JP4696633B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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Description
(J01)特許文献1(特開平4−163471号公報)記載の技術
特許文献1には、スターホイールに荷重を加えるためのウェイト部材をスターホイールから分離して取り付け、慣性モーメントを小さくすることにより、記録シートの先端がスターホイールに突入する際の衝撃を低減し、トナー像の乱れを低減する技術が記載されている。
前記従来技術(J01)では、記録シートがスターホイールに突入する際の衝撃を低減することはできるが、その下流側に配置された定着装置に記録シートが突入する際の衝撃を低減することができない。したがって、定着装置突入時の衝撃によりシート搬送速度が変動し、スターホイールや転写装置の部分でトナー像の乱れが発生してしまう問題がある。特に、記録シートが厚紙の場合、定着装置突入時のシート搬送速度の変動が大きくなりやすく、転写領域においてトナー像の乱れが発生しやすい。
この問題に対応するために、スターホイールによる荷重を大きくして、トナー像の乱れの改善を図ろうとすると、記録シート表面にスターホイールの痕が残る恐れがあり画質が低下してしまう問題がある。また、長期間の使用によりスターホイールにトナーが固着すると、画像こすれ(スマッジ、画像のぼかし)が発生して、やはり画質の低下を招くという問題がある。
(O01)定着装置突入時の速度変動によるトナー像の乱れを低減すること。
次に、前記課題を解決した本発明を説明するが、本発明の要素には、後述の実施の形態の具体例(実施例)の要素との対応を容易にするため、実施例の要素の符号をカッコで囲んだものを付記する。また、本発明を後述の実施例の符号と対応させて説明する理由は、本発明の理解を容易にするためであり、本発明の範囲を実施例に限定するためではない。
前記技術的課題を解決するために、第1発明の画像形成装置は、下記の構成要件(A01)〜(A04)を備えたことを特徴とする。
(A01)表面にトナー像を担持して回転する像担持体(PRy,PRm,PRc,PRk,B′)、
(A02)前記像担持体(PRy,PRm,PRc,PRk,B′)上のトナー像が転写される記録シート(S)を搬送するシート搬送装置(B,T2b)、
(A03)前記記録シート(S)の搬送方向および幅方向に直交する方向の長さである厚さが厚くなるに連れて、前記像担持体(PRy,PRm,PRc,PRk,B′)の像担持体回転速度を遅くして像担持体(PRy,PRm,PRc,PRk,B′)上に形成するトナー像を縮小する像担持体回転制御手段(C4)、
(A04)前記記録シート(S)の厚さが厚くなるに連れて、前記像担持体回転速度よりも速いシート搬送速度であって前記像担持体上(PRy,PRm,PRc,PRk,B′)に形成された縮小されたトナー像が元のサイズまで伸ばされる前記シート搬送速度で前記記録シート(S)を搬送するシート搬送速度制御手段(C6)。
前記構成要件(A01)〜(A04)を備えた第1発明の画像形成装置では、像担持体(PRy,PRm,PRc,PRk,B′)は、表面にトナー像を担持して回転する。シート搬送装置(B,T2b)は、前記像担持体(PRy,PRm,PRc,PRk,B′)上のトナー像が転写される記録シート(S)を搬送する。像担持体回転制御手段(C4)は、前記記録シート(S)の厚さが厚くなるに連れて、前記像担持体(PRy,PRm,PRc,PRk,B′)の像担持体回転速度を遅くして像担持体(PRy,PRm,PRc,PRk,B′)上に形成するトナー像を縮小する。シート搬送速度制御手段(C6)は、前記記録シート(S)の厚さが厚くなるに連れて、前記像担持体回転速度よりも速いシート搬送速度であって前記像担持体上(PRy,PRm,PRc,PRk,B′)に形成された縮小されたトナー像が元のサイズまで伸ばされる前記シート搬送速度で前記記録シート(S)を搬送する。
第1発明の形態1の画像形成装置は、前記第1発明において、下記の構成要件(A05)〜(A07)を備えたことを特徴とする。
(A05)前記記録シート(S)を表面に担持して回転する無端状のゴムベルト(B)により構成された前記シート搬送装置(B)、
(A06)画像形成回数(PV1)を累積してカウントする画像形成回数カウント手段(C5)、
(A07)前記累積画像形成回数(PV1)が多くなるに連れて前記シート搬送速度が大きくなるように補正するシート搬送速度補正手段(C6B)。
前記構成要件(A05)〜(A07)を備えた第1発明の形態1の画像形成装置では、前記シート搬送装置(B)は、前記記録シート(S)を表面に担持して回転する無端状のゴムベルト(B)により構成されている。画像形成回数カウント手段(C5)は、画像形成回数(PV1)を累積してカウントする。シート搬送速度補正手段(C6B)は、前記累積画像形成回数(PV1)が多くなるに連れて前記シート搬送速度が大きくなるように補正する。したがって、第1発明の形態1の画像形成装置では、経時的に伸びるゴムベルト(B)により、経時的に低下するシート搬送速度を累積画像形成回数(PV1)に基づいて補正することができる。この結果、長期に渡ってシート搬送速度を安定させることができる。
第1発明の形態2の画像形成装置は、前記第1発明または第1発明の形態2において、下記の構成要件(A08)を備えたことを特徴とする。
(A08)前記記録シート(S)が搬送されるシート搬送路(SH)上に配置され、搬送される記録シート(S)の紙厚を検出する紙厚検出センサ(SN1)。
(第1発明の形態2の作用)
前記構成要件(A08)を備えた第1発明の形態2の画像形成装置では、紙厚検出センサ(SN1)は、前記記録シート(S)が搬送されるシート搬送路(SH)上に配置され、搬送される記録シート(S)の紙厚を検出する。したがって、記録シート(S)の紙厚を自動的に検出できる。
(E01)定着装置突入時の速度変動によるトナー像の乱れを低減することができる。
(E02)スターホイールを使用する必要がないので、スターホイールの痕や固着したトナーによる画質低下を防止できる。
なお、以後の説明の理解を容易にするために、図面において、前後方向をX軸方向、左右方向をY軸方向、上下方向をZ軸方向とし、矢印X,−X,Y,−Y,Z,−Zで示す方向または示す側をそれぞれ、前方、後方、右方、左方、上方、下方、または、前側、後側、右側、左側、上側、下側とする。
また、図中、「○」の中に「・」が記載されたものは紙面の裏から表に向かう矢印を意味し、「○」の中に「×」が記載されたものは紙面の表から裏に向かう矢印を意味するものとする。
図1において、画像形成装置Uは自動原稿搬送装置U1と、これを支持し且つ上端にプラテンガラスPGを有する画像形成装置本体(複写機)U2とを備えている。
前記自動原稿搬送装置U1は、複写しようとする複数の原稿Giが重ねて載置される原稿給紙トレイTG1と、原稿給紙トレイTG1から前記プラテンガラスPG上の複写位置(原稿読取位置)P1を通過して搬送される原稿Giが排出される原稿排紙トレイTG2とを有している。
前記画像形成装置本体U2は、ユーザがコピースタート等の作動指令信号を入力操作するUI(ユーザインタフェース)と、露光光学系A等を有している。
IPS(イメージプロセッシングシステム)は、CCDから入力される前記RGBの電気信号をK(黒)、Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)の画像データに変換して一時的に記憶し、前記画像データを所定のタイミングで潜像形成用の画像データとしてレーザ駆動回路DLに出力する。
なお、原稿画像がモノクロの場合は、K(黒)のみの画像データがレーザ駆動回路DLに入力される。
前記レーザ駆動回路DLは、各色Y,M,C,Kの各レーザ駆動回路DLy〜DLkを有し、入力された画像データに応じたレーザ駆動信号を所定のタイミングで、潜像形成光学系(静電潜像形成装置)ROSy〜ROSkの各色の潜像書込用レーザダイオード(図示せず)に出力する。
潜像形成光学系ROSy〜ROSkの前記図示しない各レーザダイオードから出射したY,M,C,KのレーザビームLy,Lm,Lc,Lkは、それぞれ、回転する感光体(像担持体)PRy,PRm,PRc,PRkに入射する。
前記Yのトナー像形成装置Uyは、回転する感光体(像担持体)PRy、帯電器としての帯電ロール(帯電器)CRy,現像装置Gy、転写ロール(転写器)T1y、クリーナCLyを有しており、前記トナー像形成装置Um,Uc,Ukはいずれも前記Yのトナー像形成装置Uyと同様に構成されている。
前記ベルトモジュールF2は、シート搬送ベルトBと、ベルト駆動ロールRd、ウォーキングロールRw、アイドラロール(フリーロール)Rf、Rtを含むベルト支持ロール(Rd,Rt,Rw,Rf)と、前記転写ロールT1k,T1y,T1m,T1cと、シート搬送ベルトクリーナCLbとを有している。そして、前記シート搬送ベルトBは前記ベルト支持ロール(Rd,Rt,Rw,Rf)により回転移動可能に支持されている。
なお、実施例1の画像形成装置Uでは、前記シート搬送ベルトBは、無端状のゴムベルトにより構成されている。
このような、移動台F1を前後移動させる構成およびベルトモジュールF2を昇降させる構成は、従来公知(例えば、特開平8−171248号公報参照)であり、従来公知の種々の構成を採用することが可能である。
シート搬送路SHの記録シートSは、シート搬送ロールRaにより搬送され、レジロールRrに送られる。レジロールRrは、所定のタイミングでシート吸着位置Q6に前記記録シートSを搬送する。前記シート吸着位置Q6には吸着ロールRbが配置されており、前記記録シートSを前記シート搬送ベルトBに静電吸着させる。実施例1では、レジロールRrのシート搬送速度がシート搬送ベルトBのシート搬送速度よりも0.8%程度速く設定されているので、レジロールRrと吸着ロールRbとの間でループが形成され、記録シートSのスキュー(傾斜)が補正される。
前記シート搬送ベルトBに吸着された記録シートSは、前記像担持体PRk〜PRcと接触する前記転写領域Q3k,Q3y,Q3m,Q3cを順次通過する。
カラー画像の場合、前記各像担持体PRk〜PRy上のトナー像は前記転写ロールT1k,T1y,T1m,T1cによりシート搬送ベルトB上の記録シートSに重ねて転写される。また、モノクロ画像の場合、像担持体PRk上にK(黒)のトナー像のみが形成され、このK(黒)のトナー像のみが転写器T1kにより記録シートSに転写される。
前記トナー像が転写された記録シートSは、剥離爪(図示せず)によりシート搬送ベルトBから剥離され、定着装置Fの加熱ロールFhと加圧ロールFpとが圧接して形成する定着領域Q5で定着された後、排出ローラRhから排紙トレイTR2に排出される。
記録シートS剥離後の前記シート搬送ベルトBは、前記シート搬送ベルトクリーナCLbによりクリーニングされる。
図2は実施例1の画像形成装置の制御部分が備えている各機能をブロック図(機能ブロック図)で示した図である。
図2において、前記コントローラCは、外部との信号の入出力および入出力信号レベルの調節等を行うI/O(入出力インターフェース)、必要な処理を行うためのプログラムおよびデータ等が記憶されたROM(リードオンリーメモリ)やハードディスク、必要なデータを一時的に記憶するためのRAM(ランダムアクセスメモリ)、前記ROM等に記憶されたプログラムに応じた処理を行うCPU(中央演算処理装置)、ならびにクロック発振器等を有するマイクロコンピュータにより構成されており、前記ROM等に記憶されたプログラムを実行することにより種々の機能を実現することができる。
前記コントローラCは、UI(ユーザインタフェース)や紙厚検出センサSN1等の信号入力要素からの信号が入力されている。
前記UIは、表示器(交換告知部材)UI1や、コピースタートキーUI2、テンキーUI3等の入力キーを備えており、それらが入力されたことを検出して、その検出信号をコントローラCに入力する。
前記紙厚検出センサSN1は、搬送される記録シートSの紙厚を検出する。
前記コントローラCは、メインモータ駆動回路D0、シート搬送用モータ駆動回路D1、電源回路E、その他の制御要素に接続されており、それらの作動制御信号を出力している。
前記電源回路Eは現像用電源回路E1や帯電用電源回路E2、転写用電源回路E3、定着用電源回路E4等を有する。
前記帯電用電源回路E2は、前記帯電ロールCRy〜CRkに帯電バイアスを印加する。
前記転写用電源回路E3は、前記転写ロールT1y〜T1kに転写バイアスを印加する。
前記定着用電源回路E4は、定着装置Fの加熱ロールFhのヒータにヒータ加熱用の電流を供給する。
前記シート搬送用モータ駆動回路D1は、シート搬送用モータM2を介して、シート搬送ベルトBのベルト駆動ロールRd、シート搬送ロールRa、ピックアップロールRp、さばきロールRsおよびレジロールRr等を回転駆動する。
前記コントローラCは、前記各信号出力要素からの出力信号に応じた処理を実行して、前記各制御要素に制御信号を出力する機能(制御手段)を有している。前記コントローラCの機能(制御手段)を次に説明する。
C1:ジョブ制御手段(画像記録制御手段)
ジョブ制御手段C1は、コピースタートキーUI2の入力に応じて、前記ROSy〜ROSk、像担持体PRy〜PRk、転写ロールT1y〜T1k、定着装置F等の動作を制御して、画像記録動作であるジョブ(印刷動作、コピー動作)を実行する。
C2:電源制御手段
電源制御手段C2は、現像用電源制御手段C2A、帯電用電源制御手段C2B、転写用電源制御手段C2C、定着用電源制御手段C2Dを有し、電源回路Eを制御して画像形成装置Uの各部材への電源供給の制御を行う。
現像用電源制御手段C2Aは、現像用電源回路E1を制御して現像バイアスを制御する。
C2B:帯電用電源制御手段
帯電用電源制御手段C2Bは、帯電用電源回路E2を制御して帯電バイアスを制御する。
C2C:転写用電源制御手段
転写用電源制御手段C2Cは、転写用電源回路E3を制御して転写バイアス(転写電圧)を制御する。
C2D:定着用電源制御手段
定着用電源制御手段C2Dは、定着用電源回路E4を制御して定着装置Fの定着温度を制御する。
シート種類判別手段C3は、紙厚検出センサSN1により検出された紙厚に基づいて、使用される記録シートSの種類(厚紙、普通紙等)を判別する。
メインモータ回転制御手段C4は、像担持体回転速度記憶手段C4Aを有し、使用する記録シートの種類に応じて、メインモータM1の回転速度を制御して、像担持体PRy〜PRkや現像装置Gy〜Gk等の駆動を制御する。
C4A:像担持体回転速度記憶手段
像担持体回転速度記憶手段C4Aは、普通紙時回転速度記憶手段C4A1と、厚紙時回転速度記憶手段C4A2と、を有し、感光体(像担持体)PRy〜PRkの回転速度、すなわち、メインモータM1の回転速度を記憶する。
普通紙時回転速度記憶手段C4A1は、記録シートSが普通紙の場合の像担持体(感光体)PRy〜PRkの回転速度である普通紙時回転速度V1を記憶する。
C4A2:厚紙時回転速度記憶手段
厚紙時回転速度記憶手段C4A2は、記録シートSが厚紙の場合の像担持体PRy〜PRkの回転速度である厚紙時回転速度V2を記憶する。なお、実施例1の厚紙時回転速度記憶手段C4A2は、前記厚紙時回転速度V2として前記普通紙回転速度V1より1.4%遅い速度、すなわち、V2=V1×0.986を記憶する。したがって、厚紙の場合、感光体PRy〜PRk上に形成されるトナー像は、感光体PRy〜PRkの回転方向(副走査方向)に対して縮小される。なお、前記普通紙回転速度V1の数値は、適宜変更可能である。
累積プリント枚数カウント手段C5は、画像形成装置Uにおける画像形成回数(プリント枚数)の累積値(累積画像形成回数PV1)をカウントする。
C6:シート搬送速度制御手段
シート搬送速度制御手段C6は、シート搬送速度記憶手段C6Aと、シート搬送速度補正手段C6Bとを有し、前記シート搬送用モータM2を制御して、前記シート搬送ベルトBやシート搬送ロールRa等の駆動を制御する。
C6A:シート搬送速度記憶手段
シート搬送速度記憶手段C6Aは、普通紙搬送速度記憶手段C6A1と、厚紙搬送速度記憶手段C6A2とを有し、シート搬送速度、すなわち、シート搬送ベルトBのベルト回転速度を記憶する。
普通紙搬送速度記憶手段C6A1は、記録シートSが普通紙の場合のシート搬送速度である普通紙搬送速度Vaを記憶する。
C6A2:厚紙搬送速度記憶手段
厚紙搬送速度記憶手段C6A2は、記録シートSが厚紙の場合のシート搬送速度である厚紙搬送速度Vbを記憶する。なお、実施例1の厚紙搬送速度記憶手段C6A2は、前記厚紙搬送速度Vbとして、前記厚紙時回転速度V2に対して1.43%速い速度、すなわち、Vb=V2×1.0143を記憶する。前記1.43%は実験により得られた最適値であり、厚紙が転写領域において微小に滑るため、像担持体PRy〜PRkの速度変動分(1.4%)よりもやや高め(0.03%)に設定されている。なお、前記厚紙搬送速度Vbは、厚紙時回転速度V2より1.43%速い速度に限定されず、たとえば、設計やその他の装置の構成等に応じて、縮小された感光体PRy〜PRk上の画像が元のサイズまで伸ばされる速度であれば、任意の値に設定可能である。たとえば、普通紙搬送速度Vaと同じ速度、すなわち、Vb=Vaに設定することもできる。
シート搬送速度補正手段C6Bは、前記累積画像形成回数PV1に基づいて前記シート搬送速度Va,Vbを補正する。実施例1のシート搬送ベルトBは、ゴムベルトにより構成されており、経時的に伸びてシート搬送速度が低下する。したがって、前記シート搬送速度補正手段C6Bは、累積画像形成回数PV1が大きくなり、シート搬送ベルトBの使用回数が多くなるのに伴い、シート搬送速度Va,Vbを大きくし、シート搬送速度の低下を補う。なお、シート搬送速度補正手段C6Bは、予め実験で計測しておいた累積画像形成回数(プリントボリューム)と、ゴムベルトの伸びとの関係を使用してシート搬送速度の補正を行う。
図3は実施例1の回転速度制御処理のフローチャートである。
図3のフローチャートの各ST(ステップ)の処理は、前記コントローラCのROMやハードディスク等に記憶されたプログラムに従って行われる。また、この処理は画像形成装置Uの他の各種処理と並行してマルチタスクで実行される。
図3のフローチャートは画像形成装置Uの電源オンにより開始される。
ST2において、使用する記録シートSが厚紙であるか否かを判別する。ノー(N)の場合はST3に進み、イエス(Y)の場合はST4に進む。
ST3において、次の処理(1)、(2)を実行して、ST6に進む。
(1)感光体回転速度(像担持体回転速度)を普通紙時回転速度V1に設定する。
(2)シート搬送速度(シート搬送ベルト回転速度)を普通紙搬送速度Vaに設定する。
ST5において、次の処理(1)、(2)を実行して、ST6に進む。
(1)感光体回転速度(像担持体回転速度)を厚紙時回転速度V2に設定する。
(2)厚紙搬送速度Vbと累積プリント枚数PV1とに基づいて、厚紙時搬送速度Vbを補正し、補正後厚紙時搬送速度Vb′をシート搬送速度(シート搬送ベルト回転速度)に設定する。
ST6において、ジョブが終了したか否かを判別する。ノー(N)の場合はST6を繰り返し、イエス(Y)の場合はST1に戻る。
図4は実施例1の作用説明図であり、図4Aは実施例1における元画像の説明図、図4Bは実施例1における像担持体上の現画像(トナー像)の説明図、図4Cは実施例1における定着装置突入時の画像の説明図、図4Dは従来技術における元画像の説明図、図4Eは従来技術における像担持体上の現画像の説明図、図4Fは従来技術における定着装置突入時の画像の説明図、図4Gは転写領域のトナーの移動の説明図である。
前記構成を備えた実施例1の画像形成装置Uでは、記録シートSとして厚紙を使用する場合、普通紙の場合と比較して、感光体PRy〜PRkの感光体回転速度を遅くする(厚紙時回転速度V2にする)。この結果、感光体PRy〜PRk表面に形成される静電潜像およびトナー像は、元画像(図4A参照)に対して副走査方向(感光体回転方向)の画像が、縮小される(図4B参照)。これに対して、記録シートSは、感光体回転速度V2よりも速い補正後厚紙搬送速度Vb′で搬送されるので、記録シートS上に転写された画像は、元の画像のサイズに戻される(図4C参照)。また、記録シートSの先端が定着装置Fに突入する際のトナーの飛び散りも低減される。以下、図4を使用して、縮小された画像が元のサイズに戻ると共に、トナーの飛び散りが低減される理由を説明する。
一方、実施例1の画像形成装置では、定着装置F突入時にトナーの飛び散りが発生した場合(図4C参照)、トナーは、図4Gの点線の矢印で示すように移動するので、飛び散ったトナーは、そのほとんどが、感光体PRy〜PRk上のトナー像に対して拡大されて転写される範囲内(図4C参照)に飛び散る。したがって、最終的に記録シートS上に形成される画像において、飛び散りによる画質低下(スマッジ)は低減される(図4C参照)。
なお、この実施例2の説明において、前記実施例1の構成要素に対応する構成要素には同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
この実施例2は、下記の点で前記実施例1と相違しているが、他の点では前記実施例1と同様に構成されている。
前記2次転写領域Q4を記録シートSが通過する際、2次転写ロールT2bに前記2次転写電圧が印加されるので、前記中間転写ベルトB′に重ねて1次転写されたカラートナー像は、前記2次転写領域Q4において一括して記録シートSに2次転写される。
2次転写後の中間転写ベルトB′はベルトクリーナCLbにより残留トナーが除去される。
図6は実施例2の画像形成装置の制御部分が備えている各機能をブロック図(機能ブロック図)で示した図であり、実施例1の図2に対応する図である。
図6において、実施例2の画像形成装置では、像担持体としての中間転写ベルトBはメインモータM1により駆動され、記録シートSの紙厚に応じて像担持体回転速度(ベルト回転速度)が制御される。また、実施例2の画像形成装置では、ゴムベルトにより構成されたシート搬送ベルトを使用していないので、経時的に低下するシート搬送速度を補正するために必要であった累積プリント枚数カウント手段C5とシート搬送速度補正手段C6Bとが省略されている。
図7は実施例2の回転速度制御処理のフローチャートであり、実施例1の図3に対応する図である。
次に、実施例2のフローチャートの説明を行うが、実施例1の回転速度制御手段と同様の処理には同一のST番号を付し、詳細な説明は省略する。
図7のST1、ST2を実行し、ST2において、ノー(N)の場合はST3′に進み、イエス(Y)の場合はST5′に進む。
ST3′において、次の処理(1)、(2)を実行し、ST6に進む。
(1)像担持体回転速度(感光体および中間転写ベルト回転速度)を普通紙時回転速度V1に設定する。
(2)シート搬送速度を普通紙搬送速度Vaに設定する。
ST5′において、次の処理(1)、(2)を実行して、ST6に進む。
(1)像担持体回転速度(感光体および中間転写ベルト回転速度)を厚紙時回転速度V2に設定する。
(2)厚紙搬送速度Vbをシート搬送速度に設定する。
前記構成を備えた実施例2の画像形成装置Uでは、厚紙使用時には像担持体である中間転写ベルトBおよび感光体PRy〜PRkの回転速度(厚紙時回転速度V2)がシート搬送速度(厚紙搬送速度Vb)に対して遅くなる。したがって、中間転写ベルトB上の画像が副走査方向に縮小され、二次転写領域Q4で記録シートSに転写される際に元に戻される。したがって、実施例2の画像形成装置Uは、実施例1の画像形成装置Uと同様の作用効果を奏する。
以上、本発明の実施例を詳述したが、本発明は、前記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内で、種々の変更を行うことが可能である。本発明の変更例(H01)〜(H06)を下記に例示する。
(H01)前記実施例において、本発明は、複写機に限定されず、プリンタ、FAX、複合機等の画像形成装置に適用可能である。また、カラーの画像形成装置に限定されず、モノクロの画像形成装置にも適用可能である。
(H03)前記各実施例において、搬送される記録シートSの紙厚を紙厚検出センサSN1により検出したが、これに限定されず、ユーザがUIから入力した紙厚や用紙坪量等に基づいて、記録シートの種類を判別することも可能である。
(H05)前記各実施例において、シート搬送ベルトまたは中間転写ベルトを使用する画像形成装置で説明したが、ベルトを使用せず、例えば、シート搬送ロールにより搬送され、感光体ドラムに形成されたトナー像が直接記録シートSに転写される画像形成装置とすることも可能である。
(H06)前記実施例1において、普通紙を使用する際には、ST3においてシート搬送速度の補正を行わなかったが、シート搬送速度の補正を行うことも可能である。また、経時的にシート搬送速度が低下するのに応じて、像担持体搬送速度を低下させる補正をすることも可能である。
B,T2b…シート搬送装置、
C4…像担持体回転制御手段、
C5…画像形成回数カウント手段、
C6B…シート搬送速度補正手段、
C6…シート搬送速度制御手段、
PRy,PRm,PRc,PRk,B′…像担持体、
PV1…画像形成回数、
S…記録シート、
SH…シート搬送路、
SN1…紙厚検出センサ。
Claims (3)
- 下記の構成要件(A01)〜(A04)を備えたことを特徴とする画像形成装置、
(A01)表面にトナー像を担持して回転する像担持体、
(A02)前記像担持体上のトナー像が転写される記録シートを搬送するシート搬送装置、
(A03)前記記録シートの搬送方向および幅方向に直交する方向の長さである厚さが厚くなるに連れて、前記像担持体の像担持体回転速度を遅くして像担持体上に形成するトナー像を縮小する像担持体回転制御手段、
(A04)前記記録シートの厚さが厚くなるに連れて、前記像担持体回転速度よりも速いシート搬送速度であって前記像担持体上に形成された縮小されたトナー像が元のサイズまで伸ばされる前記シート搬送速度で前記記録シートを搬送するシート搬送速度制御手段。 - 下記の構成要件(A05)〜(A07)を備えたことを特徴とする請求項1記載の画像形成装置、
(A05)前記記録シートを表面に担持して回転する無端状のゴムベルトにより構成された前記シート搬送装置、
(A06)画像形成回数を累積してカウントする画像形成回数カウント手段、
(A07)前記累積画像形成回数が多くなるに連れて前記シート搬送速度が大きくなるように補正するシート搬送速度補正手段。 - 下記の構成要件(A08)を備えたことを特徴とする請求項1または2記載の画像形成装置、
(A08)前記記録シートが搬送されるシート搬送路上に配置され、搬送される記録シートの紙厚を検出する紙厚検出センサ。
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