JP5387196B2 - 画像形成装置および階調補正方法 - Google Patents
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Description
画像を媒体に記録可能な画像記録部と、
複数の基準となる基準階調の画像を有する基準画像が読み取られた読取り信号の出力値と前記各基準階調とに基づいて、前記各基準階調に対する読取り信号の各出力値の対応関係を1次関数の関係に近づける予め設定された変換情報を使用して、演算する関係変換手段と、
前記関係変換手段で演算された対応関係に対して、前記各基準階調に対応する出力値のばらつきを揃えるばらつき揃え手段と、
前記ばらつき揃え手段で補正された対応関係に基づいて、画像記録部で画像を記録するための入力信号の出力値に対応する階調濃度を特定する階調濃度情報を補正する階調補正情報を算出する補正情報算出手段と、
前記階調濃度情報と前記階調補正情報とに基づいて、画像形成を行う画像形成制御手段と、
前記関係変換手段で演算された対応関係に基づいて、前記各基準階調の高濃度に対応する出力値のばらつきを揃える補正を行う第1のばらつき補正手段、を有する前記ばらつき揃え手段と、
前記第1のばらつき補正手段で補正が行われた対応関係に基づいて、前記各基準階調の低濃度に対応する出力値のばらつきを揃える補正を行う第2のばらつき補正手段、を有する前記ばらつき揃え手段と、
を備えたことを特徴とする。
画像を媒体に記録可能な画像記録部と、
複数の基準となる基準階調の画像を有する基準画像が読み取られた読取り信号の出力値と前記各基準階調とに基づいて、前記各基準階調に対する読取り信号の各出力値の対応関係を1次関数の関係に近づける予め設定された変換情報を使用して、演算する関係変換手段と、
前記関係変換手段で演算された対応関係に対して、前記各基準階調に対応する出力値のばらつきを揃えるばらつき揃え手段と、
前記ばらつき揃え手段で補正された対応関係に基づいて、画像記録部で画像を記録するための入力信号の出力値に対応する階調濃度を特定する階調濃度情報を補正する階調補正情報を算出する補正情報算出手段と、
前記階調濃度情報と前記階調補正情報とに基づいて、画像形成を行う画像形成制御手段と、
前記関係変換手段で演算された対応関係に基づいて、前記各基準階調の高濃度に対応する出力値のばらつきを揃える補正を行う第1のばらつき補正手段、を有する前記ばらつき揃え手段と、
前記関係変換手段で演算された対応関係に基づいて、前記各基準階調の高濃度に対応する出力値と、中間調の濃度に対応する出力値との少なくとも2点を基準として、ばらつきを揃える補正を行う前記第1のばらつき補正手段と、
を備えたことを特徴とする。
媒体表面の画像を読み取って、信号を出力する画像読取り部と、
前記基準画像を、前記画像記録部を制御して、媒体に記録させる基準画像記録手段と、
前記基準画像が読み取られた前記画像読取り部から出力される読取り信号を受信する信号受信手段と、
受信した前記読取り信号と前記各基準階調とに基づいて、演算をする前記関係変換手段と、
を備えたことを特徴とする。
複数の基準となる基準階調の画像が読み取られた読取り信号と前記各基準階調とに基づいて、前記各基準階調に対する読取り階調信号の各出力値の対応関係を1次関数の関係に近づける予め設定された変換情報を使用して、演算する関係変換工程と、
前記関係変換工程で演算された対応関係に基づいて、前記各基準階調に対応する出力値のばらつきを揃えるばらつき揃え工程であって、前記関係変換工程で演算された対応関係に基づいて、前記各基準階調の高濃度に対応する出力値のばらつきを揃える補正を行う第1のばらつき補正を行い、前記第1のばらつき補正で補正が行われた対応関係に基づいて、前記各基準階調の低濃度に対応する出力値のばらつきを揃える補正を行う前記ばらつき揃え工程と、
前記ばらつき揃え工程で補正された対応関係に基づいて、前記読み取り信号の出力値に対応する階調濃度を特定する階調濃度情報を、補正する階調補正工程と、
を実行することを特徴とする。
前記技術的課題を解決するために、請求項5に記載の発明の階調補正方法では、
複数の基準となる基準階調の画像が読み取られた読取り信号と前記各基準階調とに基づいて、前記各基準階調に対する読取り階調信号の各出力値の対応関係を1次関数の関係に近づける予め設定された変換情報を使用して、演算する関係変換工程と、
前記関係変換工程で演算された対応関係に基づいて、前記各基準階調に対応する出力値のばらつきを揃えるばらつき揃え工程であって、前記関係変換工程で演算された対応関係に基づいて、前記各基準階調の高濃度に対応する出力値と、中間調の濃度に対応する出力値との少なくとも2点を基準として、前記各基準階調の高濃度に対応する出力値のばらつきを揃える補正を行う前記ばらつき揃え工程と、
前記ばらつき揃え工程で補正された対応関係に基づいて、前記読み取り信号の出力値に対応する階調濃度を特定する階調濃度情報を、補正する階調補正工程と、
を実行することを特徴とする。
請求項1、2、4、5に記載の発明によれば、高濃度に対応するばらつきの補正を実行する場合における、ばらつきの補正精度を向上させることができる。
請求項1、4に記載の発明よれば、高濃度に対応するばらつきの補正と低濃度に対応するばらつきの補正の2つの補正を実行しない場合に比べて、ばらつきの補正精度を向上させることができる。
請求項2、5に記載の発明によれば、高濃度の1点のみでばらつきの補正を行う場合に比べて、補正の精度を向上させることができる。
請求項3に記載の発明によれば、画像形成装置の個体毎にばらつきの補正ができる。
なお、以後の説明の理解を容易にするために、図面において、前後方向をX軸方向、左右方向をY軸方向、上下方向をZ軸方向とし、矢印X,−X,Y,−Y,Z,−Zで示す方向または示す側をそれぞれ、前方、後方、右方、左方、上方、下方、または、前側、後側、右側、左側、上側、下側とする。
また、図中、「○」の中に「・」が記載されたものは紙面の裏から表に向かう矢印を意味し、「○」の中に「×」が記載されたものは紙面の表から裏に向かう矢印を意味するものとする。
なお、以下の図面を使用した説明において、理解の容易のために説明に必要な部材以外の図示は適宜省略されている。
図1において、本発明の画像形成装置の実施例1としての複写機Uは、上端部に配置された画像読取り部の一例としてのスキャナU1と、スキャナU1を支持する画像記録部の一例としてのプリンタ部U2と、を有する。前記プリンタ部U2の下部には、媒体収容部の一例として、媒体の一例としてのシートを収容する複数の給紙トレイTR1〜TR4が着脱可能に装着されている。
図2において、前記スキャナU1は、複写しようとする複数の原稿Giが重ねて収容される原稿収容部TG1と、原稿収容部TG1から給紙されて透明な原稿読取り面PG上の原稿読取位置を通過して搬送される原稿Giが排出される原稿排出部TG2とを有している。
前記スキャナU1には、利用者が画像形成動作開始等の作動指令信号を入力操作する操作部UIと、露光光学系A、固体撮像素子CCD等が設けら得ている。
なお、原稿画像が単色画像、いわゆる、モノクロの場合は、黒のみの画像情報が潜像形成回路DLに入力される。
前記潜像形成回路DLは、図示しない各色Y,M,C,Kの各駆動回路を有し、入力された画像情報に応じた信号を予め設定された時期に、各色毎に配置された潜像形成装置LHy,LHm,LHc,LHkに出力する。
前記画像形成装置Uの重力方向中央部に配置された可視像形成装置Uy,Um,Uc,Ukはそれぞれ、Y,M,C、およびKの各色の可視像を形成する装置である。
潜像形成装置LHy〜LHkの各潜像書込光源から出射したY,M,C,Kの潜像書込光は、それぞれ、回転する像保持体の一例としての感光体PRy,PRm,PRc,PRkに入射する。なお、実施例1では、前記潜像形成装置LHy〜LHkは、いわゆる、LEDアレイにより構成されている。
前記Yの可視像形成装置Uyは、回転する感光体PRy、帯電器CRy、潜像形成装置LHy、現像装置Gy、転写器T1y、清掃器の一例としての感光体クリーナCLyを有している。なお、実施例1では、前記感光体PRy、帯電器CRy、感光体クリーナCLyが、プリンタ部U2に対して一体的に着脱可能な像保持体ユニットとして構成されている。
前記可視像形成装置Um,Uc,Ukはいずれも前記Yの可視像形成装置Uyと同様に構成されている。
その現像されたトナー像は、中間転写体の一例としての中間転写ベルトBに接触する1次転写領域Q3y,Q3m,Q3c,Q3kに搬送される。前記1次転写領域Q3y,Q3m,Q3c,Q3kにおいて中間転写ベルトBの裏面側に配置された1次転写器T1y,T1m,T1c,T1kには、制御部Cにより制御される電源回路Eから所定の時期にトナーの帯電極性と逆極性の1次転写電圧が印加される。
前記1次転写領域Q3y,Q3m,Q3c,Q3kで一次転写器T1y,T1m,T1c,T1kにより中間転写ベルトB上に順次重ねて転写された単色または多色のトナー像は、前記2次転写領域Q4に搬送される。
2次転写後の前記中間転写ベルトBは、中間転写体清掃器の一例としてのベルトクリーナCLbにより清掃される。また、二次転写ロールT2b表面に付着した紙粉や現像剤等の残留物は、二次転写器清掃装置の一例としての二次転写クリーナCLtにより除去されて二次転写ロールT2bが清掃される。
したがって、実施例1の画像形成装置Uでは、前記一次転写器T1y〜T1k、中間転写ベルトB、二次転写器T2等により、感光体PRy〜PRk表面のトナー像をシートSに転写する転写装置T1+B+T2が構成されている。
なお、前記加熱ロールFh表面には、シートSの前記加熱ロールからの離型性を良くするための離型剤が離型剤塗布装置Faにより塗布されている。
ここで、前記上方接続路SH4、反転・排出共通路SH5及びフェイスダウン排出路SH6により、実施例1の第2の媒体排出路SH4+SH5+SH6が構成されている。
また、前記上方接続路SH4、反転・排出共通路SH5及びフェイスアップ排出路SH7により、実施例1の第3の媒体排出路SH4+SH5+SH7が構成されている。
図4は本発明の実施例1の画像形成装置の制御部分が備えている各機能を機能ブロック図で示した図である。
図4において、実施例1の画像形成装置Uの制御部Cは、小型の情報処理装置、いわゆるマイクロコンピュータにより構成されており、外部との信号の入出力、および、入出力信号レベルの調節等を行うI/O、必要な処理を実行するためのプログラム、および、データ等が記憶されたROM、必要なデータを一時的に記憶するためのRAMや、HDD、前記ROMや、前記HDDに記憶されたプログラムに応じた処理を行うCPU、ならびにクロック発振器等を有しており、前記ROMに記憶されたプログラムを実行することにより種々の機能を実現することができる。
前記制御部Cには、操作部UI、スキャナU1の固体撮像素子CCD等の信号出力要素からの出力信号が入力されている。
前記操作部UIは、印刷実行釦の一例であり読取り開始釦の一例としてのコピー開始釦UI1、印刷実行中止釦の一例としてのコピー中止釦UI2、表示部UI3、方向入力釦の一例としての矢印釦UI4、階調補正開始釦UI5等を有する。
固体撮像素子CCDは、原稿読み取り面PGの原稿Giからの反射光を受光して、原稿Giの画像の濃度に応じた、電気信号に変換する。なお、固体撮像素子CCDで変換された電気信号は、信号出力手段C101により制御部Cに出力される。
制御部Cは、次の被制御要素D1,Eの制御信号を出力している。
D1:メインモータ駆動回路
主駆動源駆動回路の一例としてのメインモータ駆動回路D1は、主駆動源の一例としてのメインモータM1を駆動することにより、感光体PRy〜PRkや中間転写ベルトB等を回転駆動する。
電源回路Eは、現像用電源回路E1、帯電用電源回路E2、転写用電源回路E3、定着用電源回路E4等を有している。
E1:現像用電源回路
現像用電源回路E1は、現像装置Gy〜Gkの現像ロールR0y〜R0kに現像電圧を印加する。
E2:帯電用電源回路
帯電用電源E2は、帯電器CRy〜CRkそれぞれに感光体PRy〜PRk表面を帯電させるための帯電電圧を印加する。
E3:転写用電源回路
転写用電源回路E3は、1次転写装置T1y〜T1kや2次転写ロールT2bに転写電圧を印加する。
E4:定着用電源回路
定着用電源回路E4は、定着装置Fの加熱ロールFhにヒータ加熱用の電源を供給する。
前記制御部Cは、前記信号出力要素からの入力信号に応じた処理を実行して、前記各制御要素に制御信号を出力する機能を有している。すなわち、制御部Cは次の機能を有している。
C1:ジョブ制御手段
画像形成制御手段の一例としてのジョブ制御手段C1は、スキャナU1で読み込まれた原稿画像の情報に応じて、前記帯電器CRy〜CRk、1次転写装置T1y〜T1k、定着装置F等の動作を制御して画像形成動作の一例としてのジョブを実行する。
主駆動源駆動制御手段の一例としてのメインモータ駆動制御手段C2は、前記メインモータ駆動回路D1を介して前記メインモータM1の駆動を制御して、現像装置Gy〜Gk、前記定着装置Fの加熱ロールFh、排出ロールRh等の駆動を制御する。
C3:電源回路制御手段
電源回路制御手段C3は、前記電源回路Eの作動を制御して、前記現像装置Gy〜Gkの現像電圧や前記帯電器CRy〜CRkの帯電電圧、前記1次転写装置T1y〜T1kの1次転写電圧、前記加熱ロールFhのヒータの加熱用電流等の電圧、電流の供給を制御する。
表示制御手段C4は、表示部UI3を制御して、表示部UI3に画像を表示する。
C5:基準画像記録手段
基準画像記録手段C5は、基準画像記憶手段C5Aを有し、ジョブ制御手段C1を介してプリンタ部U2を作動させて、基準画像記憶手段C5Aに記憶された基準画像をシートSに記録させる。
C5A:基準画像記憶手段
基準画像記憶手段C5Aは、階調補正を行う場合に使用される基準画像を記憶する。図5において、実施例1の基準画像記憶手段C5Aは、Y,M,C,Kの各色に対して予め設定された複数の基準階調の画像、いわゆるパッチを有する基準画像1が記憶されている。実施例1の基準画像1には、Y色について24段階の濃淡の基準階調のパッチ画像2と、M色について24段階の濃淡の基準階調のパッチ画像3と、C色について24段階の濃淡の基準階調のパッチ画像4と、K色について24段階の濃淡の基準階調のパッチ画像5と、が含まれている。なお、各パッチ画像2〜5について、色数や階調濃度いわゆる面積階調率Cinは、設計や仕様等に応じて任意に設定、変更可能である。すなわち、YとMの混色のパッチを設けたり、階調濃度が10%毎にパッチを形成する等の変更が可能である。また、階調補正結果を反映して面積階調率Cinを設定しても良い。
信号受信手段C6は、スキャナ部1の信号出力手段C101から出力された画像の入力信号を受信して、一時的に記憶する。すなわち、通常の複写動作を実行する場合には、スキャナ部1で読み取られた原稿Giの画像に応じた入力信号を受信すると共に、階調補正情報の更新を行う場合には、スキャナ部1で読み取られた基準画像1に含まれる基準階調のパッチ画像2〜5の読み取り信号を受信する。
C7:関数変換手段
関係変換手段の一例としての関数変換手段C7は、信号受信手段C6が受信した読取り階調信号と、各基準階調とに基づいて、前記各基準階調に対する読取り階調信号の各出力値の対応関係の一例としての対応曲線を、1次関数の関係の一例としての直線に近づける予め設定された変換情報を使用して、対応曲線のデータを演算する。実施例1の関数変換手段C7は、変換情報の一例として、いわゆるLog変換のデータを使用して演算し、図6に示すように濃度を横軸に取り出力値を縦軸に取ったグラフにおいて高濃度側で曲線が飽和、収束しやすい対応曲線L1を、1次関数的な形である直線に近い形、いわゆる曲率の小さい対応曲線L2に変換する。なお、実施例1のLog変換のデータは、予め実験等で測定されたものを記憶し、使用している。
C8:ばらつき揃え手段
ばらつき揃え手段C8は、第1のばらつき補正手段の一例としてのCCDばらつき補正手段C8Aと、第2のばらつき補正手段の一例としての下地補正手段C8Bとを有し、関数変換手段C7で演算された対応曲線のデータに基づいて、各基準階調に対応する出力値のばらつきを揃える。
CCDばらつき補正手段C8Aは、関数変換手段C7で演算された対応曲線のデータに基づいて、前記各基準階調の高濃度に対応する出力値のばらつきを揃える補正を行う。実施例1のCCDばらつき補正手段C8Aは、光源A1や固体撮像素子CCDの個体差や経時劣化等に伴う検出感度のばらつきに応じてばらつく出力値を揃えるばらつき補正を行う。実施例1では、図6に示すように、Log変換された対応曲線L2について、実験等により予め設定された目標の対応曲線である基準対応曲線L0に対する出力値の高濃度側を揃えるようにズレを補正する。具体的には、基準対応曲線L0の最大濃度N11と最小濃度N12に対応する出力値K(N11),K(N12)を取得し、対応曲線L2の最大濃度N11、最小濃度N12および各基準階調の濃度Nxに対応する出力値V(N11),V(N12),V(Nx)を取得して、以下の式(1)に基づいて、V(Nx)を補正したV′(Nx)を演算することで、対応曲線L2が対応曲線L2′に補正され、出力値のばらつきが揃えられる。
V′(Nx)
={V(Nx)−V(N12)}×{K(N11)−V(N12)}/{V(N11)−V(N12)}+V(N12) …式(1)
下地補正手段C8Bは、CCDばらつき補正手段C8Aで補正が行われた対応曲線L2′に基づいて、下地である記録媒体の濃度に対応する出力値のばらつきを揃える補正を行う。実施例1の下地補正手段C8Bは、対応曲線L2′の出力値の最小値の値を、予め設定された最小値に揃える補正である下地補正を行う。具体的には、対応曲線L2′の最小値の値が基準最小値K(N12)に一致するように各出力値の値V′(Nx)を補正する。すなわち、以下の式(2)で表される演算を行うことで、対応曲線L2″を得る。
V″(Nx)
={V′(Nx)−K(N12)}×{K(N11)−K(N12)}/{V′(N11)−K(N12)}+K(N12) …式(2)
階調濃度情報記憶手段C9は、スキャナ部U1で読み取られた画像の読み取り信号の出力値に対応する階調濃度を特定する階調濃度情報を記憶する。前記階調濃度情報は、実験等で予め設定された読み取り信号の出力値に対応する階調濃度を記憶している。一例として、読み取り信号の出力値V(Mx)が600には、濃度Mx=1.0、階調率Cin=70%が対応しているといった階調濃度情報を記憶している。なお、実施例1の階調濃度情報は、具体的な数値が記憶されたLUT:ルックアップテーブルの形式で記憶されているが、関数の形式でも構わない。
C10:階調補正情報記憶手段
階調補正情報記憶手段C10は、階調濃度情報を補正する階調補正情報を記憶する。実施例1の階調補正情報は、前記ばらつき揃え手段C8で演算された結果から、階調濃度情報を補正するための階調補正情報を記憶している。一例として、下地補正手段C8Bにより得られた対応関数L2″において、図7Aに示すように階調率Cin=70%のパッチに対応する目標値は200であり、補正された出力値V″(Nx)が200となる階調率を求めると60%となる場合を考える。このとき、プリンタ部U2で画像形成を行う際には、プリンタ部U2に入力された入力画像信号の階調率Cinが70%の場合、70%で書き込むのではなく、階調率60%で書き込むための階調濃度情報を記憶する。図7Aのような目標値と検出値の関係にある場合、図7Bに示す階調補正情報が記憶される。なお、実施例1の階調補正情報もLUTの形式で記憶されている。
補正情報算出手段C11は、ばらつき揃え手段C8で補正された対応曲線の情報に基づいて、階調濃度記憶手段C9に記憶された階調濃度情報を補正するための階調補正情報を算出する。実施例1の補正情報算出手段C11は、得られた対応関数L2″と、階調濃度情報とから、24個の濃淡の基準階調毎に、階調補正情報を算出して、階調補正情報記憶手段C10に記憶された階調補正情報を更新する。
C12:階調補正手段
階調補正手段C12は、複写機Uにおいて複写動作が実行される場合に、スキャナU1で読み取られた原稿の読み取り信号の出力値から、階調濃度情報および階調補正情報に基づいて、プリンタ部U2で画像形成される補正された階調を算出し、ジョブ制御手段C1を介して、シートSに画像を形成する。
次に、実施例1の画像形成装置Uの処理の流れを流れ図、いわゆるフローチャートを使用して説明する。
(階調補正情報の算出処理のフローチャートの説明)
図8は実施例1の階調補正情報の算出処理のフローチャートである。
図8のフローチャートの各ST:ステップの処理は、画像形成装置Uの制御部Cのハードディスク等に記憶された濃度検知装置制御プログラムに従って行われる。また、この処理は画像形成装置Uの他の各種処理と並行して並列処理で実行される。
図8に示すフローチャートは画像形成装置の電源が投入された時に開始される。
ST2において、次の処理(1)、(2)を実行して、ST3に進む。
(1)記憶されている基準画像1を印刷する。
(2)原稿読み取り面PGに印刷されたシートSを載せて読み取り開始の入力、すなわち、コピー開始釦UI1の入力することを作業者に促す表示を表示部UI3にする。
ST3において、読み取り開始の入力、すなわち、コピー開始釦UI1の入力がされたか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST4に進み、ノー(N)の場合はST3を繰り返す。
ST5において、読み取った基準画像1の位置・方向が正しいか否かを判別する。ノー(N)の場合はST6に進み、イエス(Y)の場合はST7に進む。
ST6において、原稿読み取り面PG上のシートSの再確認を促す表示を表示部UI3に行う。そして、ST3に戻る。
ST7において、基準画像1に含まれる各パッチ2〜5の基準階調濃度に対応する読み取り信号の出力値を受信、取得する。そして、ST8に進む。
ST9において、ST8で得られた対応曲線L2に対してばらつき補正を行って、対応曲線L2′を導出する。そして、ST10に進む。
ST10において、ST9で得られた対応曲線L2′に対して下地補正を行って、対応曲線L2″を導出する。そして、ST11に進む。
ST11において、ST10で得られた対応曲線L2″と、階調濃度情報とに基づいて、階調補正情報を算出し、更新する。そして、ST1に戻る。
前記構成を備えた実施例1の複写機Uでは、スキャナ部U1で読み取られた読み取り信号に応じた階調でプリンタ部U2で画像形成が行われる。このとき、スキャナ部U1で使用される光源A1や固体撮像素子CCDの個体差や、特定の条件で製造された集合、いわゆるロット毎に感度に差があることがある。特に、実施例1では、光源A1として、青色LED+黄色蛍光体を使用しており、黄色蛍光体の分散状態のばらつきにより黄色:Yの感度がばらつきやすい。
図10は複数の光源に対して実施例1の演算方法に基づいて階調補正を行った実験の説明図であり、図10Aは図9Aと同一のグラフ、図10Bは図10Aの対応曲線に対してLog変換を行った結果のグラフ、図10Cは図10Bの対応曲線に対してばらつき補正を行った結果のグラフ、図10Dは図10Cの対応曲線に対して下地補正を行った結果のグラフである。
図11は横軸に面積階調率を取り縦軸に濃度を取った階調補正結果のグラフであり、図11Aは従来の階調補正方法で補正を行った結果のグラフ、図11Bは実施例1の階調補正方法で補正を行った結果のグラフである。
図12において、実施例1のようにLog変換を行った後にばらつき補正を行うと、図12Aに示すように、Log変換で対応曲線L2の曲率が小さくなった状態で、ばらつき補正が行われ、中間調での乖離が小さくなる。これに対して、従来のように、Log変換を行う前にばらつき補正を行うと、図12Bに示すように、対応曲線01の曲率が大きな状態でばらつき補正が行われてしまい、補正後の対応曲線01′では、基準対応曲線02に対して、中間調〜高階調で乖離が大きくなる。
特に白色LEDとして青色LED+黄色蛍光体を用いる場合は、黄色蛍光体の分散状態のばらつきが大きいため、本発明における補正効果は大きい。また、白色LEDとしては、青色LED+黄色蛍光体以外にも、RGBのLEDを使ったものや他の色のLEDと蛍光体を組み合わせたものがあるが、LEDや蛍光体の組み合わせる必要があるため、ハロゲンランプ等に比べばらつきが大きくなるため、本発明における補正効果は大きい。
図6において、実施例1のばらつき補正では、Log変換された対応曲線L2について、基準対応曲線L0に対する出力値の高濃度側を揃えるようにズレを補正する場合に、基準対応曲線L0の最大濃度N11と、対応曲線L2の最大濃度N11とに基づいて、出力値のばらつきが揃えられていた。すなわち、最高濃度N11の1点で補正を行っていたが、この方法に限定されず、以下のようにして、図13に示すように、2点で補正を行うことも可能である。
図13において、基準対応曲線L0の最大濃度N11、最小濃度N12、中間濃度N13=(N11+N12)/2に対応する出力値K(N11),K(N12),K(N13)を取得し、対応曲線L2の最大濃度N11、最小濃度N12、中間濃度N13および各基準階調の濃度Nxに対応する出力値V(N11),V(N12),V(N13),V(Nx)を取得して、以下の式(3)、(4)に基づいて、V(Nx)を補正したV′(Nx)を演算することで、対応曲線L2が対応曲線L2′に補正される。
V′(Nx)
={V(Nx)−V(N12)}×{K(N13)−V(N12)}/{V(N13)−V(N12)}+V(N12) …式(3)
Nx>N13の範囲:
V′(Nx)
=K(N13)+{V(Nx)−V(N13)}×{K(N11)−K(N13)}/{V(N11)−V(N13)} …式(4)
以上、本発明の実施例を詳述したが、本発明は、前記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲で、種々の変更を行うことが可能である。本発明の変更例(H01)〜(H07)を下記に例示する。
(H01)前記実施例において、画像形成装置の一例として複写機Uを例示したが、これに限定されず、プリンタ、FAX、あるいはこれら複数の機能を備えた複合機等に適用可能である。また、多色現像の画像形成装置に限定されず、単色、いわゆるモノクロの画像形成装置により構成することも可能である。なお、プリンタのように画像を読み取る画像読み取り部が設けられていない構成では、出荷前や修理時等で階調補正を行う場合にのみ、画像読み取り部を接続して、階調補正を行うことも可能である。
(H04)前記実施例において、下地補正は行うことが望ましいが、低濃度側の出力値のばらつきが少ない構成では、省略することも可能である。また前記実施例においてはLog変換後のCCDばらつき補正後に下地補正を行ったが、これに限らずLog変換前やCCDばらつき補正前に下地補正を実施することも可能である。
(H06)前記実施例において、基準画像1を印刷して読み取ったが、この構成に限定されず、例えば、印刷機や予め補正が完了しているマスター画像形成装置で、予め印刷された基準画像1を使用することも可能である。
(H07)前記実施例において、基準階調に対する出力値の対応関係として、対応曲線L1,L2,L2′,L2″を例示したが、対応関係は、曲線に限定されず、出力値を結ぶ折れ線状の対応関係を採用することも可能である。
C1…画像形成制御手段、
C5…基準画像記録手段、
C6…信号受信手段、
C7…関係変換手段、
C8…ばらつき揃え手段、
C8A…第1のばらつき補正手段、
C8B…第2のばらつき補正手段、
C11…補正情報算出手段、
L1,L2,L2′,L2″…対応曲線、
S…媒体、
U…画像形成装置、
U1…画像読取り部、
U2…画像記録部。
Claims (5)
- 画像を媒体に記録可能な画像記録部と、
複数の基準となる基準階調の画像を有する基準画像が読み取られた読取り信号の出力値と前記各基準階調とに基づいて、前記各基準階調に対する読取り信号の各出力値の対応関係を1次関数の関係に近づける予め設定された変換情報を使用して、演算する関係変換手段と、
前記関係変換手段で演算された対応関係に対して、前記各基準階調に対応する出力値のばらつきを揃えるばらつき揃え手段と、
前記ばらつき揃え手段で補正された対応関係に基づいて、画像記録部で画像を記録するための入力信号の出力値に対応する階調濃度を特定する階調濃度情報を補正する階調補正情報を算出する補正情報算出手段と、
前記階調濃度情報と前記階調補正情報とに基づいて、画像形成を行う画像形成制御手段と、
前記関係変換手段で演算された対応関係に基づいて、前記各基準階調の高濃度に対応する出力値のばらつきを揃える補正を行う第1のばらつき補正手段、を有する前記ばらつき揃え手段と、
前記第1のばらつき補正手段で補正が行われた対応関係に基づいて、前記各基準階調の低濃度に対応する出力値のばらつきを揃える補正を行う第2のばらつき補正手段、を有する前記ばらつき揃え手段と、
を備えたことを特徴とする画像形成装置。 - 画像を媒体に記録可能な画像記録部と、
複数の基準となる基準階調の画像を有する基準画像が読み取られた読取り信号の出力値と前記各基準階調とに基づいて、前記各基準階調に対する読取り信号の各出力値の対応関係を1次関数の関係に近づける予め設定された変換情報を使用して、演算する関係変換手段と、
前記関係変換手段で演算された対応関係に対して、前記各基準階調に対応する出力値のばらつきを揃えるばらつき揃え手段と、
前記ばらつき揃え手段で補正された対応関係に基づいて、画像記録部で画像を記録するための入力信号の出力値に対応する階調濃度を特定する階調濃度情報を補正する階調補正情報を算出する補正情報算出手段と、
前記階調濃度情報と前記階調補正情報とに基づいて、画像形成を行う画像形成制御手段と、
前記関係変換手段で演算された対応関係に基づいて、前記各基準階調の高濃度に対応する出力値のばらつきを揃える補正を行う第1のばらつき補正手段、を有する前記ばらつき揃え手段と、
前記関係変換手段で演算された対応関係に基づいて、前記各基準階調の高濃度に対応する出力値と、中間調の濃度に対応する出力値との少なくとも2点を基準として、ばらつきを揃える補正を行う前記第1のばらつき補正手段と、
を備えたことを特徴とする画像形成装置。 - 媒体表面の画像を読み取って、信号を出力する画像読取り部と、
前記基準画像を、前記画像記録部を制御して、媒体に記録させる基準画像記録手段と、
前記基準画像が読み取られた前記画像読取り部から出力される読取り信号を受信する信号受信手段と、
受信した前記読取り信号と前記各基準階調とに基づいて、演算をする前記関係変換手段と、
を備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。 - 複数の基準となる基準階調の画像が読み取られた読取り信号と前記各基準階調とに基づいて、前記各基準階調に対する読取り階調信号の各出力値の対応関係を1次関数の関係に近づける予め設定された変換情報を使用して、演算する関係変換工程と、
前記関係変換工程で演算された対応関係に基づいて、前記各基準階調に対応する出力値のばらつきを揃えるばらつき揃え工程であって、前記関係変換工程で演算された対応関係に基づいて、前記各基準階調の高濃度に対応する出力値のばらつきを揃える補正を行う第1のばらつき補正を行い、前記第1のばらつき補正で補正が行われた対応関係に基づいて、前記各基準階調の低濃度に対応する出力値のばらつきを揃える補正を行う前記ばらつき揃え工程と、
前記ばらつき揃え工程で補正された対応関係に基づいて、前記読み取り信号の出力値に対応する階調濃度を特定する階調濃度情報を、補正する階調補正工程と、
を実行することを特徴とする階調補正方法。 - 複数の基準となる基準階調の画像が読み取られた読取り信号と前記各基準階調とに基づいて、前記各基準階調に対する読取り階調信号の各出力値の対応関係を1次関数の関係に近づける予め設定された変換情報を使用して、演算する関係変換工程と、
前記関係変換工程で演算された対応関係に基づいて、前記各基準階調に対応する出力値のばらつきを揃えるばらつき揃え工程であって、前記関係変換工程で演算された対応関係に基づいて、前記各基準階調の高濃度に対応する出力値と、中間調の濃度に対応する出力値との少なくとも2点を基準として、前記各基準階調の高濃度に対応する出力値のばらつきを揃える補正を行う前記ばらつき揃え工程と、
前記ばらつき揃え工程で補正された対応関係に基づいて、前記読み取り信号の出力値に対応する階調濃度を特定する階調濃度情報を、補正する階調補正工程と、
を実行することを特徴とする階調補正方法。
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