JP2021042128A - 環状ポリシロキサンの製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
特許文献3は、全ての合成法において、シランの共加水分解反応を行うため、反応収率が低く、また環状ポリシロキサンの重合度も安定的ではない。
特許文献4は、2種の原料を同速度で同時に滴下する合成法であるため、製造が難しく、得られる収率も低い。
特許文献5は、原料が1,3,5−トリス(3,3,3−トリフルオロプロピル)−1,3,5−トリメチルシクロトリシロキサンと脂肪族不飽和結合を有するジクロロシランと限定的であり、また実施例では、触媒として発がん性を有するヘキサメチルりん酸トリアミド(HMPA)を用いているのみである。
1.(I)下記一般式(1)
で表される原料環状シロキサンと、
下記一般式(2)
で表されるフッ素含有有機基を有するジハロシランとを、
−C(=O)N<で表されるカルボン酸アミド結合を有するルイス塩基化合物、P=O結合を有するリン化合物、4級アンモニウム塩及び4級ホスホニウム塩から選ばれる1種以上の触媒の存在下において、一般式(1)で表される環状シロキサンの開環を伴う反応をさせて、分子鎖両末端ハロゲン原子封鎖の直鎖状ポリシロキサンを得る工程、及び
[II]得られた分子鎖両末端ハロゲン原子封鎖の直鎖状ポリシロキサンを水と反応させることで、下記一般式(3)
で表される環状ポリシロキサンを得る工程を含む、環状ポリシロキサンの製造方法。
2.一般式(1),(3)において、R1及びR2がそれぞれ独立に炭素原子数1〜10の非置換の1価炭化水素基である1記載の環状ポリシロキサンの製造方法。
3.一般式(1)〜(3)において、R1、R2及びR3がメチル基である2記載の環状ポリシロキサンの製造方法。
4.(I’)下記一般式(1’)
で表される原料環状シロキサンと、
下記一般式(2’)
で表されるフッ素含有有機基を有するジクロロシランを、
−C(=O)N<で表されるカルボン酸アミド結合を有するルイス塩基化合物、P=O結合を有するリン化合物、4級アンモニウム塩及び4級ホスホニウム塩から選ばれる1種以上の触媒の存在下において、一般式(1’)で表される環状シロキサンの開環を伴う反応をさせて、分子鎖両末端塩素原子封鎖の直鎖状ポリシロキサンを得る工程、及び
(II’)得られた分子鎖両末端ハロゲン原子封鎖の直鎖状ポリシロキサンを水と反応させることで、下記一般式(3’)
で表される環状ポリシロキサンを得る工程を含む、環状ポリシロキサンの製造方法。
5.一般式(1’),(3’)において、R1及びR2がそれぞれ独立に、炭素原子数1〜10の非置換の1価炭化水素基である4記載の環状ポリシロキサンの製造方法。
6.一般式(1’)〜(3’)において、R1、R2及びR3がメチル基である5記載の環状ポリシロキサンの製造方法。
7.Rfが、下記構造式(4)又は(5)
で表されるフッ素含有有機基である1〜6のいずれかに記載の環状ポリシロキサンの製造方法。
8.Rfが、上記構造式(5)で表されるフッ素含有有機基である7記載の環状ポリシロキサンの製造方法。
9.Rfが、下記構造式(5’)
で表されるフッ素含有有機基である請求項8記載の環状ポリシロキサンの製造方法。
10.触媒が、三級アミド結合を含有するルイス塩基化合物、及びホスフィンオキシドから選ばれる1種以上である1〜9のいずれかに記載の環状ポリシロキサンの製造方法。
11.触媒が、N,N−ジメチルホルムアミド、テトラメチル尿素、1,3−ジメチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2(1H)−ピリミジノン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、酸化トリメチルホスフィン、トリエチルホスフィンオキシド、トリ−n−プロピルホスフィンオキシド、トリブチルホスフィンオキシド、トリ−n−オクチルホスフィンオキシド、トリス(2−エチルヘキシル)ホスフィンオキシド、トリシクロヘキシルホスフィンオキシド、トリフェニルホスフィンオキシド、メチル(ジフェニル)ホスフィンオキシド、エチルジフェニルホスフィンオキシド、ジフェニルビニルホスフィン=オキシド、エチニル(ジフェニル)ホスフィンオキシド、メトキシメチル(ジフェニル)ホスフィンオキシド及びシクロヘキシルジフェニルホスフィンオキシドから選ばれる1種以上である10記載の環状ポリシロキサンの製造方法。
12.触媒と溶媒の混合物中で、原料環状シロキサンとフッ素含有有機基を有するジハロシランとを反応させ、溶媒の量が、原料環状シロキサンとフッ素含有有機基を有するジハロシランとの合計100質量部に対し1〜1,000質量部である1〜10のいずれかに記載の環状ポリシロキサンの製造方法。
本発明は、二つの工程を有するものである。
[I]一般式(1)で表される環状シロキサンと、一般式(2)で表されるフッ素含有有機基を有するジハロシランとを、−C(=O)N<で表されるカルボン酸アミド結合を有するルイス塩基化合物、P=O結合を有するリン化合物、4級アンモニウム塩、及び4級ホスホニウム塩から選ばれる1種以上の触媒の存在下において、一般式(1)で表される環状シロキサンの開環を伴う反応をさせて、分子鎖両末端ハロゲン原子封鎖の直鎖状ポリシロキサンを得る工程、
[II]
得られた分子鎖両末端ハロゲン原子封鎖の直鎖状ポリシロキサンを水と反応させることで、目的とする一般式(3)で表される環状シロキサンを得るものである。
(I)反応についてさらに詳述すると、一般式(1)で表される環状シロキサンと、一般式(2)で表されるフッ素含有有機基を有するジハロシランとを、−C(=O)N<で表されるカルボン酸アミド結合を有するルイス塩基化合物、P=O結合を有するリン化合物、4級アンモニウム塩、及び4級ホスホニウム塩から選ばれる1種以上の触媒の存在下において反応させて、一般式(1)で表される環状シロキサンの環状構造を開くことにより、下記一般式(3’’)(式中、X、R1、R2、R3、Rf、a及びbは、上述と同じである。)で表される合成中間体である分子鎖両末端ハロゲン原子封鎖の直鎖状ポリシロキサンを製造する工程であり、以下の反応式(I)で表され、以下の記述において「開環反応」と称する工程である。
本発明において、原料として使用する環状シロキサンは、下記一般式(1)で表されるものである。
もう一方の原料で使用するフッ素含有有機基を有するジハロシランは、下記一般式(2)で表されるものである。
開環反応の触媒として、−C(=O)N<で表されるカルボン酸アミド結合を有するルイス塩基化合物、P=O結合を有するリン化合物、4級アンモニウム塩及び4級ホスホニウム塩から選ばれる1種以上の触媒を用いる。触媒は、1種単独であっても2種以上の併用であってもよい。
これらの中でも、反応効率及び入手の容易さから、N,N−ジメチルホルムアミドが好ましい。
P=O結合を有するリン化合物の例としては、酸化トリメチルホスフィン、トリエチルホスフィンオキシド、トリ−n−プロピルホスフィンオキシド、トリブチルホスフィンオキシド、トリ−n−オクチルホスフィンオキシド、トリス(2−エチルヘキシル)ホスフィンオキシド、トリシクロヘキシルホスフィンオキシド、トリフェニルホスフィンオキシド、メチル(ジフェニル)ホスフィンオキシド、エチルジフェニルホスフィンオキシド、ジフェニルビニルホスフィン=オキシド、エチニル(ジフェニル)ホスフィンオキシド、メトキシメチル(ジフェニル)ホスフィンオキシド、シクロヘキシルジフェニルホスフィンオキシド、(4−ブロモフェニル)ジフェニルホスフィンオキシド、(3−ブロモフェニル)ジフェニルホスフィンオキシド、ビス(4−ブロモフェニル)フェニルホスフィンオキシド、ビス(3−ブロモフェニル)フェニルホスフィンオキシド、トリス(3−ブロモフェニル)ホスフィンオキシド、トリス(4−メチルフェニル)ホスフィンオキシド、2,5−ジヒドロキシフェニル(ジフェニル)ホスフィンオキシド、ジフェニル(2,4,6−トリメチルベンゾイル)ホスフィンオキシド、フェニルビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)ホスフィンオキシド、3−メチル−1−フェニル−2−ホスホレン1−オキシド、(N,N−ジイソブチルカルバモイル)メチル]オクチルフェニルホスフィン=オキシド、1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタンモノオキシド、一酸化1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン、1,8−ビス(ジフェニルホスフィニル)ナフタレン、ビス[2−[(オキソ)ジフェニルホスフィノ]フェニル]エーテル、2,8−ビス(ジフェニルホスホリル)ジベンゾ[b,d]フラン、りん酸、りん酸メチル、りん酸フェニル、りん酸ジメチル、りん酸ジブチル、りん酸ジフェニル、りん酸トリメチル、りん酸トリブチル、りん酸トリアリル、リン酸トリフェニル、りん酸トリス(トリメチルシリル)、メチルホスホン酸、ブチルホスホン酸、ビニルホスホン酸、フェニルホスホン酸、ジメチルホスフィン酸、ジフェニルホスフィン酸、メチルホスホン酸ジメチル、ビニルホスホン酸ジエチル、メチレンジホスホン酸、メチレンジホスホン酸テトライソプロピル、亜りん酸ジメチル、亜りん酸ジブチル、亜りん酸ジフェニル等が挙げられる。これらの中で、反応効率及び入手の容易さから、酸化トリメチルホスフィン、トリエチルホスフィンオキシド、トリ−n−プロピルホスフィンオキシド、トリブチルホスフィンオキシド、トリ−n−オクチルホスフィンオキシド、トリス(2−エチルヘキシル)ホスフィンオキシド、トリシクロヘキシルホスフィンオキシド、トリフェニルホスフィンオキシド、メチル(ジフェニル)ホスフィンオキシド、エチルジフェニルホスフィンオキシド、ジフェニルビニルホスフィン=オキシド、エチニル(ジフェニル)ホスフィンオキシド、メトキシメチル(ジフェニル)ホスフィンオキシド、シクロヘキシルジフェニルホスフィンオキシドが好ましい。
4級アンモニウム塩の例としては、テトラブチルアンモニウムブロミド、テトラブチルアンモニウムクロリド、テトラプロピルアンモニウムブロミド、メチルトリ−n−オクチルアンモニウムクロリド等が挙げられる。4級ホスホニウム塩の例としては、テトラブチルホスホニウムブロミド、テトラブチルホスホニウムクロリド、メチルトリフェニルホスホニウムブロミド等が挙げられる。これらの中で、反応効率及び入手の容易さから、メチルトリ−n−オクチルアンモニウムクロリド、テトラブチルホスホニウムブロミドが好ましい。
(II)工程についてさらに詳述すると、上記の反応式(1)によって表される「開環反応」の生成物である一般式(3’’)の分子鎖両末端ハロゲン原子封鎖の直鎖状ポリシロキサンを、さらに水と反応せしめることにより、両末端のハロゲン基同士を加水分解縮合させて、分子内で環状構造を形成させ、本発明の目的物質である一般式(3)の環状ポリシロキサンを得る工程であり、「加水分解反応」と称し、以下の反応式(II)で表される。式中、X、R1、R2、R3、Rf及びbは上記と同じである。
本発明の目的物質の環状ポリシロキサンは、下記一般式(3)で表される化合物である。
撹拌機及び温度計を備えて窒素置換を十分に行った四つ口フラスコに、ヘキサメチルシクロトリシロキサン(222.46g、1.00mol)、式(2−1)で表されるジクロロシラン(361.10g、1.00mol)を仕込んだ。次いで撹拌しながら、触媒として1,3−ジメチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2(1H)−ピリミジノン(1.28g、0.01mol)を添加し、室温(25℃)窒素雰囲気下で撹拌を行った。25時間後、ガスクロマトグラフィーによる分析により、原料の消失を確認した。開環反応中間体である分子鎖両末端ハロゲン原子封鎖の直鎖状ポリシロキサン(3’−1)の生成量は約82GC%であった。得られた開環反応中間体をトルエン(400g)に溶解させ、開環反応中間体溶液を得た。
次いで、撹拌機及び温度計を備えて窒素置換を十分に行った別の四つ口フラスコ中に、トルエン(400g)、メタノール(100g)、水(100g、5.56mol)を仕込み、氷で冷やして撹拌しながら10℃以下で、上記の開環反応中間体溶液を2時間かけて滴下した。滴下終了後、10℃以下で1時間撹拌し、ガスクロマトグラフィーによる分析により、開環反応中間体の消失を確認した。その後、分液漏斗にて水層を除去し、さらに水(200g)を加えて有機層を洗浄する工程を3回繰り返した。有機層を回収し、無水硫酸ナトリウム(10g)にて1時間乾燥した。この後、減圧蒸留にて、目的物質390.15gを分留した。
減圧蒸留後に得られた目的物質を1H−NMR及び29Si−NMRで測定し、目的物質が下記式(3−1)であると同定した。測定結果を図1及び図2に示す。目的物質の収率は74%、ガスクロマトグラフィーによる分析での純度は98%GCであった。得られた環状ポリシロキサン(3−1)の1H−NMRスペクトル(溶媒CDCl3)を図1に、得られた環状ポリシロキサン(3−1)の29Si−NMRスペクトル(溶媒CDCl3)を図2に示す。
実施例1において、触媒として1,3−ジメチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2(1H)−ピリミジノン(1.28g、0.01mol)に代えて、1,3−ジメチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2(1H)−ピリミジノン(6.41g、0.05mol)を用いる以外は、同様の操作にて反応を行った。開環反応25時間後の、中間体の分子鎖両末端ハロゲン原子封鎖の直鎖状ポリシロキサン(3’−1)の生成量は約88GC%であった。同様の加水分解反応、及び蒸留精製した環状ポリシロキサン(3−1)の収量は409.39g(収率77%)であり、純度は99GC%であった。
実施例1において、触媒として1,3−ジメチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2(1H)−ピリミジノン(1.28g、0.01mol)に代えて、トリブチルホスフィンオキシド(2.18g、0.01mol)を用いる以外は、同様の操作にて反応を行った。開環反応25時間後の、中間体の分子鎖両末端ハロゲン原子封鎖の直鎖状ポリシロキサン(3’−1)の生成量は約96GC%であった。同様の加水分解反応、及び蒸留精製した環状ポリシロキサン(3−1)の収量は456.76g(収率86%)であり、純度は99GC%であった。
実施例1において、触媒として1,3−ジメチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2(1H)−ピリミジノン(1.28g、0.01mol)に代えて、トリフェニルホスフィンオキシド(13.91g、0.05mol)を用いる以外は、同様の操作にて反応を行った。開環反応25時間後の、中間体の分子鎖両末端ハロゲン原子封鎖の直鎖状ポリシロキサン(3’−1)の生成量は約92GC%であった。同様の加水分解反応、及び蒸留精製した環状ポリシロキサン(3−1)の収量は428.00g(収率81%)であり、純度は98GC%であった。
実施例1において、触媒として1,3−ジメチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2(1H)−ピリミジノン(1.28g、0.01mol)に代えて、テトラメチル尿素(5.81g、0.05mol)を用いる以外は、同様の操作にて反応を行った。開環反応25時間後の、中間体の分子鎖両末端ハロゲン原子封鎖の直鎖状ポリシロキサン(3’−1)の生成量は約72GC%であった。同様の加水分解反応、及び蒸留精製した環状ポリシロキサン(3−1)の収量は334.96g(収率63%)であり、純度は97GC%であった。
実施例1において、触媒として1,3−ジメチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2(1H)−ピリミジノン(1.28g、0.01mol)に代えて、メチルトリ−n−オクチルアンモニウムクロリド(8.96g、0.05mol)を用いる以外は、同様の操作にて反応を行った。開環反応25時間後の、中間体の分子鎖両末端ハロゲン原子封鎖の直鎖状ポリシロキサン(3’−1)の生成量は約82GC%であった。同様の加水分解反応、及び蒸留精製した環状ポリシロキサン(3−1)の収量は377.15g(収率71%)であり、純度は95GC%であった。
実施例1において、触媒として1,3−ジメチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2(1H)−ピリミジノン(1.28g、0.01mol)に代えて、1,3−ジメチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2(1H)−ピリミジノン(6.41g、0.05mol)を、開環反応の溶媒として、アセトニトリル(41.05g、1.00mol)を用いる以外は、同様の操作にて反応を行った。開環反応5時間後の、中間体の分子鎖両末端ハロゲン原子封鎖の直鎖状ポリシロキサン(3’−1)の生成量は約90GC%であった。同様の加水分解反応、及び蒸留精製した環状ポリシロキサン(3−1)の収量は407.07g(収率77%)であり、純度は98GC%であった。
実施例1において、触媒として1,3−ジメチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2(1H)−ピリミジノン(1.28g、0.01mol)に代えて、1,3−ジメチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2(1H)−ピリミジノン(6.41g、0.05mol)を、開環反応の溶媒として、メチルエチルケトン(42.37g、0.59mol)を用いる以外は、同様の操作にて反応を行った。開環反応8時間後の、中間体の分子鎖両末端ハロゲン原子封鎖の直鎖状ポリシロキサン(3’−1)の生成量は約89GC%であった。同様の加水分解反応、及び蒸留精製した環状ポリシロキサン(3−1)の収量は414.05g(収率78%)であり、純度は98GC%であった。
実施例1において、触媒として1,3−ジメチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2(1H)−ピリミジノン(1.28g、0.01mol)に代えて、トリブチルホスフィンオキシド(2.18g、0.01mol)を、開環反応の溶媒として、トルエン(291.78g、3.17mol)を用いる以外は、同様の操作にて反応を行った。開環反応1時間後の、中間体の分子鎖両末端ハロゲン原子封鎖の直鎖状ポリシロキサン(3’−1)の生成量は約97GC%であった。同様の加水分解反応、及び蒸留精製した環状ポリシロキサン(3−1)の収量は461.52g(収率87%)であり、純度は99GC%であった。
実施例1において、触媒として1,3−ジメチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2(1H)−ピリミジノン(1.28g、0.01mol)に代えて、N,N−ジメチルホルムアミド(73.10g、1.00mol)を、開環反応の溶媒として、アセトニトリル(135.47g、3.30mol)を用いる以外は、同様の操作にて5℃下で反応を行った。開環反応8時間後の、中間体の分子鎖両末端ハロゲン原子封鎖の直鎖状ポリシロキサン(3’−1)の生成量は約75GC%であった。同様の加水分解反応、及び蒸留精製した環状ポリシロキサン(3−1)の収量は348.92g(収率66%)であり、純度は97GC%であった。
実施例7において、原料環状シロキサンとしてヘキサメチルシクロトリシロキサン(222.46g、1.00mol)に代えて、1,3,5−トリス(3,3,3−トリフルオロプロピル)−1,3,5−トリメチルシクロトリシロキサン(468.54g、1.00mol)を用いる以外は、同様の操作にて反応を行った。開環反応25時間後に原料の消失を確認した。同様の加水分解反応を行い、減圧乾燥にて溶媒と低分子成分を留去し、粗生成物701.25gを得た。得られた粗生成物を1H−NMR及び29Si−NMRで測定し、下記式(3−2)の生成を確認した。
実施例7において、ジハロシランとして、式(2−1)で表されるジクロロシラン(361.10g、1.00mol)に代えて、式(2−2)で表されるジクロロシラン(803.21g、1.00mol)を用いる以外は、同様の操作にて反応を行った。開環反応8時間後に原料の消失を確認した。同様の加水分解反応を行い、減圧乾燥にて溶媒と低分子成分を留去し、粗生成物902.11gを得た。得られた粗生成物を1H−NMR及び29Si−NMRで測定し、下記式(3−3)の生成を確認した。
Claims (12)
- (I)下記一般式(1)
で表される原料環状シロキサンと、
下記一般式(2)
で表されるフッ素含有有機基を有するジハロシランとを、
−C(=O)N<で表されるカルボン酸アミド結合を有するルイス塩基化合物、P=O結合を有するリン化合物、4級アンモニウム塩及び4級ホスホニウム塩から選ばれる1種以上の触媒の存在下において、一般式(1)で表される環状シロキサンの開環を伴う反応をさせて、分子鎖両末端ハロゲン原子封鎖の直鎖状ポリシロキサンを得る工程、及び
[II]得られた分子鎖両末端ハロゲン原子封鎖の直鎖状ポリシロキサンを水と反応させることで、下記一般式(3)
で表される環状ポリシロキサンを得る工程を含む、環状ポリシロキサンの製造方法。 - 一般式(1),(3)において、R1及びR2がそれぞれ独立に炭素原子数1〜10の非置換の1価炭化水素基である請求項1記載の環状ポリシロキサンの製造方法。
- 一般式(1)〜(3)において、R1、R2及びR3がメチル基である請求項2記載の環状ポリシロキサンの製造方法。
- (I’)下記一般式(1’)
で表される原料環状シロキサンと、
下記一般式(2’)
で表されるフッ素含有有機基を有するジクロロシランを、
−C(=O)N<で表されるカルボン酸アミド結合を有するルイス塩基化合物、P=O結合を有するリン化合物、4級アンモニウム塩及び4級ホスホニウム塩から選ばれる1種以上の触媒の存在下において、一般式(1’)で表される環状シロキサンの開環を伴う反応をさせて、分子鎖両末端塩素原子封鎖の直鎖状ポリシロキサンを得る工程、及び
(II’)得られた分子鎖両末端ハロゲン原子封鎖の直鎖状ポリシロキサンを水と反応させることで、下記一般式(3’)
で表される環状ポリシロキサンを得る工程を含む、環状ポリシロキサンの製造方法。 - 一般式(1’),(3’)において、R1及びR2がそれぞれ独立に、炭素原子数1〜10の非置換の1価炭化水素基である請求項4記載の環状ポリシロキサンの製造方法。
- 一般式(1’)〜(3’)において、R1、R2及びR3がメチル基である請求項5記載の環状ポリシロキサンの製造方法。
- Rfが、上記構造式(5)で表されるフッ素含有有機基である請求項7記載の環状ポリシロキサンの製造方法。
- 触媒が、三級アミド結合を含有するルイス塩基化合物、及びホスフィンオキシドから選ばれる1種以上である請求項1〜9のいずれか1項記載の環状ポリシロキサンの製造方法。
- 触媒が、N,N−ジメチルホルムアミド、テトラメチル尿素、1,3−ジメチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2(1H)−ピリミジノン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、酸化トリメチルホスフィン、トリエチルホスフィンオキシド、トリ−n−プロピルホスフィンオキシド、トリブチルホスフィンオキシド、トリ−n−オクチルホスフィンオキシド、トリス(2−エチルヘキシル)ホスフィンオキシド、トリシクロヘキシルホスフィンオキシド、トリフェニルホスフィンオキシド、メチル(ジフェニル)ホスフィンオキシド、エチルジフェニルホスフィンオキシド、ジフェニルビニルホスフィン=オキシド、エチニル(ジフェニル)ホスフィンオキシド、メトキシメチル(ジフェニル)ホスフィンオキシド及びシクロヘキシルジフェニルホスフィンオキシドから選ばれる1種以上である請求項10記載の環状ポリシロキサンの製造方法。
- 触媒と溶媒の混合物中で、原料環状シロキサンとフッ素含有有機基を有するジハロシランとを反応させ、溶媒の量が、原料環状シロキサンとフッ素含有有機基を有するジハロシランとの合計100質量部に対し1〜1,000質量部である請求項1〜10のいずれか1項記載の環状ポリシロキサンの製造方法。
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