JP7208478B2 - 発光装置及びその製造方法 - Google Patents
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Description
<発光装置>
はじめに、第1実施形態に係る発光装置について説明する。
図1Aは、第1実施形態に係る発光装置の構成を模式的に示す斜視図である。図1Bは、図1のIB-IB線における断面図である。
また、発光装置1は、図面では、平面形状が矩形の発光装置を示したが、これに限定されものではなく、多角形、円形又は楕円形であってもよい。さらに、発光装置1は、複数の発光素子5が載置された発光装置であってもよい。以下、各構成について説明する。
発光素子5は、光取り出し面3aと、光取り出し面3aの反対側に位置する電極形成面3bと、を備える半導体積層体3と、電極形成面3bに備えられた一対の素子電極4と、を有する。また、発光素子5の光取り出し面3aは、接合樹脂8を介して透光性樹脂6の下面と接合している。接合樹脂8の材料としては、シリコーン、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、又はこれらの変性樹脂が挙げられる。
素子電極4としては、電気抵抗が低い材料が好ましく、Au、Cu、Ni、Al、Ptなどの金属やこれらの合金の単層、又は多層膜を用いることができる。素子電極4は、例えば、Cu単層又はCu/Ni積層膜を半導体積層体3の上層側とし、Au又はAuSn合金を積層した多層膜とすることができる。
透光性樹脂6が透光性樹脂凸部6cを有することにより、透光性樹脂6がタック性の高
い樹脂で構成されていても、透光性樹脂6同士の接触面積が小さくなるため、選別装置や整列装置内で発光装置1同士の互いの付着が抑制される。その結果、発光装置1の搬送が容易となる。また、発光装置1の梱包体においても、搬送時の振動等によって発光装置1の透光性樹脂6側がカバーテープへ付着することが抑制されるため、発光装置1の取り出しが容易となる。なお、透光性樹脂6の透光性樹脂凸部6cは、発光装置1の製造の際の透光性樹脂分離工程S108及び個片化工程S109において、透光性樹脂6の上面に成形された被覆樹脂7が収縮することよって、透光性樹脂6も収縮して形成される。
図1Bに示すように、被覆樹脂7は、素子電極4の下面を露出させた状態で発光素子5の側面(半導体積層体3の側面)と、透光性樹脂6の下面と、を被覆する樹脂である。被覆樹脂7は、光を反射する樹脂であることが好ましい。被覆樹脂7は、半導体積層体3が発光し、横方向又は上方向に進行する光を、発光素子5の光取り出し面である透光性樹脂6側に反射する部材である。被覆樹脂7の下面の少なくとも一部は、発光素子5の周縁に素子電極4の下面よりも下側に位置する被覆樹脂凸部7aを有する。
被覆樹脂7が被覆樹脂凸部7aを有することにより、被覆樹脂凸部7aの下面の少なくとも一部が素子電極4の下面よりも下側に位置する。これにより、選別装置や整列装置内で素子電極が擦れて搬送されることが抑制できる。そのため、素子電極4が擦れることで、素子電極4の最表面の保護成膜が剥がれ、酸化皮膜が形成されることが抑制される。その結果、素子電極4を実装基板に接合する際、半田濡れ不良を抑制できる。
次に、第1実施形態に係る発光装置の製造方法について図2~図4Dを参照して説明する。
図2は第1実施形態に係る発光装置の製造方法の流れを示すフローチャートである。図3Aは第1実施形態に係る発光装置の製造方法の支持体準備工程において準備された支持体を模式的に示す断面図である。図3Bは第1実施形態に係る発光装置の製造方法の樹脂フィルム貼付工程において樹脂フィルムが貼り付けられた支持体を模式的に示す断面図である。図3Cは第1実施形態に係る発光装置の製造方法の透光性樹脂固定工程において透光性樹脂が樹脂フィルムを介して固定された支持体を模式的に示す断面図である。図3Dは第1実施形態に係る発光装置の製造方法の発光素子載置工程において発光素子が透光性樹脂の上に載置された支持体を模式的に示す断面図である。図3Eは第1実施形態に係る発光装置の製造方法の成形工程において発光素子を被覆樹脂で覆った支持体を模式的に示す断面図である。図3Fは第1実施形態に係る発光装置の製造方法の除去工程において被覆樹脂の上面が除去された支持体を模式的に示す断面図である。図3Gは第1実施形態に係る発光装置の製造方法の支持体分離工程において支持体が分離された中間部材を模式的に示す断面図である。図3Hは第1実施形態に係る発光装置の製造方法の透光性樹脂分離工程において樹脂フィルムが分離された中間部材を模式的に示す断面図である。図3Iは第1実施形態に係る発光装置の製造方法の個片化工程において個片化された発光装置を模式的に示す断面図である。
準備工程S100は、透光性樹脂6に発光素子5が複数載置された中間部材20を準備する工程である。
好ましくは、準備工程S100は、支持体準備工程S101と、樹脂フィルム貼付工程S102と、透光性樹脂固定工程S103と、発光素子載置工程S104と、を含み、この順で行う。
図3Eに示すように、成形工程S105は、透光性樹脂6の上面に載置された複数の発光素子5を連続して覆うように被覆樹脂7を成形する工程である。具体的には、被覆樹脂7を構成する熱硬化性樹脂を塗工機等で透光性樹脂6及び発光素子5の上方から塗布して、発光素子5の素子電極4を覆うように設け、加熱硬化させて被覆樹脂7を成形する。被覆樹脂7は、高温下で膨張した状態で硬化し、それを常温へ戻すと収縮する。この成形工程S105では、被覆樹脂7が樹脂フィルム22及び透光性樹脂6で固定されているため、被覆樹脂7の成形後の収縮が抑制された状態となる。被覆樹脂7は、透光性樹脂分離工程S108及び個片化工程S109において樹脂フィルム22が分離された際に収縮して被覆樹脂凸部7aを形成させるために、発光素子5に比べて線膨張率が大きいものを用いる。
図3Fに示すように、除去工程S106は、素子電極4を被覆樹脂7から露出させ、素子電極4の露出面と被覆樹脂7の除去面が同一平面になるように被覆樹脂7を除去する工程である。なお、除去は、研削等の公知の方法を用いて行う。さらに、除去後、素子電極4の保護のため、素子電極4の上面に保護膜の形成を行ってもよい。
図3Gに示すように、支持体分離工程S107は、支持体21と樹脂フィルム22とを分離させる工程である。
図3Hに示すように、透光性樹脂分離工程S108は、樹脂フィルム22と透光性樹脂6とを分離させる工程である。
この透光性樹脂分離工程S108では、中間部材20から樹脂フィルム22が分離されるため、樹脂フィルム22による被覆樹脂7の固定が解放される。その結果、樹脂フィルム22の固定により抑制されていた被覆樹脂7の収縮力が解放され、被覆樹脂7が収縮する。このとき、発光素子5は線膨張率が低く変形しないため、線膨張率が高い被覆樹脂7が収縮することで、発光素子5同士を近づけようとする力が発生する。その力によって発光素子5間の被覆樹脂7の中央に被覆樹脂の凸部の頂部が形成される。また、被覆樹脂7に接合している透光性樹脂6も、発光素子5よりも線膨張率が高いので、透光性樹脂6も収縮する。その結果、発光素子5間の透光性樹脂6の中央に透光性樹脂の凸部の頂部が形成される。
図3Iに示すように、個片化工程S109は、複数の発光素子5間に位置する透光性樹脂6及び被覆樹脂7をダイシングブレード等により切断して、発光装置1を個片化する工程である。この個片化工程S109では、支持体21及び樹脂フィルム22を分離した中間部材20をUVテープ等の粘着テープを介してダイシング冶具(丸リング)に載置する。その後、ブレード等の切断工具を用いて切断線CLの位置でダイシングする。なお、他の手法を用いて個片化を行ってもよい。
個片化前の透光性樹脂分離工程S108では、透光性樹脂6及び被覆樹脂7に凸部を形成することができるが、中間部材20は発光装置集合体であるため、透光性樹脂6及び被覆樹脂7には各方向より応力が作用している。個片化工程S109では、個片化により各方向からの応力の作用がなくなるため、透光性樹脂6及び被覆樹脂7がさらに収縮する。その結果、透光性樹脂6及び被覆樹脂7の外縁と発光素子5との間の凸部がさらに盛り上がり、透光性樹脂凸部6c及び被覆樹脂凸部7aが形成される。特に、被覆樹脂7では、線膨張率が発光素子5に比べて高いため、発光素子5の素子電極4に比べて高い位置に被覆樹脂凸部7aの頂部を形成することができる。
次に、第2実施形態に係る発光装置及びその製造方法について説明する。
図4は、第2実施形態に係る発光装置の構成を模式的に示す断面図である。なお、第1実施形態に係る発光装置と同一構成については、同一符号を付して、説明も省略する。
接合樹脂8は、発光素子5と、透光性樹脂6と、を接合させるためのものである。接合樹脂8は、半導体積層体3の光取り出し面3aと、半導体積層体3の側面3cと、透光性樹脂6の下面と、を被覆するように形成される。また、接合樹脂8の上面は、発光素子5の直上に位置する第2中央領域8aと、第2中央領域8aを囲む第2外周領域8bと、を有し、第2外周領域8bの少なくとも一部が第2中央領域8aよりも高い接合樹脂凸部8cを有することが好ましい。さらに、接合樹脂8の厚さは、半導体積層体3の側面3cから遠ざかるにつれて厚さ(側面に垂直な方向の厚さ)が増加するように形成されていることが好ましい。接合樹脂8は、が、このような上面及び厚さを有することにより、発光素子5と透光性樹脂6との接合力が増加する。接合樹脂8は、シリコーン系樹脂等のダイボンド材料から構成されている。なお、被覆樹脂7は接合樹脂8を介して設けられている。
導光樹脂9は、発光素子5と対面する面と反対側に位置する透光性樹脂6の面を覆うように形成される。導光樹脂9は、素子電極4を外部環境から保護する発光装置1Aの光取り出し効率を向上させるためのもので、シリコーン系樹脂等の透明樹脂にシリカ、アルミナ等の透光性の導光粒子を含有させた樹脂から構成される。
発光素子接合工程は、発光素子載置工程S104において、半導体積層体3の光取り出し面3aと、半導体積層体3の側面3cと、透光性樹脂6の上面と、を被覆する接合樹脂8を形成する。発光素子5と透光性樹脂6とは、接合樹脂8を介して接合される。
被覆工程は、個片化工程S109の前に、支持体21を剥離した中間部材20をポリイミドテープ等の粘着テープを介してオーバーコート冶具(角リング)に載置する。その際、発光素子5と対面する面と反対側に位置する透光性樹脂6の面を導光樹脂9で被覆する。導光樹脂9の被覆は、塗工機等の塗布により行う。
1A 発光装置
2A 半導体層
2B 素子基板
3 半導体積層体
3a 光取り出し面
3b 電極形成面
3c 側面
4 素子電極
5 発光素子
6 透光性樹脂
6a 第1中央領域
6b 第1外周領域
6c 透光性樹脂凸部
7 被覆樹脂
7a 被覆樹脂凸部
8 接合樹脂
8a 第2中央領域
8b 第2外周領域
8c 接合樹脂凸部
9 導光樹脂
20 中間部材
21 支持体
22 樹脂フィルム
31 分離ステージ
32 プレート押さえ
33 吸着ヘッド
34 移載ステージ
S100 準備工程
S101 支持体準備工程
S102 樹脂フィルム貼付工程
S103 透光性樹脂固定工程
S104 発光素子載置工程
S105 成形工程
S106 除去工程
S107 支持体分離工程
S108 透光性樹脂分離工程
S109 個片化工程
Claims (14)
- 光取り出し面と、前記光取り出し面の反対側に位置する電極形成面と、を備える半導体積層体と、前記電極形成面に備えられた一対の素子電極と、を有する発光素子と、
前記光取り出し面上に配置され、前記光取り出し面よりも大きな面積を有する透光性樹脂と、
前記素子電極を露出させた状態で前記発光素子の側面と、前記透光性樹脂の下面と、を被覆し、前記半導体積層体が発光する光を前記透光性樹脂側に反射する被覆樹脂と、を備え、
前記透光性樹脂の上面は、前記発光素子の直上に位置する第1中央領域と、前記第1中央領域を囲む第1外周領域と、を有し、前記第1外周領域の少なくとも一部が前記第1中央領域よりも高い透光性樹脂凸部とを有し、
前記被覆樹脂の下面の少なくとも一部は、前記素子電極の下面よりも下側に位置する被覆樹脂凸部を有する発光装置。 - 前記被覆樹脂凸部が前記発光素子を囲む領域にある請求項1に記載の発光装置。
- 前記透光性樹脂凸部が前記発光素子を囲む領域にある請求項1又は2に記載の発光装置。
- 前記被覆樹脂凸部の頂部が前記発光装置の外縁から離隔する請求項1から3のいずれか1項に記載の発光装置。
- 前記透光性樹脂凸部の頂部が前記発光装置の外縁から離隔する請求項1から4のいずれか1項に記載の発光装置。
- 前記半導体積層体の光取り出し面と、前記半導体積層体の側面と、前記透光性樹脂の下面と、を被覆する接合樹脂を備える請求項1から5のいずれか1項に記載の発光装置。
- 前記接合樹脂の上面は、前記発光素子の直上に位置する第2中央領域と、前記第2中央領域を囲む第2外周領域と、を有し、前記第2外周領域の少なくとも一部が前記第2中央領域よりも高い接合樹脂凸部を有する請求項6に記載の発光装置。
- 前記透光性樹脂は、前記発光素子からの光を波長変換させる波長変換部材を含有する請求項1から7のいずれか1項に記載の発光装置。
- 前記被覆樹脂は、前記発光素子からの光を反射する反射部材を含有する請求項1から8のいずれか1項に記載の発光装置。
- 支持体の上面に貼り付けられた樹脂フィルムの上面に、光取り出し面と、前記光取り出し面の反対側に位置する電極形成面と、を備える半導体積層体と、前記電極形成面に備えられた一対の素子電極と、を有する発光素子に比べて線膨張率が高い透光性樹脂が固定され、前記透光性樹脂の上面と前記光取り出し面とを対向させて前記発光素子が複数載置された中間部材を準備する準備工程と、
複数の前記発光素子を連続して覆うように前記発光素子に比べて線膨張率が高い被覆樹脂を加熱硬化させて成形する成形工程と、
前記素子電極を前記被覆樹脂から露出させ、前記素子電極の露出面と前記被覆樹脂の除去面とが同一平面になるように前記被覆樹脂を除去する除去工程と、
前記支持体と、前記樹脂フィルムと、を分離させる支持体分離工程と、
前記樹脂フィルムと、前記透光性樹脂と、を分離させる透光性樹脂分離工程と、
複数の前記発光素子間に位置する透光性樹脂及び被覆樹脂を切断して発光装置を個片化する個片化工程と、を含む発光装置の製造方法。 - 前記支持体分離工程の後に、前記透光性樹脂分離工程を行う請求項10に記載の発光装置の製造方法。
- 前記個片化工程の前に、導光樹脂で前記透光性樹脂を被覆する被覆工程をさらに含む請求項10又は11に記載の発光装置の製造方法。
- 前記準備工程は、
支持体を準備する支持体準備工程と、
前記支持体の上面に樹脂フィルムを貼り付ける樹脂フィルム貼付工程と、
前記樹脂フィルムの上面に透光性樹脂を固定する透光性樹脂固定工程と、
前記透光性樹脂の上面に前記発光素子を載置する発光素子載置工程と、を含む請求項10から12のいずれか1項に記載の発光装置の製造方法。 - 前記準備工程において、前記半導体積層体の光取り出し面と、前記半導体積層体の側面と、前記透光性樹脂の上面と、を被覆する接合樹脂を形成し、前記発光素子と前記透光性樹脂とを前記接合樹脂を介して接合させる請求項10から13のいずれか1項に記載の発光装置の製造方法。
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