JP7206587B2 - 描画装置及び描画方法 - Google Patents
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Description
このようなインクジェット方式の描画装置では、液滴径が比較的小さい第1液滴と液滴量が小液滴より多い第2液滴とを用いて描画することにより、高精細な画質での描画を実現することができる。
この点、平坦な紙に描画する通常の描画装置のように描画対象が平坦である場合には、描画ヘッドと描画対象との距離が一定であるため、描画ヘッドと描画対象との間隔を第1液滴が正確に着弾できる距離の範囲内に設定しておけば、インクの着弾が乱れることはない。
これに対して、ネイルプリント装置の描画対象である爪は、幅方向の中央部分は比較的高さが高く、幅方向の両端部に行くほど高さが低くなる湾曲形状となっている。
このため、描画ヘッドを爪の上方において水平方向に移動させながらで描画を行った場合、爪の幅方向の中央部分では、描画ヘッドから爪の表面までの距離が短く、飛翔距離の短い第1液滴でも十分に着弾させることができるが、爪の幅方向の両端部側では、描画ヘッドから爪の表面までの距離が、爪の幅方向の中央部分より長くなる。このため、爪の幅方向の両端部側では、第1液滴は、ミスト化してしまったり正確な位置に着弾しなかったりする。これにより、爪の両端部側においては、描画したネイルデザインの画像の濃度が薄くなったり描画したネイルデザインの画像に乱れが生じたりして、画質が低下する。
また、本発明の描画方法は、描画装置の描画方法であって、前記描画装置は、第1液滴と前記第1液滴よりも液滴量が多い第2液滴とを噴射可能で、描画対象面に前記第1液滴による第1液滴ドット及び前記第2液滴による第2液滴ドットを形成して画像の描画を行う描画ヘッドを備え、指定された描画対象面および指定されたデザインに応じて、前記第1液滴ドットを形成すべき複数の位置及び前記第2液滴ドットを形成すべき複数の位置を指定するための描画用データを生成し、生成した前記描画用データに基づいて前記描画ヘッドによる描画を制御し、前記描画用データに基づく描画において、前記指定された描画対象面が第1方向に沿って凸状に湾曲している場合、前記指定された描画対象面の前記第1方向の両端の少なくとも一方側に設定される調整領域内においては、前記描画用データで指定される前記第1液滴ドットを形成すべき複数の位置のうちの少なくとも一部の位置に対して、前記第1液滴ドットを形成する代わりに前記第2液滴ドットを形成するように調整モードを実行し、前記調整モードにおいて、前記調整領域内の前記第1液滴ドットを形成すべき複数の位置における前記第1液滴ドットに代えて前記第2液滴ドットを形成する割合を、前記描画対象面における前記第1方向の端に近づくほど増加させるように前記描画ヘッドによる噴射を調整する、ことを特徴としている。
なお、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。
また、以下の実施形態では、描画装置が手の指の爪を描画対象とし、この爪の表面又はこの爪におけるインクが塗布される領域の表面を描画対象面とし、てこれに描画するネイルプリント装置である場合を例に説明するが、本発明における描画対象は手の指の爪に限るものではなく、例えば足の指の爪を描画対象としてもよい。また、ネイルチップや各種アクセサリの表面等、爪以外のものを描画対象としてもよい。
図1に示すように、本実施形態におけるネイルプリント装置1は、ほぼ箱形に形成された筐体11を有している。
筐体11の上面(天板)には操作部12が設置されている。
操作部12は、ユーザが各種入力を行う入力部である。
操作部12には、例えば、ネイルプリント装置1の電源をONする電源スイッチ釦、動作を停止させる停止スイッチ釦、爪Tに描画するデザイン画像を選択するデザイン選択釦、描画開始を指示する描画開始釦等、各種の入力を行うための操作釦が配置されている。
表示装置13は、例えば液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)、有機エレクトロルミネッセンスディスプレイその他のフラットディスプレイ等で構成されている。
本実施形態において、この表示装置13には、例えば、指U1を撮影して得た爪画像(爪Tの画像を含む指の画像)、この爪画像中に含まれる爪Tの輪郭線等の画像、爪Tに後述する元画像を投影した状態の画像、爪Tに描画すべきデザイン画像を選択するためのデザイン選択画面、デザイン確認用のサムネイル画像、各種の指示を表示させる指示画面等が適宜表示される。
なお、表示装置13の表面に各種の入力を行うためのタッチパネルが一体的に構成されていてもよい。この場合には、タッチパネルが操作部12として機能する。
なお、撮影機構50は、指固定部3内に配置されている爪Tを撮影できるものであればよく、その具体的な配置は特に限定されない。例えば、筐体11の内面ではなく、筐体11内に配置されるいずれかの構造体に固定されていてもよいし、後述する描画機構40のキャリッジ等に固定され、ヘッド移動機構49(図3参照)等により移動可能に構成されていてもよい。この場合には、撮影機構50は、X方向移動モータ46とY方向移動モータ48等で構成されるヘッド移動機構49により、X方向及びY方向に移動可能に構成される。
このように、撮影機構50をヘッド移動機構49等により移動可能に構成した場合には、描画対象である爪Tを撮影する際には、指固定部3の窓部33から露出する爪Tの上方に撮影機構50が配置されるようにし、描画時には指固定部3の上方位置に描画ヘッド41が配置されるように、適宜移動させることができる。
撮影機構50は、撮影装置51と、照明装置52とを備えている。
撮影装置51は、例えば、200万画素程度以上の画素を有する固体撮影素子とレンズ等を備えて構成された小型カメラである。
照明装置52は、例えば白色LED等の照明灯である。本実施形態では、撮影装置51を囲むように複数の照明装置52が配置されている。なお、照明装置52の数や配置は図示例に限定されない。
この撮影機構50は、後述する制御装置80の撮影制御部811(図3参照)に接続され、該撮影制御部811によって制御されるようになっている。
なお、撮影機構50によって撮影された画像の画像データは、後述する爪画像記憶領域825等に記憶される。
開口部14の内側には、後述するように、爪T(爪Tを含む指U1)を固定する指固定部3が配置されている。
図2に示すように、筐体11内には、各種の内部構造物が組み込まれた基台2が設けられている。
基台2の表面(すなわち、図2に示すようにネイルプリント装置1の上側の面)は、本実施形態においてXY平面を構成する基台上面20となっている。
基台上面20には、非描画時に描画ヘッド41が待機する待機領域(図示せず)が設けられている。
また、基台上面20には、描画ヘッド41のメンテナンスを行うメンテナンス領域6が設けられている。図示は省略するが、メンテナンス領域6には、例えば描画ヘッド41において描画対象面(本実施形態では爪Tの表面又は爪Tにおけるインクが塗布される領域の表面)に対向する面であるインク噴射面(図示せず)から強制的にインクを噴射させるパージ部やインク噴射面を拭き取り、残留しているインク等を除去するワイプ部等のメンテナンス機構が設けられる。
指固定部3は装置手前側に開口部31を有する箱状の部材であり、指固定部3内部には指U1を固定する指固定部材32が配置されている。
指固定部材32は、指U1を下側から押し上げ支持するものであり、例えば柔軟性を有する樹脂等で形成されている。本実施形態では、指固定部材32は、幅方向のほぼ中央部が窪んだ形状となっており、指U1を指固定部材32上に載置した際に、指U1の腹部分を指固定部材32が受けて、装置幅方向(図1及び図2におけるX方向)に指U1ががたつくのを防止することができる。
なお、指固定部材32は、指U1を下側から支持し得るものであればよく、その構成は特に限定されない。例えば、ばね等の弾性部材によって下方から付勢されていてもよい。また、例えば、指固定部材32は、内圧を変化させることにより膨縮可能に構成されており、膨張状態において指U1を押し上げ、その位置を固定する構成としてもよい。
また、指固定部3の天面手前側は指U1の浮き上がりを防止して指U1の上方向の位置を規制する指押え34となっている。指U1及びその爪Tは、下側から指固定部材32によって支持され、指U1の上側が指押え34によって押さえられることで、高さ方向の位置が所定の位置に位置決めされる。
また、本実施形態では、指挿入方向の奥側には、爪Tを載置する爪載置部35が設けられている。
この爪載置部35に爪Tの先を載置させることにより、爪Tの水平方向(すなわち、X方向及びY方向)の位置が規定されるとともに、その高さ方向の位置も規制される。
描画機構40は、描画機構本体である描画ヘッド41、描画ヘッド41を支持するヘッドキャリッジ42、描画ヘッド41をX方向(図1及び図2等におけるX方向、ネイルプリント装置1の左右方向)に移動させるためのX方向移動ステージ45、X方向移動モータ46(図3参照)、描画ヘッド41をY方向(図1及び図2等におけるY方向、ネイルプリント装置1の前後方向)に移動させるためのY方向移動ステージ47、Y方向移動モータ48(図3参照)等を備えて構成されている。
これら一対の支持部材471の延在方向における両端部にはそれぞれプーリー477が取り付けられている。装置左側及び装置右側のプーリー477には、装置の前後方向(図2等においてY方向)に延在する駆動ベルト474がそれぞれ巻回されている。
装置奥側に設けられているプーリー477は、駆動軸部476の両端部に取り付けられている。この駆動軸部476には、Y方向移動モータ48(図3参照)が接続されており、Y方向移動モータ48が駆動することで駆動軸部476及びこれに取り付けられているプーリー477が適宜正逆方向に回転する。
プーリー477の回転により、プーリー477に巻回されている駆動ベルト474も回転し、これによりX方向移動ステージ45(及びX方向移動ステージ45に搭載されている描画ヘッド41)がY方向に移動可能となっている。
また、支持部材471上には駆動ベルト474と平行してY方向に延在するガイド軸475が設けられている。
左右一対の側面部453には、それぞれガイド軸475が挿通される軸挿通部453aが設けられており、この一対の軸挿通部453aにそれぞれガイド軸475が挿通され、Y方向駆動モータ48が駆動して駆動ベルト474が回転することによってX方向移動ステージ45は、ガイド軸475に沿ってY方向に移動可能となっている。
X方向移動ステージ45には、描画ヘッド41を支持するヘッドキャリッジ42が搭載されている。
ヘッドキャリッジ42の背面側(装置奥側)には、ガイド軸455が挿通される図示しない軸挿通部が設けられている。
ヘッドキャリッジ42の軸挿通部にガイド軸455が挿通され、X方向駆動モータ46が駆動して駆動ベルト454が回転することによって、ヘッドキャリッジ42はX方向移動ステージ45内をガイド軸455に沿ってX方向に移動可能となっている。
なお、描画ヘッド41の動作やヘッド移動機構49の動作を制御する描画制御部814は、全てが1つの制御基板上に設けられている必要はない。例えば、描画ヘッド41のインク噴射やX方向移動モータ46の動作等を制御する制御部81が搭載され、メインの制御基板と電気的に接続された図示しない制御基板がX方向移動ステージ45に設けられていてもよい。本実施形態においてヘッドキャリッジ42の背面側には、フレキシブルなプリント配線基板425が設けられている。このプリント配線基板425は、X方向移動ステージ45に設けられている制御基板と電気的に接続されており、メインの制御基板上に設けられている描画制御部814からの制御信号は、X方向移動ステージ45に設けられている制御基板を介してプリント配線基板425に送られ、描画制御部814の制御に従った描画ヘッド41のインク噴射制御等が行われるようになっている。
描画ヘッド41は、例えば、イエロー(Y;YELLOW)、マゼンタ(M;MAGENTA)、シアン(C;CYAN)のインクに対応する図示しないインクカートリッジと各インクカートリッジにおける描画対象面に対向する面に設けられたインク噴射面とが一体に形成されたインクカートリッジ一体型のヘッドである。インク噴射面には、図3に示すように、それぞれの色のインクによる液滴を噴射する複数のノズルからなるノズルアレイの噴射口(インク噴射口、411、412)が列状に形成されている。描画ヘッド41は、インクを微滴化し、インク噴射面(インク噴射面の複数のノズルによるインク噴射口)から描画対象面(すなわち、爪Tの表面又は爪Tにおけるインクが塗布される領域の表面)に対して直接にインクによる液滴を吹き付けて描画を行う。なお、描画ヘッド41は、上記3色のインクによる液滴を噴射させるものに限定されない。その他の色のインクを貯留するインクカートリッジ及びインク噴射口を備えていてもよい。
描画ヘッド41は、後述する爪情報検出部812により検出された爪情報等に基づいて、指U1の爪Tに描画を施すものである。
本実施形態では、描画ヘッド41は、第1液滴(小液滴)とこれよりも液滴量の多い第2液滴(大液滴)とを選択的に噴射可能に構成されている。すなわち、描画ヘッド41には、例えば、第1液滴を噴射させる径の小さな複数の第1ノズル411による第1ノズル群41aと、第2液滴を噴射させる径の大きな複数の第2ノズル412による第2ノズル群41bとが形成されており、描画制御部814の制御に応じて、いずれかのノズル群からを噴射させるようになっている。ここで、描画ヘッド41の第1ノズル411から第1液滴が噴射されて描画対象面に形成されるドットを第1液滴ドット(小液滴ドット)とし、描画ヘッド41の第2ノズル412から第2液滴が噴射されて描画対象面に形成されるドットを第2液滴ドット(大液滴ドット)とする。
ここで、第2液滴とは、例えば着弾径が例えばφ40μm以上の液滴であり、第1液滴とは例えば着弾径が例えばφ30μm以下の液滴を意味する。
第1液滴は、飛翔距離が5mm程度までであれば描画対象面の所望の位置にほぼ正確に着弾し、高精細な描画を可能とする。しかし、飛翔距離が5mmを超えると所望の位置に正確に着弾させることが難しくなり、描画した画像が乱れて画質が著しく悪化する。また、第1液滴は、飛翔距離が長くなるにつれて、次第にミスト化し、着弾すらしないまま空中に飛散してしまい、描画した画像の濃度が薄くなってしまう。これに対して、第1液滴よりも液滴量の多い第2液滴により描画した場合には、第1液滴に比べて粒状性のある画像となるが、飛翔距離が5mmを超えても、所望の位置にほぼ正確に着弾させることができて、描画した画像が乱れることは少なく、描画した画像の濃度が薄くなってしまうことも少ない。
図3は、本実施形態における制御構成を示す要部ブロック図である。
制御装置80は、図3に示すように、図示しないCPU(Central Processing Unit)により構成される制御部81と、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等(いずれも図示せず)で構成される記憶部82とを備えるコンピュータである。
具体的には、記憶部82のうち、ROM等で構成されるプログラム記憶領域820には、例えば爪画像から爪Tの形状や爪Tの輪郭、爪Tの幅、爪Tの曲率等の各種の爪情報を検出するための爪情報検出プログラム、描画用データを生成するための描画データ生成プログラム、描画処理を行うための描画プログラム等の各種プログラムが格納されており、これらのプログラムが制御装置80によって実行されることによって、ネイルプリント装置1の各部が統括制御されるようになっている。
また、本実施形態において記憶部82には、本実施形態におけるインクによる液滴の噴射制御に関するパラメータ等のデータを格納する噴射制御データ記憶領域821、爪Tに描画されるネイルデザインの画像データを記憶するネイルデザイン記憶領域824、撮影機構50によって取得されたユーザの指U1の爪Tの爪画像を記憶する爪画像記憶領域825、爪情報検出部812によって検出された爪情報(爪Tの輪郭や爪Tの幅、爪Tの傾斜角度(爪Tの曲率)等)が記憶される爪情報記憶領域826等が設けられている。
本実施形態において、噴射制御データ記憶領域821には、調整領域設定テーブル822(図6(a)、図6(b)、図6(d)参照)、噴射割合調整パラメータ823等が記憶されている。本実施形態では、調整領域設定テーブル822等が図6(c)に示すように爪Tの湾曲レベル(図6(c)では、曲面レベル0から曲面レベル5の6段階)に応じて規定されている。
なお、調整領域設定テーブル822及び噴射割合調整パラメータ823の詳細については、後述する。
撮影機構50により取得された爪画像の画像データは、記憶部82の爪画像記憶領域825に記憶される。
ここで、爪情報とは、例えば、爪Tの輪郭(爪形状、爪Tの水平位置のXY座標等)、爪Tの高さ(爪Tの垂直方向の位置、以下「爪Tの垂直位置」又は単に「爪Tの位置」ともいう。)、爪Tの曲率(湾曲度合)等である。
なお、爪情報には、爪Tの指種(例えば右手の親指、左手の中指等の情報)が含まれていてよい。これらの情報は爪情報検出部812が爪画像を解析することにより検出されてもよいし、ユーザが操作部12等から入力したものでもよい。
なお、爪T又は下地用のインクが塗布されている領域のいかなる部分の幅寸法をもって爪幅Wとするかは、適宜設定可能であり、例えば、爪Tの幅方向において最も幅の広い部分の寸法を爪幅Wとしてもよい。
爪情報検出部812によって検出された結果である爪形状(爪Tの輪郭)、爪幅W、爪曲率、指種等の爪情報は、記憶部82の爪情報記憶領域826に記憶される。
具体的には、描画データ生成部813は、爪情報検出部812により検出された爪Tの形状等に基づいてネイルデザインの画像データを拡大、縮小、切出し等することにより爪Tの形状に合わせ込む合せ込み処理を行う。
さらに、描画データ生成部813は、適宜補正を行って描画対象面に描画する描画用データを生成する。
また、爪情報検出部812により爪Tの曲率等が取得されている場合には、描画データ生成部813は、例えば爪Tの曲率に応じて爪Tの両端部において描画した画像の濃度が低下しないように濃度調整を行う等の曲面補正を適宜行ってもよい。
なお、後述するように、本実施形態では、爪Tの両端部の所定範囲において第1液滴インクと第2液滴との噴射割合の調整を行うようになっており、爪Tの端部に行くほど描画した画像の濃度が濃くなるようにすることも可能である。この場合には描画用データを作成する段階で曲面補正を行う必要はない。
後述するように、特に曲面補正を施していない描画用データは、紙等の湾曲していない面(平面)に描画することを前提に作られた描画用データであり、第2液滴を噴射する第2液滴ノズル、第1液滴を噴射する第1液滴ノズルもともに、インクによる液滴を100%噴射するように設定されている。
具体的には、描画制御部814は、爪情報検出部812により検出された各種の爪情報と記憶部82の噴射制御データ記憶領域821に記憶されている調整領域設定テーブル(図6(a)~図6(b)参照)に基づいて、爪Tの端部領域に所定幅((図5(b)等において幅P)の調整領域CAを設定する。
さらに本実施形態の描画制御部814は、設定した調整領域CA内において、噴射制御データ記憶領域821に記憶されている噴射割合調整パラメータ823に基づいて、描画対象面に対して第1液滴、第2液滴の噴射量の割合の調整を行うようになっている。
図5(b)は、図5(a)における矢視b方向から見た爪Tと描画ヘッド41との位置関係を模式に示す説明図である。
図5(b)に示すように、描画対象面である爪Tの表面又は爪Tにおけるインクが塗布されている領域の表面は、幅方向の中央部の高さが高く、両端部では高さが低くなる曲面形状となっている。このため、爪Tの幅方向の中央部では、描画ヘッド41と爪Tの表面との距離は小さい(図5(b)において「距離H1」)が、爪Tの幅方向の両端部では、描画ヘッド41と爪Tの表面との距離が大きくなってしまう(図5(b)において「距離H2」)。
例えば、ネイルプリント装置1において、描画ヘッド41から爪Tの中央部までの距離H1を2mmに設定した場合には、描画ヘッド41から爪Tの端部までの距離H2は5mm~8mm程度となる。前述のように、第1液滴は飛翔距離が5mmを超えると所望の位置に正確に着弾しにくくなる。このため、爪Tの端部付近では、第1液滴では正確な着弾が難しいが、第2液滴であれば、所望の位置にほぼ正確に着弾させることができる。
なお、この幅Pの値は描画対象面を爪Tの表面とした場合の値であって、調整領域CAは、爪Tの幅方向の両端部(図5(a)及び図5(b)において、「爪端部a,b」)から爪Tの幅方向の中央部に向かう位置に幅Pを有して設定される。ここで、描画対象面を爪Tにおける下地用のインクが塗布された領域の表面とし、下地用のインクが塗布されている領域の爪Tの幅方向の端が爪Tの爪床より爪Tの中央方向に入った位置にある場合には、調整領域CAの幅Pは、この爪Tにおける下地用のインクが塗布された領域の爪Tの幅方向の端の位置に応じて調整される。
以下においては、描画対象面を爪Tの表面とした場合について説明するが、描画対象面を爪Tにおけるインクが塗布された領域の表面とした場合にも同様の制御方式を適用することができる。例えば、図6(a)に示す調整領域設定テーブル822aでは、爪幅Wが8mmであるときは、調整領域CAの幅Pを0.8mmに設定し、爪幅Wが20mmであるときは、調整領域CAの幅Pを2mmに設定するように対応づけされている。
このように具体的な数値でテーブルを構成した場合には、描画制御部814は、合致する爪幅Wに対応する数値を読み出してくれば足りるため、調整領域CAの幅の爪幅Wに対する割合を示す数値をパラメータとする場合と比べて演算処理の時間等を省くことができる。
なお、検出された爪幅Wが調整領域設定テーブル822aに規定されている複数の爪幅Wのいずれにも合致しない場合には、調整領域設定テーブル822aに規定されている複数の爪幅Wにおける検出された爪幅Wに最も近似する爪幅Wに対応する数値を調整領域CAの幅Pとして読み出すようにしてもよいし、調整領域設定テーブル822aに規定されている爪幅Wに対する値を各爪幅Wと検出された爪幅Wとの差分に応じて比例計算して、算出された値を調整領域CAの幅Pとするようにしてもよい。
また、調整領域設定テーブル822aは具体的な数値によりテーブルが構成されているが、例えば、爪幅Wとこれに対する調整領域CAの幅Pとの関係が割合で規定されていてもよい。この場合、例えば、爪幅Wが8mmである場合には調整領域CAの幅Pは爪幅Wの10%、爪幅Wが20mmである場合には調整領域CAの幅Pは爪幅Wの20%等と設定され、爪幅Wが8mmのときは、爪Tの幅方向の両端部a,bからそれぞれ0.8mmの幅の領域が調整領域CAとして設定され、爪幅Wが20mmのときは、爪Tの幅方向の両端部a,bからそれぞれ4mmの幅の領域が調整領域CAとして設定される。
このように爪幅Wとこれに対する調整領域CAの幅Pとの関係が割合で規定されている場合には、具体的な数値でテーブルを構成する場合よりも様々な幅の爪Tに広く対応することができる。
爪Tの湾曲レベルが高いほど、爪Tの各端部a,bの落ち込みが大きく、第1液滴では着弾しにくくなる。このためより広い幅で第1液滴、第2液滴の噴射量の割合(噴射割合)の調整を行うことが好ましい。
そこで、例えば、図6(b)に示す調整領域設定テーブル822bでは、爪Tの湾曲レベルがほとんど湾曲していない湾曲レベル0から大きく湾曲した湾曲レベル5までの6段階に分けられており、爪Tがほぼ湾曲していないか、比較的湾曲の少ない湾曲レベル0又は1の場合には、調整領域CAの幅Pが0%とされ、調整領域CAを設定しない。
これに対して、湾曲レベル2の場合には、調整領域CAの幅Pが10%とされ、描画制御部814は、爪Tの幅方向の各端部a,bからそれぞれ10%の幅の領域を調整領域CAとして設定する。また、湾曲レベル5の場合には、調整領域CAの幅Pが25%とされ、描画制御部814は、爪Tの幅方向の各端部a,bからそれぞれ25%の幅の領域を調整領域CAとして設定する。
描画対象面となる爪Tの表面がいずれの湾曲レベルに属するかは爪情報検出部812により判断されて湾曲レベル情報が当該爪Tの爪情報として爪情報記憶領域826に記憶されてもよいし、爪情報検出部812により検出された爪Tの曲率に基づいて描画制御部814が、図6(c)に示すように、各湾曲レベル0~6に分類し、分類結果に基づいて図6(b)に示すような調整領域設定テーブル822bを適用してもよい。
爪Tの形状や大きさは、指種によって特徴があり、例えば小指等は比較的平らで爪幅Wも狭いのに対して、親指等は比較的爪Tの湾曲レベルが大きく爪幅Wも広い。
このため、親指の爪T等については他の指の爪Tよりも広い範囲に調整領域CAを設定することが好ましい。
そこで、例えば、図6(d)に示す調整領域設定テーブル822cでは、左右の親指の爪T以外の爪については、爪Tの幅方向の両端部a,bからそれぞれ10%の幅の領域を調整領域CAとして設定する。これに対して、左右の親指の爪Tについて場合には、調整領域CAの幅Pが15%とされ、描画制御部814は、爪Tの幅方向の各端部a,bからそれぞれ15%の幅の領域を調整領域CAとして設定する。
なお、指種に応じた調整領域CAの幅Pは図6(d)に示す例に限定されない。
噴射制御データ記憶領域821に複数種類の調整領域設定テーブル822が記憶されている場合には、いずれかがデフォルトで設定され、ユーザ等により変更されない限り描画制御部814はデフォルトで設定された調整領域設定テーブル822を用いて調整領域CAを設定してもよいし、複数種類の調整領域設定テーブル822を合わせて参照して調整領域CAを設定してもよい。また、描画制御部814が各種条件に応じていずれかの調整領域設定テーブル822を選択してもよい。
例えば、爪Tの端部a,bにおける深さ(例えば図5(b)におけるH2-H1の距離)や爪Tの高さ寸法に応じて設定されていてもよい。
爪Tの高さが高いほど第1液滴の着弾率が低下するため、爪Tの高さ方向の形状に基づいて調整領域CAを設定することで、第1液滴の着弾率の落ちるところを第2液滴で補完することができる。
例えば、爪T等に描画し、その描画結果からユーザが調整領域CAの幅Pを狭めたい又は広げたい場合、操作部12等を操作することで、調整領域設定テーブル822によってデフォルトで規定された調整領域CAの幅Pを変更できるようになっていてもよい。
この場合、具体的には、操作部12等に、例えばプラス変更、マイナス変更を入力可能な調整領域幅変更スイッチ等を設けておき、ユーザがこれを1回操作するごとに、制御部81がこれを受け付けて、デフォルトで設定された調整領域CAの幅Pの閾値を1段階ずつプラス方向又はマイナス方向に変更できるようにする。
このように、操作部12からの入力指示に応じて、デフォルトのテーブル822を変更可能とした場合には、ユーザの好みに応じた仕上がりのネイルプリントを実現することができる。
なお、描画制御部814により設定された調整領域CAは、爪画像等に重畳させて表示装置等に表示させてもよい。これにより、調整領域CAが爪Tのどの範囲に設定されたかをユーザが確認することができ、調整領域CAの幅Pの修正や微調整を行いやすくなる。
ここで、第1液滴ドット形成領域に対する第2液滴の噴射割合とは、作成された描画用データに基づいた第2液滴ドットを形成すべき領域(第2液滴ドット形成予定領域)には、描画用データに従って第2液滴ノズル412から第2液滴を噴射している状態を0%として、描画用データに基づいた第1液滴ドットを形成すべき領域(第1液滴ドット形成予定領域)に対する、第2液滴ノズル412から第2液滴を噴射して第2液滴ドットを形成する割合を示している。すなわち、第2液滴の噴射割合が例えば10%のときは、第1液滴ドット形成予定領域のうちの10%の領域に第2液滴を噴射して第2液滴ドットを形成することを意味し、第2液滴の噴射割合が50%のときは、第1液滴ドットを形成するように規定されている複数の箇所のうちの50%、つまり2箇所中の1箇所に、第2液滴を噴射して第2液滴ドットを形成することを意味し、第2液滴の噴射割合が100%のときは、第1液滴ドットを形成するように形成されている複数の箇所の全てで第2液滴を噴射して第2液滴ドットを形成することを意味する。ここで、第2液滴の噴射割合が100%でないときに、第1液滴ドットを形成するように設定されている複数の箇所のうちのどの箇所に第2液滴ドットを形成するかは特に限定されないが、第2液滴ドットを形成する箇所に偏りが生じないようにすることが好ましく、第2液滴ドットを形成する箇所が第1液滴ドットを形成するように設定されている複数の箇所からランダムに選択されることが好ましい。
また、第1液滴ドット形成予定領域に対する第1液滴の噴射割合とは、作成された描画用データに基づいた第1液滴ドットを形成すべき領域(第1液滴ドット形成予定領域)の全部に、描画用データに従って第1液滴ノズル411から第1液滴を噴射している状態を100%として、第1液滴ドット形成予定領域に対する、第1液滴ノズル411から第1液滴を噴射して第1液滴ドットを形成する割合を示している。すなわち、第1液滴ドット形成予定領域に対する第1液滴の噴射割合が10%のときは、第1液滴ドット形成予定領域のうちの10%の領域に第1液滴ドットを形成し、残りの箇所には第1液滴ドットを形成しないことを意味し、第1液滴ドット形成予定領域に対する第1液滴の噴射割合が50%のときは、第1液滴ドット形成予定領域のうちの50%の領域に第1液滴ドットを形成し、残りの箇所には第1液滴ドットを形成しないことを意味し、第1液滴ドット形成予定領域に対する第1液滴の噴射割合が0%のときは、第1液滴ドット形成予定領域に第1液滴ドットを形成しないことを意味する。ここで、図7(a)及び図7(b)に示す、第1液滴ドット形成予定領域に対する第1液滴の噴射割合が100%未満で0%でないときに第1液滴ドット形成予定領域のうちの第1液滴ドットを形成する箇所は、第1液滴ドット形成予定領域に対する第2液滴の噴射割合に応じて第2液滴ドットを形成する箇所とは異なる箇所に設定される。
また、図7(a)から図7(c)では、グラフ上側第1液滴ドット形成予定領域に対する第2液滴の噴射割合を示し、グラフ下側に第1液滴ドット形成予定領域に対する第1液滴の噴射割合を示している。
このため、本実施形態では、第1液滴ドット形成予定領域に対する第2液滴の噴射割合を増加させる調整領域CAを、爪Tの幅W方向の両端部a,bから中央部に向かう端部領域に設定し、この調整領域CAにおいては、爪Tの両端部a,bに向かって第1液滴ドット形成予定領域に対する第2液滴の噴射割合を増加させるように、描画制御部814が描画ヘッド41からのインクによる液滴の噴射を制御する。
このため、描画制御部814は、各調整モード(図7(a)から図7(c)に示す調整モード1から調整モード3)に共通して、爪Tの幅方向におけるcからdの間の領域では、紙等の湾曲していない面(平面)に描画することを前提に作られた描画用データにおいて第2液滴ドットを形成するように規定されている箇所には第2液滴を噴射させ、第1液滴ドットを形成するように規定されている箇所には第1液滴を噴射させる。すなわち、この領域では、第1液滴ドット形成予定領域に対する第2液滴の噴射割合は0%、第1液滴の噴射割合は100%となる。
そして、描画制御部814は、調整領域CA内の爪Tの幅W方向の両端部a,bに向かういずれかの位置において第1液滴の噴射割合を0%として、複数の第1液滴ドットをすべて第2液滴ドットに置き換えるように、描画ヘッド41からのインクによる液滴の噴射を制御する。
図7(a)に示す例では、描画制御部814が、調整領域CAにおいて爪Tの幅W方向の両端部a,bに向かって徐々に第1液滴の噴射割合を減少させていくとともに、第1液滴ドット形成予定領域に対する第2液滴の噴射割合を増加させていき、第1液滴ドットを1対1で第2液滴ドットに置き換えていく。そして、爪Tの幅W方向の両端部a,bにおいて第1液滴の噴射割合を0%とするとともに、第1液滴ドット形成予定領域に対する第2液滴の噴射割合を100%として、複数の第1液滴ドットをすべて第2液滴ドットに置き換える場合を示している。
この場合には、第1液滴が着弾できずにミスト状になって装置内に飛散するのを抑制することができる。また、同じ数の第1液滴ドットと第2液滴ドットとでは後者の方がインクの総量が多くなって、前者より後者の方が色が濃くなるため、曲面補正を別途行わなくても爪Tの端部において描画した画像の色が薄くなる不具合を抑制することもできる。ただし、複数の第1液滴ドットをすべて第2液滴ドットに置き換えた場合に、調整領域CAにおけるインクの総量が多くなり過ぎて、爪Tの端部において描画した画像の色が濃くなりすぎる場合もある。
すなわち、この調整モード2においても、調整領域CAにおいて、描画データにおいて規定されている複数の第1液滴ドットの少なくとも一部を第2液滴ドットに置き換えるように制御され、複数の第1液滴ドットのうちの第2液滴ドットに置き換える比率をcから端部aに向かって増加させる。同様に、複数の第1液滴ドットのうちの第2液滴ドットに置き換える比率をdから端部bに向かって増加させる。ただし、この調整モード2においては、調整領域CAにおいて、第1液滴ドットを1対1で第2液滴ドットに置き換えるのではなく、第1液滴ドット形成予定領域のうちの第1液滴の噴射割合に応じて第1液滴ドットが形成されない箇所のうちの、第1液滴ドットに対する第2液滴の噴射割合の値に応じた割合の箇所を第2液滴ドットに置き換えるようにされる。つまり、図7(b)に示す、両端部a,bで第1液滴の噴射割合が0%であって、第1液滴ドット形成予定領域に対する第2液滴の噴射割合が50%となっている場合には、描画用データにおいて規定されている複数の第1液滴ドットのうちの50%を第2液滴ドットに置き換えるようにされる。また、例えば、第1液滴の噴射割合が50%であって、第1液滴ドット形成予定領域に対する第2液滴の噴射割合が25%となっている場合には、描画用データにおいて規定されている複数の第1液滴ドットのうちの50%に第1液滴ドットが形成され、複数の第1液滴ドットのうちの25%を第2液滴ドットに置き換えるようにされる。
この調整モード2においては、爪Tの端部において描画した画像の濃度が濃くなり過ぎることを抑制することができる。
例えば、爪Tの形状による描画ヘッド41と爪表面の距離の変化に応じた第1液滴の着弾量の変化から、着弾する第1液滴の減少分を補うように第1液滴ドット形成予定領域に対する第2液滴の噴射割合を増加させるようにしてもよい。
また、描画ヘッド41と爪表面の距離の変化に応じて第1液滴の着弾量が減少していく割合を実験から求め、例えば第1液滴の着弾量の減少率が50%程度(すなわち第1液滴の50%程度は着弾する)であれば、第1液滴の噴射量の50%まで第2液滴を次第に増やすようにしてもよい。
また第2液滴を増加させるカーブはリニアや爪形状に合わせたものでなくてもよい。例えば、第1液滴の着弾性に合わせて作られたカーブを用いてもよい。
なお、第1液滴の着弾量の減少を第2液滴で補う補正のカーブは第2液滴の1噴射における噴射量と第1液滴の1噴射における噴射量とに応じて変わるものである。
また、第1液滴の噴射割合は、図7(a)及び図7(b)に示すように爪Tの端部a,bにおいて0%になる場合に限定されず、爪Tの端部a,bに向かういずれかの時点で0%となってもよい。
本実施形態では、表示制御部815は、例えば、指U1を撮影して得られた爪画像や、爪Tに描画すべき画像(すなわち、「ネイルデザイン」)を選択するためのデザイン選択画面、デザイン確認用のサムネイル画像、各種の指示を表示させる指示画面等を表示装置13に表示させるようになっている。
また、調整領域CAの設定を行う際に、爪Tのどの範囲に調整領域CAが設定されているかを表示装置13に表示させるようにしてもよい。これにより、ユーザは調整領域CAの設定範囲を確認して必要に応じて変更・修正を行うことができる。
このネイルプリント装置1により描画を行う場合、ユーザはまず、電源スイッチを入れて制御装置80を起動させる。
表示制御部815は、表示装置13にデザイン選択画面を表示させ、ユーザは操作部12等を操作して、デザイン選択画面に表示された複数のネイルデザインの中から所望のネイルデザインを選択することにより、操作部12から選択指示信号が出力されて、一つのネイルデザインが選定される。
次に、描画制御部814は、噴射割合調整パラメータを参照して、調整領域CA内における第1液滴ドットに対する第2液滴の噴射割合及び第1液滴の噴射割合を設定する(ステップS5)。すなわち、図7(a)~図7(c)等に示す調整モード1から調整モード3のいずれかを描画動作において適用するように設定する。
このとき、爪Tの幅方向の一方側の端部(描画初期位置)から他方側の端部に向かって描画ヘッド41を移動させながら描画動作が行われ、描画制御部814は、随時、描画位置(図5(b)において2つの描画位置D1,D2を黒点で例示する)の、描画初期位置(爪端部)からの距離Dp(Dp1,Dp2)を取得する(ステップS7)。そして、描画制御部814は、取得した距離Dpから、描画位置が爪Tの描画範囲内か否か(すなわち、爪Tの輪郭の内側か否か)を判断する(ステップS8)。描画位置が描画範囲内であると判断すると(ステップS8;YES)、描画制御部814は、それが第1液滴と第2液滴との噴射割合の調整が必要な調整領域CA内か否かを判断する(ステップS9)。具体的には、Dp<Pであるか、Dp>W-Pである場合には、描画位置が調整領域CA内であると判断(ステップS9;YES)し、それ以外の場合には描画位置が調整領域CA内ではないと判断(ステップS9;NO、すなわち、第1液滴の噴射割合は100%、第1液滴ドットに対する第2液滴の噴出割合は0%の領域内と判断)する。
描画位置が調整領域CA内であると判断された場合(ステップS9;YES)には、描画制御部814は、例えば第1液滴の噴射割合を減少させるとともに、第1液滴ドットに対する第2液滴の噴射割合を増加させて描画するように描画ヘッド41を制御する(ステップS10)。また、描画位置が調整領域CA内ではないと判断(すなわち、調整領域CA外と判断)された場合(ステップS9;NO)には、描画制御部814は、第1液滴の噴射割合を100%とするとともに、第1液滴ドット形成予定領域に対する第2液滴の噴射割合を0%にして、第1液滴と第2液滴とにより描画するように描画ヘッド41を制御する(ステップS11)。
なお、他にも描画する指の爪Tがある場合には、指U1を入れ替えて、上記の処理を繰り返す。
これにより、第1液滴では正確な着弾が難しくなる爪Tの端部においても、描画した画像が乱れたり描画した画像の濃度が低下したりすることを抑制して、爪T全体に美しい仕上がりのネイルプリントを施すことができる。
また、本実施形態では、単に撮影機構50によって取得した画像から爪Tを上面視したときの爪幅Wを検出し、この爪幅Wと予め記憶されているテーブルやパラメータとに基づいて、爪Tの端部に調整領域CAを定め、調整領域CA内では第2液滴の噴出割合を増加させることにより、爪端部において描画した画像の濃度が低下することを抑制するようにしている。このため、描画ヘッド41から爪Tの表面までの距離を測定する必要等がなく、別途センサ等を設ける必要もないため、簡易で安価な装置構成により、高精細な描画を実現することができる。
このようにすることで、調整領域CAの内外の境界部分において筋や色むら等を生じにくく、より自然で高精細な仕上がりを実現することができる。
これにより、調整領域CAにおいて第1液滴ドットを第2液滴ドットで置き換えていく場合にもインク濃度が濃くなりすぎず、自然な仕上がりとすることができる。
爪Tの端部である調整領域CA内は、描画ヘッド41と爪Tの表面との距離が離れているため第1液滴の着弾率が低下する。このため、第1液滴を噴射させてもずれた位置に着弾してかえって描画の仕上がりを乱したり、インクによる液滴がミスト状になることで空気中に飛散し装置内に付着したりする等のおそれがある。
この点、調整領域CA内のいずれかの位置において第1液滴の噴射割合を0%とすることで正しく着弾できなかった第1液滴による弊害を抑えることができる。
これにより、パラメータに基づいて簡易に噴出割合の制御を行うことができる。
このように、爪Tをパターン部類し、パターンごとに異なるパラメータを適用することにより、爪Tごとの形状に応じたより適切な調整領域CAの幅を設定することが可能となる。
また、ネイルプリント装置1を外部の端末装置と連携させて、外部の端末装置に記憶されている情報を用いてもよい。
以下に、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲に記載した発明を付記する。付記に記載した請求項の項番は、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲の通りである。
〔付記〕
<請求項1>
第1液滴ドットを形成するための第1液滴と、前記第1液滴よりも液滴量が多く、第2液滴ドットを形成するための第2液滴と、を噴射可能で、第1方向に沿って凸状に湾曲している描画対象面に、前記第1液滴ドット及び前記第2液滴ドットの少なくとも何れかを形成して画像の描画を行う描画ヘッドと、
前記描画ヘッドを制御する描画制御部と、
を備え、
前記描画制御部は、
前記描画対象面の前記第1方向の両端の少なくとも一方側の調整領域内において、前記画像の描画用データに基づいた前記第1液滴ドットを形成すべき第1液滴ドット形成予定領域の少なくとも一部に、前記第2液滴ドットを形成するように、前記描画ヘッドによる前記第2液滴の噴射を制御することを特徴とする描画装置。
<請求項2>
前記描画用データは、湾曲していない面に前記画像を描画することを前提として生成されているものであることを特徴とする請求項1に記載の描画装置。
<請求項3>
前記描画制御部は、
前記描画対象面における前記調整領域以外の領域では、前記第1液滴ドット形成予定領域に前記第1液滴ドットを形成し、前記描画用データに基づいた前記第2液滴ドットを形成すべき第2液滴ドット形成予定領域に前記第2液滴ドットを形成するように、前記描画ヘッドによる前記第1液滴及び前記第2液滴の噴射を制御することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の描画装置。
<請求項4>
前記描画制御部は、
前記調整領域内の前記第1液滴ドット形成予定領域における前記第2液滴ドットを形成する割合を、前記描画対象面における前記第1方向の端に近づくほど増加させるように前記描画ヘッドによる噴射を制御することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の描画装置。
<請求項5>
前記描画制御部は、
前記調整領域内の前記第1液滴ドット形成予定領域に対して前記第1液滴ドットを形成する割合を、前記描画対象面の前記第1方向の端に近づくほど減少させるように前記描画ヘッドによる噴射を制御することを特徴とする請求項4に記載の描画装置。
<請求項6>
前記描画制御部は、
前記調整領域内の前記第1液滴ドット形成予定領域に対して前記第1液滴ドットを形成する割合を、前記調整領域内における前記第1方向に沿った端に向かういずれかの位置において0%とするように前記描画ヘッドによる噴射を制御することを特徴とする請求項5に記載の描画装置。
<請求項7>
前記描画制御部は、
前記調整領域内の前記第1液滴ドット形成予定領域の中の、前記第1液滴ドットを形成しないようにされた領域の少なくとも一部に前記第2液滴ドットを形成するように前記描画ヘッドによる噴射を制御することを特徴とする請求項5又は請求項6に記載の描画装置。
<請求項8>
前記描画制御部は、
前記調整領域内の前記第1液滴ドット形成予定領域の中の、前記第1液滴ドットを形成しない用にされた領域に前記第2液滴ドットを形成するように前記描画ヘッドによる噴射を制御することを特徴とする請求項5又は請求項6に記載の描画装置。
<請求項9>
前記描画対象面は、指の爪の表面又は前記爪に塗布されたインクの表面であり、
前記第1方向は前記爪の幅方向であり、
前記描画対象面の幅及び前記幅方向の曲率を検出する爪情報検出部を備え、
前記描画制御部は、前記爪情報検出部により検出された前記描画対象面の幅及び前記幅方向の曲率の値に基づいて前記調整領域を設定することを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の描画装置。
<請求項10>
前記描画対象面は、手の複数の指のそれぞれにおける爪の表面又は前記爪におけるインクが塗布された領域の表面であり、
前記第1方向は前記爪の幅方向であり、
前記複数の指のうちの前記描画対象面を有する前記指の種類を検出する爪情報検出部を備え、
前記描画制御部は、前記爪情報検出部により検出された前記指の種類に基づいて前記調整領域を設定することを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の描画装置。
<請求項11>
描画装置の描画方法であって、
前記描画装置は、第1液滴ドットを形成するための第1液滴と、前記第1液滴よりも液滴量が多く、第2液滴ドットを形成するための第2液滴と、を噴射可能で、第1方向に沿って凸状に湾曲している描画対象面に、前記第1液滴ドット及び前記第2液滴ドットの少なくとも何れかを形成して画像の描画を行う描画ヘッドを備え、
前記描画対象面の前記第1方向の両端の少なくとも一方側の調整領域内において、前記画像の描画用データに基づいた前記第1液滴ドットを形成すべき第1液滴ドット形成予定領域の少なくとも一部に、前記第2液滴ドットを形成するように、前記描画ヘッドによる噴射を制御することを特徴とする描画方法。
40 描画機構
50 撮影機構
41 描画ヘッド
811 撮影制御部
812 爪情報検出部
814 描画制御部
821 噴射制御データ記憶領域
822 調整領域設定テーブル
823 噴射割合調整パラメータ
T 爪
U1 指
Claims (11)
- 第1液滴と前記第1液滴よりも液滴量が多い第2液滴とを噴射可能で、描画対象面に前記第1液滴による第1液滴ドット及び前記第2液滴による第2液滴ドットを形成して画像の描画を行う描画ヘッドと、
指定された描画対象面および指定されたデザインに応じて、前記第1液滴ドットを形成すべき複数の位置及び前記第2液滴ドットを形成すべき複数の位置を指定するための描画用データを生成し、生成した前記描画用データに基づいて前記描画ヘッドによる描画を制御する描画制御部と、
を備え、
前記描画制御部は、
前記描画用データに基づく描画において、前記指定された描画対象面が第1方向に沿って凸状に湾曲している場合、前記指定された描画対象面の前記第1方向の両端の少なくとも一方側に設定される調整領域内においては、前記描画用データで指定される前記第1液滴ドットを形成すべき複数の位置のうちの少なくとも一部の位置に対して、前記第1液滴ドットを形成する代わりに前記第2液滴ドットを形成するように調整モードを実行し、
前記調整モードにおいて、前記調整領域内の前記第1液滴ドットを形成すべき複数の位置における前記第1液滴ドットに代えて前記第2液滴ドットを形成する割合を、前記描画対象面における前記第1方向の端に近づくほど増加させるように前記描画ヘッドによる噴射を調整する、
ことを特徴とする描画装置。 - 前記描画制御部は、
前記第1液滴ドットを形成する代わりに前記第2液滴ドットを形成するように調整する位置の割合の異なる複数の前記調整モードを選択可能であり、
前記調整領域内において、前記描画用データで指定される前記第1液滴ドットを形成すべき複数の位置のうち、選択された前記調整モードに対応する割合で選択された一部の位置に対して、前記第1液滴ドットを形成する代わりに前記第2液滴ドットを形成するように調整する、
ことを特徴とする請求項1に記載の描画装置。 - 前記描画制御部は、
前記調整領域内において、前記描画用データで指定される前記第1液滴ドットを形成すべき複数の位置の中から、前記第1液滴ドットを形成する代わりに前記第2液滴ドットを形成する位置をランダムに選択する、
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の描画装置。 - 前記描画制御部は、
前記指定された描画対象面における前記第1方向の両端の少なくとも一方側に前記調整領域を設定する場合に、前記指定された描画対象面の幅または湾曲の程度に応じて前記調整領域の幅が異なるように設定する、
ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の描画装置。 - 前記描画用データは、湾曲していない面に前記画像を描画することを前提として生成されているものであり、
前記描画制御部は、
前記調整領域が設定されていない場合、前記第1液滴を噴射する第1液滴ノズルおよび前記第2液滴を噴射する第2液滴ノズルともに、前記描画用データの指定に応じたインクの液滴を100%噴射し、前記調整領域が設定されている場合、前記第1液滴を噴射する第1液滴ノズルおよび前記第2液滴を噴射する第2液滴ノズルのうちの少なくとも一方の液滴ノズルにおいて、前記描画用データの指定に応じたインクの液滴の割合を変更する、
ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の描画装置。 - 前記描画制御部は、
前記描画対象面における前記調整領域以外の領域では、前記描画用データで指定される前記第1液滴ドットを形成すべき複数の位置の全てに前記第1液滴ドットを形成し、前記描画用データで指定される前記第2液滴ドットを形成すべき複数の位置の全てに前記第2液滴ドットを形成するように、前記描画ヘッドによる前記第1液滴及び前記第2液滴の噴射を制御することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の描画装置。 - 前記描画制御部は、
前記調整領域内の前記描画用データで指定される前記第1液滴ドットを形成すべき複数の位置に対して、前記調整後における前記第1液滴ドットを形成する位置の割合を、前記描画対象面の前記第1方向の端に近づくほど減少させるように前記描画ヘッドによる噴射を制御することを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の描画装置。 - 前記描画制御部は、
前記調整領域内の前記第1液滴ドットを形成すべき複数の位置に対して前記第1液滴ドットを形成する割合を、前記調整領域内における前記第1方向に沿った端に向かういずれかの位置において0%とするように前記描画ヘッドによる噴射を制御することを特徴とする請求項7に記載の描画装置。 - 前記描画対象面は、指の爪の表面又は前記爪に塗布されたインクの表面であり、
前記第1方向は前記爪の幅方向であり、
前記描画対象面の幅及び前記幅方向の曲率を検出する爪情報検出部を備え、
前記描画制御部は、前記爪情報検出部により検出された前記描画対象面の幅及び前記幅方向の曲率の値に基づいて前記調整領域を設定することを特徴とする請求項4に記載の描画装置。 - 前記描画対象面は、手の複数の指のそれぞれにおける爪の表面又は前記爪におけるインクが塗布された領域の表面であり、
前記第1方向は前記爪の幅方向であり、
前記複数の指のうちの前記描画対象面を有する前記指の種類を検出する爪情報検出部を備え、
前記描画制御部は、前記爪情報検出部により検出された前記指の種類に基づいて前記調整領域を設定することを特徴とする請求項4に記載の描画装置。 - 描画装置の描画方法であって、
前記描画装置は、
第1液滴と前記第1液滴よりも液滴量が多い第2液滴とを噴射可能で、描画対象面に前記第1液滴による第1液滴ドット及び前記第2液滴による第2液滴ドットを形成して画像の描画を行う描画ヘッドを備え、
指定された描画対象面および指定されたデザインに応じて、前記第1液滴ドットを形成すべき複数の位置及び前記第2液滴ドットを形成すべき複数の位置を指定するための描画用データを生成し、生成した前記描画用データに基づいて前記描画ヘッドによる描画を制御し、
前記描画用データに基づく描画において、前記指定された描画対象面が第1方向に沿って凸状に湾曲している場合、前記指定された描画対象面の前記第1方向の両端の少なくとも一方側に設定される調整領域内においては、前記描画用データで指定される前記第1液滴ドットを形成すべき複数の位置のうちの少なくとも一部の位置に対して、前記第1液滴ドットを形成する代わりに前記第2液滴ドットを形成するように調整モードを実行し、
前記調整モードにおいて、前記調整領域内の前記第1液滴ドットを形成すべき複数の位置における前記第1液滴ドットに代えて前記第2液滴ドットを形成する割合を、前記描画対象面における前記第1方向の端に近づくほど増加させるように前記描画ヘッドによる噴射を調整する、
ことを特徴とする描画方法。
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