JP7207395B2 - 光学フィルターおよび光学フィルターを用いた装置 - Google Patents

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Description

本発明は、光学フィルターおよび光学フィルターを用いた装置に関する。詳しくは、特定の波長領域に吸収を有する有機顔料を含む光学フィルター、ならびに該光学フィルターを用いた固体撮像装置およびカメラモジュールに関する。
ビデオカメラ、デジタルスチルカメラ、カメラ機能付き携帯電話などの固体撮像装置にはカラー画像の固体撮像素子であるCCDやCMOSイメージセンサーが使用されている。これら固体撮像素子は、その受光部において人間の目では感知できない近赤外線に感度を有するシリコンフォトダイオードが使用されている。これらの固体撮像素子では、人間の目で見て自然な色合いにさせる視感度補正を行うことが必要であり、特定の波長領域の光線を選択的に透過もしくはカットする光学フィルター(例えば近赤外線カットフィルター)を用いることが多い。
このような近赤外線カットフィルターとしては、従来から、各種方法で製造されたものが使用されている。例えば、基材として透明樹脂を用い、透明樹脂中に近赤外線吸収色素を含有させた近赤外線カットフィルターが知られている(例えば特許文献1参照)。しかしながら、特許文献1に記載された近赤外線カットフィルターは、近赤外線吸収特性が必ずしも充分ではない場合があった。
本出願人は、特許文献2において、特定の波長領域に吸収極大がある近赤外線吸収色素を含有する透明樹脂製基板を用いることで、入射角度を変化させても光学特性の変化が少なく、かつ、高い可視光透過率を有する近赤外線カットフィルターを提案している。また、特許文献3には、特定の構造を有するフタロシアニン系色素を用いることで、従来の課題であった優れた可視光透過率と吸収極大波長の長波長化とを高いレベルで両立した近赤外線カットフィルターを得ることができる旨が記載されている。
しかし、特許文献2および3に記載の近赤外線カットフィルターでは、適用されている基材が、700nm付近には十分な強度の吸収帯を持っているものの、例えば900~1200nmといった近赤外線波長領域にはほぼ吸収を持たない。そのため、近赤外線波長領域の光線は、ほぼ誘電体多層膜の反射でのみカットしているが、このような構成では光学フィルター中の内部反射や、光学フィルターとレンズ間の反射によるわずかな迷光が、暗い環境下で撮影を行う際にゴーストやフレアの原因となる場合があった。特に、近年はスマートフォンなどのモバイル機器であってもカメラの高画質化が強く求められており、従来の光学フィルターでは好適に使用できない場合があった。
一方、近赤外線波長領域に幅広い吸収をもつ基材を用いた光学フィルターとして、特許文献4のような赤外線遮蔽フィルターが提案されている。特許文献4では、主にジチオレン構造を有する化合物を適用することで近赤外線波長領域の幅広い吸収を達成しているが、700nm付近の吸収強度は十分ではない。特に、近年のカメラモジュール低背化に伴う高入射角条件(例えば45度入射)での使用では、色シェーディングによる画像劣化が起こる場合があった。
また、特許文献5には、近赤外線吸収ガラス基材と近赤外線吸収色素を含有する層とを有する近赤外線カットフィルターが開示されているが、特許文献5に記載の構成でも色シェーディングを十分改良することができない場合があった。例えば、特許文献5の図5には、0度入射時と30度入射時の光学特性グラフが示されているが、30度入射時においても可視光透過帯の裾部分の領域(630~700nm)で大きな波長シフトが観測されている。
本発明者らは、上述した課題を解決するために、900~1200nmといった近赤外線波長領域に吸収極大を持つ色素を光学フィルターに用いることを検討した。しかしながら、このような色素は、前記近赤外線波長領域とともに430~580nmの可視光領域にも吸収を持つ場合が多いため、ゴーストの改善と可視光透過率の両立が課題であった。さらに、上記色素は耐熱性や耐UV性が低いことに起因する光学特性の低下が問題となることがあった。具体的には、溶剤を揮発させるための乾燥工程や硬化性樹脂を硬化させるためのUV照射工程において、色素が劣化することにより、900~1200nm波長領域の近赤外線吸収率および430~580nm波長領域の透過率が低下し、所望の分光特性が得られないという問題があった。それゆえ、900~1200nmに吸収極大を持つ色素は耐熱性や耐UV性を高めることが重要である。
また、上記課題に加えて、近年では車載用途などへの展開に鑑み、耐熱性に対する要求も益々厳しくなっている。すなわち、高温に長時間さらされた場合においても、分光特性の変化を極力抑制できることが求められている。
上述した色素の耐熱性や耐UV性を向上させる方法として、例えば色素を染料(溶解状態)としてではなく、顔料(粒子分散状態)として用いる方法が知られている(例えば特許文献6,7)。特許文献7では、耐熱性に課題のあるジイモニウム系色素を用いた近赤外線カットフィルターに関して、色素を分散媒(トルエン)に分散させた後、樹脂中に分散させることで、溶解して使用(染料として使用)した場合に対して耐熱性や耐UV性が向上することが示されている。しかしながら、上記先行文献の技術を用いても、近赤外線領域の吸収は十分なものではないばかりか、ヘイズ値が極めて高いフィルムしか得ることができず、上記課題を解決できるものではなかった。
特開平6-200113号公報 特開2011-100084号公報 国際公開2015/025779号パンフレット 国際公開2014/168190号パンフレット 国際公開2014/030628号パンフレット 特開2001-019898号公報 特開2010-249964号公報
本発明は、従来の光学フィルターでは十分になし得なかった、カメラ画像の色シェーディング抑制およびゴースト抑制と可視光波長領域での透過率特性とを高いレベルで両立し、かつ、高温に長時間晒された場合においても光学特性を維持可能な良好な耐熱性を有する光学フィルターを提供することを課題とする。
本発明者らは、前記課題を解決するために鋭意検討した結果、基材が特定の波長領域に吸収極大を有する有機顔料を含む層を有すること、かつ、前記基材の少なくとも一方の面に誘電体多層膜を形成することにより、可視光領域の透過率を維持しつつ、近赤外線カット特性、可視光透過率、色シェーディング抑制効果およびゴースト抑制効果を達成可能な光学フィルターが得られることを見出した。
また、本発明者らは、前記有機顔料を微粒子化させて平均粒子径を特定の範囲にすることで、ヘイズ値を極めて低いレベルに維持し、かつ耐熱性に優れた光学フィルターが得られることを見出した。
これらの知見に基づいて完成させた本発明の態様の例を以下に示す。
[1] 下記要件(a)を満たす基材を有し、かつ、前記基材の少なくとも一方の面に誘電体多層膜を有することを特徴とする光学フィルター:
(a)波長900nm以上1200nm以下の領域に吸収極大を有する有機顔料(S)を含む層を有する。
[2] 前記基材が、さらに下記要件(b)を満たすことを特徴とする、項[1]に記載の光学フィルター:
(b)波長650nm以上760nm以下の領域に吸収極大を有する化合物(A)を含む層を有する。
[3] 前記化合物(A)が、スクアリリウム系化合物、フタロシアニン系化合物およびシアニン系化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物であることを特徴とする項[2]に記載の光学フィルター。
[4] 前記有機顔料(S)が、下記式(I)で表されるジイモニウム系化合物を含むことを特徴とする、項[1]~[3]のいずれか1項に記載の光学フィルター。
Figure 0007207395000001
式(I)中、
1は、独立に水素原子、ハロゲン原子、スルホ基、水酸基、シアノ基、カルボキシ基、リン酸基、-SRi基、-SO2i基、-OSO2i基または下記La~Lhのいずれかを表し、R2は、独立にハロゲン原子、スルホ基、水酸基、シアノ基、ニトロ基、カルボキシ基、リン酸基、-NRgh基、-SRi基、-SO2i基、-OSO2i基または下記La~Lhのいずれかを表し、RgおよびRhは、それぞれ独立に水素原子、-C(O)Ri基または下記La~Leのいずれかを表し、Riは下記La~Leのいずれかを表し、
(La)炭素数1~12の脂肪族炭化水素基
(Lb)炭素数1~12のハロゲン置換アルキル基
(Lc)炭素数3~14の脂環式炭化水素基
(Ld)炭素数6~14の芳香族炭化水素基
(Le)炭素数2~14の複素環基
(Lf)炭素数1~12のアルコキシ基
(Lg)置換基Lを有してもよい炭素数1~12のアシル基
(Lh)置換基Lを有してもよい炭素数1~12のアルコキシカルボニル基
置換基Lは、炭素数1~12の脂肪族炭化水素基、炭素数1~12のハロゲン置換アルキル基、炭素数3~14の脂環式炭化水素基、炭素数6~14の芳香族炭化水素基および炭素数3~14の複素環基からなる群より選ばれる少なくとも1種であり、
nは0~4の整数を表し、
Xは電荷を中和させるのに必要なアニオンを表す。
[5] 前記有機顔料(S)の平均粒子径が200nm以下であることを特徴とする項[1]~[4]のいずれか1項に記載の光学フィルター。
[6] 前記有機顔料(S)を含む層が透明樹脂層であることを特徴とする、項[1]~[5]のいずれか1項に記載の光学フィルター。
[7] 前記透明樹脂層を構成する透明樹脂が、環状ポリオレフィン系樹脂、芳香族ポリエーテル系樹脂、ポリイミド系樹脂、フルオレンポリカーボネート系樹脂、フルオレンポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアリレート系樹脂、ポリサルホン系樹脂、ポリエーテルサルホン系樹脂、ポリパラフェニレン系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、ポリエチレンナフタレート系樹脂、フッ素化芳香族ポリマー系樹脂、(変性)アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、アリルエステル系硬化型樹脂、シルセスキオキサン系紫外線硬化型樹脂、アクリル系紫外線硬化型樹脂およびビニル系紫外線硬化型樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種の樹脂であることを特徴とする項[6]に記載の光学フィルター。
[8] 前記基材が、酸性官能基を有する分散剤を含有し、かつ、その含有量が前記有機顔料(S)100質量部に対して5~300質量部であることを特徴とする項[1]~[7]のいずれか1項に記載の光学フィルター。
[9] 固体撮像装置用である項[1]~[8]のいずれか1項に記載の光学フィルター。
[10] 項[1]~[9]のいずれか1項に記載の光学フィルターを具備する固体撮像装置。
[11] 項[1]~[9]のいずれか1項に記載の光学フィルターを具備するカメラモジュール。
本発明によれば、近赤外線カット特性に優れ、入射角依存性が少なく、可視光波長域での透過率特性、色シェーディング抑制効果、ゴースト抑制効果および耐熱性に優れた光学フィルターを提供することができる。
図1(a)、(b)は、本発明の光学フィルターの好ましい構成の例を示した模式図である。 図2は、実施例1で得られた光学フィルターの分光透過スペクトルである。 実施例および比較例で行ったカメラ画像の色シェーディング評価を説明するための模式図である。 実施例および比較例で行ったカメラ画像のゴースト評価を説明するための模式図である。
以下、本発明に係る光学フィルターおよび該光学フィルターを用いた装置について詳細に説明する。
本発明の光学フィルターは、後述する要件(a)を満たす基材を有し、かつ、前記基材の少なくとも一方の面に誘電体多層膜を有することを特徴とする。
本発明の光学フィルターの厚みは、近年の固体撮像装置の薄型化、軽量化等の流れを考慮すると、薄いことが好ましい。本発明の光学フィルターは、前記基材を含むため、薄型化が可能である。
本発明の光学フィルターの厚みは、好ましくは210μm以下、より好ましくは190μm以下、さらに好ましくは160μm以下、特に好ましくは130μm以下であり、下限は特に限定されないが、20μm以上であることが好ましい。
[基材]
本発明で用いられる基材は、下記要件(a)を満たす。
(a)波長900nm以上1200nm以下の領域に吸収極大を有する有機顔料(S)を含む層を有する。
また、前記基材は、さらに下記要件(b)を満たすことが好ましい。
(b)波長650nm以上760nm以下の領域に吸収極大を有する化合物(A)を含む層を有する。
以下、各要件について説明する。
<要件(a)>
要件(a)において、有機顔料(S)を含む層を構成する成分は特に限定されず、例えば、透明樹脂、ゾルゲル材料、低温硬化ガラス材料などが挙げられるが、取扱いが容易であること等の観点から透明樹脂であることが好ましい。
≪有機顔料(S)≫
有機顔料(S)は、波長900nm以上1200nm以下の領域に吸収極大を有している有機顔料であれば特に限定されず、例えば、波長900nm以上1200nm以下の領域に吸収極大を有する化合物(S)を、分散媒および必要に応じて分散剤やその他の添加剤とともに、公知の方法で分散させることにより、有機顔料(S)の分散体として得ることができる。
(1) 化合物(S)
前記化合物(S)は、波長900nm以上1200nm以下の領域に吸収極大を有している化合物であれば特に限定されないが、好ましくはジイモニウム系化合物、金属ジチオラート錯体系化合物、ピロロピロール系化合物、シアニン系化合物、クロコニウム系化合物およびナフタロシアニン系化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物であり、さらに好ましくはジイモニウム系化合物および金属ジチオラート錯体系化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物であり、特に好ましくは下記式(I)で表されるジイモニウム系化合物である。このような化合物(S)を用いることにより、良好な近赤外線吸収特性と優れた可視光透過率を付与することができる。
Figure 0007207395000002
式(I)中、
1は、独立に水素原子、ハロゲン原子、スルホ基、水酸基、シアノ基、カルボキシ基、リン酸基、-SRi基、-SO2i基、-OSO2i基または下記La~Lhのいずれかを表し、R2は、独立にハロゲン原子、スルホ基、水酸基、シアノ基、ニトロ基、カルボキシ基、リン酸基、-NRgh基、-SRi基、-SO2i基、-OSO2i基または下記La~Lhのいずれかを表し、RgおよびRhは、それぞれ独立に水素原子、-C(O)Ri基または下記La~Leのいずれかを表し、Riは下記La~Leのいずれかを表し、
(La)炭素数1~12の脂肪族炭化水素基
(Lb)炭素数1~12のハロゲン置換アルキル基
(Lc)炭素数3~14の脂環式炭化水素基
(Ld)炭素数6~14の芳香族炭化水素基
(Le)炭素数2~14の複素環基
(Lf)炭素数1~12のアルコキシ基
(Lg)置換基Lを有してもよい炭素数1~12のアシル基
(Lh)置換基Lを有してもよい炭素数1~12のアルコキシカルボニル基
置換基Lは、炭素数1~12の脂肪族炭化水素基、炭素数1~12のハロゲン置換アルキル基、炭素数3~14の脂環式炭化水素基、炭素数6~14の芳香族炭化水素基および炭素数3~14の複素環基からなる群より選ばれる少なくとも1種であり、
nは0~4の整数を表し、
Xは電荷を中和させるのに必要なアニオンを表す。
前記R1としては、好ましくは水素原子、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、シクロヘキシル基、アダマンチル基、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、3-ピリジニル基、エポキシ基、フェニル基、ベンジル基、フルオレニル基であり、より好ましくはイソプロピル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、ベンジル基である。
前記R2としては、好ましくは塩素原子、フッ素原子、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、シクロヘキシル基、フェニル基、水酸基、アミノ基、ジメチルアミノ基、シアノ基、ニトロ基、メトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基、n-ブトキシ基、アセチルアミノ基、プロピオニルアミノ基、N-メチルアセチルアミノ基、トリフルオロメタノイルアミノ基、ペンタフルオロエタノイルアミノ基、tert-ブタノイルアミノ基、シクロヘキシノイルアミノ基、n-ブチルスルホニル基、メチルチオ基、エチルチオ基、n-プロピルチオ基、n-ブチルチオ基であり、より好ましくは塩素原子、フッ素原子、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、tert-ブチル基、水酸基、ジメチルアミノ基、メトキシ基、エトキシ基、アセチルアミノ基、プロピオニルアミノ基、トリフルオロメタノイルアミノ基、ペンタフルオロエタノイルアミノ基、tert-ブタノイルアミノ基、シクロヘキシノイルアミノ基であり、特に好ましくは、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基である。同じ芳香環に結合しているR2の数(nの値)は、0~4であれば特に限定されないが、0もしくは1であることが好ましい。
前記Xは電荷を中和するのに必要なアニオンであり、Xが2価のアニオンである場合にはXは1つであり、Xが1価のアニオンである場合にはXは2つである。後者の場合は2つのアニオンが同一であっても異なっていてもよいが、合成上の観点から同一である方が好ましい。Xはこのようなアニオンであれば特に限定されないが、一例として、下記表1に記載のものを挙げることができる。
Figure 0007207395000003
Xとしては、ジイモニウム系化合物の耐熱性、耐光性および分光特性の観点から、上記表1中の(X-10)、(X-16)、(X-17)、(X-21)、(X-22)、(X-24)、(X-28)が特に好ましい。
上記式(I)で表されるジイモニウム系化合物としては、例えば、下記表2-1~2-4に記載のものを挙げることができる。
Figure 0007207395000004
Figure 0007207395000005
Figure 0007207395000006
Figure 0007207395000007
前記化合物(S)は、一般的に知られている方法で合成すればよく、例えば、特許第4168031号公報、特許第4252961号公報、特表2010-516823号公報、特開昭63-165392号公報等に記載されている方法などを参照して合成することができる。
前記化合物(S)の吸収極大波長は、好ましくは920nm以上1195nm以下、より好ましくは950nm以上1190nm以下、さらに好ましくは980nm以上1180nm以下である。化合物(S)の吸収極大波長がこのような範囲にあると、不要な近赤外線を効率よくカットすることができ、優れたゴースト抑制効果を得ることができる。
(2) 分散媒
有機顔料(S)は、一般的に知られている方法、例えば公知の分散機を用いる方法で前記化合物(S)を分散媒に分散させて使用することが好ましい。本発明において、化合物(S)に対して溶解性が著しく高い分散媒を選択した場合、化合物(S)が分散媒中に溶解し染料化してしまう。この場合、所望の分光特性が得られなくなるばかりか、耐熱性や耐UV性を著しく低下させてしまう。従って、化合物(S)に対して溶解性が低く、染料化しない分散媒を選択する必要がある。分散媒が化合物(S)を染料化するか否かは、化合物(S)の濃度が0.1質量%となるように、化合物(S)に分散媒を加えて、ガラス板状に滴下して乾燥後、走査型電子顕微鏡にて観察することで確認することができる。化合物(S)が粒子状に存在している場合は顔料化するものと判断でき、粒子状の物質が確認されない場合は染料化するものと判断できる。
分散媒としては、化合物(S)を染料化してしまうもの以外であれば特に限定されないが、分散プロセスでの安全性の点から比較的極性の高い溶媒が好ましく、例えばイソプロパノール、エタノール等のアルコール類、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、酢酸ブチル、酢酸エチル等のエステル類、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のエーテル類が挙げられる。
化合物(S)がジイモニウム系化合物の場合は、分散液の保存安定性の点から、イソプロパノール、エタノール等のアルコール類が特に好ましい。なお、塩化メチレンなどのハロゲン溶媒を用いた場合には化合物(S)が染料化してしまうため好ましくない。
(3) 分散機
前記化合物(S)を分散媒に分散させる際に用いられる分散機としては、例えば、ビーズミル、ボールミル、振動ボールミル、遊星ボールミル、サンドミル、コロイドミル、ジェットミル及びローラミルなどが挙げられる。
また、いわゆるソルトミリングにより、化合物(S)の一次粒子を微細化して有機顔料(S)を調製してもよい。ソルトミリングの方法としては、例えば、特開平8-179111号公報に開示されている方法を採用することができる。
(4) 分散剤
分散安定性向上を目的として、公知の分散剤を用いて化合物(S)を分散させてもよい。分散剤としては、例えば、ウレタン系分散剤、ポリエチレンイミン系分散剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル系分散剤、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル系分散剤、ポリエチレングリコールジエステル系分散剤、ソルビタン脂肪酸エステル系分散剤、ポリエステル系分散剤、(メタ)アクリル系分散剤等が挙げられる。市販品として、例えば、Disperbyk-2000、Disperbyk-2001、BYK-LPN6919、BYK-LPN21116、BYK-LPN22102(以上、ビックケミー(BYK)社製)等の(メタ)アクリル系分散剤、Disperbyk-161、Disperbyk-162、Disperbyk-165、Disperbyk-167、Disperbyk-170、Disperbyk-182(以上、ビックケミー(BYK)社製)、ソルスパース76500(ルーブリゾール(株)社製)等のウレタン系分散剤、ソルスパース24000(ルーブリゾール(株)社製)等のポリエチレンイミン系分散剤、アジスパーPB821、アジスパーPB822、アジスパーPB880、アジスパーPB881(以上、味の素ファインテクノ(株)社製)等のポリエステル系分散剤の他、BYK-LPN21324(ビックケミー(BYK)社製)、マリアリムSCシリーズ、エスリームADシリーズ、エスリームC2093I(以上、日油(株)社製)などを使用することができる。また、(メタ)アクリル系分散剤として、例えば、特開2011-232735号公報、特開2011-237769号公報、特開2012-32767号公報、国際公開第2011/129078号パンフレット、国際公開第2012/001945号パンフレット等に開示されている共重合体も使用することもできる。分散剤は、1種又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
本発明では、酸性官能基を有する分散剤を用いることが、分散安定性が良好な点、および化合物(S)に対する化学的な作用が小さい点で好ましい。前記酸性官能基を有する分散剤としては、カルボン酸、スルホン酸、フェノール系水酸基またはこれらの塩を有する分散剤であれば特に限定されないが、例えば、酸性官能基を有するエチレン性不飽和単量体と他の共重合可能なエチレン性不飽和単量体との共重合体などが挙げられる。また、市販品としては、上述したマリアリムSCシリーズ、DISPERBYK-103、DISPERBYK-110、DISPERBYK-118などが挙げられる。
分散剤の含有量は、分散剤の種類により適宜選択可能であるが、前記有機顔料(S)100質量部に対して、好ましくは5~300質量部、より好ましくは10~200質量部、更に好ましくは20~150質量部である。分散剤の含有量が前記範囲内であることにより、分散液の分散安定性が良好であり、かつ基材や光学フィルターの耐熱性、耐水性および密着性が優れるため好ましい。
本発明では、分散工程に続いて遠心分離処理を行うことが好ましい。遠心分離処理により、分散が不十分な粗大な有機顔料粒子を除去し、有機顔料の平均粒子径を低減させることができ、結果として光学フィルターのヘイズを低減することができる。
遠心分離処理の時間としては、特に限定されないが、例えば1分以上60分以下とすることができる。また、 遠心分離を行う際の遠心分離機の遠心加速度としては特に限定されないが、例えば10G以上50,000G以下とすることができる。
(5) 有機顔料(S)の平均粒子径
有機顔料(S)の平均粒子径は、好ましくは200nm以下、より好ましくは5~190nm、さらに好ましくは10~180nm、特に好ましくは15~150nmである。ここで、本発明における有機顔料(S)の平均粒子径は、後述する実施例に記載の測定方法で求めた値である。有機顔料(S)の平均粒子径が前記範囲にあると、ヘイズ値を極めて低いレベルに維持し、かつ耐熱性に優れた光学フィルターを得ることができる。
(6) 有機顔料(S)の含有量
有機顔料(S)全体の含有量は、前記基材として、例えば、有機顔料(S)を含有する透明樹脂製基板からなる基材や、有機顔料(S)を含有する透明樹脂製基板上に硬化性樹脂等からなるオーバーコート層などの樹脂層が積層された基材を用いる場合には、透明樹脂100質量部に対して、好ましくは0.01~2.0質量部、より好ましくは0.02~1.5質量部、特に好ましくは0.03~1.0質量部であり、前記基材として、ガラス支持体やベースとなる樹脂製支持体などの支持体上に有機顔料(S)を含有する硬化性樹脂等からなるオーバーコート層などの透明樹脂層が積層された基材を用いる場合には、有機顔料(S)を含む透明樹脂層を形成する樹脂100質量部に対して、好ましくは0.1~5.0質量部、より好ましくは0.2~4.0質量部、特に好ましくは0.3~3.0質量部である。有機顔料(S)の含有量が前記範囲内にあると、良好な近赤外線吸収特性と高い可視光透過率とを両立した光学フィルターを得ることができる。なお、本発明では、基材としてガラス支持体やベースとなる樹脂製支持体などの支持体上に有機顔料(S)を含有する硬化性樹脂等からなるオーバーコート層を設けることが望ましい。
<要件(b)>
要件(b)において、化合物(A)を含む層を構成する成分は特に限定されず、例えば、透明樹脂、ゾルゲル材料、低温硬化ガラス材料などが挙げられるが、取扱いが容易であることや化合物(A)との相溶性の観点から透明樹脂であることが好ましい。
≪化合物(A)≫
化合物(A)は、波長650nm以上760nm以下の領域に吸収極大を有する化合物であれば特に限定されないが、溶剤可溶型の色素化合物であることが好ましく、スクアリリウム系化合物、フタロシアニン系化合物およびシアニン系化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種であることがより好ましく、スクアリリウム系化合物を含むことがさらに好ましく、スクアリリウム系化合物を含む2種以上であることが特に好ましい。化合物(A)がスクアリリウム系化合物を含む2種以上である場合、構造の異なるスクアリリウム系化合物が2種以上でもよく、スクアリリウム系化合物とその他の化合物(A)との組み合わせでもよい。その他の化合物(A)としては、フタロシアニン系化合物およびシアニン系化合物が特に好ましい。
スクアリリウム系化合物は、優れた可視光透過性、急峻な吸収特性および高いモル吸光係数を有するが、光線吸収時に散乱光の原因となる蛍光を発生させる場合がある。そのような場合、スクアリリウム系化合物とその他の化合物(A)とを組み合わせて使用することにより、散乱光が少なくカメラ画質がより良好な光学フィルターを得ることができる。
化合物(A)の吸収極大波長は、好ましくは660nm以上755nm以下、より好ましくは670nm以上750nm以下、さらに好ましくは680nm以上745nm以下である。
化合物(A)が2種以上の化合物の組み合わせである場合、適用する化合物(A)のうち最も吸収極大波長が短いものと最も吸収極大波長の長いものの吸収極大波長の差は、好ましくは10~60nm、より好ましくは15~55nm、さらに好ましくは20~50nmである。吸収極大波長の差が上記範囲にあると、蛍光による散乱光を十分低減できるとともに、700nm付近の幅広い吸収帯と優れた可視光透過率を両立できるため好ましい。
化合物(A)全体の含有量は、前記基材として、例えば、有機顔料(S)および化合物(A)を含有する透明樹脂製基板からなる基材や、化合物(A)を含有する透明樹脂製基板上に有機顔料(S)を含有する硬化性樹脂等からなるオーバーコート層などの樹脂層が積層された基材を用いる場合には、透明樹脂100質量部に対して、好ましくは0.04~2.0質量部、より好ましくは0.06~1.5質量部、さらに好ましくは0.08~1.0質量部であり、前記基材として、ガラス支持体やベースとなる樹脂製支持体などの支持体上に有機顔料(S)および化合物(A)を含有する硬化性樹脂等からなるオーバーコート層などの透明樹脂層が積層された基材を用いる場合には、化合物(A)を含む透明樹脂層を形成する樹脂100質量部に対して、好ましくは0.4~5.0質量部、より好ましくは0.6~4.0質量部、さらに好ましくは0.8~3.5質量部である。
前記基材は、有機顔料(S)を含む層を有していれば、単層であっても多層であってもよい。また、化合物(A)は有機顔料(S)と同一の層に含まれていても異なる層に含まれていてもよい。
有機顔料(S)を含む層と化合物(A)を含む層とが同一である場合、例えば、有機顔料(S)および化合物(A)を含む透明樹脂製基板からなる基材、有機顔料(S)および化合物(A)を含む透明樹脂製基板上に硬化性樹脂等からなるオーバーコート層などの樹脂層が積層された基材、ガラス支持体やベースとなる樹脂製支持体などの支持体上に有機顔料(S)および化合物(A)を含有する硬化性樹脂等からなるオーバーコート層などの透明樹脂層が積層された基材を挙げることができる。
有機顔料(S)を含む層と化合物(A)を含む層とが異なる場合、例えば、有機顔料(S)を含む透明樹脂製基板上に化合物(A)を含む硬化性樹脂等からなるオーバーコート層などの樹脂層が積層された基材、化合物(A)を含む透明樹脂製基板上に有機顔料(S)を含む硬化性樹脂等からなるオーバーコート層などの樹脂層が積層された基材、ガラス支持体やベースとなる樹脂製支持体などの支持体上に有機顔料(S)を含む硬化性樹脂等からなるオーバーコート層と化合物(A)を含む硬化性樹脂等からなるオーバーコート層とが積層された基材などを挙げることができる。なお、本発明では、化合物(A)を含む透明樹脂製基板上に有機顔料(S)を含有する硬化性樹脂等からなるオーバーコート層を設けることが好ましく、この場合において、有機顔料(S)の平均粒子径が150nm以下であることが更に好ましく、100nm以下であることが特に好ましい。
<その他の特性および物性>
波長430~580nmの領域における基材の平均透過率は、好ましくは75%以上、さらに好ましくは78%以上、特に好ましくは80%以上である。このような透過特性を有する基材を用いると、可視光領域において高い光線透過特性を達成でき、高感度なカメラ機能を達成することができる。
基材の厚みは、所望の用途に応じて適宜選択することができ、特に限定されないが、好ましくは10~200μm、より好ましくは20~180μm、さらに好ましくは25~150μmである。基材の厚みが前記範囲にあると、該基材を用いた光学フィルターを薄型化および軽量化することができ、固体撮像装置等の様々な用途に好適に用いることができる。特に、前記透明樹脂製基板からなる基材をカメラモジュール等のレンズユニットに用いた場合には、レンズユニットの低背化、軽量化を実現することができるため好ましい。
<透明樹脂>
前記基材を構成する透明樹脂層、透明樹脂製基板および樹脂製支持体に用いられる透明樹脂としては、本発明の効果を損なわないものである限り特に限定されないが、例えば、熱安定性およびフィルムへの成形性を確保し、かつ、100℃以上の蒸着温度で行う高温蒸着により誘電体多層膜を形成しうるフィルムとするため、ガラス転移温度(Tg)が、好ましくは110~380℃、より好ましくは110~370℃、さらに好ましくは120~360℃である樹脂が挙げられる。また、前記樹脂のガラス転移温度が140℃以上であると、誘電体多層膜をより高温で蒸着形成しえるフィルムが得られるため、特に好ましい。
透明樹脂としては、当該樹脂からなる厚さ0.1mmの樹脂板を形成した場合に、この樹脂板の全光線透過率(JIS K7105)が、好ましくは75~95%、より好ましくは78~95%、さらに好ましくは80~95%となる樹脂を用いることができる。全光線透過率がこのような範囲となる樹脂を用いれば、得られる基板は光学フィルムとして良好な透明性を示す。
透明樹脂のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により測定される、ポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)は、通常15,000~350,000、好ましくは30,000~250,000であり、数平均分子量(Mn)は、通常10,000~150,000、好ましくは20,000~100,000である。
透明樹脂としては、例えば、環状ポリオレフィン系樹脂、芳香族ポリエーテル系樹脂、ポリイミド系樹脂、フルオレンポリカーボネート系樹脂、フルオレンポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド(アラミド)系樹脂、ポリアリレート系樹脂、ポリサルホン系樹脂、ポリエーテルサルホン系樹脂、ポリパラフェニレン系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、ポリエチレンナフタレート(PEN)系樹脂、フッ素化芳香族ポリマー系樹脂、(変性)アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、アリルエステル系硬化型樹脂、シルセスキオキサン系紫外線硬化型樹脂、アクリル系紫外線硬化型樹脂およびビニル系紫外線硬化型樹脂を挙げることができる。
透明樹脂は、1種単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
≪環状ポリオレフィン系樹脂≫
環状ポリオレフィン系樹脂としては、下記式(X0)で表される単量体および下記式(Y0)で表される単量体からなる群より選ばれる少なくとも1種の単量体から得られる樹脂、および当該樹脂を水素添加することで得られる樹脂が好ましい。
Figure 0007207395000008
式(X0)中、Rx1~Rx4はそれぞれ独立に、下記(i')~(ix')より選ばれる原子または基を表し、kx、mxおよびpxはそれぞれ独立に、0~4の整数を表す。
(i')水素原子
(ii')ハロゲン原子
(iii')トリアルキルシリル基
(iv')酸素原子、硫黄原子、窒素原子またはケイ素原子を含む連結基を有する、置換または非置換の炭素数1~30の炭化水素基
(v')置換または非置換の炭素数1~30の炭化水素基
(vi')極性基(但し、(ii')および(iv')を除く。)
(vii')Rx1とRx2またはRx3とRx4とが、相互に結合して形成されたアルキリデン基(但し、前記結合に関与しないRx1~Rx4は、それぞれ独立に前記(i')~(vi')より選ばれる原子または基を表す。)
(viii')Rx1とRx2またはRx3とRx4とが、相互に結合して形成された単環もしくは多環の炭化水素環または複素環(但し、前記結合に関与しないRx1~Rx4は、それぞれ独立に前記(i')~(vi')より選ばれる原子または基を表す。)
(ix')Rx2とRx3とが、相互に結合して形成された単環の炭化水素環または複素環(但し、前記結合に関与しないRx1とRx4は、それぞれ独立に前記(i')~(vi')より選ばれる原子または基を表す。)
Figure 0007207395000009
式(Y0)中、Ry1およびRy2はそれぞれ独立に、前記(i')~(vi')より選ばれる原子または基を表すか、Ry1とRy2とが、相互に結合して形成された単環もしくは多環の脂環式炭化水素、芳香族炭化水素または複素環を表し、kyおよびpyはそれぞれ独立に、0~4の整数を表す。
≪芳香族ポリエーテル系樹脂≫
芳香族ポリエーテル系樹脂は、下記式(1)で表される構造単位および下記式(2)で表される構造単位からなる群より選ばれる少なくとも1種の構造単位を有することが好ましい。
Figure 0007207395000010
式(1)中、R1~R4はそれぞれ独立に、炭素数1~12の1価の有機基を示し、a~dはそれぞれ独立に、0~4の整数を示す。
Figure 0007207395000011
式(2)中、R1~R4およびa~dはそれぞれ独立に、前記式(1)中のR1~R4およびa~dと同義であり、Yは、単結合、-SO2-または-CO-を示し、R7およびR8はそれぞれ独立に、ハロゲン原子、炭素数1~12の1価の有機基またはニトロ基を示し、gおよびhはそれぞれ独立に、0~4の整数を示し、mは0または1を示す。但し、mが0のとき、R7はシアノ基ではない。
また、前記芳香族ポリエーテル系樹脂は、さらに下記式(3)で表される構造単位および下記式(4)で表される構造単位からなる群より選ばれる少なくとも1種の構造単位を有することが好ましい。
Figure 0007207395000012
式(3)中、R5およびR6はそれぞれ独立に、炭素数1~12の1価の有機基を示し、Zは、単結合、-O-、-S-、-SO2-、-CO-、-CONH-、-COO-または炭素数1~12の2価の有機基を示し、eおよびfはそれぞれ独立に、0~4の整数を示し、nは0または1を示す。
Figure 0007207395000013
式(4)中、R7、R8、Y、m、gおよびhはそれぞれ独立に、前記式(2)中のR7、R8、Y、m、gおよびhと同義であり、R5、R6、Z、n、eおよびfはそれぞれ独立に、前記式(3)中のR5、R6、Z、n、eおよびfと同義である。
≪ポリイミド系樹脂≫
ポリイミド系樹脂としては、特に限定されず、繰り返し単位にイミド結合を含む高分子化合物であればよく、例えば、特開2006-199945号公報や特開2008-163107号公報に記載されている方法で合成することができる。
≪フルオレンポリカーボネート系樹脂≫
フルオレンポリカーボネート系樹脂としては、特に限定されず、フルオレン部位を含むポリカーボネート樹脂であればよく、例えば、特開2008-163194号公報に記載されている方法で合成することができる。
≪フルオレンポリエステル系樹脂≫
フルオレンポリエステル系樹脂としては、特に限定されず、フルオレン部位を含むポリエステル樹脂であればよく、例えば、特開2010-285505号公報や特開2011-197450号公報に記載されている方法で合成することができる。
≪フッ素化芳香族ポリマー系樹脂≫
フッ素化芳香族ポリマー系樹脂としては、特に限定されないが、フッ素原子を少なくとも1つ有する芳香族環と、エーテル結合、ケトン結合、スルホン結合、アミド結合、イミド結合およびエステル結合からなる群より選ばれる少なくとも1つの結合を含む繰り返し単位とを含有するポリマーであることが好ましく、例えば特開2008-181121号公報に記載されている方法で合成することができる。
≪アクリル系紫外線硬化型樹脂≫
アクリル系紫外線硬化型樹脂としては、特に限定されないが、分子内に一つ以上のアクリル基もしくはメタクリル基を有する化合物と、紫外線によって分解して活性ラジカルを発生させる化合物を含有する樹脂組成物から合成されるものを挙げることができる。アクリル系紫外線硬化型樹脂は、前記基材として、ガラス支持体上やベースとなる樹脂製支持体上に化合物(A)および硬化性樹脂を含む透明樹脂層が積層された基材や、化合物(A)を含有する透明樹脂製基板上に硬化性樹脂等からなるオーバーコート層などの樹脂層が積層された基材を用いる場合、該硬化性樹脂として特に好適に使用することができる。
≪エポキシ系樹脂≫
エポキシ系樹脂としては、特に限定されないが、紫外線硬化型と熱硬化型に大別することができる。紫外線硬化型エポキシ系樹脂としては、例えば、分子内に一つ以上のエポキシ基を有する化合物と、紫外線によって酸を発生させる化合物(以下「光酸発生剤」ともいう)を含有する組成物から合成されるものを挙げることができ、熱硬化型エポキシ系樹脂としては、例えば、分子内に一つ以上のエポキシ基を有する化合物と、酸無水物を含有する組成物から合成されるものを挙げることができる。エポキシ系紫外線硬化型樹脂は、前記基材として、ガラス支持体上やベースとなる樹脂製支持体上に化合物(A)を含む透明樹脂層が積層された基材や、化合物(A)を含有する透明樹脂製基板上に硬化性樹脂等からなるオーバーコート層などの樹脂層が積層された基材を用いる場合、該硬化性樹脂として特に好適に使用することができる。
≪市販品≫
透明樹脂の市販品としては、以下の市販品等を挙げることができる。環状ポリオレフィン系樹脂の市販品としては、JSR(株)製アートン、日本ゼオン(株)製ゼオノア、三井化学(株)製APEL、ポリプラスチックス(株)製TOPASなどを挙げることができる。ポリエーテルサルホン系樹脂の市販品としては、住友化学(株)製スミカエクセルPESなどを挙げることができる。ポリイミド系樹脂の市販品としては、三菱ガス化学(株)製ネオプリムLなどを挙げることができる。ポリカーボネート系樹脂の市販品としては、帝人(株)製ピュアエースなどを挙げることができる。フルオレンポリカーボネート系樹脂の市販品としては、三菱ガス化学(株)製ユピゼータEP-5000などを挙げることができる。フルオレンポリエステル系樹脂の市販品としては、大阪ガスケミカル(株)製OKP4HTなどを挙げることができる。アクリル系樹脂の市販品としては、(株)日本触媒製アクリビュアなどを挙げることができる。シルセスキオキサン系紫外線硬化型樹脂の市販品としては、新日鐵化学(株)製シルプラスなどを挙げることができる。
<その他の色素(X)>
前記基材には、さらに、有機顔料(S)および化合物(A)に該当しない、その他の色素(X)が含まれていてもよい。
その他の色素(X)としては、吸収極大波長が波長650nm未満もしくは波長760nm超900nm未満の領域にある色素であれば特に限定されないが、吸収極大波長が760nm超900nm未満の領域にある色素が好ましい。このような色素としては、例えば、スクアリリウム系化合物、フタロシアニン系化合物、シアニン系化合物、ナフタロシアニン系化合物、クロコニウム系化合物、オクタフィリン系化合物、ジイモニウム系化合物、ピロロピロール系化合物、ボロンジピロメテン(BODIPY)系化合物、ペリレン系化合物および金属ジチオラート系化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物が挙げられる。
その他の色素(X)の含有量は、前記基材として、例えば、その他の色素(X)を含有する透明樹脂製基板からなる基材を用いる場合には、透明樹脂100質量部に対して、好ましくは0.005~1.0質量部、より好ましくは0.01~0.9質量部、特に好ましくは0.02~0.8質量部であり、前記基材として、ガラス支持体やベースとなる樹脂製支持体などの支持体上にその他の色素(X)を含有する硬化性樹脂等からなるオーバーコート層などの透明樹脂層が積層された基材や、有機顔料(S)を含有する透明樹脂製基板上にその他の色素(X)を含有する硬化性樹脂等からなるオーバーコート層などの樹脂層が積層された基材を用いる場合には、その他の色素(X)を含む透明樹脂層を形成する樹脂100質量部に対して、好ましくは0.05~4.0質量部、より好ましくは0.1~3.0質量部、特に好ましくは0.2~2.0質量部である。
<その他成分>
前記基材は、本発明の効果を損なわない範囲において、その他成分として、さらに酸化防止剤、近紫外線吸収剤および蛍光消光剤などを含有してもよい。これらその他成分は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記近紫外線吸収剤としては、例えばアゾメチン系化合物、インドール系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、トリアジン系化合物などが挙げられる。
前記酸化防止剤としては、例えば2,6-ジ-t-ブチル-4-メチルフェノール、2,2'-ジオキシ-3,3'-ジ-t-ブチル-5,5'-ジメチルジフェニルメタン、テトラキス[メチレン-3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、およびトリス(2,4-ジ-t-ブチルフェニル)ホスファイトなどが挙げられる。
なお、これらその他成分は、基材を製造する際に、樹脂などとともに混合してもよいし、樹脂を合成する際に添加してもよい。また、添加量は、所望の特性に応じて適宜選択されるものであるが、樹脂100質量部に対して、通常0.01~5.0質量部、好ましくは0.05~2.0質量部である。
<基材の製造方法>
前記基材が、有機顔料(S)を含有する透明樹脂製基板を含む基材である場合、該透明樹脂製基板は、例えば、溶融成形またはキャスト成形により形成することができ、さらに、必要により、成形後に、反射防止剤、ハードコート剤および/または帯電防止剤等のコーティング剤をコーティングすることで、オーバーコート層が積層された基材を製造することができる。
前記基材が、ガラス支持体やベースとなる樹脂製支持体などの支持体上または有機顔料(S)を含有しない透明樹脂製基板上に有機顔料(S)を含有する硬化性樹脂等からなるオーバーコート層などの透明樹脂層が積層された基材である場合、例えば、前記支持体または前記透明樹脂製基板上に化合物(A)を含む樹脂溶液を溶融成形またはキャスト成形することで、好ましくはスピンコート、スリットコート、インクジェットなどの方法にて塗工した後に溶媒を乾燥除去し、必要に応じてさらに光照射や加熱を行うことで、前記支持体または前記透明樹脂製基板上に有機顔料(S)を含む透明樹脂層が形成された基材を製造することができる。
≪溶融成形≫
前記溶融成形としては、具体的には、樹脂と有機顔料(S)と必要に応じて他の成分とを溶融混練りして得られたペレットを溶融成形する方法;樹脂と有機顔料(S)と必要応じて他の成分とを含有する樹脂組成物を溶融成形する方法;または、有機顔料(S)、樹脂、溶剤および必要に応じて他の成分を含む樹脂組成物から溶剤を除去して得られたペレットを溶融成形する方法などが挙げられる。溶融成形方法としては、射出成形、溶融押出成形またはブロー成形などを挙げることができる。
≪キャスト成形≫
前記キャスト成形としては、有機顔料(S)、樹脂、溶剤および必要に応じて他の成分を含む樹脂組成物を適当な支持体の上にキャスティングして溶剤を除去する方法;または有機顔料(S)と、光硬化性樹脂および/または熱硬化性樹脂と、必要に応じて他の成分とを含む硬化性組成物を適当な支持体の上にキャスティングして溶媒を除去した後、紫外線照射や加熱などの適切な手法により硬化させる方法などにより製造することもできる。
前記基材が、有機顔料(S)を含有する透明樹脂製基板からなる基材である場合には、該基材は、キャスト成形後、支持体から塗膜を剥離することにより得ることができ、また、前記基材が、ガラス支持体やベースとなる樹脂製支持体などの支持体上または有機顔料(S)を含有しない透明樹脂製基板上に有機顔料(S)を含有する硬化性樹脂等からなるオーバーコート層などの透明樹脂層が積層された基材である場合には、該基材は、キャスト成形後、塗膜を剥離しないことで得ることができる。
前記支持体としては、例えば、近赤外線吸収ガラス板(例えば、松浪硝子工業社製「BS-11」やAGC テクノグラス社製「NF-50T」などのような銅成分を含有するリン酸塩系ガラス板)、透明ガラス板(例えば、日本電気硝子社製「OA-10G」や旭硝子社製「AN100」などのような無アルカリガラス板)、スチールベルト、スチールドラムおよび透明樹脂(例えば、ポリエステルフィルム、環状オレフィン系樹脂フィルム)製支持体が挙げられる。
前記方法で得られた透明樹脂層(透明樹脂製基板)中の残留溶剤量は可能な限り少ない方がよい。具体的には、前記残留溶剤量は、透明樹脂層(透明樹脂製基板)100質量部に対して、好ましくは3質量部以下、より好ましくは1質量部以下、さらに好ましくは0.5質量部以下である。残留溶剤量が前記範囲にあると、基材の変形や光学特性の変化が起こりにくい、所望の機能を容易に発揮できる透明樹脂層(透明樹脂製基板)が得られる。
[誘電体多層膜]
本発明の光学フィルターは、前記基材の少なくとも一方の面に誘電体多層膜を有する。本発明における誘電体多層膜とは、近赤外線を反射する能力を有する膜または可視光領域における反射防止効果を有する膜であり、誘電体多層膜を有することでより優れた可視光透過率と近赤外線カット特性を達成することができる。
本発明では、誘電体多層膜は前記基材の片面に設けてもよいし、両面に設けてもよい。片面に設ける場合、製造コストや製造容易性に優れ、両面に設ける場合、高い強度を有し、反りやねじれが生じにくい光学フィルターを得ることができる。光学フィルターを固体撮像素子用途に適用する場合、光学フィルターの反りやねじれが小さい方が好ましいことから、誘電体多層膜を樹脂製基板の両面に設けることが好ましい。
前記誘電体多層膜は、好ましくは波長700~1100nm、より好ましくは波長700~1150nm、さらに好ましくは700~1200nmの範囲全体にわたって反射特性を有することが望ましい。
基材の両面に誘電体多層膜を有する形態として、光学フィルターの垂直方向に対して5°の角度から測定した場合に、主に波長700~950nm付近に反射特性を有する第一光学層を基材の片面に有し、主に900nm~1150nm付近に反射特性を有する第二光学層を基材の他方の面上に有する形態(図1(a)参照)や、光学フィルターの垂直方向に対して5°の角度から測定した場合に、主に波長700~1150nm付近に反射特性を有する第三光学層を基材の片面に有し、可視光領域の反射防止特性を有する第四光学層を基材の他方の面上に有する形態(図1(b)参照)などが挙げられる。
誘電体多層膜としては、高屈折率材料層と低屈折率材料層とを交互に積層したものが挙げられる。高屈折率材料層を構成する材料としては、屈折率が1.7以上の材料を用いることができ、屈折率が通常は1.7~2.5の材料が選択される。このような材料としては、例えば、酸化チタン、酸化ジルコニウム、五酸化タンタル、五酸化ニオブ、酸化ランタン、酸化イットリウム、酸化亜鉛、硫化亜鉛または酸化インジウム等を主成分とし、酸化チタン、酸化錫および/または酸化セリウム等を少量(例えば、主成分100質量部に対して0~10質量部)含有させたものが挙げられる。
低屈折率材料層を構成する材料としては、屈折率が1.6以下の材料を用いることができ、屈折率が通常は1.2~1.6の材料が選択される。このような材料としては、例えば、シリカ、アルミナ、フッ化ランタン、フッ化マグネシウムおよび六フッ化アルミニウムナトリウムが挙げられる。
高屈折率材料層と低屈折率材料層とを積層する方法については、これらの材料層を積層した誘電体多層膜が形成される限り特に限定はない。例えば、基材上に、直接、CVD法、スパッタ法、真空蒸着法、イオンアシスト蒸着法またはイオンプレーティング法等により、高屈折率材料層と低屈折率材料層とを交互に積層した誘電体多層膜を形成することができる。
高屈折率材料層および低屈折率材料層の各層の厚さは、通常、遮断しようとする近赤外線波長をλ(nm)とすると、0.1λ~0.5λの厚さが好ましい。λ(nm)の値としては、例えば700~1400nm、好ましくは750~1300nmである。厚さがこの範囲であると、屈折率(n)と膜厚(d)との積(n×d)がλ/4で算出される光学的膜厚と、高屈折率材料層および低屈折率材料層の各層の厚さとがほぼ同じ値となって、反射・屈折の光学的特性の関係から、特定波長の遮断・透過を容易にコントロールできる傾向にある。
誘電体多層膜における高屈折率材料層と低屈折率材料層との合計の積層数は、光学フィルター全体として16~70層であることが好ましく、20~60層であることがより好ましく、24~50層であることが特に好ましい。各層の厚み、光学フィルター全体としての誘電体多層膜の厚みや合計の積層数が前記範囲にあると、十分な製造マージンを確保できる上に、光学フィルターの反りや誘電体多層膜のクラックを低減することができる。
本発明では、化合物(A)や有機顔料(S)などの近赤外線吸収剤の吸収特性に合わせて高屈折率材料層および低屈折率材料層を構成する材料種、高屈折率材料層および低屈折率材料層の各層の厚さ、積層の順番、積層数を適切に選択することで、可視光領域に十分な透過率を確保した上で近赤外線波長域に十分な光線カット特性を有し、且つ、斜め方向から近赤外線が入射した際の反射率を低減することができる。
ここで、前記条件を最適化するには、例えば、光学薄膜設計ソフト(例えば、Essential Macleod、Thin Film Center社製)を用い、可視光領域の反射防止効果と近赤外線領域の光線カット効果を両立できるようにパラメーターを設定すればよい。上記ソフトの場合、例えば第一光学層の設計にあたっては、波長400~700nmの目標透過率を100%、Target Toleranceの値を1とした上で、波長705~950nmの目標透過率を0%、Target Toleranceの値を0.5にするなどのパラメーター設定方法が挙げられる。これらのパラメーターは基材(i)の各種特性などに合わせて波長範囲をさらに細かく区切ってTarget Toleranceの値を変えることもできる。
[その他の機能膜]
本発明の光学フィルターは、本発明の効果を損なわない範囲において、基材と誘電体多層膜との間、基材の誘電体多層膜が設けられた面と反対側の面、または誘電体多層膜の基材が設けられた面と反対側の面に、基材や誘電体多層膜の表面硬度の向上、耐薬品性の向上、帯電防止および傷消しなどの目的で、反射防止膜、ハードコート膜や帯電防止膜などの機能膜を適宜設けることができる。
本発明の光学フィルターは、前記機能膜からなる層を1層含んでもよく、2層以上含んでもよい。本発明の光学フィルターが前記機能膜からなる層を2層以上含む場合には、同様の層を2層以上含んでもよいし、異なる層を2層以上含んでもよい。
機能膜を積層する方法としては、特に限定されないが、反射防止剤、ハードコート剤および/または帯電防止剤等を含むコーティング剤を基材または誘電体多層膜に、前記と同様に溶融成形またはキャスト成形する方法等を挙げることができる。
また、前記コーティング剤をバーコーター等で基材または誘電体多層膜上に塗布した後、紫外線照射等により硬化することによっても製造することができる。
前記コーティング剤としては、紫外線(UV)/電子線(EB)硬化型樹脂や熱硬化型樹脂を含む硬化性組成物などが挙げられる。前記硬化性組成物に含まれる硬化性樹脂としては、具体的には、ビニル化合物類や、ウレタン系、ウレタンアクリレート系、アクリレート系、エポキシ系およびエポキシアクリレート系樹脂などが挙げられる。
また、前記硬化性組成物は、重合開始剤を含んでいてもよい。前記重合開始剤としては、公知の光重合開始剤または熱重合開始剤を用いることができ、光重合開始剤と熱重合開始剤を併用してもよい。重合開始剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記硬化性組成物中、重合開始剤の配合割合は、硬化性組成物の全量を100質量部とした場合、好ましくは0.1~10質量部、より好ましくは0.5~10質量部、さらに好ましくは1~5質量部である。重合開始剤の配合割合が前記範囲にあると、硬化性組成物の硬化特性および取り扱い性が優れ、所望の硬度を有する反射防止膜、ハードコート膜や帯電防止膜などの機能膜を得ることができる。
さらに、前記硬化性組成物には溶剤として有機溶剤を加えてもよく、有機溶剤としては、公知のものを使用することができる。有機溶剤の具体例としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、オクタノール等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル、γ-ブチロラクトン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のエステル類;エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル等のエーテル類;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N-メチルピロリドン等のアミド類を挙げることができる。
これら溶剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記機能膜の厚さは、好ましくは0.1~20μm、さらに好ましくは0.5~10μm、特に好ましくは0.7~5μmである。
また、基材と機能膜および/または誘電体多層膜との密着性や、機能膜と誘電体多層膜との密着性を上げる目的で、基材、機能膜または誘電体多層膜の表面にコロナ処理やプラズマ処理等の表面処理をしてもよい。
[光学フィルターの用途]
本発明の光学フィルターは、視野角が広く、優れた近赤外線カット能等を有する。したがって、カメラモジュールのCCDやCMOSイメージセンサー等の固体撮像素子の視感度補正用として有用である。特に、デジタルスチルカメラ、スマートフォン用カメラ、携帯電話用カメラ、デジタルビデオカメラ、ウェアラブルデバイス用カメラ、PCカメラ、監視カメラ、自動車用カメラ、テレビ、カーナビゲーション、携帯情報端末、ビデオゲーム機、携帯ゲーム機、指紋認証システム、デジタルミュージックプレーヤー等に有用である。さらに、自動車や建物等のガラス板等に装着される熱線カットフィルターなどとしても有用である。
[固体撮像装置]
本発明の固体撮像装置は、本発明の光学フィルターを具備する。ここで、固体撮像装置とは、CCDやCMOSイメージセンサー等といった固体撮像素子を備えたイメージセンサーであり、具体的にはデジタルスチルカメラ、スマートフォン用カメラ、携帯電話用カメラ、ウェアラブルデバイス用カメラ、デジタルビデオカメラ等の用途に用いることができる。例えば、本発明のカメラモジュールは、本発明の光学フィルターを具備する。
以下、実施例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に何ら限定されるものではない。なお、「部」は、特に断りのない限り「質量部」を意味する。また、各物性値の測定方法および物性の評価方法は以下のとおりである。
<分子量>
樹脂の分子量は、各樹脂の溶剤への溶解性等を考慮し、下記の(a)または(b)の方法にて測定を行った。
(a)ウォターズ(WATERS)社製のゲルパーミエ-ションクロマトグラフィー(GPC)装置(150C型、カラム:東ソー社製Hタイプカラム、展開溶剤:o-ジクロロベンゼン)を用い、標準ポリスチレン換算の質量平均分子量(Mw)および数平均分子量(Mn)を測定した。
(b)東ソー社製GPC装置(HLC-8220型、カラム:TSKgelα‐M、展開溶剤:THF)を用い、標準ポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)および数平均分子量(Mn)を測定した。
<ガラス転移温度(Tg)>
エスアイアイ・ナノテクノロジーズ株式会社製の示差走査熱量計(DSC6200)を用いて、昇温速度:毎分20℃、窒素気流下で測定した。
<平均粒子径>
有機顔料の平均粒子径は以下の方法で測定した。調製した有機顔料の分散液を分散媒と同一組成の溶剤で顔料濃度が0.5質量%となるまで希釈し、これをガラス板に滴下して乾燥した後、走査型電子顕微鏡(SEM)(株式会社日立ハイテクノロジーズ製「S4800」)にて観察を行った。複数の視野でSEM画像を撮り、任意で選択した100個の粒子について粒子径をスケールで測定して倍率換算し、平均粒子径を算出した。なお、極端に大きい又は小さい粒子は除外し、粒子形状が球状では無い場合には観察される最も長い径(長径)を粒子径とした。
<分光透過率>
基材および光学フィルターの各波長域における透過率は、株式会社日立ハイテクノロジーズ製の分光光度計(U-4100)を用いて測定した。なお、この透過率は、光が基材およびフィルターに対して垂直に入射する条件で、該分光光度計を使用して測定したものである。
<ヘイズ>
基材および光学フィルターのヘイズは、株式会社東洋精機製作所製ヘイズメーター(ヘイズガードII)を用いて測定した。異なる3か所について測定を行い、その平均値を用いた。
<耐熱性>
光学フィルターを85℃×1000hrの条件で処理し、該処理前後の波長430~580nmにおける平均透過率を測定した。次式により算出される透過率の維持率を耐熱性の指標とした。維持率の数値が高い程、耐熱性が良好である。
透過率の維持率(%)=(処理後の430~580nm平均透過率)/(処理前の430~580nm平均透過率)×100
<カメラ画像の色シェーディング評価>
光学フィルターをカメラモジュールに組み込んだ際の色シェーディング評価は下記の方法で行った。特開2016-110067号公報と同様の方法でカメラモジュールを作成し、作成したカメラモジュールを用いて300mm×400mmサイズの白色板をD65光源(X-Rite社製標準光源装置「マクベスジャッジII」)下で撮影し、カメラ画像における白色板の中央部と端部における色目の違いを以下の基準で評価した。
全く問題がなく許容可能なレベルをA、若干色目の違いは認められるが高画質カメラモジュールとして実用上問題がなく許容可能なレベルをB、色目の違いが有り高画質カメラモジュール用途としては許容不可能なレベルをC、明らかな色目の違いが有り一般的なカメラモジュール用途としても許容不可能なレベルをDと判定した。
なお、図3に示すように、撮影を行う際はカメラ画像111の中で白色板112が面積の90%以上を占めるように白色板112とカメラモジュールの位置関係を調節した。
<カメラ画像のゴースト評価>
光学フィルターをカメラモジュールに組み込んだ際のゴースト評価は下記の方法で行った。特開2016-110067号公報と同様の方法でカメラモジュールを作成し、作成したカメラモジュールを用いて暗室中ハロゲンランプ光源(林時計工業社製「ルミナーエースLA-150TX」)下で撮影し、カメラ画像における光源周辺のゴースト発生具合を以下の基準で評価した。
全く問題がなく許容可能なレベルをA、若干のゴーストは認められるが高画質カメラモジュールとして実用上問題がなく許容可能なレベルをB、ゴーストが発生しており高画質カメラモジュール用途としては許容不可能なレベルをC、ゴーストの度合いがひどく一般的なカメラモジュール用途としても許容不可能なレベルをDと判定した。
なお、図4に示すように、撮影を行う際は、光源122がカメラ画像121の右上端部となるように調節した。
[合成例]
下記実施例で用いた化合物(A)および化合物(S)は、一般的に知られている方法で合成した。前記方法としては、例えば、特開昭60-228448号公報、特開平1-146846号公報、特開平1-228960号公報、特許第4081149号公報、「フタロシアニン -化学と機能―」(アイピーシー、1997年)、特開2009-108267号公報、特開2010-241873号公報、特許第3699464号公報、特許第4740631号公報などに記載されている方法を挙げることができる。
<合成例1>
下記式(a)で表される8-メチル-8-メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ-3-エン(以下「DNM」ともいう。)100g、1-ヘキセン(分子量調節剤)18gおよびトルエン(開環重合反応用溶媒)300gを、窒素置換した反応容器に仕込み、この溶液を80℃に加熱した。次いで、反応容器内の溶液に、重合触媒として、トリエチルアルミニウムのトルエン溶液(0.6mol/リットル)0.2gと、メタノール変性の六塩化タングステンのトルエン溶液(濃度0.025mol/リットル)0.9gとを添加し、この溶液を80℃で3時間加熱攪拌することにより開環重合反応させて開環重合体溶液を得た。この重合反応における重合転化率は97%であった。
Figure 0007207395000014
このようにして得られた開環重合体溶液1,000gをオートクレーブに仕込み、この開環重合体溶液に、RuHCl(CO)[P(C6533を0.12g添加し、水素ガス圧100kg/cm2、反応温度165℃の条件下で、3時間加熱撹拌して水素添加反応を行った。得られた反応溶液(水素添加重合体溶液)を冷却した後、水素ガスを放圧した。この反応溶液を大量のメタノール中に注いで凝固物を分離回収し、これを乾燥して、水素添加重合体(以下「樹脂A」ともいう。)を得た。得られた樹脂Aは、数平均分子量(Mn)が32,000、重量平均分子量(Mw)が137,000であり、ガラス転移温度(Tg)が165℃であった。
<合成例2>
攪拌装置、温度計およびコンデンサーを備えた反応容器に、室温にて2,6-ジ-t-ブチル-4-クレゾール0.0194g、3-ヒドロキシ-1-アダマンチルアクリレート(三菱ガス化学(株)製、分子量:222)27.047g、および、イソホロンジイソシアネート(エボニック社製、分子量:222)26.481gをメチルエチルケトン(MEK)19gに溶解させ、ジオクチルスズジラウレート0.405gを加えた後、撹拌しながら70℃に昇温した。3-ヒドロキシ-1-アダマンチルアクリレートが溶解し、溶液が透明化したことを確認した後、3-ヒドロキシ-1-アダマンチルアクリレート27.047gを追加投入し、70℃にて反応を継続した。赤外吸収スペクトルでイソシアネート基の吸収スペクトル(2280cm-1)がほぼ消失したことを確認して反応を終了した。溶出液として酢酸エチル/ヘキサンを用いたシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて反応混合物を精製した後、イソプロピルアルコールで希釈することで、ウレタンアクリレート化合物(I)(50質量%溶液)を得た。
[有機顔料の調製例]
<調製例1>
0.25Lのプラスチック容器に、上記表2-4に記載の化合物(s-15)(ジクロロメタン中での吸収極大波長1083nm)5g、酸性官能基を有する分散剤(日油株式会社製「マリアリムSC-0505K」)5g、分散媒としてイソプロピルアルコール(IPA)95g、直径0.05mmのジルコニアビーズ(ニッカトー社製「YTZ-0.05」)175gを投入し、ペイントシェーカー(株式会社東洋精機製作所製)にて1hr分散処理を行った。その後、室温まで冷却し、金属メッシュでジルコニアビーズをろ別することで有機顔料分散液(S-1)を得た。
<調製例2>
0.25Lのプラスチック容器に上記表2-4に記載の化合物(s-15)5g、分散媒としてメチルイソブチルケトン(MIBK)95g、直径0.05mmのジルコニアビーズ(ニッカトー社製「YTZ-0.05」)175gを投入し、ペイントシェーカーにて1hr分散処理を行った。その後、室温まで冷却し、金属メッシュでジルコニアビーズをろ別することで有機顔料分散液(S-2)を得た。
<調製例3>
0.25Lのプラスチック容器に上記表2-4に記載の化合物(s-4)(ジクロロメタン中での吸収極大波長1100nm)5g、分散媒としてメチルイソブチルケトン(MIBK)95g、直径0.05mmのジルコニアビーズ(ニッカトー社製「YTZ-0.05」)175gを投入し、ペイントシェーカーにて1hr分散処理を行った。その後、室温まで冷却し、金属メッシュでジルコニアビーズをろ別することで有機顔料分散液(S-3)を得た。
<調製例4>
0.25Lのプラスチック容器に上記表2-4に記載の化合物(s-6)(ジクロロメタン中での吸収極大波長1093nm)5g、分散媒としてメチルイソブチルケトン(MIBK)95g、直径0.05mmのジルコニアビーズ(ニッカトー社製「YTZ-0.05」)175gを投入し、ペイントシェーカーにて1hr分散処理を行った。その後、室温まで冷却し、金属メッシュでジルコニアビーズをろ別することで有機顔料分散液(S-4)を得た。
<調製例5>
調製例1で得た有機顔料分散液(S-1)を遠心分離装置(himac製「冷却遠心機 CR-22N」)にて36000Gの遠心加速度で10分間、遠心分離処理し、処理後の分散液をポリプロピレン製フィルター(孔径3μm)にて濾過することで、有機顔料分散液(S-5)を得た。
[実施例1]
実施例1では、化合物(A)を含む透明樹脂製基板の両面に有機顔料(S)を含む透明樹脂層を形成してなる基材を有する光学フィルターを以下の手順および条件で作成した。
容器に、合成例1で得られた樹脂A 100g、化合物(A)として下記式(a-1)で表わされる化合物(a-1)(ジクロロメタン中での吸収極大波長713nm)0.07gおよび下記式(a-2)で表わされる化合物(a-2)(ジクロロメタン中での吸収極大波長736nm)0.06gおよび塩化メチレンを加えて樹脂濃度が20質量%の溶液を調製した。得られた溶液を平滑なガラス板上にキャストし、20℃で8時間乾燥した後、ガラス板から剥離した。剥離した塗膜をさらに減圧下100℃で8時間乾燥して、厚さ0.1mm、縦60mm、横60mmの透明樹脂製基板を得た。
Figure 0007207395000015
Figure 0007207395000016
上記式(a-1)中、i-Prはイソプロピル基を示す。
得られた透明樹脂製基板の片面に、下記組成の樹脂組成物(1)をバーコーターで塗布し、オーブン中70℃で3分間加熱し、溶剤を揮発除去した。この際、乾燥後の厚みが3μmとなるように、バーコーターの塗布条件を調整した。次に、コンベア式露光機を用いて露光(露光量500mJ/cm2,200mW)を行い、樹脂組成物(1)を硬化させ、透明樹脂製基板上に透明樹脂層を形成した。同様に、透明樹脂製基板のもう一方の面にも樹脂組成物(1)からなる透明樹脂層を形成し、化合物(A)を含む透明樹脂製基板の両面に有機顔料(S)を含む透明樹脂層を有する基材を得た。
樹脂組成物(1):トリシクロデカンジメタノールアクリレート100g、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン3g、調製例1で得られた顔料分散液(S-1)50g(有機顔料(S)換算で2.5g)、イソプロピルアルコール117g。
続いて、得られた基材の片面に第一光学層として誘電体多層膜(I)を形成し、さらに基材のもう一方の面に第二光学層として誘電体多層膜(II)を形成し、厚さ約0.105mmの光学フィルターを得た。
誘電体多層膜(I)は、蒸着温度100℃でシリカ(SiO2)層とチタニア(TiO2)層とが交互に積層されてなる(合計26層)。誘電体多層膜(II)は、蒸着温度100℃でシリカ(SiO2)層とチタニア(TiO2)層とが交互に積層されてなる(合計20層)。誘電体多層膜(I)および(II)のいずれにおいても、シリカ層およびチタニア層は、基材側からチタニア層、シリカ層、チタニア層、・・・シリカ層、チタニア層、シリカ層の順で交互に積層されており、光学フィルターの最外層をシリカ層とした。
誘電体多層膜(I)および(II)の設計は、以下のようにして行った。
各層の厚さと層数については、可視光領域の反射防止効果と近赤外線領域の選択的な透過・反射性能を達成できるよう基材屈折率の波長依存特性や、適用した有機顔料(S)および化合物(A)の吸収特性に合わせて光学薄膜設計ソフト(Essential Macleod、Thin Film Center社製)を用いて最適化を行った。最適化を行う際、本実施例においてはソフトへの入力パラメーター(Target値)を下記表3の通りとした。
Figure 0007207395000017
膜構成最適化の結果、実施例1では、誘電体多層膜(I)は、膜厚31~157nmのシリカ層と膜厚10~95nmのチタニア層とが交互に積層されてなる、積層数26の多層蒸着膜となり、誘電体多層膜(II)は、膜厚37~194nmのシリカ層と膜厚12~114nmのチタニア層とが交互に積層されてなる、積層数20の多層蒸着膜となった。最適化を行った膜構成の一例を下記表4に示す。
Figure 0007207395000018
得られた光学フィルターの垂直方向から測定した分光透過率およびヘイズを測定し、各波長領域における光学特性を評価するとともに、上述した耐熱性を評価した。結果を図2および表5に示す。
また、得られた光学フィルターを用いてカメラモジュールを作成し、カメラ画像の色シェーディングおよびゴーストの評価を行った。結果を表5に示す。得られたカメラ画像はシェーディングおよびゴーストにおいて良好な結果であった。
[実施例2]
樹脂組成物(1)の代わりに下記に示す樹脂組成物(2)を用いたこと以外は実施例1と同様にして光学フィルターを得て評価を行った。結果を表5に示す。
樹脂組成物(2):合成例2で得られたウレタンアクリレート化合物(1)50g(固形分換算)、トリシクロデカンジメタノールアクリレート50g、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン3g、調製例1で得られた顔料分散液(S-1)50g(有機顔料(S)換算で2.5g)、イソプロピルアルコール117g。
[実施例3]
樹脂組成物(1)の代わりに下記に示す樹脂組成物(3)を用いたこと以外は実施例1と同様にして光学フィルターを得て、同様の評価を行った。結果を表5に示す。
樹脂組成物(3):合成例2で得られたウレタンアクリレート化合物(1)50g(固形分換算)、3-ヒドロキシ-1-アダマンチルアクリレート30g、トリシクロデカンジメタノールアクリレート20g、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン3g、調製例1で得られた顔料分散液(S-1)50g(有機顔料(S)換算で2.5g)、イソプロピルアルコール117g。
[実施例4]
樹脂組成物(1)の代わりに下記に示す樹脂組成物(4)を用いたこと以外は実施例1と同様にして光学フィルターを得て評価を行った。結果を表5に示す。
樹脂組成物(4):トリシクロデカンジメタノールアクリレート100g、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン3g、調製例2で得られた顔料分散液(S-2)50g(有機顔料(S)換算で2.5g)、メチルイソブチルケトン117g。
[実施例5]
透明樹脂基板の代わりにガラス基板(縦60mm、横60mmの大きさにカットした透明ガラス基板「OA-10G(厚み150μm)」(日本電気硝子(株)製)を用い、樹脂組成物(1)の代わりに下記に示す樹脂組成物(5)を用いたこと以外は実施例1と同様にして光学フィルターを得て評価を行った。結果を表5に示す。
樹脂組成物(5):トリシクロデカンジメタノールアクリレート100g、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン3g、調製例2で得られた顔料分散液(S-2)50g(有機顔料(S)換算で2.5g)、化合物(a-1)0.5g、化合物(a-2)0.4g、メチルイソブチルケトン112g。
[実施例6]
ガラス基板の代わりに縦60mm、横60mmの大きさにカットした透明樹脂フィルム(ゼオノアフィルムZF16(厚み100μm)」(日本ゼオン(株)製)を用いたこと以外は実施例5と同様にして光学フィルターを得て評価を行った。結果を表5に示す。
[実施例7]
樹脂組成物(1)の代わりに下記に示す樹脂組成物(6)を用いたこと以外は実施例3と同様にして光学フィルターを得て評価を行った。結果を表5に示す。
樹脂組成物(6):合成例2で得られたウレタンアクリレート化合物(1)50g(固形分換算)、3-ヒドロキシ-1-アダマンチルアクリレート30g、トリシクロデカンジメタノールアクリレート20g、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン3g、調製例3で得られた顔料分散液(S-3)56g(有機顔料(S)換算で2.8g)、イソプロピルアルコール117g。
[実施例8]
樹脂組成物(1)の代わりに下記に示す樹脂組成物(7)を用いたこと以外は実施例3と同様にして光学フィルターを得て評価を行った。結果を表5に示す。
樹脂組成物(7):合成例2で得られたウレタンアクリレート化合物(1)50g(固形分換算)、3-ヒドロキシ-1-アダマンチルアクリレート30g、トリシクロデカンジメタノールアクリレート20g、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン3g、調製例4で得られた顔料分散液(S-4)52g(有機顔料(S)換算で2.6g)、イソプロピルアルコール117g。
[実施例9]
樹脂組成物(1)の代わりに下記に示す樹脂組成物(8)を用いたこと以外は実施例3と同様にして光学フィルターを得て評価を行った。結果を表5に示す。
樹脂組成物(8):合成例2で得られたウレタンアクリレート化合物(1)50g(固形分換算)、3-ヒドロキシ-1-アダマンチルアクリレート30g、トリシクロデカンジメタノールアクリレート20g、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン3g、調製例5で得られた顔料分散液(S-5)50g(有機顔料(S)換算で2.5g)、イソプロピルアルコール117g。
[比較例1]
容器に、合成例1で得られた樹脂A 100部、化合物(A)として上記化合物(a-1)(ジクロロメタン中での吸収極大波長713nm)0.07gおよび上記化合物(a-2)(ジクロロメタン中での吸収極大波長736nm)0.06g、および上記表2-2に記載の化合物(s-6)(ジクロロメタン中での吸収極大波長1093nm)0.2gおよび塩化メチレンを加えて樹脂濃度が20質量%の溶液を調製した。なお、化合物(s-6)は塩化メチレンに溶解して染料化していた。得られた溶液を平滑なガラス板上にキャストし、20℃で8時間乾燥した後、ガラス板から剥離した。剥離した塗膜をさらに減圧下100℃で8時間乾燥して、厚さ0.1mm、縦60mm、横60mmの透明樹脂製基板を得た。
得られた透明樹脂製基板を用い、かつ、樹脂組成物(1)の代わりに下記に示す樹脂組成物(6)を用いたこと以外は実施例1と同様にして光学フィルターを得て評価を行った。結果を表5に示す。
樹脂組成物(6):トリシクロデカンジメタノールアクリレート100g、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン3g、メチルエチルケトン154.5g。
[比較例2]
樹脂組成物(5)の代わりに下記に示す樹脂組成物(7)を用いたこと以外は実施例5と同様にして光学フィルターを得て評価を行った。なお、化合物(s-15)は塩化メチレンに溶解して染料化していた。結果を表5に示す。
樹脂組成物(7):トリシクロデカンジメタノールアクリレート100g、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン3g、化合物(s-15)2.5g、化合物(a-1)0.5g、化合物(a-2)0.4g、塩化メチレン155g。
[比較例3~4]
表5に示す構成としたこと以外は、実施例1と同様にして光学フィルターを得て評価を行った。結果を表5に示す。
Figure 0007207395000019
表5中の基材の形態および各種化合物などの記号は下記の通りである。
<基材の形態>
形態(1):化合物(A)を含む透明樹脂製基板の両面に有機顔料(S)を含む透明樹脂層を有する
形態(2):透明ガラス基板(日本電気硝子(株)製「OA-10G(厚み150μm)」)の両面に有機顔料(S)を含む透明樹脂層を有する
形態(3):樹脂製支持体(日本ゼオン(株)製「ゼオノアフィルムZF16」)の両面に化合物(A)および有機顔料(S)を含む透明樹脂層を有する
形態(4):樹脂製支持体の両面に有機顔料(S)を含む透明樹脂層を有する
形態(5):化合物(A)および化合物(S)を含む透明樹脂製基板の両面に樹脂層を有する
形態(6):透明ガラス基板の両面に化合物(S)を含む透明樹脂層を有する
形態(7):化合物(A)を含む透明樹脂製基板の両面に樹脂層を有する
<透明樹脂>
樹脂A:環状ポリオレフィン系樹脂(樹脂合成例1)
モノマーA:トリシクロデカンジメタノールアクリレート
モノマーB:合成例2で得られたウレタンアクリレート化合物(1)
モノマーC:3-ヒドロキシ-1-アダマンチルアクリレート
<希釈溶媒>
希釈溶媒(1):イソプロピルアルコール
希釈溶媒(2):メチルイソブチルケトン
希釈溶媒(3):メチルエチルケトン
希釈溶媒(4):塩化メチレン
10:基材
11:第一光学層
12:第二光学層
13:第三光学層
14:第四光学層
111:カメラ画像
112:白色板
113:白色板の中央部の例
114:白色板の端部の例
121:カメラ画像
122:光源
123:光源周辺のゴーストの例

Claims (9)

  1. 下記要件(a)および(b)を満たす基材を有し、かつ、前記基材の少なくとも一方の面に誘電体多層膜が形成されていることを特徴とする光学フィルター:
    (a)波長900nm以上1200nm以下の領域に吸収極大を有する有機顔料(S)および酸性官能基を有する分散剤を含む層を有し、前記分散剤の含有量が前記有機顔料(S)100質量部に対して5~300質量部である;
    (b)波長650nm以上760nm以下の領域に吸収極大を有する化合物(A)を含む層を有し、前記有機顔料(S)を含む層と前記化合物(A)を含む層とが異なる
  2. 前記化合物(A)が、スクアリリウム系化合物、フタロシアニン系化合物およびシアニン系化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物であることを特徴とする請求項に記載の光学フィルター。
  3. 前記有機顔料(S)が、下記式(I)で表されるジイモニウム系化合物を含むことを特徴とする、請求項1または2に記載の光学フィルター。
    Figure 0007207395000020
    [式(I)中、
    1は、独立に水素原子、ハロゲン原子、スルホ基、水酸基、シアノ基、カルボキシ基、リン酸基、-SRi基、-SO2i基、-OSO2i基または下記La~Lhのいずれかを表し、R2は、独立にハロゲン原子、スルホ基、水酸基、シアノ基、ニトロ基、カルボキシ基、リン酸基、-NRgh基、-SRi基、-SO2i基、-OSO2i基または下記La~Lhのいずれかを表し、RgおよびRhは、それぞれ独立に水素原子、-C(O)Ri基または下記La~Leのいずれかを表し、Riは下記La~Leのいずれかを表し、
    (La)炭素数1~12の脂肪族炭化水素基
    (Lb)炭素数1~12のハロゲン置換アルキル基
    (Lc)炭素数3~14の脂環式炭化水素基
    (Ld)炭素数6~14の芳香族炭化水素基
    (Le)炭素数2~14の複素環基
    (Lf)炭素数1~12のアルコキシ基
    (Lg)置換基Lを有してもよい炭素数1~12のアシル基
    (Lh)置換基Lを有してもよい炭素数1~12のアルコキシカルボニル基
    置換基Lは、炭素数1~12の脂肪族炭化水素基、炭素数1~12のハロゲン置換アルキル基、炭素数3~14の脂環式炭化水素基、炭素数6~14の芳香族炭化水素基および炭素数3~14の複素環基からなる群より選ばれる少なくとも1種であり、
    nは0~4の整数を表し、
    Xは電荷を中和させるのに必要なアニオンを表す。)
  4. 前記有機顔料(S)の平均粒子径が200nm以下であることを特徴とする請求項1~のいずれか1項に記載の光学フィルター。
  5. 前記有機顔料(S)を含む層が透明樹脂層であることを特徴とする、請求項1~のいずれか1項に記載の光学フィルター。
  6. 前記透明樹脂層を構成する透明樹脂が、環状ポリオレフィン系樹脂、芳香族ポリエーテル系樹脂、ポリイミド系樹脂、フルオレンポリカーボネート系樹脂、フルオレンポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアリレート系樹脂、ポリサルホン系樹脂、ポリエーテルサルホン系樹脂、ポリパラフェニレン系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、ポリエチレンナフタレート系樹脂、フッ素化芳香族ポリマー系樹脂、(変性)アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、アリルエステル系硬化型樹脂、シルセスキオキサン系紫外線硬化型樹脂、アクリル系紫外線硬化型樹脂およびビニル系紫外線硬化型樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種の樹脂であることを特徴とする請求項に記載の光学フィルター。
  7. 固体撮像装置用である請求項1~のいずれか1項に記載の光学フィルター。
  8. 請求項1~のいずれか1項に記載の光学フィルターを具備する固体撮像装置。
  9. 請求項1~のいずれか1項に記載の光学フィルターを具備するカメラモジュール。
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