JP7218478B2 - 活性ガス生成装置 - Google Patents

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Description

本開示は、平行平板方式の誘電体バリア放電で活性ガスを生成し、後段の処理空間に活性ガスを供給する活性ガス生成装置に関する。
平行平板方式の誘電体バリア放電で活性ガスを生成する活性ガス生成装置として、例えば特許文献1に開示された活性ガス生成装置がある。
特許文献1で開示された従来の活性ガス生成装置では、装置後段に処理チャンバー等の処理空間が存在する。
従来の活性ガス生成装置は、誘電体バリア放電を利用して、窒素ガス等の原料ガスから窒素ラジカル等の活性ガスを生成し、活性ガスを処理空間に噴出している。
国際公開第2019/229873号
従来の活性ガス生成装置は、高電圧側電極に設けられた高電圧印加用の金属電極等が露出している高電圧給電部空間を経由したガスが放電空間へと導かれる構造となっている。この場合、高温や異常放電によって金属電極の成分等が蒸発するとその成分が放電空間へとそのまま混入し、処理空間にて実行される半導体成膜処理におけるパーティクルやメタルコンタミネーションの原因となる恐れがあった。
すなわち、従来の活性ガス生成装置では良質な活性ガスを出力できない恐れがあるという問題点があった。
本開示では、上記のような問題点を解決し、電極構成部及びその周辺部の形状・取付構造を工夫することにより、不純物を含まない良質な活性ガスを噴出する構造の活性ガス生成装置を提供することを目的とする。
本開示の活性ガス生成装置は、放電空間に供給された原料ガスを活性化して得られる活性ガスを生成する活性ガス生成装置であって、第1の電極構成部と前記第1の電極構成部の下方に設けられる第2の電極構成部とを備え、前記第1の電極構成部は、第1の電極用誘電体膜と前記第1の電極用誘電体膜の上面上に形成される第1の金属電極とを有し、前記第2の電極構成部は、第2の電極用誘電体膜と前記第2の電極用誘電体膜の下面上に形成される第2の金属電極とを有し、前記第1の金属電極に交流電圧が印加され、前記第2の金属電極が接地電位に設定され、前記第1及び第2の電極用誘電体膜が対向する誘電体空間内において、前記第1及び第2の金属電極が平面視して重複する領域を前記放電空間として含み、前記第2の電極用誘電体膜は、前記活性ガスを下方に噴出するためのガス噴出孔を有し、前記放電空間から前記ガス噴出孔に至る経路が活性ガス流通経路として規定され、前記活性ガス生成装置は、導電性を有し、断面構造が凹状であり、中央底面領域と、前記中央底面領域の外周に沿って設けられ高さ方向に突出した周辺突出部とを有するベースフランジをさらに備え、前記第2の電極構成部は前記中央底面領域上に前記第2の金属電極が接触する態様で設けられ、前記活性ガス生成装置は、前記ベースフランジの前記周辺突出部上に設けられ、前記第1の電極構成部と接触することなく、前記第1の電極構成部の上方に位置し、導電性を有する導電性構造体と、前記導電性構造体と前記第1の電極構成部との間に設けられ、上面が前記導電性構造体の下面に接触し、かつ、下面が前記第1の金属電極の上面に接触する絶縁材と、前記第1の電極構成部を下方から支持するように、前記導電性構造体の下面上に設けられる電極支持部材と、前記ベースフランジの前記周辺突出部上に設けられ、前記導電性構造体を収容する筐体内空間を有する金属製の筐体とをさらに備え、前記ベースフランジは、外部より前記原料ガスを受けるガス供給口と、前記原料ガスを前記放電空間に供給するためのガス通過経路と、前記ガス噴出孔から噴出される前記活性ガスを下方に噴出するためのベースフランジ用ガス噴出孔とを有し、前記ベースフランジには接地電位が付与され、前記導電性構造体、前記電極支持部材及び前記第1の電極構成部によって、前記筐体内空間と前記放電空間との間におけるガスの流れが分離されるガス分離構造が設けられ、前記活性ガス生成装置は、前記第1の電極用誘電体膜の上面上に前記第1の金属電極と独立して設けられる第3の金属電極をさらに有し、前記第3の金属電極は、平面視して前記活性ガス流通経路の一部と重複するように設けられ、かつ、接地電位に設定されることを特徴とする。
本開示の活性ガス生成装置は上記ガス分離構造を有することにより、筐体内空間で発生した不純物が放電空間に混入される混入現象を確実に回避することができる。
その結果、本開示の活性ガス生成装置は、第1及び第2の電極用誘電体膜を損傷させることなく、不純物を含まない良質な活性ガスを噴出することができる。
さらに、本開示の活性ガス生成装置は、接地電位に設定された第3の金属電極を有することにより、上記活性ガス流通経路における電界強度を緩和することができる。
その結果、本開示の活性ガス生成装置は、ガス噴出孔やベースフランジ用ガス噴出孔の構造を変更することなく、ベースフランジ用ガス噴出孔の下方に設けられる処理空間の電界強度を意図的に弱めることができる。
加えて、本開示の活性ガス生成装置は上記ガス分離構造を有することにより、第1及び第3の金属電極それぞれの第1の電極用誘電体膜の上面への密着度を高める必要性が低い。このため、第1及び第3の金属電極として製造が比較的容易なバルク金属を用いることができる分、製造工程の簡略化を図ることができる。
本開示の目的、特徴、局面、および利点は、以下の詳細な説明と添付図面とによって、より明白となる。
本開示の実施の形態1である活性ガス生成装置の全体構成を示す説明図である。 図1で示した高電圧印加電極部の上面構造を示す平面図である。 高電圧印加電極部の断面構造を示す断面図である。 図1で示した接地電位電極部の下面構造を示す平面図である。 接地電位電極部の断面構造を示す断面図である。 図1で示したベースフランジの平面構造を示す平面図である。 ベースフランジの断面構造を示す断面図である。 ガスバッファ及びガス拡散経路の詳細を示す斜視図である。 図1で示した絶縁板の平面構造を示す平面図である。 絶縁板の断面構造を示す断面図である。 図1で示した電極押え部材の平面構造を示す平面図である。 電極押え部材の断面構造を示す断面図である。 図1で示した冷却板の平面構造を示す平面図である。 冷却板の断面構造を示す断面図である。 実施の形態2のベースフランジの平面構造を示す平面図である。 実施の形態2のベースフランジの断面構造を示す断面図である。 ガス拡散経路の形成方向の特徴を模式的に示す説明図である。 実施の形態3である活性ガス生成装置の全体構成を示す説明図である。 図18で示した高電圧印加電極部及び補助用金属電極の上面構造を示す平面図である。 高電圧印加電極部及び補助用金属電極の断面構造を示す断面図である。 図18で示した接地電位電極部の下面構造を示す平面図である。 接地電位電極部の断面構造を示す断面図である。 図18で示した絶縁板の平面構造を示す平面図である。 絶縁板の断面構造を示す断面図である。 実施の形態4である活性ガス生成装置の全体構成を示す説明図である。 図25で示した高電圧印加電極部及び補助用金属電極の上面構造を示す平面図である。 高電圧印加電極部及び補助用金属電極の断面構造を示す断面図である。 図25で示した接地電位電極部の下面構造を示す平面図である。 接地電位電極部の断面構造を示す断面図である。 第1の比較用の活性ガス生成装置の全体構造を示す断面図である。 第2の比較用の活性ガス生成装置の全体構造を示す断面図である。
<実施の形態1>
(全体構成)
図1は本開示の実施の形態1である活性ガス生成装置の全体構成を示す説明図である。図1にXYZ直交座標系を記している。実施の形態1の活性ガス生成装置100は、放電空間6に供給された原料ガス5(窒素ガス等)を活性化して得られる活性ガス52(窒素ラジカル等)を生成する活性ガス生成装置である。
活性ガス生成装置100は、金属筐体3、ベースフランジ4、高電圧印加電極部1、接地電位電極部2、絶縁板7、電極押え部材8及び冷却板9を主要構成部として含んでいる。
ベースフランジ4は断面構造が凹状であり、中央底面領域48と、中央底面領域48の外周に沿って設けられ高さ方向(+Z方向)に突出した周辺突出部46を有している。そして、ベースフランジ4は接地電位に設定される。
金属筐体3は、下方に開口部を有する金属製の筐体である。金属筐体3は主として冷却板9を収容する筐体内空間33を有している。
金属筐体3は金属製のベースフランジ4を底面とする態様でベースフランジ4に固定される。具体的には、金属筐体3はベースフランジ4の周辺突出部46上に固定される。したがって、金属筐体3の開口部がベースフランジ4によって遮蔽され、金属筐体3及びベースフランジ4によって筐体内空間33を含む遮蔽空間が形成される。さらに、金属筐体3はベースフランジ4を介して接地電位に設定される。
活性ガス生成装置100における筐体内空間33の底面部として冷却板9が配置される。具体的には、ベースフランジ4の周辺突出部46の上面に冷却板9の周辺端部が接触する態様で、ベースフランジ4の周辺突出部46の上面上に冷却板9が配置される。冷却板9は金属板等の金属製の導電性構造体であり、金属筐体3と接触しないように配置される。
一方、ベースフランジ4の中央底面領域48上に第2の電極構成部である接地電位電極部2が配置される。接地電位電極部2は、第2の電極用誘電体膜である電極用誘電体膜21と、電極用誘電体膜21の下面上に形成される第2の金属電極である金属電極20とを主要構成部として有している。したがって、中央底面領域48に金属電極20が接触する態様で接地電位電極部2が中央底面領域48上に載置される。
第1の電極構成部である高電圧印加電極部1と、第2の電極構成部である接地電位電極部2との組合せにより内部に放電空間6を有する電極対が構成され、接地電位電極部2は高電圧印加電極部1の下方に設けられる。
高電圧印加電極部1は、第1の電極用誘電体膜である電極用誘電体膜11と、電極用誘電体膜11の上面上に形成される第1の金属電極である金属電極10とを主要構成部として有している。
金属電極10と金属電極20との間に高周波電源50から交流電圧が印加される。具体的には、金属電極10には高周波電源50から交流電圧が印加され、金属電極20はベースフランジ4を介して接地電位に設定される。
電極用誘電体膜11と電極用誘電体膜21とが対向する誘電体空間となる閉鎖空間内において、金属電極10及び20が平面視重複する領域を含んで放電空間6が設けられる。
電極用誘電体膜21は、活性ガス52をベースフランジ4のガス噴出孔43を介して下方(後段)の処理空間63に噴出するための、ガス噴出孔23を有している。
ベースフランジ4の中央底面領域48の中央部分において、金属電極20を介することなく電極用誘電体膜21のガス噴出孔23に対応する位置にガス噴出孔43(ベースフランジ用ガス噴出孔)が設けられる。
前述したように、ベースフランジ4の周辺突出部46上に冷却板9が固定されている。冷却板9の下面上に絶縁板7が設けられ、高電圧印加電極部1は金属電極10の上面が絶縁板7の下面に接触するように配置される。
冷却板9の下面に電極支持部材となる電極押え部材8が設けられる。電極押え部材8は絶縁板7及び高電圧印加電極部1の外周領域に設けられる。以下、絶縁板7及び高電圧印加電極部1の組合せ構造を「上部電極群」と略称する場合がある。
電極押え部材8は、下方の一部が内側(上部電極群の形成方向)に突出する押圧用突出部8aを有している。この押圧用突出部8aは、上面が電極用誘電体膜11の下面に接触する態様で水平方向(XY平面)に沿って内側に突出して設けられる。
電極押え部材8の押圧用突出部8aと冷却板9とによって、上部電極群を挟み込むことにより、冷却板9の下面上に上部電極群を固定している。
したがって、電極押え部材8は、高電圧印加電極部1を下方から支持するように、冷却板9の下面上に設けられる電極支持部材として機能する。
電極押え部材8の冷却板9への取り付けにステンレス製のボルトが用いられるが、このボルトが後述するガス中継領域R4において、原料ガス5のガスの流れ51に晒されるとステンレス成分の不純物が混入する可能性がある。このため、ボルトは全て筐体内空間33側から冷却板9を経由して電極押え部材8に向かうように取り付けられている。なお、ボルトの図示は省略している。このように、電極押え部材8は、押圧用突出部8aと冷却板9との間に上部電極群を挟み込む態様で、冷却板9の下面に取り付けられる。
絶縁材である板状の絶縁板7は、冷却板9と高電圧印加電極部1との間に設けられ、上面が冷却板9の下面に接触し、かつ、下面が高電圧印加電極部1の金属電極10の上面に接触する。
したがって、冷却板9は、絶縁板7を介することにより、高電圧印加電極部1と接触することなく、高電圧印加電極部1の上方に位置することになる。
このように、活性ガス生成装置100では、高電圧印加電極部1は接地電位電極部2の上にスペーサを介して載せるのではなく、上方の冷却板9に取り付けられているという、取り付け特徴を有している。
活性ガス生成装置100は上記取り付け特徴を有することにより、冷却板9の高さ方向の位置決めが、ベースフランジ4の周辺突出部46との接触面のみで決定することができる。すなわち、ベースフランジ4の周辺突出部46の上面の形成高さのみによって、冷却板9の高さ方向を位置決めすることができる。
このため、活性ガス生成装置100は、冷却板9の形成位置を精度良く設定することにより、冷却板9とベースフランジ4との間のガスリークの遮断や冷却水のリークを完全に防ぐことが可能となる。
ベースフランジ4は、周辺突出部46の一方側面にガス供給口34及び内部にガス通過経路35を有している。外部から供給される原料ガス5はガス供給口34からガス通過経路35を流れる。
加えて、ベースフランジ4は、中央底面領域48の上方(かつ主として電極押え部材8の下方)に、ガス通過経路35と放電空間6との原料ガス5の中継領域となるガス中継領域R4を有している。
したがって、ガス通過経路35を流れる原料ガス5は、最終的にガス中継領域R4を介して放電空間6に供給される。なお、正確には、ガス通過経路35とガス中継領域R4との間に、後述するガスバッファ41及びガス拡散経路42が存在する。
このように、ベースフランジ4は、外部より原料ガス5を受けるガス供給口34と、原料ガス5を放電空間6に供給するためのガス通過経路35とを有している。
上述したガス中継領域R4は、高電圧印加電極部1(第1の電極構成部)、絶縁板7(絶縁材)、電極押え部材8及び冷却板9によって筐体内空間33と完全分離されている。
上記完全分離を行うべく、冷却板9とベースフランジ4の接触面、冷却板9と電極押え部材8の接触面、電極押え部材8と高電圧印加電極部1の接触面それぞれにOリングによるシールがなされている(各Oリングは図示せず)。
したがって、少なくとも電極押え部材8、冷却板9及び高電圧印加電極部1によって、筐体内空間33と放電空間6との間におけるガスの流れが分離されている。
すなわち、ガス中継領域R4を流れる原料ガス5が筐体内空間33に混入することなく、逆に、筐体内空間33に存在する不純物等がガス中継領域R4を介して放電空間6に混入することはない。
ベースフランジ4は、周辺突出部46の一方側面に対向する他方側面に、冷却水供給口44を有している。外部から供給される冷却媒体である冷却水は周辺突出部46の内部を流れ冷却水通過口451から冷却板9に供給される。
冷却板9は内部に、冷却水通過口451を介して供給される冷却水を流通させる冷却媒体経路となる冷却水経路90を有している。したがって、冷却板9は、冷却水経路90に冷却水を流すことにより、絶縁板7を介して高電圧印加電極部1(電極用誘電体膜11)を冷却する冷却機能を有している。
このように、ベースフランジ4は、冷却媒体である冷却水を受ける冷却媒体供給口である冷却水供給口44と、冷却水を冷却板9に供給するための冷却媒体通過口である冷却水通過口451とを有している。
以下、上述した構造を有する活性ガス生成装置100の取り付け手順を簡単に説明する。
(1) 冷却板9をひっくり返して、冷却板9の上面と下面の関係を逆にする。
(2) 冷却板9の下面上に絶縁板7を載せる。
(3) 絶縁板7上に高電圧印加電極部1を金属電極10及び電極用誘電体膜11の順で載せる。
(4) 冷却板9の下面上に電極押え部材8を載せ、冷却板9と電極押え部材8との間をボルト締めする。その結果、冷却板9の下面上に上部電極群が取り付けられる。この時、冷却板9,電極押え部材8間、高電圧印加電極部1,電極押え部材8間がシールされる。
(5) ベースフランジ4の中央底面領域48上に接地電位電極部2を載せる。
(6) 上部電極群が取り付けられた冷却板9を元の上下関係に戻す。
(7) ベースフランジ4の周辺突出部46上に冷却板9を載せて、冷却板9,ベースフランジ4間をボルト締めする。この際、冷却板9,ベースフランジ4間のシールがなされる。
このように、取り付け手順(1)~(7)を経て、実施の形態1の活性ガス生成装置100を組み立てることができる。
上述したように組み立てられた活性ガス生成装置100において、ベースフランジ4の周辺突出部46の一方側面に設けたガス供給口34から原料ガス5がベースフランジ4内に供給される。
ベースフランジ4の周辺突出部46内において、原料ガス5のガスの流れ51は、ガス通過経路35から後述するガスバッファ41及びガス拡散経路42を経由してガス中継領域R4に向かう。ガスの流れ51は、ガス中継領域R4から高電圧印加電極部1と接地電位電極部2との間の放電空間6に向かう。放電電力が印加された放電空間6に原料ガス5が通過することにより、原料ガス5が活性化され活性ガス52が得られる。活性ガス52は、ガス噴出孔23及びガス噴出孔43を介して下方の処理空間63に供給される。ここで、放電空間6からガス噴出孔23に至る経路が活性ガス流通経路として規定される。
この際、筐体内空間33は100kPa前後の大気圧近傍から1×10-1Pa~1×10-3Pa程度の高真空までの広い圧力範囲に設定が可能である。特に筐体内空間33を高真空とした場合、筐体内空間33と放電空間6との間で極僅かなリークが発生したとしても、全て筐体内空間33側へのリークの流れとなるため、被処理物への影響は生じない利点がある。
実施の形態1の活性ガス生成装置100は、冷却板9、絶縁板7、電極押え部材8及び高電圧印加電極部1によって、筐体内空間33と放電空間6との間におけるガスの流れを分離するガス分離構造を有することを特徴としている。
なお、筐体内空間33と放電空間6とのガスの流れの分離は、少なくとも冷却板9、電極押え部材8及び高電圧印加電極部1とを設けることにより実現できる。
実施の形態1の活性ガス生成装置100は上述したガス分離構造を有することにより、筐体内空間33で発生した不純物が放電空間6に混入される混入現象を確実に回避することができる。
その結果、実施の形態1の活性ガス生成装置100は、電極用誘電体膜11及び21を損傷させることなく、不純物を含まない良質な活性ガス52を噴出することができる。
さらに、冷却媒体経路となる冷却水経路90を有する冷却板9の冷却機能により、絶縁板7(絶縁材)を介して高電圧印加電極部1を冷却することができる。このため、放電空間6を形成する下面を有する電極用誘電体膜11(第1の電極用誘電体膜)に生じる誘電体膜内領域間温度差を最小限に抑えることができる。
以下、誘電体膜内領域間温度差について説明する。放電空間6での放電現象による熱膨張が電力密度の上限を決定する。高電圧印加電極部1の電極用誘電体膜11において、放電空間6と平面視して重複する放電領域(金属電極10が形成された領域)とそれ以外の非放電領域との間に温度差が生じる。電極用誘電体膜11内における、上述した温度差が誘電体膜内領域間温度差となる。
誘電体膜内領域間温度差が大きくなると熱膨張に開きが生じるため、電極用誘電体膜11の破損リスクが高くなる。そこで、冷却板9によって、絶縁板7及び金属電極10を介して電極用誘電体膜11を冷却することにより、可能な限り誘電体膜内領域間温度差を極小化することができれば、より高い放電電力を印加することが可能となる。
したがって、実施の形態1の活性ガス生成装置100は、上記誘電体膜内領域間温度差を抑える分、放電空間6に印加する放電電力を高くすることできるため、活性ガス52の生成量を増加させることができる。
また、冷却板9と金属電極10との間に絶縁板7を設けることにより、金属電極10と冷却板9とが電気的に接続される短絡現象を確実に回避することができる。
以下、上記効果について説明する。高電圧印加電極部1の金属電極10には高周波電源50から高電位が印加され、冷却板9はベースフランジ4を介して接地されている。したがって、冷却板9と金属電極10とが直接接触する短絡現象を回避する必要がある。
そこで、絶縁物で形成された絶縁板7によって、高電圧印加電極部1の金属電極10と冷却板9との間の短絡現象を確実に防止している。
(高電圧印加電極部1)
図2は図1で示した高電圧印加電極部1の上面構造を示す平面図であり、図3は高電圧印加電極部1の断面構造を示す断面図である。図2のA-A断面が図3となる。図2及び図3それぞれにXYZ直交座標系を記す。
図1~図3に示すように、高電圧印加電極部1の電極用誘電体膜11は平面視して円状を呈している。
金属電極10は電極用誘電体膜11の上面上に設けられ、中心部に円状の開口部15を有する円環状に形成される。
(接地電位電極部2)
図4は図1で示した接地電位電極部2の下面構造を示す平面図であり、図5は接地電位電極部2の断面構造を示す断面図である。図4のB-B断面が図5となる。図4及び図5それぞれにXYZ直交座標系を記す。
図1、図4及び図5に示すように、接地電位電極部2の電極用誘電体膜21は平面視して円状を呈している。
金属電極20は電極用誘電体膜21の下面上に設けられ、中心部に円状の開口部25を有する円環状に形成される。
金属電極20は平面視して金属電極10を全て含むように形成されているため、金属電極20と金属電極10とが平面視して重複する放電空間6は、実質的に金属電極10の形成領域によって規定される。したがって、放電空間6は金属電極10のように平面視して、ガス噴出孔23を中心として円環状に形成される。
接地電位電極部2は、放電空間6で生成された活性ガス52を下方に噴出するためのガス噴出孔23を中心位置に有している。ガス噴出孔23は電極用誘電体膜21を貫通して形成される。
図4に示すように、ガス噴出孔23は、平面視して、金属電極20と重複することなく、金属電極20の開口部25の中心位置に設けられる。
また、ガス噴出孔23の孔径を十分小さく設定することにより、ガス噴出孔23にオリフィス機能を持たせることができる。なお、本明細書において、「オリフィス機能」とは、ガス通過部(ガス噴出孔23)の通過前後の領域に関し、通過後の領域の圧力を通過前の領域の圧力より低下させる機能を意味している。
具体的には、ガス噴出孔23の径の長さφを0.69mm、形成深さを1mmとして、原料ガス5のガス流量1slmとすると、ガス噴出孔23の下流側圧266Pa(絶対圧)に対し、その上流(放電空間6)を30kPa程度に設定することができる。
このように、接地電位電極部2にはオリフィス機能を有するガス噴出孔23が形成されている。このため、活性ガス生成装置100の下流側と上流側の放電空間6とでは圧力差が生じ、放電空間6の圧力は10kPa~30kPa前後に維持される。
(ベースフランジ4)
図6は図1で示したベースフランジ4の平面構造を示す平面図であり、図7はベースフランジ4の断面構造を示す断面図である。図8は後述するガスバッファ41及びガス拡散経路42の詳細を示す斜視図である。なお、図6のC-C断面が図7となる。図6~図8それぞれにXYZ直交座標系を記す。
金属製で導電性を有するベースフランジ4に接地電位が付与される。図1、図6~図8に示すように、ベースフランジ4は平面視して円状を呈し、断面視して凹状構造を呈している。ベースフランジ4は、平面視して円状の中央底面領域48と中央底面領域48の外周に沿って設けられ、上方(+Z方向)に突出した平面視して円環状の周辺突出部46とを有している。
ベースフランジ4は中央底面領域48の中心位置にガス噴出孔43(ベースフランジ用ガス噴出孔)を有している。ガス噴出孔43はベースフランジ4を貫通している。
ベースフランジ4のガス噴出孔43はガス噴出孔23に対応し、上面において平面視してガス噴出孔23に合致する位置に形成される。すなわち、ガス噴出孔23の直下にガス噴出孔43が設けられる。
ガス噴出孔43の孔径を十分小さく設定することにより、ガス噴出孔43にオリフィス機能を持たせることができる。この場合、「オリフィス機能」とは、ガス通過部であるガス噴出孔43の通過前後の領域に関し、通過後の領域の圧力を通過前の領域の圧力より低下させる機能を意味している。
ただし、放電空間6で生成される活性ガス52は圧力が低い方が長寿命となるため、ガス噴出孔43と比較して、放電空間6により近いガス噴出孔23にオリフィス機能を持たせる方が望ましい。
ベースフランジ4の中心位置から周辺にかけて、中央底面領域48、周辺突出部46が設けられ、周辺突出部46の内周領域に複数のガス拡散経路42及びガスバッファ41が設けられる。
ガス内部流路であるガスバッファ41はガス通過経路35につながっており、ガス中継領域R4を囲んで平面視して環状に形成される。図7及び図8に示すように、ガスバッファ41は断面視して溝が形成される溝構造を有しているため、原料ガス5を一時的に収容することができる。
ガス内部流路となるガスバッファ41とガス中継領域R4との間に複数のガス拡散経路42が離散的に設けられる。したがって、複数のガス拡散経路42を介してガスバッファ41からガス中継領域R4にかけて原料ガス5が流れる。
図6に示すように、複数のガス拡散経路42はガスバッファ41の形成方向(円周方向)に沿って等間隔に互いに離散して設けられる。
各ガス拡散経路42の形成幅及び形成深さを十分小さく設定することにより、ガス拡散経路42にオリフィス機能を持たせることができる。この場合、「オリフィス機能」とは、ガス拡散経路42の通過前後の領域に関し、通過後のガス中継領域R4の圧力を通過前のガスバッファ41の圧力より低下させる機能を意味している。
具体的には、ガス進行方向に対して各ガス拡散経路42の幅1mm、高さ0.4mm及び形成長(奥行長)3.6mmの構造に設定し、各々が上記構造を有する総計24個のガス拡散経路42に対し、原料ガス5のガス流量を1slmに設定する使用例が考えられる。
この使用例では、ガス拡散経路42の下流側圧30kPa(絶対圧)に対し、その上流であるガスバッファ41内の圧力を70Pa以上高くすることができる。
ベースフランジ4内に供給された原料ガス5は、放電空間6に向けて外周360°全てから均等に流入させる必要がある。なぜなら、原料ガス5が不均等な状態で放電空間6に流入した場合、ガスの流れに比例した圧力差が放電空間6に発生し、それによって放電が不均一化することにより活性ガス52の生成効率が低下するからである。
図7に示すように、ベースフランジ4において、ガス供給口34から供給された原料ガス5はガス通過経路35を通過する。その後、一周囲うように平面視して円環状に成された溝であるガスバッファ41の全周全てに原料ガス5を一時的に滞留させることができる。
そして、ガスバッファ41に一時的に滞留された原料ガス5は、複数のガス拡散経路42を経由して中心方向へと流れる。この時、複数のガス拡散経路42はそれぞれオリフィス機能を有しているため、複数のガス拡散経路42の上流側と下流側とで圧力差を生じ、その圧力差故にガスバッファ41に全周に渡って均等に原料ガス5が供給されることが可能となる。この際、上流側と下流側とで圧力差は、少なくとも70Pa以上あることが望ましい。
このように、活性ガス生成装置100は、ガス内部流路であるガスバッファ41の圧力がガス中継領域R4の圧力より高くなるように、各ガス拡散経路42を比較的小さい寸法で形成することを特徴とする。
実施の形態1の活性ガス生成装置100は、上記特徴を有することにより、環状のガスバッファ41の全周に渡って均等に原料ガス5を流すことができる。
その結果、実施の形態1の活性ガス生成装置100は、ガスバッファ41に均等に流れている原料ガスを、複数のガス拡散経路42及びガス中継領域R4を介して、比較的偏りの少ない状態で放電空間6に供給することができる。このため、活性ガス生成装置100は、比較的高い生成効率で活性ガス52を生成することができる。
上述したように、金属電極10及び20は平面視して円環状に形成されているため、放電空間6はガス中継領域R4を介してガスバッファ41の内側に円環状に形成されることになる。そして、ガス噴出孔23は放電空間6のさらに内側に設けられることになる。
互いに離散配置された複数のガス拡散経路42は、ガスバッファ41の形成方向に沿って均等間隔に設けられている。このため、実施の形態1の活性ガス生成装置100は、ガス中継領域R4を経由して所定の量の原料ガス5を放電空間6に安定性良く供給することができる。
その結果、実施の形態1の活性ガス生成装置100は、ガス噴出孔23及びガス噴出孔43を介して所定の生成量の活性ガスを安定性良く外部の処理空間63に出力することができる。
(絶縁板7)
図9は図1で示した絶縁板7の平面構造を示す平面図であり、図10は絶縁板7の断面構造を示す断面図である。図9のD-D断面が図10となる。図9及び図10それぞれにXYZ直交座標系を記す。
図9に示すように、絶縁材である絶縁板7は平面視して円状に形成されており、一部に絶縁板7を貫通する通電穴71を有している。通電穴71は高周波電源50から金属電極10に交流電圧を印加する電線の通過口となっている。
絶縁板7は、アルミナやシェイパル、窒化アルミ等の絶縁体で形成されている。絶縁板7は高電圧印加電極部1の金属電極10と密着することにより、高電圧印加電極部1に生じた放電熱が冷却板9へと除去される構造となっている。
後述すように、絶縁板7は平面視して冷却板9の冷却媒体経路である冷却水経路90と重複する領域を有している。
活性ガス生成装置100の絶縁板7は平面視して冷却板9の冷却水経路90と重複する領域を有するため、冷却板9は絶縁板7を介して第1の電極構成部である高電圧印加電極部1を効率的に冷却することができる。
(電極押え部材8)
図11は図1で示した電極押え部材8の平面構造を示す平面図であり、図12は電極押え部材8の断面構造を示す断面図である。図11のE-E断面が図12となる。図11及び図12それぞれにXYZ直交座標系を記す。
図1に示すように、金属製の電極支持部材である電極押え部材8は、高電圧印加電極部1及び絶縁板7を含む上部電極群を下方から押さえるための部材であり、平面視して円環状を呈している。電極押え部材8は下方に内周領域に向かって突出した押圧用突出部8aを有している。すなわち、押圧用突出部8aは平面視して円環状を呈している。
図11及び図12に示すように、電極押え部材8の押圧用突出部8aは、電極用誘電体膜11の内側に向けて所定の突出長で突出しており、押圧用突出部8aの上面が電極用誘電体膜11の下面の一部に接触するように設けられる。図12に示すように、押圧用突出部8aの突出方向は水平面(XY平面)に平行な方向となっている。
(冷却板9)
図13は図1で示した冷却板9の平面構造を示す平面図であり、図14は冷却板9の断面構造を示す断面図である。図13のF-F断面が図14となる。図13及び図14それぞれにXYZ直交座標系を記す。
図1、図13及び図14に示すように、導電性構造体である冷却板9は内部に冷却水経路90を有している。冷却水経路90は冷却水供給口92から流入される冷却水が通過する領域であり、冷却水排出口93から冷却水が排出される。
また、冷却板9は一部に冷却板9を貫通する通電穴91を有している。通電穴91は冷却板9を貫通し、高周波電源50から金属電極10に交流電圧を印加する電線の通過口となっている。したがって、高周波電源50から、冷却板9の通電穴91及び絶縁板7の通電穴71を介して金属電極10に電線を接続することができる。なお、通電穴91は電線と冷却板9とが電気的接続関係を有さないように十分に広い開口を有している。
冷却水供給口92は冷却水通過口451から供給される冷却水を流入可能な位置に設けられる。また、冷却水排出口93は冷却水経路90が排出される冷却水をベースフランジ4の冷却水通過口452に提供可能な位置に設けられる。
したがって、ベースフランジ4において、冷却水通過口451は冷却水を冷却板9の冷却水経路90に供給するための通過口となり、冷却水通過口452は冷却板9から冷却水をベースフランジ4を介して外部に排出するための通過口となる。
図1、図13及び図14に示すように、冷却板9は通電穴91を除く大部分の領域が冷却水経路90となっている。したがって、絶縁板7は平面視して冷却板9の冷却水経路90の大部分と重複する領域を有することになる。
このように、活性ガス生成装置100の絶縁板7は平面視して冷却板9の冷却水経路90の大部分と重複する領域を有するため、冷却板9は、冷却水経路90を流れる冷却水によって絶縁板7を介し高電圧印加電極部1を効率的に冷却する冷却機能を発揮することができる。
(他の装置との比較)
図30は第1の比較装置である活性ガス生成装置100Xの全体構造を示す断面図であり、図31は第2の比較装置である活性ガス生成装置100Yの全体構造を示す断面図である。図30及び図31それぞれにXYZ座標系を記す。
図30に示すように、第1の比較用の活性ガス生成装置100Xは、ベースフランジ104の中央底面領域上に接地電位電極部102(金属電極120+電極用誘電体膜121)を配置し、ベースフランジ104の周辺突出部上に高電圧印加電極部101(金属電極110+電極用誘電体膜111)を配置している。この際、高電圧印加電極部101とベースフランジ104との接触面でシールしている。
そして、ベースフランジ104の周辺突出部の側面に設けられたガス供給口140から放電空間6に向けて原料ガス105を供給している。
活性ガス生成装置100Xにおいて、ガス供給口140から供給される原料ガス105は、放電空間106に供給される。そして、電極用誘電体膜121のガス噴出孔123及びベースフランジ104のガス噴出孔143を介して活性ガス152として出力される。
活性ガス生成装置100Xにおいても、高電圧印加電極部101の電極用誘電体膜111によって、金属筐体103内の筐体内空間133と放電空間106との間で原料ガス105のガスの流れ151を分離している。
しかしながら、活性ガス生成装置100Xでは、冷却板9に相当する冷却手段を有していないため、放電空間6における放電電力密度を一定以上に上げることができない。このため、活性ガス152の生成量を高めることができない問題点がある。
図31に示すように、第2の比較用の活性ガス生成装置100Yにおいて、ベースフランジ204の中央底面領域上に接地電位電極部202(金属電極220+電極用誘電体膜221)を配置している。ベースフランジ204の中間突出領域上に高電圧印加電極部201(金属電極210+電極用誘電体膜211)を配置している。この際、高電圧印加電極部201とベースフランジ204との接触面でシールしている。さらに高電圧印加電極部201上に絶縁板207を配置している。
また、ベースフランジ204の端部突出領域上に冷却板209を設けている。このように、ベースフランジ204は断面視して中心から周辺部にかけて階段状に形成されている。
そして、ベースフランジ204の一方側面に設けられたガス供給口240から原料ガス205を供給し、ベースフランジ204の他方側面に設けられた冷却水供給口244から冷却板209に冷却水を供給している。
活性ガス生成装置100Yにおいて、ガス供給口240から供給される原料ガス205は、放電空間206に供給される。そして、電極用誘電体膜221のガス噴出孔223及びベースフランジ204のガス噴出孔243を介して活性ガス252として出力される。
活性ガス生成装置100Yにおいても、高電圧印加電極部201、絶縁板207及び冷却板209により、金属筐体203内の筐体内空間233と放電空間206との間で原料ガス205のガスの流れ251を分離している。さらに、活性ガス生成装置100Yは冷却板209によって高電圧印加電極部201を冷却している。
しかしながら、活性ガス生成装置100Yは、実施の形態1の電極押え部材8に相当する手段を有さないため、冷却板209のベースフランジ204への取り付けが、高電圧印加電極部201と絶縁板207を挟んで実施される構造となっている。
この場合、冷却板209の高さ方向の位置決めをベースフランジ204の端部突出領域の形成高さ(第1の寸法)に合わせて行い、かつ、高電圧印加電極部201と絶縁板207の重ね合わせた部材の組合せ膜厚(第2の寸法)に合わせて行う必要がある。
したがって、第1及び第2の寸法間にズレが生じると、冷却水や原料ガス205のリークが生じる恐れが出るという問題点があった。
以下、上記問題点を詳述する。ここで、第1の寸法を段差D1、第2の寸法を厚みD2とする。
厚みD2が段差D1より小さい場合にガスリークが発生する。冷却板9をベースフランジ4にボルトで取り付ける際に、高電圧印加電極部201は絶縁板207を介してベースフランジ204に押し付けられる。その結果、高電圧印加電極部201とベースフランジ204間のOリング(図示せず)が潰されてシールされる。
このように、高電圧印加電極部201はベースフランジ204に直接取り付けられていない。なぜなら、高電圧印加電極部201を専用の締付ボルトでベースフランジ204に直接取り付けると、締付ボルトの配置スペースを確保するために高電圧印加電極201及びベースフランジ204の外径がより一層大きくなってしまうため、実用的でないからである。
しかしながら、厚みD2が段差D1よりも小さい場合には、高電圧印加電極部1のベースフランジ4への押し付けが十分ではなく、結果としてその間のOリングが十分に潰されなくなる。さらに、絶縁板207と冷却板209との間に隙間が生じる可能性が高くなる。
その結果、高電圧印加電極部1とベースフランジ4との間、絶縁板207と冷却板209との間に隙間が生じる可能性が高くなるため、冷却水や原料ガス205のリークが生じる恐れがある。
このように、実施の形態1の絶縁板7、電極押え部材8及び冷却板9のうち、少なくとも一つが存在しない第1及び第2の比較構造では、問題点が生じてしまい、実施の形態1の活性ガス生成装置100のような効果を発揮することはできない。
<実施の形態2>
図15は実施の形態2のベースフランジ4Bの平面構造を示す平面図であり、図16はベースフランジ4Bの断面構造を示す断面図である。図17はガス拡散経路42Bの拡散経路形成方向の特徴を模式的に示す説明図である。なお、図15のG-G断面が図16となる。図15及び図16それぞれにXYZ直交座標系を記す。
実施の形態2の活性ガス生成装置100Bは、ベースフランジ4がベースフランジ4Bに置き換わる点を除き、実施の形態1の活性ガス生成装置100と同様な構造である。以下、ベースフランジ4Bを中心に説明する。
(ベースフランジ4B)
図15~図17に示すように、ベースフランジ4Bはベースフランジ4と同様、平面視して円状を呈し、ベースフランジ4Bは中央にガス噴出孔43(ベースフランジ用ガス噴出孔)を有している。ガス噴出孔43はベースフランジ4Bを貫通している。また、金属製で導電性を有するベースフランジ4Bに接地電位が付与される。
ガス内部流路であるガスバッファ41はガス通過経路35につながっており、ガス中継領域R4を囲んで平面視して環状に形成される。図15及び図16に示すように、ガスバッファ41は断面視して溝が形成される溝構造を有しているため、原料ガス5を一時的に収容することができる。
ガス内部流路となるガスバッファ41とガス中継領域R4との間に複数のガス拡散経路42Bが離散的に設けられる。したがって、複数のガス拡散経路42Bを介してガスバッファ41からガス中継領域R4にかけて原料ガス5が流れる。
図15に示すように、複数のガス拡散経路42Bはガスバッファ41の形成方向(円周方向)に沿って等間隔に離散して設けられる。
ガス拡散経路42Bの形成幅及び形成深さを十分小さく設定することにより、ガス拡散経路42と同様、ガス拡散経路42Bにオリフィス機能を持たせることができる。
図16に示すように、ベースフランジ4Bにおいて、ガス供給口34から入った原料ガス5はガス通過経路35を通過する。その後、一周囲うよう平面視して円環状に形成された溝であるガスバッファ41の全周全てに原料ガス5は供給される。
そして、ガスバッファ41に一時的に滞留された原料ガス5は、複数のガス拡散経路42Bを経由してガス中継領域R4に流れる。この時、複数のガス拡散経路42Bをオリフィス的な小さい溝として形成することで、ガス拡散経路42Bの上流側と下流側とで圧力差を生じさせ、その圧力差故にガスバッファ41に全周に渡って均等にガスが供給されることが可能となる。この際、上流側と下流側とで圧力差は、少なくとも70Pa以上あることが望ましい。
ここで、環状のガスバッファ41の中心位置を仮想中心点PCとする。仮想中心点PCはガス噴出孔43の中心点ともなる。さらに、図17に示すように、各ガス拡散経路42Bのガスバッファ41との接続位置P41から仮想中心点PCに向かう線を仮想中心線LCとする。
実施の形態2において、複数のガス拡散経路42Bそれぞれの拡散経路形成方向D42は、仮想中心線LCに対する経路角度θ42が、30゜~60゜の範囲に設定されることを特徴としている。なお、経路角度θ42は複数のガス拡散経路42B間で同一角度に設定することが望ましい。
実施の形態2の活性ガス生成装置100Bは上記特徴を有することにより、複数のガス拡散経路42Bそれぞれからガス中継領域R4に供給される原料ガス5は渦巻き状となり、ガス中継領域R4内で偏りを生じさせることなく原料ガス5を均等に放電空間6に供給することができる。
その結果、実施の形態2の活性ガス生成装置100Bは、より高い生成効率で活性ガス52を生成することができる。
以下、上記効果について詳述する。図6に示す実施の形態1のガス拡散経路42のように、仮想中心点PCに向かう方向を拡散経路形成方向としたガス拡散経路42を設けた場合、すなわち、仮想中心線LCに対する拡散経路形成方向の経路角度が0゜の場合、ガス拡散経路42からガス中継領域R4に原料ガス5が供給される際、原料ガス5のガスの流れにムラが生じてしまう。
このムラが放電空間6までに解消されない場合、放電空間6において活性ガス52の生成効率が劣化する恐れがある。
一方、図15及び図17に示すガス拡散経路42B、仮想中心線LCに対して45°±15゜の範囲で経路角度θ42が設定されているため、原料ガス5の流れが渦流状態となり放電空間6へより均等となって流れるため、原料ガス5のガスの流れにムラが生じることはない。
なお、経路角度θ42は45゜の場合、原料ガス5のガスの流れにムラが生じる可能性を最小限にすることが期待される。
また、実施の形態2の活性ガス生成装置100Bは、実施の形態1と同様、少なくとも冷却板9、電極押え部材8及び高電圧印加電極部1によって、筐体内空間33と放電空間6との間におけるガスの流れを分離するガス分離構造を有している。
実施の形態2の活性ガス生成装置100Bは上記ガス分離構造を有することにより、実施の形態1と同様、不純物を含まない良質な活性ガス52を噴出することができる。
さらに、活性ガス生成装置100Bは、実施の形態1と同様、絶縁板7及び冷却板9を備えるため、活性ガス52の生成量を増加させることができる。
加えて、活性ガス生成装置100Bのベースフランジ4Bは、実施の形態1と同様の特徴を有するガスバッファ41を備えている。
このため、活性ガス生成装置100Bは、複数のガス拡散経路42B及びガス中継領域R4を介して、渦流にした偏りのない原料ガス5を放電空間6に供給することができるため、高い生成効率で活性ガス52を生成することができる。
また、互いに離散配置された複数のガス拡散経路42Bは、ガスバッファ41の形成方向に沿って均等間隔に設けられているため、実施の形態1と同様、ガス噴出孔23及びガス噴出孔43を介して所定の生成量の活性ガスを安定性良く外部に出力することができる。
<実施の形態3>
(実施の形態1の第1の課題)
実施の形態1である活性ガス生成装置100において、放電空間6とガス噴出孔23とが比較的短い距離を隔てて配置されている。このため、ガス噴出孔23とベースフランジ4との間で絶縁破壊が生じ、ベースフランジ4を構成する元素が気化し、汚染源となるという第1の課題があった。なぜなら、電極用誘電体膜11及び21の構成材料であるセラミックと比較して、ベースフランジ4の構成材料である金属は、放電にさらされると容易に元素が気化するからである。
上述した実施の形態1における第1の課題の解消を目的としたのが以下で述べる実施の形態3の活性ガス生成装置100Cである。
(全体構成)
図18は本開示の実施の形態3である活性ガス生成装置の全体構成を示す説明図である。図18にXYZ直交座標系を記している。実施の形態3の活性ガス生成装置100Cは、放電空間6Cに供給された原料ガス5を活性化して得られる活性ガス52を生成する活性ガス生成装置である。
活性ガス生成装置100Cは、金属筐体3、ベースフランジ4、高電圧印加電極部1C、接地電位電極部2C、絶縁板7C、電極押え部材8、冷却板9及び補助用金属電極12を主要構成部として含んでいる。
ベースフランジ4は断面構造が凹状であり、中央底面領域48と、中央底面領域48の外周に沿って設けられ高さ方向(+Z方向)に突出した周辺突出部46を有している。そして、ベースフランジ4は接地電位に設定される。
金属筐体3は、下方に開口部を有する金属製の筐体である。金属筐体3は主として冷却板9を収容する筐体内空間33を有している。
金属筐体3は金属製のベースフランジ4を底面とする態様でベースフランジ4に固定される。具体的には、金属筐体3はベースフランジ4の周辺突出部46上に固定される。したがって、金属筐体3の開口部がベースフランジ4によって遮蔽され、金属筐体3及びベースフランジ4によって筐体内空間33を含む遮蔽空間が形成される。さらに、金属筐体3はベースフランジ4を介して接地電位に設定される。
活性ガス生成装置100Cにおける筐体内空間33の底面部として冷却板9が配置される。具体的には、ベースフランジ4の周辺突出部46の上面に冷却板9の周辺端部が接触する態様で、ベースフランジ4の周辺突出部46の上面上に冷却板9が配置される。この際、冷却板9は金属筐体3と接触しないように配置される。冷却板9は金属製で導電性を有する導電性構造体である。
一方、ベースフランジ4の中央底面領域48上に第2の電極構成部である接地電位電極部2Cが配置される。接地電位電極部2Cは、第2の電極用誘電体膜である電極用誘電体膜21と、電極用誘電体膜21の下面上に形成される第2の金属電極である金属電極20Cとを主要構成部として有している。したがって、中央底面領域48に金属電極20Cが接触する態様で接地電位電極部2Cが中央底面領域48上に載置される。
第1の電極構成部である高電圧印加電極部1Cと、第2の電極構成部である接地電位電極部2Cとの組合せにより内部に放電空間6Cを有する電極対が構成され、接地電位電極部2Cは高電圧印加電極部1Cの下方に設けられる。
高電圧印加電極部1Cは、第1の電極用誘電体膜である電極用誘電体膜11と、電極用誘電体膜11の上面上に形成される第1の金属電極である金属電極10Cとを主要構成部として有している。
金属電極10Cと金属電極20Cとの間に高周波電源50から交流電圧が印加される。具体的には、金属電極10Cには高周波電源50から交流電圧が印加され、金属電極20Cはベースフランジ4を介して接地電位に設定される。
電極用誘電体膜11と電極用誘電体膜21とが対向する誘電体空間となる閉鎖空間内において、金属電極10C及び20Cが平面視重複する領域を含んで放電空間6Cが設けられる。
電極用誘電体膜21は、活性ガス52をベースフランジ4のガス噴出孔43を介して下方(後段)の処理空間63に噴出するための、ガス噴出孔23を有している。したがって、放電空間6Cからガス噴出孔23に至る経路が活性ガス流通経路として規定される。
さらに、電極用誘電体膜11の上面上に第3の金属電極となる補助用金属電極12が設けられる。補助用金属電極12は、金属電極10Cと独立して設けられる。このため、補助用金属電極12は金属電極10との間で電気的接続関係を有さない。
補助用金属電極12は、平面視して上記活性ガス流通経路の一部と重複するように設けられる。さらに、補助用金属電極12は、後に詳述するように接地電位に設定される。
ベースフランジ4の中央底面領域48の中央部分において、金属電極20Cを介することなく電極用誘電体膜21のガス噴出孔23に対応する位置にガス噴出孔43(ベースフランジ用ガス噴出孔)が設けられる。
前述したように、ベースフランジ4の周辺突出部46上に冷却板9が固定されている。冷却板9の下面上に絶縁板7Cが設けられ、高電圧印加電極部1Cは金属電極10Cの上面が絶縁板7Cの下面に接触するように配置される。
冷却板9の下面に電極支持部材となる電極押え部材8が設けられる。電極押え部材8は絶縁板7C及び高電圧印加電極部1Cの外周領域に設けられる。実施の形態3において、絶縁板7C、高電圧印加電極部1C及び補助用金属電極12の組合せ構造を「上部電極群」と略称する場合がある。
電極押え部材8は、下方の一部が内側(上部電極群の形成方向)に突出する押圧用突出部8aを有している。この押圧用突出部8aは、上面が電極用誘電体膜11の下面に接触する態様で水平方向(XY平面)に沿って内側に突出して設けられる。
電極押え部材8の押圧用突出部8aと冷却板9とによって、上部電極群を挟み込むことにより、冷却板9の下面上に上部電極群を固定している。
したがって、電極押え部材8は、高電圧印加電極部1Cを下方から支持するように、冷却板9の下面上に設けられる電極支持部材として機能する。
このように、電極押え部材8は、押圧用突出部8aと冷却板9との間に上部電極群を挟み込む態様で、冷却板9の下面に取り付けられる。なお、実施の形態1と同様、電極押え部材8の冷却板9への取り付けにステンレス製のボルトが用いられる。
絶縁材である板状の絶縁板7Cは、冷却板9と高電圧印加電極部1C及び補助用金属電極12との間に設けられ、上面が冷却板9の下面に接触し、かつ、下面が高電圧印加電極部1Cの金属電極10Cと接触する。
したがって、冷却板9は、絶縁板7Cを介することにより、高電圧印加電極部1Cと接触することなく、高電圧印加電極部1Cの上方に位置することになる。
このように、活性ガス生成装置100Cでは、高電圧印加電極部1Cは接地電位電極部2Cの上にスペーサを介して載せるのではなく、上方の冷却板9に取り付けられているという、取り付け特徴を有している。
活性ガス生成装置100Cは上記取り付け特徴を有することにより、冷却板9の高さ方向の位置決めが、ベースフランジ4の周辺突出部46との接触面のみで決定することができる。すなわち、ベースフランジ4の周辺突出部46の上面の形成高さのみによって、冷却板9の高さ方向を位置決めすることができる。
このため、活性ガス生成装置100Cは、冷却板9の形成位置を精度良く設定することにより、冷却板9とベースフランジ4との間のガスリークの遮断や冷却水のリークを完全に防ぐことが可能となる。
絶縁板7Cは、通電穴71に加えて、冷却板9と補助用金属電極12とを電気的に接続するための貫通孔72をさらに有している。貫通孔72は平面視して補助用金属電極12と重複する領域に設けられる。したがって、補助用金属電極12は貫通孔72を介して冷却板9との電気的に接続を比較的簡単に図ることができる。
具体的には、貫通孔72内に、絶縁板7と補助用金属電極12とを電気的に接続するための電気的接続部材を設けることが考えられる。例えば、貫通孔72内に金属製のバネ等、導電性を有するバネ(図示せず)を配置し、バネの上端を冷却板9の下面に接触させ、バネの下端を補助用金属電極12の上面に接触させる。その結果、電気的接続部材であるバネによって、冷却板9と補助用金属電極12との電気的接続を図ることができる。このように、絶縁板7Cの貫通孔72内に導電性を有するバネ等の電気的接続部材を設けることによって、冷却板9と補助用金属電極12とを電気的に接続することができる。
ベースフランジ4は、周辺突出部46の一方側面にガス供給口34及び内部にガス通過経路35を有している。外部から供給される原料ガス5はガス供給口34からガス通過経路35を流れる。
加えて、ベースフランジ4は、中央底面領域48の上方(かつ主として電極押え部材8の下方)に、ガス通過経路35と放電空間6Cとの原料ガス5の中継領域となるガス中継領域R4を有している。
したがって、ガス通過経路35を流れる原料ガス5は、最終的にガス中継領域R4を介して放電空間6Cに供給される。なお、正確には、ガス通過経路35とガス中継領域R4との間に、ガスバッファ41及びガス拡散経路42が存在する。
このように、ベースフランジ4は、外部より原料ガス5を受けるガス供給口34と、原料ガス5を放電空間6Cに供給するためのガス通過経路35とを有している。
上述したガス中継領域R4は、高電圧印加電極部1C(第1の電極構成部)、絶縁板7C(絶縁材)、電極押え部材8及び冷却板9によって筐体内空間33と完全分離されている。
上記完全分離を行うべく、冷却板9とベースフランジ4の接触面、冷却板9と電極押え部材8の接触面、電極押え部材8と高電圧印加電極部1Cの接触面それぞれにOリングによるシールがなされている(各Oリングは図示せず)。
したがって、少なくとも電極押え部材8、冷却板9及び高電圧印加電極部1Cによって、筐体内空間33と放電空間6Cとの間におけるガスの流れが分離されている。
すなわち、ガス中継領域R4を流れる原料ガス5が筐体内空間33に混入することなく、逆に、筐体内空間33に存在する不純物等がガス中継領域R4を介して放電空間6Cに混入することはない。
ベースフランジ4は、周辺突出部46の一方側面に対向する他方側面に、冷却水供給口44を有している。外部から供給される冷却媒体である冷却水は周辺突出部46の内部を流れ冷却水通過口451から冷却板9に供給される。
冷却板9は内部に、冷却水通過口451を介して供給される冷却水を流通させる冷却媒体経路となる冷却水経路90を有している。したがって、冷却板9は、冷却水経路90に冷却水を流すことにより、絶縁板7Cを介して高電圧印加電極部1C(電極用誘電体膜11)を冷却する冷却機能を有している。
このように、ベースフランジ4は、冷却媒体である冷却水を受ける冷却媒体供給口である冷却水供給口44と、冷却水を冷却板9に供給するための冷却媒体通過口である冷却水通過口451とを有している。
以下、上述した構造を有する活性ガス生成装置100Cの取り付け手順を簡単に説明する。
(1) 冷却板9をひっくり返して、冷却板9の上面と下面の関係を逆にする。
(2) 冷却板9の下面上の中央に絶縁板7Cを配置する。
(3) 冷却板9の下面上の中央部に導電性を有するバネ(図18では図示省略)を、絶縁板7Cの貫通孔72を通過させて配置する。
(4) 上記バネ上に補助用金属電極12を配置する。
(5) 絶縁板7C上に高電圧印加電極部1Cを金属電極10C及び電極用誘電体膜11の順で載せる。
(6) 冷却板9の下面上に電極押え部材8を載せ、冷却板9と電極押え部材8との間をボルト締めする。その結果、冷却板9の下面上に上部電極群が取り付けされる。この時、冷却板9,電極押え部材8間、高電圧印加電極部1C,電極押え部材8間がシールされる。
(7) ベースフランジ4の中央底面領域48上に接地電位電極部2Cを載せる。
(8) 上部電極群が取り付けられた冷却板9を元の上下関係に戻す。
(9) ベースフランジ4の周辺突出部46上に冷却板9を載せて、冷却板9,ベースフランジ4間をボルト締めする。この際、冷却板9,ベースフランジ4間のシールがなされる。
このように、取り付け手順(1)~(9)を経て、実施の形態3の活性ガス生成装置100Cを組み立てることができる。なお、手順(3)が可能なように、絶縁板7Cの貫通孔72は、補助用金属電極12と冷却板9を電気的に接続するための上記バネの径より広い形状を呈している。
上述したように組み立てられた活性ガス生成装置100Cにおいて、ベースフランジ4の周辺突出部46の一方側面に設けたガス供給口34から原料ガス5がベースフランジ4内に供給される。
ベースフランジ4の周辺突出部46内において、原料ガス5のガスの流れ51は、ガス通過経路35から後述するガスバッファ41及びガス拡散経路42を経由してガス中継領域R4に向かう。ガスの流れ51は、ガス中継領域R4から高電圧印加電極部1Cと接地電位電極部2Cとの間の放電空間6Cに向かう。放電電力が印加された放電空間6Cに原料ガス5が通過することにより、原料ガス5が活性化され活性ガス52が得られる。活性ガス52は、ガス噴出孔23及びガス噴出孔43を介して下方の処理空間63に供給される。
この際、筐体内空間33は100kPa前後の大気圧近傍から1×10-1Pa~1×10-3Pa程度の高真空までの広い圧力範囲に設定が可能である。特に筐体内空間33を高真空とした場合、筐体内空間33と放電空間6Cとの間で極僅かなリークが発生したとしても、全て筐体内空間33側へのリークの流れとなるため、被処理物への影響は生じない利点がある。
実施の形態3の活性ガス生成装置100Cは、冷却板9、絶縁板7C、電極押え部材8及び高電圧印加電極部1Cによって、筐体内空間33と放電空間6Cとの間におけるガスの流れを分離するガス分離構造を有することを特徴としている。
なお、筐体内空間33と放電空間6Cとのガスの流れの分離は、少なくとも冷却板9、電極押え部材8及び高電圧印加電極部1Cとを設けることにより実現できる。
実施の形態3の活性ガス生成装置100Cは実施の形態1と同様、ガス分離構造を有することにより、筐体内空間33で発生した不純物が放電空間6Cに混入される混入現象を確実に回避することができる。
その結果、実施の形態3の活性ガス生成装置100Cは、実施の形態1と同様、電極用誘電体膜11及び21を損傷させることなく、不純物を含まない良質な活性ガス52を噴出することができる。
さらに、導電性構造体である冷却板9は冷却媒体経路となる冷却水経路90を有し、冷却機能を備えている。冷却板9の冷却機能により、絶縁板7C(絶縁材)を介して高電圧印加電極部1Cを冷却することができる。このため、放電空間6Cを形成する下面を有する電極用誘電体膜11(第1の電極用誘電体膜)に生じる誘電体膜内領域間温度差を最小限に抑えることができる。
したがって、実施の形態3の活性ガス生成装置100Cは、上記誘電体膜内領域間温度差を抑える分、放電空間6Cに印加する放電電力を高くすることできるため、活性ガス52の生成量を増加させることができる。
また、冷却板9と金属電極10Cとの間に絶縁板7Cを設けることにより、実施の形態1と同様、金属電極10Cと冷却板9とが電気的に接続される短絡現象を確実に回避することができる。
(高電圧印加電極部1C)
図19は図18で示した高電圧印加電極部1C及び補助用金属電極12の上面構造を示す平面図であり、図20は高電圧印加電極部1C及び補助用金属電極12の断面構造を示す断面図である。図19のH-H断面が図20となる。図19及び図20それぞれにXYZ直交座標系を記す。
図18~図20に示すように、高電圧印加電極部1Cの電極用誘電体膜11は平面視して円状を呈している。
金属電極10Cは電極用誘電体膜11の上面上に設けられ、中心部に円状の開口部15Cを有する円環状に形成される。金属電極10Cの開口部15Cは、実施の形態1の金属電極10の開口部15よりも径が短い分、金属電極10Cの形成領域は、実施の形態1の金属電極10と比較して広くなっている。
補助用金属電極12は、電極用誘電体膜11の上面上の中心位置に設けられ、小さな円状に形成される。この際、補助用金属電極12と金属電極10Cとの間には開口部15Cが存在しているため、補助用金属電極12と金属電極10Cとは電気的に独立した関係を保っている。
(接地電位電極部2C)
図21は図18で示した接地電位電極部2Cの下面構造を示す平面図であり、図22は接地電位電極部2Cの断面構造を示す断面図である。図21のI-I断面が図22となる。図21及び図22それぞれにXYZ直交座標系を記す。
図18、図21及び図22に示すように、接地電位電極部2Cの電極用誘電体膜21は平面視して円状を呈している。
金属電極20Cは電極用誘電体膜21の下面上に設けられ、中心部に円状の開口部25Cを有する円環状に形成される。金属電極20Cの開口部25Cは、実施の形態1の金属電極20の開口部25よりも径が短い分、金属電極20Cの形成領域は、実施の形態1の金属電極20と比較して広くなっている。
金属電極20Cは平面視して金属電極10Cを全て含むように形成されているため、金属電極20Cと金属電極10Cとが平面視して重複する放電空間6Cは、実質的に金属電極10Cの形成領域によって規定される。
したがって、放電空間6Cは金属電極10Cのように平面視して、ガス噴出孔23を中心として円環状に形成される。放電空間6Cは、実施の形態1の放電空間6と比較して、ガス噴出孔23により近い位置まで延びて形成されているため、放電空間6より広い空間体積を有している。
接地電位電極部2Cは、放電空間6Cで生成された活性ガス52を下方に噴出するためのガス噴出孔23を中心位置に有している。ガス噴出孔23は電極用誘電体膜21を貫通して形成される。
図21に示すように、ガス噴出孔23は、平面視して、金属電極20Cと重複することなく、金属電極20Cの開口部25Cの中心位置に設けられる。
したがって、第3の金属電極である補助用金属電極12は、開口部15C内において、平面視してガス噴出孔23と重複する領域に設けられることになる。
加えて、金属電極10Cは、実施の形態1の金属電極10と比較して、平面視してガス噴出孔23との距離の短縮化が図られている。同様に、金属電極20Cは、実施の形態1の金属電極20と比較して、ガス噴出孔23との距離の短縮化が図られている。
したがって、実施の形態3の活性ガス生成装置100Cにおいて、放電空間6Cが放電空間6よりガス噴出孔23の近くまで延びて形成されている分、放電空間6Cからガス噴出孔23に至る活性ガス流通経路の距離である活性ガス流通距離が短くなっている。
また、ガス噴出孔23の孔径を十分小さく設定することにより、実施の形態1と同様、ガス噴出孔23にオリフィス機能を持たせることができる。
(ベースフランジ4)
ベースフランジ4の構造は、図6~図8で示した実施の形態1のベースフランジ4と同様である。
(絶縁板7C)
図23は図18で示した絶縁板7Cの平面構造を示す平面図であり、図24は絶縁板7Cの断面構造を示す断面図である。図23のJ-J断面が図24となる。図23及び図24それぞれにXYZ直交座標系を記す。
図23に示すように、絶縁材である絶縁板7Cは平面視して円状に形成されており、一部に絶縁板7Cを貫通する通電穴71及び貫通孔72を有している。通電穴71は高周波電源50から金属電極10Cに交流電圧を印加する電線の通過口となっている。
平面視して円状の貫通孔72は、絶縁板7Cの中心を貫通して設けられ、上述したように、内部に導電性を有するバネ等の電気的接続部材を配置するために設けられる。前述したように、貫通孔72の径は、補助用金属電極12と冷却板9とを電気的に接続するためのバネの径よりも長くなるように設定される。
絶縁板7Cは、アルミナやシェイパル、窒化アルミ等の絶縁体で形成されている。絶縁板7Cは高電圧印加電極部1Cの金属電極10Cと密着することにより、高電圧印加電極部1Cに生じた放電熱が冷却板9へと除去される構造となっている。
実施の形態1と同様、絶縁板7Cは平面視して冷却板9の冷却媒体経路である冷却水経路90と重複する領域を有している。
(電極押え部材8)
電極押え部材8の構造は、図11及び図12で示した実施の形態1の電極押え部材8と同様である。
(冷却板9)
導電性構造体である冷却板9の構造は、図13及び図14で示した実施の形態1の冷却板9と同様である。
(効果)
実施の形態3の活性ガス生成装置100Cは、上述した実施の形態1と同様な効果に加え、以下の効果を奏する。
実施の形態3の活性ガス生成装置100Cは、接地電位に設定された補助用金属電極12を有している。このため、補助用金属電極12の周辺の電位が低下する。補助用金属電極12は活性ガス流通経路に近接しているため、活性ガス流通経路の電位を低下させることができる。
したがって、活性ガス生成装置100Cは、上記活性ガス流通経路における電界強度を緩和することができるため、放電空間6Cとガス噴出孔23との距離が短い場合でも、ベースフランジ4に絶縁破壊が発生することはない。
その結果、実施の形態3の活性ガス生成装置100Cは、ガス噴出孔23やガス噴出孔43の配置及び構造を変更することなく、ガス噴出孔43の下方に設けられる処理空間63の電界強度を意図的に弱めることができる。
以下、実施の形態3の活性ガス生成装置100Cにおける上記効果について詳述する。前述したように、活性ガス生成装置100Cは以下の特徴(1)及び(2)を有している。
(1) 補助用金属電極12は平面視して上記活性ガス流通経路の一部と重複するように設けられる。
(2) 補助用金属電極12は接地電位に設定されている。
実施の形態3の活性ガス生成装置100Cは、上記特徴(1)及び特徴(2)を有することにより、接地電位に設定された第3の金属電極である補助用金属電極12によって、上記活性ガス流通経路における電界強度を緩和することができる。
その結果、実施の形態3の活性ガス生成装置100Cは、オリフィス部となるガス噴出孔23やガス噴出孔43の構造を変更することなく、ガス噴出孔43の下方に設けられる処理空間63の電界強度を意図的に弱めることができるという主要効果を奏する。さらに、上記主要効果に伴い、以下の第1~第4の副次的効果を得ることができる。
第1の副次的効果:処理空間63での異常放電の発生が抑制され、処理空間63内でのメタルコンタミネーションの発生を抑制し、処理空間63におけるウェハ等の処理対象物へのダメージの低減化を図ることができる。
第2の副次的効果:活性ガス流通経路の距離である活性ガス流通距離がより短くなるように金属電極10C及び20Cを配置することができる。
その結果、実施の形態3の活性ガス生成装置100Cは、処理空間63での電界強度を高めることなく効率的に活性ガス52を処理空間63に供給することができる。さらに、上記活性ガス流通距離を短くする分、活性ガス生成装置100Cの小型化を図ることができる。
なお、上記活性ガス流通距離を短くする方法として、実施の形態3では、金属電極10Cにおける開口部15Cの径を短くして金属電極10Cの内周部をより中心に近づける構造を採用している。
第3の副次的効果:オリフィス部となるガス噴出孔23やガス噴出孔43の形成長さの短縮化を図ることができる。
その結果、実施の形態3の活性ガス生成装置100Cは、処理空間63での電界強度を高めることなく、効率的に活性ガス52を処理空間63に供給することができる。さらに、ガス噴出孔23やガス噴出孔43の形成長さを短縮する分、活性ガス生成装置100Cの小型化を図ることができる。
第4の副次的効果:高周波電源50より印加する交流電圧をより高電圧にすることができる。その結果、実施の形態3の活性ガス生成装置100Cは、処理空間63での電界強度を高めることなく、大容量な活性ガス52を処理空間63に供給することができる。
加えて、実施の形態3の活性ガス生成装置100Cは上記ガス分離構造を有することにより、金属電極10C及び補助用金属電極12それぞれの電極用誘電体膜11の上面への密着度を高める必要性が低い。なぜなら、バルク金属で構成される金属電極10Cの下面にゆがみ等が発生し、金属電極10Cの下面と電極用誘電体膜11の上面との間に微小空間が生じても、この微小空間に放電現象が生じることはないからである。
補助用金属電極12にバルク金属を用いる場合、補助用金属電極12は、上述した取り付け手順の手順(3)のように、電気的接続手段となるバネ上に補助用金属電極12を配置する処理を比較的簡単に実行することができる。
同様に金属電極10Cにバルク金属を用いる場合、金属電極10Cは、上述した取り付け手順の手順(5)のように、絶縁板7C上に金属電極10Cを載せる処理を比較的簡単に実行することができる。
このように、金属電極10C及び補助用金属電極12として製造が比較的容易なバルク金属を用いることができる分、活性ガス生成装置100Cの製造工程の簡略化を図ることができる。
さらに、実施の形態3では、活性ガス流通経路の活性ガス流通距離を比較的短く設定している。
このため、実施の形態3の活性ガス生成装置100Cは、活性ガス流通経路の空間体積を、実施の形態1における活性ガス流通経路の空間体積より小さくすることにより、活性ガスが時間的に減衰(消失)して失活する現象を効果的に抑制することができる。
さらに、実施の形態3の活性ガス生成装置100Cにおいて、冷却板9と金属電極10Cとの間に絶縁板7Cを設けることにより、金属電極10Cと冷却板9とが電気的に接続される短絡現象を確実に回避することができる。
実施の形態3の活性ガス生成装置100Cにおいて、補助用金属電極12は、絶縁板7Cの貫通孔72を介して導電性構造体である冷却板9と電気的に接続されるため、ベースフランジ4及び冷却板9を介して、補助用金属電極12を安定良く接地電位に設定することができる。
具体的には、上述したように、貫通孔72内に導電性を有するバネを設け、補助用金属電極12と冷却板9との電気的接続を図ることにより、バネ、冷却板9及びベースフランジ4を介して補助用金属電極12を接地電位に設定することができる。上述したバネが電気的接続部材となる。
実施の形態3の活性ガス生成装置100Cにおいて、円状の補助用金属電極12は金属電極10Cの開口部15C内において、平面視してガス噴出孔23と重複する領域に設けられている。
すなわち、開口部15Cの中心位置と補助用金属電極12の中心位置が一致するように、補助用金属電極12は配置されている。このため、補助用金属電極12と金属電極10Cの電気的独立を図り、かつ、形状を比較的広く確保することができる。
なぜなら、開口部15Cの中心位置が金属電極10Cの内周部から最も離れた位置となるからである。
その結果、実施の形態3の活性ガス生成装置100Cは、上記活性ガス流通経路における電界強度の緩和効果を最大限に発揮することができる。
<実施の形態4>
(実施の形態1の第2の課題)
実施の形態1である活性ガス生成装置100において、放電空間6とガス噴出孔23との間に活性ガス流通経路が存在している。
活性ガス流通経路の空間体積の大きさに比例して、活性ガスが活性ガス流通経路を通過する時間が長くなるため、活性ガスが時間的に減衰(消失)して失活する現象を完全に抑制することは難しいという第2の課題があった。
上述した実施の形態1の第2の課題を積極的に克服したのが以下で述べる実施の形態4の活性ガス生成装置100Dである。なお、実施の形態3の活性ガス生成装置100Cでは、活性ガス流通距離を短くすることにより第2の課題の解消を図っている。
(全体構成)
図25は本開示の実施の形態4である活性ガス生成装置の全体構成を示す説明図である。図25にXYZ直交座標系を記している。実施の形態4の活性ガス生成装置100Dは、放電空間6に供給された原料ガス5を活性化して得られる活性ガス52を生成する活性ガス生成装置である。
活性ガス生成装置100Dは、金属筐体3、ベースフランジ4、高電圧印加電極部1、接地電位電極部2D、絶縁板7C、電極押え部材8、冷却板9及び補助用金属電極12を主要構成部として含んでいる。
なお、高電圧印加電極部1、金属筐体3、ベースフランジ4、電極押え部材8及び冷却板9は、図1~図3、図6~図8、図13及び図14で示した実施の形態1の活性ガス生成装置100と同様である。したがって、同一符号を付して説明を適宜省略する。
また、絶縁板7C及び補助用金属電極12は、図18、図23及び図24で示した実施の形態3の活性ガス生成装置100Cと同様である。したがって、同一符号を付して説明を適宜省略する。
以下、実施の形態4の活性ガス生成装置100Dの特徴箇所を中心に説明する。
ベースフランジ4の中央底面領域48上に第2の電極構成部である接地電位電極部2Dが配置される。接地電位電極部2Dは、第2の電極用誘電体膜である電極用誘電体膜21Dと、電極用誘電体膜21Dの下面上に形成される第2の金属電極である金属電極20とを主要構成部として有している。したがって、中央底面領域48に金属電極20が接触する態様で接地電位電極部2Dが中央底面領域48上に載置される。
第1の電極構成部である高電圧印加電極部1と、第2の電極構成部である接地電位電極部2Dとの組合せにより内部に放電空間6を有する電極対が構成され、接地電位電極部2Dは高電圧印加電極部1の下方に設けられる。
高電圧印加電極部1は、第1の電極用誘電体膜である電極用誘電体膜11と、電極用誘電体膜11の上面上に形成される第1の金属電極である金属電極10とを主要構成部として有している。
金属電極10と金属電極20との間に高周波電源50から交流電圧が印加される。具体的には、金属電極10には高周波電源50から交流電圧が印加され、金属電極20はベースフランジ4を介して接地電位に設定される。また、補助用金属電極12は、実施の形態3と同様、ベースフランジ4、冷却板9及び絶縁板7Cの貫通孔72内に設けられた電気的接続部材を介して接地電位に設定される。
電極用誘電体膜11と電極用誘電体膜21とが対向する誘電体空間となる閉鎖空間内において、金属電極10及び20が平面視重複する領域を含んで放電空間6が設けられる。
電極用誘電体膜21Dは、活性ガス52をベースフランジ4のガス噴出孔43を介して下方(後段)の処理空間63に噴出するための、ガス噴出孔23Dを有している。したがって、放電空間6からガス噴出孔23Dに至る経路が活性ガス流通経路として規定される。
電極用誘電体膜21Dは、上記活性ガス流通経路の一部を埋めるように、高さ方向に突出する誘電体突出部となる突出部21aを有している。したがって、上記活性ガス流通経路は、突出部21aの上面と電極用誘電体膜11の下面と間の狭い経路に狭小化される。
さらに、実施の形態4の活性ガス生成装置100Dは、実施の形態3と同様、電極用誘電体膜11の上面上に第3の金属電極となる補助用金属電極12を設けている。補助用金属電極12は、金属電極10と独立して形成される。
補助用金属電極12は、平面視して上記活性ガス流通経路の一部と重複するように設けられる。さらに、補助用金属電極12は、実施の形態3と同様に接地電位に設定される。
ベースフランジ4の中央底面領域48の中央部分において、金属電極20を介することなく電極用誘電体膜21Dのガス噴出孔23Dに対応する位置にガス噴出孔43(ベースフランジ用ガス噴出孔)が設けられる。
前述したように、ベースフランジ4の周辺突出部46上に冷却板9が固定されている。冷却板9の下面上に絶縁板7Cが設けられ、高電圧印加電極部1は金属電極10の上面が絶縁板7Cの下面に接触するように配置される。
冷却板9の下面に電極支持部材となる電極押え部材8が設けられる。電極押え部材8は絶縁板7C及び高電圧印加電極部1の外周領域に設けられる。実施の形態4において、絶縁板7C、高電圧印加電極部1及び補助用金属電極12の組合せ構造を「上部電極群」と略称する場合がある。
絶縁材である板状の絶縁板7Cは、冷却板9と高電圧印加電極部1との間に設けられ、上面が冷却板9の下面に接触し、かつ、下面が高電圧印加電極部1の金属電極10の上面に接触する。絶縁板7Cは、実施の形態3と同様、通電穴71に加えて、冷却板9と補助用金属電極12とを電気的に接続するための貫通孔72をさらに有している。
以下、上述した構造を有する活性ガス生成装置100Dの取り付け手順を簡単に説明する。
(1) 冷却板9をひっくり返して、冷却板9の上面と下面の関係を逆にする。
(2) 冷却板9の下面の中央部に金属製で導電性を有するバネ(図25では図示省略)を配置する。
(3) 上記バネ上に補助用金属電極12を配置する。
(4) 冷却板9の下面上に絶縁板7Cを配置する。この際、絶縁板7Cの貫通孔72内を補助用金属電極12が通過し、絶縁板7Cに設けられた貫通孔72内に上記バネが位置するようにする。
(5) 絶縁板7C上に高電圧印加電極部1を金属電極10及び電極用誘電体膜11の順で載せる。
(6) 冷却板9の下面上に電極押え部材8を載せ、冷却板9と電極押え部材8との間をボルト締めする。その結果、冷却板9の下面上に上部電極群が取り付けされる。この時、冷却板9,電極押え部材8間、高電圧印加電極部1,電極押え部材8間がシールされる。
(7) ベースフランジ4の中央底面領域48上に接地電位電極部2Dを載せる。
(8) 上部電極群が取り付けられた冷却板9を元の上下関係に戻す。
(9) ベースフランジ4の周辺突出部46上に冷却板9を載せて、冷却板9,ベースフランジ4間をボルト締めする。この際、冷却板9,ベースフランジ4間のシールがなされる。
このように、取り付け手順(1)~(9)を経て、実施の形態4の活性ガス生成装置100Dを組み立てることができる。
実施の形態4の活性ガス生成装置100Dは、冷却板9、絶縁板7C、電極押え部材8及び高電圧印加電極部1によって、筐体内空間33と放電空間6との間におけるガスの流れを分離するガス分離構造を有することを特徴としている。
実施の形態4の活性ガス生成装置100Dは実施の形態1と同様、ガス分離構造を有することにより、電極用誘電体膜11及び21Dを損傷させることなく、不純物を含まない良質な活性ガス52を噴出することができる。
(高電圧印加電極部1)
図26は図25で示した高電圧印加電極部1及び補助用金属電極12の上面構造を示す平面図であり、図27は高電圧印加電極部1及び補助用金属電極12の断面構造を示す断面図である。図26のK-K断面が図27となる。図26及び図27それぞれにXYZ直交座標系を記す。
図25~図27に示すように、高電圧印加電極部1の電極用誘電体膜11は平面視して円状を呈している。
金属電極10は電極用誘電体膜11の上面上に設けられ、実施の形態1と同様、中心部に円状の開口部15を有する円環状に形成される。
補助用金属電極12は、電極用誘電体膜11の上面上の中心位置に設けられ、小さな円状に形成される。この際、補助用金属電極12と金属電極10との間には開口部15が存在しているため、補助用金属電極12と金属電極10とは電気的に独立した関係を保っている。
(接地電位電極部2D)
図28は図25で示した接地電位電極部2Dの下面構造を示す平面図であり、図29は接地電位電極部2Dの断面構造を示す断面図である。図28のL-L断面が図29となる。図28及び図29それぞれにXYZ直交座標系を記す。
図25、図28及び図29に示すように、接地電位電極部2Dの電極用誘電体膜21Dは平面視して円状を呈している。
金属電極20は電極用誘電体膜21Dの下面上に設けられ、実施の形態1と同様、中心部に円状の開口部25を有する円環状に形成される。
金属電極20は平面視して金属電極10を全て含むように形成されているため、金属電極20と金属電極10とが平面視して重複する放電空間6は、実質的に金属電極10の形成領域によって規定される。したがって、放電空間6は金属電極10のように平面視して、ガス噴出孔23Dを中心として円環状に形成される。
図29に示すように、電極用誘電体膜21Dは、平面視して金属電極20の開口部25に対応する領域において、上記活性ガス流通経路の一部を埋めるように、高さ方向(+Z方向)に突出する突出部21aを有している。
図29に示すように、電極用誘電体膜21Dにおいて、突出部21aが形成されている領域を突出部形成領域RTとし、突出部形成領域RTを除く領域を誘電体膜主要領域RMとする。さらに、突出部21aにおいて、誘電体膜主要領域RMの上面から高さ方向(+Z方向)に突出した長さを、突出部21aの突出長とする。
突出部21aの突出長は、電極用誘電体膜11の下面と電極用誘電体膜21Dにおける誘電体膜主要領域RMの上面との間の距離(ギャップ長)よりも少し短く設定される。このため、この突出部21aの上面と高電圧印加電極部1の電極用誘電体膜11の下面との間に少し隙間(以下、「活性ガス流通用隙間」と略記する場合あり)が設けられる。
このように、実施の形態4の活性ガス生成装置100Dにおいて、電極用誘電体膜21Dの突出部21aは、上記誘電体空間内において、上記活性ガス流通経路の一部を埋めて、上記活性ガス流通経路の少なくとも一部を狭小な上記活性ガス流通用隙間に制限している。
すなわち、突出部21aは、誘電体空間内において、放電空間6とガス噴出孔23との間に、活性ガス流通経路の一部を埋めるように設けられる活性ガス用補助構造として機能する。
接地電位電極部2Dは、放電空間6で生成された活性ガス52を下方に噴出するためのガス噴出孔23Dを中心位置に有している。ガス噴出孔23Dは電極用誘電体膜21Dにおける突出部21aを貫通して形成される。ガス噴出孔23Dは突出部21aを貫通して形成されているため、実施の形態1のガス噴出孔23に比べて長い形成長を有している。
図28に示すように、ガス噴出孔23Dは、平面視して、金属電極20と重複することなく、金属電極20の開口部25の中心位置に設けられる。
したがって、第3の金属電極である補助用金属電極12は、開口部15内において、平面視してガス噴出孔23Dと重複する領域に設けられることになる。
また、ガス噴出孔23Dの孔径を十分小さく設定することにより、実施の形態1と同様、ガス噴出孔23Dにオリフィス機能を持たせることができる。
(ベースフランジ4)
ベースフランジ4の構造は、図6~図8で示した実施の形態1のベースフランジ4と同様である。
(絶縁板7C)
絶縁板7Cの構造は、図23及ぶ図24で示した実施の形態3の絶縁板7Cと同様である。
したがって、絶縁板7Cは通電穴71及び貫通孔72を有している。そして、貫通孔72は、絶縁板7Cの中心を貫通して設けられ、内部に導電性を有するバネ等の電気的接続部材を配置するために設けられる。
(電極押え部材8)
電極押え部材8の構造は、図11及び図12で示した実施の形態1の電極押え部材8と同様である。
(冷却板9)
導電性構造体である冷却板9の構造は、図13及び図14で示した実施の形態1の冷却板9と同様である。
(効果)
実施の形態4の活性ガス生成装置100Dは、実施の形態3と同様、接地電位に設定された補助用金属電極12を有している。このため、実施の形態4の活性ガス生成装置100Dは、ガス噴出孔23Dやガス噴出孔43の配置及び構造を変更することなく、ガス噴出孔43の下方に設けられる処理空間63の電界強度を意図的に弱めることができる。
加えて、実施の形態4の活性ガス生成装置100Dは、上記ガス分離構造を有することにより、実施の形態3と同様、金属電極10及び補助用金属電極12として製造が比較的容易なバルク金属を用いることができる分、製造工程の簡略化を図ることができる。
実施の形態4の活性ガス生成装置100Dにおいて、補助用金属電極12は、絶縁板7Cの貫通孔72を介して導電性構造体である冷却板9と電気的に接続されるため、実施の形態3と同様、補助用金属電極12を安定良く接地電位に設定することができる。
実施の形態4の活性ガス生成装置100Dにおいて、円状の補助用金属電極12は金属電極10の開口部15内において、平面視してガス噴出孔23Dと重複する領域に設けられている。このため、補助用金属電極12、金属電極10の電気的独立を図り、かつ、形状を比較的広く確保することができる。
その結果、実施の形態4の活性ガス生成装置100Dは、実施の形態3と同様、上記活性ガス流通経路における電界強度の緩和効果を最大限に発揮することができる。
さらに、実施の形態4の活性ガス生成装置100Dにおける電極用誘電体膜21Dは、固有の特徴として誘電体突出部である突出部21aを有している。この突出部21aは、上記活性ガス流通経路の一部を埋める活性ガス用補助構造として機能する。
したがって、実施の形態4の活性ガス生成装置100Dは、上記活性ガス流通経路の一部を突出部21aで埋める分、上記活性ガス流通経路における空間体積を狭くして、活性ガスが上記活性ガス流通経路を通過する時間を、活性ガスが失活しない程度に十分短くすることができる。
その結果、実施の形態4の活性ガス生成装置100Dは、活性ガスの失活量を必要最小限に抑えることができる効果を奏する。
さらに、実施の形態4では、突出部21aを電極用誘電体膜21Dの一部として形成しているため、構成要素を増加させることなく、活性ガス用補助構造を実現している。
このため、実施の形態3と実質的に同じ取り付け手順で、実施の形態4の活性ガス生成装置100Dを製造することができる。したがって、実施の形態4の活性ガス生成装置100Dは、製造工程を複雑化することなく、活性ガスの失活量を必要最小限に抑えることができる。
さらに、突出部21aの上面上に形成される上記活性ガス流通用隙間を十分狭くして、すなわち、上記原料ガス流通用隙間の高さ方向(Z方向)における長さを十分短くことにより、上記活性ガス流通用隙間にオリフィス機能を持たせることができる。上記活性ガス流通用隙間にオリフィス機能を持たせることにより、活性ガス生成装置100Dの後段(下方)の処理空間63と放電空間6との間に圧力差を持たせ、処理空間63の圧力を十分低くすることができる。
この際、処理空間63は、十分低い電界強度に設定されているため、比較的低い圧力環境下の処理空間63においても絶縁破壊を防止することができる。
<その他>
なお、上述した実施の形態では、冷却水経路90に供給する冷却媒体として水を示したが、他にガルデン等の冷却媒体を用いてもよい。
また、実施の形態4では、電極用誘電体膜21Dの一部として突出部21aを設けたが、電極用誘電体膜21と異なる別部材として誘電体補助部材を用いても良い。例えば、突出部21aを有しない電極用誘電体膜21の上面において、平面視して開口部15に対応する領域上に誘電体補助部材を配置する変形例が考えられる。
変形例において、誘電体補助部材の膜厚は、電極用誘電体膜11及び21間の距離(ギャップ長)よりも短く設定される。したがって、誘電体補助部材の上面と高電圧印加電極部1の電極用誘電体膜11の下面との間に上記活性ガス流通用隙間が設けられる。
このように、電極用誘電体膜21の上面上に誘電体補助部材を設けることにより、誘電体空間内において、放電空間6とガス噴出孔23との間に、上記活性ガス流通経路の一部を埋めて、上記活性ガス流通用隙間に制限することができる。
その結果、誘電体補助部材は、突出部21aと同様、誘電体空間内において、放電空間6とガス噴出孔23との間に、活性ガス流通経路の一部を埋めるように設けられる活性ガス用補助構造として機能する。
ただし、誘電体補助部材は電極用誘電体膜21と別部材であるため、構成要素が増加することになる。このため、変形例では、構成要素が増加する分、図25~図29で示した実施の形態4と比較して製造工程が複雑化することになる。
本開示は詳細に説明されたが、上記した説明は、すべての局面において、例示であって、本開示がそれに限定されるものではない。例示されていない無数の変形例が、本開示の範囲から外れることなく想定され得るものと解される。
1,1C 高電圧印加電極部
2,2C,2D 接地電位電極部
3 金属筐体
4,4B ベースフランジ
5 原料ガス
6,6C 放電空間
7,7C 絶縁板
8 電極押え部材
9 冷却板
10,10C,20,20C 金属電極
11,21,21D 電極用誘電体膜
12 補助用金属電極
21a 突出部
23,23D,43 ガス噴出孔
34 ガス供給口
35 ガス通過経路
41 ガスバッファ
42,42B ガス拡散経路
44 冷却水供給口
50 高周波電源
52 活性ガス
72 貫通孔
90 冷却水経路
451,452 冷却水通過口
R4 ガス中継領域

Claims (6)

  1. 放電空間に供給された原料ガスを活性化して得られる活性ガスを生成する活性ガス生成装置であって、
    第1の電極構成部と
    前記第1の電極構成部の下方に設けられる第2の電極構成部とを備え、
    前記第1の電極構成部は、第1の電極用誘電体膜と前記第1の電極用誘電体膜の上面上に形成される第1の金属電極とを有し、前記第2の電極構成部は、第2の電極用誘電体膜と前記第2の電極用誘電体膜の下面上に形成される第2の金属電極とを有し、前記第1の金属電極に交流電圧が印加され、前記第2の金属電極が接地電位に設定され、前記第1及び第2の電極用誘電体膜が対向する誘電体空間内において、前記第1及び第2の金属電極が平面視して重複する領域を前記放電空間として含み、
    前記第2の電極用誘電体膜は、前記活性ガスを下方に噴出するためのガス噴出孔を有し、前記放電空間から前記ガス噴出孔に至る経路が活性ガス流通経路として規定され、
    前記活性ガス生成装置は、
    導電性を有し、断面構造が凹状であり、中央底面領域と、前記中央底面領域の外周に沿って設けられ高さ方向に突出した周辺突出部とを有するベースフランジをさらに備え、前記第2の電極構成部は前記中央底面領域上に前記第2の金属電極が接触する態様で設けられ、
    前記活性ガス生成装置は、
    前記ベースフランジの前記周辺突出部上に設けられ、前記第1の電極構成部と接触することなく、前記第1の電極構成部の上方に位置し、導電性を有する導電性構造体と、
    前記導電性構造体と前記第1の電極構成部との間に設けられ、上面が前記導電性構造体の下面に接触し、かつ、下面が前記第1の金属電極の上面に接触する絶縁材と、
    前記第1の電極構成部を下方から支持するように、前記導電性構造体の下面上に設けられる電極支持部材と、
    前記ベースフランジの前記周辺突出部上に設けられ、前記導電性構造体を収容する筐体内空間を有する金属製の筐体とをさらに備え、
    前記ベースフランジは、
    外部より前記原料ガスを受けるガス供給口と、
    前記原料ガスを前記放電空間に供給するためのガス通過経路と、
    前記ガス噴出孔から噴出される前記活性ガスを下方に噴出するためのベースフランジ用ガス噴出孔とを有し、
    前記ベースフランジには接地電位が付与され、
    前記導電性構造体、前記電極支持部材及び前記第1の電極構成部によって、前記筐体内空間と前記放電空間との間におけるガスの流れが分離されるガス分離構造が設けられ、
    前記活性ガス生成装置は、
    前記第1の電極用誘電体膜の上面上に前記第1の金属電極と独立して設けられる第3の金属電極をさらに有し、
    前記第3の金属電極は、平面視して前記活性ガス流通経路の一部と重複するように設けられ、かつ、接地電位に設定されることを特徴とする、
    活性ガス生成装置。
  2. 請求項1記載の活性ガス生成装置であって、
    前記絶縁材は貫通孔を有し、前記貫通孔は平面視して前記第3の金属電極と重複する領域に設けられ、
    前記第3の金属電極は前記貫通孔を介して前記導電性構造体と電気的に接続される、
    活性ガス生成装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の活性ガス生成装置であって、
    前記第1の金属電極は、平面視して中心に開口部を有する円環状に形成され、
    前記第3の金属電極は平面視して円状に形成され、
    前記第3の金属電極は前記開口部内において、平面視して前記ガス噴出孔と重複する領域に設けられる、
    活性ガス生成装置。
  4. 請求項1から請求項3のうち、いずれか1項に記載の活性ガス生成装置であって、
    前記誘電体空間内において、前記放電空間と前記ガス噴出孔との間に、前記活性ガス流通経路の一部を埋めるように設けられる活性ガス用補助構造をさらに備えることを特徴する、
    活性ガス生成装置。
  5. 請求項4記載の活性ガス生成装置であって、
    前記第2の電極用誘電体膜は、前記活性ガス流通経路の一部を埋めるように、高さ方向に突出した誘電体突出部を有し、
    前記誘電体突出部は、前記活性ガス用補助構造として機能する、
    活性ガス生成装置。
  6. 請求項1から請求項5のうち、いずれか1項に記載の活性ガス生成装置であって、
    前記ベースフランジは、
    外部より冷却媒体を受ける冷却媒体供給口と、
    前記冷却媒体を前記導電性構造体に供給するための冷却媒体通過口とをさらに有し、
    前記導電性構造体は、
    前記冷却媒体通過口を介して供給される前記冷却媒体を内部に流通させる冷却媒体経路を内部に有する、
    活性ガス生成装置。
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