JP7207878B2 - ナットウキナーゼを含む食品 - Google Patents
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Description
項1. (A)ナットウキナーゼ、(B)ゼラチン、並びに(C)ビタミンA類、ビタミンE類、及びビタミンK類よりなる群から選択される少なくとも1種の脂溶性ビタミンを含む、食品。
項2. 前記(C)成分が、レチノール、トコフェロール、メナキノン、及びこれらの誘導体よりなる群から選択される少なくとも1種である、項1に記載の食品。
項3. 前記(B)成分で形成されたカプセル皮膜を含むカプセル剤である、項1又は2に記載の食品。
項4. ナットウキナーゼ及びゼラチンを含む食品においてゼラチンの分解を抑制する方法であって、
食品に、(A)ナットウキナーゼ及び(B)ゼラチンと共に、(C)ビタミンA類、ビタミンE類、及びビタミンK類よりなる群から選択される少なくとも1種の脂溶性ビタミンを配合する、ゼラチンの分解抑制方法。
本発明の食品は、(A)ナットウキナーゼ、(B)ゼラチン、並びに(C)ビタミンA類、ビタミンE類、及びビタミンK類よりなる群から選択される少なくとも1種のビタミンを含むことを特徴とする。以下、本発明の食品について詳述する。
本発明の食品は、ナットウキナーゼ((A)成分と表記することもある)を含む。ナットウキナーゼとは、納豆菌が産生するフィブリン分解作用を有する酵素である。
本発明の食品は、ゼラチン((B)成分と表記することもある)を含む。ゼラチンとは、動物の皮、骨、腱等の主成分であるコラーゲンに熱を加え、抽出したものである。
本発明において、ゼラチンは、公知の製造方法で得られたものを使用でき、例えば、牛、豚、鶏、魚等の皮、骨、腱等を原料とし、酸又はアルカリで処理して得られる粗コラーゲンを加熱抽出して製造されたものを使用することができる。また、本発明で使用されるゼラチンは、加水分解物、酸素分解物、ゼラチン誘導体(例えば、アシル化ゼラチン等)等であってもよい。
本発明の食品は、ビタミンA類、ビタミンE類、及びビタミンK類よりなる群から選択される少なくとも1種の脂溶性ビタミン((C)成分と表記することもある)を含む。このように特定の脂溶性ビタミンを含むことにより、ナットウキナーゼによるゼラチンの分解を抑制することが可能になる。
(C)成分がビタミンA類である場合:ビタミンA類が、好ましくは5~50重量%、更に好ましくは10~30重量%、特に好ましくは15~25重量%。
(C)成分がビタミンE類である場合:ビタミンE類が、好ましくは2.5~50重量%、更に好ましくは5~30重量%、特に好ましくは7.5~20重量%。
(C)成分がビタミンK類である場合:ビタミンK類が、好ましくは0.001~50重量%、更に好ましくは0.01~30重量%、特に好ましくは0.03~20重量%。
(C)成分がビタミンA類である場合:(A)成分1000FUに対して、ビタミンA類が好ましくは62.5~625mg、更に好ましくは125~375mg、特に好ましくは187.5~312.5mg。
(C)成分がビタミンE類である場合:(A)成分1000FUに対して、ビタミンE類が好ましくは31.25~625mg、更に好ましくは62.5~375mg、特に好ましくは93.75~250mg。
(C)成分がビタミンK類である場合:(A)成分1000FUに対して、ビタミンK類が好ましくは0.0125~625mg、更に好ましくは0.125~375mg、特に好ましくは0.375~250mg。
本発明の食品は、前述する成分の他に、必要に応じて、他の栄養成分や機能性成分を含有していてもよい。このような栄養成分や機能性成分としては、食品に使用可能なものであることを限度として特に制限されないが、例えば、ビタミンB類、ビタミンC類、ビタミンP類、ナイアシン、パントテン酸、ビオチン、リコペン等のビタミン類;カテキン、テアフラビン、ロイコアントシアニジン、ペラルゴニジン、シアニジン、ペツニジン、ペオニジン、ペチュニジン、デルフィニジン、マルビジン、フラボン、アピゲニン、ルテオニン、アピゲニニジン、ルテリオニジン、バイカレイン、ケルセチン、ケンフェロール、ミリセチン、ナリジン、ヘスペリジン、リキリチゲニン、アルピノン、タキシフォリン、ゲニステイン、ダイゼイン、ダイジン、グリシテイン、エクオール、ビオカニンA、クメストロール、プエラリン、ホルモノネチン、カルタミン、プロレチン、没食子酸、フェノール酸、クロロゲン酸、エラグ酸、リグナン、セサミン、ピノレジノール、ラリシレジノール、セコイソラリシレジノール、マタイレジノール、クルクミン、クマリン、レスベラトロール、加水分解型タンニン等のポリフェノール;塩酸ベタイン、塩化カルニチン、塩化ベタネコール等の健胃剤;カルシウム、イオウ、マグネシウム、亜鉛、セレン、鉄等のミネラル類;大豆タンパク、卵白粉末、乳清タンパク、サーデンペプチド等のタンパク質・ペプチド;グリシン、アラニン、アルギニン、アスパラギン酸、シスチン、フェニルアラニン、タウリン、トリプトファン等のアミノ酸;リノール酸、γ-リノレン酸、α-リノレン酸等の脂肪酸類;カラメル色素、クチナシ色素、アントシアニン色素、アナトー色素、パプリカ色素、紅花色素、紅麹色素、フラボノイド色素、コチニール色素、アマランス、エリスロシン、アルラレッドAC、ニューコクシン、フロキシン、ローズベンガル、アシッドレッド、タートラジン、サンセットイエローFCF、ファストグリーンFCF、ブリリアントブルーFCF、インジゴカルミン等の色素;各種フルーツのフレーバーやエッセンス等の香料;クエン酸及びその塩、リンゴ酸及びその塩、酒石酸及びその塩、酢酸及びその塩、乳酸及びその塩、食塩、グルタミン酸及びその塩、みりん、食酢、天然果汁、植物抽出エキス、果実・海産物等の裁断物又は粉末化物等の調味剤;アガリクス、シイタケエキス、レイシ、ヤマブシタケ等のキノコ類又はそのエキス;食物繊維、ローヤルゼリー、プロポリス、ハチミツ、コンドロイチン硫酸、グルコサミン、セラミド、ヒアルロン酸等のその他機能性素材等が挙げられる。これらの成分は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。また、これらの成分の含有量については、使用する成分の種類や食品の形態等に応じて適宜設定される。
本発明の食品は、固体状、半固体状、又は液体状のいずれであってもよい。
本発明の分解抑制方法は、ナットウキナーゼ及びゼラチンを含む食品においてゼラチンの分解を抑制する方法であって、食品に、(A)ナットウキナーゼ及び(B)ゼラチンと共に、(C)ビタミンA類、ビタミンE類、及びビタミンK類よりなる群から選択される少なくとも1種の脂溶性ビタミンを配合することを特徴とする。
ナットウキナーゼ粉末:商品名「納豆菌培養エキス NSK-SD40」、株式会社日本生物.科学研究所製
酢酸レチノール:商品名「Dry Vitamin A Acetate 325 CWS/A」、DSMニュートリションジャパン株式会社製
酢酸トコフェロール:dl-α-トコフェロール酢酸エステル、商品名「Dry Vitamin E 50% CWS/A」、DSMニュートリションジャパン株式会社製
ビタミンK 2 :商品名「ビタミンK2協和」、協和発酵バイオ株式会社製
アルギニン:商品名「L-アルギニン」、協和発酵バイオ株式会社製
リジン:商品名「食品添加物 L-リジン塩酸塩」、味の素株式会社製
シトルリン:商品名「発酵シトルリン協和」、協和発酵バイオ株式会社製
難消化性デキストリン:商品名「ファイバーソル2AG」、松谷化学工業株式会社製
ルチン:商品名「αGルチンP」、東洋製糖株式会社製
ゼラチンプレートを作成し、各種成分存在下で、当該ゼラチンプレートに対するナットウキナーゼの分解作用について評価した。具体的な試験方法及び結果は、以下の通りである。
1-1.ゼラチンプレートの作成
先ず、精製水を50℃に加温し、ゼラチンを20重量%、メチルパラベン(防腐剤)を0.2重量%となるように添加して混合し、ゼラチン溶液を調製した。得られたゼラチン溶液10gをシャーレ(内径9cm)に広げ、シャーレ内のゼラチンの厚みを均一にした後に、4℃で1時間以上冷却し、ゼラチンをゲル化させ、シャーレ内にゼラチンプレート形成させた。
表1に示す組成の試験液を調製し、各試験液0.5mlをシャーレ内のゼラチンプレートに滴下し、シャーレに蓋をした状態で室温で一晩静置した。その後、ゼラチンプレートの外観を目視にて確認し、以下の判定基準に従って、ゼラチンの分解耐性を評価した。
<ゼラチンの分解耐性の判定基準>
1:ゼラチンプレートが僅かに溶解している。
2:ゼラチンプレートが少し溶解しており滴下していない部分との差が明らか。
3:ゼラチンプレートの厚さ半分程度が溶解している。
4:ゼラチンプレートの大部分が溶解しており一部シャーレの底が露出する。
5:ゼラチンプレートが完全に溶解しシャーレの底が完全に露出している。
得られた結果を表1に示す。ナットウキナーゼのみを含む試験液を使用した場合には、ゼラチンプレートは完全に分解されていた(比較例1)。また、ナットウキナーゼと共に、アルギニン、リジン、シトルリン、難消化性デキストリン、又はルチンを含む試験液を使用した場合でも、ゼラチンプレートの分解は全く抑制できていなかった(比較例2~6)。これに対して、ナットウキナーゼと共に、酢酸レチノール、酢酸トコフェロール、又はビタミンK2を含む試験液を使用した場合には、ゼラチンプレートの分解を十分に抑制できていた(実施例1~3)。
表2に示す組成の内容液、及び表3に示す組成の剤皮(カプセル皮膜)を用いて、ソフトカプセル剤(1剤当り、内容液300mg、剤皮150mg含有)を製造した。
表4に示す組成の錠剤(1錠当たり700mg)を製造した。
表5に示す組成の顆粒剤を製造した。
Claims (4)
- (A)ナットウキナーゼ、(B)ゼラチン、並びに(C)ビタミンA類、ビタミンE類、及びビタミンK類よりなる群から選択される少なくとも1種の脂溶性ビタミンを含み、
前記脂溶性ビタミンとしてビタミンE類を含む場合、ナットウキナーゼ1000FUに対してビタミンE類が31.25~625mg含まれ、
前記脂溶性ビタミンとしてビタミンK類を含む場合、ナットウキナーゼ1000FUに対するビタミンK類が0.375~250mg含まれる、食品。 - 前記(C)成分が、レチノール、トコフェロール、メナキノン、及びこれらの誘導体よりなる群から選択される少なくとも1種である、請求項1に記載の食品。
- 前記(B)成分で形成されたカプセル皮膜を含むカプセル剤である、請求項1又は2に記載の食品。
- ナットウキナーゼ及びゼラチンを含む食品においてゼラチンの分解を抑制する方法であって、
食品に、(A)ナットウキナーゼ及び(B)ゼラチンと共に、(C)ビタミンA類、ビタミンE類、及びビタミンK類よりなる群から選択される少なくとも1種の脂溶性ビタミンを配合する工程を含み、
前記脂溶性ビタミンとしてビタミンE類を配合する場合、ナットウキナーゼ1000FUに対してビタミンE類を31.25~625mg配合し、
前記脂溶性ビタミンとしてビタミンK類を配合する場合、ナットウキナーゼ1000FUに対するビタミンK類が0.375~250mg配合する、ゼラチンの分解抑制方法。
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くすりの三井,小林製薬ナットウキナーゼEX 60粒 約30日分 (小林製薬),くすりの三井ウェブサイト,2015年,https://www.mitsui-kanpou.com/detail.php?id=12510 |
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