JP2016109349A - 固体燃料バーナ及び固体燃料バーナを備えたボイラ - Google Patents

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研滋 木山
三紀 下郡
Miki Shimogoori
三紀 下郡
嶺 聡彦
Satohiko Mine
聡彦 嶺
倉増 公治
Kimiharu Kuramasu
公治 倉増
健一 越智
Kenichi Ochi
健一 越智
佑介 越智
Yusuke Ochi
佑介 越智
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Abstract

【課題】簡素な固体燃料の濃縮機構を適用して、固体燃料と搬送ガスとの混合流体の高速化による摩耗の助長を防止し、安全で且つ高効率な低NOx化の燃焼性能が達成される固体燃料バーナ、該バーナを備えたボイラの提供である。【解決手段】混合流体が流れる燃料搬送配管1にベンド管2が接続し、更に混合流体を火炉22に噴出させる燃料供給管7が接続した固体燃料バーナであって、ベンド管2と燃料供給管7による一連の円筒状部材の中心軸を基準として曲率半径が小さい側のベンド管2入口部には偏流促進部材3を設け、曲率半径が大きい側の燃料供給管7入口部には、混合流体を次第に燃料供給管7の内周方向に拡大させるベーン6を複数設ける。曲管2では偏流促進部材3により徐々に流路を外側に狭めるため、摩耗の助長を防止でき、更にベーン6により燃料供給管7出口部の内壁近傍全周に固体燃料24の高濃度域を形成できるため、燃焼性能が良好となる。【選択図】図1

Description

本発明は、固体燃料バーナ及び固体燃料バーナを備えたボイラに関し、特に、効率良く窒素酸化物(NOx)量を低減可能なバーナの構造に関する。
石炭等の固体燃料(以下、微粉炭と言うことがある)を燃焼させるボイラ等の燃焼装置のバーナに対して、未燃分を抑え、発生するNOx量を低減できる性能の達成を目的として、着火および燃焼の促進のための固体燃料濃縮機構を設ける場合がある。
特に、固体燃料が通過する流路のバーナ入口の曲り部においては、遠心力による偏流により固体燃料濃度が高い領域から低い領域までの濃度分布が生じやすい。この濃度分布、即ち偏流を一旦一様化するために、下記特許文献1には、バーナ入口曲り部の下流側の流路に固体燃料濃縮器を設けたバーナの構造が開示されている。
また、下記特許文献2や特許文献3には、微粉炭混合気ノズル内に、突出するブロックと、その下流側にひねり板やスクリューを設けた微粉炭バーナの構造が開示されている。これらの構成では、一旦ブロックにより流路の片側に濃縮又は上下二層流を形成させた後、ひねり板などで濃度分布の調節や左右二層流への変換を可能としている。
一方、固体燃料が通過する流路に固体燃料濃縮器などを設けないバーナの例もある。下記特許文献4には、偏流を利用して燃料供給管の片側に形成させた固体燃料濃度が高い領域を一様化することなく、そのまま燃料供給管の出口まで維持させるバーナが開示されている。また、下記特許文献5には、ベンド管の内部に仕切りを設けて複数の流路を形成した微粉炭バーナが開示されている。
特開平9−196310号公報 特開2005−156015号公報 特開2005−241107号公報 特開2009−192204号公報 実開昭60−181543号公報
特許文献1に記載のバーナにおいては、固体燃料がバーナ入口曲り部を通過直後の流路に、固体燃料粒子の分散特性を一様にするためのベンチュリが設けられ、その下流に固体燃料濃縮器(粒子流路調整器)が設置されている。このように、固体燃料粒子の分散特性を一旦一様化する部材(ベンチュリ)と固体燃料濃縮器の両方を設置することで、固体燃料の濃度を円周方向では一様で且つ半径方向では中心から離れた外側部の燃料供給管の内壁近傍で高くなる濃縮機構を実現している。燃料は火炉内の輻射や高温ガスによる昇温で着火するため、燃料供給管の内壁近傍(燃料噴流の表面近傍)で固体燃料の濃度を高める濃縮機構は、輻射や高温ガスによる着火促進の効果を高めるのに最適である。
しかしながら、本文献1に記載のバーナにおいては、ベンチュリによって流路断面積を次第に小さくし燃料供給ノズル中央部に固体燃料を一旦縮流させ、その後固体燃料濃縮器に衝突させて円周方向への分散及び半径方向外側への濃縮を行っており、縮流による流速増加が摩耗を助長する。そのため、これらの部材には摩耗を抑制させる素材である高クロム鋳鉄やセラミックスが適用されるが、そのような素材の適用はコスト増加の要因となる。また、縮流による流速増加は圧力損失の増加を招くので、固体燃料の搬送ガスの供給圧力を高める必要があり、エネルギー損失の増加の要因ともなる。
特許文献2に記載のバーナにおいては、突出度合いの調整手段を有するブロックで燃料供給配管のバーナ入口部で燃料濃度分布を調整し、その分布を流束回転板によって燃料濃度分布の断面内分布を変化させ、火炉内での炉壁と高濃度燃料流との関係を調整可能とした構成であるが、本構成では着火に効果的な、固体燃料の濃度が円周方向では一様で且つ半径方向では中心から離れた外側部の燃料供給管の内壁近傍で高くなる濃縮形態は実現できない。
特許文献3に記載のバーナにおいては、特許文献2と同等の構成であるが、供給燃料が、粒度が粗いバイオマスと粒度が細かい微粉炭の混合流であるので、偏流促進部材による偏流効果が両燃料で異なり、バイオマス富裕流と微粉炭富裕流の上下2層流を形成し、これをひねり交換手段により左右に分離した2層流に変換するものである。本構成も特許文献2と同様に、着火に効果的な、固体燃料の濃度を円周方向では一様で且つ半径方向では中心から離れた外側部の燃料供給管の内壁近傍で高くなる濃縮形態は実現できない。
また、特許文献4に記載のバーナにおいては、微粉燃料の衝突による摩耗の問題は抑制されるが、下記2つの改善すべき項目又は解決すべき課題が存在する。
一つ目としては、濃縮された固体燃料が保炎器の一部分の領域近傍のみに供給され、保炎器全域での保炎や着火を実現できないことである。二つ目としては、固体燃料がベンド状の粒子濃縮部を通過直後の水平燃料配管(直管)底部には循環流が形成されるが、この循環流形成部分には固体燃料が堆積するため、堆積した固体燃料の自然発火によって高温の火炎が発生し、バーナの焼損などの問題を引き起こす可能性が存在することである。
また、特許文献5に記載のバーナにおいては、ベンド管の曲がり部の内側と外側とで微粉炭濃度は一定に保たれるが、全体的に濃度が一様であり、保炎器の内面近傍の微粉炭濃度を高める効果はなく、保炎性や着火性の点では有効とは言えない。
そこで、本発明の課題は、簡素で安価な固体燃料の濃縮機構を適用して、固体燃料と搬送ガスとの混合流体のバーナ内での高速化による摩耗の助長やエネルギーの損失の増大を防止する固体燃料バーナ、該固体燃料バーナを備えたボイラを提供することである。 更に、本発明の課題は、燃料配管底部等への固体燃料の堆積を抑制して、安全で且つ高効率に低NOx濃度化(単に低NOx化ということがある)の燃焼を可能とする固体燃料バーナ、該固体燃料バーナを備えたボイラを提供することである。
更に、本発明の課題は、保炎器の内面近傍に高濃度の固体燃料を供給し、安定した着火及び保炎を可能とする固体燃料バーナ、該固体燃料バーナを備えたボイラを提供することである。
上記本発明の課題は次の解決手段により達成される。
請求項1記載の発明は、内部に固体燃料と該固体燃料の搬送ガスとの混合流体が流れる円筒状の燃料搬送配管(1)と、該燃料搬送配管(1)に一端が接続し、円筒状管を折り曲げた形状を有して混合流体の流れ方向を変更する曲管(2)と、バーナ軸周りに設けられ、前記曲管(2)の他端に一端が接続し、他端が火炉壁面に開口する開口部を有し、該開口部から混合流体を噴出させる円筒状の燃料供給管(7)とを備えた固体燃料バーナであって、前記曲管(2)と燃料供給管(7)とにより一連の円筒状部材を形成し、前記円筒状部材の中心軸を基準として曲管(2)の曲率半径が小さい側の内面であって、曲管(2)の入口部に、混合流体の流路を曲管(2)の内側から外側に次第に縮小させる流路縮小部材(3)を設け、前記円筒状部材の中心軸を基準として曲管(2)の曲率半径が大きい側の内面であって、燃料供給管(7)の入口部に、混合流体を、流れ方向に沿って燃料供給管(7)の内周方向に拡大させる固体燃料分配部材(6)を複数設けた固体燃料バーナである。
請求項2記載の発明は、前記円筒状部材の曲管の曲率半径が小さい側の内面に、前記流路縮小部材(3)から連続して燃料供給管(7)に亘って混合流体の流路を規制する流路規制部材(4)を設けた請求項1に記載の固体燃料バーナである。
請求項3記載の発明は、前記流路規制部材(4)は、前記曲管(2)の出口部から前記燃料供給管(7)の入口部に亘る部分に混合流体の流れ方向を切り替える切り替え部(4c)を有し、該切り替え部(4c)の上流側の流路規制部材(4a)と下流側の流路規制部材(4b)とから構成され、前記円筒状部材の混合流体の流路が、前記流路縮小部材(3)が設けられた区間は、前記曲管(2)の曲率半径が最小となる内側部分及びその延長部分からなる最内部と前記曲管(2)の曲率半径が最大となる外側部分及びその延長部分からなる最外部間の流路幅、又は流路断面積が、流れ方向に沿って次第に前記最外部側へ縮小される流路であり、前記流路規制部材(4)が設けられた区間は、上流側の流路規制部材(4a)の箇所で曲管(2)の曲りに沿って前記流路幅又は前記流路断面積が拡大後、縮小し、前記切り替え部(4c)の箇所で最も前記流路幅又は前記流路断面積が小さくなり、下流側の流路規制部材(4b)の箇所で前記流路幅又は前記流路断面積が流れ方向に沿って次第に前記最内部側へ拡大される流路である請求項2に記載の固体燃料バーナである。
請求項4記載の発明は、前記燃料供給管(7)の外周側に、燃焼用ガスの供給流路となる燃焼用ガス供給管(15)を設け、前記燃料供給管(7)の先端外周部に、燃焼用ガス供給管(15)から供給される燃焼用ガスの流れ方向を外向きに変える保炎器(8)を設けた請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の固体燃料バーナである。
請求項5記載の発明は、前記燃料供給管(7)の外周側に、燃焼用ガスの供給流路となる燃焼用ガス供給管(15)を設け、前記燃料供給管(7)の先端外周部に、該燃料供給管(7)とは隙間を空けて燃焼用ガス供給管(15)から供給される燃焼用ガスの流れ方向を外向きに変える板状の保炎器(8)を燃料供給管(7)の外周に沿って連続的に設け、前記隙間に、保炎器(8)を固定する固定部材(9)を燃料供給管(7)の外周に沿って断続的に設け、前記燃料供給管(7)の先端は前記保炎器(8)よりも火炉側に突出する突出部を有し、該突出部の外周に、径方向の長さが保炎器(8)の燃料供給管の外面からの径方向の長さよりも短い板からなり、前記隙間を通る燃焼用ガスの流れ方向を外向きに案内するガス案内板(10)を設けた請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の固体燃料バーナである。
請求項6記載の発明は、前記燃料供給管(7)の外周側に、燃焼用ガスが流れる風箱(20)に連通して二次燃焼用ガスの供給流路となる二次燃焼用ガス供給管(15)を設け、該二次燃焼用ガス供給管(15)の外周側に、前記風箱(20)に連通して三次燃焼用ガスの供給流路となる三次燃焼用ガス供給管(18)を設け、前記燃料供給管(7)の先端外周部に、二次燃焼用ガス供給管(15)から供給される二次燃焼用ガスの流れ方向を外向きに変える保炎器(8)を設け、二次燃焼用ガス供給管(15)の先端外周部に、三次燃焼用ガス供給管(18)から供給される三次燃焼用ガスの流れ方向を外向きに案内する三次燃焼用ガス案内部材(16)を設けた請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の固体燃料バーナである。
請求項7記載の発明は、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の固体燃料バーナを備えたボイラである。
(作用)
請求項1記載の発明によれば、曲管(2)及び流路縮小部材(3)といった単純な濃縮部材を利用して固体燃料を濃縮し、その下流側の固体燃料分配部材(6)によって円筒状の燃料供給管(7)の内壁近傍に、遠心力によって固体燃料の高濃度状態を維持しながら全周に亘って一様に固体燃料を分配して、燃料供給管(7)出口部の内壁近傍全周に亘って一様に高濃度の固体燃料流を形成することができる。
そして、この固体燃料流によって固体燃料が火炉(22)内に噴出されるので、この噴流の表面近傍に濃縮された固体燃料は火炉(22)内の輻射や周囲の高温ガスによって効果的に加熱昇温され、急速な着火が実現され、周囲の二次燃焼用ガス及び三次燃焼用ガスが混合される前の酸素不足の還元条件下で燃焼が促進されるため、高効率な低NOx化の燃焼性能が達成される。
また、曲管(2)の流路内には流路縮小部材(3)が存在するが、徐々に流路を外周側に狭め混合流体の流れを外周側に偏らせる程度の小さな流路縮小であるため、摩耗の助長やエネルギーの損失の増大には繋がらない。
そして、曲管(2)の中心軸より内側の傾斜の小さい箇所やその箇所に繋がる燃料供給管(7)の水平部では、混合流体が流れにくい淀み領域となるため、固体燃料が堆積しやすくなる。しかし、請求項2記載の発明によれば、上記請求項1記載の発明の作用に加えて、流路規制部材(4)を固体燃料が堆積しやすい箇所に設けて、即ち管中心軸より曲率半径の小さい内側の流路を規制することで、固体燃料の堆積を抑制できる。
請求項3記載の発明によれば、上記請求項2に記載の発明の作用に加えて、曲管(2)内では流路縮小部材(3)により固体燃料が曲率半径の大きい、中心軸より外側に偏り、曲り部の遠心力も加わってスムーズな流れを形成しながら濃縮される。また、曲管(2)から燃料供給管(7)にかけては上流側の流路規制部材(4a)と下流側の流路規制部材(4b)が連続して設置されていることで、燃料の堆積のおそれのある場所の流路を規制して堆積を抑制できる。
請求項4記載の発明によれば、上記請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の発明の作用に加えて、保炎器(8)の設置により、その下流側に循環渦が形成される。そして、この循環渦によって高温の燃焼ガスがバーナ保炎器近傍に引き戻されることで、直接的に固体燃料が加熱されるため、燃料供給管(7)の出口近傍での着火性が強化される。
一方、火炎内の高温ガスには溶融灰が含まれるため、保炎器(8)は灰が付着しやすい環境下に置かれている。そこで、請求項5記載の発明によれば、上記請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の発明の作用に加えて、燃焼用ガスが燃料供給管(7)と保炎器(8)との隙間から常時供給されることで、燃焼用ガスが保炎器(8)の火炉(22)側表面とガス案内板(10)との間を通るため、保炎器(8)の火炉(22)側表面に付着した灰が吹き飛ばされて取り除かれると共に、灰の付着が抑制される。
請求項6記載の発明によれば、上記請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の発明の作用に加えて、三次燃焼用ガス案内部材(16)によって三次燃焼用ガスは外向きに広げられ、この三次燃焼用ガスの広がりによって、保炎器(8)による二次燃焼用ガスの外向きへの広がりは強化されて、循環渦は大きくなる。従って、保炎器(8)近傍に引き戻される高温ガスの量が増えるため、着火がさらに強化される。
請求項7記載の発明によれば、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の発明の作用を有する固体燃料バーナをボイラに適用することで、バーナで達成された高効率、低NOx化の燃焼性能はボイラ出口まで維持されるので、ボイラとしても高効率な低NOx化の燃焼性能が達成される。
請求項1記載の発明によれば、曲管(2)及び流路縮小部材(3)といった単純な濃縮部材を利用することで、摩耗の助長やエネルギーの損失の増大を防止しながら、固体燃料を濃縮できる。また、固体燃料分配部材(6)によって、高濃度状態の固体燃料を内周方向に分配することで、燃料供給管(7)出口部の内壁近傍全周に亘って一様に高濃度の固体燃料流を形成することができるため、高効率な低NOx化の燃焼性能が達成される。
請求項2記載の発明によれば、上記請求項1記載の発明の効果に加えて、流路規制部材(4)により、中心軸より曲率半径の小さい内側の流路での流路縮小部材(3)の下流側や曲管(2)直後の燃料供給管(7)の水平部等の循環流が発生しやすい箇所における固体燃料の堆積が抑制されて安全な運転が維持できる。
請求項3記載の発明によれば、上記請求項2に記載の発明の効果に加えて、曲管(2)と燃料供給管(7)からなる一連の円筒状部材に流路縮小部材(3)を設けることで、曲管(2)内では固体燃料が中心軸より外側に偏って流れると共に、遠心力によって曲管外側に向かってスムーズな流れを形成しながら濃縮される。また、曲管(2)から燃料供給管(7)にかけては上流側の流路規制部材(4a)と下流側の流路規制部材(4b)の連続設置により流路を規制することで燃料の堆積を抑制できる。
請求項4記載の発明によれば、上記請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の発明の効果に加えて、保炎器(8)の設置により、燃料供給管(7)の出口近傍での着火性が更に強化され、高効率の低NOx化の燃焼がより一層促進される。
請求項5記載の発明によれば、上記請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の発明の効果に加えて、燃料供給管(7)と保炎器(8)との隙間から常時供給される燃焼用ガスにより保炎器(8)の火炉(22)側表面への灰の付着が抑制されることで、安定した着火が維持され、高効率な低NOx化の燃焼性能が継続される。
請求項6記載の発明によれば、上記請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の発明の効果に加えて、三次燃焼用ガス案内部材(16)によって、循環渦が拡大して保炎器(8)近傍に引き戻される高温ガスの量が増えるため、着火性がさらに強化されて、高効率な低NOx化の燃焼性能が更に向上する。
請求項7記載の発明によれば、上記請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の発明の効果を有する固体燃料バーナをボイラに適用することで、バーナで達成された高効率、低NOx化の燃焼性能はボイラ出口まで維持されるので、ボイラとしても高効率な低NOx化の燃焼性能が達成される。
図1は、本発明の実施例に係る固体燃料バーナの側面図(一部断面)である。 図2(A)は図1のバーナの曲管と燃料供給管部分の側面図であり、図2(B)は、燃料供給管部分の平面展開図であり、図2(C)は、燃料供給管を火炉側から見た正面図である。 図3(A)は図2(A)に固体燃料の流動状態を示した図であり、図3(B)は、図2(B)に固体燃料の流動状態を示した図であり、図3(C)は、図3(A)の燃料供給管の入口部から出口部にかけて固体燃料の流れを示した正面図である。 燃料供給管内で固体燃料が次第に分配される様子を示した模式図である。図4(A)は、図3(A)のS1−S1線矢視図であり、図4(B)は、S2−S2線矢視図であり、図4(C)は、S3−S3線矢視図であり、図4(D)は、S4−S4線矢視図である。 図5(A)は、堆積抑制部材を設置しない場合の、循環流の形成状態を示した図(側面図)であり、図5(B)は、堆積抑制部材を設置した場合の、循環流の形成状態を示した図(側面図)である。 図6(A)は、火炉側から見た場合の堆積抑制部材の正面図であり、図6(B)は、堆積抑制部材の別の例(正面図)である。 図7(A)は、図5(B)の堆積抑制部材部分の平面図(一部断面)であり、図7(B)は、図5(B)の矢印Y方向から管内を見た場合の偏流促進部材及び堆積抑制部材部分の模式図であり、図7(C)は、図7(A)及び(B)の各位置における偏流促進部材及び堆積抑制部材の板幅と管底部からの高さとの関係を示した模式図である。 図8(A)はバーナ先端部の上半分についての混合流体やガスの流動状態を示した図(側断面図)であり、図8(B)は図8(A)のX部分の拡大図である。
本発明の実施の形態について図面と共に説明する。
図1には、本発明の実施例に係る固体燃料バーナの側面図(一部断面)を示す。
まず、全体の構成について説明する。
固体燃料バーナの中心に油などを燃料とする起動用バーナ11及びバーナ保護管12が配置され、その外周に搬送ガスによって微粉炭やバイオマスなどの固体燃料24を火炉22に供給する燃料供給管(燃料供給ノズル)7と該燃料供給管7の外周部に設けられる二次燃焼用ガス(通常は空気を利用する)供給管15と該供給管15の外周部に設けられる三次燃焼用ガス(通常は空気を利用する)供給管18が配置されている。
燃焼用ガスは風箱ケーシング21で囲まれた風箱20から二次燃焼用ガス供給管15と三次燃焼用ガス供給管18に二分割して火炉22に投入している。また、バーナ保護管12は、摩耗抑制部材(図示せず)によって周囲を保護すると好適である。その場合は、特に摩耗し易い固体燃料24の搬送方向上流側の面(下面)を厚くすると良い。
前記起動用バーナ11、燃料供給管7、二次燃焼用ガス供給管15、三次燃焼用ガス供給管18は、火炉22の壁面23に設けられたバーナ開口広がり部19から火炉22内に向けてそれぞれの噴出物を噴出する。二次燃焼用ガス供給管15から供給される二次燃焼用ガス量は二次燃焼用ガス流量調整ダンパ14によって調整され、三次燃焼用ガス供給管18から供給される三次燃焼用ガス量は三次燃焼用ガス流量調整ダンパ17によって調整される。本実施例では、二次燃焼用ガス流路15aと三次燃焼用ガス流路18aが共に燃料供給管7と同軸の同心円状に形成された場合を説明しているが、二次燃焼用ガス流路15aと三次燃焼用ガス流路18aの形状及び配置はこれらに限定されるものではない。例えば、火炎を偏向させるために軸をずらして燃焼用ガス流路を偏心させた構成でも良い。
そして、固体燃料24と搬送ガス(通常は空気を使用するが、燃焼排ガス等を空気に混合して酸素濃度や温度を調節した混合ガス等も用いられる)の混合流体は上方に向かって(矢印U方向)流れ、燃料搬送配管1からバーナ入口部に設置されたベンド管(曲管)2によって流れの向きが略90度変更された後、燃料供給管7を通って火炉22へと導かれる。
なお、図示例では、下方から水平方向へ90度の折れ曲がり部を持つ曲管の例を示しているが、角度及び入口と出口の方向は当該例に限定されるものではない。例えば、燃料搬送配管1が垂直軸に対して角度を有して上向きに配置され、ベンド管2も同じ角度を有して燃料搬送配管1に接続されるような構成でも良い。
ここで、ベンド管2と燃料供給管7からなる一連の円筒状部材のうち、中心軸J(図2等)を基準としてベンド管2の曲率半径が小さい側を内周側小径部、曲率半径が大きい側を外周側大径部と言い、また、円筒状部材の長手方向に沿って、ベンド管2の曲率半径が最小となる内側部分(曲がりの最も内側ライン上にある)及びその延長部分を底部(最内部)、曲率半径が最大となる外側部分(曲がりの最も外側ライン上にある)及びその延長部分を天井部(最外部)と言うことにする。また、この底部、天井部は、それぞれ一本の線に限定されるわけではなく、ある程度の範囲を有する部分も含む意である。
内周側小径部のベンド管2の入口部には、混合流体の流路を次第に縮小するように、ベンド管2の底部側2aから天井部側2bへと混合流体の流れ(矢印U方向)を偏らせる偏流促進部材(流路縮小部材)3が設置されている。混合流体はベンド管2の天井部側2bを通過する過程で遠心力が与えられ、搬送ガスに比べて相対的に慣性が大きな固体燃料は天井部側2bの内壁近傍に集まり濃縮される。ベンド管2の天井部側2bの出口直後には、外周側大径部の燃料供給管7の内面に接する複数の固体燃料分配用のガイドベーン(固体燃料分配部材)6が設けられ、これらガイドベーン6は、混合流体の流れを次第に燃料供給管7の内周面方向に拡大するように平面視で軸心に対する角度を設けて設置されている。なお、本明細書中、入口部とは部材の一端や端面を指すのではなく、混合流体の流路を上流部、中間部、下流部といった程度に分けた場合の上流部に相当する領域を意味し、出口部とは下流部に相当する領域を意味する。
また、内周側小径部のベンド管2の出口部から燃料供給管7に亘って、偏流促進部材3から連続して、堆積抑制部材(流路規制部材)4が設置されている。堆積抑制部材4によって、底部側の混合流体の流路を規制して、ベンド管2の底部やベンド管2直後の燃料供給管7の水平部などの流れにくくなる箇所での固体燃料の堆積が抑制される。
堆積抑制部材4はベンド管2の出口部から燃料供給管7の入口部に亘る部分に混合流体の流れ方向を切り替える切り替え部4cを有し、切り替え部4cを境にして上流側の堆積抑制部材4aと下流側の堆積抑制部材4bとから構成されている。従って、以下に説明するように、ベンド管2から燃料供給管7にかけて、混合流体が流れる円筒状の流路上に3つの区間に区分された一連の流路が形成されることになる。
即ち、まず、円筒状部材からなる混合流体の流路が、偏流促進部材3の設けられる区間は、天井部側2bに向かって、流れ方向(軸方向)に略直交する方向の流路断面積又は底部と天井部間の流路幅が次第に縮小する。
また、堆積抑制部材4の設けられる区間は、前記切り替え部4cで最も流路が絞られるように、即ち、前記流路断面積又は流路幅が最も小さくなっている。なお、ここに述べる流路幅とは、上述のとおりであって、後述する図2(A)からも理解されるとおり、偏流促進部材3又は堆積抑制部材4と天井部間の垂直距離(高さ)に相当する。そして、上流側の堆積抑制部材4aが設けられた区間は、ベンド管2の曲りに沿って前記流路断面積又は流路幅が拡大した後、縮小する。更に、下流側の堆積抑制部材4bの設けられた区間は、底部に向かって前記流路断面積又は流路幅が次第に拡大するように構成されている。
偏流促進部材3及び堆積抑制部材4からなる一連の部材は、耐熱性及び耐火性のある無機材料が適している。また、塊状物や充填物で構成しても良いし、板状物として管内面の混合流体の流路とを区画して、円筒状部材との内部空間を空洞としても構わない。尚、図1では、偏流促進部材3及び堆積抑制部材4a、4bは、平板状の形状を想定して、いずれも傾きが一定の直線状に表示してあるが、図面上の奥行方向又は左右方向に曲率を持った曲面状や球面状の形状、それらの組み合わせ等であっても良く、形状に限定は無い。
前述のとおり、ベンド管2の出口部(終端側)から燃料供給管7の入口部(前端側)にかけての切り替え部4cで、例えば、フランジ5近傍において最も流路が絞られた、即ち、流路断面積又は底部と天井部間の流路幅が小さくなるように形成されている。そして、ちょうどこの領域に、ガイドベーン6の上流側の端部が位置している。
従って、ガイドベーン6は、前記流路断面積又は流路幅が最も小さくなっている領域から、堆積抑制部材4bの下流側端部に達する途中の領域まで、即ち、流路が底部側に向かって拡大する領域に、円周方向に広がるように配置されている。
ガイドベーン6により濃縮された固体燃料24は、燃料供給管7の内壁近傍に周方向で一様に分配される。燃料供給管7の出口部では、全周に亘って一様に内壁面近傍で固体燃料24が濃縮されるため、この濃縮された固体燃料24が火炉22内に供給されることで、下記の作用により着火性が向上する。
一つ目の作用として、燃料供給管7から火炉22に噴出されて直後に形成される混合流体の噴流の表面近傍に固体燃料24が集中するので、固体燃料24は高温の火炉22内での輻射を効果的に受熱して昇温する。二つ目の作用として、混合流体の噴流の表面近傍の搬送ガスの比率が小さくなり、加熱対象たる固体燃料24の比率が大きくなるので、混合流体の噴流の表面近傍の固体燃料の昇温がさらに効果的に進行する。三つ目の作用として、混合流体の噴流の表面近傍の固体燃料粒子間の距離が短くなるので火炎が伝播され易くなる。
燃料供給管7の出口部には、二次燃焼用ガスの流れ25を遮って、下流部に循環渦30(図8)を形成する保炎器8が設置されており、循環渦30によって火炎内の高温ガスが保炎器8近傍に引き戻されるので、上述の固体燃料濃度の濃縮効果との相乗効果によって、さらに高い着火性が得られる。
二次燃焼用ガス供給管15の先端には三次燃焼用ガスガイドスリーブ(三次燃焼用ガス案内部材)16が設置されており、三次燃焼用ガスの流れ26は外向きに広げられて火炉22内に供給される。三次燃焼用ガスの広がりによって、保炎器8による二次燃焼用ガス流れ25の外向きへの広がりは強化されて、前記循環渦30は大きくなり、火炎内の高温ガスが保炎器8近傍へ引き戻される量が増加して着火性がさらに促進される。
更に、具体的な構成について説明する。
図2(A)には、図1のバーナのベンド管2と燃料供給管7部分の側面図を示し(バーナ保護管及び固体燃料の図示は省略)、図2(B)には、燃料供給管7部分の平面展開図を示し、図2(C)には、燃料供給管7を火炉22側から見た正面図を示す。尚、図2(B)及び(C)では堆積抑制部材4の図示を省略している。
また、図3(A)には、図2(A)に固体燃料24の流動状態を表した図を示し、図3(B)には、図2(B)に固体燃料24の流動状態を表した図を示す。図3(B)は燃料供給管7入口で固体燃料24が最も濃縮された領域から燃料供給管7出口部までの間の、燃料供給管7の内面に沿って固体燃料24が分配される様子を燃料供給管7の中心軸Jから見て平面に展開した図である。図3(C)には、図3(A)の燃料供給管の入口部から出口部にかけて固体燃料24の流れを表した正面図を示す(固体燃料の図示は省略)。 以下に、これらの図を用いて、ガイドベーン6によって固体燃料24が燃料供給管7の内壁近傍に沿って分配される様子を詳細に説明する。
本実施例において、ガイドベーン6は、図2(B)に示すように、2種類の角度α、β(α>β)を付けて中心軸Jに対して対称的に計4個配置されている。ベンド管2の出口部で濃縮された固体燃料24は、ガイドベーン6によって、燃料供給管7内の天井部で流れの方向を水平方向外側に、中心軸Jに対して角度α、βを持って広げられる。
中心軸Jから遠い側の2枚のガイドベーン6a,6aは、広がりの仮想原点K(図3)とB部(燃料供給管7の出口底部)を結んだ仮想線L1に沿って並行に設置されている。中心軸Jから近い側の2枚のガイドベーン6b,6bは、広がりの仮想原点KとC部を結んだ仮想線L2に沿って並行に設置されている。
C部は図2(A)及び(C)に示すように、A部(燃料供給管7の出口天井部)とB部の中間に位置する。分配された固体燃料24のうち、内側2枚のガイドベーン6b,6bの間を通過する天井部の固体燃料24は、中心軸Jとほぼ平行に直進方向へ進み、A部に至る。一方、外側2枚のガイドベーン6a,6aで向きを変えられた固体燃料24は、図3(A)及び(C)中に内周方向に破線Hで示す緩やかな螺旋状のルートを通ってB部に至る。固体燃料24は、燃料供給管7の内壁近傍を、曲線を描きながら流れる。この曲線状の流れにより遠心力が働き、固体燃料24は内壁近傍から離れることなく、濃縮された状態を維持しながら燃料供給管7の出口に至る。
A部に向かう固体燃料24とB部に向かう固体燃料24の間の固体燃料24は、広がりの仮想原点Kから燃料供給管7の出口部に向かう任意の緩やかな螺旋のルートを通って分配され、遠心力によって燃料供給管7の内壁近傍の高濃度状態を維持して、出口に至り、周方向には一様に分配されて火炉22に供給される。
図4は、固体燃料24が最も濃縮された領域(仮想原点K付近)から燃料供給管7の出口までに次第に分配される様子を4か所に分けて模式的に示した図である。即ち、図4(A)には、図3(A)のS1−S1線矢視図を示し、図4(B)には、S2−S2線矢視図を示し、図4(C)には、S3−S3線矢視図を示し、図4(D)には、S4−S4線矢視図を示す。尚、図4では、燃料供給管7内部の部材の図示は省略している。
最も濃縮された領域では固体燃料24は天井部に集まっているが、ガイドベーン6a,6bによって流れの向きを広げられ、次第に周全体に広がり、遠心力で内壁面に近づいた状態を維持しながら、出口部では周方向に一様に濃縮された状態を維持して分配されている。
図5(A)には、堆積抑制部材4を設置しない場合の、循環流の形成状態を示した図(側面図)を示し、図5(B)には、堆積抑制部材4を設置した場合の、循環流の形成状態を示した図(側面図)を示す。また、図6(A)には、火炉22側から見た場合の堆積抑制部材4の正面図を示し、図6(B)には、堆積抑制部材4の別の例(正面図)を示す。更に、図7(A)には、図5(B)の堆積抑制部材4部分の平面図(一部断面)を示し、図7(B)には、図5(B)の矢印Y方向からベンド管2及び燃料供給管7内を見た場合の偏流促進部材3及び堆積抑制部材4部分の模式図を示し、図7(C)には、図7(A)及び(B)の各位置における偏流促進部材3及び堆積抑制部材4の板幅と管底部からの高さとの関係を示す。
図6(A)に示すように、堆積抑制部材4を平板としても良いし、図6(B)に示すように、曲板としても良い。例えば、偏流促進部材3及び上流側の堆積抑制部材4aは平板で、下流側の堆積抑制部材4bは平板又は曲板とすれば良い。
偏流促進部材3、上流側の堆積抑制部材4a、下流側の堆積抑制部材4bはベンド管2及び燃料供給管7などの円筒状の管内にあるため、各部材の形状や底部からの高さと横幅との関係は図7(B)及び(C)に示すようになる。
即ち、ベンド管2の上方に向かってM1位置、M2位置、M3位置、M4位置とすると、M1位置では偏流促進部材3の先端部(下端部)が位置し、M2位置では偏流促進部材3と上流側の堆積抑制部材4aとの接続部が位置し、ベンド管2の底部側2aからの高さがP2であり、横幅はW2である。更に、M3位置ではベンド管2の曲がり部に位置するため上流側の堆積抑制部材4aのベンド管底部側2aからの高さP3が一番小さくなり、その横幅W3も狭くなる。そして、M4位置では上流側の堆積抑制部材4aと下流側の堆積抑制部材4bとの接続部、即ち切り替え部4cでベンド管2の底部側2a又は燃料供給管7の底部からの高さP4が一番大きくなって、その横幅W4も広くなる。
ベンド管2及び偏流促進部材3による固体燃料24の濃縮効果については前述の通りであるが、濃縮効果を高める偏流の促進によって、固体燃料24の堆積を生じる循環流32,34が形成される。堆積抑制部材4を設置しない場合は、図5(A)に示すように、偏流促進部材3の下流側及びベンド管2下流側の燃料供給管7の底部付近に循環流32,34が形成される。
固体燃料24の堆積が所定の厚さに達すると、酸化による発熱が外部への放熱を上回り、堆積した固体燃料24の温度は上昇するため、バーナの焼損や燃焼灰の固着による流路閉塞などの問題の要因となる。従って、固体燃料24の堆積が発生しないバーナ構造の適用が好ましい。
そこで、本実施例においては、循環流32,34が発生しやすい領域に堆積抑制部材4を設置することで、循環流32,34の形成を防止できる。上流側の堆積抑制部材4aと下流側の堆積抑制部材4bが連続して設置されていることで、燃料の堆積のおそれのある場所の流路を規制して堆積を抑制できる。
尚、図5(B)に示すように、偏流促進部材3直後の上流側の堆積抑制部材4aの部分には小さいながらも循環流36が残存しているが、上流側の堆積抑制部材4aの傾斜(θ)を固体燃料24が堆積する上限角度(安息角、例えば約40°)以上とすることで、堆積を防止できる。堆積抑制部材4は平板である必要はなく、管の内径や流速などの設計条件に基づき山型の傾斜板にするなどの変更を加えて、最適化しても良い。
また、燃料搬送配管1が垂直軸に対して角度(例えば45°)を有して上向きに配置されるような場合には、堆積抑制部材4の配置を最も効果が大きくなるように最適化しても良い。即ち、重力によって固体燃料24が堆積しやすくなる部分に配置すると良い。
また、保炎器8及び三次燃焼用ガスガイドスリーブ16の効果は前述の通りであるが、その詳細について図8を用いて説明する。図8(A)にはバーナ先端部の上半分についての混合流体やガスの流動状態を示し(側断面図)、図8(B)には図8(A)のX部分の拡大図を示す。
板状の複数の保炎器固定部材9を燃料供給管7の外周に沿って断続的に設け、保炎器8を保炎器固定部材9により固定、保持している。尚、保炎器8は、燃料供給管7の外周に沿って連続的に設けられている。保炎器固定部材9は、燃料供給管7に溶接固定されており、保炎器8は保炎器固定部材9に溶接固定されている。
図8(B)の拡大図では、隣接する二つの保炎器固定部材9,9間の断面図を示しており(そのため、保炎器固定部材9は図示されていない)、保炎器8と燃料供給管7との間には小さな隙間40を設けている。
混合流体は燃料供給管7から直進して、火炉22に供給される。三次燃焼用ガスは矢印26に示すように、直進した後、三次燃焼用ガスガイドスリーブ16によって外側に曲げられて火炉22に供給される。また、二次燃焼用ガスの殆どは、矢印25に示すように、直進状態から保炎器8により直角に流れ方向を変え、三次燃焼用ガスガイドスリーブ16の出口以降で三次燃焼用ガスと合流し、外側に広がって火炉22に供給される。混合流体の噴流(矢印44で示す)と二次燃焼用ガスと三次燃焼用ガスの合体した噴流の間には、一対の循環渦30,30が形成される。循環渦30,30の流れに乗って、火炎内の1500℃前後の高温ガスが矢印42に示すように保炎器8近傍に引き戻されるので、固体燃料24は保炎器8近傍で急速に高温化して着火する。
火炎内の高温ガスには溶融灰が含まれるため、保炎器8は灰が付着しやすい環境下に置かれている。保炎器8に付着した灰は、成長すると自重によって落下するので着火性能は維持されるが、付着灰の長さ分は引き戻された高温ガスの到達位置が火炉22側に移動するので着火位置も火炉22側に移動する。即ち、保炎器8の火炉側表面において灰の付着が進行して成長した場合に、保炎器8近傍に引き戻される高温ガスは灰付着領域の表面までしか到達しない。従って、この場合は、固体燃料24の揮発分が低い条件などにおいて、低NOx化の燃焼性能に若干の影響を与える場合もある。
本実施例によれば、燃料供給管7先端の保炎器8よりも火炉22側に突出している部分に、シールガス案内板10を設置しており、この影響を抑制できる。シールガス案内板10は、径方向の長さが保炎器8の燃料供給管7外面からの径方向の長さよりも短く設定されている。従って、二次燃焼用ガスの一部は保炎器8と燃料供給管7との隙間40を通過した後、矢印27で示すように、シールガス案内板10によりほぼ直角に外向きに流れ方向を変えられ、シールガスとして保炎器8の火炉22側の面に沿って流れる。この流れによるシール効果で、高温ガスの流れ42に乗って保炎器8近傍に近づいた溶融灰の保炎器8への付着は抑制される。
そして、本実施例の固体燃料バーナが石炭焚きボイラやバイオマス混焼ボイラなどのボイラに適用されることは言うまでもない。また、オイルコークス(石油の精製時に生成される固体成分)を燃料としたボイラに適用しても良い。
本発明は、折り曲げ部を有する固体燃料の搬送配管を備えた固体燃料バーナに利用可能性がある。
1 燃料搬送配管 2 ベンド管
3 偏流促進部材(流路縮小部材) 4 堆積抑制部材(流路規制部材)
5 フランジ 6 ガイドベーン(固体燃料分配部材)
7 燃料供給管 8 保炎器
9 保炎器固定部材 10 シールガス案内板
11 起動用バーナ 12 バーナ保護管
14 二次燃焼用ガス流量調整ダンパ 15 二次燃焼用ガス供給管
16 三次燃焼用ガスガイドスリーブ 17 三次燃焼用ガス流量調整ダンパ
18 三次燃焼用ガス供給管 19 バーナ開口広がり部
20 風箱 21 風箱ケーシング
22 火炉 23 火炉壁面
24 固体燃料 25 二次燃焼用ガスの流れ
26 三次燃焼用ガスの流れ 27 シールガスの流れ
30,32,34,36 循環渦 40 隙間
42 高温ガスの流れ 44 噴流の流れ

Claims (7)

  1. 内部に固体燃料と該固体燃料の搬送ガスとの混合流体が流れる円筒状の燃料搬送配管と、
    該燃料搬送配管に一端が接続し、円筒状管を折り曲げた形状を有して混合流体の流れ方向を変更する曲管と、
    バーナ軸周りに設けられ、前記曲管の他端に一端が接続し、他端が火炉壁面に開口する開口部を有し、該開口部から混合流体を噴出させる円筒状の燃料供給管と
    を備えた固体燃料バーナであって、
    前記曲管と燃料供給管とにより一連の円筒状部材を形成し、
    前記円筒状部材の中心軸を基準として曲管の曲率半径が小さい側の内面であって、曲管の入口部に、混合流体の流路を曲管の内側から外側に次第に縮小させる流路縮小部材を設け、
    前記円筒状部材の中心軸を基準として曲管の曲率半径が大きい側の内面であって、燃料供給管の入口部に、混合流体を、流れ方向に沿って燃料供給管の内周方向に拡大させる固体燃料分配部材を複数設けたことを特徴とする固体燃料バーナ。
  2. 前記円筒状部材の曲管の曲率半径が小さい側の内面に、前記流路縮小部材から連続して燃料供給管に亘って混合流体の流路を規制する流路規制部材を設けたことを特徴とする請求項1に記載の固体燃料バーナ。
  3. 前記流路規制部材は、前記曲管の出口部から前記燃料供給管の入口部に亘る部分に混合流体の流れ方向を切り替える切り替え部を有し、該切り替え部の上流側の流路規制部材と下流側の流路規制部材とから構成され、
    前記円筒状部材内の混合流体の流路が、
    前記流路縮小部材が設けられた区間は、前記曲管の曲率半径が最小となる内側部分及びその延長部分からなる最内部と前記曲管の曲率半径が最大となる外側部分及びその延長部分からなる最外部間の流路幅、又は流路断面積が、流れ方向に沿って次第に前記最外部側へ縮小される流路であり、
    前記流路規制部材が設けられた区間は、上流側の流路規制部材の箇所で曲管の曲りに沿って前記流路幅又は前記流路断面積が拡大後、縮小し、前記切り替え部の箇所で最も前記流路幅又は前記流路断面積が小さくなり、下流側の流路規制部材の箇所で前記流路幅又は前記流路断面積が流れ方向に沿って次第に前記最内部側へ拡大される流路であることを特徴とする請求項2に記載の固体燃料バーナ。
  4. 前記燃料供給管の外周側に、燃焼用ガスの供給流路となる燃焼用ガス供給管を設け、
    前記燃料供給管の先端外周部に、燃焼用ガス供給管から供給される燃焼用ガスの流れ方向を外向きに変える保炎器を設けたことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の固体燃料バーナ。
  5. 前記燃料供給管の外周側に、燃焼用ガスの供給流路となる燃焼用ガス供給管を設け、
    前記燃料供給管の先端外周部に、該燃料供給管とは隙間を空けて燃焼用ガス供給管から供給される燃焼用ガスの流れ方向を外向きに変える板状の保炎器を燃料供給管の外周に沿って連続的に設け、
    前記隙間に、保炎器を固定する固定部材を燃料供給管の外周に沿って断続的に設け、
    前記燃料供給管の先端は前記保炎器よりも火炉側に突出する突出部を有し、
    該突出部の外周に、径方向の長さが保炎器の燃料供給管の外面からの径方向の長さよりも短い板からなり、前記隙間を通る燃焼用ガスの流れ方向を外向きに案内するガス案内板を設けたことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の固体燃料バーナ。
  6. 前記燃料供給管の外周側に、燃焼用ガスが流れる風箱に連通して二次燃焼用ガスの供給流路となる二次燃焼用ガス供給管を設け、
    該二次燃焼用ガス供給管の外周側に、前記風箱に連通して三次燃焼用ガスの供給流路となる三次燃焼用ガス供給管を設け、
    前記燃料供給管の先端外周部に、二次燃焼用ガス供給管から供給される二次燃焼用ガスの流れ方向を外向きに変える保炎器を設け、
    二次燃焼用ガス供給管の先端外周部に、三次燃焼用ガス供給管から供給される三次燃焼用ガスの流れ方向を外向きに案内する三次燃焼用ガス案内部材を設けたことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の固体燃料バーナ。
  7. 請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の固体燃料バーナを備えたことを特徴とするボイラ。
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CN110848672A (zh) * 2018-08-20 2020-02-28 三菱日立电力系统株式会社 固体燃料喷烧器
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