media devices
JP2005110695A (ja) 中空糸付き器具及びその使用方法
Mancinelli et al. Recreating cellular barriers in human microphysiological systems in-vitro
JP7251867B1 (ja) 容器、及び細胞輸送装置
EP0494333B1 (en) Multiplate subculture solid media device
JP2021052619A (ja) 基材フィルム体及びそれを用いた細胞培養装置
JP6446994B2 (ja) 培養容器
JP2021052620A (ja) 基材フィルム体の製造方法
Fish et al. Bioreactor design considerations for hollow organs
WO2024057159A1 (en) Optically accessible system for studies on embryonated eggs
KR20200086091A (ko) 샘플 유실 방지용 피펫 팁
JPH0539300U (ja) 植物培養容器
JPH0437715B2 (ja)
Tilling Development and application of plastic models in microbiology

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20221007

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20221007

A871 Explanation of circumstances concerning accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871

Effective date: 20221007

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20221101

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20221221

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20230110

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20230120

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7219506

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150