図1に本発明を適用した画像形成装置の概略を示す。画像形成装置100は、複写機、プリンタ、ファクシミリの複合機であってフルカラーの画像形成を行うことが可能になっているカラーデジタル複合機であるが、他の画像形成装置、すなわち、モノクロ機や、複写機、プリンタ、ファクシミリの単体、あるいは複写機とプリンタとの複合機等他の複合機であっても良い。画像形成装置100は、プリンタとして用いられる場合には、外部から受信した画像情報に対応する画像信号に基づき画像形成処理を行なう。これは画像形成装置100がファクシミリとして用いられる場合も同様である。
画像形成装置100は、一般にコピー等に用いられる普通紙の他、OHPシートや、カード、ハガキ等の厚紙や、封筒等の何れをもシート状の記録媒体としてこれに画像形成を行なうことが可能である。画像形成装置100は、記録媒体としての記録体である記録紙たる転写紙の両面に画像形成可能な両面画像形成装置でもある。
画像形成装置100は、上下方向において中央位置を占めプリンタ部として機能する本体101と、本体101の上側に位置し原稿を読み取るスキャナとしての読取装置21および原稿を積載され積載された原稿を読取装置21に向けて送り出すADFといわれる原稿自動搬送装置である自動原稿給紙装置22と、本体101の下側に位置し感光体ドラム20W、20Y、20M、20C、20BKと像搬送体としての被転写体である転写ベルト11との間に向けて搬送される転写紙を積載した給紙テーブルとしての給紙装置であるシート給送装置23とを有している。
画像形成装置100は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色に色分解された色にそれぞれ対応する像としての画像を形成可能な複数の像担持体としての感光体である感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKおよび少なくとも定着前の状態において白色すなわちホワイトの画像を形成可能な像担持体たる白色像担持体としての感光体である感光体ドラム20Wを並設したタンデム構造を採用したタンデム型の画像形成装置である。感光体ドラム20W、20Y、20M、20C、20BKは、互いに同一径であり、画像形成装置100の本体101の内部のほぼ中央部に配設された無端ベルトである中間転写体たる中間転写ベルトとしての転写ベルト11の外周面側すなわち作像面側に、等間隔で並んでいる。
転写ベルト11は、各感光体ドラム20W、20Y、20M、20C、20BKに対峙しながら図中時計方向である矢印A1方向に移動可能となっている。各感光体ドラム20W、20Y、20M、20C、20BKに形成された可視像すなわちトナー像は、矢印A1方向に移動する転写ベルト11に対しそれぞれ重畳転写され、その後、転写紙に一括転写されるようになっている。このように画像形成装置100は中間転写方式である間接転写方式を採用している。よって画像形成装置100はタンデム型間接転写方式の電子写真装置となっている。
転写ベルト11に対する重畳転写は、転写ベルト11がA1方向に移動する過程において、各感光体ドラム20W、20Y、20M、20C、20BKに形成されたトナー像が、転写ベルト11の同じ位置に重ねて転写されるよう、転写ベルト11を挟んで各感光体ドラム20W、20Y、20M、20C、20BKのそれぞれに対向する位置に配設され転写ベルト11の内周面に接触配置された転写チャージャとしての転写用帯電手段たる1次転写装置である1次転写ローラ12W、12Y、12M、12C、12BKによる電圧印加によって、A1方向上流側から下流側に向けてタイミングをずらして、各感光体ドラム20W、20Y、20M、20C、20BKの真下の位置すなわち1次転写位置である転写位置にて行われる。
各感光体ドラム感光体ドラム20W、20Y、20M、20C、20BKは、A1方向の上流側からこの順で並設されている。各感光体ドラム感光体ドラム20W、20Y、20M、20C、20BKはそれぞれ、ホワイト、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの画像を形成するための、画像ステーション60W、60Y、60M、60C、60BKに備えられている。
画像形成装置100は、5つの画像ステーション60W、60Y、60M、60C、60BKによって構成される画像形成部としての画像形成手段である作像部60と、各感光体ドラム20W、20Y、20M、20C、20BKの下方に対向して配設され、転写ベルト11を備えた中間転写ユニットであるベルトユニットとしての転写ベルトユニット10と、転写ベルト11を挟んで作像部60と反対の側において、転写ベルト11に対向して配設され、転写ベルト11に当接し、転写ベルト11への当接位置において転写ベルト11と同方向に回転し無端移動する転写部材としての紙搬送ベルトである2次転写ベルト5を備え転写ベルト11上のトナー像を転写紙に転写するとともに搬送する転写部たる2次転写装置としての2次転写ユニット76とを有している。
画像形成装置100はまた、画像ステーション60W、60Y、60M、60C、60Kそれぞれの上方に対向して配設された書き込み手段である光書き込み装置としての露光装置である書込装置たる光走査装置8W、8Y、8M、8C、8Kと、シート給送装置23から搬送されてきた転写紙を、画像ステーション60W、60Y、60M、60C、60BKによるトナー像の形成タイミングに合わせた所定のタイミングで、転写ベルト11と2次転写ベルト5との間に向けて繰り出すレジストローラ対13と、転写紙の先端がレジストローラ対13に到達したことを検知する図示しないセンサとを有している。
画像形成装置100はまた、2次転写ユニット76によって転写ベルト11上のトナー像を転写され搬送されてきた転写紙が進入し、転写紙にトナー像を定着させるためのベルト定着方式の定着ユニットとしての定着手段である定着装置6と、定着済みの転写紙を本体101外に排出する排紙経路と再度レジストローラ対13に向けて搬送する反転経路とを備え転写紙を何れかの経路に搬送する排紙ユニット79と、2次転写ユニット76および定着装置6の下方に、作像部60と平行に配設され、転写紙の両面に画像を記録すべく、排紙ユニット79が一方の面に画像を形成された転写紙を反転経路に搬送した場合に、その転写紙をスイッチバックして反転させ、再度、レジストローラ対13に向けて搬送する再給紙ユニットとしてのシート反転装置である両面ユニット96とを有している。
画像形成装置100はまた、本体101外部に配設され画像形成済みの転写紙を積載するスタック部としての排紙トレイ75と、図1における本体101の右側面に配設された手差し給紙装置33と、画像形成装置100の操作を行う図示しない操作パネルと、画像形成装置100全体の動作を制御する制御部としての図示しない制御手段と、図示しない廃トナータンクとを有している。
図2に示すように、転写ベルトユニット10は、転写ベルト11の他に、1次転写手段としての1次転写ローラ12W、12Y、12M、12C、12BKと、転写ベルト11を巻き掛けられ掛け回した第1ないし第3の支持ローラである、テンションローラ74、転写入口ローラ73および転写ベルト11を回転駆動する回転駆動ローラとしての張架ローラである駆動ローラ72と、テンションローラ74との間に転写ベルト11を挟み込み転写ベルト11表面をクリーニングするクリーニング手段としての中間転写ベルトクリーニング装置14とを有している。
転写ベルトユニット10はまた、A1方向において作像部60よりも下流側且つ2次転写ユニット76よりも上流側で転写ベルト11に対向して配設され転写ベルト11上のトナー像を光学的に検知する検知手段としての反射型光学センサである光学センサ50と、駆動ローラ72を回転駆動することで転写ベルト11をA1方向に無端移動させる図示しないベルト駆動モータと、画像形成が2色以上の多色画像で行われるか黒色のみの単色画像すなわちモノクロ画像で行われるかに応じて転写ベルト11等を変位させる図示しない転写ベルトユニット駆動手段とを有している。なお回転駆動ローラはテンションローラ74または転写入口ローラ73によって構成してもよく、この場合はその他のローラが従動回転する従動ローラとなる。
転写ベルト11のような中間転写ベルトとしては、従来からフッ素系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリイミド樹脂等が使用されていたが、近年では、ベルトの全層や、ベルトの一部を弾性部材にした弾性ベルトが使用されてきている。
転写ベルトユニット駆動手段は、画像形成が2色以上の多色画像で行われるときには、転写ベルト11が図1に示すように張架される態位としてこの上側の略水平な展張面に転写ベルト11を各感光体ドラム20W、20Y、20M、20C、20BKに接触させ、画像形成がモノクロ画像で行われるときには、同図左方を下側に変位させるようにして転写ベルト11を感光体ドラム20W、20Y、20M、20Cから離間させ転写ベルト11が各感光体ドラム20BKのみに接触する態位とする。なお、画像形成がモノクロ画像で行われるときには、感光体ドラム20W、20Y、20M、20Cの回転をはじめとして画像ステーション60W、60Y、60M、60Cの各構成の動作が停止される。ただし画像ステーション60Wの動作は必要に応じて行われることがある。このような構成においては、5つの画像ステーション60W、60Y、60M、60C、60BKは、A1方向上流から、画像ステーション60W、60C、60M、60Y、60BKの順で横に並べ、後述のような現像を行うことが好ましいが、何れにしても、作像部60は、テンションローラ72と駆動ローラ74との間に張り渡した転写ベルト11上に配置される。また、このように、画像を形成する色の順番は、画像ステーション60Wによる画像形成を除き、画像形成装置100の持つ狙いや特性によって異なってくるものであり、限定されるものではない。
中間転写ベルトクリーニング装置14は、図示しないクリーニング部材としての転写ベルト11に当接したファーブラシと、このファーブラシに当接したブレードと、ファーブラシを随時転写ベルト11に接離させる当接・離間手段とを有している。ファーブラシは、転写ベルト11に対して接触してカウンタ方向に回転するように設けられている。中間転写ベルトクリーニング装置14は、転写ベルト11のA1方向への回転とともに、ファーブラシを用いて転写ベルト11表面のクリーニングを行い、このクリーニングにより転写ベルト11からファーブラシ側に転移したトナーをさらにブレードにより掻き落とす。
図3に示すように、光学センサ50は、画像形成装置100においてユーザーの指定により行われる通常の画像形成とは別に実行されるいわゆるプロセスコントロール時に、転写ベルト11上に形成されるトナー像であるトナー濃度調整用の画像調整用パターンとしてのPパターンである標準被検知物たる画像パッチGの反射特性を読み取るものである。
光学センサ50は、赤外光を発光する発光部としての発光素子であるLED51と、LED51から照射された光のうち画像パッチG及び対向部材である転写ベルト11によって反射された反射光言い換えると反射成分を受光するPセンサとしての受光部である正反射受光素子52及び拡散反射受光素子53と、これらを支持した素子ホルダ54とを有している。
正反射受光素子52及び拡散反射受光素子53は、かかる反射光の受光強度に応じた信号である出力電圧を制御手段に入力する。正反射受光素子52、拡散反射受光素子53はそれぞれ、フォトトランジスタまたはフォトダイオードである。画像パッチG及び転写ベルト11の、LED50から照射された光が反射される面は、検知対象面を構成している。
図1に示すように、2次転写ユニット76は、2次転写ベルト5の他に、2次転写ベルト5を巻き掛けた張架ローラである、駆動ローラ15及び従動ローラ16と、2次転写ベルト5に対向して配設され転写ベルト11を介して押圧された対向ローラとしてのバックアップローラである転写入口ローラ73と、トナーと逆極性の2次転写バイアスを駆動ローラ15に印加する図示しない電源とを有している。
駆動ローラ15と転写入口ローラ73とは、これらの間に転写ベルト11と2次転写ベルト5とを挟み込んでおり、この挟み込みにより、転写ベルト11と2次転写ベルト5とが接触する2次転写部としての2次転写ニップが形成されている。2次転写ニップには、2次転写バイアスの印加により、後述するようにして転写ベルト11上に担持された最大5色のトナー像を、転写ベルト11側から駆動ローラ15側に向けて静電移動させる、2次転写電界が形成される。かかるトナー像は、後述するようにしてレジストローラ13により転写ベルト11と2次転写ローラ5との間に搬送されてきた転写紙に、2次転写電界、ニップ圧によって転写される。
2次転写ユニット76は、転写ベルト11からトナー像を転写された転写紙を定着装置6へと搬送するシート搬送機能も備えているが、2次転写ユニット76としては、転写ローラや非接触のチャージャを採用した構成を用いても良く、この場合には他に転写紙を定着装置6に向けて搬送する部材を要する。
定着装置6は、熱源を内部に有する加熱ローラ62と、加熱ローラ62に巻き掛けられた定着ベルト64と、加熱ローラ62とともに定着ベルト64を巻き掛けた定着ローラ65と、定着ローラ65との間で定着ベルト64に圧接し圧接部である定着部としての定着ニップを形成する加圧ローラ63とを有している。加熱ローラ62と、定着ベルト64と、定着ローラ65とは、定着ベルト64が無端移動するベルトユニットを構成している。定着装置6は、トナー像を担持した転写紙を定着ニップに通すことで、熱と圧力との作用により、担持したトナー像を転写紙の表面に定着するようになっている。
図2に示すように、光走査装置8W、8Y、8M、8C、8Kは、感光体ドラム20W、20Y、20M、20C、20Kの表面によって構成された被走査面をそれぞれ走査して露光し、静電潜像を形成するための、画像信号に基づくレーザービームとしてのレーザー光であるビームLW、LY、LM、LC、LKを発するものである。ビームLW、LY、LM、LC、LKは、読取装置21で読み取られた原稿、ファクシミリにおける受信データ、後述のようにPC等の外部入力装置から入力される画像情報に基づいて生成される各色の版を構成する、形成すべき画像に対応した電子情報である画像信号が光情報に変換されたものであり、光走査装置8W、8Y、8M、8C、8Kは、かかる光情報を感光体ドラム20Y、20M、20C、20K上に潜像として固定するものである。なお、露光装置は、光走査装置8W、8Y、8M、8C、8Kのようなレーザ方式に限定されず、LED方式など他の方式であっても良い。
図1に示すように、排紙ユニット79は、定着装置6から搬送されてきた定着済みの転写紙を、両面ユニット96に向けて搬送する搬送ローラ97と、本体101外に排出する排紙ローラ98と、定着済みの転写紙を搬送ローラ97のある排紙経路に導いて本体101外に排出するか、排紙ローラ98のある反転経路に導いて両面ユニット96に進入させるかを切り換える切換爪94とを備えている。
両面ユニット96は、排紙ユニット79から搬送されてきた、一方の面に画像形成された転写紙を一旦積載する給紙ボックスとしてのトレイ92と、トレイ92上の転写紙をスイッチバックさせる反転ローラ93と、反転ローラ93によってスイッチバックされた転写紙をレジストローラ13に向けて送り出す給紙ローラ95等を有している。
シート給送装置23は、複数枚の転写紙を紙束の状態で収容可能な給紙トレイとしての給紙カセット25を鉛直方向に複数重なるように配置した給紙ボックスとしてのペーパーバンク26と、給紙カセット25に積載された転写紙のうち最上位の転写紙の上面に当接する給紙ローラとしての給送ローラ24と、給送ローラ24により繰り出された転写紙を1枚ずつ分離する分離ローラ27と、給紙ローラ24及び分離ローラ27により送り出された転写紙が通過する給紙路29とを有している。
給紙路29は、給紙ローラ24及び分離ローラ27により送り出された転写紙をレジストローラ対13に向けて搬送する搬送手段としての搬送ローラ28と、転写紙の搬送方向下流端に位置するレジストローラ13とを備え、搬送ローラ28によって搬送される転写紙シート給送装置23から本体101内に連続するように設けられており、本体101内の給紙路29にも搬送ローラ28が配設されている。
シート給送装置23は、給送ローラ24が図中反時計回り方向に回転駆動され、分離ローラ27が作用することにより、最上位の転写紙を給紙路29内に導き、搬送ローラ28の回転によりレジストローラ対13に向けて給送し、搬送された転写紙がレジストローラ対13に突き当てて止められスキューが修正されるようになっている。
手差し給紙装置33は、転写紙を積載する給紙ボックスとしての手差しトレイ34と、手差しトレイ34に積載された転写紙のうち最上位の転写紙の上面に当接する給紙ローラとしての給送ローラ35と、給送ローラ35により繰り出された転写紙を1枚ずつ分離する分離ローラ36と、手差しトレイ34上に転写紙が載置されたことを検知する用紙センサとを有している。
手差し給紙装置33は、給送ローラ35が図中時計回り方向に回転駆動され、分離ローラ36が作用することにより、最上位の転写紙を本体101側の給紙路29内に導くとともにレジストローラ対13に向けて給送し、搬送された転写紙がレジストローラ対13に突き当てて止められるようになっている。
読取装置21は、原稿を載置するコンタクトガラス21a、コンタクトガラス21aに載置された原稿に光を照射する図示しない光源及び光源から原稿に照射され反射された光を反射する図示しない第1の反射体を備え図1における左右方向に走行する第1走行体21b、第1走行体21bの反射体によって反射された光を反射する図示しない第2の反射体を備えた第2走行体21c、第2走行体21cからの光を結像するための結像レンズ21d、結像レンズ21dを経た光を受け原稿の内容を読み取る読み取りセンサ21e等を備えている。
自動原稿給紙装置22は原稿を載置する原稿台22aを有している。自動原稿給紙装置22は読取装置21に対して回動自在であって、上方に向けて回動したときコンタクトガラス21aを露出させるようになっている。
操作パネルは、液晶ディスプレイ、複写を開始するためのコピースタートスイッチ等として機能するスタートボタン、複写枚数等を入力するためのテンキー等の各種キーボタン等を有する操作表示部となっている。操作パネルにおいては、画像形成を多色画像で行うかモノクロ画像で行うか、あるいはこれらに加えて画像ステーション60Wを用いた後述する特殊画像を形成するかを指定可能となっているとともに、転写紙の片面だけに画像を形成するモードである片面プリントモードを設定可能となっている。片面プリントモードには、ダイレクト排出モード、反転排出モード、反転デカール排出モードが含まれ、このうちの1つが選択される。
制御手段は、CPU、記憶手段としてのメモリであるROM、RAM等を備えている。
画像ステーション60W、60Y、60C、60M、60BKについて、そのうちの一つの、感光体ドラム20Yを備えた画像ステーション60Yの構成を代表して構成を説明する。なお、画像ステーション60Wを除く他の画像ステーション60C、60M、60BKの構成に関しても実質的に同一であるので、以下の説明においては、便宜上、感光体ドラム20Yを備えた画像ステーション60Yの構成に付した符号に対応する符号を、他の画像ステーション60C、60M、60BKの構成に付し、詳細な説明については適宜省略することとし、符号の末尾にY、C、M、Kが付されたものはそれぞれ、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの画像形成を行うための構成であることを示すこととする。画像ステーション60Wについては、画像ステーション60Y、60C、60M、60BKと異なる部分について後述することとし、画像ステーション60Y、60C、60M、60BKと同一の構成については、画像ステーション60Y、60C、60M、60BKの構成に付した符号に対応する符号を付し、詳細な説明については適宜省略することとし、符号の末尾にWが付されたものは、少なくとも未定着状態においてホワイトの画像形成を行うための構成であることを示すこととする。
図2に示すように、感光体ドラム20Yを備えた画像ステーション60Yは、感光体ドラム20Yの周囲に、図中反時計方向であるその移動方向である回転方向B1に沿って、転写部たる1次転写ローラ12Yと、クリーナ部たるクリーニング手段としての感光体クリーニング装置である1次転写クリーニング装置たるクリーニング装置70Yと、除電部たる除電手段としての除電装置90Yと、帯電部たる帯電手段である帯電ユニットとしての帯電器たる帯電装置30Yと、現像部たる現像手段としての現像ユニットである現像装置80Yと、感光体ドラム20Yの周囲のこれらの構成を一体化したカートリッジケース59Yと、トナーの正規の帯電極性である負極性と逆極性である正極性の1次転写バイアスを1次転写ローラ12Yに印加する図示しない電源を有している。
感光体ドラム20Yと、クリーニング装置70Yと、除電装置90Yと、帯電装置30Yと、現像装置80Yとはカートリッジケース59Yによって一体化されており、プロセスカートリッジとしての画像ステーション60Yを構成している。プロセスカートリッジとしての画像ステーション60Yは、カートリッジケース59Yを、本体101に固定された図示しないガイドレールに沿って本体101に対して引き出し自在であるとともに、本体101に押し込むことが可能であり、本体101に対して着脱自在に設置され、適時、交換可能となっている。
プロセスカートリッジとしての画像ステーション60Yは、本体101に押し込むと、画像形成に適した所定の位置に装填され、位置決めされるようになっている。このようにプロセスカートリッジ化することは、交換部品として取り扱うことが可能であるため、メンテナンス性が著しく向上し、大変好ましい。またプロセスカートリッジの要素である各部の寿命が同等とされているため、不要な交換が防止、抑制され、さらに好ましい構成となっている。
プロセスカートリッジとしての画像ステーション60Yは、感光体ドラム20Yと、クリーニング装置70Yと、除電装置90Yと、帯電装置30Yと、現像装置80Yとのうち、少なくとも感光体ドラム20Yが、クリーニング装置70Yと、除電装置90Yと、帯電装置30Yと、現像装置80Yとのうちの少なくとも1つと一体化されることによって構成され、本体101に着脱自在に設置されるユニットである。なお5つの画像ステーション60W、60Y、60M、60C、60BKによって構成される作像部60全体をプロセスカートリッジとして、これらが一体で本体101に対して着脱自在となっていても良い。
1次転写ローラ12Yが転写ベルト11を感光体ドラム20Yに向けて押圧して形成された、転写ベルト11と感光体ドラム20Yとの当接位置である1次転写ニップは、感光体ドラム20Y上のトナー像が転写ベルト11に転写される転写位置を構成している。1次転写ローラ12Yの電源は、定電圧制御により1次転写ローラ12Yに所定の転写バイアスを印加する。なお1次転写装置は本形態のようなローラ状に限らず、導電性のブラシ形状、非接触のコロナチャージャなどによって構成してもよい。
除電装置90Yは、感光体ドラム20Yの表面に近接して配設された図示しない除電ランプを備えており、感光体ドラム20Yの表面を除電して電気的に清浄な状態とすることでかかる表面の電位を初期化するものである。
帯電装置30Yは、図示を省略するが、感光体ドラム20Yの表面に当接して従動回転する帯電部材としての帯電ローラと、帯電ローラに当接し従動回転する帯電クリーニング部材としてのクリーニングローラとを有している。
帯電ローラには、直流に交流成分の帯電バイアスを重畳印加する図示しない電圧印加手段が接続されており、感光体ドラム20Yと対向する帯電領域において、除電装置90Yによって除電された感光体ドラム20Yの表面を所定の極性に一様に帯電するようになっている。
クリーニングローラは帯電ローラに従動回転することで帯電ローラをクリーニングするようになっている。
このように、本形態では、接触ローラを用いた帯電システムを採用しているが、帯電システムは、近接ローラを用いたものであっても良いし、非接触のスコロトロンチャージャを採用したものであっても良い。
現像装置80Yは、感光体ドラム20Yに近接対向して配設されたトナーとキャリアとを含む二成分現像剤である現像剤を担持する現像部材としての現像ローラ81Yと、現像ローラ81Yに直流成分の現像バイアスを印加する図示しないバイアス印加手段と、トナーを収容した図示しないトナーカートリッジと、現像装置80Y本体内の現像剤中のトナーのキャリアに対する重量パーセントであるトナー濃度を検知する図示しないトナー濃度検知手段と、トナー濃度検知手段によって検知されたトナー濃度が所定濃度となるようにすなわちトナー濃度検知手段による検知信号によって示される値が所定の制御目標値となるようにトナーカートリッジから現像装置80Y本体内にトナーを補給する図示しないトナー補給手段とを有している。現像剤は、磁性キャリアと、正規の帯電極性がマイナスのカラートナーであるイエロートナーとを含む二成分現像剤である。バイアス印加手段によって印加される現像バイアスは直流成分でなく交流成分であっても良いし、直流成分に交流成分を重畳したものであっても良い。
感光体ドラム20Yの表面の、帯電装置30Yと現像装置80Yとの間には光走査装置8Yから出射されたビームLYが照射され、帯電装置30Yにより帯電された後の感光体ドラム20Yの表面の被走査面が露光され、現像装置80Yによってイエロートナー像として可視像化される、画像情報に応じた静電潜像を書き込まれるようになっており、このビームLYが照射される部分は露光部となっている。
クリーニング装置70Yは、その先端が感光体ドラム20Yに当接し感光体ドラム20Y上の転写残留物である転写残トナー、キャリア、紙粉等の異物を掻き取って回収しクリーニングするクリーニング部材としての図示しないクリーニングブレードと、回収した転写残トナーを廃トナータンクに搬送して回収する図示しない廃トナー搬送手段とを有している。クリーニング装置70Yは、クリーニングブレードとともにあるいはクリーニングブレードに代えてファーブラシローラを用いてもよいし、磁気ブラシクリーニング方式を採用しても良い。
以上のような構成の画像ステーション60Yにおいては、画像形成時において、感光体ドラム20Yは、B1方向への回転に伴い、帯電装置30Yにより表面を一様に帯電され、光走査装置8Yからの光の露光走査により、露光部言い換えると照射部における感光体ドラム20Yの電位が減衰してイエロー色に対応した静電潜像を形成され、この静電潜像を現像装置80Yによりイエロー色のトナーにより現像され、現像により得られたイエロー色のトナー像を1次転写ローラ12Yによって形成される一次転写電界、ニップ圧によりA1方向に移動する転写ベルト11に1次転写され、転写後に残留したトナーを含む不要物をクリーニング装置70Yにより除去されて除電装置90Y、帯電装置30Yによる次の除電、帯電に供される。
図4に示すように、画像ステーション60Wは、他の画像ステーション60Y、60C、60M、60BKに備えられているクリーニング装置70Y、70C、70M、70BKを備えておらず、代わりに、感光体ドラム20W上に付着している転写残トナーをはじめとするトナー等の異物を感光体ドラム20Wから掻き取って回収し一時的に保持する保持部材としてのブラシであるクリーニングブラシたる保持ブラシ71Wと、保持ブラシ71Wを回転駆動する図示しない駆動手段とを有している。
保持ブラシ71Wは、一旦、感光体ドラム20Wから回収し保持した転写残トナーをはじめとするトナー等を、その後、感光体ドラム20Wに付着させ、この再付着により感光体ドラム20Wに付着したかかるトナー等は、現像ローラ81Wにより白色現像手段としての現像装置80W内に回収される。
そのため、画像ステーション60Wは、保持ブラシ71Wに正極性と負極性との何れか一方の電圧を印加する電圧印加手段55Wを有している。電圧印加手段55Wは、保持ブラシ71Wに正極性の電圧を印加するための電源56Wと、保持ブラシ71Wに負極性の電圧を印加するための電源57Wと、これら電源56W、57Wを切り換えるスイッチング回路58Wとを有している。このように、画像ステーション60Wは、いわゆるクリーニングレスシステムを採用している。このクリーニングレスシステムでは、クリーニング装置70Y、70C、70M、70BKのようなクリーニング装置を用いる場合よりも構成を簡易化、小型化可能であるとともに、トナーのリサイクルにより、廃棄されるトナーいわゆる廃トナーの量が低減されるという利点がある。
保持ブラシ71Wは、特にブラシ状ローラにすることが好ましい。ブラシ状の方が表面積を大きくすることが可能であり、感光体ドラム20W上の転写残トナー等の回収性を向上することが可能である。保持ブラシ71Wは、電圧印加手段55Wが接続された金属基材と金属基体の周囲に植毛されたブラシ繊維とを有している。ブラシ繊維には導電性ナイロン繊維等を用い、ブラシの外径はφ10mmである。ブラシの密度は50000(本/inch2)以上が望ましい。これにより転写残トナー等の感光体ドラム20Wからの回収および感光体20Wへの放出を選択的に行うことが可能となる。ブラシ繊維には、スチレン樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素樹脂、 ポリアミド樹脂等から選択した材料を用いても良く、摩耗に強く、強度が高いポリアミド樹脂が好ましい。このブラシ繊維に、電圧印加手段55Wによるバイアス印加の効果を大きくするために、導電性粉末を含有させても良い。導電性粉末としては、アセチレンブラック、ファーネスブラック等のカーボンブラック、黒鉛、または、銅、銀等の金属粉末を用いることが可能である。なお、保持部材として、回転体でないブラシバーを用いても良い。
画像ステーション60Wに備えられている現像装置80Wにおいて用いるトナーは、すでに述べたように、少なくとも未定着状態において白色である。このトナーは、定着により透明となり画像や非画像部の光沢を制御するために用いられる透明トナーであってもよいし、定着を経ても白色を維持し画像の背景色のバリエーションを増やしたり非画像部における各色の転写チリをマスクしたりする白色トナーであっても良い。このようなトナーは、現像装置80Y、80C、80M、80BKにおいて用いられるイエロー、シアン、マゼンタ、ブラックのトナーなどの一般的なトナーと異なり、特殊トナー、無彩色トナーなどといわる。この点、感光体ドラム20Wは特殊トナー作像体として機能し、感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKはカラートナー作像体として機能する。いずれにしても、現像装置80Wにおいて用いられるトナーは未定着状態において白色であり、光の反射率が高い。
そのため、画像形成装置100において、画像ステーション60Wによって形成され転写ベルト11に転写された白色のトナー像は、後述するように、プロセスコントロール時において、転写ベルト11をマスクし、転写ベルト11の経時的な劣化や着色による光の反射率低下による、光学センサ50の特性変化を抑制し、またLED51の発光量調整のための基準パッチ画像として用いられる。
現像装置80Wにおいて用いるトナーは、メイン樹脂と着色剤とを主成分として構成される。
メイン樹脂としては、スチレン、クロロスチレン等のスチレン類;エチレン、プロピレン、ブチレン、イソプレン等のモノオレフィン;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、安息香酸ビニル、酢酸ビニル等のビニルエステル;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ドデシル等のα−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルブチルエーテル等のビニルエーテル;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等のビニルケトン等の単独重合体あるいは共重合体が例示され、特に代表的な樹脂としては、ポリスチレン、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレンが挙げられる。ポリエステル、ポリウレタン、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリアミド、変性ロジン、パラフィン、ワックス類も挙げられる。ポリエステル樹脂としては、ポリオール成分と酸成分とから重縮合により合成されるものが例示される。前記ポリオール成分としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,5−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノールA・エチレンオキサイド付加物、ビスフェノールA・プロピレンオキサイド付加物等が挙げられる。 前記酸成分としては、マレイン酸、フマル酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、コハク酸、ドデセニルコハク酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、シクロヘキサントリカルボン酸、1,5−シクロヘキサンジカルボン酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチレンカルボキシプロパンテトラメチレンカルボン酸及びそれらの無水物が挙げられる。さらに、これらの中から選択される複数の樹脂をブレンドしたものでもよい。
白色着色剤としては、酸化チタン、シリカ、酸化錫、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム等が挙げられる。樹脂単体で十分な白色が得られる場合は、着色剤を使用せずに用いても良い。
トナーに流動化剤などを外添して転写性を上げることが好ましい。流動化剤としては、シリカ、酸化チタン、酸化アルミニウムなどが挙げられる。一般的に、大量の流動化剤の添加は定着性に影響を与え、定着温度不足によるコールドオフセットや、定着設定温度の上昇による消費電力の増大につながる。記録媒体に転写しなくても良い場合は、定着性を無視した添加量として、転写性を向上しても良い。
画像形成装置100は、1次転写ローラ12Wに正極性と負極性との何れか一方の電圧を印加する電圧印加手段82Wを有している。電圧印加手段82Wは、1次転写ローラ12Wに正極性の電圧を印加するための電源83Wと、1次転写ローラ12Wに負極性の電圧を印加するための電源84Wと、これら電源83W、84Wを切り換えるスイッチング回路85Wとを有している。
このような構成の画像形成装置100において、複写を行うときには、自動原稿給紙装置22の原稿台22aに原稿をセットするか、自動原稿給紙装置22を上方に回動してコンタクトガラス21a上に原稿を載置したうえで自動原稿給紙装置22を下方に回動して閉じ原稿を押さえた状態としたうえで、操作パネルのスタートボタンを押下する。なお、自動原稿給紙装置22にセットされる原稿は、たとえば束状のシート原稿であり、コンタクトガラス21a上にセットされる原稿は、たとえば本状に綴じられている片綴じ原稿である。画像形成装置100をプリンタとして使用する場合には、画像形成装置100に接続したPC等の外部入力装置において画像形成を行う画像データを選択、入力等したうえで画像形成開始の操作を行う。
複写を行う場合であって、原稿を原稿台22aにセットした場合には、セットした原稿がコンタクトガラス21a上に送り出されてから読取装置21による原稿の読み取りが行われ、また、原稿をコンタクトガラス21a上に載置したときにはスタートボタンの押下によって読取装置21による原稿の読み取りが行われ、画像データが生成される。
生成された画像データ又は入力された画像データに基づいて、上述の構成の画像ステーション60W、60Y、60M、60C、60BKが作動する。また、かかる原稿読取動作と並行して、各プロセスカートリッジである画像ステーション60W、60Y、60M、60C、60BK内の各機器や、転写ベルトユニット10、2次転写ユニット76、定着装置6等がそれぞれ駆動を開始する。
画像ステーション60Yにおいては、上述したように、感光体ドラム20Yは、B1方向への回転に伴い、帯電装置30Yにより表面を一様に帯電され、光走査装置8Yにより静電潜像を形成され、この静電潜像を現像装置80Yによりイエロー色のトナーにより現像され、イエロー色のトナー像を1次転写ローラ12Yによって転写ベルト11に1次転写され、転写後に残留したトナーを含む不要物をクリーニング装置70Yにより除去されて除電装置90Y、帯電装置30Yによる次の除電、帯電に供される。
他の感光体ドラム20C、20M、20BKにおいてもその状態が良好に保たれながら同様に各色のトナー像が良好に形成等され、形成された各色のトナー像は、1次転写ローラ12C、12M、12BKにより、A1方向に移動する転写ベルト11上の同じ位置に順次1次転写される。感光体ドラム20Wについては、その配置目的、たとえば光沢制御等の目的に合わせて、必要に応じてトナー像が形成され、1次転写ローラ12Wにより、A1方向に移動する転写ベルト11上の適宜の位置に転写される。このとき、1次転写ローラ12Wには、電圧印加手段82Wにより、トナーの正規の帯電極性である負極性とは逆の正極性の電圧が選択され印加される。他の1次転写ローラ12Y、12C、12M、12BKは、トナーの正規の帯電極性である負極性とは逆の正極性の電圧が印加されるようになっている。
転写ベルト11上に重ね合わされたトナー像によって構成された4色重ね合わせトナー像すなわち4色トナー像または5色重ね合わせトナー像すなわち5色トナー像は、転写ベルト11のA1方向の回転に伴い、2次転写ローラ5との対向位置である2次転写ニップまで移動し、転写紙に2次転写され、転写紙上にフルカラー画像が担持される。
転写ベルト11と2次転写ローラ5との間に搬送されてきた転写紙は、スタートボタンの押下により、シート給送装置23の1つの給送ローラ24が選択されこの回転によって対応する給紙カセット25から繰り出されてフィードされたものであるか、または、手差し給紙装置33の給送ローラ35の回転によって手差しトレイ34から繰り出されてフィードされたものであるか、または、両面ユニット96から給紙ローラ95によって繰り出されてフィードされたものであるかの何れかであって、レジストローラ対13によって、センサによる検出信号に基づいて、転写ベルト11上のトナー像の先端部が2次転写ベルト5に対向するタイミングで送り出されたものである。かかるフィード動作は、上述の原稿読取動作と略同時に開始される。
転写紙は、すべての色のトナー像を転写され、担持すると、定着装置6に進入し、定着ベルト64と加圧ローラ63との間の定着部を通過する際、熱と圧力との作用により、担持したトナー像を定着され、転写紙上に良好なカラー画像が形成される。定着装置6を通過した定着済みの転写紙は、切換爪94の態位に応じて、排紙ローラ98を経て排紙トレイ75上にスタックされるか、または搬送ローラ97を経て両面ユニット96に進入して両面画像形成に備える。
一方、1次転写を終えた感光体ドラム20Y、20C、20M、20BKは、クリーニング装置70Y、70C、70M、70BKによってこれに残留する転写残トナー等を除去されてクリーニングされ、次の画像形成に備える。1次転写を終えた感光体ドラム20Wについては、保持ブラシ71Wによってこれに残留する転写残トナー等を除去される等して、次の画像形成に備える。また、2次転写を終えた転写ベルト11は、中間転写ベルトクリーニング装置14によってこれに残留する残留トナー等を除去されてクリーニングされ、次の画像形成に備える。
ここで、保持ブラシ71Wによる、1次転写を終えた感光体ドラム20Wからの転写残トナー等の除去等についてより詳しく説明する。1次転写時に転写ベルト11に転写されず、1次転写を終えた感光体ドラム20Wに残留しているトナーには、正規帯電である負極性に帯電しているトナーいわゆる正規帯電トナーと、逆極性帯電である正極性に帯電しているトナーいわゆる逆帯電トナーとが含まれている。正規帯電トナーは、本来、電圧印加手段82Wの電圧印加により、転写ベルト11に1次転写されているべきものであるため、保持ブラシ71Wは、逆帯電トナーを主に回収するために設けられている。そのため、保持ブラシ71Wには、電圧印加手段55Wにより、逆帯電トナーの帯電極性である正極性とは逆の負極性の電圧が選択され印加され、逆帯電トナーが感光体ドラム20Wから回収されて保持ブラシ71Wに保持される。正規帯電トナーおよび帯電量の小さい弱帯電トナーは、負極性の電圧が印加されている保持ブラシ71Wによって、正規帯電による帯電量を増加させられ、現像ローラ81Wに担持されている正極性に帯電しているキャリアによって静電的に吸着されて現像装置80Wに回収され、再利用される。
保持ブラシ71Wに回収され保持されている逆帯電トナーは、その後、非画像形成時のクリーニングモードにおいて電圧印加手段55Wにより保持ブラシ71Wに正極性の電圧が選択され印加されることにより感光体ドラム20Wに吐き出され再付着し、現像装置80Wに回収されるか、電圧印加手段82Wにより1次転写ローラ12Wに負極性の電圧が選択され印加されることにより転写ベルト11に転写され、中間転写ベルトクリーニング装置14によってクリーニングされる。
なお、1次転写の際に、転写ベルト11から感光体ドラム20Y、20C、20M、20BKに逆転写したトナー、あるいは保持ブラシ71Wから吐き出され感光体ドラム20Wを介して転写ベルト11に転写されさらに転写ベルト11から感光体ドラム20Y、20C、20M、20BKに逆転写したトナーは、クリーニング装置70Y、70C、70M、70BKによってクリーニングされる。クリーニング装置70Y、70C、70M、70BKは、B1方向において現像装置80Y、80C、80M、80BKよりも上流側の位置で感光体ドラム20Y、20C、20M、20BKをクリーニングするため、混色の問題は防止ないし抑制されている。また、画像ステーション60Wに対する混色の問題は、画像ステーション60WがA1方向において他の画像ステーション60Y、60C、60M、60BKより上流側で転写ベルト11に対向しているとともに、A1方向において感光体ドラム20Y、20C、20M、20BKより下流側且つ感光体ドラム20Wより上流側の位置で中間転写ベルトクリーニング装置14によって転写ベルト11がクリーニングされるため、防止ないし抑制されている。このように、画像ステーション60Wは、上述のクリーニングレスシステムを採用しているにもかかわらず、画像ステーション60Wその他の画像ステーション60Y、60M、60C、60BKにおいても混色が防止ないし抑制されている。
このような画像形成動作を良好に行うにあたって、画像ステーション60Y、60C、60M、60BKにおいて形成されるトナー像の濃度言い換えると画像濃度が一定に保たれることは重要である。
そのため、画像形成装置100では、電源投入時、所定枚数の画像形成後等の所定のタイミングで、ユーザーの指定により行われる通常の画像形成とは別に、画像ステーション60Y、60C、60M、60BKにおいて形成される画像すなわちトナー像の濃度言い換えるとトナーの付着量が適正になるように制御するための画像濃度調整モードとしてのプロセスコントロールを実行する。
画像形成装置100におけるプロセスコントロール動作を概略的に説明すると、画像ステーション60Y、60C、60M、60BKにおいて感光体ドラム20Y、20C、20M、20BK上に画像パッチGを形成し、各色の画像パッチGをそれぞれ転写ベルト11上の別領域に転写し、光学センサ50により各色の画像パッチGを光学的に読み取り、この読み取った画像パッチGの濃度が適正濃度となるように、制御手段により、帯電装置30Y、30C、30M、30BKの電圧印加手段の出力の調整、現像装置80Y、80C、80M、80BKのバイアス印加手段の調整やトナー補給手段の駆動等を行う。
このとき、光学センサ50により読み取った画像パッチGの濃度に対応する出力電圧が制御手段に入力され、制御手段はかかる出力電圧を粉体付着量変換方法を用いた付着量変換アルゴリズムにより付着量変換して、その時点での現像能力を表す現像γ、現像開始電圧Vkの算出を行い、この算出値に基づき、帯電装置30Y、30C、30M、30BKの電圧印加手段の出力の制御による帯電バイアス値の調整、現像装置80Y、80C、80M、80BKのバイアス印加手段の制御による現像バイアス値の調整、現像装置80Y、80C、80M、80BKにおけるトナー濃度検知手段によって検知されるべき制御目標値の変更等を行う。
このようなプロセスコントロールを行う場合において、かりに、画像パッチGを、単に転写ベルト11上に担持させ、これを光学センサ50で読み取るとすると、次のような問題がある。すなわち、転写ベルト11の表面状態が、バイアスの印加や感光体ドラム20W、20Y、20C、20M、20BK、2次転写ユニット76との当接によって粗くなったり、各色のトナーの付着により汚染されたりすることなどによる経時変化を生じると、画像パッチGの反射特性に影響を与える。つまり、画像パッチGの反射特性が、転写ベルト11の表面状態の経時変化に起因して変化してしまう。そうすると、プロセスコントロールの精度が低下し、プロセスコントロール後の画像の濃度が初期状態とは変化し、適正な画像濃度が得られなくなってしまう可能性がある。この問題を解決するための1つの手法として、光学センサ50の出力電圧が保たれるようにLED51の出力を調整することが挙げられる。しかし、画像パッチGの反射率が低下すると、LED51の出力を大きくする必要があるものの、その出力には限度があるため、光学センサ50の出力電圧が維持されなくなる可能性があるとともに、LED51の出力を大きくすると、その発熱により、LED51を含め光学センサ50の寿命が短くなるという新たな問題が発生してしまい得る。
そこで、画像形成装置100では、未定着状態で白色のトナー像を形成可能であることを利用して、プロセスコントロール時において、転写ベルト11を白色のトナー像でマスクし、転写ベルト11の経時的な劣化や着色による光の反射率低下による、光学センサ50の出力特性変化を抑制するようになっている。
具体的には、図5、図6に示すように、画像パッチGを、転写ベルト11上に直接転写され担持された白色すなわちホワイトのトナーによる画像パッチGWと、画像パッチGW上に重ねて転写された、ホワイトと異なる色である、イエローのトナーによる画像パッチGY、マゼンタのトナーによる画像パッチGM、シアンのトナーによる画像パッチGC、ブラックのトナーによる画像パッチGBKとによって構成し、かかる重ね転写が行われた位置の画像パッチGの画像濃度を光学センサ50によって検知する重ね転写像検知である重ね転写画像濃度検知を行う。ホワイトの画像の反射率は転写ベルト11の表面状態に影響を受けにくいため、画像パッチGW上に重ね転写された画像パッチGY、GM、GC、GBKの画像濃度を光学センサ50によって読み取ることで、転写ベルト11の表面状態の経時変化に起因する画像パッチGの反射特性の変化が防止ないし緩和され、プロセスコントロールの精度が向上し、プロセスコントロール後の画像濃度が初期状態と同一あるいは初期状態に近い状態に保たれる。
図6に示すように、本形態では、各色の画像パッチGY、GM、GC、GBKを、同図の紙面上においてA1方向に直交する主走査方向における互いに異なる位置で画像パッチGW上に重ね転写しているため、光学センサ50も、主走査方向において、各色の画像パッチGY、GM、GC、GBKの重ね転写位置に対応して複数すなわち4つ配設されているが、図7に示すように、各色の画像パッチGY、GM、GC、GBKはA1方向に沿って重ね転写しても良く、この場合には、重ね転写画像濃度検知に要する時間が図6に示した場合よりも長くなるものの、光学センサ50の数を1つに減じることが可能となる。
図6、図7に示されているように、各色の画像パッチGY、GM、GC、GBKはそれぞれ、濃度を変えた複数のパッチである階調パターンによって形成されたPパターンによって構成され、各色の画像パッチGY、GM、GC、GBKの画像濃度の検知精度の向上が図られている。
また、画像形成装置100では、プロセスコントロール時において、かかる重ね転写画像濃度検知を行う前、すなわち画像パッチGY、GM、GC、GBKが画像パッチGWに重ね転写された位置における反射特性計測の前ステップとして、図8に示すように、転写ベルト11上に、画像パッチGWからなる画像パッチGを正反射光用標準被検知物である基準パッチ画像として担持させ、この下地パターンを正反射受光素子52によって読み取る白色像検知としての白色画像濃度検知を行い、この出力電圧を基準反射特性とし、この出力電圧が所定値となるようにLED51の出力を調整することで、画像パッチGY、GM、GC、GBKが画像パッチGWに重ね転写された位置における重ね転写画像濃度検知の反射特性データにフィードバックを行うようになっている。
上述のように、ホワイトの画像の反射率は転写ベルト11の表面状態に影響を受けにくいことから、光学センサ50の光学的な特性を検知するために、白色画像濃度検知を行って、フィードバック制御によってLED51の出力を調整することで、LED51の出力が過度に大きくなることがなく、光学センサ50の出力電圧が適正範囲に維持されるとともに、LED51の発熱により、LED51を含め光学センサ50の寿命が短くなることも回避される。
また、転写ベルト11の表面状態に影響を受けにくいホワイトの画像である画像パッチGWにより光学センサ50の出力電圧が適正範囲で安定するため、重ね転写画像濃度検知の精度が向上し、プロセスコントロールの精度がさらに高くなるとともに、プロセスコントロール後の画像濃度がさらに初期状態あるいはこれに近い状態に保たれる。
以下、このようなプロセスコントロールを行うより詳細な動作シーケンスについて説明する。
まず、中間転写ベルトクリーニング装置14を転写ベルト11から離間させた状態とし、感光体ドラム20W上に担持された画像パッチGWを、電圧印加手段82Wによって1次転写ローラ12Wにトナーの正規の帯電極性と逆の正極性の転写バイアスを印加して、転写ベルト11に転写させ、白色画像濃度検知を行う。
この白色画像濃度検知においては、正反射受光素子52、拡散反射受光素子53それぞれの出力電圧として、正反射受光素子52により画像パッチGWの階調パターンの正反射光に基づく出力である正反射光出力を得るとともに、拡散反射受光素子53により画像パッチGWの階調パターンの拡散反射光に基づく出力である拡散反射光出力を得る。またサンプリングによって得られた正反射光出力を正反射光成分と拡散反射光成分とに成分分解して、拡散反射光成分を抽出しておく。
そして、正反射光出力による出力電圧が所定の電圧、本形態では4Vとなるように、LED51の駆動電流を調整し設定する。このような光学センサ50の調整機構には、拡散反射受光素子53の出力回路に設けられている可変抵抗を用いる。これにより、かかる調整が容易に行われ、また、調整幅も抵抗によって多種選択可能であるため、様々なレベルの出力調整に対応することが可能となっている。
白色画像濃度検知時において、作像を行わない画像ステーション60Y、60M、60C、60Kにおいても、1次転写ローラ12Y、12M、12C、12BKに転写バイアスを印加する。これにより、転写ベルト11から感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKへの画像パッチGWの逆転写が防止ないし抑制される。転写バイアスの電源は定電圧制御出なく定電流制御を行うものであっても良い。A1方向における画像パッチGWの長さは、同方向における転写ベルト11の長さよりも短い。
搬送ベルト11のA1方向への移動に伴って光学センサ50による読み取り領域を通過した画像パッチPWは、A1方向にさらに移動して中間転写ベルトクリーニング装置14によるクリーニング領域を通過するが、中間転写ベルトクリーニング装置14が転写ベルト11から離間しているため、中間転写ベルトクリーニング装置14に触れることなくクリーニング領域を通過し、1次転写ローラ12Wが感光体ドラム20Wに対向した1次転写ニップに戻ってくる。このように、中間転写ベルトクリーニング装置14は、白色画像濃度検知を行うために転写ベルト11に画像パッチGWが転写されたときに転写ベルト11から離間するようになっている。
画像パッチGWが1次転写ニップに戻ってくるまでに、電圧印加手段82Wによって、1次転写ローラ12Wにトナーの正規の帯電極性と同じ負極性の転写バイアスが印加され、これによって、画像パッチPWが感光体ドラム20Wに逆転写される。このように、1次転写ローラ12Wと電圧印加手段82Wとは、画像パッチGWを含む白色の画像を感光体ドラム20Wから転写ベルト11に転写させることが可能であるとともに、白色画像濃度検知を行うために転写ベルト11に転写させた画像パッチGWを感光体ドラム20Wに転写可能すなわち逆転写可能とした転写手段を構成している。
画像パッチGWは、すでに述べたように、一時的に保持ブラシ71Wに保持される等した後、現像装置80Wに回収されて再利用され、またはその後次に述べるように転写ベルト11に当接した状態とされる中間転写ベルトクリーニング装置14、その他クリーニング装置70Y、70C、70M、70BKによって回収される。
感光体ドラム20Wへの画像パッチPWの逆転写が終了すると、中間転写ベルトクリーニング装置14を転写ベルト11に当接した状態とするとともに、新たに画像パッチGWを感光体ドラム20W上に形成し、電圧印加手段82Wによって1次転写ローラ12Wにトナーの正規の帯電極性と逆の正極性の転写バイアスを印加して、感光体ドラム20W上に形成された新たな画像パッチGWを転写ベルト11に転写させるとともに、画像パッチGY、GM、GC、GBKを感光体ドラム20Y、20M、20C、20BK上に形成し、電源によって1次転写ローラ12Y、12M、12C、12BKにトナーの正規の帯電極性と逆の正極性の転写バイアスを印加して、感光体ドラム20Y、20M、20C、20BK上に形成された画像パッチGY、GM、GC、GBKを転写ベルト11に重ね転写させ、重ね転写画像濃度検知を行う。
この重ね転写画像濃度検知を行うときに電圧印加手段82Wによって1次転写ローラ12Wに印加する転写バイアス設定値及び電源によって1次転写ローラ12Y、12M、12C、12BKに印加する転写バイアス設定値と、白色画像濃度検知を行うときに電圧印加手段82Wによって1次転写ローラ12Wに印加する転写バイアス設定値及び電源によって1次転写ローラ12Y、12M、12C、12BKに印加する転写バイアス設定値とは互いに同じであって、重ね転写画像濃度検知を行うときと白色画像濃度検知を行うときとで転写ベルト11上にトナー像を転写する転写条件は互いに同一とされている。これにより、重ね転写画像濃度検知を行うときと白色画像濃度検知を行うときとで、画像パッチGWの画像濃度は同じとなっている。よって、後述する、トナーの付着量変換方法のアルゴリズムを用いた、このアルゴリズムに基づく反射光検知方法によるトナーの付着量値の算出の正確性すなわち精度が高くなっている。
重ね転写画像濃度検知においては、正反射受光素子52、拡散反射受光素子53それぞれの出力電圧として、正反射受光素子52により画像パッチGY、GM、GC、GBKの階調パターンの形成位置における正反射光に基づく出力である正反射光出力を得るとともに、拡散反射受光素子53により画像パッチGY、GM、GC、GBKの階調パターンの形成位置における拡散反射光に基づく出力である拡散反射光出力を得る。
このサンプリングによって得られた正反射光出力を正反射光成分と拡散反射光成分とに成分分解して、画像パッチGY、GM、GC、GBKの階調パターンの正反射光成分を抽出する。
また、かかるサンプリングによって得られた拡散反射光出力から、白色画像濃度検知における拡散反射光成分を除去することにより、画像パッチGY、GM、GC、GBKの階調パターンの拡散光成分を抽出する。
このようにして抽出された互いに独立する言い換えると交差する2つの出力変換値である正反射光成分と拡散光成分との、転写ベルト11上の画像濃度に等価な転写ベルト11へのトナーの付着量に対する1次線形関係を利用し、各出力変換値がトナーの付着量に対し線形となる付着量範囲において、ある正反射光出力変換値またはトナー付着量の拡散反射光出力変換値がある値となるように、拡散反射光出力変換値を感度補正することにより、トナーの付着量に対する拡散反射光出力の補正値を一義的に定める。
そして、予め求めたトナーの付着量と拡散反射光出力の補正値との関係から、付着量変換処理を行う。
このような手順で、トナーの付着量変換方法のアルゴリズムに基づく反射光検知方法により、拡散反射光出力がトナーの付着量値に変換される。
なお、白色画像濃度検知を行うときに転写ベルト11上に形成した画像パッチGWを感光体ドラム20Wに逆転写等してクリーニングを行うことなく、この画像パッチGW上に画像パッチGY、GM、GC、GBKを重ね転写して重ね転写画像濃度検知を行うことも可能であり、この場合には、プロセスコントロールの所要時間を短縮し得るものの、このようにすると、重ね転写画像濃度検知を行うときに光学センサ50によって読み取る画像パッチGWを構成しているトナーの層厚が、電圧印加手段82W、電源によって形成する転写バイアス等の影響により、白色画像濃度検知を行うときに光学センサ50によって読み取る画像パッチGWを構成しているトナーの層厚と異なり得る等することにより、上述した反射光検知方法による付着量変換処理の精度が低下し得るため、本形態のように、白色画像濃度検知を行うときに転写ベルト11上に形成した画像パッチGWを感光体ドラム20Wに逆転写等してクリーニングしたうえで、重ね転写画像濃度検知を行うときに改めて新たな画像パッチGWを形成して転写ベルト11に担持させることが望ましい。
また、A1方向下流側部分における画像パッチGWのみを形成した部分の長さを長く取るとともに画像パッチGY、GM、GC、GBKの重ね転写も行い、かかる画像パッチGWのみの部分で白色画像濃度検知を行い、続けてかかる重ね転写を行った領域で重ね転写画像濃度検知を行うようにしても良く、この場合にもプロセスコントロールの所要時間を短縮し得るが、このようにすると、転写ベルト11のA1方向における長さとの関係でLED51の駆動電流の設定に必要な画像パッチGWのみの部分の長さが不十分となるなどしてかかる設定が間に合わず、上述した反射光検知方法による付着量変換処理の精度が低下し得るため、本形態のように、白色画像濃度検知を行うときには画像パッチGWのみを転写ベルト11上に形成し、重ね転写画像濃度検知を行うときには画像パッチGW上に画像パッチGY、GM、GC、GBKの重ね転写して画像パッチGW及び画像パッチGY、GM、GC、GBKを転写ベルト11上に形成することが望ましい。
制御手段は、ROMに、以上述べた、感光体ドラム20W、20Y、20M、20C、20BK上に担持された白色のトナー像を含む複数の色のトナー像を転写され得る転写ベルト11と、転写ベルト11に転写されたトナー像を光学的に検知する光学センサ50とを用い、転写ベルト11上に、画像パッチGW上に画像パッチGY、GM、GC、GBKを転写して重ね転写を行い、光学センサ50により、転写ベルト11上においてかかる重ね転写が行われた位置のトナー像を検知する重ね転写増検知を行うことにより、トナー像の濃度を制御する画像濃度制御方法を実行するための画像濃度制御プログラムを記憶している。この点、制御手段ないしROMは、画像濃度制御プログラム記憶手段として機能している。かかる画像濃度制御プログラムは、制御手段に備えられたROMのみならず、半導体媒体(たとえば、RAM、不揮発性メモリ等)、光媒体(たとえば、DVD、MO、MD、CD−R等)、磁気媒体(たとえば、ハードディスク、磁気テープ、フレキシブルディスク等)その他の記憶媒体に記憶可能であり、かかるメモリ、他の記憶媒体は、かかる画像濃度制御プログラムを記憶した場合に、かかる画像濃度制御プログラムを記憶したコンピュータ読取可能な記録媒体を構成する。
以上本発明の好ましい実施の形態について説明したが、本発明はかかる特定の実施形態に限定されるものではなく、上述の説明で特に限定していない限り、特許請求の範囲に記載された本発明の趣旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
たとえば、画像形成装置は、タンデム型であっても、上述した間接転写方式でなく、図9に示すように、直接転写方式を採用可能である。図9はタンデム型直接転写方式の画像形成装置の一部を示しており、上述の形態と同様の構成には同じ符号を付している。この画像形成装置では、上述の転写ベルト11に代えて被転写体たる対向部材として、像担持体としての記録媒体搬送体である記録媒体搬送ベルトたるシート搬送ベルト11’を有しており、通常の画像形成時には、シート搬送ベルト11’で搬送されている過程の転写紙に、画像ステーション60W、60Y、60M、60C、60BKで形成した各色のトナー像を順次重ね転写し、プロセスコントロール時には、画像ステーション60W、60Y、60M、60C、60BKで形成した各色の画像パッチをシート搬送ベルト11’に転写する。
直接転写方式と間接転写方式とを比較すると、前者は、転写紙の搬送方向において、画像ステーション60W、60Y、60M、60C、60BKの上流側に図示しない給紙装置を、下流側に定着装置6を配置しなければならず、かかる搬送方向に大型化する傾向にあるのに対し、後者は、2次転写位置を比較的自由に設置可能であるため、給紙装置、定着装置6を画像ステーション60W、60Y、60M、60C、60BKと重ねて配置可能であり、小型化が可能となる利点がある。また、前者は、転写紙の搬送方向における大型化を抑制するためには、定着装置6をシート搬送ベルト11’に接近して配置することとなる。そのため、転写紙が撓む十分な余裕をもって定着装置6を配置することが難しく、転写紙の先端が定着装置6に進入するときの衝撃(特に厚い転写紙で顕著となる)や、定着装置6を通過するときの転写紙の搬送速度と、シート搬送ベルト11’による転写紙の搬送速度との速度差により、定着装置6が上流側の画像形成に影響を及ぼしやすいのに対し、後者は、転写紙が撓む十分な余裕をもって定着装置6を配置可能であり、定着装置6がほとんど画像形成に影響を及ぼさないようにし得る。これらの点では、近年では、タンデム型において、間接転写方式が注目されてきている。
また、画像形成装置は、いわゆるタンデム方式の画像形成装置ではなく、1つの像担持体としての感光体ドラム上に順次各色のトナー像を形成して各色トナー像を順次重ね合わせてカラー画像を得るいわゆるリボルバー現像、ロータリ現像を行う1ドラム方式の画像形成装置にも同様に適用することが可能である。この場合、被転写体は、かかる感光体ドラムから順次各色のトナー像を転写される場合には転写ベルト11と同様の構成となり、かかる感光体ドラム上において重ね合わされた各色のトナー像を一括で転写される場合にはシート搬送ベルト11’と同様の構成となり、プロセスコントロールに用いられる。
1ドラム型とタンデム型とを比較すると、前者は、感光体ドラムが1つであるから、比較的小型化可能であり、コストも低減可能な利点はあるものの、1つの感光体ドラムを用いて複数回、本発明を適用する場合は5回の画像形成を繰り返してフルカラー画像、プロセスコントロール用の画像を形成するから、画像形成の高速化が難しく、これに対し、後者には、逆に大型化し、コスト高となり得るものの、画像形成の高速化が容易である利点がある。近年では、フルカラーもモノクロ並みのスピード要求が望まれることから、タンデム型が注目されてきている。
その他、画像形成装置は、近年では、市場からの要求にともない、カラー複写機やカラープリンタなど、カラーのものが多くなってきているが、画像形成装置は、ホワイト以外の画像としてはモノカラー画像のみを形成可能なものであっても良い。
このような画像形成装置に用いる現像剤は、二成分現像剤に限らず、上述したのと同様のクリーニングレスとすることが可能な構成であれば一成分現像剤であっても良い。
画像形成装置は、複写機、プリンタ、ファクシミリの複合機でなく、これらの単体であっても良いし、その他、複写機とプリンタとの複合機等の他の組み合わせの複合機であっても良い。
被転写体は、記録媒体であっても良い。
本発明の実施の形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施の形態に記載されたものに限定されるものではない。