JP7209822B2 - 分散物、及び、建築材料の補強材 - Google Patents
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Description
そこで、既設コンクリートについては、様々なコンクリート改質手法が提案されている。例えば、コンクリート改質剤としてアルカリ金属ケイ酸塩の水溶液(いわゆる水ガラス)を既設のコンクリートに塗布し、更にアルカリ金属ケイ酸塩及びカルシウム塩を含む水溶液を塗布することによって、高い動弾性係数を得ることができ、更には、高い透水防止効果を得ることができる。
特許文献2:特開2007-31212号公報
特許文献3:特開2011-26572号公報
本開示の他の実施形態が解決しようとする課題は、上記分散物を含む建築材料の補強材を提供することである。
<1> X線小角散乱法で測定した分散物中での体積平均粒子径が1nm~50nmであり、かつX線小角散乱法で測定した分散物中での粒度分布において小径側から累積90体積%となる粒子径D90が100nm以下である水酸化カルシウム粒子、及び、分散媒を含有する分散物。
<2> 上記水酸化カルシウム粒子の上記体積平均粒子径が1nm~20nmであり、かつ上記D90が50nm以下である<1>に記載の分散物。
<3> スルホン酸基を有する重合体を更に含有する<1>又は<2>に記載の分散物。
<4> 上記重合体が、カルボン酸基を更に有する<3>に記載の分散物。
<5> 上記重合体の重量平均分子量が、3,000以上である<3>又は<4>に記載の分散物。
<6> 上記重合体におけるスルホン酸基の含有量が、上記重合体の全質量に対し、12質量%以上である<3>~<5>のいずれか1つに記載の分散物。
<7> 上記重合体におけるカルボン酸基の含有量が、上記重合体の全質量に対し、10質量%以上である<4>に記載の分散物。
<8> 上記重合体の含有量が、上記分散物の全質量に対し、0.05質量%~10質量%である<3>~<7>のいずれか1つに記載の分散物。
<9> 上記水酸化カルシウム粒子の含有量が、上記分散物の全質量に対し、0.18質量%~10質量%である<1>~<8>のいずれか1つに記載の分散物。
<10> 上記分散媒が、水、又は、水とエチレングリコールとの混合物である<1>~<9>のいずれか1つに記載の分散物。
<11> 上記分散物中のナトリウムイオンの含有量が、上記分散物の全質量に対し、1,000ppm以下である<1>~<10>のいずれか1つに記載の分散物。
<12> <1>~<11>のいずれか1つに記載の分散物を含有する建築材料の補強材。
<13> コンクリートの補強材である<12>に記載の建築材料の補強材。
また、本開示の他の実施形態によれば、上記分散物を含む建築材料の補強材を提供することができる。
なお、本明細書において、数値範囲を示す「~」とはその前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用される。
本明細書において「全固形分」とは、分散物の全組成から分散媒を除いた成分の総質量をいう。また、「固形分」とは、上述のように、分散媒を除いた成分であり、例えば、25℃において固体であっても、液体であってもよい。
また、本明細書において、「(メタ)アクリル」はアクリル及びメタクリルの双方、又は、いずれかを表し、「(メタ)アクリレート」はアクリレート及びメタクリレートの双方、又は、いずれかを表す。
更に、本明細書において組成物中の各成分の量は、組成物中に各成分に該当する物質が複数存在する場合、特に断らない限り、組成物中に存在する該当する複数の物質の合計量を意味する。
また、本明細書中の「工程」の用語は、独立した工程だけではなく、他の工程と明確に区別できない場合であっても、その工程の所期の目的が達成されれば本用語に含まれる。 また、本開示において、「質量%」と「重量%」とは同義であり、「質量部」と「重量部」とは同義である。
更に、本開示において、2以上の好ましい態様の組み合わせは、より好ましい態様である。
以下、本開示を詳細に説明する。
本開示に係る分散物は、X線小角散乱法で測定した分散物中での体積平均粒子径が1nm~50nmであり、かつX線小角散乱法で測定した分散物中での粒度分布において小径側から累積90体積%となる粒子径D90が100nm以下である水酸化カルシウム粒子、及び、分散媒を含有する。
この点に関して、水酸化カルシウム粒子を形成し、水溶液中に分散させることで、液中の水酸化カルシウム濃度を高めることができることを、本発明者は見出した。
一方で、非特許文献1には、養生条件によるコンクリートの組織変化と中性化を支配する細孔径の評価について記載されており、その主要な孔径は100nm以下と非常に小さいものであることが示されている。
このため、より高い補強効果を得るためには、より組成物を深くまで浸透させることが必要である。このためには、水酸化カルシウム粒子の粒径を、注入するコンクリートなどの孔径よりも十分に小さくすることが重要であることを、本発明者は見出した。
また、特許文献3においても、平均粒径の域値が1.0μmと大きく、また粒径分布、及び大きな径の閾値については何ら言及されていない。
特許文献2又は特許文献3の実施例において記載されているように、小さい粒径の水酸化カルシウム粒子分散液を得る際には、市販の粒径の大きな水酸化カルシウム粒子をビーズミルなどの破砕装置で細かく砕くことが通常であり、一般的にブレークダウン法と呼ばれる。しかしこの方法では、粒径分布が広く、大きな径の粒子が一定割合以上残ってしまう可能性が高い。また、平均粒径をコンクリートなどの細孔径に対し十分小さくするためには、非常に大きなエネルギーと長い処理時間を必要とし、工業的に現実的でない。
そこで、発明者らが鋭意検討した結果、特定の組成物を用い、粒子をブレークダウンではなく、ビルドアップにより水酸化カルシウムを合成することにより、粒径が小さく、分散性に優れた水酸化カルシウム粒子を飽和溶解度以上の高濃度で含む分散物を得ることに成功した。
上記構成による優れた効果の作用機構は明確ではないが、以下のように推定している。
従来の分散物では、上記のような体積平均粒子径の小さな水酸化カルシウム粒子は、凝集が生じ、体積平均粒子径が大きくなったり、粒子が沈降し沈殿物が生じる等の問題があった。また、水酸化カルシウム粒子を上記体積平均粒子径に分散すること自体も、従来の方法では困難であった。
本発明者が鋭意検討した結果、上記水酸化カルシウム粒子のX線小角散乱法で測定した分散物中での体積平均粒子径、及び、D90を上記範囲とすることにより、水酸化カルシウム粒子の凝集や沈降を抑制でき、分散性に優れることを見出した。
また、水酸化カルシウム粒子の体積平均粒子径が小さいことにより、種々の材質への浸透性にも優れるため、補強効果に優れ、特に建築材料の補強材として、好適に用いることができる。
また、本開示において、「スルホン酸塩基」とは、スルホン酸基の塩(-SO3M、Mは水素原子(プロトン)以外の対カチオンを表す。)のことをいう。また、カルボン酸塩基についても同様である。
本開示に係る分散物は、X線小角散乱法で測定した分散物中での体積平均粒子径が1nm~50nmであり、かつX線小角散乱法で測定した分散物中での粒度分布において小径側から累積90体積%となる粒子径D90が100nm以下である水酸化カルシウム粒子を含有する。
本開示に係る分散物に含まれる水酸化カルシウム粒子の上記体積平均粒子径は、分散性及び浸透性の観点から、1nm~25nmであることが好ましく、1nm~20nmであることがより好ましく、1nm~10nmであることが更に好ましく、1nm~8nmであることが特に好ましい。
また、本開示に係る分散物に含まれる水酸化カルシウム粒子の上記粒子径D90は、分散性及び浸透性の観点から、50nm以下であることが好ましく、30nm以下であることがより好ましく、20nm以下であることが更に好ましく、10nm以下であることが特に好ましい。
本開示に係る分散物に含まれる水酸化カルシウム粒子の上記粒子径D90は、例えば、1nm以上であってもよく、3nm以上であってもよい。
更に、本開示に係る分散物において、分散性及び浸透性の観点から、上記水酸化カルシウム粒子の上記体積平均粒子径が1nm~20nmであり、かつ上記D90が50nm以下であることが好ましい。
分散物をBRUKER社製小角X線散乱装置NANOSTARにて測定する。
測定データの解析として、超純水をブランク液として測定し、測定結果からバックグラウンドとして差し引く。
また、粒度分布は、最大エントロピー法により算出する。
体積平均粒子径は、得られた測定データの算術平均粒子径(MV)とする。
また、D90は、粒子径の体積比積算値90%での粒子径とする。
上記水酸化カルシウム粒子における水酸化カルシウムの含有量は、粒子の全質量に対し、80質量%以上であることが好ましく、90質量%以上であることがより好ましく、95質量%以上であることが特に好ましい。
含有量が高いほど、コンクリート改質剤などとの反応性を高めることができ、上記範囲であると、分散物の粘度が適度であり流動性に優れ、コンクリート細孔などへの浸透性に優れる。
本開示に係る分散物は、分散媒を含む。
また、本開示における分散媒は、分子量1,000以下の化合物であることが好ましく、500以下の化合物であることがより好ましい。
上記分散媒としては、特に制限はなく、公知の分散媒を用いることができる。
上記分散媒としては、例えば、水、水溶性有機溶媒等が好適に挙げられる。
上記水溶性有機溶媒としては、メタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、n-ブタノール、イソブタノール、sec-ブタノールなどのアルコール化合物;エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコールなどグリコール化合物;グリセリンなどのトリオール化合物等が挙げられる。
中でも、上記分散媒としては、分散性の観点からは、水を含むことが好ましく、水酸化カルシウム粒子の含有量を増やす観点からは、エチレングリコールを含むことが好ましい。
上記分散媒は、分散性の観点から、水、又は、水とエチレングリコールとの混合物であることが好ましく、水とエチレングリコールとの混合物であることがより好ましい。
水とエチレングリコールとの混合物における混合比は特に制限はないが、分散性の観点から、質量比で、水:エチレングリコール=50:1~1:50であることが好ましく、20:1~1:20であることがより好ましい。
本開示に係る分散物における上記分散媒の含有量は、分散性の観点から、分散物の全質量に対し、50質量%~99.98質量%であることが好ましく、70質量%~99.9質量%であることがより好ましく、80質量%~99.4質量%であることが特に好ましい。
本開示に係る分散物は、分散性、保存安定性、及び、水酸化カルシウム粒子の粒子径制御の観点から、分散剤を含むことが好ましい。
分散剤としては、特に制限はないが、例えば、スチレン系樹脂(スチレン-(メタ)アクリル酸共重合体、スチレン-無水マレイン酸共重合体など)、アクリル樹脂((メタ)アクリル酸メチル-(メタ)アクリル酸共重合体、ポリ(メタ)アクリル酸など)、水溶性ウレタン樹脂、水溶性アクリルウレタン樹脂、水溶性エポキシ樹脂、水溶性ポリエステル樹脂、セルロース誘導体(ニトロセルロース;エチルセルロースなどのアルキルセルロース;エチルヒドロキシエチルセルロースなどのアルキル-ヒドロキシアルキルセルロース;ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどのヒドロキシアルキルセルロース;カルボキシメチルセルロースなどのカルボキシアルキルセルロース等)、ポリビニルアルコール、ポリアルキレングリコール(ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなど)、天然高分子(ゼラチン、デキストリン、アラビアガム、カゼインなどの多糖類など)が挙げられる。
また、分散剤としては、界面活性剤も挙げられる。上記界面活性剤としては、アニオン性界面活性剤が好ましく挙げられ、アルキル硫酸塩化合物がより好ましく挙げられる。
また、本開示に係る分散物中において、上記分散剤又は上記重合体におけるスルホン酸基の少なくとも一部又は全てが、スルホン酸塩基となっていてもよい。
上記スルホン酸基を有する重合体は、スルホン酸基又はスルホン酸塩基のいずれかを有していても、その両方を有していてもよいが、分散性の観点から、スルホン酸塩基を少なくとも有していることが好ましい。
また、上記スルホン酸塩基における塩としては、特に制限はないが、凝集抑制性及び保存安定性の観点から、アルカリ金属塩又はアンモニウム塩であることが好ましく、アルカリ金属塩であることがより好ましい。
すなわち、本開示に係る分散物は、上記分散剤として、水酸化カルシウム粒子の凝集抑制、及び、上記体積平均粒子径及び上記D90の範囲を容易に達成する観点から、スルホン酸基及びカルボン酸基を有する重合体を更に含有することが好ましい。
また、本開示に係る分散物中において、上記重合体におけるカルボン酸基の少なくとも一部又は全てが、カルボン酸塩基となっていてもよい。
また、上記カルボン酸塩基における塩としては、特に制限はないが、凝集抑制性及び保存安定性の観点から、アルカリ金属塩又はアンモニウム塩であることが好ましく、アルカリ金属塩であることがより好ましい。
これらの中でも、上記重合体は、分散性の観点から、スルホン酸基を有するアクリル樹脂であることが好ましく、スルホン酸基を有する(メタ)アクリル酸又はその塩の共重合体であることがより好ましい。
また、上記スルホン酸基を有する重合体におけるスルホン酸基の含有量は、水酸化カルシウム粒子の凝集抑制、及び、上記体積平均粒子径及び上記D90の範囲を容易に達成する観点から、上記重合体の全質量に対し、12質量%以上であることが好ましい。
なお、本開示における上記重合体におけるスルホン酸基の含有量とは、上記重合体の
全質量に対し、上記重合体が有する全てのスルホン酸基及びスルホン酸塩基を-SO3Hとして換算した含有質量割合である。
分散剤試料100μLを秤量し、硝酸5mLを添加する。これを石英容器にてマイクロウェーブ装置(Milestone General社製UltraWave)にて260℃で灰化する。これに純水を40mLとなるよう追加し、これを10倍に希釈したものを、誘導結合プラズマ発光分光分析装置(ICP-OES、パーキンエルマー社製Optima7300DV)にて硫黄量を定量する。この量から分散剤中のスルホン酸基の含有量を計算し、分散剤全体の量で割ることで、スルホン酸基の含有量を算出する。
また、上記スルホン酸基及びカルボン酸基を有する重合体におけるカルボン酸基の含有量は、水酸化カルシウム粒子の凝集抑制、及び、上記体積平均粒子径及び上記D90の範囲を容易に達成する観点から、上記重合体の全質量に対し、10質量%以上であることが好ましい。
なお、本開示における上記重合体におけるカルボン酸基の含有量とは、上記重合体の
全質量に対し、上記重合体が有する全てのカルボン酸基及びカルボン酸塩基を-COOHとして換算した含有質量割合である。
分散剤試料を固形分濃度3質量%となるよう純水で調整した後、1mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液を添加し、pHを12.0まで引き上げる。その後200μLずつ1mol/Lの塩酸を添加しながらpH値を記録(Mother Tool社製PH-230SD)し、図3に示すようなpH測定曲線を得る。
上記pH測定曲線から求めた下記EP1、及び、下記EP2を、以下の式に入れて、分散剤1g中におけるカルボン酸基の濃度(mg/g)を求め、これを分散剤におけるカルボン酸基の含有量(質量%)に変換する。
分散剤1g中におけるカルボン酸基の濃度(mg/g)=(EP2-EP1)×FA1×C1×K1/SIZE
EP1:第一終点滴定量(mL)
EP2:第二終点滴定量(mL)
FA1:滴定液のファクタ(1.004)
C1:濃度換算係数(44mg/mL)
K1:単位換算係数(1)
SIZE:試料採取量(3g)
本開示における重合体の重量平均分子量(Mw)は、特に断りのない限り、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定するものとする。
また、上記スルホン酸基を有する重合体は、1種単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
本開示に係る分散物における分散剤の含有量、好ましくはスルホン酸基を有する重合体の含有量は、分散性の観点から、分散物の全質量に対し、0.01質量%~50質量%であることが好ましく、0.02質量%~30質量%であることがより好ましく、0.05質量%~20質量%であることが更に好ましく、0.05質量%~10質量%であることが特に好ましい。
その他の成分としては、特に制限はなく、用途に応じ適宜選択することができ、例えば、紫外線吸収剤、防腐剤、pH調整剤、消泡剤、界面活性剤、着色剤等の公知の添加剤を用いることができる。
また、本開示に係る分散物中のナトリウムイオンの含有量は、分散性、及び、保存安定性の観点から、上記分散物の全質量に対し、2,000ppm以下であることが好ましく、1,000ppm以下であることがより好ましく、750ppm以下であることが特に好ましい。
分散物50μLを秤量し、ここに硝酸5mLを添加する。これを石英容器にてマイクロウェーブ装置(Milestone General社製UltraWave)にて260℃で灰化する。これに純水を50mLとなるよう追加し、ICP-OES(パーキンエルマー社製Optima7300DV)にてNa量を定量し、分散物におけるナトリウムイオンの含有量(単位:ppm)を算出する。
本開示に係る分散物における分散媒中に溶解している水酸化カルシウムの濃度は、特に制限はないが、分散性、及び、保存館定性の観点から、飽和濃度の80質量%~100質量%であることが好ましく、飽和濃度の90質量%~100質量%であることがより好ましい。
本開示に係る分散物の製造方法は、本開示に係る分散物を製造する方法であれば、特に制限はなく、例えば、フロー式反応装置を用いた分散物の製造方法であっても、バッチ法による分散物の製造方法であってもよいが、フロー式反応装置を用いた分散物の製造方法が好ましく挙げられる。
中でも、本開示に係る分散物を容易に製造する観点から、カルシウム塩化合物及び上記分散媒を含む溶液(以下、「カルシウム塩含有溶液」ともいう。)と、塩基性化合物、上記分散剤及び上記分散媒を含む溶液(以下、「塩基性化合物含有溶液」ともいう。)と、をフロー式反応装置により反応させる工程を含む方法であることが好ましい。
カルシウム塩化合物としては、炭酸カルシウム、乳酸カルシウム、リン酸カルシウム、グルコン酸カルシウム、酢酸カルシウム、蟻酸カルシウム、硝酸カルシウムが挙げられる。これらの中でも、炭酸カルシウム、酢酸カルシウム、蟻酸カルシウム、又は、硝酸カルシウムが好適に挙げられ、酢酸カルシウムがより好適に挙げられる。
また、カルシウム塩化合物としては、水溶性カルシウム塩化合物であることが好ましい。本開示における水溶性カルシウム塩化合物とは、水への25℃における溶解度が1質量%以上の溶解性を有するものを意味する。
カルシウム塩含有溶液に含まれるカルシウム塩化合物の含有量は、特に制限はなく、得られる分散物における水酸化カルシウム粒子の量等を考慮し、適宜選択することができる。
カルシウム塩含有溶液に含まれる分散媒の含有量は、特に制限はなく、塩基性化合物含有溶液における分散媒の量等を考慮し、適宜選択することができる。中でも、分散媒としては、水を含むことが好ましい。
また、カルシウム塩含有溶液は、上記分散剤を含んでいてもよい。分散剤の好ましい態様は、上述した分散剤と同様である。
カルシウム塩含有溶液に含まれる分散剤の含有量は、特に制限はなく、得られる分散物における分散剤の量、塩基性化合物含有溶液における分散剤の量等を考慮し、適宜選択することができる。
カルシウム塩含有溶液に含まれるカルシウム塩化合物の含有量は、特に制限はないが、上記カルシウム塩化合物1モル当量と反応し水酸化カルシウムを生成するために必要な塩基性化合物のモル当量に対し、0.8倍モル当量~1.2倍モル当量であることが好ましく、0.85倍モル当量~1.15倍モル当量であることがより好ましく、0.9倍モル当量~1.1倍モル当量であることが特に好ましい。
具体的には、例えば、酢酸カルシウム1モル当量には、水酸化リチウム2モル当量が反応し、水酸化カルシウムを生成する。
塩基性化合物含有溶液に含まれる分散媒の含有量は、特に制限はなく、カルシウム塩含有溶液における分散媒の量等を考慮し、適宜選択することができる。中でも、分散媒としては、水を含むことが好ましい。
また、塩基性化合物含有溶液に含まれる分散剤は、上述した分散剤であり、好ましい態様も同様である。
塩基性化合物含有溶液に含まれる分散剤の含有量は、特に制限はなく、得られる分散物における分散剤の量、及び、カルシウム塩含有溶液における分散剤の量等を考慮し、適宜選択することができる。
フロー式反応装置としては、カルシウム塩含有溶液と塩基性化合物含有溶液とを送液しながら反応させる装置であれば、特に制限はないが、T字型ミキサーが好ましく挙げられる。
T字型ミキサーは、T字管の構造体である。T字型ミキサーとしては、図1の実施形態のものが好適に用いられる。T字型ミキサーにおいて、T字型ミキサーが有する3つの開口部のうち、第1流路が接続される開口部は任意の1つである。また、第2流路が接続される接続部は、第1流路が接続される開口部を除く2つの開口部のうちいずれでもよい。また、第1流路と第2流路はそれぞれ、T字型ミキサーの互いに対向する開口部に接続されることが好ましい。
T字型ミキサの開口部の断面形状に特に制限はなく、円形、楕円形の他、矩形、正方形等の多角形状であってもよい。ミキサー内部で液の滞留を生じにくくする観点から、T字型ミキサの管の断面形状は円形であることがより好ましい。
等価直径(equivalent diameter)は、相当(直)径とも呼ばれ、機械工学の分野で用いられる用語である。任意の管内断面形状の配管若しくは流路、又は、開口部に対し等価な円管を想定するとき、その等価円管の管内断面の直径を等価直径という。例えば、(社)日本機械学会編「機械工学事典」1997年、丸善(株)を参照することができる。
本開示に係る分散物は、水酸化カルシウムを使用する種々の用途に用いることができ、例えば、コンクリート、モルタル、漆喰等の建築材料の補強材、酸性化した河川や土壌の中和剤、凝集剤、排ガス中の硫黄酸化物の除去剤、カルシウム硬度を調整する水質調整剤、水性インキ、脱臭剤、塗料、セメント混和剤、工作機械用の腐食防止剤、抗菌剤、潤滑剤、及び、難燃化充填剤等に用いられる。
中でも、建築材料の補強材に好適に用いることができ、コンクリートの補強材により好適に用いることができる。
本開示に係る建築材料の補強材は、本開示に係る分散物を含有する。
上記建築材料としては、コンクリート、モルタル、漆喰等が挙げられ、コンクリートが好ましく挙げられる。すなわち、本開示に係る建築材料の補強材は、コンクリートの補強材であることが好ましい。
本開示に係る建築材料の補強材は、アルカリ金属ケイ酸塩を更に含有していてもよい。 また、任意で、アルカリ金属源、酸、着色剤、充填材、水、溶剤等を更に含有していてもよい。また、建築材料の補強時において、本開示に係る分散物(本開示に係る建築材料の補強材)と、アルカリ金属ケイ酸塩とを逐次、あるいは交互に使用してもよい。
本開示にかかる建築材料の補強材は、シラン系絶縁材を更に含有していてもよい。
また、任意で、アルカリ金属源、酸、着色剤、充填材、水、溶剤等を更に含有してもよい。本開示に用いることができるシラン系絶縁材としては、アルキルアルコキシシラン、アルキルアルコキシシロキサン、イソブチルトリエトキシシラン、オクチルトリエトキシシラン、低粘性のプロピルエトキシシロキサン、又はこれら二種以上を含有するもの、あるいはこれらの縮合物を採用することができる。また、場合によりアミノ基を有する化合物、例えば、アミノシラン、アミノプロピルトリエトキシシラン、または使用されるシラン系と混和可能であるアミノアルコール、ジエチルアミノエタノールと混合して、長鎖のカルボン酸、又は、上記カルボン酸のカルシウム塩若しくはマグネシウム塩、ジノニルナフタリンスルホン酸カルシウムと混合して、場合によりその他の成分(例えば水、溶剤または加工助剤)を付与又は添加したものを含有させることにより、絶縁剤として採用することができる。更に、これらの成分を良好に混合若しくは一緒に撹拌することによって、オルガノシラン又はオルガノシロキサンその他成分を含有するものを採用することができる。
また、建築材料の補強時において、本開示に係る分散物(本開示に係る建築材料の補強材)と、シラン系絶縁材とを逐次、あるいは交互に使用してもよい。
第一工程では、建築材料表面に対して、アルカリ金属ケイ酸塩及び水を含む第一の組成物と供給する。第一の組成物の調製方法は、特に限定されないが、アルカリ金属ケイ酸塩を、水によって希釈してよく撹拌する方法が挙げられる。
建築材料表面への供給方法は、適用する対象に併せて適宜変更可能であり、表面への塗布であっても、クラック等への注入であってもよい。塗布の場合、第一の組成物を、噴霧器、刷毛、ローラー等(施工場所状況により選択)にて塗布し建築材料の表面に浸透させる。注入の場合、注射器等の付圧手段を用いて、クラック内に注入する。
第二工程では、建築材料表面に対して、本開示に係る建築材料の補強材(第二の組成物)を供給する。
また、第二工程に用いる本開示に係る建築材料の補強材は、アルカリ金属ケイ酸塩を更に含むことが好ましい。第二工程においてあらかじめアルカリ金属ケイ酸塩と混合して使用することによって、より高い施工効果を発揮することができる。
このように、2工程からなる補強方法の他に、本開示に係る分散物を第一工程で浸透させ、更に、アルカリ金属ケイ酸塩及び水を含む組成物を第二工程で浸透させる方法;本開示に係る分散物を第一工程で浸透させ、更に、水を含む組成物を第二工程で浸透させる方法;シラン系絶縁材と水とを含む組成物を第二工程で浸透させる方法などが好ましく挙げられる。
図1に示す構成のフロー式反応システム100を構築した。
図1中、1は第1流路、2は第2流路、3は合流領域、3aはT字型ミキサー、4は反応流路、5はカルシウム塩含有溶液導入手段(シリンジポンプ)、6は塩基性化合物含有溶液導入手段(シリンジポンプ)、7は回収容器、8は加熱領域、9は冷却領域、及びPは圧力計をそれぞれ示す。
第1流路1のうち下流側領域は、長さ50cm、外径1/16In(1.59mm)、内径1mmの管をコイル状に巻いた構造とし、加熱領域8内に配設した。加熱領域8は、本実施例ではオイルバスである。また、第2流路2のうち下流側領域も同様に、長さ50cm、外径1/16In(1.59mm)、内径1mmの管をコイル状に巻いた構造とし、加熱領域8内に配設した。
第1流路1及び第2流路2の下流側末端に内径0.5mmのT字型ミキサー3a(Upchrch社製)を設置し、カルシウム塩含有溶液及び塩基性化合物含有溶液が正面衝突するように、各流路とT字型ミキサー(商品名:ティーユニオン、Upchurch社製)の開口部(A及びB)とを接続した。T字型ミキサー残りの開口部Oを、コイル状に巻いた長さ2m、外径1/8In(3.18mm)、内径2.17mmの流路に接続してこの流路を加熱領域8(オイルバス(25℃))内に設置し、更にその下流に、コイル状に巻いた長さ1m、外径1/8In(3.18mm)、内径2.17mmの流路を接続し、冷却領域9内に設置した。冷却領域9の下流に回収容器7を設置し、反応液を回収する構成とした。
各実施例及び比較例の分散物について、原液(分散物自体)をBRUKER社製小角X線散乱装置NANOSTARにて測定した。測定データの解析として、超純水をブランク液として測定し、測定結果からバックグラウンドとして差し引いた。
また、粒度分布は、最大エントロピー法により算出した。
体積平均粒子径は、得られたデータの算術平均粒子径(MV)とした。
また、D90は、粒子径の体積比積算値90%での粒子径とした。
具体例として、実施例1の測定データ(粒度分布)を、図2に示す。図2の縦軸は、粒子の体積比率を表し、図2の横軸は、粒子の粒子径を表す。
分散剤試料100μLを秤量し、硝酸5mLを添加した。これを石英容器にてマイクロウェーブ装置(Milestone General社製UltraWave)にて260℃で灰化した。これに純水を40mLとなるよう追加し、これを10倍に希釈したものを、ICP-OES(パーキンエルマー社製Optima7300DV)にて硫黄量を定量した。この量から分散剤中のスルホン酸基の含有量を計算し、分散剤全体の量で割ることで、スルホン酸基の含有量を算出した。
分散剤試料を固形分濃度3質量%となるよう純水で調整した後、1mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液を添加し、pHを12.0まで引き上げた。その後200μLずつ1N(=mol/L)の塩酸を添加しながらpH値を記録(Mother Tool社製PH-230SD)し、図3に示す曲線を得た。図3の縦軸は、試料のpHを表し、図3の横軸は、塩酸の添加量を表す。
図3に示す曲線から求めたEP1、EP2を、以下の式に入れて、分散剤1g中におけるカルボン酸基の濃度(mg/g)を求め、これを分散剤におけるカルボン酸基の含有量(質量%)に変換した。
分散剤1g中におけるカルボン酸基の濃度(mg/g)=(EP2-EP1)×FA1×C1×K1/SIZE
EP1:第一終点滴定量(mL)
EP2:第二終点滴定量(mL)
FA1:滴定液のファクタ(1.004)
C1:濃度換算係数(44mg/mL)
K1:単位換算係数(1)
SIZE:試料採取量(3g)
分散物50μLを秤量し、ここに硝酸5mLを添加した。これを石英容器にてマイクロウェーブ装置(Milestone General社製UltraWave)にて260℃で灰化した。これに純水を50mLとなるよう追加し、ICP-OES(パーキンエルマー社製Optima7300DV)にてNa量を定量し、分散物におけるナトリウムイオンの含有量(Na濃度、単位:ppm)を算出した。
酢酸カルシウム及び分散剤(スルホン酸ナトリウム塩基(-SO3Na)を有するアクリル酸共重合体、東亞合成(株)製A-6012、Mw:10,000)を溶媒に溶解させて酢酸カルシウム溶液(酢酸カルシウム濃度0.114mol/L、分散剤濃度2.0質量%)を調製した。また、水酸化リチウム及び分散剤を溶媒に溶解させて水酸化リチウム溶液(水酸化リチウム濃度0.226mol/L)を調製した。
上記酢酸カルシウム水溶液100mL及び水酸化ナトリウム水溶液100mLを、それぞれガラス製シリンジ(容積100mL)に充填し、図1に示すフロー式反応システムのシリンジポンプにセットした。各液をそれぞれ2.5mL/minで送液した。このフロー式反応系において、加熱領域8の温度は25℃とした。反応流路を通過してきた液(分散粒子1を含む分散物)を回収容器(容積250mLのポリエチレン容器)に100mL回収した。分散物中、分散粒子1(水酸化カルシウム粒子)の含有量は、0.42質量%であった。
水酸化カルシウム粒子(有限会社井上満吉商店製M-300、粒径5μm)を含有量が0.42質量%、及び、A-6012の含有量が2質量%となるように水に添加し、合計0.7質量部を、マイクロチューブ(T334-5SPR、1.5mL、アズワン(株)製)に入れた。ここに更にジルコニアビーズ((株)ニッカトー製YTZ-0.3、0.3mm径)を0.3質量部添加し、デルタミキサー((株)タイテック製Se-08)にて2,800rpmで8時間振盪した。ここからジルコニアビーズを取り除き、比較例1の分散物を得た。
表1に記載のように、各成分及びその量を変更した以外は、実施例1と同様にして、水酸化カルシウム粒子の分散物を得た。
-バッチ合成による水酸化カルシウム粒子含有分散物の作製方法-
酢酸カルシウム及び分散剤(スルホン酸ナトリウム塩基(-SO3Na)を有するアクリル酸共重合体、東亞合成(株)製A-6012、Mw:10,000)を溶媒に溶解させて酢酸カルシウム溶液(酢酸カルシウム濃度0.114mol/L、分散剤濃度2.0質量%)を調製した。また、水酸化リチウム及び分散剤を溶媒に溶解させて水酸化リチウム溶液(水酸化リチウム濃度0.226mol/L)を調製した。
上記酢酸カルシウム水溶液のうち、50mLを、スターラーにて撹拌しながら、水酸化ナトリウム水溶液50mLを10秒かけて添加したのち、更に5分間攪拌し、分散液100mLを得た。
実施例5の分散物を5g用意し、ここに、50質量%量(2.5g)のアセトンを添加したところ、白濁(凝集)した。この液をアズワン(株)製遠心分離機CN-2060にて、遠心分離(3,000rpm(revolutions per minute)×4min)し、上澄み廃却した後、純水を水酸化カルシウム粒子の含有量が0.42質量%となるように添加し、スターラーにて撹拌し、再分散した。
実施例24の分散物を5g用意し、ここに、50質量%量(2.5g)のアセトンを添加したところ、白濁(凝集)した。この液をアズワン(株)製遠心分離機CN-2060にて、遠心分離(3,000rpm×4min)し、上澄み廃却した後、純水を水酸化カルシウム粒子の含有量が0.42質量%となるように添加し、スターラーにて撹拌し、再分散した。
最初に目視により、得られた分散物における沈殿の有無を観察し、以下の基準で分散性を評価した。
A:沈殿無く、目視で透明
B:沈殿無く、目視で白濁
沈殿:沈殿物あり
EG:エチレングリコール
ゼラチン:富士フイルム和光純薬(株)製、品番077-03155
PVA:ポリビニルアルコール、東京化成工業(株)製、製品コードP0469
SDS:ドデシル硫酸ナトリウム、富士フイルム和光純薬(株)製、品番192-14042
また、本開示に係る分散物は、含有する水酸化カルシウム粒子の体積平均粒子径及びD90が十分小さく、かつ分散性に優れるため、種々の物質への浸透性に優れ、例えば、コンクリートの補強材に用いた場合、コンクリート内部へより浸透することができ、好適であると考えられる。
本明細書に記載された全ての文献、特許出願、及び技術規格は、個々の文献、特許出願、及び技術規格が参照により取り込まれることが具体的かつ個々に記された場合と同程度に、本明細書に参照により取り込まれる。
Claims (9)
- X線小角散乱法で測定した分散物中での体積平均粒子径が1nm~20nmであり、かつX線小角散乱法で測定した分散物中での粒度分布において小径側から累積90体積%となる粒子径D90が50nm以下である水酸化カルシウム粒子、
スルホン酸基及びカルボン酸基を有する重合体、及び、
分散媒を含有し、
前記水酸化カルシウム粒子の含有量が、分散物の全質量に対し、0.18質量%~2.1質量%であり、
前記水酸化カルシウム粒子における水酸化カルシウムの含有量が、80質量%以上であり、
前記重合体におけるスルホン酸基の含有量が、前記重合体の全質量に対し、5.1質量%以上であり、
前記重合体におけるカルボン酸基の含有量が、前記重合体の全質量に対し、8.8質量%以上である
液状又はペースト状の分散物。 - 前記重合体の重量平均分子量が、3,000以上である請求項1に記載の分散物。
- 前記重合体におけるスルホン酸基の含有量が、前記重合体の全質量に対し、12質量%以上である請求項1又は請求項2に記載の分散物。
- 前記重合体におけるカルボン酸基の含有量が、前記重合体の全質量に対し、10質量%以上である請求項1~請求項3のいずれか1項に記載の分散物。
- 前記重合体の含有量が、前記分散物の全質量に対し、0.05質量%~10質量%である請求項1~請求項4のいずれか1項に記載の分散物。
- 前記分散媒が、水、又は、水とエチレングリコールとの混合物である請求項1~請求項5のいずれか1項に記載の分散物。
- 前記分散物中のナトリウムイオンの含有量が、前記分散物の全質量に対し、1,000ppm以下である請求項1~請求項6のいずれか1項に記載の分散物。
- 請求項1~請求項7のいずれか1項に記載の分散物を含有するコンクリート、モルタル又は漆喰の補強材。
- コンクリートの補強材である請求項8に記載の補強材。
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