JP2014202983A - 画像形成装置およびそのコントローラ、レジストローラ制御方法、ならびにコンピュータプログラム - Google Patents

画像形成装置およびそのコントローラ、レジストローラ制御方法、ならびにコンピュータプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】シートへのトナー像の転写における画質の低下を従来よりも軽減する。
【解決手段】シートMA1がレジストローラ18Cに到達した後、二次転写ローラ18Dがトナー像を転写する第一の速度よりも速い第二の速度でシートMA1を搬送するようにレジストローラ18Cを制御する。さらにその後、シートMA1がレジストローラ18Cから抜ける前に第二の速度よりも遅い第三の速度に減速してシートMA1を搬送するようにレジストローラ18Cを制御する。
【選択図】図6

Description

本発明は、電子写真方式などの画像形成装置におけるシートの搬送に関する。
従来、電子写真方式の画像形成装置において、中間転写ベルトに形成されたトナー像を用紙またはフィルムなどのシートに転写する際にいわゆる画像伸びが発生しないように、二次転写ローラによる搬送の速度よりもレジストローラによる搬送の速度を速くする方法が提案されている。この方法によると、二次転写ローラとレジストローラとの間でシートにループ(撓み)が生じるので、用紙がレジストローラによって進行方向の逆方向へ引っ張られない。よって、画像伸びが発生するのを防止することができる。
そのほか、特許文献1〜3には、レジストローラの速度または定着の速度を制御することによって画質の劣化を防止する方法が提案されている。
特開2009−128440号公報 特開2001−100612号公報 特開2006−106257号公報
しかし、二次転写ローラによる搬送の速度よりもレジストローラによる搬送の速度を速くする方法によると、シートの後端がレジストローラを通過し終わる際に、つまり、シートがレジストローラから離脱する際に、衝撃が発生し、いわゆる画像ノイズがシートに発生するなどして画質が低下することがある。特に、厚いシートほど、その傾向が高い。
本発明は、このような問題点に鑑み、シートへのトナー像の転写において画質の低下を従来よりも軽減することを、目的とする。
本実施形態の一形態に係る画像形成装置は、ベルトに形成されたトナー像をシートに転写する転写ローラと、前記転写ローラへ前記シートを搬送するレジストローラと、を有する画像形成装置であって、前記シートが前記レジストローラへ到達した後、前記シートに前記転写ローラが前記トナー像を転写する第一の速度よりも速い第二の速度で前記シートを搬送するように前記レジストローラを制御し、さらにその後、前記シートが前記レジストローラから抜ける前に前記第二の速度よりも遅い第三の速度に減速して前記シートを搬送するように前記レジストローラを制御する、制御手段、を有する。
好ましくは、前記第三の速度は、減速するまでに前記シートに生じたループが、前記シートが前記レジストローラから抜けるまで無くならない速度である。または、前記シートが前記レジストローラから抜けるまでに前記シートに次のシートが追いつかない速度である。
さらに好ましくは、前記制御手段は、前記レジストローラの上流側の所定の位置を前記シートの後端が達したタイミングで前記第三の速度で前記シートを搬送するように前記レジストローラを制御する。
本発明によると、シートへのトナー像の転写における画質の低下を従来よりも軽減することができる。
画像形成装置の外観の例を示す図である。 画像形成装置のハードウェア構成の例を示す図である。 プリントユニットの構成の例を模式的に示す図である。 画像形成装置の機能的構成の例を示す図である。 レジストローラの制御の処理の流れの例を説明するフローチャートである。 シートの後端が所定の位置を通過する前の搬送経路およびその周辺の様子の例を示す図である。 シートの後端が所定の位置を通過した後の搬送経路およびその周辺の様子の例を示す図である。
図1は、画像形成装置1の外観の例を示す図である。図2は、画像形成装置1のハードウェア構成の例を示す図である。図3は、プリントユニット10iの構成の例を模式的に示す図である。図4は、画像形成装置1の機能的構成の例を示す図である。
図1に示す画像形成装置1は、一般にMFP(Multi Function Peripherals)または複合機などと呼ばれる装置であって、コピー、PCプリント、ファクシミリ、およびスキャンなどの機能を集約した装置である。
PCプリント機能は、パーソナルコンピュータ、タブレットコンピュータ、またはサーバなどから画像データを受信し画像を用紙またはフィルムなどの記録媒体(以下、「シート」と記載する。)に印刷する機能である。「ネットワークプリンタ機能」または「ネットワークプリンティング機能」などと呼ばれることもある。
画像形成装置1は、図2に示すように、CPU(Central Processing Unit)10a、RAM(Random Access Memory)10b、ROM(Read Only Memory)10c、大容量記憶装置10d、操作パネル10e、NIC(Network Interface Card)10f、ファクシミリユニット10g、スキャンユニット10h、およびプリントユニット10iのほか種々の制御用の回路などによって構成される。
NIC10fは、通信回線を介してパーソナルコンピュータ、タブレットコンピュータ、またはサーバなどを相手にTCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)などのプロトコルで通信を行う。
ファクシミリユニット10gは、公衆電話回線を介してファクシミリ端末との間でG3などのプロトコルで画像データをやり取りする。
操作パネル10eは、キー入力部10e1およびタッチパネルディスプレイ10e2(図3参照)などによって構成される。キー入力部10e1は、いわゆるハードウェアキーボードであって、テンキー、スタートキー、ストップキー、およびファンクションキーなどによって構成される。タッチパネルディスプレイ10e2は、ユーザに対してメッセージまたは指示を与えるための画面、ユーザが所望する処理の種類および処理条件を入力するための画面、およびCPU10aなどで実行された処理の結果を示す画面などを表示する。
ユーザは、これらの画面を見ながらキー入力部10e1またはタッチパネルディスプレイ10e2を操作することによって、画像形成装置1に対して情報および指令を入力することができる。
スキャンユニット10hは、プラテンガラスの上にセットされたシートに記されている画像を読み取って画像データを生成する。
プリントユニット10iは、スキャンユニット10hによって読み取られた画像のほか、他の装置から受信した画像データに示される画像をシートに印刷する。以下、プリントユニット10iとして、タンデム方式および電子写真方式のカラーの印刷エンジンが用いられる場合を例に説明する。
プリントユニット10iは、図3に示すように、主に作像部17、搬送部18、および駆動部19などによって構成される。
作像部17は、カートリッジ17A、トナーボトル17B、攪拌羽17C、感光体17D、帯電装置17E、露光装置17F、現像器17G、中間転写ベルト17H、中間転写ベルトクリーナ機構17K、および廃トナーボックス17Lなどによって構成される。作像部17の各部は、シートに印刷する像を次のように形成する。
カートリッジ17Aないし現像器17Gは、シアン、マゼンタ、イエロー、およびブラックごとに1つずつ設けられている。以下、シアンのカートリッジ17Aないし現像器17Gを例に説明する。
カートリッジ17Aには、シアンのトナーおよびキャリアが一定の割合で混合されて蓄えられている。トナーボトル17Bには、補充用のシアンのトナーが蓄えられている。攪拌羽17Cは、シアンのトナーをトナーボトル17Bからカートリッジ17Aへ補給する。
帯電装置17Eは、感光体17Dを帯電させる。露光装置17Fは、印刷対象の画像に応じて露光することによって、感光体17Dにシアンの静電潜像を作像する。
そして、現像器17Gは、カートリッジ17Aに蓄えられているシアンのトナーを感光体17Dに載せることによって感光体17Dにシアンのトナー像を形成する。
マゼンタ、イエロー、およびブラックそれぞれのカートリッジ17Aないし現像器17Gも、シアンのカートリッジ17Aないし現像器17Gと同様の役割を有し、マゼンタ、イエロー、およびブラックそれぞれのトナー像を形成する。
シアン、マゼンタ、イエロー、およびブラックそれぞれのトナー像は、中間転写ベルト17Hに重ね合わされる。
搬送部18は、給紙トレイ18A、給紙ローラ18B、レジストローラ18C、二次転写ローラ18D、加熱ローラ18E、加圧ローラ18F、排紙ローラ18G、手差トレイ18H、手差給紙ローラ18J、および縦搬ローラ18K、18Lなどによって構成される。搬送部18の各部は、次のようにシートを搬送しトナー像をシートに定着させる。
なお、以下、シートの進行方向の先頭側(下流側)の端(辺)を「先端」と記載し、後ろ側(上流側)の端を「後端」と記載する。シートが搬送される経路を「搬送経路3」と記載する。また、ある2つの位置の間の「距離」は、原則として、両位置の直線距離ではなく、搬送経路3における距離を意味する。
給紙トレイ18Aには、画像を印刷するためのシートが多数セットされる。通常は、定型のコピー用紙がセットされる。
給紙ローラ18Bは、給紙トレイ18Aにセットされているシートを搬送経路3へ送り出す。
縦搬ローラ18Kは、給紙トレイ18Aから送り出されたシートを所定の速度(以下、「縦搬速度Sk1」と記載する。)でレジストローラ18Cへ搬送する。
手差トレイ18Hには、いわゆる手差し印刷のために1枚ないし十数枚程度のシートがセットされる。給紙トレイ18Aにセットされるシートと同じタイプのシートをセットすることもできるが、異なるタイプのシートが主にセットされる。本実施形態では、特に、一般的なコピー用紙よりも坪量が大きいシートがセットされる。
手差給紙ローラ18Jは、手差トレイ18Hにセットされたシートを搬送経路3へ送り出す。
縦搬ローラ18Lは、手差トレイ18Hから送り出されたシートを所定の速度(以下、「縦搬速度Sk2」と記載する。)でレジストローラ18Cへ搬送する。
レジストローラ18Cは、給紙ローラ18Bまたは手差給紙ローラ18Jによって搬送されてきたシートを一旦停止させ、所定のタイミングで二次転写ローラ18Dへ送り出す。
二次転写ローラ18Dは、中間転写ベルト17Hに重ね合わされたトナー像を、レジストローラ18Cから送られてきたシートに転写する。
加熱ローラ18Eは、トナー像が転写されたシートを加熱する。加圧ローラ18Fは、トナー像が転写されたシートを加圧する。これにより、トナー像がシートに定着する。加熱ローラ18Eおよび加圧ローラ18Fは、一般に「定着ローラ」と呼ばれることがある。
排紙ローラ18Gは、トナー像が定着したシートを所定の位置(排紙トレイまたはビン)へ送り出す。
作像部17の中間転写ベルトクリーナ機構17Kは、シートへ転写されず中間転写ベルト17Hに残留したトナーを、中間転写ベルト17Hから分離する。分離されたトナー(いわゆる廃トナー)は、廃トナーボックス17Lに収納される。
駆動部19は、メインモータ19A、定着モータ19B、モノクロ現像モータ19C、カラー現像モータ19D、トナー補給モータ19E、クリーナブラシモータ19F、レジストローラ前センサ19G、縦搬センサ19H、19J、安定化パターン読取センサ19K、およびレジストローラモータ19Lなどによって構成される。駆動部19は、作像部17の各部および搬送部18の各部を次のように駆動させる。
レジストローラ前センサ19Gは、レジストローラ18Cよりも上流でありかつ縦搬ローラ18Kおよび18Lよりも下流の所定の位置P3の付近に設けられており、シートの先端または後端が所定の位置P3に達したことを検知する。
縦搬センサ19Hは、給紙ローラ18Bと縦搬ローラ18Kとの間の所定の位置P1に設けられており、シートの先端が所定の位置P1に達したことを検知する。また、シートの先端が所定の位置P1に達した時刻(以下、「先端到達時刻Kn1」を記録する。
縦搬センサ19Jは、手差給紙ローラ18Jと縦搬ローラ18Lとの間の所定の位置P2に設けられており、シートの先端が所定の位置P2に達したことを検知する。また、シートの先端が所定の位置P2に達した時刻(以下、「先端到達時刻Kn2」と記載する。)を記録する。
安定化パターン読取センサ19Kは、中間転写ベルト17Hに形成された安定化パターンを読み取る。安定化パターンは、画質を検査するための所定の形態のトナー像である。
搬送経路3には、レジストローラ前センサ19G以外にもセンサが設けられていることがある。各センサの検知結果などに応じて、次の各モータが動作する。
メインモータ19Aは、感光体17D、中間転写ベルト17H、および二次転写ローラ18Dを駆動する。
定着モータ19Bは、加熱ローラ18E、加圧ローラ18F、および排紙ローラ18Gを駆動する。レジストローラモータ19Lは、レジストローラ18Cを駆動する。
モノクロ現像モータ19Cは、ブラックの現像器17Gを駆動する。カラー現像モータ19Dは、シアン、マゼンタ、およびイエローそれぞれの現像器17Gを駆動する。フルカラー印刷の際には、モノクロ現像モータ19Cおよびカラー現像モータ19Dの両方が駆動するが、モノクロ印刷の際には、モノクロ現像モータ19Cは駆動するが、カラー現像モータ19Dは駆動しない。または、1つの現像モータの正転および逆転を切り換えることによって、ブラックの現像器17Gのみを駆動したり4色すべての現像器17Gを駆動したりしてもよい。
トナー補給モータ19Eは、トナーがトナーボトル17Bからカートリッジ17Aへ補給されるように攪拌羽17Cなどを駆動する。トナー補給モータ19Eは、1つの色ごとに1つずつ設けてもよい。または、複数の色で共用してもよい。例えば、2つのトナー補給モータ19Eを設け、シアンおよびマゼンタで一方のトナー補給モータ19Eを用い、イエローおよびブラックで他方のトナー補給モータ19Eを用いてもよい。クリーナブラシモータ19Fは、中間転写ベルトクリーナ機構17Kを駆動する。
図2に戻って、ROM10cまたは大容量記憶装置10dには、上述の各機能を実現するためのプログラムが記憶されている。特に、本実施形態では、印刷に関するプログラムの1つとして、レジストローラ18Cを制御するための制御プログラム10Pが記憶されている。各プログラムは、必要に応じてRAM10bにロードされ、CPU10aによって実行される。
制御プログラム10Pによると、図4に示す搬送速度決定部101、回転制御部102、減速量算出部103、シート間距離算出部104、二次転写ローラ速度検知部105、およびループ量算出部106などの機能が実現される。
なお、図4に示す一部または全部の機能を、FPGA(Field Programmable Gate Array)またはASIC(Application Specific Integrated Circuit)などの回路によって実現してもよい。
〔各部の概要〕
搬送速度決定部101は、レジストローラ18Cによってシートを搬送する速度(以下、「第一の搬送速度Sc」と記載する。)を決定する。通常は、二次転写ローラ18Dによってシートが搬送される速度(以下、「第二の搬送速度Sd」と記載する。)よりも所定の割合α(例えば、1%)だけ速い速度を、第一の搬送速度Scに決定する。しかし、シートの後端が所定の位置P3に達したら、減速量算出部103によって算出された減速分の速度(以下、「減速量Sw」と記載する。)だけ遅くなるように、第一の搬送速度Scを決定し直す。
回転制御部102は、搬送速度決定部101によって決定された第一の搬送速度Scでレジストローラ18Cによってシートが搬送されるようにレジストローラモータ19Lを制御する。また、シートの搬送後、レジストローラ18Cが停止するようにレジストローラモータ19Lを制御する。
減速量算出部103は、シートの後端が所定の位置P3に達したら、減速量Swを算出する。
シート間距離算出部104は、レジストローラ18Cを通過したシートと、その次にレジストローラ18Cへ搬送されてくるシートとの間の距離(以下、「シート間距離La」と記載する。)を算出する。
二次転写ローラ速度検知部105は、第二の搬送速度Sd、つまり、二次転写ローラ18Dによってシートが搬送される速度を検知する。
ループ量算出部106は、レジストローラ18Cと二次転写ローラ18Dとの間を搬送されるシートのループの量を算出する。
シート間距離算出部104、二次転写ローラ速度検知部105、およびループ量算出部106のそれぞれによって算出された結果は、減速量算出部103による減速量Swの算出のために用いられる。
〔各部の詳細〕
図5は、レジストローラ18Cの制御の処理の流れの例を説明するフローチャートである。図6は、シートMA1の後端が所定の位置P3を通過する前の搬送経路3およびその周辺の様子の例を示す図である。図7は、シートMA1の後端が所定の位置P3を通過した後の搬送経路3およびその周辺の様子の例を示す図である。
次に、画像形成装置1の各部の詳細な処理を、あるシートMA1を搬送する場合を例に、図5のフローチャートなどを参照しながら説明する。
シートMA1の先端がレジストローラ18Cに達すると(図5の#701でYes)、搬送速度決定部101は、第一の搬送速度Scを、第二の搬送速度Sdを所定の割合αだけ増加させた速度に決定する(#702)。すなわち、次の(1)式に基づいて第一の搬送速度Scを決定する。
Sc=Sd{(100+α)%} …… (1)

(1)式によると、例えば、αが1%であれば、第一の搬送速度Scは、第二の搬送速度Sdの1.01倍に決定する。
なお、シートMA1の先端がレジストローラ18Cに達したことは、センサによって検知してもよい。または、シートMA1の搬送の速度と、所定の位置P3とレジストローラ18Cとの距離(以下、「距離Lc3」と記載する。)とに基づいて、検知してもよい。つまり、シートMA1が縦搬ローラ18Kによって搬送されている場合は、シートMA1の先端が所定の位置P3に達したことがレジストローラ前センサ19Gによって検知された後、Lc3/Sk1、の時間が経過した後に、シートMA1の先端がレジストローラ18Cに達する。そこで、この時間を計測することによって、レジストローラ18Cへの到達を検知すればよい。同様に、シートMA1が縦搬ローラ18Lによって搬送されている場合は、Lc3/Sk2、を計測することによって、レジストローラ18Cへの到達を検知すればよい。
ところで、上述の通り、第二の搬送速度Sdは、二次転写ローラ速度検知部105によって検知する。検知の方法は、例えば次の通りである。
二次転写ローラ速度検知部105は、中間転写ベルト17Hに形成された2つの安定化パターン同士の距離Lpおよび安定化パターン読取センサ19Kによって一方の安定化パターンが読み取られてから他方の安定化パターンが読み取られるまでの時間Tpに基づいて、第二の搬送速度Sdを検知する。つまり、第二の搬送速度Sdとして、Lp/Tp、を算出する。なお、距離Lpは、中間転写ベルト17H上における距離である。
または、二次転写ローラ速度検知部105は、二次転写ローラ18Dのコントローラに問い合わせることによって、第二の搬送速度Sdを検知してもよい。
または、二次転写ローラ18Dと加熱ローラ18Eとの間にセンサを設け、シートが通過する速度を算出することによって、第二の搬送速度Sdを検知してもよい。
第二の搬送速度Sdの検知は、定期的に行えばよい。そして、搬送速度決定部101は、直近に検知された第二の搬送速度Sdを用いて第一の搬送速度Scを決定すればよい。
フローチャートに戻って、回転制御部102は、第一の搬送速度Scが搬送速度決定部101によって決定しかつ所定のタイミングになったら、第一の搬送速度Scに応じた回転速度でレジストローラ18Cが回転するようにレジストローラモータ19Lを制御する(#703)。
これにより、シートMA1が第一の搬送速度Scで二次転写ローラ18Dへ徐々に搬送される。また、第一の搬送速度Scのほうが第二の搬送速度Sdよりも速いので、図6のように、シートMA1にループが生じる。そして、シートMA1の後端が所定の位置P3に達したことがレジストローラ前センサ19Gによって検知される。
すると(#704でYes)、シート間距離算出部104は、シートMA1と次にレジストローラ18Cに搬送されてくるシート(以下、「シートMA2」と記載する。)との距離を、シート間距離Laとして算出する(#705)。シート間距離Laの算出方法は、例えば次の通りである。
シートMA2が給紙トレイ18Aから搬出された場合は、シートMA2の先端が所定の位置P1に達したことが縦搬センサ19Hによって検知される。シート間距離算出部104は、所定の位置P1に達した時刻(つまり、先端到達時刻Kn1)、シートMA1の後端が所定の位置P3に達した時刻(以下、「現在時刻Ko」と記載する。)、および縦搬ローラ18Kによる搬送の速度(つまり、縦搬速度Sk1)に基づいて、所定の位置P1からシートMA2の先端の位置までの距離Lmを算出する。つまり、次の(2)式より距離Lmを算出する。
Lm=Sk1×(Ko−Kn1) …… (2)

そして、シート間距離算出部104は、所定の位置P1と所定の位置P3との距離L13から距離Lmを引いた値を、シート間距離Laとして算出する。
一方、シートMA2が手差トレイ18Hから搬出された場合は、シートMA2が所定の位置P2に達したことが縦搬センサ19Jによって検知される。シート間距離算出部104は、所定の位置P2に達した時刻(つまり、先端到達時刻Kn2)、現在時刻Ko、および縦搬ローラ18Lによる搬送の速度(つまり、縦搬速度Sk2)に基づいて、所定の位置P2からシートMA2の現在の先端の位置までの距離Lnを算出する。すなわち、次の(3)式より距離Lnを算出する。
Ln=Sk2×(Ko−Kn2) …… (3)

そして、シート間距離算出部104は、所定の位置P2と所定の位置P3との距離L23から距離Lnを引いた値を、シート間距離Laとして算出する。
シート間距離算出部104の処理と前後してまたは並行して、ループ量算出部106は、現在時刻KoにおけるシートMA1のループの量(以下、「ループ量Lr」と記載する。)を算出する(#706)。ループ量Lrは、現在時刻Ko、レジストローラ18CによるシートMA1の搬送が開始した時刻Ks1、二次転写ローラ18DによるシートMA1の搬送が開始した時刻Ks2、第一の搬送速度Sc、第二の搬送速度Sd、およびレジストローラ18Cと二次転写ローラ18Dとの距離Lcdに基づいて算出すればよい。すなわち、次の(4)式より算出すればよい。
Lr=Lc−Ld …… (4)

ただし、搬送距離Lcは、レジストローラ18CがシートMA1を現在時刻Koまでに搬送した距離であって、
Lc=Sc×(Ko−Ks1)
である。搬送距離Ldは、二次転写ローラ18DがシートMA1を現在時刻Koまでに搬送した距離であって、
Ld=Sd×(Ko−Ks2)
である。時刻Ks2は、二次転写ローラ18Dのコントローラに問い合わせることによって取得してもよい。シートMA1の先端が二次転写ローラ18Dに達するまでに既に二次転写ローラ18Dが回転している場合は、Ks1+Lcd/Sc、を時刻Ks2として求めてもよい。
減速量算出部103は、ステップ#705、#706でそれぞれ算出されたシート間距離Laおよびループ量Lrに基づいて、減速量Swを算出する(#707)。例えば、次の2つの条件を満たすように減速量Swを算出する。
<条件_1> シートMA1の後端がレジストローラ18Cを通過し終わるまでにループ量Lrがゼロにならないこと。
<条件_2> シートMA1の後端がレジストローラ18Cを通過し終わるまでにシートMA2の先端がシートMA1の後端に追いつかないこと。
第一の搬送速度Scを減速量Swだけ減速した後、シートMA1の後端がレジストローラ18Cを通過するまでに掛かる所要時間Teは、
Te=Lc3/(Sc−Sw)
である。
第一の搬送速度Scを減速量Swだけ減速した後、シートMA1の後端がレジストローラ18Cを通過するまでに二次転写ローラ18DによってシートMA1が搬送される搬送距離Ld’とレジストローラ18CによってシートMA1が搬送される搬送距離Lc’との差Lr’は、
Lr’=Ld’−Lc’=Sd×Te−Lc3
である。
レジストローラ18Cよりも二次転写ローラ18Dのほうが速くなると、図7のように、シートMA1のループが徐々に小さくなる。したがって、差Lr’は、負の値になる。以上の点より、次の(5)式を満たす減速量Swであれば、条件_1を満たすことができる。
Lr+Lr’≧0 …… (5)

また、第一の搬送速度Scを減速量Swだけ減速した後、シートMA1の後端がレジストローラ18Cを通過するまでに、シートMA1がレジストローラ18Cによって搬送される距離(つまり、搬送距離Lc’)とシートMA2が縦搬ローラ18Kまたは縦搬ローラ18Lによって搬送される距離Lkとの差は、
Ls=Lc’−Lk
である。ただし、距離Lkは、シートMA2が縦搬ローラ18Kによって搬送される場合は、
Lk=Sk1×Te
である。縦搬ローラ18Lによって搬送される場合は、
Lk=Sk2×Te
である。
レジストローラ18Cよりも縦搬ローラ18K、18Lのほうが速ければ、シートMA2の先端がシートMA1の後端に徐々に追いつく。したがって、差Lsは、負の値になる。以上の点より、次の(6)式を満たす減速量Swであれば、条件_2を満たすことができる。
La+Ls≧0 …… (6)

つまり、減速量算出部103は、上記の(5)式および(6)式の両方を満たす減速量Swを算出する。なお、減速量Swは、できるだけ大きい方が好ましい。理想的には、次の式(5’)および式(6’)の両方を満たすものが望ましい。
Lr+Lr’=0 …… (5’)
La+Ls=0 …… (6’)

フローチャートに戻って、搬送速度決定部101は、第一の搬送速度Scを、現在の第一の搬送速度Scから減速量Swだけ減らした速度に決定し直す(#708)。なお、誤差および演算時間などに鑑み、減速量Swよりも若干小さい量(速度)だけ減らしてもよい。
回転制御部102は、新たな第一の搬送速度ScでシートMA1がレジストローラ18Cによって搬送されるようにレジストローラモータ19Lを制御する(#709)。これにより、レジストローラ18Cによる搬送の速度が減速される。そして、シートMA1の後端がレジストローラ18Cを通過したら(#710でYes)、レジストローラ18Cを停止させる(#711)。
例えば、シートMA1の進行方向の辺の長さが400ミリメートルであり、所定の割合αが1%であり、距離Lc3が20ミリメートルである場合は、ループ量Lrは、3.8ミリメートルである。そして、回転制御部102は、15%程度、レジストローラ18Cを減速させる。
なお、シートMA1の後端がレジストローラ18Cを通過したことの検知は、先端が通過したことの検知と同様の方法で行えばよい。つまり、センサによって検知すればよい。または、シートMA1の搬送の速度および距離Lc3に基づいて検知すればよい。
本実施形態によると、シートMA1がレジストローラ18Cを抜けるまでループを残しつつレジストローラ18Cを減速させることができる。よって、シートMA1がレジストローラ18Cを抜ける際の衝撃を従来よりも緩和し、シートMA1に転写されるトナー像の質の低下を従来よりも抑えることができる。さらに、シートMA2がシートMA1に追いつかないので、いわゆる連れ送りを防止することができる。
本実施形態では、シートMA1の後端が所定の位置P3に達したことをレジストローラ前センサ19Gによって検知したが、他の公知の方法によって検知してもよい。例えば、第一の搬送速度ScおよびシートMA1のサイズに基づいて演算によって検知してもよい。
本実施形態では、シートMA1の後端が所定の位置P3に達するまで徐々にループが増え続けるが、ループを一定に保つようレジストローラ18Cを制御する場合にも、本発明を適用することができる。
その他、画像形成装置1の全体または各部の構成、処理内容、処理順序などは、本発明の趣旨に沿って適宜変更することができる。
1 画像形成装置
10a CPU
10P 制御プログラム
18C レジストローラ
19L レジストローラモータ
MA1 シート
MA2 シート

Claims (7)

  1. ベルトに形成されたトナー像をシートに転写する転写ローラと、前記転写ローラへ前記シートを搬送するレジストローラと、を有する画像形成装置であって、
    前記シートが前記レジストローラへ到達した後、前記シートに前記転写ローラが前記トナー像を転写する第一の速度よりも速い第二の速度で前記シートを搬送するように前記レジストローラを制御し、さらにその後、前記シートが前記レジストローラから抜ける前に前記第二の速度よりも遅い第三の速度に減速して前記シートを搬送するように前記レジストローラを制御する、制御手段、
    を有することを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記第三の速度は、減速するまでに前記シートに生じたループが、前記シートが前記レジストローラから抜けるまで無くならない速度である、
    請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記第三の速度は、前記シートが前記レジストローラから抜けるまでに前記シートに次のシートが追いつかない速度である、
    請求項1に記載の画像形成装置。
  4. 前記制御手段は、前記レジストローラの上流側の所定の位置を前記シートの後端が達したタイミングで前記第三の速度で前記シートを搬送するように前記レジストローラを制御する、
    請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の画像形成装置。
  5. ベルトに形成されたトナー像をシートに転写する転写ローラと前記転写ローラへ前記シートを搬送するレジストローラとを有する画像形成装置に用いられるコントローラであって、
    前記シートが前記レジストローラへ到達した後、前記シートに前記転写ローラが前記トナー像を転写する第一の速度よりも速い第二の速度で前記シートを搬送するように前記レジストローラを制御し、さらにその後、前記シートが前記レジストローラから抜ける前に前記第二の速度よりも遅い第三の速度に減速して前記シートを搬送するように前記レジストローラを制御する、
    ことを特徴とするコントローラ。
  6. ベルトに形成されたトナー像をシートに転写する転写ローラと前記転写ローラへ前記シートを搬送するレジストローラとを有する画像形成装置におけるレジストローラ制御方法であって、
    前記シートが前記レジストローラへ到達した後、前記シートに前記転写ローラが前記トナー像を転写する第一の速度よりも速い第二の速度で前記シートを搬送するように前記レジストローラを制御し、
    さらにその後、前記シートが前記レジストローラから抜ける前に前記第二の速度よりも遅い第三の速度に減速して前記シートを搬送するように前記レジストローラを制御する、
    ことを特徴とするレジストローラ制御方法。
  7. ベルトに形成されたトナー像をシートに転写する転写ローラと前記転写ローラへ前記シートを搬送するレジストローラとを有する画像形成装置を制御するためのコンピュータプログラムであって、
    前記画像形成装置のコントローラに、
    前記シートが前記レジストローラへ到達した後、前記シートに前記転写ローラが前記トナー像を転写する第一の速度よりも速い第二の速度で前記シートを搬送するように前記レジストローラを制御する処理と、
    さらにその後、前記シートが前記レジストローラから抜ける前に前記第二の速度よりも遅い第三の速度に減速して前記シートを搬送するように前記レジストローラを制御する処理と、
    を実行させるためのコンピュータプログラム。
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