JP7215928B2 - 熱交換器及びボイラ - Google Patents

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Description

本開示は、熱交換器及び該熱交換器を備えたボイラに関する。
石炭焚きボイラなどのボイラにおいては、火炉の内部に形成される燃焼ガス空間、特に下流側ガス空間に設けられた熱交換器の伝熱管では、燃焼ガス中に含まれるフライアッシュによって伝熱管が摩耗し減肉するため、伝熱管に半円弧状のプロテクタを取り付けている。特許文献1及び2には、伝熱管の外周面に設けられた半円弧状(プロテクタが伝熱管の周方向に占める領域に対応する伝熱管の中心角度が180°の円弧)のプロテクタが開示されている。
特開昭60-205108号公報 特開2005-315439号公報
伝熱管の外周面に上記半円弧状のプロテクタを設けると、伝熱管の間のスペースが減少し、伝熱管の間を流れる燃焼ガスの流速が増加する。燃焼ガスの速度増加によってフライアッシュによる伝熱管の摩耗も増加するため、上記プロテクタを備える伝熱管の下流側に設けられた伝熱管の摩耗も増加する。また、燃焼ガスの流路に上記プロテクタを備える伝熱管と上記プロテクタを備えない伝熱管がある場合、上記プロテクタを備える伝熱管の流動抵抗が大きくなるため、上記プロテクタを備えない伝熱管への燃焼ガスの流入量が多くなって燃焼ガス流に対して斜向する偏流が発生する。この偏流により上記プロテクタを備えない伝熱管の摩耗が加速する可能性がある。
本開示に係る一実施形態は、上記問題を解消すること、即ち、摩耗防止用プロテクタを備える伝熱管の下流側に設けられた伝熱管の摩耗増加、及び発生した偏流による伝熱管の摩耗増加を抑制することを目的とする。
(1)一実施形態に係る熱交換器は、
燃焼ガスが流れる空間に設けられ、内部に被加熱流体が流れる複数の伝熱管と、
前記複数の伝熱管の少なくとも1個の伝熱管の外周面に設けられ、前記燃焼ガスの流れ方向に対向する円弧状プロテクタと、
を備え、
前記伝熱管の半径をRとし、前記円弧状プロテクタの厚さをhとし、前記伝熱管の周方向において前記円弧状プロテクタが占める角度をθとしたとき、次の(1)式及び(2)式を満たす。
θ<180° (a)
(R+h)sin(θ/2)≦1.15R (b)
上記(1)の構成によれば、上記構成の円弧状プロテクタを備える伝熱管を燃焼ガスの流れ方向から視認したときの投影輪郭(以下単に「円弧状プロテクタを含む投影輪郭」とも言う。)は、伝熱管の半径Rと比べて1.15R以下に抑えられるため、燃焼ガス流路に設けられた複数の伝熱管の間に形成される燃焼ガス流路は大きく狭められない。従って、伝熱管の間を流れる燃焼ガスの流速増加を抑制できるため、下流側に配置された伝熱管の摩耗を抑制できると共に、偏流の発生を抑制できる。
(2)一実施形態では、前記(1)の構成において、
前記R、h及びθは次の(c)式を満たす。
(R+h)sin(θ/2)≦R (c)
上記(2)の構成によれば、円弧状プロテクタを含む投影輪郭は、伝熱管の半径Rより大きくならないので、伝熱管の間に形成される燃焼ガス流路を狭めない。そのため、伝熱管の間を流れる燃焼ガスの流速は増加しないので、下流側に配置された伝熱管の摩耗を抑制できると共に、偏流の発生を抑制できる。
(3)一実施形態では、前記(1)又は(2)の構成において、
前記R、h及びθは次の(d)式を満たす。
0.85R≦(R+h)sin(θ/2) (d)
上記(3)の構成によれば、円弧状プロテクタによる投影輪郭は、伝熱管の半径Rと比べて0.85R以上になるので、実質的に摩耗が多くなると思われる伝熱管の部位を円弧状プロテクタで覆うことができる。従って、伝熱管の摩耗を抑制できる。
(4)一実施形態では、前記(1)~(3)の何れかの構成において、
前記角度θが30°≦θ/2≦60°を満たし、かつ、前記角度θの角度範囲の中心が前記燃焼ガスの流れ方向上流側に向いている。
上記(4)の構成によれば、燃焼ガス流及び上流側で発生した斜向する偏流が伝熱管に当たり、該偏流によって摩耗が大きくなると思われる伝熱管の外周領域を円弧状プロテクタで覆うことができるので、伝熱管の摩耗を抑制できる。
(5)一実施形態では、前記(1)~(4)の何れかの構成において、
前記複数の伝熱管は、前記流れ方向と直交する方向に隣接する一対の伝熱管を含み、
前記一対の伝熱管の各々は前記円弧状プロテクタを備える。
上記(5)の構成によれば、一対の伝熱管に夫々円弧状プロテクタを備えるので、該一対の伝熱管の間に形成される燃焼ガス流路の縮小を抑制できる。これによって、該燃焼ガス流路の流速増加を抑制できるため、下流側に配置された伝熱管の摩耗を抑制できると共に、偏流の発生を抑制できる。
(6)一実施形態では、前記(1)~(5)の何れかの構成において、
前記複数の伝熱管は、
前記流れ方向と直交する方向に沿って複数配置され、かつ、前記流れ方向に沿って1列又は複数列配置されると共に、前記円弧状プロテクタを備えた第1伝熱管群を含み、最上流側列を構成する伝熱管の各々は、前記第1伝熱管群に含まれている。
上記(6)の構成によれば、上記第1伝熱管群を構成する伝熱管の各々は、最上流側列を構成する伝熱管を含め円弧状プロテクタを備えるので、最も摩耗が大きいと思われる最上流側列の伝熱管を含め、各伝熱管の摩耗を抑制できる。また、燃焼ガス流に対して直交方向に列を形成する伝熱管全部が円弧状プロテクタを備えるので、燃焼ガスの流路幅全体で伝熱管の間の燃焼ガスの増速が抑制される。従って、下流側に配置された全部の伝熱管の摩耗を抑制できる。
(7)一実施形態では、前記(6)の構成において、
前記複数の伝熱管は、
前記第1伝熱管群の前記流れ方向下流側に設けられ、前記流れ方向と直交する方向に沿って複数配置され、かつ、前記流れ方向に沿って1列又は複数列配置された第2伝熱管群を含み、
前記第2伝熱管群を構成する複数の伝熱管の各々は、前記円弧状プロテクタを備えていない。
上記(7)の構成によれば、流れ方向上流側に配置された第1伝熱管群を構成する伝熱管が円弧状プロテクタを備えているので、第1伝熱管群の流れ方向下流側に配置され、円弧状プロテクタを備えていない第2伝熱管群の摩耗を抑制できる。
(8)一実施形態では、前記(1)~(7)の何れかの構成において、
前記円弧状プロテクタは、前記伝熱管の周方向における前記円弧状プロテクタの前記角度θによって規定される範囲の両端に向かって厚さが漸減するように構成される。
上記(8)の構成によれば、円弧状プロテクタを含む投影輪郭をさらに縮小できる。従って、伝熱管の間を流れる燃焼ガスの流速増加をさらに抑制できるため、下流側に配置された伝熱管の摩耗をさらに抑制できると共に、偏流の発生を抑制できる。
(9)一実施形態では、前記(1)~(8)の何れかの構成において、
前記燃焼ガスが流れる内部空間を有するケーシングと、
前記複数の伝熱管の前記流れ方向上流側で、前記ケーシングの内面から前記内部空間に向けて張り出した偏流防止板と、
を備え、
前記偏流防止板の先端部の前記流れ方向直下の前記伝熱管が前記円弧状プロテクタを備える。
伝熱管が配置されていない上記ケーシングの内面付近を流れる燃焼ガスは伝熱管内を流れる被加熱流体との熱交換にあまり寄与しないので、上記偏流防止板によって燃焼ガスの流れを抑制している。しかし、偏流防止板の先端部付近からケーシング内面へ向かう斜向きの偏流が発生し、この偏流によって該先端部付近の流れ方向直下に設けられた伝熱管の摩耗が増加する。
上記(9)の構成によれば、該先端部付近の流れ方向直下に設けられた伝熱管が円弧状プロテクタを備えるため、該伝熱管の摩耗を抑制できる。
(10)一実施形態では、前記(9)の構成において、
前記角度θの角度範囲の中心が前記伝熱管に向かって流れる偏流の流れ方向上流側に向いている。
上記(10)の構成によれば、円弧状プロテクタは伝熱管に向かって斜向きに流れる偏流の流れ方向に対向した伝熱管の外周面に設けられるため、該偏流による伝熱管の摩耗を抑制できる。
(11)一実施形態に係るボイラは、
前記燃焼ガスが流れる内部空間を有する火炉と、
前記内部空間に設けられ前記(1)~(10)の何れかの構成を有する熱交換器と、
前記火炉において前記熱交換器より前記流れ方向上流側に設けられた燃焼器と、
を備える。
上記(11)の構成によれば、ボイラの火炉内に形成される燃焼ガス流中に設けられた熱交換器を構成する伝熱管は、上記構成の円弧状プロテクタを備えるので、円弧状プロテクタを備える伝熱管の間を流れる燃焼ガスの流速増加を抑制できる。従って、円弧状プロテクタを備える伝熱管の下流側に配置された伝熱管の摩耗を抑制できると共に、偏流の発生を抑制できる。
幾つかの実施形態によれば、摩耗防止用プロテクタを備える伝熱管の下流側に設けられた伝熱管の摩耗増加、及び発生した偏流による伝熱管の摩耗増加を抑制できる。
一実施形態に係る熱交換器の断面図である。 一実施形態に係る伝熱管の横断面図である。 一実施形態に係る熱交換器の断面図である。 一実施形態に係る熱交換器の断面図である。 一実施形態に係るボイラの模式的断面図である。 従来の熱交換器の断面図である。
以下、添付図面を参照して、本発明の幾つかの実施形態について説明する。ただし、これらの実施形態に記載されている又は図面に示されている構成部品の寸法、材質、形状及びその相対的配置等は、本発明の範囲をこれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
例えば、「ある方向に」、「ある方向に沿って」、「平行」、「直交」、「中心」、「同心」或いは「同軸」等の相対的或いは絶対的な配置を表す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。
例えば、「同一」、「等しい」及び「均質」等の物事が等しい状態であることを表す表現は、厳密に等しい状態を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の差が存在している状態も表すものとする。
例えば、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。
一方、一つの構成要素を「備える」、「具える」、「具備する」、「含む」、又は「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
図1~図4は、幾つかの実施形態に係る熱交換器10(10A、10B、10C)を示す。熱交換器10(10A~10C)は、燃焼ガスfが流れる空間sに複数の伝熱管12が設けられている。伝熱管12の内部には燃焼ガスfによって加熱される被加熱流体が流れる。複数の伝熱管12のうちの少なくとも1個の外周面に、燃焼ガスfの流れ方向に対向する周方向位置に円弧状プロテクタ14(14a、14b)が設けられる。
図2に示すように、伝熱管12の半径をRとし、円弧状プロテクタ14(14a)の厚さをhとし、伝熱管12の周方向において円弧状プロテクタ14(14a)が占める角度をθとしたとき、次の(a)式及び(b)式を満たす。角度θは、伝熱管12の横断面の中心点Oの回りの角度であって、円弧状プロテクタ14(14a)が占める角度(以下「中心角」とも言う。)である。
θ<180° (a)
(R+h)sin(θ/2)≦1.15R (b)
(b)式を変形すると、次の(b)’式となり、角度θは(b)’式を満たす角度とする。
θ≧2sin-11.15R/(R+h) (b)’
例えば、θ=120°が(b)’式を満たす角度である。
なお、円弧状プロテクタ14(14a)は、燃焼ガスfの流れ方向に対向する伝熱管12の周方向位置に設けられるが、言い換えれば、図2に示すように、燃焼ガスfの流れ方向に沿う中心線Cによって角度θが2等分される位置に設けられる。
上記構成によれば、円弧状プロテクタ14(14a)による投影輪郭(上述のように、円弧状プロテクタ14(14a)を備える伝熱管12を燃焼ガスfの流れ方向から視認したときの円弧状プロテクタ14(14a)を含む投影輪郭)は、伝熱管12の半径Rと比べて1.15R以下に抑えられるため、燃焼ガス流路に設けられた複数の伝熱管12の間に形成される燃焼ガス流路を大きく狭めない。従って、伝熱管12の間を流れる燃焼ガスの流速増加を抑制できるため、下流側に配置された伝熱管12の摩耗を抑制できると共に、斜向する偏流fd(図6参照)の発生を抑制できる。
一実施形態では、図1に示すように、燃焼ガスfの流路は内部に燃焼ガス流を形成可能な空間を有するケーシング16によって形成される。
一実施形態では、円弧状プロテクタ14は、伝熱管12の外周面の曲率とほぼ同一の曲率を有する内面を有し、薄板形状の板状体で構成される。これによって、内面全面が伝熱管12の外周面に当接するように配置できるため、燃焼ガスfが伝熱管12と円弧状プロテクタ14との間に流入して周囲に乱流を形成し、燃焼ガスfと伝熱管内部の被加熱流体との熱交換効率が低下するのを抑制できる。
円弧状プロテクタ14の取付け手段として、例えば、円弧状プロテクタ14はUボルトを用いて伝熱管12に装着される。あるいは円弧状プロテクタ14はスポット溶接により伝熱管12に固定される。
図6は、比較例として、中心角θが180°の円弧状プロテクタ104を一部の伝熱管102の外周面に備える熱交換器100を示す。複数の伝熱管102は互いに間隔をおいて燃焼ガスfの流れ方向と直交する方向に沿って列状に配置され、かつ燃焼ガスfの流れ方向に沿って複数列配置されている。この比較例では、円弧状プロテクタ104を備える伝熱管102(102a)の間の間隔が狭まるため、伝熱管102(102a)間を流れる燃焼ガスfが加速する。従って、伝熱管102(102a)の下流側にプロテクタを備えていない伝熱管102(102b)があるとき、伝熱管102(102b)の摩耗が増加する。また、円弧状プロテクタ104を備える伝熱管102(102a)の間の流動抵抗が増加するため、燃焼ガスfの流れ方向で同じ列に円弧状プロテクタ104を備えていない伝熱管102(102b)があるとき、伝熱管102(102b)側に向かって斜向する偏流fdが発生する。この偏流fdによって伝熱管102(102b)の摩耗が増加する。
円弧状プロテクタ14は、摩耗が激しい伝熱管12に選択的に設けるようにしてもよい。例えば、伝熱管12の軸方向において摩耗が増加する部位に設けられる。また、ケーシング16の内面付近であって伝熱管12とケーシング内面との間に流れ抵抗が小さなスペース18(図1参照)に燃焼ガスfが多く流入し、スペース18に隣接配置される伝熱管12で摩耗が増加するので、この伝熱管12に円弧状プロテクタ14を設ける。また、燃焼ガス流路が曲折する場所では、該流路の内側領域で斜向する偏流fdが発生し、伝熱管12の摩耗が増加すると共に、該流路の外側領域を流れる燃焼ガスfは遠心力で燃焼ガスfに含まれる固体粒子(フライアッシュなど)の濃度が増加するので、伝熱管12の摩耗が増加する。従って、これらの場所に配置された伝熱管12に円弧状プロテクタ14を設ける。
一実施形態では、伝熱管12の半径R、円弧状プロテクタ14の厚さh及び角度θは次の(c)式を満たす。
(R+h)sin(θ/2)≦R (c)
(c)式を変形すると、次の(c)’式となり、角度θは(c)’式を満たす角度とする。
θ≧2sin-1R/(R+h) (c)’
この実施形態によれば、円弧状プロテクタ14の投影輪郭は、伝熱管12の半径Rと同等以下となるので、燃焼ガス流路に設けられた複数の伝熱管12の間に形成される燃焼ガス流路を狭めない。そのため、伝熱管12の間を流れる燃焼ガスfの流速を増加させないので、下流側に配置された伝熱管12の摩耗を抑制できると共に、偏流fdの発生を抑制できる。
一実施形態では、伝熱管12の半径R、円弧状プロテクタ14の厚さh及び角度θは次の(d)式を満たす。
0.85R≦(R+h)sin(θ/2) (d)
(d)式を変形すると、次の(d)’式となり、角度θは(d)’式を満たす角度とする。
θ≧2sin-10.85R/(R+h) (d)’
この実施形態によれば、円弧状プロテクタ14の投影輪郭は、伝熱管12の半径Rと比べて0.85R以上になるので、伝熱管12の摩耗が多くなると思われる部位を円弧状プロテクタ14で実質的に覆うことができるので、伝熱管12の摩耗を抑制できる。
一実施形態では、図2に示すように、円弧状プロテクタ14(14a)は角度θが30°≦θ/2≦60°を満たし、かつ角度θの角度範囲の中心が燃焼ガスfの流れ方向上流側に向いている。言い換えれば、図2に示すように、燃焼ガスfの流れ方向に沿う中心線Cによって角度θが左右対称に2等分される位置に設けられる。この実施形態によれば、燃焼ガス流及び上流側で発生した斜向きの偏流fdが当たり、偏流fdによって摩耗が大きくなると思われる伝熱管12の外周領域を円弧状プロテクタ14(14a)で覆うことができるので、伝熱管12の摩耗を抑制できる。
一実施形態では、例えば図1に示すように、燃焼ガスfの流れ方向と直交する方向に隣接する一対の伝熱管12が設けられ、これら一対の伝熱管12は夫々円弧状プロテクタ14(14a)を備える。この実施形態によれば、一対の伝熱管12の間に形成される燃焼ガス流路の縮小を抑制できる。これによって、該燃焼ガス流路の流速増加を抑制できるため、下流側に配置された伝熱管12の摩耗を抑制できると共に、偏流fdの発生を抑制できる。
図3は、図6に示す比較例と同様に配置された複数の伝熱管12の一部が円弧状プロテクタ14(14a)を備える実施形態を示す。複数の伝熱管12は互いに間隔をおいて燃焼ガスfの流れ方向と直交する方向に沿って配置され、かつ燃焼ガスfの流れ方向に沿って複数列に配置されている。熱交換器10(10B)は、円弧状プロテクタ14(14a)を備える伝熱管12と、円弧状プロテクタ14(14a)を備えない伝熱管12とを含んでいる。この実施形態では、円弧状プロテクタ14(14a)を設けても伝熱管12の間の間隔の縮小を抑制できるので、伝熱管12の間を流れる燃焼ガス流が増速せず、かつ燃焼ガス流の流れ方向に対して斜向する偏流fdの発生を抑制できる。これによって、円弧状プロテクタ14(14a)を備える伝熱管12の下流側に配置され円弧状プロテクタ14(14a)を備えていない伝熱管12の摩耗を抑制できると共に、円弧状プロテクタ14(14a)を備える伝熱管12と同列で円弧状プロテクタ14(14a)を備えていない伝熱管12の摩耗を抑制できる。
一実施形態では、図1に示すように、複数の伝熱管12は、燃焼ガスfの流れ方向と直交する方向に複数配置される。また、複数の伝熱管12は、燃焼ガスfの流れ方向に沿って1列又は複数列配置される。これら複数の伝熱管12は伝熱管群G(第1伝熱管群)を構成する。伝熱管群Gを構成する伝熱管12は、最上流側列を構成する伝熱管12が最も摩耗が激しいので、最上流側列を構成する伝熱管12を含めて、円弧状プロテクタ14(14a)を備える。これによって、伝熱管12の間を流れる燃焼ガス流が増速せず、かつする偏流fdの発生を抑制できる伝熱管群Gを構成する伝熱管群の摩耗を抑制できる。また、燃焼ガス流に対して直交する方向に沿って列を形成する伝熱管全部が円弧状プロテクタ14(14a)を備えるため、燃焼ガスfの流路幅全体で伝熱管12の間を流れる燃焼ガス流が増速せず、かつ偏流fdの発生を抑制できる。これによって、下流側に配置された全部の伝熱管12の摩耗を抑制できる。例えば、ボイラの燃焼ガス流路に設けられる熱交換器は、最上流側列の伝熱管12の上流側にスートブロアなどが配置され、該スートブロアから吐出されるフライアッシュを含む燃焼ガスfによって摩耗が進む。
一実施形態では、図1に示すように、伝熱管群Gの流れ方向下流側には伝熱管群G(第2伝熱管群)が設けられる。伝熱管群Gは流れ方向と直交する方向に複数配置され、かつ流れ方向に沿って1列又は複数列配置される。伝熱管群Gを構成する伝熱管12の各々は、円弧状プロテクタ14を備えていない。この実施形態によれば、流れ方向上流側に配置された伝熱管群Gを構成する個々の伝熱管12が円弧状プロテクタ14(14a)を備えるので、伝熱管群Gを構成する個々の伝熱管12の摩耗を抑制できる。
一実施形態では、図2に示すように、伝熱管12の周方向における円弧状プロテクタ14(14a)の両端20(20a、20b)は、角度θによって規定される範囲の両端に向かって厚さが漸減するように構成される。この実施形態によれば、両端20が伝熱管12の径方向外側へ向かって突出しないので、円弧状プロテクタ14(14a)を含む投影輪郭をさらに縮小できる。
例えば、一実施形態では、両端20(20a)は、燃焼ガスfの流れ方向に沿った平坦面を形成している。別な実施形態では、両端20(20b)は、円弧状プロテクタ14(14a)の両端に向かって厚さが漸減するように構成される。これによって、円弧状プロテクタ14を含む投影輪郭を片方だけでΔRだけ縮小できるので、その分伝熱管12の間を流れる燃焼ガスfの流速増加を抑制できる。従って、下流側に配置された伝熱管12の摩耗をさらに抑制できると共に、偏流fdの発生を抑制できる。
一実施形態では、両端20(20a)は、燃焼ガスfの流れ方向に対して30°以内の傾斜角をもって配置される。これによって、円弧状プロテクタ14の投影輪郭を縮小でき、伝熱管12の間を流れる燃焼ガスfの流速増加を抑制できる。
一実施形態では、図4に示すように、燃焼ガス流路に設けられた複数の伝熱管12に対して流れ方向上流側で、ケーシング16の内面から内部空間sに張り出した偏流防止板22を備え、偏流防止板22の先端部の流れ方向直下の伝熱管12が円弧状プロテクタ14を備える。上述のように、ケーシング16の内面付近のスペース18は流動抵抗が小さいので、燃焼ガスfの流量が多くなるが、他方、伝熱管12内を流れる被加熱流体との熱交換にはあまり寄与しない。従って、偏流防止板22を設けてスペース18への燃焼ガス流の流入を抑制している。しかし、偏流防止板22の先端部22a付近からケーシング内面へ向かう斜向きの偏流fdが発生し、先端部22a付近の流れ方向直下に設けられた伝熱管12の摩耗が増加する。本実施形態では、先端部22a付近の流れ方向直下に設けられた伝熱管12が円弧状プロテクタ14(14b)を備えるため、該伝熱管の摩耗を抑制できる。
一実施形態では、偏流fdが流入してくる伝熱管12において、円弧状プロテクタ14は伝熱管12に向かって流れる偏流fdの流れ方向に対向した外周面に設けられる。即ち、図2において、偏流fdが中心線Cに沿って流入すると仮定したとき、円弧状プロテクタ14は、上記(a)及び(b)式を満たすように配置されると共に、偏流fdの流れ方向に沿う中心線Cによって角度θが左右対称に2等分される位置に設けられる。これによって、偏流fdによる伝熱管12の摩耗を抑制できる。
図5は、一実施形態に係るボイラ30を示す。ボイラ30は火炉32を備え、火炉32は燃焼ガスfが流れる内部空間sを有する。火炉32は燃焼ガスfの流れ方向上流側において燃焼器34を備え、燃料供給機36から燃料供給管38を介して燃焼器34に燃料が供給され、燃焼器34で燃焼ガスfを発生させる。燃焼器34より下流側の内部空間sに1個以上の熱交換器10が設けられる。熱交換器10に設けられた伝熱管12では、伝熱管12の内部を流れるボイラ水が燃焼ガスfによって加熱されて水蒸気となる。少なくとも一部の伝熱管12に上記構成を有する円弧状プロテクタ14が設けられる。
上記構成によれば、ボイラ30に設けられた熱交換器10は、少なくとも一部の伝熱管12に上記構成を有する円弧状プロテクタ14を備えるため、円弧状プロテクタ14を備える伝熱管12の摩耗を抑制できる。
一実施形態では、熱交換器10で伝熱管12の内部流体との熱交換を終えた後の燃焼ガスfは、内部空間sの下流側空間から煙道40に流出し、煙突42から排出される。
一実施形態では、ボイラ30は石炭焚きボイラで構成され、燃料供給機36は微粉炭機で構成され、燃料供給管38は微粉炭管で構成される。この石炭焚きボイラでは、該微粉炭機から微粉炭管を介して燃焼器34に微粉炭が供給される。
幾つかの実施形態によれば、熱交換器において、摩耗防止用プロテクタを備える伝熱管の下流側に設けられた伝熱管の摩耗増加及び偏流の発生による摩耗増加を抑制できる。
10(10A、10B、10C)、100 熱交換器
12、102(102a、102b) 伝熱管
14(14a、14b)、104 円弧状プロテクタ
16 ケーシング
18 スペース
20(20a、20b) 両端
22 偏流防止板
22a 先端部
30 ボイラ
32 火炉
34 燃焼器
36 燃料供給機
38 燃料供給管
40 煙道
42 煙突
C 中心線
伝熱管群(第1伝熱管群)
伝熱管群(第2伝熱管群)
O 中心点
f 燃焼ガス
s 内部空間
θ 中心角

Claims (9)

  1. 燃焼ガスが流れる空間に設けられ、内部に被加熱流体が流れる複数の伝熱管と、
    前記複数の伝熱管の少なくとも1個の伝熱管の外周面に設けられ、前記燃焼ガスの流れ方向に対向する円弧状プロテクタと、
    を備え、
    前記複数の伝熱管は、前記流れ方向と直交する方向に隣接する一対の伝熱管を含み、
    前記円弧状プロテクタは、前記一対の伝熱管の各々に対して設けられ、
    前記一対の伝熱管の間に形成される前記燃焼ガスのための流路が前記円弧状プロテクタの設置に起因して縮小することがないように、前記伝熱管の半径をRとし、前記円弧状プロテクタの厚さをhとし、前記伝熱管の周方向において前記円弧状プロテクタが占める角度をθとしたとき、次の(1)式及び(2)式を満たす
    ことを特徴とする熱交換器。
    θ<180° (
    (R+h)sin(θ/2)≦
  2. 前記R、h及びθは次の()式を満たすことを特徴とする請求項1に記載の熱交換器。
    0.85R≦(R+h)sin(θ/2) (
  3. 前記角度θが30°≦θ/2≦60°を満たし、かつ、前記角度θの角度範囲の中心が前記燃焼ガスの流れ方向上流側に向いていることを特徴とする請求項1又は2に記載の熱交換器。
  4. 前記複数の伝熱管は、
    前記流れ方向と直交する方向に沿って複数配置され、かつ、前記流れ方向に沿って1列又は複数列配置されると共に、前記円弧状プロテクタを備えた第1伝熱管群を含み、最上流側列を構成する伝熱管の各々は、前記第1伝熱管群に含まれていることを特徴とする請求項1乃至の何れか一項に記載の熱交換器。
  5. 前記複数の伝熱管は、
    前記第1伝熱管群の前記流れ方向下流側に設けられ、前記流れ方向と直交する方向に沿って複数配置され、かつ、前記流れ方向に沿って1列又は複数列配置された第2伝熱管群を含み、
    前記第2伝熱管群を構成する複数の伝熱管の各々は、前記円弧状プロテクタを備えていないことを特徴とする請求項に記載の熱交換器。
  6. 燃焼ガスが流れる空間に設けられ、内部に被加熱流体が流れる複数の伝熱管と、
    前記複数の伝熱管の少なくとも1個の伝熱管の外周面に設けられ、前記燃焼ガスの流れ方向に対向する円弧状プロテクタと、
    を備え、
    前記伝熱管の半径をRとし、前記円弧状プロテクタの厚さをhとし、前記伝熱管の周方向において前記円弧状プロテクタが占める角度をθとしたとき、次の(a)式及び(b)式を満たすとともに、
    前記円弧状プロテクタは、前記伝熱管の周方向における前記円弧状プロテクタの前記角度θによって規定される範囲の両端に向かって厚さが漸減するように構成されることを特徴とする熱交換器。
    θ<180° (a)
    (R+h)sin(θ/2)≦1.15R (b)
  7. 前記燃焼ガスが流れる内部空間を有するケーシングと、
    前記複数の伝熱管の前記流れ方向上流側で、前記ケーシングの内面から前記内部空間へ向けて張り出した偏流防止板と、
    を備え、
    前記偏流防止板の先端部の前記流れ方向直下の前記伝熱管が前記円弧状プロテクタを備えることを特徴とする請求項1乃至の何れか一項に記載の熱交換器。
  8. 前記角度θの角度範囲の中心が前記伝熱管に向かって流れる偏流の流れ方向上流側に向いていることを特徴とする請求項に記載の熱交換器。
  9. 前記燃焼ガスが流れる内部空間を有する火炉と、
    前記内部空間に設けられ請求項1乃至の何れか一項に記載の熱交換器と、
    前記火炉において前記熱交換器より前記流れ方向上流側に設けられた燃焼器と、
    を備えることを特徴とするボイラ。
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