JP2005041666A - 画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 画像記録に使用するシートの抵抗率(表面抵抗率、体積抵抗率等)が変化しても良好な転写が行えるようにすること。
【解決手段】 転写領域(Q)にシートを搬送するレジロール(Rr)と、レジロール(Rr)と前記転写領域(Q)との間に配置された転写前シートガイド(SG)の位置を調節するシートガイド位置調節装置(G0+G1+M1)と、前記転写領域(Q)に搬送されるシートの抵抗率の大きさを判定する抵抗率判定手段と、抵抗率が大きいと判定されたシートの場合に、シート前端の前記像担持体(B)表面との接触位置が前記転写領域(Q)に対して前記像担持体(B)の回転方向上流側に移動するように、前記シートガイド位置調節装置(G0+G1+M1)の作動を制御するシートガイド位置制御手段とを備えた画像形成装置。
【選択図】 図2

Description

本発明は、回転移動する表面にトナー像が形成される像担持体と、前記像担持体表面の移動経路に設定された転写領域において前記像担持体表面に対向して配置され且つ前記転写領域を通過する像担持体表面のトナー像を画像記録用のシートに転写するシート転写部材と、前記転写領域にシートを搬送するシート搬送路の途中に配置され且つシート搬送路を搬送されてきたシート前端を一旦停止させてから所定のタイミングで前記転写領域に搬送するように駆動されるレジロールとを備えた画像形成装置に関し、特に、像担持体表面からシートへのトナー像の転写を良好に行えるようにした画像形成装置に関する。
本発明は、電子写真方式の複写機、プリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置で使用される。
前記種類の従来の画像形成装置において、シートの表面抵抗に応じて転写電圧、転写電流等の転写動作時の制御パラメータ(転写パラメータ)を変化させるものがある。この種の従来の画像形成装置としては、下記の技術(1)が従来公知である。
(1)特許文献1(特開平5−323715号公報)記載の技術
特許文献1には、用紙の表面抵抗を測定して、転写パラメータ(転写チャージャの放電電圧)を変更する技術が記載されている。
特開平5−323715号公報(公報第1頁の「要約」の欄)
一方、昨今のカラープリンタやカラー複写機は高速化されており、多種多様なシート(用紙)に画像を形成する要求が強まっている。中でも、GA(グラフィック・アート)と呼ばれる市場では、コート紙やフィルム状のシート(例えば、OHPシート)等、シートの特性が従来の普通紙と大きく異なるシートに対する高画質化の要求が強く存在する。
そのような背景の中で、前記従来技術のような、シートの表面抵抗率に対して、転写パラメータを変更するだけでは、十分に良好な画質を得ることが困難になってきている。
前記表面抵抗率の異なるシートを使用した場合に適切な転写が行われない場合には次のような画質欠陥が生じる。
(1)軽微な飛び散り(ベタ画像に生じる、小さくて薄い白点)
(2)全面白点(ベタ画像全体に生じる、小さくてハッキリした白点)
(3)かすれ
(4)もやもや(濃度むら)
本発明は、前述の事情に鑑み、次の記載内容(O01)を技術的課題とする。
(O01)画像記録に使用するシートの抵抗率(表面抵抗率、体積抵抗率等)が変化しても良好な転写が行えるようにすること。
次に、前記課題を解決した本発明を説明するが、本発明の要素には、後述の実施の形態の要素との対応を容易にするため、実施の形態の要素の符号をカッコで囲んだものを付記する。また、本発明を後述の実施の形態の符号と対応させて説明する理由は、本発明の理解を容易にするためであり、本発明の範囲を実施の形態に限定するためではない。
(第1発明)
前記課題を解決するために、第1発明の画像形成装置は、下記の構成要件(A01)〜(A07)を備えたことを特徴とする。
(A01)回転移動する表面にトナー像が形成される像担持体(B)、
(A02)前記像担持体(B)表面の移動経路に設定された転写領域(Q)において前記像担持体(B)表面に対向して配置され且つ前記転写領域(Q)を通過する像担持体(B)表面のトナー像を画像記録用のシートに転写するシート転写部材(T2b)、
(A03)前記転写領域(Q)にシートを搬送するシート搬送路(SH)の途中に配置されたレジロール(Rr)であって、シート搬送路(SH)を搬送されてきたシート前端を一旦停止させてから所定のタイミングで前記転写領域(Q)に搬送するように回転駆動される前記レジロール(Rr)、
(A04)前記シートを前記転写領域(Q)に搬送するシート搬送路(SH)の前記レジロール(Rr)と前記転写領域(Q)との間に配置された転写前シートガイド(SG)、
(A05)前記転写前シートガイド(SG)先端から前記転写領域(Q)に向かって進行するシート前端の前記像担持体(B)表面との接触位置が前記転写領域(Q)に対して移動するように前記転写前シートガイド(SG)の位置を調節するシートガイド位置調節装置(G0+G1+M1)、
(A06)前記転写領域(Q)に搬送されるシートの抵抗率の大きさを判定する抵抗率判定手段(C5)、
(A07)抵抗率が大きいと判定されたシートの場合に、シート前端の前記像担持体(B)表面との接触位置が前記転写領域(Q)に対して前記像担持体(B)の回転方向上流側に移動するように、前記シートガイド位置調節装置(G0+G1+M1)の作動を制御するシートガイド位置制御手段(C6)。
(第1発明の作用)
前記構成要件(A01)〜(A07)を備えた第1発明の画像形成装置では、像担持体(B)の回転移動する表面にはトナー像が形成される。前記像担持体(B)表面の移動経路に設定された転写領域(Q)において前記像担持体(B)表面に対向して配置されたシート転写部材(T2b)は、前記転写領域(Q)を通過する像担持体(B)表面のトナー像を画像記録用のシートに転写する。
前記転写領域(Q)にシートを搬送するシート搬送路(SH)の途中に配置されたレジロール(Rr)は、シート搬送路(SH)を搬送されてきたシート前端を一旦停止させてから所定のタイミングで前記転写領域(Q)に搬送するように回転駆動される。
前記シートを前記転写領域(Q)に搬送するシート搬送路(SH)の前記レジロール(Rr)と前記転写領域(Q)との間に配置された転写前シートガイド(SG)は、前記レジロール(Rr)に搬送されるシートの前端部をガイドする。
シートガイド位置調節装置(G0+G1+M1)は、転写前シートガイド(SG)先端から前記転写領域(Q)に向かって進行するシート前端の前記像担持体(B)表面との接触位置が前記転写領域(Q)に対して移動するように前記転写前シートガイド(SG)の位置を調節する。
抵抗率判定手段(C5)は、前記転写領域(Q)に搬送されるシートの抵抗率の大きさを判定する。
シートガイド位置制御手段(C6)は、抵抗率が大きいと判定されたシートの場合に、シート前端の前記像担持体(B)表面との接触位置が前記転写領域(Q)に対して前記像担持体(B)の回転方向上流側に移動するように、前記シートガイド位置調節装置(G0+G1+M1)の作動を制御する。
したがって、第1発明の画像形成装置では、抵抗率が高くシートとの間で放電が発生しやすい高抵抗率のシートが、放電の発生しにくい前記転写領域(Q)の回転方向上流側で像担持体(B)に接触(当接)する。この結果、シートの姿勢が像担持体(B)に沿った状態で搬送され、転写領域(Q)においてシートと像担持体(B)との間に隙間(Gap)が生じることを防止できる。したがって、シートと像担持体(B)との間のGap放電の発生を防止できるので、Gap放電による画質欠陥の発生を防止できる。
(第1発明の形態1)
前記第1発明の画像形成装置は、下記の構成要件(A08),(A09)を備えることが可能である。
(A08)使用するシートの種類を入力するシート種類入力部材(UI5)、
(A09)入力されたシートの種類に応じてシートの抵抗率を判定する前記抵抗率判定手段(C5)。
前記構成要件(A08),(A09)を備えた画像形成装置では、前記抵抗率判定手段(C5)は、シート種類入力部材(UI5)から入力されたシートの種類に応じてシートの抵抗率を判定する。抵抗率判定手段(C5)の判定結果に応じて前記シートガイド位置調節装置(G0+G1+M1)の作動が制御される。
(第1発明の形態2)
前記第1発明の画像形成装置は、下記の構成要件(A010),(A011)を備えることが可能である。
(A010)搬送されるシートの抵抗率を測定するために前記シート搬送路(SH)の途中に配置された抵抗率測定装置(Rr+Rsm)、
(A011)抵抗率の測定値に基づいてシートの抵抗率の大きさを判定する前記抵抗率判定手段(C5)。
前記構成要件(A010),(A011)を備えた画像形成装置では、シート搬送路(SH)の途中に配置された抵抗率測定装置(Rr+Rsm)は、搬送されるシートの抵抗率を測定する。抵抗率判定手段(C5)は、前記抵抗率の測定値に基づいてシートの抵抗率の大きさを判定する。抵抗率判定手段(C5)の判定結果に応じて前記シートガイド位置調節装置(G0+G1+M1)の作動が制御される。
(第2発明)
また、第2発明の画像形成装置は、下記の構成要件(A01)〜(A03),(A06),(A012)〜(A014)を備えたことを特徴とする。
(A01)回転移動する表面にトナー像が形成される像担持体(B)、
(A02)前記像担持体(B)表面の移動経路に設定された転写領域(Q)において前記像担持体(B)表面に対向して配置され且つ前記転写領域(Q)を通過する像担持体(B)表面のトナー像を画像記録用のシートに転写するシート転写部材(T2b)、
(A03)前記転写領域(Q)にシートを搬送するシート搬送路(SH)の途中に配置されたレジロール(Rr)であって、シート搬送路(SH)を搬送されてきたシート前端を一旦停止させてから所定のタイミングで前記転写領域(Q)に搬送するように回転駆動される前記レジロール(Rr)、
(A06)前記転写領域(Q)に搬送されるシートの抵抗率の大きさを判定する抵抗率判定手段(C5)、
(A012)前記レジロール(Rr)を駆動するレジロール駆動部材(M3)、
(A013)抵抗率が大きいと判定されたシートの場合に、前記レジロール(Rr)の周速度を高くするように前記レジロール駆動部材(M3)の動作を制御するレジロール回転速度制御手段(C9)、
(A014)前記レジロール(Rr)の周速度が早くなった場合にレジロール(Rr)の起動開始時刻が遅くなるように前記レジロール駆動部材(M3)の起動タイミングを制御するレジロール起動タイミング制御手段(C10)。
(第2発明の作用)
前記構成要件(A01)〜(A03),(A06),(A012)〜(A014)を備えた第2発明の画像形成装置では、像担持体(B)の回転移動する表面にはトナー像が形成される。前記像担持体(B)表面の移動経路に設定された転写領域(Q)において前記像担持体(B)表面に対向して配置されたシート転写部材(T2b)は、前記転写領域(Q)を通過する像担持体(B)表面のトナー像を画像記録用のシートに転写する。
前記転写領域(Q)にシートを搬送するシート搬送路(SH)の途中に配置されたレジロール(Rr)は、シート搬送路(SH)を搬送されてきたシート前端を一旦停止させてから所定のタイミングで前記転写領域(Q)に搬送するように回転駆動される。
抵抗率判定手段(C5)は、前記転写領域(Q)に搬送されるシートの抵抗率の大きさを判定する。
レジロール回転速度制御手段(C9)は、抵抗率が大きいと判定されたシートの場合に、前記レジロール(Rr)の周速度を高くするように前記レジロール駆動部材(M3)の動作を制御する。レジロール起動タイミング制御手段(C10)は、前記レジロール(Rr)の周速度が早くなった場合にレジロール(Rr)の起動開始時刻が遅くなるように前記レジロール駆動部材(M3)の起動タイミングを制御する。
したがって、第2発明の画像形成装置では、抵抗率の高いシートの前端が転写領域(Q)に突入すると、レジロール(Rr)によりシートが高速で搬送されるので、シートが撓む。この結果、シートが湾曲して(ループが形成され)、シートの画像記録面が転写領域(Q)の回転方向上流側で像担持体(B)に接触(当接)する。この結果、シートの姿勢が像担持体(B)に沿った状態で搬送され、転写領域(Q)においてシートと像担持体(B)との間に隙間(Gap)が生じることを防止できる。したがって、シートと像担持体(B)との間のGap放電の発生を防止できるので、Gap放電による画質欠陥の発生を防止でき、良好な転写が行われ、転写される画像の画質を高めることができる。
前述の本発明の画像形成装置は、下記の効果(E01),(E02)を奏することができる。
(E01)画像記録に使用するシートの抵抗率(表面抵抗率、体積抵抗率等)が変化しても良好な転写を行うことができる。
(E02)Gap放電による画像欠陥の発生を防止でき、形成される画像の画質を高めることができる。
次に図面を参照しながら、本発明の実施の形態の具体例を説明するが、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではない。
なお、以後の説明の理解を容易にするために、図面において、前後方向をX軸方向、左右方向をY軸方向、上下方向をZ軸方向とし、矢印X,−X,Y,−Y,Z,−Zで示す方向または示す側をそれぞれ、前方、後方、左方、右方、上方、下方、または、前側、後側、左側、右側、上側、下側とする。
また、図中、「○」の中に「・」が記載されたものは紙面の裏から表に向かう矢印を意味し、「○」の中に「×」が記載されたものは紙面の表から裏に向かう矢印を意味するものとする。
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1の画像形成装置の縦断面図である。
図1において、実施の形態1の画像形成装置(デジタル複写機)Uは、プリンタ(画像形成装置本体)U1、イメージスキャナU2、自動原稿搬送装置U3を有している。
前記自動原稿搬送装置U3は、イメージスキャナU2上面のプラテンガラスPG上に支持されている。
前記自動原稿搬送装置U3は、複写しようとする複数の原稿Giが重ねて載置される原稿給紙トレイTG1を有している。前記原稿給紙トレイTG1に載置された複数の各原稿Giは順次プラテンガラスPG上の複写位置(プラテンロールGR1の圧接位置)を通過して原稿排出ロールGR2から原稿排紙トレイTG2に排出されるように構成されている。
前記自動原稿搬送装置U3は、その後端部(−X端部)に設けた左右方向に延びるヒンジ軸(図示せず)により前記プラテンガラスPG上面に対して回動可能であり、原稿Giを作業者が手でプラテンガラスPG上に置く場合に上方に回動される。
前記イメージスキャナU2は、ユーザがコピースタート等の作動指令信号を入力操作するUI(ユーザインタフェース)を有している。
前記透明なプラテンガラスPGの下方には原稿画像を読み取るための露光光学系Aが配置されている。
前記自動原稿搬送装置U3でプラテンガラスPG上面に搬送されて前記複写位置を通過する原稿または手動でプラテンガラスPG上に置かれた原稿(図示せず)からの反射光は、前記露光光学系Aを介して、CCD(固体撮像素子)で電気信号に変換される。
IPS(イメージプロセッシングシステム)は、コントローラCにより動作タイミングを制御されており、CCDから入力されるR,G,B(レッド、グリーン、ブルー)の電気信号をY,M,C,K(イエロー、マゼンタ、シアン、黒)の画像データ(デジタルデータ)に変換して一時的に記憶し、前記画像データを所定のタイミングで潜像形成用の画像データとしてレーザ駆動回路DLに出力する。
レーザ駆動回路DLは、入力された画像データに応じてレーザ駆動信号をROS(潜像形成装置)のレーザダイオード(2y,2m,2c,2k)に出力する。なお、前記UI(ユーザインタフェース)、IPSおよびレーザ駆動回路DLと、後述の現像器Gy〜Gkの現像ロール、転写ロールT1,2次転写ロール(シート転写部材)T2b等にバイアス電圧を印加する電源回路E等の動作はコントローラCにより制御される。
プリンタU内部には左右方向(Y軸方向)の中央左寄り部分に4個のドラム状の感光体(第1像担持体)PRy,PRm,PRc,PRkが上下方向に並んで配置されている。
4個の各感光体PRy,PRm,PRc,PRkはそれぞれの帯電ロールCRにより一様に帯電される。前記帯電した各感光体Py〜Pkの表面に静電潜像を形成する光走査ユニットU1は、箱状の樹脂製の基体1を有している。前記基体1には、4個のレーザダイオード2y,2m,2c,2kを含むレーザ光源2と、前記4個の各レーザダイオード2y,2m,2c,2kから出射したレーザビームLy,Lm,Lc,Lkを前記各感光体PRy,PRm,PRc,PRk上に収束させて走査させる走査光学部品3とを有する光走査光学系4が支持されている。前記光走査光学系4は、レーザ光源2と、シリンドリカルレンズ、ポリゴンミラー、シリンドリカルミラー等を有する走査光学部品3を有している。
前記光走査ユニットU1から出射して前記各感光体PRy,PRm,PRc,PRkを走査する4本のレーザビームは、前記4個の各現像器Gy〜Gkの上方を通過するように構成されている。
前記光走査ユニットU1の出力するY,M,C,Kの各色のレーザビームLy,Lm,Lc,Lkにより、前記各感光体PRy〜Prkの表面に静電潜像が形成される。なお、画像がモノクロの場合は、K(黒)のみの画像データがレーザ駆動回路DLに入力され、感光体PRkのみに静電潜像が形成される。
前記感光体PRy,PRm,PRc,PRk表面の静電潜像はそれぞれ、現像器(現像装置)Gy,Gm,Gc,Gkにより各色YMCKのトナー像に現像される。前記各現像器Gy〜Gkには、画像形成装置Uの上部に配置された現像剤カートリッジKTy〜KTkから現像剤が補給される。
なお、前記現像剤としては、トナーおよびキャリアを含む2成分現像剤またはトナーのみを含む1成分現像剤等を使用可能である。また、画像形成装置Uの右側部分等にスペースが空いて要る場合には、そのスペースに前記現像剤カートリッジKTy〜KTkを配置することも可能である。
前記各感光体PRy〜PRk、光走査ユニットU1、各色の現像器Gy〜Gk等によって、感光体(第1像担持体)PRy〜PRk表面にトナー像を形成するトナー像形成装置Utが構成される。
前記Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、K(黒)の各感光体PRRy〜PRkはその左側に配置された中間転写ベルト(第2像担持体)Bに接触している。前記中間転写ベルトBは、複数のベルト支持ロール(Rd,Rf,Rt,T1y〜T1k,T2a)により回転可能に支持されている。ベルト支持ロール(Rd,Rf,Rt,T1y〜T1k,T2a)は、ベルト駆動ロールRd、従動ロールRf、テンションロールRt、1次転写ロールT1y〜T1k、バックアップロールT2a等により構成されている。前記中間転写ベルトBおよびそれを支持するベルト支持ロール(Rd,Rf,Rt,T1y〜T1k,T2a)等によりベルトモジュールBMが構成されている。
前記バックアップロールT2aに対向する位置にはシート転写部材(2次転写ロール)T2bが配置されており、シート転写部材(2次転写ロール)T2bと中間転写ベルトBとが対向する領域により2次転写領域(シート転写領域)Qが形成される。
前記各感光体(第1像担持体)PRy,PRm,PRc,PRk上に現像された各色Y,M,C,Kのトナー像はそれぞれ、トナーの帯電極性と逆極性の1次転写電圧が印加される前記1次転写ロールT1y〜T1kにより中間転写ベルト(第2像担持体)B上に重ねて1次転写される。
前記中間転写ベルトB上に重ねて転写されたY,M,C,Kのカラートナー像は、前記バックアップロールT2aに対向して配置されたロール状のシート転写部材T2bに対向する前記シート転写領域Qに搬送される。
プリンタUの下部に配置された給紙トレイTR1に収容された記録シートSは、シート搬送路SHにより前記シート転写領域Qに搬送される。すなわち、前記トレイTR1の記録シートSは、所定のタイミングでピックアップロールRpにより取り出され、さばきロールRsで1枚づつ分離されて、複数の搬送ロールRaによりレジロールRrに搬送される。前記給紙トレイTR1はガイドレールRL1,RL1により前後方向に移動可能に支持されている。また、前記シート搬送路SHには手差トレイTR0から記録シートSを給紙できるようになっている。
前記レジロールRrに搬送された記録シートSは、前記中間転写ベルトB上の多重トナー像または単色トナー像がシート転写領域Qに移動するのにタイミングを合わせて、シート転写領域Qに搬送される。前記シート搬送路SH、シート搬送ロールRa、レジロールRr等によりシート搬送装置(SH+Ra+Rr)が構成されている。
前記転写領域Qに中間転写ベルトB上のトナー像および前記シートSが移動するのにタイミングを合わせて、前記ロール状のシート転写部材T2bにはコントローラCにより制御される電源回路Eからトナーの帯電極性と逆極性のシート転写電圧が印加される。このシート転写電圧が印加されるシート転写部材T2bにより、前記中間転写ベルト(第2像担持体)B表面に形成されたトナー像は記録シートS(後述)に転写される。
なお、実施の形態1では、中間転写ベルト(第2像担持体)B表面のトナー像をシートに転写しているが、中間転写ベルトBを使用せずに1個の感光体表面に形成されたトナー像を直接シートに転写するモノクロの画像形成装置に対しても本発明を適用することが可能である。
前記シート転写領域Qにおいて前記シート転写部材T2bは、中間転写ベルトB上のトナー像を記録シートSに静電的に転写する。転写後の中間転写ベルトBはベルトクリーナCLbにより残留トナーが除去される。また、前記ロール状のシート転写部材T2bはシート転写部材クリーナCLtにより表面付着トナーが回収される。
前記トナー像が転写された記録シートSは、定着装置Fの一対の定着ロールFh,Fpの圧接領域(定着領域)に搬送され、定着領域を通過する際に加熱定着された後、排出ローラRhから排紙トレイTRhに排出される。
(転写前シートガイド)
図2は前記図1に示されているレジロールとシート転写部材との間に配置された転写前シートガイドの説明図である。
図2において、前記シートSを前記転写領域Qに搬送するシート搬送路SHの前記レジロールRrと前記転写領域Qとの間には転写前シートガイドSGが配置されており、前記転写前シートガイドSGは、前記シートSの転写部材側の表面(シート転写部材T2b側の表面)をガイドする転写部材側シートガイドSG1と、前記シートSの中間転写ベルト(第2像担持体)B側の表面をガイドする像担持体側シートガイドSG2とを有している。
前記転写部材側シートガイドSG1および像担持体側シートガイドSG2はシート幅方向の外端部で一体的に連結されている。前記転写部材側シートガイドSG1には軸G1aが固定されており、軸G1aは画像形成装置のフレームに回転可能に支持されている。前記軸G1aにはギヤG1が固着されている。
前記ギヤG1に噛み合うギヤG0は、シートガイド位置調整用モータM1の回転出力軸M1aに固着されており、シートガイド位置調整用モータM1が回転すると、ギヤG0,G1および軸G1aが回転する。ギヤG1aが回転すると、転写部材側シートガイドSG1および像担持体側シートガイドSG2を有する転写前シートガイドSGが回転する。前記転写前シートガイドSGが回転するとき、転写前シートガイドSGの前端部は中間転写ベルト(第2像担持体)Bに接近または離隔する。即ち、前記転写前シートガイドSGは、前記シートガイド位置調整用モータM1の回転により、高抵抗率シート転写位置(図2の二点鎖線で示す位置)と、通常シート転写位置(図2の実線で示す位置)との間で移動する。
前記ギヤG0,G1、シートガイド位置調整用モータM1等によってシートガイド位置調節装置(G0+G1+M1)が構成されている。
(実施の形態1の制御部の説明)
図3は本発明の画像形成装置の実施の形態1の全体説明図で、その制御部分が備えている各機能をブロック図(機能ブロック図)で示した図である。
図3において、前記コントローラCは、外部との信号の入出力および入出力信号レベルの調節等を行うI/O(入出力インターフェース)、必要な処理を実行するためのプログラムおよびデータ等が記憶されたROM(リードオンリーメモリ)、必要なデータを一時的に記憶するためのRAM(ランダムアクセスメモリ)、前記ROMに記憶されたプログラムに応じた処理を行うCPU(中央演算処理装置)、ならびにクロック発振器等を有するコンピュータにより構成されており、前記ROMに記憶されたプログラムを実行することにより種々の機能を実現することができる。
(前記コントローラCに接続された信号入力要素)
前記コントローラCには、次の信号出力要素の出力信号が入力されている。
UI:ユーザインタフェース
ユーザインタフェースUIは、表示器UI1、コピースタートキーUI2,コピー枚数入力キーUI3、テンキーUI4、シート種類入力キー(シート種類入力部材)等を備えており、それらが入力されたことを検出して、その検出信号をコントローラCに入力する。
SNr:レジセンサ
レジセンサSNrは、レジロールRrの近傍にシートが搬送されたか否かを検出する。
(コントローラCに接続された被制御要素)
コントローラCは、次の被制御要素の制御信号を出力している。
D1:メインモータ駆動回路
メインモータ駆動回路D1はメインモータM2を駆動することにより次の要素の駆動を行う。
(1)図示しないギヤを介して像担持体PRを回転駆動する。
(2)第1クラッチCL1を介して現像ロールR0、ピックアップロールRpを回転駆動する。
(3)第2クラッチCL2を介して、レジロールRrを回転駆動する。
D2:ガイド位置調節用モータ駆動回路
ガイド位置調節用モータ駆動回路D2は、前記シートガイド位置調節用モータM1を駆動することにより、転写前シートガイドSGの位置を前記通常シート転写位置と高抵抗率シート転写位置の間で調節する。
DL1:第1クラッチ駆動回路
第1クラッチ駆動回路DL1は、第1クラッチCL1をオン・オフさせる。
DL2:第2クラッチ駆動回路
第2クラッチ駆動回路DL2は、第2クラッチCL2をオン・オフさせる。
E1:現像バイアス電源回路
現像バイアス電源回路E1は現像器Gy〜Gkの現像ロールに現像バイアス電圧を印加する。
E2:帯電器用電源回路
前記帯電器用電源回路E2は帯電器CRy〜CRkに帯電電圧を印加する。
E3:転写用電源回路
前記転写用電源回路E4は用紙転写器T1y〜T1kに転写電圧を印加する。
E4:加熱ロール用電源回路
前記加熱ロール用電源回路E4は定着装置Fの加熱ロールFhのヒータに加熱用の電力を印加する。
(コントローラCの機能)
コントローラCは、前記信号出力要素の出力信号に応じて前記各被制御要素の動作を制御するためのプログラムにより、次の機能実現手段を有している。
C1:ジョブ実行手段
ジョブ制御手段C1は、コピースタートキーUI1の入力に応じて、前記ROS、帯電ロールCRy〜CRk、転写装置T1y〜T1k,T2B、定着装置Fおよびシート搬送装置(SH+Ra+Rr)等の動作を制御して、画像記録動作であるジョブ(コピー動作すなわち、画像記録動作)を実行する。
C2:メインモータ回転制御手段
メインモータ回転制御手段C2は、前記メインモータ駆動回路D1を制御して、像担持体PRや現像装置Gy〜Gk、定着装置F等の駆動を制御する。
C3:電源回路制御手段
電源回路制御手段C3は、電源回路Eを制御して、帯電ロールCRy〜CRkや転写ロールT1y〜T1k,T2b、定着装置F等への電圧、電流の供給を制御する。
C4:クラッチ制御手段
クラッチ制御手段C4は、前記第1クラッチ駆動回路DL1及び第2クラッチ制御回路DL2を制御して、第1クラッチCL1及び第2クラッチCL2のオン・オフを制御する。
C5:抵抗率判定手段
抵抗率判定手段C5は、前記転写領域に搬送されるシートの抵抗率の大きさを判定する。なお、実施の形態1の抵抗率判定手段C5は、ユーザによるユーザインタフェースUIのシート種類入力キー(シート種類入力部材)UI5からのシート種類の設定入力に応じて抵抗率の大きさを判定する。即ち、ユーザが設定入力したシート種類がコート紙またはOHPシートの場合には、シートの抵抗率が大きいと判定し、それ以外のシート種類の場合は、シートの抵抗率が通常であると判定する。
C6:シートガイド位置制御手段
シートガイド位置制御手段C6は、抵抗率が大きいと判定されたシートの場合に、シート前端の前記像担持体表面との接触位置が前記転写領域Qに対して中間転写ベルトBの回転方向上流側に移動するように、前記シートガイド位置調節装置(G0+G1+M1)の作動を制御する。
C7:シート種類設定入力初期化時間記憶手段
シート種類設定入力初期化時間記憶手段C7は、ユーザがユーザインタフェースUIから設定入力したシート種類を初期化する時間であるシート種類設定入力初期化時間TMaを記憶する。
TM:シート種類設定入力初期化時間計時タイマ
シート種類設定入力初期化時間計時タイマTMには、シート種類設定入力初期化時間TMaがセットされ、ユーザーが設定入力したシート種類を初期化する時間を計時する。
FL:シート抵抗率判別フラグ
シート抵抗率判別フラグFLは、初期値は「0」であり、使用されるシートが高抵抗率のシートである場合に「1」となり、使用されるシートが通常の抵抗率のシートである場合に「0」になる。
(フローチャートの説明)
(シートの抵抗率設定処理のフローチャート)
図4は前記実施の形態1の画像形成装置のシート抵抗率設定処理のフローチャートである。
図4のフローチャートの各ST(ステップ)の処理は、前記コントローラCのROMやハードディスク等に記憶されたプログラムに従って行われる。また、この図4に示す処理は、電源オンにより開始されるとともに、画像形成装置本体の他の各種処理と並行してマルチタスクで実行される。
図4のST1(ステップ1)において、ユーザインタフェースUIにおいて、ユーザによるシートの種類を設定する入力があったか否かを判別する。ノー(N)の場合はST1を繰り返し、イエス(Y)の場合はST2に移る。
ST2において、設定入力されたシートの種類がコート紙であるか否かを判別する。ノー(N)の場合はST3に移り、イエス(Y)の場合はST4に移る。
ST3において、設定入力されたシートの種類がOHPシートであるか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST4に移り、ノー(N)の場合はST5に移る。
ST4において、シート種類がコート紙またはOHPシートなので、シートの単位面積当たりの表面抵抗が大きいため、シート抵抗率判別フラグFLをFL=「1」とする。そして、ST6に移る。
ST5において、シート種類が通常のシートなので、シート抵抗率判別フラグFL=「0」として、ST6に移る。
ST6において、シート種類設定入力初期化時間計時タイマTMにシート種類設定入力初期化時間TMaをセットする。そして、ST7に移る。
ST7において、ジョブ開始入力があったか否か、即ち、コピースタートキーがオンされたか否かを判別する。ノー(N)の場合はST8に移り、イエス(Y)の場合はST1に戻る。即ち、シート種類設定入力初期化時間TMaが経過するまでにコピースタートキーがオンになった場合(イエスの場合)は、ユーザの設定入力に応じたシートの抵抗率でジョブが開始される。
ST8において、シート種類設定入力初期化時間計時タイマTMがタイムアップしたか否か、即ちシート種類設定入力初期化時間TMaが経過したか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST9に移り、ノー(N)の場合はST7に戻る。
ST9において、ユーザがシート種類を設定入力したにもかかわらず、コピースタートキーをオンにせず放置して、シート種類設定入力初期化時間TMaが経過したので、シート抵抗率判別フラグFL=「0」として、ST1に戻る。
(シートガイドの位置決め処理のフローチャート)
図5は前記実施の形態1の画像形成装置のシートガイドの位置決め処理のフローチャートである。
図5のフローチャートの各ST(ステップ)の処理は、前記コントローラCのROMやハードディスク等に記憶されたプログラムに従って行われる。また、この図4に示す処理は、電源オンにより開始されるとともに、画像形成装置本体の他の各種処理と並行してマルチタスクで実行される。
図5のST11において、ジョブ開始入力があったか否か、即ち、コピースタートキーがオンされたか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST12に移り、ノー(N)の場合はST11を繰り返す。
ST12において、シート抵抗率判別フラグFLがFL=「0」で有るか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST13に移り、ノー(N)の場合はST14に移る。
ST13において、使用されるシートが通常の抵抗率のシートなので、転写前シートガイドSGを通常シート転写位置(図2の実線で示す位置参照)に保持する。そして、ST15に移る。
ST14において、使用されるシートが高抵抗率シートなので、転写前シートガイドSGを高抵抗率シート転写位置(図2の二点鎖線で示す位置参照)に保持する。そして、ST15に移る。
ST15において、画像形成動作であるジョブを実行する。そして、ST16に移る。
ST16において、ジョブが終了したか否かを判別する。ノー(N)の場合はST15に戻り、イエス(Y)の場合はST11に戻る。
(実施の形態1の作用)
前記構成を備えた実施の形態1の画像形成装置では、ユーザの設定入力したシート種類に基づいて、使用されるシートが通常の抵抗率のシートであるか、高抵抗率のシートであるかが判別される(図4参照)。そして、使用されるシートが高抵抗率のシートである場合には、転写前シートガイドSGを高抵抗率シート転写位置に移動させる。この結果、高抵抗率シートが使用される場合、シート先端が通常抵抗率シートよりも早い時期に中間転写ベルトBに当接する。したがって、中間転写ベルトB上に保持されているトナー像とシートとが密着した状態で2次転写領域Qに進入し、2次転写が行われる。
2次転写領域Qの近傍で高抵抗率のシートと中間転写ベルトBとの間に隙間(Gap)がある場合、シートの抵抗率が高いため、シートとトナー像を担持する中間転写ベルトBや2次転写装置T2a,T2bとの間で放電(Gap放電)が発生し、白抜けなどの画像欠陥が発生することがある。しかし、前記実施の形態1では、高抵抗率シートの場合、Gap放電が発生する可能性の低い2次転写領域Qの上流側の位置で、シートが中間転写ベルトBとが当接する。そして、シートと中間転写ベルトBとが当接・密着した状態で安定して2次転写領域Qに搬送されるため、Gapの発生を防止でき、前記Gap放電の発生を防止できる。この結果、コート紙やOHPシート等の高抵抗率のシートにおいて画像欠陥の発生を防止でき、形成される画像を向上させることができる。
(実験例)
図6は、実施の形態1の画像形成装置において高抵抗率のシートを使用した場合のレジロールのロール径と、2次転写電圧との関係を示す図である。
図7は、従来の画像形成装置において、高抵抗率のシートを使用した場合のレジロールのロール径と、2次転写電圧との関係を示す図である。
図6、図7において、富士ゼロックス株式会社製Docu Print Color3530を使用し、低温低湿(10℃15%)の環境下にて、Colotech+ Gross Coat(170GSM)の用紙を使用して実験を行った。実験は、レジロール径が19.85mm、19.95mm、20.05mm、20.1mmの4つのレジロールRrを使用して、4.5kV(2次転写電圧増減分=100%)の2次転写電圧を変動させた場合に、形成された画像に発生するかすれや飛び散り(軽微なかすれ)、もやもや、全面白点等の発生を実験により観測した。なお、図6、図7には、通常の画像形成装置で使用されるレジロールの径である19.95mm〜20mmの範囲を示す破線が示されている。
図6、図7において、2次転写電圧増減分が40%(4.5kV×40%=1.8kV)以下では、実施の形態1及び従来技術共に、全面にもやもやが発生した。また、2次転写電圧増減分が160%以上では、実施の形態1及び従来技術共に、全面白点が発生した。
一方、例えば、レジロール径19.95mmの場合に、画像欠陥が無く印刷可能なのは、従来技術では2次転写電圧増減分が40%〜80%の間であったのに対し、実施の形態1では、40%〜120%の範囲となっており、2次転写電圧を増減可能な範囲が広がっている。この実験の結果、転写前シートガイドSGの位置を調節することによって、従来に比べ2次転写電圧を増減させてもかすれや軽微な飛び散りの発生を防止でき、画質を向上させることができる。
また、図6、図7に示すように、レジロール径が大きくなるほど画像欠陥なく印刷可能な範囲が広がる傾向があることが分かる。即ち、図6、図7から、同じレジロール径であっても、レジロールの周速を大きくすることによっても、かすれや軽微な飛び散りの発生を低減させ、画質を向上させることができることが分かる(後述の実施の形態3参照)。
(実施の形態2)
図8は実施の形態2のレジロールとシート転写部材との間に配置された転写前シートガイドの説明図であり、実施の形態1の図2に対応する図である。
次に本発明の実施の形態2の画像形成装置Uの説明を行うが、以下の実施の形態2の説明において、前記実施の形態1と同一の構成要素には同一の符号を使用してその詳細な説明は省略する。実施の形態2では、以下の点において前記実施の形態1と相違するがその他の構成は実施の形態1と同様に構成されている。
図8において、レジロールRrのシート搬送方向上流側のシート搬送路上には、抵抗率測定用ロールRsmが配置されている。前記レジロールRrでシートの前端が停止している間に、前記レジロールRrと抵抗率測定用ロールRsmとの間に電圧が印加され、レジロールRrと抵抗率測定用ロールRsmとの間のシートの表面抵抗値が測定される。
前記レジロールRrと抵抗率測定用ロールRsmとによって抵抗率測定装置(Rr+Rsm)が構成されている。
(実施の形態2の制御部の説明)
図9は本発明の実施の形態2の画像形成装置の制御部の全体説明図で、実施の形態1の図3に対応する図である。
(コントローラCに接続された信号入力要素)
図9において、実施の形態2の画像形成装置では抵抗率測定装置(Rr+Rsm)が信号入力要素としてコントローラCに接続されている点が実施の形態1の画像形成装置と異なる。
(Rr+Rsm):抵抗率測定装置
抵抗率測定装置(Rr+Rsm)は、レジロールRrと抵抗率測定用ロールRsmとの間のシートの表面抵抗値を測定する。
(コントローラCに接続された被制御要素)
図9において、実施の形態2の電源回路Eは、各電源回路E1〜E4に加え、抵抗率測定用電源回路E5を有している。
E5:抵抗率測定用電源回路
抵抗率測定用電源回路E5は、抵抗率測定装置(Rr+Rsm)に抵抗率測定用電圧を印加する。
(コントローラCの機能)
図9において、実施の形態2は、実施の形態1のシート種類設定入力初期化時間記憶手段C7、シート種類設定入力初期化時間計時タイマTM及びシート抵抗率判別フラグFLに替えて、シート表面抵抗閾値記憶手段C8を有している。
C8:シート表面抵抗閾値記憶手段
シート表面抵抗閾値記憶手段C8は、転写領域に搬送されるシートが、前記転写前シートガイドSGを高抵抗率シート転写位置に保持する高抵抗率のシートであるか否かを判定するための閾値であるシート表面抵抗閾値SRaを記憶する。
そして、実施の形態2の抵抗率判定手段C5は、前記抵抗率測定装置(Rr+Rsm)で測定された表面抵抗値と、前記シート表面抵抗閾値SRaとに基づいて、シートの抵抗率が大きいか否かを判別する。
(実施の形態2のフローチャートの説明)
図10は実施の形態2の転写前シートガイドの位置決め処理のフローチャートの図である。
図10のフローチャートの各ST(ステップ)の処理は、前記コントローラCのROMやハードディスク等に記憶されたプログラムに従って行われる。また、この図10に示す処理は、電源オンにより開始されるとともに、画像形成装置本体の他の各種処理と並行してマルチタスクで実行される。
図10のST21において、ジョブ開始入力がされたか否か、即ち、コピースタートキーがオンされたか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST22に移り、ノー(N)の場合はST21を繰り返す。
ST22において、レジセンサSNrがシートの前端を検出したか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST23に移り、ノー(N)の場合はST22を繰り返す。
ST23において、抵抗率測定装置(Rr+Rsm)に電圧を印加して、シート表面抵抗SRを測定する。そして、ST24に移る。
ST24において、検出されたシートの表面抵抗SRがシート表面抵抗閾値SRa以上であるか否かを判別する。ノー(N)の場合はST25に移り、イエス(Y)の場合はST26に移る。
ST25において、転写前シートガイドSGを通常シート転写位置(図8の実線で示す位置参照)に保持する。そして、ST27に移る。
ST26において、転写前シートガイドSGを高抵抗率シート転写位置(図8の二点鎖線で示す位置参照)に保持する。そして、ST27に移る。
ST27において、ジョブが終了したか否かを判別する。ノー(N)の場合はST22に戻り、イエス(Y)の場合はST21に戻る。
(実施の形態2の作用)
前記構成を備えた実施の形態2の画像形成装置では、抵抗率測定装置(Rr+Rsm)によってシート毎に抵抗率を測定して、転写前シートガイドSGの位置を調節することができる。この結果、実施の形態1と同様に、画像欠陥を低減させることができ、画質を向上させることができる。
なお、前記実施の形態1に示すユーザの設定入力に応じて転写前シートガイドSGを制御する技術と、実施の形態2に示すシート毎に抵抗値を測定して転写前シートガイドSGを制御する技術とを組み合わせて使用することも可能である。例えば、ユーザによる設定入力がある場合には、抵抗率の測定は行わず、設定入力がない場合に抵抗率の測定を行うように構成することも可能である。さらに、実施の形態2では、レジロールRrと抵抗率検出用ローラRsmとの間に電圧を印加して表面抵抗率を計測したが、これに限定されず、他の従来公知の抵抗率測定装置を使用して、例えば、体積抵抗率を計測してシートの抵抗率が大きいか否かを判定することも可能である。
また、前記シートの表面抵抗率は、給紙トレイTR1に収容されたシート束のシート間密着力と関係が深い。したがって、測定した表面抵抗率に応じて、次に給紙されるシートに対して、ピックアップロールRpやさばきロールRsのタイミングや当接圧力を調節することによって、重送気味の用紙であっても適切な用紙間隔を維持できたり、さばき能力を適切に設定することができる。
(実施の形態3)
図11は実施の形態3のレジロールとシート転写部材との間に配置された転写前シートガイドの説明図であり、実施の形態1の図2に対応する図である。
次に本発明の実施の形態3の画像形成装置Uの説明を行うが、以下の実施の形態3の説明において、前記実施の形態1と同一の構成要素には同一の符号を使用してその詳細な説明は省略する。実施の形態3では、以下の点において前記実施の形態1と相違するがその他の構成は実施の形態1と同様に構成されている。
図11において、実施の形態3の画像形成装置では、前記実施の形態1、2に示す転写前シートガイドSGの位置を調節するためのシートガイド位置調整用モータM1やギヤG0,G1を備えておらず、レジロールRrの回転駆動する図示しないレジロール駆動モータ(レジロール駆動部材)M3を備えている。
(実施の形態3の制御部の説明)
図12は本発明の実施の形態3の画像形成装置の制御部の全体説明図で、実施の形態1の図3に対応する図である。
(コントローラCに接続された被制御要素)
図12において、実施の形態3の画像形成装置は、実施の形態1の図3に示すガイド位置調節用モータ駆動回路D2やシートガイド位置調節用モータM1等に替えて、レジロール用モータ駆動回路D3とレジロール駆動モータM3とを備えている。
D3:レジロール用モータ駆動回路
レジロール用モータ駆動回路D3は、レジロール駆動モータM3の回転数を制御して、レジロールRrの周速度を制御する。
(コントローラCの機能)
図12において、実施の形態3は、実施の形態1の各制御要素C1〜C7等に加え、レジロール回転速度制御手段C9及びレジロール起動タイミング制御手段C10を有している。
C9:レジロール回転速度制御手段
レジロール回転速度制御手段C9は、通常シート用回転速度記憶手段C9aと、高抵抗率シート用回転速度記憶手段C9bとを有し、前記レジロール用モータ駆動回路D3を介してレジロール駆動モータM3の動作を制御する。
C9a:通常シート用回転速度記憶手段
通常シート用回転速度記憶手段C9aは、通常の抵抗率のシートを2次転写領域Qに搬送する場合のレジロールRrの周速度である通常シート用回転速度を記憶する。
C9b:高抵抗率シート用回転速度記憶手段
高抵抗率シート用回転速度記憶手段C9bは、高抵抗率のシートを搬送する場合のレジロールRrの周速度である前記通常シート用回転速度よりも高速の高抵抗率シート用回転速度を記憶する。
C10:レジロール起動タイミング制御手段
レジロール起動タイミング制御手段C10は、通常シート用時刻記憶手段C10aと高抵抗率シート用時刻記憶手段C10bとを有し、前記レジロール用モータ駆動回路D3を制御して、シートを2次転写領域Qに搬送を開始するタイミング、即ち、レジロール駆動モータM3の起動タイミングを制御する。
C10a:通常シート用時刻記憶手段
通常シート用時刻記憶手段C10aは、通常の抵抗率のシートの場合に、レジロールRrによって一旦停止させられたシートを2次転写領域Qに搬送を開始するタイミング(時刻)である通常シート用時刻を記憶する。
C10b:高抵抗率シート用時刻記憶手段
高抵抗率シート用時刻記憶手段C10bは、高抵抗率のシートの場合に、レジロールRrによって一旦停止させられたシートを2次転写領域Qに搬送を開始するタイミング(時刻)である高抵抗率シート用時刻を記憶する。高抵抗率シートの場合、レジロールRrの周速度が高速なので、通常シートと同じタイミングで搬送するとシートに転写される画像がずれてしまう。したがって、前記高抵抗率シート用時刻は、前記通常シート用時刻よりも遅いタイミングに設定されている。
(フローチャートの説明)
実施の形態3の画像形成装置では、前記実施の形態1の図4に示すシート抵抗率設定処理と同様の処理を実行するので、詳細な説明は省略する。そして、実施の形態3では、前記図5に示す転写前シートガイドの位置決め処理に替えて、図13に示すレジロール回転速度制御処理が実行される。
(レジロール回転速度制御処理のフローチャートの説明)
図13は、実施の形態3のレジロール回転速度制御処理のフローチャートの図である。
図13のフローチャートの各ST(ステップ)の処理は、前記コントローラCのROMやハードディスク等に記憶されたプログラムに従って行われる。また、この図11に示す処理は、電源オンにより開始されるとともに、画像形成装置本体の他の各種処理と並行してマルチタスクで実行される。
図13のST31において、ジョブ開始入力がされたか否か、即ち、コピースタートキーがオンされたか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST32に移り、ノー(N)の場合はST31を繰り返す。
ST32において、シート抵抗率判別フラグFL=「0」で有るか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST33に移り、ノー(N)の場合はST34に移る。
ST33において、通常の抵抗率のシートなので次の処理(1)、(2)を順次実行して、ST35に移る。
(1)レジロールRrの回転速度を通常シート用回転速度に設定する。
(2)レジロールRrの駆動開始タイミング(起動タイミング)を通常シート用時刻に設定する。
ST34において、高抵抗率シートなので、次の処理(1)、(2)を順次実行して、ST35に移る。
(1)レジロールRrの回転速度を高抵抗率シート用回転速度に設定する。
(2)レジロールRrの駆動開始タイミング(起動タイミング)を高抵抗率シート用時刻に設定する。
ST35において、画像形成動作であるジョブを実行する。そして、ST36に移る。
ST36において、ジョブが終了したか否かを判別する。ノー(N)の場合はST35に戻り、イエス(Y)の場合はST31に戻る。
(実施の形態3の作用)
前記構成を備えた実施の形態3の画像形成装置では、使用されるシートがコート紙やOHPシートのような高抵抗率シートの場合、2次転写領域Qに搬送する際のレジロールの周速度を通常の抵抗率のシートの場合よりも高速に設定される。
この結果、抵抗率が高くで放電が発生しやすい高抵抗率シート前端が2次転写領域Qに突入すると(図11の実線で示すシート参照)、シートがレジロールRrにより中間転写ベルトBに比べ高速で搬送されるので、図11の二点鎖線で示す様にシートSが撓む。したがって、シートSが湾曲するため(ループが形成されるため)、転写領域Qの回転方向上流側で中間転写ベルトBに接触する。したがって、実施の形態1と同様に、シートと中間転写ベルトBとが一体的に2次転写領域Qに進入しやすくなり、Gap放電の発生を低減できる。したがって、レジロールRrの周速度が高まることによって、前記図6、図7に示す実験結果からも分かるように、画像欠陥の発生を抑えることができ、画質を高めることができる。
また、前記高抵抗率のシートの場合に、レジロールRrの周速度を高速化するのに伴い、起動タイミングを遅らせることによって、シートが転写領域Qに到達するタイミングを一定にすることができ、シートに転写されるトナー像がずれることを防止できる。
(変更例)
以上、本発明の実施の形態を詳述したが、本発明は、前記実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内で、種々の変更を行うことが可能である。本発明の変更例(H01),(H02)を下記に例示する。
(H01)前記実施の形態1〜3において、本発明は、中間転写ベルトBを備えず、感光体(像担持体)から直接シートに転写する画像形成装置にも適用可能である。
(H02)前記実施の形態1〜3において、抵抗率を通常と高抵抗率の2段階で判定して、各部材(シートガイド位置調節装置やレジロール駆動部材)を制御したが、画像形成装置の仕様に応じて3段階以上(例えば、高抵抗率、中抵抗率、低抵抗率)で判定し、各部材を制御することも可能である。
図1は本発明の実施の形態1の画像形成装置の縦断面図である。 図2は前記図1に示されているレジロールとシート転写部材との間に配置された転写前シートガイドの説明図である。 図3は本発明の画像形成装置の実施の形態1の全体説明図で、その制御部分が備えている各機能をブロック図(機能ブロック図)で示した図である。 図4は前記実施の形態1の画像形成装置のシート抵抗率設定処理のフローチャートである。 図5は前記実施の形態1の画像形成装置のシートガイドの位置決め処理のフローチャートである。 図6は、実施の形態1の画像形成装置において高抵抗率のシートを使用した場合のレジロールのロール径と、2次転写電圧との関係を示す図である。 図7は、従来の画像形成装置において、高抵抗率のシートを使用した場合のレジロールのロール径と、2次転写電圧との関係を示す図である。 図8は実施の形態2のレジロールとシート転写部材との間に配置された転写前シートガイドの説明図であり、実施の形態1の図2に対応する図である。 図9は本発明の実施の形態2の画像形成装置の制御部の全体説明図で、実施の形態1の図3に対応する図である。 図10は実施の形態2の転写前シートガイドの位置決め処理のフローチャートの図である。 図11は実施の形態3のレジロールとシート転写部材との間に配置された転写前シートガイドの説明図であり、実施の形態1の図2に対応する図である。 図12は本発明の実施の形態3の画像形成装置の制御部の全体説明図で、実施の形態1の図3に対応する図である。 図13は、実施の形態3のレジロール回転速度制御処理のフローチャートの図である。
符号の説明
B…像担持体、C5…抵抗率判定手段、C6…シートガイド位置制御手段、C9…レジロール回転速度制御手段、C10…レジロール起動タイミング制御手段、G0+G1+M1…シートガイド位置調節装置、M3…レジロール駆動部材、Q…転写領域、Rr…レジロール、Rr+Rsm…抵抗率測定装置、SG…転写前シートガイド、SH…シート搬送路、T2b…シート転写部材、UI5…シート種類入力部材。

Claims (2)

  1. 下記の構成要件(A01)〜(A07)を備えたことを特徴とする画像形成装置、
    (A01)回転移動する表面にトナー像が形成される像担持体、
    (A02)前記像担持体表面の移動経路に設定された転写領域において前記像担持体表面に対向して配置され且つ前記転写領域を通過する像担持体表面のトナー像を画像記録用のシートに転写するシート転写部材、
    (A03)前記転写領域にシートを搬送するシート搬送路の途中に配置されたレジロールであって、シート搬送路を搬送されてきたシート前端を一旦停止させてから所定のタイミングで前記転写領域に搬送するように回転駆動される前記レジロール、
    (A04)前記シートを前記転写領域に搬送するシート搬送路の前記レジロールと前記転写領域との間に配置された転写前シートガイド、
    (A05)前記転写前シートガイド先端から前記転写領域に向かって進行するシート前端の前記像担持体表面との接触位置が前記転写領域に対して移動するように前記転写前シートガイドの位置を調節するシートガイド位置調節装置、
    (A06)前記転写領域に搬送されるシートの抵抗率の大きさを判定する抵抗率判定手段、
    (A07)抵抗率が大きいと判定されたシートの場合に、シート前端の前記像担持体表面との接触位置が前記転写領域に対して前記像担持体の回転方向上流側に移動するように、前記シートガイド位置調節装置の作動を制御するシートガイド位置制御手段。
  2. 下記の構成要件(A01)〜(A03),(A06),(A012)〜(A014)を備えたことを特徴とする画像形成装置、
    (A01)回転移動する表面にトナー像が形成される像担持体、
    (A02)前記像担持体表面の移動経路に設定された転写領域において前記像担持体表面に対向して配置され且つ前記転写領域を通過する像担持体表面のトナー像を画像記録用のシートに転写するシート転写部材、
    (A03)前記転写領域にシートを搬送するシート搬送路の途中に配置されたレジロールであって、シート搬送路を搬送されてきたシート前端を一旦停止させてから所定のタイミングで前記転写領域に搬送するように回転駆動される前記レジロール、
    (A06)前記転写領域に搬送されるシートの抵抗率の大きさを判定する抵抗率判定手段、
    (A012)前記レジロールを駆動するレジロール駆動部材、
    (A013)抵抗率が大きいと判定されたシートの場合に、前記レジロールの周速度を高くするように前記レジロール駆動部材の動作を制御するレジロール回転速度制御手段、
    (A014)前記レジロールの周速度が早くなった場合にレジロールの起動開始時刻が遅くなるように前記レジロール駆動部材の起動タイミングを制御するレジロール起動タイミング制御手段。

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014202983A (ja) * 2013-04-08 2014-10-27 コニカミノルタ株式会社 画像形成装置およびそのコントローラ、レジストローラ制御方法、ならびにコンピュータプログラム

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JP2014202983A (ja) * 2013-04-08 2014-10-27 コニカミノルタ株式会社 画像形成装置およびそのコントローラ、レジストローラ制御方法、ならびにコンピュータプログラム

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