JP7215928B2 - 熱交換器及びボイラ - Google Patents
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Description
燃焼ガスが流れる空間に設けられ、内部に被加熱流体が流れる複数の伝熱管と、
前記複数の伝熱管の少なくとも1個の伝熱管の外周面に設けられ、前記燃焼ガスの流れ方向に対向する円弧状プロテクタと、
を備え、
前記伝熱管の半径をRとし、前記円弧状プロテクタの厚さをhとし、前記伝熱管の周方向において前記円弧状プロテクタが占める角度をθとしたとき、次の(1)式及び(2)式を満たす。
θ<180° (a)
(R+h)sin(θ/2)≦1.15R (b)
前記R、h及びθは次の(c)式を満たす。
(R+h)sin(θ/2)≦R (c)
上記(2)の構成によれば、円弧状プロテクタを含む投影輪郭は、伝熱管の半径Rより大きくならないので、伝熱管の間に形成される燃焼ガス流路を狭めない。そのため、伝熱管の間を流れる燃焼ガスの流速は増加しないので、下流側に配置された伝熱管の摩耗を抑制できると共に、偏流の発生を抑制できる。
前記R、h及びθは次の(d)式を満たす。
0.85R≦(R+h)sin(θ/2) (d)
上記(3)の構成によれば、円弧状プロテクタによる投影輪郭は、伝熱管の半径Rと比べて0.85R以上になるので、実質的に摩耗が多くなると思われる伝熱管の部位を円弧状プロテクタで覆うことができる。従って、伝熱管の摩耗を抑制できる。
前記角度θが30°≦θ/2≦60°を満たし、かつ、前記角度θの角度範囲の中心が前記燃焼ガスの流れ方向上流側に向いている。
上記(4)の構成によれば、燃焼ガス流及び上流側で発生した斜向する偏流が伝熱管に当たり、該偏流によって摩耗が大きくなると思われる伝熱管の外周領域を円弧状プロテクタで覆うことができるので、伝熱管の摩耗を抑制できる。
前記複数の伝熱管は、前記流れ方向と直交する方向に隣接する一対の伝熱管を含み、
前記一対の伝熱管の各々は前記円弧状プロテクタを備える。
上記(5)の構成によれば、一対の伝熱管に夫々円弧状プロテクタを備えるので、該一対の伝熱管の間に形成される燃焼ガス流路の縮小を抑制できる。これによって、該燃焼ガス流路の流速増加を抑制できるため、下流側に配置された伝熱管の摩耗を抑制できると共に、偏流の発生を抑制できる。
前記複数の伝熱管は、
前記流れ方向と直交する方向に沿って複数配置され、かつ、前記流れ方向に沿って1列又は複数列配置されると共に、前記円弧状プロテクタを備えた第1伝熱管群を含み、最上流側列を構成する伝熱管の各々は、前記第1伝熱管群に含まれている。
上記(6)の構成によれば、上記第1伝熱管群を構成する伝熱管の各々は、最上流側列を構成する伝熱管を含め円弧状プロテクタを備えるので、最も摩耗が大きいと思われる最上流側列の伝熱管を含め、各伝熱管の摩耗を抑制できる。また、燃焼ガス流に対して直交方向に列を形成する伝熱管全部が円弧状プロテクタを備えるので、燃焼ガスの流路幅全体で伝熱管の間の燃焼ガスの増速が抑制される。従って、下流側に配置された全部の伝熱管の摩耗を抑制できる。
前記複数の伝熱管は、
前記第1伝熱管群の前記流れ方向下流側に設けられ、前記流れ方向と直交する方向に沿って複数配置され、かつ、前記流れ方向に沿って1列又は複数列配置された第2伝熱管群を含み、
前記第2伝熱管群を構成する複数の伝熱管の各々は、前記円弧状プロテクタを備えていない。
上記(7)の構成によれば、流れ方向上流側に配置された第1伝熱管群を構成する伝熱管が円弧状プロテクタを備えているので、第1伝熱管群の流れ方向下流側に配置され、円弧状プロテクタを備えていない第2伝熱管群の摩耗を抑制できる。
前記円弧状プロテクタは、前記伝熱管の周方向における前記円弧状プロテクタの前記角度θによって規定される範囲の両端に向かって厚さが漸減するように構成される。
上記(8)の構成によれば、円弧状プロテクタを含む投影輪郭をさらに縮小できる。従って、伝熱管の間を流れる燃焼ガスの流速増加をさらに抑制できるため、下流側に配置された伝熱管の摩耗をさらに抑制できると共に、偏流の発生を抑制できる。
前記燃焼ガスが流れる内部空間を有するケーシングと、
前記複数の伝熱管の前記流れ方向上流側で、前記ケーシングの内面から前記内部空間に向けて張り出した偏流防止板と、
を備え、
前記偏流防止板の先端部の前記流れ方向直下の前記伝熱管が前記円弧状プロテクタを備える。
上記(9)の構成によれば、該先端部付近の流れ方向直下に設けられた伝熱管が円弧状プロテクタを備えるため、該伝熱管の摩耗を抑制できる。
前記角度θの角度範囲の中心が前記伝熱管に向かって流れる偏流の流れ方向上流側に向いている。
上記(10)の構成によれば、円弧状プロテクタは伝熱管に向かって斜向きに流れる偏流の流れ方向に対向した伝熱管の外周面に設けられるため、該偏流による伝熱管の摩耗を抑制できる。
前記燃焼ガスが流れる内部空間を有する火炉と、
前記内部空間に設けられ前記(1)~(10)の何れかの構成を有する熱交換器と、
前記火炉において前記熱交換器より前記流れ方向上流側に設けられた燃焼器と、
を備える。
上記(11)の構成によれば、ボイラの火炉内に形成される燃焼ガス流中に設けられた熱交換器を構成する伝熱管は、上記構成の円弧状プロテクタを備えるので、円弧状プロテクタを備える伝熱管の間を流れる燃焼ガスの流速増加を抑制できる。従って、円弧状プロテクタを備える伝熱管の下流側に配置された伝熱管の摩耗を抑制できると共に、偏流の発生を抑制できる。
例えば、「ある方向に」、「ある方向に沿って」、「平行」、「直交」、「中心」、「同心」或いは「同軸」等の相対的或いは絶対的な配置を表す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。
例えば、「同一」、「等しい」及び「均質」等の物事が等しい状態であることを表す表現は、厳密に等しい状態を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の差が存在している状態も表すものとする。
例えば、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。
一方、一つの構成要素を「備える」、「具える」、「具備する」、「含む」、又は「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
θ<180° (a)
(R+h)sin(θ/2)≦1.15R (b)
(b)式を変形すると、次の(b)’式となり、角度θは(b)’式を満たす角度とする。
θ≧2sin-11.15R/(R+h) (b)’
例えば、θ=120°が(b)’式を満たす角度である。
一実施形態では、円弧状プロテクタ14は、伝熱管12の外周面の曲率とほぼ同一の曲率を有する内面を有し、薄板形状の板状体で構成される。これによって、内面全面が伝熱管12の外周面に当接するように配置できるため、燃焼ガスfが伝熱管12と円弧状プロテクタ14との間に流入して周囲に乱流を形成し、燃焼ガスfと伝熱管内部の被加熱流体との熱交換効率が低下するのを抑制できる。
円弧状プロテクタ14の取付け手段として、例えば、円弧状プロテクタ14はUボルトを用いて伝熱管12に装着される。あるいは円弧状プロテクタ14はスポット溶接により伝熱管12に固定される。
(R+h)sin(θ/2)≦R (c)
(c)式を変形すると、次の(c)’式となり、角度θは(c)’式を満たす角度とする。
θ≧2sin-1R/(R+h) (c)’
この実施形態によれば、円弧状プロテクタ14の投影輪郭は、伝熱管12の半径Rと同等以下となるので、燃焼ガス流路に設けられた複数の伝熱管12の間に形成される燃焼ガス流路を狭めない。そのため、伝熱管12の間を流れる燃焼ガスfの流速を増加させないので、下流側に配置された伝熱管12の摩耗を抑制できると共に、偏流fdの発生を抑制できる。
0.85R≦(R+h)sin(θ/2) (d)
(d)式を変形すると、次の(d)’式となり、角度θは(d)’式を満たす角度とする。
θ≧2sin-10.85R/(R+h) (d)’
この実施形態によれば、円弧状プロテクタ14の投影輪郭は、伝熱管12の半径Rと比べて0.85R以上になるので、伝熱管12の摩耗が多くなると思われる部位を円弧状プロテクタ14で実質的に覆うことができるので、伝熱管12の摩耗を抑制できる。
例えば、一実施形態では、両端20(20a)は、燃焼ガスfの流れ方向に沿った平坦面を形成している。別な実施形態では、両端20(20b)は、円弧状プロテクタ14(14a)の両端に向かって厚さが漸減するように構成される。これによって、円弧状プロテクタ14を含む投影輪郭を片方だけでΔRだけ縮小できるので、その分伝熱管12の間を流れる燃焼ガスfの流速増加を抑制できる。従って、下流側に配置された伝熱管12の摩耗をさらに抑制できると共に、偏流fdの発生を抑制できる。
上記構成によれば、ボイラ30に設けられた熱交換器10は、少なくとも一部の伝熱管12に上記構成を有する円弧状プロテクタ14を備えるため、円弧状プロテクタ14を備える伝熱管12の摩耗を抑制できる。
一実施形態では、ボイラ30は石炭焚きボイラで構成され、燃料供給機36は微粉炭機で構成され、燃料供給管38は微粉炭管で構成される。この石炭焚きボイラでは、該微粉炭機から微粉炭管を介して燃焼器34に微粉炭が供給される。
12、102(102a、102b) 伝熱管
14(14a、14b)、104 円弧状プロテクタ
16 ケーシング
18 スペース
20(20a、20b) 両端
22 偏流防止板
22a 先端部
30 ボイラ
32 火炉
34 燃焼器
36 燃料供給機
38 燃料供給管
40 煙道
42 煙突
C 中心線
G1 伝熱管群(第1伝熱管群)
G2 伝熱管群(第2伝熱管群)
O 中心点
f 燃焼ガス
s 内部空間
θ 中心角
Claims (9)
- 燃焼ガスが流れる空間に設けられ、内部に被加熱流体が流れる複数の伝熱管と、
前記複数の伝熱管の少なくとも1個の伝熱管の外周面に設けられ、前記燃焼ガスの流れ方向に対向する円弧状プロテクタと、
を備え、
前記複数の伝熱管は、前記流れ方向と直交する方向に隣接する一対の伝熱管を含み、
前記円弧状プロテクタは、前記一対の伝熱管の各々に対して設けられ、
前記一対の伝熱管の間に形成される前記燃焼ガスのための流路が前記円弧状プロテクタの設置に起因して縮小することがないように、前記伝熱管の半径をRとし、前記円弧状プロテクタの厚さをhとし、前記伝熱管の周方向において前記円弧状プロテクタが占める角度をθとしたとき、次の(1)式及び(2)式を満たす
ことを特徴とする熱交換器。
θ<180° (1)
(R+h)sin(θ/2)≦R (2) - 前記R、h及びθは次の(3)式を満たすことを特徴とする請求項1に記載の熱交換器。
0.85R≦(R+h)sin(θ/2) (3) - 前記角度θが30°≦θ/2≦60°を満たし、かつ、前記角度θの角度範囲の中心が前記燃焼ガスの流れ方向上流側に向いていることを特徴とする請求項1又は2に記載の熱交換器。
- 前記複数の伝熱管は、
前記流れ方向と直交する方向に沿って複数配置され、かつ、前記流れ方向に沿って1列又は複数列配置されると共に、前記円弧状プロテクタを備えた第1伝熱管群を含み、最上流側列を構成する伝熱管の各々は、前記第1伝熱管群に含まれていることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の熱交換器。 - 前記複数の伝熱管は、
前記第1伝熱管群の前記流れ方向下流側に設けられ、前記流れ方向と直交する方向に沿って複数配置され、かつ、前記流れ方向に沿って1列又は複数列配置された第2伝熱管群を含み、
前記第2伝熱管群を構成する複数の伝熱管の各々は、前記円弧状プロテクタを備えていないことを特徴とする請求項4に記載の熱交換器。 - 燃焼ガスが流れる空間に設けられ、内部に被加熱流体が流れる複数の伝熱管と、
前記複数の伝熱管の少なくとも1個の伝熱管の外周面に設けられ、前記燃焼ガスの流れ方向に対向する円弧状プロテクタと、
を備え、
前記伝熱管の半径をRとし、前記円弧状プロテクタの厚さをhとし、前記伝熱管の周方向において前記円弧状プロテクタが占める角度をθとしたとき、次の(a)式及び(b)式を満たすとともに、
前記円弧状プロテクタは、前記伝熱管の周方向における前記円弧状プロテクタの前記角度θによって規定される範囲の両端に向かって厚さが漸減するように構成されることを特徴とする熱交換器。
θ<180° (a)
(R+h)sin(θ/2)≦1.15R (b) - 前記燃焼ガスが流れる内部空間を有するケーシングと、
前記複数の伝熱管の前記流れ方向上流側で、前記ケーシングの内面から前記内部空間へ向けて張り出した偏流防止板と、
を備え、
前記偏流防止板の先端部の前記流れ方向直下の前記伝熱管が前記円弧状プロテクタを備えることを特徴とする請求項1乃至6の何れか一項に記載の熱交換器。 - 前記角度θの角度範囲の中心が前記伝熱管に向かって流れる偏流の流れ方向上流側に向いていることを特徴とする請求項7に記載の熱交換器。
- 前記燃焼ガスが流れる内部空間を有する火炉と、
前記内部空間に設けられ請求項1乃至8の何れか一項に記載の熱交換器と、
前記火炉において前記熱交換器より前記流れ方向上流側に設けられた燃焼器と、
を備えることを特徴とするボイラ。
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JP2019031935A JP7215928B2 (ja) | 2019-02-25 | 2019-02-25 | 熱交換器及びボイラ |
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JP2019031935A JP7215928B2 (ja) | 2019-02-25 | 2019-02-25 | 熱交換器及びボイラ |
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Publication Number | Publication Date |
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JP2020134095A JP2020134095A (ja) | 2020-08-31 |
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2019031935A Active JP7215928B2 (ja) | 2019-02-25 | 2019-02-25 | 熱交換器及びボイラ |
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JP2017150786A (ja) | 2016-02-26 | 2017-08-31 | 三菱日立パワーシステムズ株式会社 | 炉底蒸発管、これを有するボイラ、炉底保護方法及び炉底改修方法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JPH05215302A (ja) * | 1992-01-31 | 1993-08-24 | Mitsubishi Heavy Ind Ltd | 伝熱管プロテクタ |
JPH11118101A (ja) * | 1997-10-20 | 1999-04-30 | Mitsubishi Heavy Ind Ltd | ボイラにおける横置型熱交換器 |
-
2019
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JP2017150786A (ja) | 2016-02-26 | 2017-08-31 | 三菱日立パワーシステムズ株式会社 | 炉底蒸発管、これを有するボイラ、炉底保護方法及び炉底改修方法 |
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