JP7210971B2 - 転写装置および画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、転写装置および画像形成装置に関する。
複写機、プリンタ、FAX等の画像形成装置において、像保持手段から媒体に像を転写する転写手段において、転写手段を清掃する技術に関し、以下の特許文献1,2に記載の技術が知られている。
特許文献1としての特開平11-212327号公報には、Y:イエロー,M:マゼンタ,C:シアンのそれぞれのトナーが2種類以上の帯電、濃度特性有するトナー(Ta,Tb)を混合して構成することで、感光体ドラム(9)の電荷が低いハイライト部分の潜像が、帯電量が低く光透過率が高い淡い色のトナー(Ta)のみで現像されて、階調性の高い画像を形成する技術が記載されている。
特許文献2としての特開2017-198771号公報には、複数の色のトナーに対して、各色のトナー帯電量の変化量から、2次転写効率の変化を予測して、2次転写効率のロスを抑制するように、2次転写電流値を変更する技術が記載されている。
特開平11-212327号公報(「0033」-「0038」) 特開2017-198771号公報(「0064」-「0097」)
本発明は、帯電分布の異なる2種類以上が混合された現像剤で画像を形成する場合に、2種類以上が混合された現像剤の色味の調整を可能にすることを技術的課題とする。
前記技術的課題を解決するために、請求項1に記載の発明の転写装置は、
第1の現像剤と前記第1の現像剤とは帯電極性が同極性且つ帯電特性が異なる第2の現像剤とが混合された現像剤を含んだ現像手段で現像された画像を像保持手段の表面から媒体に転写する転写手段と、
前記媒体に転写された画像における第1の現像剤の濃度と、第2の現像剤の濃度とに基づいて、前記転写手段の転写バイアスを制御する制御手段と、
を備えたことを特徴とする。
前記技術的課題を解決するために、請求項2に記載の発明転写装置
第1の現像剤と前記第1の現像剤とは帯電特性が異なる第2の現像剤とが混合された現像剤を含んだ現像手段で現像された画像を像保持手段の表面から媒体に転写する転写手段と、
前記媒体に転写された画像における第1の現像剤の濃度と、第2の現像剤の濃度とに基づいて、前記転写手段の転写バイアスを制御する制御手段と、
帯電量の高い現像剤の濃度が高い場合に、転写バイアスを下げるように制御する前記制御手段
を備えたことを特徴とする。
前記技術的課題を解決するために、請求項3に記載の発明転写装置
第1の現像剤と前記第1の現像剤とは帯電特性が異なる第2の現像剤とが混合された現像剤を含んだ現像手段で現像された画像を像保持手段の表面から媒体に転写する転写手段と、
前記媒体に転写された画像における第1の現像剤の濃度と、第2の現像剤の濃度とに基づいて、前記転写手段の転写バイアスを制御する制御手段と、
帯電量の低い現像剤の濃度が高い場合に、転写バイアスを上げるように制御する前記制御手段
を備えたことを特徴とする。
前記技術的課題を解決するために、請求項4に記載の発明転写装置
第1の現像剤と前記第1の現像剤とは帯電特性が異なる第2の現像剤とが混合された現像剤を含んだ現像手段で現像された画像を像保持手段の表面から媒体に転写する転写手段と、
前記媒体に転写された画像における第1の現像剤の濃度と、第2の現像剤の濃度とに基づいて、前記転写手段の転写バイアスを制御する制御手段と、
帯電量の高い現像剤の濃度が低い場合に、転写バイアスを上げるように制御する前記制御手段
を備えたことを特徴とする。
前記技術的課題を解決するために、請求項5に記載の発明転写装置
第1の現像剤と前記第1の現像剤とは帯電特性が異なる第2の現像剤とが混合された現像剤を含んだ現像手段で現像された画像を像保持手段の表面から媒体に転写する転写手段と、
前記媒体に転写された画像における第1の現像剤の濃度と、第2の現像剤の濃度とに基づいて、前記転写手段の転写バイアスを制御する制御手段と、
帯電量の低い現像剤の濃度が低い場合に、転写バイアスを下げるように制御する前記制御手段
を備えたことを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、請求項1ないし5のいずれかに記載の転写装置において、
前記混合された現像剤の画像が形成される面の色に基づいて、転写バイアスを制御する制御手段、
を備えたことを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の転写装置において、
媒体の色が有色の場合に、前記第1の現像剤および第2の現像剤の中で明度が高い現像剤の転写率が高くなるように、前記転写バイアスを制御する制御手段、
を備えたことを特徴とする。
請求項8に記載の発明は、請求項6または7に記載の転写装置において、
画像の下地に白色の下地層が形成される場合に、前記転写バイアスの補正を行わない
ことを特徴とする。
前記技術的課題を解決するために、請求項9に記載の発明の画像形成装置は、
像保持手段と、
前記像保持手段の像を媒体に転写する請求項1ないし8のいずれかに記載の転写装置と、
前記媒体に転写された像を定着する定着手段と、
を備えたことを特徴とする。
請求項10に記載の発明は、請求項9に記載の画像形成装置において、
潜像が現像された画像を表面に保持する第1の像保持手段と、前記第1の像保持手段から画像が表面に転写されると共に転写された画像が媒体に転写される第2の像保持手段と、を有する前記像保持手段と、
前記第1の像保持手段の画像を前記第2の像保持手段に転写する第1の転写手段と、前記第2の像保持手段の画像を前記媒体に転写する第2の転写手段と、を有する前記転写手段と、
帯電特性として第1の現像剤とは電荷注入性の異なる第2の現像剤を使用するとともに、2次転写電圧を調整して色味調整を行う場合に、前記第1の転写手段による第1の転写バイアスを上げる制御を行う前記制御手段、
を備えたことを特徴とする。
請求項11に記載の発明は、請求項9に記載の画像形成装置において、
潜像が現像された画像を表面に保持する第1の像保持手段と、前記第1の像保持手段から画像が表面に転写されると共に転写された画像が媒体に転写される第2の像保持手段と、を有する前記像保持手段と、
前記第1の像保持手段の画像を前記第2の像保持手段に転写する第1の転写手段と、前記第2の像保持手段の画像を前記媒体に転写する第2の転写手段と、を有する前記転写手段と、
前記第2の像保持手段の回転方向に対して前記第1の像保持手段からの転写部よりも下流側且つ媒体への転写部よりも上流側に配置された第3の像保持手段と、を有する前記像保持手段と、
前記第3の像保持手段の画像を前記第2の像保持手段に転写する第3の転写手段を有する前記転写手段と、
帯電特性として第1の現像剤とは電荷注入性の異なる第2の現像剤を使用するとともに、2次転写電圧調整して色味調整を行う場合に、前記第3の転写手段による第3の転写バイアスを上げる制御を行う前記制御手段と、
を備えたことを特徴とする。
請求項1-5,9に記載の発明によれば、帯電分布の異なる2種類以上が混合された現像剤を含んだ現像手段で画像を形成する場合に、2種類以上が混合された現像剤の色味の調整を可能にすることができる。
請求項2に記載の発明によれば、帯電量の高い現像剤の濃度が高い場合でも、目的の色味の画像を形成することができる。
請求項3に記載の発明によれば、帯電量の低い現像剤の濃度が高い場合でも、目的の色味の画像を形成することができる。
請求項4に記載の発明によれば、帯電量の高い現像剤の濃度が低い場合でも、目的の色味の画像を形成することができる。
請求項5に記載の発明によれば、帯電量の低い現像剤の濃度が低い場合でも、目的の色味の画像を形成することができる。
請求項6に記載の発明によれば、画像が形成される面の色に応じて、目的の色味の画像を形成できる。
請求項7に記載の発明によれば、媒体の色が有色の場合でも、目的の色味の画像を形成できる。
請求項8に記載の発明によれば、下地が白色の場合に、目的の色味の画像を形成できる。
請求項10に記載の発明によれば、第1の転写バイアスでの電荷注入で2つの現像剤の帯電特性を調整することができる。
請求項11に記載の発明によれば、第3の転写バイアスでの電荷注入で2つの現像剤の帯電特性を調整することができる。
図1は実施例1の画像形成装置の全体説明図である。 図2は実施例1の画像の記録部の要部説明図である。 図3は実施例1の画像形成装置の制御部が備えている各機能をブロック図で示した図である。 図4は実施例1のコーポレートカラーを構成する現像剤の帯電分布の説明図である。 図5は実施例1の転写バイアス補正処理のフローチャートの説明図である。 図6は実施例2の制御部の説明であり、実施例1の図3に対応する図である。 図7は実施例2の転写バイアス補正処理のフローチャートの説明図である。 図8は実施例2の現像剤の帯電量の説明図であり、実施例1の図4に対応する図である。 図9は実施例3の制御部の説明であり、実施例1の図3に対応する図である。 図10は実施例3の転写バイアス補正処理のフローチャートの説明図である。 図11は実施例4の制御部の説明であり、実施例1の図3に対応する図である。 図12は実施例4の転写バイアス補正処理のフローチャートの説明図である。 図13は実施例5の制御部の説明であり、実施例1の図3に対応する図である。 図14は実施例5の転写バイアス補正処理のフローチャートの説明図である。
次に図面を参照しながら、本発明の実施の形態の具体例(以下、実施例と記載する)を説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
なお、以後の説明の理解を容易にするために、図面において、前後方向をX軸方向、左右方向をY軸方向、上下方向をZ軸方向とし、矢印X,-X,Y,-Y,Z,-Zで示す方向または示す側をそれぞれ、前方、後方、右方、左方、上方、下方、または、前側、後側、右側、左側、上側、下側とする。
また、図中、「○」の中に「・」が記載されたものは紙面の裏から表に向かう矢印を意味し、「○」の中に「×」が記載されたものは紙面の表から裏に向かう矢印を意味するものとする。
なお、以下の図面を使用した説明において、理解の容易のために説明に必要な部材以外の図示は適宜省略されている。
図1は実施例1の画像形成装置の全体説明図である。
図1において、本発明の実施例1の画像形成装置の一例としての複写機Uは、記録部の一例であって、画像記録装置の一例としてのプリンタ部U1を有する。プリンタ部U1の上部には、読取部の一例であって、画像読取装置の一例としてのスキャナ部U2が支持されている。スキャナ部U2の上部には、原稿の搬送装置の一例としてのオートフィーダU3が支持されている。
オートフィーダU3の上部には、媒体の収容手段の一例としての原稿トレイTG1が配置されている。原稿トレイTG1には、複写しようとする複数の原稿Giが重ねて収容可能である。原稿トレイTG1の下方には、原稿の排出部の一例としての原稿の排紙トレイTG2が形成されている。原稿トレイTG1と原稿の排紙トレイTG2との間には、原稿の搬送路U3aに沿って、原稿の搬送ロールU3bが配置されている。
スキャナ部U2の上面には、透明な原稿台の一例としてのプラテンガラスPGが配置されている。実施例1のスキャナ部U2には、プラテンガラスPGの下方に、読取部の一例としての読取ユニットU2aが配置されている。実施例1の読取ユニットU2aは、プラテンガラスPGの下面に沿って、副走査方向の一例としての左右方向に移動可能に支持されている。読取ユニットU2aは、通常時は、図1の実線で示す初期位置に停止している。なお、読取ユニットU2aは、画像処理部GSに電気的に接続されている。
また、実施例1のオートフィーダU3では、原稿の搬送路U3aには、原稿の搬送方向に対して、読取ユニットU2aが対向する位置よりも下流側に、第2の読み取り部の一例としての読取りセンサU3dが配置されている。読取りセンサU3dは、読取ユニットU2aとは原稿Giの反対側の面を読み取り可能に構成されている。
図2は実施例1の画像の記録部の要部説明図である。
画像処理部GSは、プリンタ部U1の書込回路DLに電気的に接続されている。書込回路DLは、潜像の形成手段の一例としての露光装置ROSに電気的に接続されている。
実施例1の露光装置ROSは、書込光の一例としてのw:白色(特色の一例),s:銀色(特色の一例),c:コーポレートカラー(特色の一例),K:黒色の各色に対応したレーザービームLw,Ls,Lc,Lkを出力可能に構成されている。露光装置ROSは、書込回路DLから入力された信号に応じたレーザービームLw~Lkを出力可能に構成されている。
図1において、露光装置ROSの上方には、像保持手段の一例としての感光体PRw,PRs,PRc,PRkが配置されている。図1、図2において、各感光体PRw~PRkにレーザービームLw~Lkが照射される領域により、書込領域Q1w,Q1s,Q1c,Q1kが構成されている。
各感光体PRw,PRs,PRc,PRkの回転方向に対して、書込領域Q1w~Q1kの上流側には、帯電手段の一例としての帯電ロールCRw,CRs,CRc,CRkが配置されている。実施例1の帯電ロールCRw~CRkは、感光体PRw~PRkに接触して従動回転可能に支持されている。
感光体PRw~PRkの回転方向に対して、書込領域Q1w~Q1kの下流側には、現像手段の一例としての現像装置Gw,Gs,Gc,Gkが配置されている。各感光体PRw~PRkと各現像装置Gw~Gkとが対向する領域により、現像領域Q2w,Q2s,Q2c,Q2kが構成されている。
感光体PRw~PRkの回転方向に対して、現像装置Gw~Gkの下流側には、1次転写手段の一例としての1次転写ロールT1w,T1s,T1c,T1kが配置されている。各感光体PRw~PRkと各1次転写ロールT1w~T1kとが対向する領域により、1次転写領域Q3w,Q3s,Q3c,Q3kが構成されている。
感光体PRw~PRkの回転方向に対して、1次転写ロールT1w~T1kの下流側には、清掃手段の一例としての感光体クリーナCLw,CLs,CLc,CLkが配置されている。
前記W色の感光体PRw、帯電ロールCRw、Y色のレーザービームLwを出力する露光装置ROS、現像装置Gw、1次転写ロールT1w、感光体クリーナCLwにより、トナー像を形成する実施例1のw色の可視像の形成手段の一例としてのw色の作像部Uwが構成されている。同様に、各感光体PRs,PRc,PRk、帯電ロールCRs,CRc,CRk、露光装置ROS、現像装置Gs,Gc,Gk、1次転写ロールT1s,T1c,T1k、感光体クリーナCLs,CLc,CLkにより、前記S(銀),C(コーポレートカラー),K色の作像部Us,Uc,Ukが構成されている。
前記感光体PRw~PRkの上方には、中間転写装置の一例としてのベルトモジュールBMが配置されている。ベルトモジュールBMは、像保持手段の一例であって、中間転写手段の一例としての中間転写ベルトBを有する。中間転写ベルトBは、無端帯状の部材により構成されている。
実施例1の中間転写ベルトBは、張架手段の一例としてのテンションロールRtと、片寄りの補正手段の一例としてのウォーキングロールRwと、従動手段の一例としてのアイドラロールRfと、2次転写領域の対向手段の一例としてのバックアップロールT2aと、1次転写ロールT1w,T1s,T1c,T1kと、により回転可能に支持されている。なお、実施例1では、駆動手段の一例としてのバックアップロールT2aに駆動が伝達された場合に、中間転写ベルトBが回転する。
前記中間転写ベルトBを挟んでバックアップロールT2aに対向する位置には、2次転写手段の一例としての2次転写ロールT2bが配置されている。バックアップロールT2aおよび2次転写ロールT2b等により、転写装置の一例としての実施例1の2次転写器T2が構成されている。また、2次転写ロールT2bと中間転写ベルトBとが接触する領域により、媒体への転写部の一例としての2次転写領域Q4が構成されている。
中間転写ベルトBの回転方向に対して、2次転写領域Q4の下流側には、中間転写体の清掃手段の一例として、ベルトクリーナCLbが配置されている。
前記1次転写ロールT1w~T1kおよび2次転写器T2等により、転写手段の一例としての実施例1の転写装置T1+T2が構成されている。また、作像部Uw~Ukおよび転写装置T1+T2や中間転写ベルトBとにより、実施例1の画像の記録部Uw~Uk+T1+T2+Bが構成されている。
図1において、作像部Uw~Ukの下方には、案内手段の一例としての左右一対のガイドレールGRが3段設けられている。各ガイドレールGRには、媒体の収容手段の一例としての給紙トレイTR1~TR3が前後方向に出入可能に支持されている。給紙トレイTR1~TR3には、媒体の一例としての記録シートSが収容される。
給紙トレイTR1~TR3の左上方には、取出手段の一例としてのピックアップロールRpが配置されている。記録シートSの搬送方向に対して、ピックアップロールRpの下流側には、捌き手段の一例としての捌きロールRsが配置されている。記録シートSの搬送方向に対して、捌きロールRsの下流側には、媒体の搬送路の一例として、上方に延びる給紙路SH1が形成されている。給紙路SH1には、搬送手段の一例としての複数の搬送ロールRaが配置されている。
給紙路SH1には、2次転写領域Q4の上流側に、搬送時期の調節手段の一例としてのレジロールRrが配置されている。
記録シートSの搬送方向に対して、2次転写領域Q4の下流側には、定着手段の一例としての定着装置Fが配置されている。定着装置Fは、加熱用の定着部材の一例としての加熱ロールFhと、加圧用の定着部材の一例としての加圧ロールFpと、を有する。加熱ロールFhと加圧ロールFpとの接触領域により定着領域Q5が構成されている。
定着装置Fの上方には、搬送路の一例としての排紙路SH2が配置されている。プリンタ部U1の上面には、媒体の排出部の一例としての排紙トレイTRhが形成されている。排紙路SH2は、排紙トレイTRhに向けて延びる。排紙路SH2の下流端には、媒体の搬送手段の一例としての排紙ロールRhが配置されている。
(画像形成動作の説明)
前記構成を備えた実施例1の複写機Uでは、原稿Giを作業者が手でプラテンガラスPG上に置いて複写を行う場合には、読取ユニットU2aが初期位置から左右方向に移動して、プラテンガラスPG上の原稿Giが、露光されながら走査される。また、前記オートフィーダU3を使用して自動的に原稿Giを搬送して複写を行う場合には、読取ユニットU2aは、初期位置から、図1の破線で示す原稿の読み取り位置に移動して停止する。そして、原稿トレイTG1に収容された複数の原稿Giは、プラテンガラスPG上の原稿の読み取り位置に順次搬送されて通過し、原稿の排紙トレイTG2に排出される。したがって、プラテンガラスPG上の読み取り位置を順次通過する各原稿Giは、停止した読取ユニットU2aに露光されて走査される。なお、原稿Giからの反射光は、読取ユニットU2aで受光される。前記読取ユニットU2aは、受光された原稿Giの反射光を電気信号に変換する。なお、原稿Giの両面読取りが行われる場合には、読取りセンサU3dでも原稿Giが読み取られる。
画像処理部GSは、読取ユニットU2aから出力された電気信号が入力される。画像処理部GSは、読取ユニットU2aが読み取ったR,G,Bの色の画像の電気信号や図示しないぱーそこなるコンピュータ等の情報処理装置から受信した印刷情報を、潜像形成用のw、s、c、Kの画像情報に変換する。画像処理部GSは、変換後の画像情報をプリンタ部U1の書込回路DLに出力する。なお、画像処理部GSは、画像が単色画像、いわゆる、モノクロの場合は、黒Kのみの画像情報を書込回路DLに出力する。
書込回路DLは、入力された画像情報に応じた制御信号を、露光装置ROSに出力する。露光装置ROSは、制御信号に応じたレーザービームLw~Lkを出力する。
各感光体PRw~PRkは、画像形成が開始されると回転駆動する。帯電ロールCRw~CRkには、電源回路Eから帯電電圧が印加される。したがって、感光体PRw~PRkの表面は、帯電ロールCRw~CRkにより帯電される。帯電された感光体PRw~PRkは、書込領域Q1w~Q1kにおいて、レーザービームLw~Lkにより、表面に静電潜像が形成される。感光体PRw~PRkの静電潜像は、現像領域Q2w~Q2kにおいて、現像装置Gw,Gm,Gc,Gkにより可視像の一例としてのトナー像に現像される。
現像されたトナー像は、中間転写体の一例としての中間転写ベルトBに接触する1次転写領域Q3w,Q3s,Q3c,Q3kに搬送される。1次転写領域(第1の像保持手段からの転写部)Q3w,Q3s,Q3c,Q3kにおいて、1次転写ロールT1w~T1kには、電源回路Eからトナーの帯電極性と逆極性の1次転写電圧が印加される。したがって、各感光体PRw~PRk上のトナー像は、1次転写ロールT1w~T1kにより、中間転写ベルトBに転写される。なお、多色のトナー像の場合、上流側の1次転写領域で中間転写ベルトBに転写されたトナー像に重ねて、下流側のトナー像が転写される。
1次転写後の感光体PRw~PRkの残留物、付着物は、感光体クリーナCLw~CLkにより清掃される。清掃された感光体PRw~PRk表面は、帯電ロールCRw~CRkにより再帯電される。
1次転写領域Q3w~Q3kで1次転写ロールT1w~T1kにより中間転写ベルトB上に転写された単色または多色のトナー像は、2次転写領域Q4に搬送される。
画像が記録される記録シートSは、使用される給紙トレイTR1~TR3のピックアップロールRpにより、取り出される。ピックアップロールRpで取り出された記録シートSは、複数枚の記録シートSが重ねて取り出された場合、捌きロールRsにより1枚ずつに分離される。捌きロールRsで分離された記録シートSは、搬送ロールRaにより給紙路SH1を搬送される。給紙路SH1を搬送された記録シートSは、レジロールRrに送られる。
レジロールRrは、中間転写ベルトBに形成されたトナー像が2次転写領域Q4に搬送される時期を合わせて、記録シートSを2次転写領域Q4に搬送する。2次転写ロールT2bには、電源回路Eによりトナーの帯電極性と逆極性の2次転写電圧が印加される。したがって、中間転写ベルトB上のトナー像は、中間転写ベルトBから記録シートSに転写される。
2次転写後の前記中間転写ベルトBは、表面に付着した付着物等がベルトクリーナCLbにより清掃される。
前記トナー像が2次転写された記録シートSは、定着領域Q5を通過する際に加熱定着される。
画像が定着された記録シートSは、排紙路SH2を搬送される。排紙路SH2を搬送された記録シートSは、排紙ロールRhにより排紙トレイTRhに排出される。
(実施例1の制御部の説明)
図3は実施例1の画像形成装置の制御部が備えている各機能をブロック図で示した図である。
図3において、複写機Uの制御手段の一例としての制御部(コントローラ)Cは、外部との信号の入出力等を行う入出力インターフェースI/Oを有する。また、制御部Cは、必要な処理を行うためのプログラムおよび情報等が記憶されたROM:リードオンリーメモリを有する。また、制御部Cは、必要なデータを一時的に記憶するためのRAM:ランダムアクセスメモリを有する。また、制御部Cは、ROM等に記憶されたプログラムに応じた処理を行うCPU:中央演算処理装置を有する。したがって、実施例1の制御部Cは、小型の情報処理装置、いわゆるマイクロコンピュータにより構成されている。よって、制御部Cは、ROM等に記憶されたプログラムを実行することにより種々の機能を実現することができる。
(制御部Cに接続された信号出力要素)
制御部Cは、操作部UIやスキャナ部U2等の信号出力要素からの出力信号が入力されている。
操作部UIは、入力部材の一例として、コピースタートキーやテンキー、矢印等の入力を行う入力ボタンUIaを有する。
スキャナ部U2は、原稿の画像を読み取る。
(制御部Cに接続された被制御要素)
制御部Cは、主駆動源の駆動回路D1や、電源回路E、その他の図示しない制御要素に接続されている。制御部Cは、各回路D1,E等へ、それらの制御信号を出力している。
D1:主駆動源の駆動回路
主駆動源の駆動回路D1は、主駆動源の一例としてのメインモータM1を介して、感光体PRw~PRkや中間転写ベルトB等を回転駆動する。
E:電源回路
電源回路Eは、現像用の電源回路Ea、帯電用の電源回路Eb、転写用の電源回路Ec、定着用の電源回路Ed等を有している。
Ea:現像用の電源回路
現像用の電源回路Eaは、現像装置Gw~Gkの現像ロールに現像電圧を印加する。
Eb:帯電用の電源回路
帯電用の電源回路Ebは、帯電ロールCRw~CRkそれぞれに感光体PRw~PRk表面を帯電させるための帯電電圧を印加する。
Ec:転写用の電源回路
転写用の電源回路Ecは、1次転写ロールT1w~T1kや2次転写ロールT2bに転写電圧を印加する。
Ed:定着用の電源回路
定着用の電源回路Edは、定着装置Fの加熱ロールFhのヒータに電力を供給する。
(制御部Cの機能)
制御部Cは、前記信号出力要素からの入力信号に応じた処理を実行して、前記各制御要素に制御信号を出力する機能を有している。すなわち、制御部Cは次の機能を有している。
C1:画像形成の制御手段
画像形成の制御手段C1は、操作部UIへの入力や外部のパーソナルコンピュータ等からの画像情報の入力に応じて、スキャナ部U2やプリンタ部U1の各部材の駆動や各電圧の印加時期等を制御して、画像形成動作であるジョブを実行する。
C2:駆動源の制御手段
駆動源の制御手段C2は、主駆動源の駆動回路D1を介して、メインモータM1の駆動を制御し、感光体PRw~PRk等の駆動を制御する。
C3:電源回路の制御手段
電源回路の制御手段C3は、各電源回路Ea~Edを制御して、各部材へ印加される電圧や、各部材へ供給される電力を制御する。
C4:パッチ画像の形成手段
濃度調整用画像の形成手段の一例としてのパッチ画像の形成手段C4は、濃度調整用の画像の一例としてのパッチ画像を記録シートSに形成する。実施例1では、パッチ画像として、予め定められた濃度のコーポレートカラー:C色の画像を含む各色の画像を形成する。
図4は実施例1のコーポレートカラーを構成する現像剤の帯電分布の説明図である。
図4において、実施例1では、コーポレートカラーを構成する現像剤の一例として、2種類の現像剤Ta,Tbが混合されたものを使用している。すなわち、複写機Uを使用する企業の社章やロゴ等を印刷する場合に、予めロゴ等で使用される色がコーポレートカラーとして調合されて現像剤として使用される。すなわち、実施例1では、2種類の色の異なる現像剤Ta,Tbを、予め定められた比率で混合することで、特定の色のコーポレートカラーを調合する。そして、実施例1では、2種類の現像剤Ta,Tbとして、帯電特性の異なる現像剤Ta,Tbが混合されている。すなわち、図4に示すように、各現像剤Ta,Tbでは、帯電量の分布において、もっとも多く分布する帯電量が異なる。実施例1では、帯電量の高い高帯電現像剤Taと、帯電量の低い低帯電現像剤Tbとが混合された現像剤が使用される。
C5:濃度取得手段
濃度取得手段C5は、パッチ画像が形成された記録シートSをスキャナ部U2で読み取った場合に取得されるパッチ画像の濃度を取得する。
C6:濃度判別手段
濃度判別手段C6は、スキャナ部U2で読み取った実際の濃度と、パッチ画像として形成したはずの予め設定された濃度との差異に基づいて、実際の濃度が、設定濃度に対して高いか低いか、すなわち、濃いか薄いかを判別する。実施例1の濃度判別手段C6は、コーポレートカラーのパッチ濃度について、読み取った色合いから、高帯電現像剤Taの濃度の濃淡と、低濃度現像剤Tbの濃度の濃淡とを判別する。
C7:転写バイアスの制御手段
転写バイアスの制御手段C7は、1次転写領域Q3w~Q3kに印加される1次転写バイアスや、2次転写領域Q4に印加される2次転写バイアスを制御する。実施例1の転写バイアスの制御手段C7は、高帯電現像剤のTaの濃度が薄い場合に2次転写バイアスを上昇させる。また、実施例1の転写バイアスの制御手段C7は、低帯電現像剤のTbの濃度が薄い場合に2次転写バイアスを低下させる。
図4において、実施例1では、2次転写電圧は、帯電特性の異なる2つの現像剤Ta,Tbが予め定められたコーポレートカラーの比率で転写されるように、転写バイアスの一例としての2次転写電圧V1が設定されている。温度や湿度、中間転写ベルトB等の各部材の摩耗、劣化等で、所定の2次転写電圧を印加しても、高帯電現像剤Taの濃度が薄くなることがある。この状態は、図4において、帯電分布に対して、2次転写電圧が、グラフ上で右側の電圧V1aの位置にシフトしている状態に相当する。したがって、この場合、2次転写電圧を上昇させて(電圧V1に近づけて)、所定の濃度になるように2次転写バイアスを補正、制御する。
同様に、低帯電現像剤Tbの濃度が薄い場合は、図4において、2次転写電圧が、グラフ上で左側の電圧V1bの位置にシフトしている状態に相当する。したがって、この場合、2次転写電圧を下降させて(電圧V1に近づけて)、所定の濃度になるように2次転写バイアスを補正、制御する。
(実施例1の流れ図の説明)
次に、実施例1の複写機Uにおける制御の流れを流れ図、いわゆるフローチャートを使用して説明する。
(転写バイアス補正処理のフローチャートの説明)
図5は実施例1の転写バイアス補正処理のフローチャートの説明図である。
図5のフローチャートの各ステップSTの処理は、前記複写機Uの制御部Cに記憶されたプログラムに従って行われる。また、この処理は複写機Uの他の各種処理と並行して実行される。したがって、ジョブ開始に伴って各記録シートSに画像が形成される処理は、図5のフローチャートとは並行して実行される。
図5に示すフローチャートは複写機Uの電源投入により開始される。
図5のST1において、操作部UIへの入力で、転写バイアスの補正処理が開始されたか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST2に進み、ノー(N)の場合はST1を繰り返す。
ST2において、コーポレートカラー(ブレンドトナー)の画像を含むパッチ画像を記録シートSに形成して出力する処理を行う。そして、ST3に進む。
ST3において、パッチ画像が形成された記録シートSをスキャナ部U2で読み取って、コーポレートカラーのパッチ画像の濃度を取得する処理を行う。そして、ST4に進む。
ST4において、高帯電トナーTaの濃度が薄いか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST5に進み、ノー(N)の場合はST6に進む。
ST5において、2次転写バイアスを上昇させる。そして、ST1に戻る。
ST6において、低帯電トナーTbの濃度が薄いか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST7に進み、ノー(N)の場合はST1に戻る(2次転写バイアスを変更しない)。
ST7において、2次転写バイアスを下降させる。そして、ST1に戻る。
(実施例1の作用)
前記構成を備えた実施例1の複写機Uでは、コーポレートカラーのパッチ濃度の読取結果に基づいて、実際の濃度の濃淡に応じて、2次転写バイアスを制御する。コーポレートカラーの現像剤として、粒子状のトナーの中に複数の顔料を分散させた1種類の現像剤で構成すれば、色味のずれは発生しにくい。しかしながら、特殊な色(コーポレートカラー)の1種類の現像剤を調合すると、その顧客専用の現像剤となり、汎用性が低く、高価になる。したがって、既存の現像剤を所定の比率で混合して(ブレンドして)、コーポレートカラーを実現したほうが、費用面で有利になる。
このように、複数の現像剤を混合した場合、温度、湿度等の環境や、部材の劣化や状態変化等の使用条件、記録シートSの種類等により、現像剤が選択的に現像、転写されることがあり、色味の変化が生じる問題がある。
特許文献1に記載の従来の技術では、印刷する画像の低濃度部分について、この色味の変化を利用する技術に近く、環境等に応じて色味が変化しないようにすることは困難である。また、特許文献2に記載の従来技術では、各色の現像剤(1種類の現像剤)の帯電量の変化に応じて転写電圧を変化させているが、中間転写ベルト上で積層された多色画像における色味の変化には対応できるが、最初から混合された現像剤における色味の変化に対応する技術ではない。
これらに対して、実施例1では、コーポレートカラーのようなブレンドトナーを使用する画像において、色味が目的の色味とは異なる場合、すなわち、高帯電トナーTaと低帯電トナーTbのいずれかの濃度が薄い(または濃い)場合、目的の色味になるように2次転写電圧を補正する。したがって、複数の現像剤が混合された特殊色の画像について、色味の変化に対応可能である。
特に、実施例1では、帯電特性の異なる2種類の現像剤Ta,Tbが使用されている。帯電特性がほぼ同じ複数の現像剤が混合された場合、一方の現像剤の濃度が薄くなっても、帯電特性がほとんど変わらないので2次転写電圧の補正で対応しようとしても、補正量が小さくなる。例えば、2次転写電圧が1[kV]オーダで印加される場合に、補正量が、1[V]オーダや0.1「V」オーダになると、補正が難しくなる。これに対して、実施例1では、図4に示すように、帯電量分布において、ピークの位置がずれており、2次転写電圧V1の補正も実用上実現可能である。
図6は実施例2の制御部の説明であり、実施例1の図3に対応する図である。
次に本発明の実施例2の説明をするが、この実施例2の説明において、前記実施例1の構成要素に対応する構成要素には同一の符号を付して、その詳細な説明は省略する。
この実施例2は下記の点で、前記実施例1と相違しているが、他の点では前記実施例1と同様に構成される。
図6において、実施例2の複写機Uでは、実施例1の転写バイアスの制御手段C7に替えて、転写バイアスの制御手段C11を有する。
実施例2の転写バイアスの制御手段C11は、低帯電トナーTbの濃度が薄い場合に、2次転写バイアスを下降させると共に、転写バイアスの一例としてのC色の1次転写電流を上昇させる。
(実施例2の流れ図の説明)
図7は実施例2の転写バイアス補正処理のフローチャートの説明図である。
次に、実施例2の複写機Uにおける制御の流れをフローチャートを使用して説明するが、実施例1と同様の処理については、同一のST番号を付し説明を省略する。
図7のST7′において、次の処理(1)、(2)を実行して、ST1に戻る。
(1)2次転写バイアスを下降させる。
(2)C色の1次転写電流を上昇させる。
(実施例2の作用)
前記構成を備えた実施例2の複写機Uでは、低帯電トナーTbの濃度が低い場合、2次転写電圧を下げる事に加えて、C色の1次転写電流も上昇させる。複数の現像剤が混合されたブレンドトナーでは、1次転写の際に転写電界によって、現像剤に+の電荷が注入され、帯電量が低下することが知られている。例えば、トナー中の顔料の量が多くなると、誘電特性があがりやすく(通電しやすく)なり、電荷注入されやすくなる。また、例えば、トナーの粒径や顔料の粒径が小さいほど、表面積、接触面積が大きくなり、誘電特性が上がり電荷注入されやすくなる。さらに、例えば、カーボンブラック等の導電性顔料が多いほど誘電特性が上がり電荷注入されやすくなる。したがって、低帯電トナーTbの方が、高帯電トナーTaに比べて、電荷注入の効果が大きい傾向にある。
図8は実施例2の現像剤の帯電量の説明図であり、実施例1の図4に対応する図である。
図8において、現像装置Gc内での現像剤Ta,Tbの帯電量の分布が実線で示す状態の場合、1次転写時に電荷注入がされると、破線で示すように、帯電量がゼロに近づく側(グラフ上で右側)に変化する。この時、電荷注入がされやすい(電荷注入性の良い)低帯電トナーの方が、変化量(右側へのシフト量)が大きい。したがって、2つの現像剤Ta,Tbの帯電特性の違い(ピークの位置のずれ)がより大きくなる。
実施例2では、これを利用して、低帯電トナーの濃度が低い場合、2次転写バイアスを下降させることに加え、1次転写電流を上昇させて、シフト量を大きくする。したがって、2種類の現像剤Ta,Tbの帯電特性が近くても、1次転写電流で帯電特性の違いを大きくして、2次転写電圧の補正で、目的の色味の画像を形成することが可能である。
なお、実施例2では、低帯電トナーTbが薄い場合にのみ1次転写電流を上昇させたが、高帯電トナーTaが薄い場合に2次転写バイアスを上昇させることに加え、1次転写電流を上昇させる構成とすることも可能である。
図9は実施例3の制御部の説明であり、実施例1の図3に対応する図である。
次に本発明の実施例3の説明をするが、この実施例3の説明において、前記実施例1,2の構成要素に対応する構成要素には同一の符号を付して、その詳細な説明は省略する。
この実施例3は下記の点で、前記実施例1,2と相違しているが、他の点では前記実施例1,2と同様に構成される。
図9において、実施例3の複写機Uでは、実施例1の転写バイアスの制御手段C7に替えて、転写バイアスの制御手段C12を有する。
実施例3の転写バイアスの制御手段C12は、低帯電トナーTbの濃度が薄い場合に、2次転写バイアスを下降させる。また、第3の像保持体の一例としての最下流のw色の感光体PRwに対向する第3の転写手段の一例としての1次転写ロールT1wにおいて、W色の1次転写電流を上昇させる。
(実施例3の流れ図の説明)
図10は実施例3の転写バイアス補正処理のフローチャートの説明図である。
次に、実施例3の複写機Uにおける制御の流れをフローチャートを使用して説明するが、実施例1と同様の処理については、同一のST番号を付し説明を省略する。
図10のST7″において、次の処理(1)、(3)を実行して、ST1に戻る。
(1)2次転写バイアスを下降させる。
(3)W色の1次転写電流を上昇させる。
(実施例3の作用)
前記構成を備えた実施例3の複写機Uでは、低帯電トナーTbの濃度が低い場合、実施例2と異なり、W色の1次転写電流も上昇させる。したがって、実施例3では、1次転写が行われるC色の1次転写領域Q1cではなく、下流側のW色の1次転写領域Q1wで電荷注入が行われる。よって、実施例3でも、実施例2と同様に、目的の色味の画像を形成することが可能である。
なお、W色の1次転写電流を変化させると、W色の画像の転写不良が発生する恐れがある。したがって、W色の画像形成が行われる際には、コーポレートカラーのトナーの電荷注入のための1次転写電流の制御を行うことを避けることが望ましい。したがって、C色(コーポレートカラー)よりも下流側のS色、W色のいずれか可能な方で1次転写電流の制御を行うことも可能である。
図11は実施例4の制御部の説明であり、実施例1の図3に対応する図である。
次に本発明の実施例4の説明をするが、この実施例4の説明において、前記実施例1-3の構成要素に対応する構成要素には同一の符号を付して、その詳細な説明は省略する。
この実施例4は下記の点で、前記実施例1-3と相違しているが、他の点では前記実施例1-3と同様に構成される。
図11において、実施例4の複写機Uでは、実施例1の転写バイアスの制御手段C7に替えて、転写バイアスの制御手段C13を有する。
実施例4の転写バイアスの制御手段C13は、高帯電トナーTaの濃度が濃い場合に、2次転写バイアスを下降させる。また、低帯電トナーTbの濃度が濃い場合に、2次転写バイアスを上昇させる。
(実施例4の流れ図の説明)
図12は実施例4の転写バイアス補正処理のフローチャートの説明図である。
次に、実施例4の複写機Uにおける制御の流れをフローチャートを使用して説明するが、実施例1と同様の処理については、同一のST番号を付し説明を省略する。
図12において、実施例1のST4~ST7に替えて、ST11~ST14を実行する。
ST11において、高帯電トナーTaの濃度が濃いか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST12に進み、ノー(N)の場合はST13に進む。
ST12において、2次転写バイアスを下降させる。そして、ST1に戻る。
ST13において、低帯電トナーTbの濃度が濃いか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST14に進み、ノー(N)の場合はST1に戻る(2次転写バイアスを変更しない)。
ST14において、2次転写バイアスを上昇させる。そして、ST1に戻る。
(実施例4の作用)
前記構成を備えた実施例4の複写機Uでは、高帯電トナーTaの濃度が濃い、すなわち、低帯電トナーTbの濃度が相対的に薄い場合は、目的の色味になるように、2次転写バイアスを下降させる。一方、低帯電トナーTbの濃度が濃い、すなわち、高帯電トナーTaの濃度が相対的に薄い場合は、目的の色味になるように、2次転写バイアスを上昇させる。したがって、実施例4の複写機Uでも、実施例1と同様に、目的の色味のC色の画像を形成可能である。
図13は実施例5の制御部の説明であり、実施例1の図3に対応する図である。
次に本発明の実施例5の説明をするが、この実施例5の説明において、前記実施例1-4の構成要素に対応する構成要素には同一の符号を付して、その詳細な説明は省略する。
この実施例5は下記の点で、前記実施例1-4と相違しているが、他の点では前記実施例1-4と同様に構成される。
図13において、実施例5の複写機Uでは、実施例1の転写バイアスの制御手段C7に替えて、転写バイアスの制御手段C14を有する。
実施例5の転写バイアスの制御手段C14は、実施例1の転写バイアスの制御手段C7の各機能に加えて、使用する記録シートSの種類が白紙の場合や、コーポレートカラーの画像の下地層として白色の画像が形成される場合には、転写バイアスの補正を行わない。そして、使用する記録シートSの種類が色紙で、下地層として白色が使用されない場合には、媒体の種類に応じて、2次転写バイアスを調整(上昇または下降)する。例えば、予め明度の高い方のトナーの帯電分布が高いという事がわかっている場合に、黒紙では明度が高いトナーを増やしたい場合は、帯電分布が高いトナー増やすために、2次転写バイアスを上げ、逆に、トナーの帯電分布が低い場合は、2次転写バイアスを下げる。
(実施例5の流れ図の説明)
図14は実施例5の転写バイアス補正処理のフローチャートの説明図である。
次に、実施例5の複写機Uにおける制御の流れをフローチャートを使用して説明するが、実施例1と同様の処理については、同一のST番号を付し説明を省略する。
図14において、実施例1のST5、ST7の処理が終了した場合や、ST6でノー(N)の場合は、ST21に進む。
ST21において、使用する記録シートSは白紙の媒体であるか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST1に戻る。ノー(N)の場合はST22に進む。
ST22において、白の下地画像が形成されるか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST1に戻り、ノー(N)の場合はST23に進む。
ST23において、2次転写バイアスを媒体の種類に応じて、目的の色味になるように調整する。そして、ST1に戻る。
(実施例5の作用)
前記構成を備えた実施例5の複写機Uでは、コーポレートカラーが印刷される際に、白色の紙や白色の下地画像が形成される場合、すなわち、コーポレートカラーの画像が形成される面の色が白色の場合には、コーポレートカラーが目的の色味で印刷可能である。一方で、色紙や黒い紙、OHP等の透明な媒体の場合、すなわち、コーポレートカラーの画像が形成される面の色が白色ではない場合、コーポレートカラーの画像を形成しても、紙の色により、目的の色味がでない場合がある。実施例5では、このような場合に、増やしたいトナーの転写効率を高める、あるいは減らしたいトナーの転写効率を低めるように調整される。したがって、目的の色味に近いコーポレートカラーの画像が形成可能である。
(変更例)
以上、本発明の実施例を詳述したが、本発明は、前記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲で、種々の変更を行うことが可能である。本発明の変更例(H01)~(H05)を下記に例示する。
(H01)前記実施例において、画像形成装置の一例としての複写機Uを例示したが、これに限定されず、FAXに適用したり、FAXや、プリンタ、複写機などの複数の機能を備えた複合機等に適用可能である。また、多色現像の画像形成装置に限定されず、単色、いわゆるモノクロの画像形成装置により構成することも可能である。さらに、像保持体の一例としての中間転写ベルトを有する構成に限定されず、感光体から直接記録シートに画像が転写される構成にも適用可能である。また、3つ以上の中間転写手段を有する構成に適用可能である。
(H02)前記実施例1~5を互いに組み合わせることも可能である。
(H03)前記実施例において、例示した色やその組み合わせ、並び順等は、設計や仕様等に応じて、任意に変更可能である。
(H04)前記実施例1,4,5において、2次転写バイアスを制御する構成を例示したがこれに限定されない。1次転写バイアスの制御を行ったり、両方のバイアスの制御を行うようにすることも可能である。
(H05)前記実施例において、パッチ画像をスキャナ部U2で読み取る構成を例示したがこれに限定されない。例えば、画像形成装置Uの内部に画像を読み取る部材、いわゆるインラインセンサが設けられている場合には、インラインセンサを使用することも可能である。また、、スキャナで読み取らず、印刷された紙を作業者が目視で色味を判別する、いわゆる官能評価で色味のずれ(各トナーTa,Tbの濃度)を判別して、操作部UIから入力する構成とすることも可能である。
B…第2の像保持手段、
C…制御手段、
F…定着手段、
PRc…第1の像保持手段、
PRc,B…像保持手段、
PRw…第3の像保持手段、
Q3c…第1の像保持手段からの転写部、
Q4…媒体への転写部、
S…媒体、
T1,T2転写手段、
T1c…第1の転写手段、
T1w…第3の転写手段、
T1+T2…転写装置、
T2…第2の転写手段、
Ta…第1の現像剤、
Tb…第2の現像剤、
U…画像形成装置。

Claims (11)

  1. 第1の現像剤と前記第1の現像剤とは帯電極性が同極性且つ帯電特性が異なる第2の現像剤とが混合された現像剤を含んだ現像手段で現像された画像を像保持手段の表面から媒体に転写する転写手段と、
    前記媒体に転写された画像における第1の現像剤の濃度と、第2の現像剤の濃度とに基づいて、前記転写手段の転写バイアスを制御する制御手段と、
    を備えたことを特徴とする転写装置。
  2. 第1の現像剤と前記第1の現像剤とは帯電特性が異なる第2の現像剤とが混合された現像剤を含んだ現像手段で現像された画像を像保持手段の表面から媒体に転写する転写手段と、
    前記媒体に転写された画像における第1の現像剤の濃度と、第2の現像剤の濃度とに基づいて、前記転写手段の転写バイアスを制御する制御手段と、
    帯電量の高い現像剤の濃度が高い場合に、転写バイアスを下げるように制御する前記制御手段と、
    を備えたことを特徴とする転写装置。
  3. 第1の現像剤と前記第1の現像剤とは帯電特性が異なる第2の現像剤とが混合された現像剤を含んだ現像手段で現像された画像を像保持手段の表面から媒体に転写する転写手段と、
    前記媒体に転写された画像における第1の現像剤の濃度と、第2の現像剤の濃度とに基づいて、前記転写手段の転写バイアスを制御する制御手段と、
    帯電量の低い現像剤の濃度が高い場合に、転写バイアスを上げるように制御する前記制御手段と、
    を備えたことを特徴とする転写装置。
  4. 第1の現像剤と前記第1の現像剤とは帯電特性が異なる第2の現像剤とが混合された現像剤を含んだ現像手段で現像された画像を像保持手段の表面から媒体に転写する転写手段と、
    前記媒体に転写された画像における第1の現像剤の濃度と、第2の現像剤の濃度とに基づいて、前記転写手段の転写バイアスを制御する制御手段と、
    帯電量の高い現像剤の濃度が低い場合に、転写バイアスを上げるように制御する前記制御手段と、
    を備えたことを特徴とする転写装置。
  5. 第1の現像剤と前記第1の現像剤とは帯電特性が異なる第2の現像剤とが混合された現像剤を含んだ現像手段で現像された画像を像保持手段の表面から媒体に転写する転写手段と、
    前記媒体に転写された画像における第1の現像剤の濃度と、第2の現像剤の濃度とに基づいて、前記転写手段の転写バイアスを制御する制御手段と、
    帯電量の低い現像剤の濃度が低い場合に、転写バイアスを下げるように制御する前記制御手段と、
    を備えたことを特徴とする転写装置。
  6. 前記混合された現像剤の画像が形成される面の色に基づいて、転写バイアスを制御する制御手段、
    を備えたことを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の転写装置。
  7. 媒体の色が有色の場合に、前記第1の現像剤および第2の現像剤の中で明度が高い現像剤の転写率が高くなるように、前記転写バイアスを制御する制御手段、
    を備えたことを特徴とする請求項6に記載の転写装置。
  8. 画像の下地に白色の下地層が形成される場合に、前記転写バイアスの補正を行わない
    ことを特徴とする請求項6または7に記載の転写装置。
  9. 像保持手段と、
    前記像保持手段の像を媒体に転写する請求項1ないし8のいずれかに記載の転写装置と、
    前記媒体に転写された像を定着する定着手段と、
    を備えたことを特徴とする画像形成装置。
  10. 潜像が現像された画像を表面に保持する第1の像保持手段と、前記第1の像保持手段から画像が表面に転写されると共に転写された画像が媒体に転写される第2の像保持手段と、を有する前記像保持手段と、
    前記第1の像保持手段の画像を前記第2の像保持手段に転写する第1の転写手段と、前記第2の像保持手段の画像を前記媒体に転写する第2の転写手段と、を有する前記転写手段と、
    帯電特性として第1の現像剤とは電荷注入性の異なる第2の現像剤を使用するとともに、2次転写電圧を調整して色味調整を行う場合に、前記第1の転写手段による第1の転写バイアスを上げる制御を行う前記制御手段、
    を備えたことを特徴とする請求項9に記載の画像形成装置。
  11. 潜像が現像された画像を表面に保持する第1の像保持手段と、前記第1の像保持手段から画像が表面に転写されると共に転写された画像が媒体に転写される第2の像保持手段と、を有する前記像保持手段と、
    前記第1の像保持手段の画像を前記第2の像保持手段に転写する第1の転写手段と、前記第2の像保持手段の画像を前記媒体に転写する第2の転写手段と、を有する前記転写手段と、
    前記第2の像保持手段の回転方向に対して前記第1の像保持手段からの転写部よりも下流側且つ媒体への転写部よりも上流側に配置された第3の像保持手段と、を有する前記像保持手段と、
    前記第3の像保持手段の画像を前記第2の像保持手段に転写する第3の転写手段を有する前記転写手段と、
    帯電特性として第1の現像剤とは電荷注入性の異なる第2の現像剤を使用するとともに、2次転写電圧調整して色味調整を行う場合に、前記第3の転写手段による第3の転写バイアスを上げる制御を行う前記制御手段と、
    を備えたことを特徴とする請求項9に記載の画像形成装置。
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