JP7211310B2 - 環状ポリシロキサンの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、フッ素含有有機基を有する環状ポリシロキサンの製造方法に関する。
環状ポリシロキサン類は、様々な分野で各種用途に多様な手段によって用いられる。例えば、種々の官能基を保有する環状ポリシロキサン類を、単独もしくは他の種類の環状もしくは鎖状のシロキサン化合物と共に、酸又はアルカリといった平衡化反応触媒の存在下にて反応せしめることにより、高分子量のシリコーンオイルやシリコーンゴムを製造する方法が知られている。製造した高分子量体は、原料由来の官能基の種類によって、各種性能の向上がもたらされる。特にシリコーン中にフッ素含有有機基を含む場合、撥水性、撥油性、耐候性、潤滑性、耐油性、耐溶剤性等の特性を付与することができる。
フッ素含有有機基を有する環状ポリシロキサン化合物については、過去に合成例が報告されている。
例えば、特許文献1では、トリフルオロプロピルメチルシロキサン水解物にアルカリ金属水酸化物と、安定化剤として脂肪族アルコールを加えて加熱することで、下記式の1,3,5-トリス(3,3,3-トリフルオロプロピル)-1,3,5-トリメチルシクロトリシロキサンを合成している。
Figure 0007211310000001
特許文献2には、フルオロ水解物である線状重合体形メチルトリフルオロプロピルシロキサンに、アルカリ金属炭酸塩をクラッキング触媒として用いることで、同様に1,3,5-トリス(3,3,3-トリフルオロプロピル)-1,3,5-トリメチルシクロトリシロキサンを合成している。
また、1分子構造の中に、非置換の炭化水素基を有するシロキサン単位とフッ素含有有機基とを有する、シロキサン単位の両方を保有した環状ポリシロキサンについても報告されている。
特許文献3では、下記式のZにフッ素含有有機基を有する環状ポリシロキサンの合成が報告されている。この文献では、合成法(1)ジメチルジクロロシランとフッ素含有有機基を有するジクロロシランとを共加水分解する方法、合成法(2)ジメチルジクロロシランとメチルジクロロシランとを共加水分解して得たヒドロシラン型シクロシロキサンと、フッ素含有のオレフィンをヒドロシリル化反応させる方法、合成法(3)ジメチルジクロロシランと、メチルビニルジクロロシランとを共加水分解して得たビニル型シクロシロキサンと、フッ素含有のヒドロシランをヒドロシリル化反応させる方法、合成法(4)ジメチルジクロロシランと、メチルビニルジクロロシランとを共加水分解して得たビニル型シクロシロキサンに、ペルフルオロアルキルヨージド付加させてヨウ素置換シクロシロキサンとした後、還元する方法の4種類の合成法が用いられている。
Figure 0007211310000002
特許文献4では、ジシロキサンジオールと、含フッ素置換基を有するジクロロシランを触媒存在下で同時に滴下して反応させることで下記式の環状ポリシロキサンを合成している。
Figure 0007211310000003
さらに、特許文献5では、1,3,5-トリス(3,3,3-トリフルオロプロピル)-1,3,5-トリメチルシクロトリシロキサンと、脂肪族不飽和結合を含有した有機基を有するジクロロシラン化合物を触媒存在下で反応させ、下記式の環状ポリシロキサンを得ている。
Figure 0007211310000004
特開昭54-90120号公報 特開2000-169485号公報 特開昭60-163887号公報 特開昭64-71887号公報 特開2007-23021号公報
上記のフッ素含有有機基を有する環状ポリシロキサンの製造方法について、特許文献1及び特許文献2は生成物が1,3,5-トリス(3,3,3-トリフルオロプロピル)-1,3,5-トリメチルシクロトリシロキサンと限定的である。
特許文献3は、全ての合成法において、シランの共加水分解反応を行うため、反応収率が低く、また環状ポリシロキサンの重合度も安定的ではない。
特許文献4は、2種の原料を同速度で同時に滴下する合成法であるため、製造が難しく、得られる収率も低い。
特許文献5は、原料が1,3,5-トリス(3,3,3-トリフルオロプロピル)-1,3,5-トリメチルシクロトリシロキサンと脂肪族不飽和結合を有するジクロロシランと限定的であり、また実施例では、触媒として発がん性を有するヘキサメチルリン酸トリアミド(HMPA)を用いているのみである。
上記の通り、フッ素含有有機基を有する環状ポリシロキサンの従来の製造方法において、有毒な触媒を使用せず、簡便に合成可能であり、高収率・高純度にて目的の環状ポリシロキサンが得られる合成法は知られていない。
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、有毒な触媒を使用せず、簡便な工程かつ穏やかな条件下にて、高収率・高純度でフッ素含有有機基を有する環状ポリシロキサンが得られる、環状ポリシロキサンの製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意研究を重ねた結果、環状シロキサンとフッ素含有有機基を有するジハロシランを式-C(=O)N<で表されるカルボン酸アミド結合を有するルイス塩基化合物、P=O結合を有するリン化合物、4級アンモニウム塩、及び4級ホスホニウム塩から選ばれる少なくとも1種の触媒の存在下において反応せしめて、合成中間体の分子鎖両末端ハロゲン原子封鎖の直鎖状ポリシロキサンを合成し、次いでその化合物を加水分解することにより、フッ素含有有機基を有する環状ポリシロキサン化合物が高収率・高純度にて得られることを見出し、本発明をなすに至った。
即ち、本発明は、下記環状ポリシロキサンの製造方法を提供する。
1.(I)下記一般式(1)
Figure 0007211310000005
(式中、R1及びR2はそれぞれ独立に、炭素原子数1~10の非置換又は置換の1価炭化水素基であり、aは3≦a≦5の整数である。)
で表される原料環状シロキサンと、
下記一般式(2)
Figure 0007211310000006
(式中、R3は炭素原子数1~10の非置換の1価炭化水素基であり、Rfはフッ素含有有機基であり、Xはハロゲン原子である。)
で表されるフッ素含有有機基を有するジハロシランとを、
-C(=O)N<で表されるカルボン酸アミド結合を有するルイス塩基化合物、P=O結合を有するリン化合物、4級アンモニウム塩及び4級ホスホニウム塩から選ばれる1種以上の触媒の存在下において、一般式(1)で表される環状シロキサンの開環を伴う反応をさせて、分子鎖両末端ハロゲン原子封鎖の直鎖状ポリシロキサンを得る工程、及び
[II]得られた分子鎖両末端ハロゲン原子封鎖の直鎖状ポリシロキサンを水と反応させることで、下記一般式(3)
Figure 0007211310000007
(式中、R1及びR2はそれぞれ独立に、炭素原子数1~10の非置換又は置換の1価炭化水素基であり、R3は炭素原子数1~10の非置換の1価炭化水素基であり、Rfはフッ素含有有機基であり、bは3≦b≦10の整数である。)
で表される環状ポリシロキサンを得る工程を含む、環状ポリシロキサンの製造方法。
2.一般式(1),(3)において、R1及びR2がそれぞれ独立に炭素原子数1~10の非置換の1価炭化水素基である1記載の環状ポリシロキサンの製造方法。
3.一般式(1)~(3)において、R1、R2及びR3がメチル基である2記載の環状ポリシロキサンの製造方法。
4.(I’)下記一般式(1’)
Figure 0007211310000008
(式中、R1及びR2はそれぞれ独立に、炭素原子数1~10の非置換又は置換の1価炭化水素基である。)
で表される原料環状シロキサンと、
下記一般式(2’)
Figure 0007211310000009
(式中、R3は炭素原子数1~10の非置換の1価炭化水素基であり、Rfはフッ素含有有機基である。)
で表されるフッ素含有有機基を有するジクロロシランを、
-C(=O)N<で表されるカルボン酸アミド結合を有するルイス塩基化合物、P=O結合を有するリン化合物、4級アンモニウム塩及び4級ホスホニウム塩から選ばれる1種以上の触媒の存在下において、一般式(1’)で表される環状シロキサンの開環を伴う反応をさせて、分子鎖両末端塩素原子封鎖の直鎖状ポリシロキサンを得る工程、及び
(II’)得られた分子鎖両末端ハロゲン原子封鎖の直鎖状ポリシロキサンを水と反応させることで、下記一般式(3’)
Figure 0007211310000010
(式中、R1及びR2はそれぞれ独立に、炭素原子数1~10の非置換又は置換の1価炭化水素基であり、R3は炭素原子数1~10の非置換の1価炭化水素基であり、Rfはフッ素含有有機基である。)
で表される環状ポリシロキサンを得る工程を含む、環状ポリシロキサンの製造方法。
5.一般式(1’),(3’)において、R1及びR2がそれぞれ独立に、炭素原子数1~10の非置換の1価炭化水素基である4記載の環状ポリシロキサンの製造方法。
6.一般式(1’)~(3’)において、R1、R2及びR3がメチル基である5記載の環状ポリシロキサンの製造方法。
7.Rfが、下記構造式(4)又は(5)
Figure 0007211310000011
(式中、cは0~5の整数であり、dは1~10の整数であり、eは0又は1であり、fは0~2の整数であり、gは0~2の整数であり、hは1~5の整数であり、Y及びY’はそれぞれ独立に、酸素原子又は単結合である。)
Figure 0007211310000012
(式中、iは1~20の整数であり、jは0~2の整数であり、kは1~6の整数であり、Yは酸素原子又は単結合である。)
で表されるフッ素含有有機基である1~6のいずれかに記載の環状ポリシロキサンの製造方法。
8.Rfが、上記構造式(5)で表されるフッ素含有有機基である7記載の環状ポリシロキサンの製造方法。
9.Rfが、下記構造式(5’)
Figure 0007211310000013
(式中、iは1~6の整数である。)
で表されるフッ素含有有機基である請求項8記載の環状ポリシロキサンの製造方法。
10.触媒が、三級アミド結合を含有するルイス塩基化合物、及びホスフィンオキシドから選ばれる1種以上である1~9のいずれかに記載の環状ポリシロキサンの製造方法。
11.触媒が、N,N-ジメチルホルムアミド、テトラメチル尿素、1,3-ジメチル-3,4,5,6-テトラヒドロ-2(1H)-ピリミジノン、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン、酸化トリメチルホスフィン、トリエチルホスフィンオキシド、トリ-n-プロピルホスフィンオキシド、トリブチルホスフィンオキシド、トリ-n-オクチルホスフィンオキシド、トリス(2-エチルヘキシル)ホスフィンオキシド、トリシクロヘキシルホスフィンオキシド、トリフェニルホスフィンオキシド、メチル(ジフェニル)ホスフィンオキシド、エチルジフェニルホスフィンオキシド、ジフェニルビニルホスフィン=オキシド、エチニル(ジフェニル)ホスフィンオキシド、メトキシメチル(ジフェニル)ホスフィンオキシド及びシクロヘキシルジフェニルホスフィンオキシドから選ばれる1種以上である10記載の環状ポリシロキサンの製造方法。
12.触媒と溶媒の混合物中で、原料環状シロキサンとフッ素含有有機基を有するジハロシランとを反応させ、溶媒の量が、原料環状シロキサンとフッ素含有有機基を有するジハロシランとの合計100質量部に対し1~1,000質量部である1~10のいずれかに記載の環状ポリシロキサンの製造方法。
本発明の環状ポリシロキサンの製造方法は、有毒な触媒を使用せず、簡便な工程かつ穏やかな条件下にて、高収率・高純度でフッ素含有有機基を有する環状ポリシロキサンを得ることができる。また、合成したフッ素含有有機基を有する環状ポリシロキサンを、高分子量のシリコーンオイルやシリコーンゴムの原料として用いることにより、それらに更なる特性向上や新規な物性を付与することができる。
実施例1で得られた環状ポリシロキサン(3-1)の1H-NMRスペクトル(溶媒CDCl3)を示す図である。 実施例1で得られた環状ポリシロキサン(3-1)の29Si-NMRスペクトル(溶媒CDCl3)を示す図である。
以下、本発明の環状ポリシロキサンの製造方法について詳細に説明する。
本発明は、二つの工程を有するものである。
[I]一般式(1)で表される環状シロキサンと、一般式(2)で表されるフッ素含有有機基を有するジハロシランとを、-C(=O)N<で表されるカルボン酸アミド結合を有するルイス塩基化合物、P=O結合を有するリン化合物、4級アンモニウム塩、及び4級ホスホニウム塩から選ばれる1種以上の触媒の存在下において、一般式(1)で表される環状シロキサンの開環を伴う反応をさせて、分子鎖両末端ハロゲン原子封鎖の直鎖状ポリシロキサンを得る工程、
[II]
得られた分子鎖両末端ハロゲン原子封鎖の直鎖状ポリシロキサンを水と反応させることで、目的とする一般式(3)で表される環状シロキサンを得るものである。
[I]工程
(I)反応についてさらに詳述すると、一般式(1)で表される環状シロキサンと、一般式(2)で表されるフッ素含有有機基を有するジハロシランとを、-C(=O)N<で表されるカルボン酸アミド結合を有するルイス塩基化合物、P=O結合を有するリン化合物、4級アンモニウム塩、及び4級ホスホニウム塩から選ばれる1種以上の触媒の存在下において反応させて、一般式(1)で表される環状シロキサンの環状構造を開くことにより、下記一般式(3’’)(式中、X、R1、R2、R3、Rf、a及びbは、上述と同じである。)で表される合成中間体である分子鎖両末端ハロゲン原子封鎖の直鎖状ポリシロキサンを製造する工程であり、以下の反応式(I)で表され、以下の記述において「開環反応」と称する工程である。
Figure 0007211310000014
[原料環状シロキサン]
本発明において、原料として使用する環状シロキサンは、下記一般式(1)で表されるものである。
Figure 0007211310000015
(式中、R1及びR2はそれぞれ独立に、炭素原子数1~10の非置換又は置換の1価炭化水素基であり、aは3≦a≦5の整数である。)
ここでR1及びR2の1価炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等の好ましくは炭素数1~6のアルキル基、シクロヘキシル基等の好ましくは炭素数5~8のシクロアルキル基、ビニル基、アリル基、ヘキセニル基、オクテニル基等の好ましくは炭素数2~8のアルケニル基、シクロヘキセニルエチル基等の好ましくは炭素数3~8のシクロアルケニルアルキル基、アクリロイルプロピル基、アクリロイルメチル基、メタクリロイルプロピル基等の好ましくは炭素数4~10のアクリロイルアルキル基、及びメタクリロイルアルキル基、フェニル基、トリル基等の好ましくは炭素数6~10のアリール基、ベンジル基等の好ましくは炭素数7~10のアラルキル基、又はこれらの基の炭素原子に結合している水素原子の一部又は全部をヒドロキシ基、シアノ基、ハロゲン原子、アルコキシシリル基、ポリオキシアルキレン基、エポキシ基、カルボキシル基等で置換した炭素数1~10の1価炭化水素基が挙げられる。中でも、炭素原子数1~10の非置換の1価炭化水素基、及び3,3,3-トリフルオロプロピル基が好ましく、メチル基、ビニル基、3,3,3-トリフルオロプロピル基がより好ましく、メチル基がさらに好ましい。
aは、3≦a≦5の整数であり、好ましくはa=3である(上記一般式(1’))。
[フッ素含有有機基を有するジハロシラン]
もう一方の原料で使用するフッ素含有有機基を有するジハロシランは、下記一般式(2)で表されるものである。
Figure 0007211310000016
(式中、R3は炭素原子数1~10の非置換の1価炭化水素基であり、Rfはフッ素含有有機基であり、Xはハロゲン原子である。)
3の1価炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等の好ましくは炭素数1~6のアルキル基、シクロヘキシル基等の好ましくは炭素数5~8のシクロアルキル基、ビニル基、アリル基、ヘキセニル基、オクテニル基等の好ましくは炭素数2~8のアルケニル基、シクロヘキセニルエチル基等の好ましくは炭素数3~8のシクロアルケニルアルキル基、フェニル基、トリル基等の好ましくは炭素数6~10のアリール基、ベンジル基等の好ましくは炭素数7~10のアラルキル基が挙げられる。中でも、メチル基、ビニル基、フェニル基が好ましく、メチル基がより好ましい。
fのフッ素含有有機基としては、例えば、下記構造式(4)及び(5)で表されるものが挙げられ、特に構造式(5)で表されるものが好ましい。
Figure 0007211310000017
(式中、cは0~5の整数であり、dは1~10の整数であり、eは0又は1であり、fは0~2の整数であり、gは0~2の整数であり、hは1~5の整数であり、Y及びY’はそれぞれ独立に、酸素原子又は単結合である。)
Figure 0007211310000018
(式中、iは1~20の整数であり、jは0~2の整数であり、kは1~6の整数であり、Yは酸素原子又は単結合である。)
式(4)中、cは0~5の整数であり、0~3が好ましく、dは1~10の整数であり、1~5が好ましく、eは0又は1であり、fは0~2の整数であり、gは0~2の整数であり、hは1~5の整数であり、1~3が好ましい。
式(5)中、iは1~20の整数であり、1~6が好ましく、1~4がより好ましい。jは0~2の整数であり、0が好ましい。kは1~6の整数であり、2が好ましい。Yは酸素原子又は単結合であり、好ましくは単結合である。
Xはハロゲン原子であり、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、塩素原子が好ましい(上記一般式(2’))。
(I)開環反応における一般式(1)の化合物と式(2)の化合物のモル比は特に制限がなく、任意ではあるが、式(2)の化合物の1モルに対して、式(1)の化合物が0.8モル~5モルが好ましく、0.8~3モルがより好ましい。0.8モル未満又は5モルを超えると、経済的に不利となる場合や、目的物質の精製に支障が出るような不純物を発生させる場合がある。
[触媒]
開環反応の触媒として、-C(=O)N<で表されるカルボン酸アミド結合を有するルイス塩基化合物、P=O結合を有するリン化合物、4級アンモニウム塩及び4級ホスホニウム塩から選ばれる1種以上の触媒を用いる。触媒は、1種単独であっても2種以上の併用であってもよい。
カルボン酸アミド結合を有するルイス塩基化合物としては、任意のカルボン酸アミド化合物、ウレタン化合物又はウレア化合物を用いることができる。反応効率の点から、N原子に直接結合したH原子を有さない、三級アミド結合を含有するルイス塩基化合物が好ましい。
カルボン酸アミド化合物の例としては、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N,N-ジメチルプロピオンアミド、N,N-ジメチルイソブチルアミド、N,N-ジメチルアクリルアミド、N,N-ジメチルメタクリルアミド、N,N-ジメチルアセトアセトアミド、N,N-ジエチルホルムアミド、N,N-ジエチルアセトアミド、N,N,N’,N’-テトラアセチルエチレンジアミン、1-メチル-2-ピロリドン等が挙げられる。
これらの中でも、反応効率及び入手の容易さから、N,N-ジメチルホルムアミドが好ましい。
ウレタン化合物の例としては、N-メトキシカルボニルマレイミド、3-メチル-2-オキサゾリドン、1-エトキシカルボニル-4-ピペリドン、1-tert-ブトキシカルボニルピロリジン等が挙げられ、ウレア化合物の例としては、テトラメチル尿素、1,3-ジメチル-3,4,5,6-テトラヒドロ-2(1H)-ピリミジノン、1,1,3,3-テトラエチル尿素、1,1,3,3-テトラブチル尿素、N,N’-ジメチル-N,N’-ジフェニル尿素、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン、1,3-ジメチルウラシル、1,3-ジメチルバルビツル酸、カフェイン等が挙げられる。これらの中で、反応効率及び入手の容易さから、テトラメチル尿素、1,3-ジメチル-3,4,5,6-テトラヒドロ-2(1H)-ピリミジノン、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノンが好ましい。
P=O結合を有するリン化合物としては、発がん性を有するヘキサメチルリン酸トリアミド(HMPA)等のリン酸トリアミドを除く、任意のP=O結合を有するリン化合物を用いることができる。反応効率の点から、ホスフィンオキシドが好ましい。
P=O結合を有するリン化合物の例としては、酸化トリメチルホスフィン、トリエチルホスフィンオキシド、トリ-n-プロピルホスフィンオキシド、トリブチルホスフィンオキシド、トリ-n-オクチルホスフィンオキシド、トリス(2-エチルヘキシル)ホスフィンオキシド、トリシクロヘキシルホスフィンオキシド、トリフェニルホスフィンオキシド、メチル(ジフェニル)ホスフィンオキシド、エチルジフェニルホスフィンオキシド、ジフェニルビニルホスフィン=オキシド、エチニル(ジフェニル)ホスフィンオキシド、メトキシメチル(ジフェニル)ホスフィンオキシド、シクロヘキシルジフェニルホスフィンオキシド、(4-ブロモフェニル)ジフェニルホスフィンオキシド、(3-ブロモフェニル)ジフェニルホスフィンオキシド、ビス(4-ブロモフェニル)フェニルホスフィンオキシド、ビス(3-ブロモフェニル)フェニルホスフィンオキシド、トリス(3-ブロモフェニル)ホスフィンオキシド、トリス(4-メチルフェニル)ホスフィンオキシド、2,5-ジヒドロキシフェニル(ジフェニル)ホスフィンオキシド、ジフェニル(2,4,6-トリメチルベンゾイル)ホスフィンオキシド、フェニルビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)ホスフィンオキシド、3-メチル-1-フェニル-2-ホスホレン1-オキシド、(N,N-ジイソブチルカルバモイル)メチル]オクチルフェニルホスフィン=オキシド、1,2-ビス(ジフェニルホスフィノ)エタンモノオキシド、一酸化1,3-ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン、1,8-ビス(ジフェニルホスフィニル)ナフタレン、ビス[2-[(オキソ)ジフェニルホスフィノ]フェニル]エーテル、2,8-ビス(ジフェニルホスホリル)ジベンゾ[b,d]フラン、リン酸、リン酸メチル、リン酸フェニル、リン酸ジメチル、リン酸ジブチル、リン酸ジフェニル、リン酸トリメチル、リン酸トリブチル、リン酸トリアリル、リン酸トリフェニル、リン酸トリス(トリメチルシリル)、メチルホスホン酸、ブチルホスホン酸、ビニルホスホン酸、フェニルホスホン酸、ジメチルホスフィン酸、ジフェニルホスフィン酸、メチルホスホン酸ジメチル、ビニルホスホン酸ジエチル、メチレンジホスホン酸、メチレンジホスホン酸テトライソプロピル、亜リン酸ジメチル、亜リン酸ジブチル、亜リン酸ジフェニル等が挙げられる。これらの中で、反応効率及び入手の容易さから、酸化トリメチルホスフィン、トリエチルホスフィンオキシド、トリ-n-プロピルホスフィンオキシド、トリブチルホスフィンオキシド、トリ-n-オクチルホスフィンオキシド、トリス(2-エチルヘキシル)ホスフィンオキシド、トリシクロヘキシルホスフィンオキシド、トリフェニルホスフィンオキシド、メチル(ジフェニル)ホスフィンオキシド、エチルジフェニルホスフィンオキシド、ジフェニルビニルホスフィン=オキシド、エチニル(ジフェニル)ホスフィンオキシド、メトキシメチル(ジフェニル)ホスフィンオキシド、シクロヘキシルジフェニルホスフィンオキシドが好ましい。
4級アンモニウム塩及び4級ホスホニウム塩としては、任意の4級アンモニウム塩及び4級ホスホニウム塩を用いることができる。
4級アンモニウム塩の例としては、テトラブチルアンモニウムブロミド、テトラブチルアンモニウムクロリド、テトラプロピルアンモニウムブロミド、メチルトリ-n-オクチルアンモニウムクロリド等が挙げられる。4級ホスホニウム塩の例としては、テトラブチルホスホニウムブロミド、テトラブチルホスホニウムクロリド、メチルトリフェニルホスホニウムブロミド等が挙げられる。これらの中で、反応効率及び入手の容易さから、メチルトリ-n-オクチルアンモニウムクロリド、テトラブチルホスホニウムブロミドが好ましい。
上記の触媒の使用量は、一般式(2)で表されるフッ素含有有機基を有するジハロシラン1モルに対して、0.0001~5モルが好ましく、0.0005~3モルがより好ましく、0.001~1モルがさらに好ましい。0.0001モル以上とすることで、より十分な触媒効果が得られ、5モルを超えると経済的に不利な場合がある。なお、使用量が多い場合の条件は、反応溶媒として使用されることを想定しているものである。
開環反応の反応温度は、特に制限はないが、-10~150℃が好ましく、0~100℃がより好ましい。反応温度が150℃を超えると、経済的に不利な場合があり、また収率の低下を招くような副生物が発生する場合もある。一方、反応温度が-10℃未満だと、反応速度が必要以上に遅くなる場合がある。
開環反応においては、反応原料の混合方法及び混合順序には特に制限はない。式(1)の化合物、式(2)の化合物及び触媒を一括に混合、式(1)の化合物及び式(2)の化合物の混合物に触媒を添加、式(1)の化合物又は式(2)の化合物と触媒の混合物に式(2)の化合物又は式(1)の化合物を滴下、式(1)の化合物又は式(2)の化合物に、式(2)の化合物又は式(1)の化合物と触媒の混合物を滴下、触媒又は触媒と溶媒の混合物中で式(1)の化合物と式(2)の化合物を反応させる、具体的には、触媒又は触媒と溶媒の混合物中に式(1)の化合物及び式(2)の化合物をそれぞれ個別にもしくは混合して滴下するのいずれでもよい。
開環反応では、反応溶媒は本質的に必須の物質ではないが、反応系の均一性を向上させたり、反応系の容積を増加させて撹拌性を向上させたり等の必要に応じて使用してもよい。溶媒は1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。溶媒としては、例えば、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、メシチレン等の芳香族系炭化水素系溶剤、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、イソオクタン、デカン、ウンデカン、ドデカン、テトラデカン、ヘキサデカン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、パラフィン等の脂肪族系炭化水素系溶剤、工業用ガソリン(ゴム揮発油等)、石油ベンジン、ソルベントナフサ等の炭化水素系溶剤、アセトン、メチルエチルケトン、2-ペンタノン、3-ペンタノン、2-ヘキサノン、2-ヘプタノン、4-ヘプタノン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、アセトニルアセトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル等のエステル系溶剤、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、1,2-ジメトキシエタン、1,4-ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶剤、2-メトキシエチルアセタート、2-エトキシエチルアセタート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセタート、2-ブトキシエチルアセタート等のエステルとエーテル部分を有する溶剤、ヘキサメチルジシロキサン、オクタメチルトリシロキサン、ジメチルシリコーンオイル等のシロキサン系溶剤、アセトニトリル等のニトリル系溶剤、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素等の塩素化炭化水素系溶剤、m-キシレンヘキサフロライド、ベンゾトリフロライド等のフッ素変性芳香族炭化水素系溶剤、メチルパーフルオロブチルエーテル、エチルパーフルオロブチルエーテル、パーフルオロ(2-ブチルテトラヒドロフラン)等のフッ素変性エーテル系溶剤、ジメチルスルホキシド等が挙げられる。
これらの中でも、芳香族系炭化水素系溶剤、脂肪族系炭化水素系溶剤、ケトン系溶剤、エステル系溶剤、ニトリル系溶剤、フッ素変性芳香族炭化水素系溶剤、フッ素変性エーテル系溶剤、ジメチルスルホキシドが好ましく、さらにトルエン、ヘキサン、ヘプタン、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、酢酸エチル、アセトニトリル、m-キシレンヘキサフロライド、ジメチルスルホキシドが好ましい。但し、原料の一方である一般式(2)のジハロシランと反応する可能性のある種類、例えばアルコール類、アミン類等は好ましくない。
原料である環状シロキサンが固体である場合、有機溶媒に均一に溶解している必要はなく、一部が溶解した状態で開環反応を行ってもよい。
溶媒の使用量は、原料環状シロキサンとフッ素含有有機基を有するジハロシランとの合計100質量部に対し1~1,000質量部が好ましく、5~300質量部がより好ましい。
開環反応の反応圧力は、常圧もしくは加圧のいずれの条件でも実施でき、特に制限はないが、一般的には、大気圧条件で十分である。
開環反応の反応系の雰囲気は、特に制限はないものの、引火性化合物を取り扱うために、防災上の観点からは、一般的には不活性ガスの雰囲気下が望ましく、不活性ガスの具体例としては窒素もしくはアルゴン等が挙げられる。
開環反応の反応時間は、0.1~100時間であり、好ましくは1~50時間で十分である。0.1時間未満だと、反応が不完全となる場合や短時間で急激に反応させることにより反応熱で系内の温度が急上昇する場合があり、100時間を超えると、経済的に不利になる場合がある。
[II]工程
(II)工程についてさらに詳述すると、上記の反応式(1)によって表される「開環反応」の生成物である一般式(3’’)の分子鎖両末端ハロゲン原子封鎖の直鎖状ポリシロキサンを、さらに水と反応せしめることにより、両末端のハロゲン基同士を加水分解縮合させて、分子内で環状構造を形成させ、本発明の目的物質である一般式(3)の環状ポリシロキサンを得る工程であり、「加水分解反応」と称し、以下の反応式(II)で表される。式中、X、R1、R2、R3、Rf及びbは上記と同じである。
Figure 0007211310000019
加水分解反応における水と一般式(3’’)の分子鎖両末端ハロゲン原子封鎖の直鎖状ポリシロキサンのモル比は特に制限がなく、任意ではあるが、式(3’’)の化合物の1モルに対して、水が1~1,000モルが好ましく、2~100モルがより好ましい。1モル未満では、化学量論的に水が不足の条件となり、未反応の(3’’)が残存してしまう。また、1,000モルを超えると経済的に不利となる場合がある。
加水分解反応の反応温度は、特に制限はないが、-10~100℃が好ましく、0~80℃がより好ましい。反応温度が100℃を超えると、水が沸騰して突沸等の現象を起こす場合や不純物が発生する場合があり、一方、反応温度が-10℃未満だと、水が固化して撹拌性に支障を来す場合や反応速度が必要以上に遅くなる場合がある。
加水分解反応においては、反応原料の混合方法には特に制限はない。一般式(3’’)の分子鎖両末端ハロゲン原子封鎖の直鎖状ポリシロキサンを含む(I)「開環反応」の反応混合物に水を滴下してもよいし、水にその反応混合物を滴下してもよい。
加水分解反応においては、有機溶媒を必要に応じて使用してもよい。なお、有機溶媒は反応前に添加しても、反応後に添加してもよい。溶媒としては、例えば、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、メシチレン等の芳香族系炭化水素系溶剤、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、イソオクタン、デカン、ウンデカン、ドデカン、テトラデカン、ヘキサデカン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、パラフィン等の脂肪族系炭化水素系溶剤、工業用ガソリン(ゴム揮発油等)、石油ベンジン、ソルベントナフサ等の炭化水素系溶剤、アセトン、メチルエチルケトン、2-ペンタノン、3-ペンタノン、2-ヘキサノン、2-ヘプタノン、4-ヘプタノン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、アセトニルアセトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル等のエステル系溶剤、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、1,2-ジメトキシエタン、1,4-ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶剤、2-メトキシエチルアセタート、2-エトキシエチルアセタート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセタート、2-ブトキシエチルアセタート等のエステルとエーテル部分を有する溶剤、メタノール、エタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、1-ブタノール等のアルコール系溶剤、ヘキサメチルジシロキサン、オクタメチルトリシロキサン、ジメチルシリコーンオイル等のシロキサン系溶剤、アセトニトリル等のニトリル系溶剤、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素等の塩素化炭化水素系溶剤、m-キシレンヘキサフロライド、ベンゾトリフロライド等のフッ素変性芳香族炭化水素系溶剤、メチルパーフルオロブチルエーテル、エチルパーフルオロブチルエーテル、パーフルオロ(2-ブチルテトラヒドロフラン)等のフッ素変性エーテル系溶剤、ジメチルスルホキシド等が挙げられる。
これらの中でも、芳香族系炭化水素系溶剤、脂肪族系炭化水素系溶剤、ケトン系溶剤、エステル系溶剤、エーテル系溶剤、アルコール系溶剤、ニトリル系溶剤、フッ素変性芳香族炭化水素系溶剤、フッ素変性エーテル系溶剤、ジメチルスルホキシドが好ましく、さらにトルエン、ヘキサン、ヘプタン、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、酢酸エチル、メタノール、エタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、アセトニトリル、m-キシレンヘキサフロライド、ジメチルスルホキシドが好ましい。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
溶媒の使用量は、好ましくは、中間体である一般式(3’’)の分子鎖両末端ハロゲン原子封鎖の直鎖状ポリシロキサン100質量部に対し、1~1,000質量部が好ましく、5~500質量部がより好ましい。
加水分解反応の反応圧力は、常圧もしくは加圧のいずれの条件でも実施でき、特に制限はないが、一般的には、大気圧条件で十分である。
加水分解反応の反応系の雰囲気は、特に制限はないものの、引火性化合物を取り扱うために、防災上の観点からは、一般的には不活性ガスの雰囲気下が望ましく、不活性ガスの具体例としては窒素もしくはアルゴン等が挙げられる。
加水分解反応の反応時間は、0.1~100時間が好ましく、より好ましくは1~50時間で十分である。0.1時間未満だと反応が不完全となる場合があり、100時間を超えると、長いと経済的に不利になる場合がある。
加水分解反応後に公知の手段により水で有機層を洗浄してもよい。また、水洗後の残留水分の除去については、Na2SO4、MgSO4、CaCl2等の市販の乾燥剤を使用してもよい。
反応溶液から目的物質の式(3)の環状ポリシロキサンを取り出す方法は特に制限はないが、溶媒や原料等の低分子成分を蒸発させて除去する方法、目的物質の式(3)の環状ポリシロキサンを蒸留する方法、反応溶液に水、メタノール等の貧溶媒を添加し、目的物質を析出させ、乾燥させる方法等が挙げられる。
[目的物質の環状ポリシロキサン]
本発明の目的物質の環状ポリシロキサンは、下記一般式(3)で表される化合物である。
Figure 0007211310000020
(式中、R1及びR2はそれぞれ独立に、炭素原子数1~10の非置換又は置換の1価炭化水素基であり、R3は炭素原子数1~10の非置換の1価炭化水素基であり、Rfはフッ素含有有機基であり、bは3≦b≦10の整数である。)
ここでR1、R2、R3、及びRfは、上記式(1),(2)で記載した通りである。bは、3≦b≦10の整数であり、3≦b≦6が好ましく、b=3がより好ましい(上記一般式(3))。
本発明の製造方法によって得られるフッ素含有有機基を有する環状ポリシロキサンは、シリコーン樹脂やシリコーンオイルへの添加剤、又は重合性モノマーとして使用されることにより、各種高分子量体の更なる特性向上や新規な物性を付与する改質剤として産業上有用である。
以下、実施例を示し、本発明をより詳細に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。また、各例中、Meはメチル基を表す。
[実施例1]
撹拌機及び温度計を備えて窒素置換を十分に行った四つ口フラスコに、ヘキサメチルシクロトリシロキサン(222.46g、1.00mol)、式(2-1)で表されるジクロロシラン(361.10g、1.00mol)を仕込んだ。次いで撹拌しながら、触媒として1,3-ジメチル-3,4,5,6-テトラヒドロ-2(1H)-ピリミジノン(1.28g、0.01mol)を添加し、室温(25℃)窒素雰囲気下で撹拌を行った。25時間後、ガスクロマトグラフィーによる分析により、原料の消失を確認した。開環反応中間体である分子鎖両末端ハロゲン原子封鎖の直鎖状ポリシロキサン(3’-1)の生成量は約82GC%であった。得られた開環反応中間体をトルエン(400g)に溶解させ、開環反応中間体溶液を得た。
次いで、撹拌機及び温度計を備えて窒素置換を十分に行った別の四つ口フラスコ中に、トルエン(400g)、メタノール(100g)、水(100g、5.56mol)を仕込み、氷で冷やして撹拌しながら10℃以下で、上記の開環反応中間体溶液を2時間かけて滴下した。滴下終了後、10℃以下で1時間撹拌し、ガスクロマトグラフィーによる分析により、開環反応中間体の消失を確認した。その後、分液漏斗にて水層を除去し、さらに水(200g)を加えて有機層を洗浄する工程を3回繰り返した。有機層を回収し、無水硫酸ナトリウム(10g)にて1時間乾燥した。この後、減圧蒸留にて、目的物質390.15gを分留した。
減圧蒸留後に得られた目的物質を1H-NMR及び29Si-NMRで測定し、目的物質が下記式(3-1)であると同定した。測定結果を図1及び図2に示す。目的物質の収率は74%、ガスクロマトグラフィーによる分析での純度は98%GCであった。得られた環状ポリシロキサン(3-1)の1H-NMRスペクトル(溶媒CDCl3)を図1に、得られた環状ポリシロキサン(3-1)の29Si-NMRスペクトル(溶媒CDCl3)を図2に示す。
Figure 0007211310000021
[実施例2]
実施例1において、触媒として1,3-ジメチル-3,4,5,6-テトラヒドロ-2(1H)-ピリミジノン(1.28g、0.01mol)に代えて、1,3-ジメチル-3,4,5,6-テトラヒドロ-2(1H)-ピリミジノン(6.41g、0.05mol)を用いる以外は、同様の操作にて反応を行った。開環反応25時間後の、中間体の分子鎖両末端ハロゲン原子封鎖の直鎖状ポリシロキサン(3’-1)の生成量は約88GC%であった。同様の加水分解反応、及び蒸留精製した環状ポリシロキサン(3-1)の収量は409.39g(収率77%)であり、純度は99GC%であった。
[実施例3]
実施例1において、触媒として1,3-ジメチル-3,4,5,6-テトラヒドロ-2(1H)-ピリミジノン(1.28g、0.01mol)に代えて、トリブチルホスフィンオキシド(2.18g、0.01mol)を用いる以外は、同様の操作にて反応を行った。開環反応25時間後の、中間体の分子鎖両末端ハロゲン原子封鎖の直鎖状ポリシロキサン(3’-1)の生成量は約96GC%であった。同様の加水分解反応、及び蒸留精製した環状ポリシロキサン(3-1)の収量は456.76g(収率86%)であり、純度は99GC%であった。
[実施例4]
実施例1において、触媒として1,3-ジメチル-3,4,5,6-テトラヒドロ-2(1H)-ピリミジノン(1.28g、0.01mol)に代えて、トリフェニルホスフィンオキシド(13.91g、0.05mol)を用いる以外は、同様の操作にて反応を行った。開環反応25時間後の、中間体の分子鎖両末端ハロゲン原子封鎖の直鎖状ポリシロキサン(3’-1)の生成量は約92GC%であった。同様の加水分解反応、及び蒸留精製した環状ポリシロキサン(3-1)の収量は428.00g(収率81%)であり、純度は98GC%であった。
[実施例5]
実施例1において、触媒として1,3-ジメチル-3,4,5,6-テトラヒドロ-2(1H)-ピリミジノン(1.28g、0.01mol)に代えて、テトラメチル尿素(5.81g、0.05mol)を用いる以外は、同様の操作にて反応を行った。開環反応25時間後の、中間体の分子鎖両末端ハロゲン原子封鎖の直鎖状ポリシロキサン(3’-1)の生成量は約72GC%であった。同様の加水分解反応、及び蒸留精製した環状ポリシロキサン(3-1)の収量は334.96g(収率63%)であり、純度は97GC%であった。
[実施例6]
実施例1において、触媒として1,3-ジメチル-3,4,5,6-テトラヒドロ-2(1H)-ピリミジノン(1.28g、0.01mol)に代えて、メチルトリ-n-オクチルアンモニウムクロリド(8.96g、0.05mol)を用いる以外は、同様の操作にて反応を行った。開環反応25時間後の、中間体の分子鎖両末端ハロゲン原子封鎖の直鎖状ポリシロキサン(3’-1)の生成量は約82GC%であった。同様の加水分解反応、及び蒸留精製した環状ポリシロキサン(3-1)の収量は377.15g(収率71%)であり、純度は95GC%であった。
[実施例7]
実施例1において、触媒として1,3-ジメチル-3,4,5,6-テトラヒドロ-2(1H)-ピリミジノン(1.28g、0.01mol)に代えて、1,3-ジメチル-3,4,5,6-テトラヒドロ-2(1H)-ピリミジノン(6.41g、0.05mol)を、開環反応の溶媒として、アセトニトリル(41.05g、1.00mol)を用いる以外は、同様の操作にて反応を行った。開環反応5時間後の、中間体の分子鎖両末端ハロゲン原子封鎖の直鎖状ポリシロキサン(3’-1)の生成量は約90GC%であった。同様の加水分解反応、及び蒸留精製した環状ポリシロキサン(3-1)の収量は407.07g(収率77%)であり、純度は98GC%であった。
[実施例8]
実施例1において、触媒として1,3-ジメチル-3,4,5,6-テトラヒドロ-2(1H)-ピリミジノン(1.28g、0.01mol)に代えて、1,3-ジメチル-3,4,5,6-テトラヒドロ-2(1H)-ピリミジノン(6.41g、0.05mol)を、開環反応の溶媒として、メチルエチルケトン(42.37g、0.59mol)を用いる以外は、同様の操作にて反応を行った。開環反応8時間後の、中間体の分子鎖両末端ハロゲン原子封鎖の直鎖状ポリシロキサン(3’-1)の生成量は約89GC%であった。同様の加水分解反応、及び蒸留精製した環状ポリシロキサン(3-1)の収量は414.05g(収率78%)であり、純度は98GC%であった。
[実施例9]
実施例1において、触媒として1,3-ジメチル-3,4,5,6-テトラヒドロ-2(1H)-ピリミジノン(1.28g、0.01mol)に代えて、トリブチルホスフィンオキシド(2.18g、0.01mol)を、開環反応の溶媒として、トルエン(291.78g、3.17mol)を用いる以外は、同様の操作にて反応を行った。開環反応1時間後の、中間体の分子鎖両末端ハロゲン原子封鎖の直鎖状ポリシロキサン(3’-1)の生成量は約97GC%であった。同様の加水分解反応、及び蒸留精製した環状ポリシロキサン(3-1)の収量は461.52g(収率87%)であり、純度は99GC%であった。
[実施例10]
実施例1において、触媒として1,3-ジメチル-3,4,5,6-テトラヒドロ-2(1H)-ピリミジノン(1.28g、0.01mol)に代えて、N,N-ジメチルホルムアミド(73.10g、1.00mol)を、開環反応の溶媒として、アセトニトリル(135.47g、3.30mol)を用いる以外は、同様の操作にて5℃下で反応を行った。開環反応8時間後の、中間体の分子鎖両末端ハロゲン原子封鎖の直鎖状ポリシロキサン(3’-1)の生成量は約75GC%であった。同様の加水分解反応、及び蒸留精製した環状ポリシロキサン(3-1)の収量は348.92g(収率66%)であり、純度は97GC%であった。
[実施例11]
実施例7において、原料環状シロキサンとしてヘキサメチルシクロトリシロキサン(222.46g、1.00mol)に代えて、1,3,5-トリス(3,3,3-トリフルオロプロピル)-1,3,5-トリメチルシクロトリシロキサン(468.54g、1.00mol)を用いる以外は、同様の操作にて反応を行った。開環反応25時間後に原料の消失を確認した。同様の加水分解反応を行い、減圧乾燥にて溶媒と低分子成分を留去し、粗生成物701.25gを得た。得られた粗生成物を1H-NMR及び29Si-NMRで測定し、下記式(3-2)の生成を確認した。
Figure 0007211310000022
[実施例12]
実施例7において、ジハロシランとして、式(2-1)で表されるジクロロシラン(361.10g、1.00mol)に代えて、式(2-2)で表されるジクロロシラン(803.21g、1.00mol)を用いる以外は、同様の操作にて反応を行った。開環反応8時間後に原料の消失を確認した。同様の加水分解反応を行い、減圧乾燥にて溶媒と低分子成分を留去し、粗生成物902.11gを得た。得られた粗生成物を1H-NMR及び29Si-NMRで測定し、下記式(3-3)の生成を確認した。
Figure 0007211310000023
[実施例13]
実施例12において、原料環状シロキサンとして、ヘキサメチルシクロトリシロキサン(222.46g、1.00mol)に代えて、2,4,6-トリメチル-2,4,6-トリビニルシクロトリシロキサン(258.50g、1.00mol)を用いる以外は、同様の操作にて反応を行った。開環反応25時間後に原料の消失を確認した。同様の加水分解反応を行い、減圧乾燥にて溶媒と低分子成分を留去し、粗生成物904.23gを得た。得られた粗生成物を1H-NMR及び29Si-NMRにて測定し、下記式(3-4)の生成を確認した。
Figure 0007211310000024
本発明の環状ポリシロキサンの製造方法によって得られるフッ素含有有機基を有する環状ポリシロキサンは、シリコーン樹脂やシリコーンオイルへの添加剤、又は重合性モノマーとして使用されることにより、各種高分子量体の更なる特性向上や新規な物性を付与する改質剤として産業上有用である。

Claims (12)

  1. (I)下記一般式(1)
    Figure 0007211310000025
    (式中、R1及びR2はそれぞれ独立に、炭素原子数1~10の非置換又は置換の1価炭化水素基であり、aは3≦a≦5の整数である。)
    で表される原料環状シロキサンと、
    下記一般式(2)
    Figure 0007211310000026
    (式中、R3は炭素原子数1~10の非置換の1価炭化水素基であり、Rfはフッ素含有有機基であり、Xはハロゲン原子である。)
    で表されるフッ素含有有機基を有するジハロシランとを、
    ヘキサメチルリン酸トリアミドを除く、ホスフィンオキシドから選ばれる1種以上の触媒の存在下において、一般式(1)で表される環状シロキサンの開環を伴う反応をさせて、分子鎖両末端ハロゲン原子封鎖の直鎖状ポリシロキサンを得る工程、及び
    [II]得られた分子鎖両末端ハロゲン原子封鎖の直鎖状ポリシロキサンを水と反応させることで、下記一般式(3)
    Figure 0007211310000027
    (式中、R1及びR2はそれぞれ独立に、炭素原子数1~10の非置換又は置換の1価炭化水素基であり、R3は炭素原子数1~10の非置換の1価炭化水素基であり、Rfはフッ素含有有機基であり、bは3≦b≦10の整数である。)
    で表される環状ポリシロキサンを得る工程を含む、環状ポリシロキサンの製造方法。
  2. 一般式(1),(3)において、R1及びR2がそれぞれ独立に炭素原子数1~10の非置換の1価炭化水素基である請求項1記載の環状ポリシロキサンの製造方法。
  3. 一般式(1)~(3)において、R1、R2及びR3がメチル基である請求項2記載の環状ポリシロキサンの製造方法。
  4. (I’)下記一般式(1’)
    Figure 0007211310000028
    (式中、R1及びR2はそれぞれ独立に、炭素原子数1~10の非置換又は置換の1価炭化水素基である。)
    で表される原料環状シロキサンと、
    下記一般式(2’)
    Figure 0007211310000029
    (式中、R3は炭素原子数1~10の非置換の1価炭化水素基であり、Rfはフッ素含有有機基である。)
    で表されるフッ素含有有機基を有するジクロロシランを、
    ヘキサメチルリン酸トリアミドを除く、ホスフィンオキシドから選ばれる1種以上の触媒の存在下において、一般式(1’)で表される環状シロキサンの開環を伴う反応をさせて、分子鎖両末端塩素原子封鎖の直鎖状ポリシロキサンを得る工程、及び
    (II’)得られた分子鎖両末端ハロゲン原子封鎖の直鎖状ポリシロキサンを水と反応させることで、下記一般式(3’)
    Figure 0007211310000030
    (式中、R1及びR2はそれぞれ独立に、炭素原子数1~10の非置換又は置換の1価炭化水素基であり、R3は炭素原子数1~10の非置換の1価炭化水素基であり、Rfはフッ素含有有機基である。)
    で表される環状ポリシロキサンを得る工程を含む、環状ポリシロキサンの製造方法。
  5. 一般式(1’),(3’)において、R1及びR2がそれぞれ独立に、炭素原子数1~10の非置換の1価炭化水素基である請求項4記載の環状ポリシロキサンの製造方法。
  6. 一般式(1’)~(3’)において、R1、R2及びR3がメチル基である請求項5記載の環状ポリシロキサンの製造方法。
  7. fが、下記構造式(4)又は(5)
    Figure 0007211310000031
    (式中、cは0~5の整数であり、dは1~10の整数であり、eは0又は1であり、fは0~2の整数であり、gは0~2の整数であり、hは1~5の整数であり、Y及びY’はそれぞれ独立に、酸素原子又は単結合である。)
    Figure 0007211310000032
    (式中、iは1~20の整数であり、jは0~2の整数であり、kは1~6の整数であり、Yは酸素原子又は単結合である。)
    で表されるフッ素含有有機基である請求項1~6のいずれか1項記載の環状ポリシロキサンの製造方法。
  8. fが、上記構造式(5)で表されるフッ素含有有機基である請求項7記載の環状ポリシロキサンの製造方法。
  9. fが、下記構造式(5’)
    Figure 0007211310000033
    (式中、iは1~6の整数である。)
    で表されるフッ素含有有機基である請求項8記載の環状ポリシロキサンの製造方法。
  10. 触媒が、酸化トリメチルホスフィン、トリエチルホスフィンオキシド、トリ-n-プロピルホスフィンオキシド、トリブチルホスフィンオキシド、トリ-n-オクチルホスフィンオキシド、トリス(2-エチルヘキシル)ホスフィンオキシド、トリシクロヘキシルホスフィンオキシド、トリフェニルホスフィンオキシド、メチル(ジフェニル)ホスフィンオキシド、エチルジフェニルホスフィンオキシド、ジフェニルビニルホスフィン=オキシド、エチニル(ジフェニル)ホスフィンオキシド、メトキシメチル(ジフェニル)ホスフィンオキシド、シクロヘキシルジフェニルホスフィンオキシド、(4-ブロモフェニル)ジフェニルホスフィンオキシド、(3-ブロモフェニル)ジフェニルホスフィンオキシド、ビス(4-ブロモフェニル)フェニルホスフィンオキシド、ビス(3-ブロモフェニル)フェニルホスフィンオキシド、トリス(3-ブロモフェニル)ホスフィンオキシド、トリス(4-メチルフェニル)ホスフィンオキシド、2,5-ジヒドロキシフェニル(ジフェニル)ホスフィンオキシド、ジフェニル(2,4,6-トリメチルベンゾイル)ホスフィンオキシド、フェニルビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)ホスフィンオキシド、3-メチル-1-フェニル-2-ホスホレン1-オキシド、(N,N-ジイソブチルカルバモイル)メチル]オクチルフェニルホスフィン=オキシド、1,2-ビス(ジフェニルホスフィノ)エタンモノオキシド、一酸化1,3-ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン、1,8-ビス(ジフェニルホスフィニル)ナフタレン、ビス[2-[(オキソ)ジフェニルホスフィノ]フェニル]エーテル及び2,8-ビス(ジフェニルホスホリル)ジベンゾ[b,d]フランから選ばれる1種以上である請求項1~9のいずれか1項記載の環状ポリシロキサンの製造方法。
  11. 触媒が、酸化トリメチルホスフィン、トリエチルホスフィンオキシド、トリ-n-プロピルホスフィンオキシド、トリブチルホスフィンオキシド、トリ-n-オクチルホスフィンオキシド、トリス(2-エチルヘキシル)ホスフィンオキシド、トリシクロヘキシルホスフィンオキシド、トリフェニルホスフィンオキシド、メチル(ジフェニル)ホスフィンオキシド、エチルジフェニルホスフィンオキシド、ジフェニルビニルホスフィン=オキシド、エチニル(ジフェニル)ホスフィンオキシド、メトキシメチル(ジフェニル)ホスフィンオキシド及びシクロヘキシルジフェニルホスフィンオキシドから選ばれる1種以上である請求項10記載の環状ポリシロキサンの製造方法。
  12. 触媒と溶媒の混合物中で、原料環状シロキサンとフッ素含有有機基を有するジハロシランとを反応させ、溶媒の量が、原料環状シロキサンとフッ素含有有機基を有するジハロシランとの合計100質量部に対し1~1,000質量部である請求項1~10のいずれか1項記載の環状ポリシロキサンの製造方法。
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