JP7209526B2 - 液体洗浄剤組成物 - Google Patents
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Description
また食器及び/又は台所周りの洗浄には、洗浄剤を、水を含むスポンジなどに浸み込ませ、数回揉みながら泡立てて、対象物を擦り洗いする方法が一般的に行われている。この方法は食品由来の油脂汚れなどの頑固な汚れを落とすために必要な工程と考えられていたが、スポンジのとどかない細かい隙間や奥行きのある容器や器具を洗浄する場合に不便であった。そのような不便さを解決するために、泡状に洗浄剤を対象物に付着させて、擦らなくても一定時間放置後に濯ぐだけで高い洗浄力を有する技術が開発されている。すなわち、従来のようなスポンジを用いて擦り洗いする方法ではなく、泡状にスプレーして放置し、擦らずに洗う方法が提案されている。
また洗浄剤において起泡性は、洗浄力を想起させる審美的な観点、及びスプレーによる泡吐出する際の液だれや垂直面への付着性の観点から洗浄剤において重要な物性である。
特許文献2には、(a)脂肪酸と単糖類のモノアルキルエーテルとのエステルからなる糖エステル系界面活性剤、(b)HLB9~15のノニオン界面活性剤を所定の配合割合で含有する、仕上がり性に優れ、手肌にマイルドである、液体洗浄剤組成物が開示されている。
特許文献3には、(A)モノアルキルアミン又はN-アルキルプロピレンジアミンのポリオキシエチレン付加物又はポリオキシエチレンポリオキシプロピレン付加物、及びモノアルキルアミドのポリオキシエチレン付加物からなる群より選択される少なくとも1種と、(B)アルキルジメチルアミンオキサイド、アルキルジ(アミノメチル)グリシン、直鎖ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、及びラウリルジメチルアミノ酢酸ベダインからなる群より選択される少なくとも1種と、を所定の配合量で含む、洗浄性、起泡性及び油分分離性に優れる、洗浄剤組成物が記載されている。
特許文献4には、界面活性剤濃度が2質量%以下の界面活性剤水溶液の起泡性を、所定の組み合わせの水溶性有機溶剤を用いて向上させる、界面活性剤水溶液の起泡性の向上方法が開示されている。
本願明細書において、変性油とは、熱、日光、空気中の酸素等の作用により変質した油性分を含むものをいう。また熱変性油とは、熱により変性した油であり、熱により酸化した油成分を含むものをいう。
また本願明細書において、起泡性とは、泡の元となる液体洗浄剤組成物を、スプレイヤーを用いて発泡操作を行った時に発泡し、また垂直面に泡状で噴霧した際に泡の一部又は全てが滞留することをいう。
全界面活性剤中、(a)成分と(b)成分の合計含有量が50質量%以上であり、(a)成分の含有量と(b)成分の含有量との質量比(a)/(b)が、0.1以上20以下であり、(a)成分と(b)成分の合計含有量と(c)成分の含有量との質量比[(a)+(b)]/(c)が、1以上30以下である、液体洗浄剤組成物に関する。
R1c-O-(R2cO)t-H (c1)
〔式中、R1cは炭素数1以上5以下のアルキル基であり、R2cOは炭素数2以上3以下のアルキレンオキシ基であり、tは、R2cOの付加モル数であって、1以上3以下の数である。〕
本発明の液体洗浄剤組成物の洗浄性、起泡性の作用機序に関して必ずしも詳細が解明されたわけではないが、本発明者らは以下のように考える。本発明において、硬質表面に付着した熱変性油などの変性油を含む油汚れは、脂溶性が高い(b)成分により膨潤され(b)成分と特定比率の(a)成分を作用させることにより、更に油汚れを浮き上がらせることができるものと考えられる。しかしながら、硬質表面の洗浄において、(a)成分と(b)成分によって浮き上がった油汚れを硬質表面から水中へ分散させ更に再付着を抑制することができなければ、洗浄は不充分なものとなる。この油汚れの再付着を抑制し洗浄性を確保するためには、汚れ成分をより分散させることを目的にさらに過剰の界面活性剤を用いれば可能であるが、その場合、実機での洗浄作業においてすすぎ性を低下させ、それに起因して作業時間が長くなる等の不都合を生じる。そこで、本願発明者は、本発明に特定される液体洗浄剤組成物が、気泡を形成し気泡界面の液膜中に汚れ成分を保持することによって再付着を防止することができる事を見出した。油汚れに対して洗浄力を示す(a)成分と(b)成分の共存系において、本来(a)成分は、起泡性に優れることが知られているが、親水的な(a)成分と疎水的な(b)成分が共存すると、(a)成分が形成する気泡の気液界面を乱し起泡性が低下する課題が生じる。そこで、(a)成分、(b)成分と親和性が高く水にも溶解可能な(c)成分を、(a)成分と(b)成分の総量に対し特定比率で共存させることにより起泡することができ、油汚れを(a)成分、(b)成分及び(c)成分が形成する気泡界面の液膜中に保持することにより、洗浄性を向上することができたものであると推測される。この推定の根拠となる挙動は本発明の実施例における表4の結果から明らかである。すなわち、本発明は(a)成分と(b)成分の比率、(a)成分と(b)成分の総量に対する(c)成分の比率を限定することにより硬質表面から油汚れの脱離と適度な起泡性により油汚れの再付着を抑制する効果によって洗浄性を向上するものである。尚、本発明の効果は上記作用機序に制限されるものではない。
本発明の(a)成分は、炭素数7以上18以下の炭化水素基を有するアミンオキシド型界面活性剤である。
(a)成分の炭化水素基の炭素数は、起泡性、液物性(外観、粘度)及び洗浄性の観点から、7以上、好ましくは12以上、そして、18以下、好ましくは16以下、より好ましくは14以下である。また(a)成分の炭化水素基は、洗浄力の観点から、アルキル基、アルケニル基、又はアラルキル基が好ましく、アルキル基又はアルケニル基がより好ましく、アルキル基が更に好ましい。
また(a)成分は、起泡性、液物性(外観、粘度)及び洗浄性の観点から、炭化水素基の炭素数が異なる2種以上のアミンオキシド型界面活性剤を併用することが好ましい。(a)成分として、複数種の炭化水素鎖長が共存する界面活性剤が液体洗浄剤組成物中で形成する構造が、多くの化合物の混合物たる油汚れの剥離・分散を助長し、また起泡性も安定的に得られるものと考えられる。(a)成分として、炭化水素基の炭素数が異なる2種を用いる場合、起泡性、液物性(外観、粘度)及び洗浄性の観点から、炭素数7以上12以下の炭化水素基を有するアミンオキシド型界面活性剤と炭素数13以上18以下の炭化水素基を有するアミンオキシド型界面活性剤とを用いることが好ましく、炭素数12の炭化水素基を有するアミンオキシド型界面活性剤と炭素数14の炭化水素基を有するアミンオキシド型界面活性剤とを用いることがより好ましい。
(1)アルキル(炭素数8以上18以下)ジアルキル(炭素数1以上3以下)アミンオキサイド:カプリルジメチルアミンオキサイド、カプリンジメチルアミンオキサイド、ラウリルジメチルアミンオキサイド、ミリスチルジメチルアミンオキサイド、パルミチルジメチルアミンオキサイド、ステアリルジメチルアミンオキサイド等、
(2)アミド基含有型アミンオキサイド(一般式(a1)中、p=1の化合物):カプリル酸アミドプロピルジメチルアミンオキサイド、カプリン酸アミドプロピルジメチルアミンオキサイド、ラウリン酸アミドプロピルジメチルアミンオキサイド、ミリスチン酸アミドプロピルジメチルアミンオキサイド等
が挙げられ、これらは1種又は2種以上を用いることができる。
(a)成分は、起泡性、液物性(外観、粘度)及び洗浄性の観点から、(1)アルキル(炭素数8以上18以下)ジアルキル(炭素数1以上3以下)アミンオキサイドが好ましく、カプリルジメチルアミンオキサイド、ラウリルジメチルアミンオキサイド、及びミリスチルジメチルアミンオキサイドから選ばれる1種以上がより好ましく、ラウリルジメチルアミンオキサイド、及びミリスチルジメチルアミンオキサイドから選ばれる1種以上が更に好ましく、ラウリルジメチルアミンオキサイド、及びミリスチルジメチルアミンオキサイドを併用することがより更に好ましい。
本発明の(b)成分は、HLBが1以上10以下の非イオン界面活性剤である。但し、本発明の(b)成分は、(c)成分に該当するものは除かれる。
HLB値=20×(MH/M) [MH:親水基部分の分子量、M:分子量]
親水基部分であるポリオキシアルキレン基のオキシアルキレン基の付加モル数に分布を有する場合には、付加モル数の平均値を用いて親水基部分の分子量を求めることとする。
また、エステル型非イオン界面活性剤の場合には下式により求める。
HLB値=20×(1-S/A) [S:エステルのケン化価、A:脂肪酸の酸価]
これらのHLBの計算にあたっては、「油化学 第13巻 第4号」(1964)36-39頁、早野茂夫、東京大学生産技術研究所に記載の方法を参考にすることができる。
なお、グリフィン氏の方法ではHLBを求めることができない非イオン界面活性剤については、HLBは実験によって求めた値を採用するものとする。実験方法は「界面活性剤便覧」産業図書株式会社版、西 一郎ら編集、昭和41年1月10日第5刷、319頁記載の方法を採用する。
すなわち、(b)成分は、グリフィン氏の方法及び前記実験方法で求められたHLBの少なくとも一方が1以上10以下の非イオン界面活性剤である。以下、非イオン界面活性剤についてHLBという場合、特記しない限り、前記の2つの方法で求められたHLBを意味する。
(b1)アルキル基又はアルケニル基の炭素数が8以上24以下であり、オキシエチレン基の付加モル数が1以上3以下である、モノ又はポリオキシエチレンアルキル又はアルケニルアミンであって、HLBが1以上10以下の非イオン界面活性剤[以下、(b1)成分という]、及び
(b2)2以上10以下のヒドロキシ基を有する多価アルコールと炭素数8以上18以下の脂肪酸とのエステルであって、HLBが1以上10以下の非イオン界面活性剤[以下、(b2)成分という]から選ばれる1種以上の非イオン界面活性剤が好ましく、(b1)成分がより好ましい。
本発明の液体洗浄剤組成物において、アルキル基又はアルケニル基の炭素数が8以上24以下であり、オキシエチレン基の付加モル数が1以上8以下である、モノ又はポリオキシエチレンアルキル又はアルケニルアミン中、(b1)成分の含有量は、起泡性、液物性(外観、粘度)及び洗浄性の観点から、好ましくは50質量%以上、より好ましくは60質量%以上、更に好ましくは70質量%以上、より更に好ましくは80質量%以上、そして、好ましくは100質量%以下である。
本発明の液体洗浄剤組成物において、アルキル基又はアルケニル基の炭素数が8以上24以下であり、オキシエチレン基の付加モル数が1以上8以下である、モノ又はポリオキシエチレンアルキル又はアルケニルアミン中、アルキル基又はアルケニル基の炭素数が8以上14以下であり、オキシエチレン基の付加モル数が1以上3以下である、モノ又はポリオキシエチレンアルキル又はアルケニルアミンの含有量は、起泡性、液物性(外観、粘度)及び洗浄性の観点から、好ましくは50質量%以上、より好ましくは60質量%以上、更に好ましくは70質量%以上、より更に好ましくは80質量%以上、そして、好ましくは100質量%以下である。
[式中、R1bは炭素数8以上24以下のアルキル基又はアルケニル基であり、R2bOは炭素数2又は3のアルキレンオキシ基であり、m及びnは、R2bOの平均付加モル数であって、m+nは1以上3以下の数である。但し、前記化合物のHLBは1以上10以下である。]
(b2)成分を構成する多価アルコールとしては、グリセリン、ソルビタン、ジグリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、及びソルビトールから選ばれる1種以上が挙げられ、起泡性、液物性(外観、粘度)及び洗浄性の観点から、グリセリン、及びソルビタンから選ばれる1種以上が好ましい。
(b2)成分を構成する脂肪酸の炭素数は、洗浄力の観点から、8以上、更に10以上、更に12以上、そして、18以下、更に16以下、更に14以下から選択できる。
本発明の(c)成分は、下記一般式(c1)で表される化合物である。
R1c-O-(R2cO)t-H (c1)
〔式中、R1cは炭素数1以上5以下のアルキル基であり、R2cOは炭素数2以上3以下のアルキレンオキシ基であり、tは、R2cOの付加モル数であって、1以上3以下の数である。〕
本発明の液体洗浄剤組成物は、(a)成分を、洗浄性、起泡性、スプレー吐出性、保存安定性の観点から、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは、0.5質量%以上、更に好ましくは1質量%以上、そして、スプレー吐出性、保存安定性の観点から、好ましくは20質量%以下、より好ましくは10質量%以下、更に好ましくは8質量%以下含有する。
ここで、当該粘度は、実施例に記載の方法で測定されたものである。
また本発明の液体洗浄剤組成物は、泡の状態で硬質物品、好ましくは食器及び/又は台所周りの硬質物品に、適用することが好ましい。すなわち本発明は、泡の状態で硬質物品、好ましくは食器及び/又は台所周りの硬質物品に適用するための液体洗浄剤組成物あることが好ましい。
本発明の洗浄方法は、前記本発明の液体洗浄剤組成物を、原液又は希釈して、泡の状態で、変性油、特に熱変性油を含む油汚れが付着した硬質物品、好ましくは食器及び/又は台所周りの硬質物品に接触させる方法である。この方法は、手や道具の届かない部位や届きにくい細部の洗浄に好適である。
本発明の洗浄方法では、前記液体洗浄剤組成物を希釈せずに泡状にして、例えば変性油、特に熱変性油を含む油汚れが付着した硬質物品と接触させ、機械力などの外力をかけずに洗浄することが好ましい。
本発明の洗浄方法では、前記液体洗浄剤組成物を希釈せずに泡状にして、例えば変性油、特に熱変性油を含む油汚れが付着した硬質物品と接触させ、機械力などの外力をかけずに放置して洗浄することが好ましい。
機械力などの外力をかけずに硬質物品を洗浄するとは、例えば、組成物の接触以外に、洗浄のための外力を意図的に対象物に負荷する操作を行わないことである。例えば、接触させた組成物が硬質物品の表面を自然に流下することや、洗浄を意図しない振動が硬質物品に伝わることなどは、機械力などの外力をかけずに硬質物品を洗浄すると理解できる。
前記液体洗浄剤組成物を希釈せずに変性油、特に熱変性油を含む油汚れが付着した硬質物品と接触させる、とは、該洗浄剤組成物を、意図的に水などで希釈した後、食品に由来する液体油を含有する汚れの付着した硬質物品と接触させないことである。例えば、前記液体洗浄剤組成物を水滴等が付着した硬質物品と接触させたり、前記液体洗浄剤組成物を硬質物品に接触させた後、硬質物品に水滴が付着したりする場合は、前記液体洗浄剤組成物を希釈せずに変性油、特に熱変性油を含む油汚れが付着した硬質物品と接触させていると理解できる。
放置した後は、硬質物品を水で濯ぐ。濯ぐ際は、手などで外力(物理的力)を掛けてもよく、単に水流で濯いでもよい。
本発明の洗浄方法として、前記液体洗浄剤組成物を、変性油、特に熱変性油を含む油汚れが付着した硬質物品に、泡状にして接触させ、可撓性材料による洗浄、流水による洗浄、及び超音波による洗浄の何れも行わず、機械力などの外力をかけずにそのまま放置する、洗浄方法が挙げられる。つまり、本発明の洗浄方法として、前記液体洗浄剤組成物を、変性油、特に熱変性油を含む油汚れが付着した硬質物品に泡状にして接触させ、スポンジ等の可撓性材料による摩擦力、自動食器用洗浄機内のシャワー等による流水力、及び超音波による振動の何れも用いることなく、機械力などの外力をかけずにそのまま放置する洗浄方法が挙げられる。
本発明の洗浄方法では、前記液体洗浄剤組成物を、水で希釈する場合、希釈倍率は、好ましくは1倍を超え、より好ましくは2倍以上、更に好ましくは10倍以上、より更に好ましくは100倍以上、そして、好ましくは1000倍以下、より好ましくは800倍以下、より更に好ましくは500倍以下である。
なお、放置する際の温度は、室温、例えば、10℃以上30℃以下が挙げられる。
台所周りの硬質物品は、台所の周辺で使用される物品であり、具体的には、
(1)冷蔵庫、食器棚などの食品、食器、調理器具の保存場所、
(2)排水溝、調理台、レンジフード、シンク、ガスレンジ、電子レンジなどの食品の調理場所、及び
(3)前記保存場所や前記調理場所の周辺の床や壁等
である。本発明では、これらを便宜上「台所周りの硬質物品」とする。
また、食器としては、具体的には、
(i)皿、椀等のいわゆる食器、
(ii)タッパー、瓶等の保存容器、
(iii)包丁やまな板、鍋、フライパン、魚焼きグリル等の調理器具、
(iv)フードプロセッサー、ミキサー等の調理家電等
の食材が接触する部材や器具が挙げられる。本発明では、これらを便宜上「食器」とする。
また、本発明の洗浄方法は、食器、保存容器、調理器具、及び調理家電から選ばれる物品を対象とすることが好ましく、更に皿、椀、タッパー、ビン、包丁、まな板、鍋、フライパン、魚焼きグリル、フードプロセッサー、及びミキサーから選ばれる物品を対象とすることがより好ましい。
そのため、本発明の洗浄方法は、
(1)食品製造機器、冷蔵庫、食器棚などのパイプ、部品及び排水溝、水筒、タンブラー、やかん、ポット等の手洗い洗浄が不便な物品、
(2)食品、食器、調理器具の保存場所、調理台、レンジフード、シンク、ガスレンジ、電子レンジなどの食品の調理場所及びその周辺の床や壁等の台所周り等の変性油、特に熱変性油を含む油汚れが広範に及ぶ硬質表面を有する物品、
(3)包丁、ピーラー、おろし金、スライサー、ジューサーの羽根、フードプロセッサーの羽根等の手洗い洗浄に危険が伴う物品、
(4)形状が複雑な部分を具備する物品
といった、スポンジ等の可撓性材料を用いた洗浄が困難な物品等にも適用することができる。尚、本発明では、機械力などの外力をかけずに硬質物品を洗浄した後、必要により、擦り洗いを行ってもよい。
更に、本発明の洗浄方法は、泡状の前記液体洗浄剤組成物を、硬質物品に塗布してそのまま放置するため、硬質物品に前記組成物を長く留めることができる。
(a)成分
・ラウリルジメチルアミンオキサイド:アンヒトール20N(花王(株)製)、一般式(a1)において、R1aがラウリル基、R2a、R3aがメチル基、p=0の化合物
・ミリスチルジメチルアミンオキサイド:アンヒトール40N(花王(株)製)、一般式(a1)において、R1aがミリスチル基、R2a、R3aがメチル基、p=0の化合物
・ポリオキシエチレン(2.1)ココアルキルアミン:(b1)成分、アミート102(花王(株)製)、炭素数8~18のアルキル基であり、オキシエチレン基の平均付加モル数が2.1のポリオキシエチレンアルキルアミン(HLB6.3)、一般式(b1)において、R1bが炭素数8~18のアルキル基、R2bOがエチレンオキシ基、m+nが2.1の化合物
・オレイン酸モノグリセライド:(b2)成分、エキセルO-95R(花王(株)製)、グリセリンとオレイン酸とのモノエステル(HLB3.5)
・ヤシ油脂肪酸ソルビタン:(b2)成分、レオドールスーパー SP-L10(花王(株)製)、ソルビタンとヤシ油脂肪酸(炭素数8~18)とのモノエステル(HLB8.6)
・1-メトキシ-2-プロパノール:一般式(c1)中、R1cがメチル基、R2cOがプロピレンオキシ基、tが1の化合物
・ジプロピレングリコールモノメチルエーテル:一般式(c1)中、R1cがメチル基、R2cOがプロピレンオキシ基、tが2の化合物
・2-エトキシエタノール:一般式(c1)中、R1cがエチル基、R2cOがエチレンオキシ基、tが1の化合物
・2-(2-エトキシエトキシ)エタノール):一般式(c1)中、R1cがエチル基、R2cOがエチレンオキシ基、tが2の化合物
・エチレングリコールモノブチルエーテル:一般式(c1)中、R1cがブチル基、R2cOがエチレンオキシ基、tが1の化合物
・2-(2-n-ブトキシエトキシ)エタノール:一般式(c1)中、R1cがブチル基、R2cOがエチレンオキシ基、tが2の化合物
・トリエチレングリコールモノブチルエーテル:一般式(c1)中、R1cがブチル基、R2cOがエチレンオキシ基、tが3の化合物
・1-ブトキシ-2-プロパノール:一般式(c1)中、R1cがブチル基、R2cOがプロピレンオキシ基、tが1の化合物
・ジプロピレングリコールモノブチルエーテル:一般式(c1)中、R1cがブチル基、R2cOがプロピレンオキシ基、tが2の化合物
・2-イソブトキシエタノール:一般式(c1)中、R1cがイソブチル基、R2cOがエチレンオキシ基、tが1の化合物
・2-(2-イソブトキシエトキシ)エタノール:一般式(c1)中、R1cがイソブチル基、R2cOがエチレンオキシ基、tが2の化合物
・2-ヘキシルオキシエタノール:一般式(c1)中、R1cがヘキシル基、R2cOがエチレンオキシ基、tが1の化合物
・ジエチレングリコールモノ(2-エチルヘキシル)エーテル:一般式(c1)中、R1cが2-エチルヘキシル基、R2cOがエチレンオキシ基、tが2の化合物
・エチレングリコール
・プロピレングリコール
・エタノール
調製した各液体洗浄剤組成物40mL、又は前記各液体洗浄剤組成物を水で3倍に希釈した組成物40mLを、50mLのサンプルビン(No.6広口規格ビン、ガラス製、直径40mm、高さ80mmの円筒形、ビンの周面に評価確認用の文字が印字されている)に充填し、蓋をした後、25℃の恒温槽内で1時間静置した。静置後の組成物の外観を目視で観察し、下記の基準で判定した。結果を表1~3に示す。
透明均一:濁りがなく、サンプルビン越しの文字が鮮明に見える状態
微々濁 :濁りが若干あり、サンプルビン越しの文字が霞んで見える状態
微濁 :濁りがあり、サンプルビン越しの文字が僅かに見える状態
白濁分離:濁りがあり、サンプルビン越しの文字が全く見えない状態
TOKIMEC INC.製B型粘度計モデルBMに、ローター番号No.1のローターを備え付けたものを準備した。各液体洗浄剤組成物、又は前記各液体洗浄剤組成物を水で3倍に希釈した組成物を粘度測定用ビーカーに充填し、25℃の恒温水槽中で充分に温度調節した。組成物の入ったビーカーを粘度計にセットし、ローター回転数を60r/minとして測定した60秒後の値を、組成物の粘度とした。結果を表1~3に示す。
各液体洗浄剤組成物、又は前記各液体洗浄剤組成物を水で3倍に希釈した組成物を、業務用スプレー(業務用つめかえスプレー容器、花王(株)製)を用いて、縦置きしたステンレス角型バット(アズワン(株)製、199mm×140mm×18mm)の垂直面に泡状で5ml(スプレーのトリガーを5回引いた)噴霧した。噴霧直後の泡質を目視で観察し、下記の判定基準により起泡性を評価した。結果を表1~4に示す。
判定基準
0点:泡立ちがない。
1点:泡立ちがあり、垂直面に付着した泡の滞留はなかった。
2点:泡立ちがあり、垂直面に付着した泡の一部が滞留した。
3点:泡立ちがあり、垂直面に付着した泡の全てが滞留した。
ナタネ油(和光純薬工業(株)製)を180℃で8時間静置して加熱することにより熱変性油を調製した。調製した熱変性油を、予め下4桁の電子天秤を用いて秤量したテストピース(エンジニアリングテストサービス社製、SUS304、1mm×25mm×70mm)(x)に約1mg/cm2塗布した後、下4桁天秤を用いて秤量した(y)。
以下の式で熱変性油の洗浄率を求めた。熱変性油の洗浄率の結果を表4に示す。また表1~3の実施例、比較例の熱変性油の洗浄率は全て60%以上であった。
洗浄率(%)={(y)-(z)}/{(y)-(x)}×100
Claims (5)
- (a)炭素数7以上18以下の炭化水素基を有するアミンオキシド型界面活性剤[以下、(a)成分という]、(b)下記一般式(b1)で表される化合物[以下、(b)成分という]、及び(c)下記一般式(c1)で表される化合物[以下(c)成分という]を含有し、
全界面活性剤中、(a)成分と(b)成分の合計含有量が50質量%以上であり、(a)成分の含有量と(b)成分の含有量との質量比(a)/(b)が、0.5以上20以下であり、(a)成分と(b)成分の合計含有量と(c)成分の含有量との質量比[(a)+(b)]/(c)が、1以上30以下である、液体洗浄剤組成物。
[式中、R1bは炭素数12以上18以下のアルキル基又はアルケニル基であり、R2bOは炭素数2又は3のアルキレンオキシ基であり、m及びnは、R2bOの平均付加モル数であって、m+nは1以上3以下の数である。但し、前記化合物のHLBは1以上10以下である。]
R1c-O-(R2cO)t-H (c1)
〔式中、R1cは炭素数1以上5以下のアルキル基であり、R2cOは炭素数2以上3以下のアルキレンオキシ基であり、tは、R2cOの付加モル数であって、1以上3以下の数である。〕 - 前記液体洗浄剤組成物中、(d1)陰イオン界面活性剤の含有量が1質量%以下である、請求項1に記載の液体洗浄剤組成物。
- 前記液体洗浄剤組成物の25℃におけるpHが、6以上8以下である、請求項1又は2に記載の液体洗浄剤組成物。
- 食器及び/又は台所周りの硬質物品用である、請求項1~3の何れか1項に記載の液体洗浄剤組成物。
- 請求項1~4の何れか1項に記載の液体洗浄剤組成物を、泡形成機構を有するスプレイヤーを具備する容器に充填してなる洗浄剤物品。
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