JP7206066B2 - 運転支援方法及び運転支援システム - Google Patents

運転支援方法及び運転支援システム Download PDF

Info

Publication number
JP7206066B2
JP7206066B2 JP2018142091A JP2018142091A JP7206066B2 JP 7206066 B2 JP7206066 B2 JP 7206066B2 JP 2018142091 A JP2018142091 A JP 2018142091A JP 2018142091 A JP2018142091 A JP 2018142091A JP 7206066 B2 JP7206066 B2 JP 7206066B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
driving
alarm
issuance
history
warning
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2018142091A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2020021108A (ja
Inventor
英鋭 相木
一彦 斉藤
量 西田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Heavy Industries Ltd filed Critical Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Priority to JP2018142091A priority Critical patent/JP7206066B2/ja
Priority to PCT/JP2019/029752 priority patent/WO2020027095A1/ja
Priority to GB2100806.5A priority patent/GB2590252B/en
Priority to CN201980050107.8A priority patent/CN112513759B/zh
Priority to US17/259,646 priority patent/US11586192B2/en
Publication of JP2020021108A publication Critical patent/JP2020021108A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7206066B2 publication Critical patent/JP7206066B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G05CONTROLLING; REGULATING
    • G05BCONTROL OR REGULATING SYSTEMS IN GENERAL; FUNCTIONAL ELEMENTS OF SUCH SYSTEMS; MONITORING OR TESTING ARRANGEMENTS FOR SUCH SYSTEMS OR ELEMENTS
    • G05B23/00Testing or monitoring of control systems or parts thereof
    • G05B23/02Electric testing or monitoring
    • GPHYSICS
    • G05CONTROLLING; REGULATING
    • G05BCONTROL OR REGULATING SYSTEMS IN GENERAL; FUNCTIONAL ELEMENTS OF SUCH SYSTEMS; MONITORING OR TESTING ARRANGEMENTS FOR SUCH SYSTEMS OR ELEMENTS
    • G05B23/00Testing or monitoring of control systems or parts thereof
    • G05B23/02Electric testing or monitoring
    • G05B23/0205Electric testing or monitoring by means of a monitoring system capable of detecting and responding to faults
    • G05B23/0259Electric testing or monitoring by means of a monitoring system capable of detecting and responding to faults characterized by the response to fault detection
    • G05B23/0275Fault isolation and identification, e.g. classify fault; estimate cause or root of failure
    • GPHYSICS
    • G05CONTROLLING; REGULATING
    • G05BCONTROL OR REGULATING SYSTEMS IN GENERAL; FUNCTIONAL ELEMENTS OF SUCH SYSTEMS; MONITORING OR TESTING ARRANGEMENTS FOR SUCH SYSTEMS OR ELEMENTS
    • G05B23/00Testing or monitoring of control systems or parts thereof
    • G05B23/02Electric testing or monitoring
    • G05B23/0205Electric testing or monitoring by means of a monitoring system capable of detecting and responding to faults
    • G05B23/0259Electric testing or monitoring by means of a monitoring system capable of detecting and responding to faults characterized by the response to fault detection
    • G05B23/0286Modifications to the monitored process, e.g. stopping operation or adapting control
    • GPHYSICS
    • G06COMPUTING; CALCULATING OR COUNTING
    • G06QINFORMATION AND COMMUNICATION TECHNOLOGY [ICT] SPECIALLY ADAPTED FOR ADMINISTRATIVE, COMMERCIAL, FINANCIAL, MANAGERIAL OR SUPERVISORY PURPOSES; SYSTEMS OR METHODS SPECIALLY ADAPTED FOR ADMINISTRATIVE, COMMERCIAL, FINANCIAL, MANAGERIAL OR SUPERVISORY PURPOSES, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • G06Q10/00Administration; Management
    • G06Q10/06Resources, workflows, human or project management; Enterprise or organisation planning; Enterprise or organisation modelling
    • G06Q10/063Operations research, analysis or management
    • G06Q10/0639Performance analysis of employees; Performance analysis of enterprise or organisation operations
    • G06Q10/06395Quality analysis or management
    • GPHYSICS
    • G06COMPUTING; CALCULATING OR COUNTING
    • G06QINFORMATION AND COMMUNICATION TECHNOLOGY [ICT] SPECIALLY ADAPTED FOR ADMINISTRATIVE, COMMERCIAL, FINANCIAL, MANAGERIAL OR SUPERVISORY PURPOSES; SYSTEMS OR METHODS SPECIALLY ADAPTED FOR ADMINISTRATIVE, COMMERCIAL, FINANCIAL, MANAGERIAL OR SUPERVISORY PURPOSES, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • G06Q10/00Administration; Management
    • G06Q10/20Administration of product repair or maintenance
    • GPHYSICS
    • G06COMPUTING; CALCULATING OR COUNTING
    • G06QINFORMATION AND COMMUNICATION TECHNOLOGY [ICT] SPECIALLY ADAPTED FOR ADMINISTRATIVE, COMMERCIAL, FINANCIAL, MANAGERIAL OR SUPERVISORY PURPOSES; SYSTEMS OR METHODS SPECIALLY ADAPTED FOR ADMINISTRATIVE, COMMERCIAL, FINANCIAL, MANAGERIAL OR SUPERVISORY PURPOSES, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • G06Q50/00Information and communication technology [ICT] specially adapted for implementation of business processes of specific business sectors, e.g. utilities or tourism
    • G06Q50/06Energy or water supply

Landscapes

  • Business, Economics & Management (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Human Resources & Organizations (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Economics (AREA)
  • Strategic Management (AREA)
  • Automation & Control Theory (AREA)
  • Theoretical Computer Science (AREA)
  • Entrepreneurship & Innovation (AREA)
  • General Business, Economics & Management (AREA)
  • Tourism & Hospitality (AREA)
  • Marketing (AREA)
  • Development Economics (AREA)
  • Quality & Reliability (AREA)
  • Operations Research (AREA)
  • Educational Administration (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Game Theory and Decision Science (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Water Supply & Treatment (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Primary Health Care (AREA)
  • Testing And Monitoring For Control Systems (AREA)
  • Alarm Systems (AREA)

Description

本開示は、運転支援方法及び運転支援システムに関する。
設備に各種のセンサを配置して、設備の稼働状態等の情報を取得することが行われている。このような設備では、これらのセンサにおいて異常が検出されると警報を発するように構成されている場合もある(特許文献1参照)。
特許第5331774号公報
設備を運転したり管理したりする運転員は、警報が発せられた場合、ますます設備に損傷を与える不適合に至る可能性があるか否かを異常を検出したセンサ並びに関連する運転データ全般から判断することが求められる。また、必要に応じて予想される不適合事象を解消するための対応を行うことが求められる。しかし、適切な判断を短時間で導き出すことは、経験の浅い運転員にとっては困難であることが多い。
上述の事情に鑑みて、本発明の少なくとも一実施形態は、設備において発せられた警報に対して推奨される対応を提示することを目的とする。
(1)本発明の少なくとも一実施形態に係る運転支援方法は、
設備において発令基準が満たされると発令される警報に対する推奨運転動作を提示する運転支援方法であって、
前記警報の発令、又は、前記警報の発令の予兆を検知するステップと、
前記設備の警報の発令履歴が記憶された警報履歴記憶部から、発令又は発令の予兆が検知された前記警報と同種の警報の発令履歴を抽出するステップと、
前記設備の操作履歴が記憶された操作履歴記憶部から、当該同種の警報の発令後の運転動作を抽出するステップと、
前記設備の運転状態を示す情報が記憶された運転データ記憶部から、当該運転動作後の前記運転状態を示す情報を抽出して当該運転動作が前記運転状態に与えた影響を検証するステップと、
抽出された前記運転動作及び検証された前記影響に基づいて、発令又は発令の予兆が検知された前記警報に対する前記推奨運転動作を提示するステップと、
を備える。
上記(1)の方法によれば、警報の発令、又は、警報の発令の予兆が検知されると、当該警報の発令の要因と想定される不適合事象に対する推奨運転動作を提示できる。この推奨運転動作は、過去の操作履歴や設備の運転状況を示す情報に基づいて、運転状態に与えた影響が検証された運転動作である。これにより、経験の浅い運転員であっても、提示された推奨運転動作を参照することで、不適合事象に対する適切な対応を行うことができる。
(2)幾つかの実施形態では、上記(1)の方法において、
発令又は発令の予兆が検知された前記警報は、複数の異なる警報を含み、
前記発令履歴を抽出するステップでは、前記複数の異なる警報のそれぞれについて、当該警報と同種の警報の発令履歴を抽出し、
前記運転動作を抽出するステップでは、前記複数の異なる警報のそれぞれについて、当該同種の警報の発令後の運転動作を抽出し、
前記影響を検証するステップでは、当該運転動作のそれぞれが前記運転状態に与えた影響を検証し、
前記推奨運転動作を提示するステップでは、抽出された前記運転動作のそれぞれ、検証された前記影響のそれぞれ、前記複数の異なる警報の組合せ、及び、前記複数の異なる警報がそれぞれ発令されたタイミングを考慮して推奨運転動作を提示する。
警報が発せられる要因となる設備の想定される不適合事象は、1つに限られないことがある。そのため、発せられた警報が1つであった場合、考えられ得る不適合事象が複数存在し、これらの不適合事象を解消するための運転動作が不適合事象毎に異なることも考えられる。
このような場合には、例えば、不適合事象毎に異なる推奨運転動作をそれぞれ提示することが考えられる。しかし、この場合には、実際に発生している不適合事象の解消に有効な推奨運転動作が、提示された複数の推奨運転動作のうちの一部となってしまうことが考えられる。
しかし、同時期に複数の警報が発せられた場合、これら複数の警報が発せられる共通の想定される不適合事象が存在することが考えられる。そのため、同時期に複数の警報が発せられた場合、複数の警報のそれぞれについて、警報発令の要因と想定される不適合事象を解消し得る運転動作を抽出すると、複数の警報が発せられる共通の不適合事象を解消し得る運転動作を絞り込むことが可能となる。
したがって、上記(2)の方法によれば、複数の警報の組み合わせ等を考慮することで、より適切な推奨運転動作を提示できる。
(3)幾つかの実施形態では、上記(1)又は(2)の方法において、前記警報履歴記憶部に記憶されている前記警報の発令履歴と、前記運転データ記憶部に記憶されている前記情報のうち、前記警報の発令時点以前の前記情報とに基づいて、前記検知するステップで前記予兆を検知するための予兆検知基準を求めるステップをさらに備える。
上記(3)の方法によれば、求めた予兆検知基準を用いて警報の発令の予兆を検知できるようになるので、不適合事象の発生を更に抑制できる可能性が増し、設備の安定的な稼働に貢献できる。
(4)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(3)の何れかの方法において、
前記警報履歴記憶部が記憶する前記発令履歴から過去に発令された第1警報の発令と同時期に発令された第2警報の履歴を抽出するか、前記操作履歴記憶部が記憶する前記操作履歴から当該同時期の前記運転動作を抽出するか、又は、前記運転データ記憶部から当該運転動作後の前記運転状態を示す情報を抽出して当該運転動作が前記運転状態に与えた影響を検証するか、の少なくとも何れか一つを実行するステップと、
前記少なくとも何れか一つを実行するステップで得られた結果に基づいて、前記第1警報の発令にあたり、前記第1警報の発令の妥当性を判断するステップと、
をさらに備える。
上記(4)の方法によれば、警報の発令にあたって警報の発令の妥当性が判断されるので、運転員に発令された警報の妥当性を認識させることが可能となる。
(5)幾つかの実施形態では、上記(4)の方法において、前記少なくとも何れか一つを実行するステップで得られた結果に基づいて、前記発令基準、又は、前記検知するステップで前記予兆を検知するための予兆検知基準を改定するステップをさらに備える。
例えば、警報の発令基準が必要以上に安全側に設定されていた場合には、警報が発令されていたにもかかわらず、当該警報の発令要因を解消するための運転動作が実施されないこともある。このような場合には、警報の発令基準を改定することで、適切なタイミングで警報が発令されるようにすることが望ましい。
その点、上記(5)の方法によれば、過去に発令された第1警報の発令と同時期に発令された第2警報の履歴、当該同時期の運転動作、又は、当該運転動作が運転状態に与えた影響の検証結果の少なくとも何れか一つに基づいて、発令基準、又は、予兆検知基準を改定できる。これにより、例えば、ある一つの警報に関して、その警報が発令されていたにも関わらず、警報の発令要因を解消するための運転動作が実施されないということが繰り返されていたことを見出すことができる。そして、警報の発令要因を解消するための運転動作が実施されなかったにもかかわらず、さらなる不具合事象が発生していなかったか否かを確認することができる。警報の発令要因を解消するための運転動作が実施されなかったにもかかわらず、さらなる不具合事象が発生していなかった場合には、警報の発令基準が必要以上に安全側に設定されているものと判断して、発令基準を改定することができる。したがって、上記(5)の方法によれば、警報が発令されるタイミング、又は、警報が発令される予兆を検知するタイミングを適切にすることができる。
(6)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(5)の何れかの方法において、
前記推奨運転動作は、複数存在し、
前記複数の推奨運転動作の優先度に応じて、前記推奨運転動作を提示するステップで前記複数の推奨運転動作を提示する順序を決定するステップ
をさらに備える。
上記(6)の方法によれば、複数の推奨運転動作をその優先度に応じた順序で提示できるので、複数の推奨運転動作が提示されても、どの推奨運転動作を行うことが望ましいのかを設備の運転員が容易に判断できる。
(7)幾つかの実施形態では、上記(6)の方法において、
発令された警報に対して実施された前記推奨運転動作についての実施履歴を当該警報と関連付けて記憶するステップと、
記憶された当該実施履歴に基づいて、当該警報に対する前記推奨運転動作の前記優先度を設定するステップと、
をさらに備える。
上記(7)の方法によれば、例えば、過去に実施された頻度が高い推奨運転動作の優先度を過去に実施された頻度が低い推奨運転動作の優先度よりも高く設定することが可能となる。これにより、過去に実施された頻度が高い推奨運転動作を運転員に選択させ易くすることができる。
(8)幾つかの実施形態では、上記(6)の方法において、前記設備の重故障を回避する前記推奨運転動作の前記優先度を該推奨運転動作以外の推奨運転動作よりも高く設定するステップをさらに備える。
上記(8)の方法によれば、設備の重故障を回避し易くなる。
(9)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(8)の何れかの方法において、
前記推奨運転動作を提示するステップでは、予め選定された前記警報に対してのみ前記推奨運転動作を提示する。
上記(9)の方法によれば、運転員が推奨運転動作の提示を希望する警報を予め設定することにより、運転員が推奨運転動作の提示を希望する警報に対してのみ推奨運転動作が提示されるので、運転員が必要とする情報を提供できる。
(10)本発明の少なくとも一実施形態に係る運転支援システムは、
設備において発令基準が満たされると発令される警報に対する推奨運転動作を提示する運転支援システムであって、
前記警報の発令、又は、前記警報の発令の予兆を検知する検知部と、
前記設備の警報の発令履歴が記憶された警報履歴記憶部と、
前記警報履歴記憶部から、発令又は発令の予兆が検知された前記警報と同種の警報の発令履歴を抽出する発令履歴抽出部と、
前記設備の操作履歴が記憶された操作履歴記憶部と、
前記操作履歴記憶部から、当該同種の警報の発令後の運転動作を抽出する運転動作抽出部と、
前記設備の運転状態を示す情報が記憶された運転データ記憶部と、
前記運転データ記憶部から、当該運転動作後の前記運転状態を示す情報を抽出して当該運転動作が前記運転状態に与えた影響を検証する検証部と、
抽出された前記運転動作及び検証された前記影響に基づいて、発令又は発令の予兆が検知された前記警報に対する前記推奨運転動作を提示する提示部と、
を備える。
上記(10)の構成によれば、警報の発令、又は、警報の発令の予兆が検知されると、当該警報の発令の要因となった不適合事象に対する推奨運転動作を提示できる。この推奨運転動作は、過去の操作履歴や設備の運転状況を示す情報に基づいて、運転状態に与えた影響が検証された運転動作である。これにより、経験の浅い運転員であっても、提示された推奨運転動作を参照することで、不適合事象に対する適切な対応を行うことができる。
本発明の少なくとも一実施形態によれば、設備において発せられた警報に対して推奨される対応を提示できる。
幾つかの実施形態に係る運転支援システムの全体構成図である。 分析部の構成を示す図である。 典型的なボイラプラントの概略構成例図である。 幾つかの実施形態に係る設備における運転支援方法の処理手順を示すフローチャートである。 設備制御装置の入出力部の表示装置に表示された推奨運転動作の表示画面の一例を示す図である。 複数の推奨運転動作の優先度に応じて、複数の推奨運転動作を提示する順序を決定する場合の運転支援方法の処理手順を示すフローチャートである。 推奨運転動作の過去の実施履歴に基づいて推奨運転動作の優先度を設定する場合の運転支援方法の処理手順を示すフローチャートである。 警報の発令の妥当性を判断するための処理手順を示すフローチャートである。 妥当性分析ステップの詳細を説明するための図である。 警報の発令の妥当性を判断するための処理手順を示すフローチャートである。 予兆検知基準を求めるための処理手順を示すフローチャートである。
以下、添付図面を参照して本発明の幾つかの実施形態について説明する。ただし、実施形態として記載されている又は図面に示されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、本発明の範囲をこれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
例えば、「ある方向に」、「ある方向に沿って」、「平行」、「直交」、「中心」、「同心」或いは「同軸」等の相対的或いは絶対的な配置を表す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。
例えば、「同一」、「等しい」及び「均質」等の物事が等しい状態であることを表す表現は、厳密に等しい状態を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の差が存在している状態も表すものとする。
例えば、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。
一方、一の構成要素を「備える」、「具える」、「具備する」、「含む」、又は、「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
図1は、幾つかの実施形態に係る運転支援システムの全体構成図である。幾つかの実施形態に係る運転支援システム1は、設備10を制御するための設備制御装置100と、設備10の運転を支援するための運転支援装置200を含む。
(設備制御装置100)
幾つかの実施形態に係る設備制御装置100は、データ取得部101と、警報発令部102と、入出力部103と、運転指示部104と、運転制御部105とを備えている。
データ取得部101は、設備10の各部に配置された複数のセンサ80からの情報、すなわち設備10の運転状態を示す情報を取得するように構成されている。また、データ取得部101は、取得した情報を運転制御部105、警報発令部102、及び、後述する運転支援装置200の運転データ記憶部205に出力するように構成されている。
警報発令部102は、データ取得部101を介して入力されたセンサ80の情報、すなわちセンサ80の出力値と、センサ80毎に予め設定された警報の発令基準とを比較して、センサ80の出力値が当該センサ80についての警報の発令基準を満たしているか否かを判断するように構成されている。警報発令部102は、センサ80の出力値が当該センサ80についての警報の発令基準を満たしていると判断すると、警報の発令信号を出力するように構成されている。以下の説明では、警報発令部102から警報の発令信号が出力されることを、単に、警報が発令される、と表すこともある。
幾つかの実施形態では、発令基準は、後述する運転支援装置200の警報発令基準記憶部207に記憶されている。
警報発令部102は、発令信号を入出力部103と、後述する運転支援装置200の検知部201と、警報履歴記憶部204とに出力するように構成されている。
入出力部103は、例えば設備10の操作を行うための操作装置、キーボードやマウスなどの入力装置、表示装置、音や音声による報知装置等を含む。例えば、入出力部103は、警報発令部102からの発令信号が入力されると、表示装置に警報が発令されたことが表示され、報知装置から警報音が発せられるように構成されている。また、入出力部103は、後で詳述するように、運転支援装置200の提示部202からの推奨運転動作に関する情報が入力されると、発令された警報に対する推奨運転動作が表示装置に表示されるように構成されている。入出力部103は、設備10の操作を行うための操作装置が操作されると、操作装置からの操作信号を運転指示部104に出力するように構成されている。入出力部103は、後述するように、表示装置に表示された複数の推奨運転動作の選択肢のうち、何れの推奨運転動作が選択されたのかを表す情報を、後述する運転支援装置200の選択履歴記憶部208に出力するように構成されている。
なお、運転動作とは、設備10の各部を制御する弁や動力機器等の装置である操作端90における動作のことである。例えば、ある制御弁における運転動作とは、当該制御弁の開度が変更されることを含む。また、ポンプにおける運転動作とは、当該ポンプのオンオフや、ポンプの回転数を変更すること等を含む。
また、以下の説明では、上述したような各機器毎の状態の変更する動作だけではなく、例えばボイラのような複数の機器を含む設備において、ボイラの負荷を変更する、あるいは各部の蒸気温度の設定値を変更する、といった設備の稼働状態を変更する動作のことを運転動作と呼ぶこともある。例えば、ボイラ出口蒸気温度の設定値を下げることにより出力の低下、及びあるいは、タービンヒートレートの低下を招くような場合も運転動作の変更と呼ぶ。
運転指示部104は、入出力部103から出力された操作信号を運転制御部105へ出力する。
運転制御部105は、データ取得部101から出力された、設備10の運転状態を示す情報と、運転指示部104から出力された操作信号とに基づいて、設備10の操作端90に制御信号を出力する。
(運転支援装置200)
幾つかの実施形態に係る運転支援装置200は、検知部201と、分析部210と、提示部202と、警報履歴記憶部204と、運転データ記憶部205と、操作履歴記憶部206とを備えている。また、幾つかの実施形態に係る運転支援装置200は、警報発令基準改定部203と、警報発令基準記憶部207と、選択履歴記憶部208とを備えていてもよい。
(検知部201について)
検知部201は、設備制御装置100の警報発令部102で警報が発令されたことを検知する。すなわち、検知部201は、設備制御装置100の警報発令部102からの警報の発令信号の有無を監視する。検知部201は、警報発令部102からの発令信号が入力されると、当該発令信号に係るセンサ80が複数あるセンサ80の何れであるかを示す情報や、警報の種類に関する情報を分析部210に出力する。
ここで、警報の種類に関する情報とは、センサ80における検出値がどのような発令基準に達したのかを表す情報である。
例えばセンサ80が温度センサであり、警報の発令基準が温度の上限側と下限側とで設定されていた場合には、警報の種類に関する情報とは、温度の上限側の発令基準に達したことで警報が発せられたのか、又は、温度の下限側の発令基準に達したことで警報が発せられたのかを表す情報である。
また、例えばセンサ80が温度センサであり、警報の発令基準が温度の上限側の第1発令基準と、第1発令基準よりも高い温度に設定された第2基準とで設定されていた場合には、警報の種類に関する情報とは、第1発令基準に達したことで警報が発せられたのか、又は、第2発令基準に達したことで警報が発せられたのかを表す情報である。
なお、以下の説明では、センサ80の検出値が発令基準に達する、とは、警報の発令基準がセンサ80の検出値の上限側で設定されていた場合、当該センサ80の検出値が当該上限側の基準値未満であった状態から当該上限側の基準値と同じ値になった、又は、当該上限側の基準値を上回った場合のことを表すものとする。また、以下の説明では、センサ80の検出値が発令基準に達する、とは、警報の発令基準がセンサ80の検出値の下限側で設定されていた場合、当該センサ80の検出値が当該下限側の基準値を超えていた状態から当該下限側の基準値と同じ値になった、又は、当該下限側の基準値を下回った場合のことを検出値が発令基準に達した場合のことを表すものとする。
また、警報の発令基準がセンサ80の検出値の上限側だけで設定されていた場合、当該上限側の基準値未満となる範囲を正常範囲と呼ぶ。同様に、警報の発令基準がセンサ80の検出値の下限側だけで設定されていた場合、当該下限側の基準値を超える範囲を正常範囲と呼ぶ。警報の発令基準がセンサ80の検出値の上限側及び下限側の双方で設定されていた場合、当該上限側の基準値未満であり、且つ、当該下限側の基準値を超える範囲を正常範囲と呼ぶ。
説明の便宜上、分析部210についての概略の説明に先立ち、警報履歴記憶部204、運転データ記憶部205、及び操作履歴記憶部206の概略について説明する。
(警報履歴記憶部204)
警報履歴記憶部204は、過去に発令された警報の発令履歴を記憶している。警報履歴記憶部204が記憶している警報の発令履歴には、例えば、過去に発令された警報のそれぞれについて、発令された警報が複数あるセンサ80の何れであるのかを示す情報や、警報の種類に関する情報、発令の日時、警報の発令要因が解消した日時の情報等が含まれている。
警報履歴記憶部204は、例えば、設備制御装置100の警報発令部102から出力される発令信号に含まれる上記の情報を警報の発令履歴として記憶する。警報発令部102から出力される発令信号に含まれる情報は、後述するように推奨運転動作を提示するにあたり、構造化データとして利用される。
また、警報履歴記憶部204は、例えば、設備10の運転員が記録した報告書に基づく情報を発令履歴として記憶する。設備10の運転員が記録した報告書とは、例えば運転日報、トラブル報告書、警報履歴メモ、運転員の交代時の引継ぎ事項等が記録された引き継ぎ書、設備10の運転に際して運転員が気付いた点などを記録したもの等である。以下の説明では、これら運転員が記録した報告書を単に報告書と呼ぶことがある。
なお、報告書は、例えば手書きの報告書であってもよく、運転員が設備制御装置100の入出力部103の入力装置から入力した内容の電磁的記録、すなわち、電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することのできない方式で作られた記録であってもよい。
報告書に記録されている情報は、いわゆる非構造化データである。そのため、報告書に記録されている情報は、次に述べるように構造化データに変換されて警報履歴記憶部204に記憶されている。
具体的には、構造化データへの変換に先立ち、データ作成者が、報告書に記録されている内容を抽出して、言語分析が可能なデータに加工する。すなわち、データ作成者は、報告書から、発令された警報が複数あるセンサ80の何れであるのかを示す情報や、警報の種類に関する情報、発令の日時、警報の発令要因が解消した日時の情報等を抽出し、例えば表形式のデータとして整理する。また、データ作成者は、報告書から、警報が発令される要因と想定される不適合事象や、警報の発令要因の解消のために運転員によって行われた運転動作、発令された警報に対応した運転員の氏名等を抽出し、例えば表形式のデータとして整理する。なお、データ作成者は、抽出した各データを、それぞれ発令された警報と紐づける。
警報の発令要因の解消のために運転員によって行われた運転動作には、設備10の操作以外にも、警報の発令に係るセンサ80や信号線に不具合があって、センサ80を交換する等のメンテナンス作業等の対応も含む。
このようにして抽出された情報は、言語解析ツールによって構造化データに変換されて、警報履歴記憶部204に記憶される。
(運転データ記憶部205)
運転データ記憶部205は、データ取得部101を介して設備10の運転状態を示す情報を取得して記憶する。
(操作履歴記憶部206)
操作履歴記憶部206は、運転員による設備10の操作履歴を設備制御装置100の運転制御部105から取得して記憶する。
(分析部210の概要について)
次いで、分析部210の概要について説明する。図2は、分析部210の構成を示す図である。分析部210は、発令履歴抽出部211と、運転動作抽出部212と、検証部213とを備える。
(発令履歴抽出部211)
発令履歴抽出部211は、検知部201で発令が検知された警報と同種の警報の発令履歴を警報履歴記憶部204から抽出するように構成されている。
ここで、検知部201で発令が検知された警報と同種の警報とは、当該発令に係るセンサ80と同一のセンサ80についての警報であって、当該発令に係る警報と同じ種類の警報である。具体的には、次のとおりである。
例えば、後述する図3におけるボイラプラント10Aの1次過熱器43の出口の蒸気温度を検出するセンサ80を例に挙げて説明する。このセンサ80を1次過熱器出口温度センサ83と呼ぶこととする。そして、1次過熱器出口温度センサ83についての警報の発令基準が温度の上限側の第1発令基準と、第1発令基準よりも高い温度に設定された第2基準とで設定されているものとする。
例えば、今回、検知部201で発令が検知された警報が1次過熱器出口温度センサ83における検出温度が第1発令基準に達したことで発令されていたのであれば、検知部201で発令が検知された警報と同種の警報は、1次過熱器出口温度センサ83における検出温度が第1発令基準に達したことで発令された警報と、1次過熱器出口温度センサ83における検出温度が第2発令基準に達したことで発令された警報とを含む。
なお、1次過熱器出口温度センサ83についての警報の発令基準が、仮に温度の下限側でも設定されていて、この下限側の発令基準に達したことで警報が発令されたとしても、当該警報は、上記同種の警報には該当しないものとする。
すなわち、検出値が発令基準に達することとなった要因が同じ要因であると推定される場合には、同一のセンサ80について異なる値に設定された発令基準の何れかに達することで発令された警報のそれぞれは、同種の警報の範囲に含まれるものとする。
(運転動作抽出部212)
運転動作抽出部212は、発令履歴抽出部211が抽出した上記同種の警報の発令後の運転動作を操作履歴記憶部206から抽出するように構成されている。なお、運転動作抽出部212は、発令履歴抽出部211が抽出した上記同種の警報の発令履歴が複数存在する場合、その複数の警報の発令履歴のそれぞれについて、警報の発令後の運転動作を操作履歴記憶部206から抽出するように構成されている。
例えば、上述した1次過熱器出口温度センサ83を例に挙げて説明すると、運転動作抽出部212は、1次過熱器出口温度センサ83の第1発令基準又は第2発令基準が満たされることで過去に発令された警報の発令履歴のそれぞれについて、警報の発令後の運転動作を操作履歴記憶部206から抽出する。
(検証部213)
検証部213は、運転動作抽出部212が抽出した運転動作の後の設備10の運転状態を示す情報を運転データ記憶部205から抽出して、当該運転動作が設備10の運転状態に与えた影響を検証するように構成されている。すなわち、検証部213は、運転動作抽出部212が抽出した運転動作の後の設備10の運転状態を示す情報を運転データ記憶部205から抽出して、当該運転動作によって設備10の運転状態が好転したか否かを検証するように構成されている。
例えば、上述した1次過熱器出口温度センサ83を例に挙げて説明すると、検証部213は、運転動作抽出部212が抽出した運転動作の後の設備の運転状態を示す情報として、少なくとも1次過熱器出口温度センサ83の検出値を含む情報を運転データ記憶部205から抽出する。そして、検証部213は、運転動作抽出部212が抽出した運転動作によって1次過熱器出口温度センサ83の検出値が第1発令基準又は第2発令基準よりも低下したか否かを少なくとも検証する。
(提示部202について)
提示部202は、運転動作抽出部212で抽出された運転動作、及び、検証部213で検証された、当該運転動作が設備10の運転状態に与えた影響に基づいて、検知部201で発令が検知された警報に対する推奨運転動作を提示するように構成されている。提示部202は、運転動作抽出部212が抽出した運転動作のうち、当該運転動作によって設備10の運転状態が好転したと検証部213で判断された運転動作を推奨運転動作として選定する。そして、提示部202は、選定した推奨運転動作の情報を設備制御装置100の入出力部103の表示装置に出力する。
例えば、上述した1次過熱器出口温度センサ83を例に挙げて説明すると、提示部202は、例えば、運転動作抽出部212が抽出した運転動作のうち、1次過熱器出口温度センサ83の検出値が第1発令基準又は第2発令基準よりも低下したことが検証部213で検証された運転動作を推奨運転動作として選定する。そして、提示部202は、選定した推奨運転動作を設備制御装置100の入出力部103の表示装置に表示させる。
(警報発令基準改定部203について)
警報発令基準改定部203は、警報の発令基準を改定するように構成されている。警報発令基準改定部203の詳細については、後で詳述する。
(警報発令基準記憶部207について)
警報発令基準記憶部207は、複数のセンサ80のそれぞれについての警報の発令基準を記憶するように構成されている。
(選択履歴記憶部208について)
選択履歴記憶部208は、上述したように、入出力部103の表示装置に表示された複数の推奨運転動作の選択肢のうち、何れの推奨運転動作が選択されたのかを表す情報を記憶するように構成されている。
(設備10の例について)
幾つかの実施形態に係る設備10は、例えば小型ボイラのような小規模の設備であってもよく、電力会社における発電プラントのような大規模の設備であってもよい。以下、幾つかの実施形態に係る大規模の設備の一例として、典型的なボイラプラントを例に挙げて説明する。
図3は、典型的なボイラプラントの概略構成例図である。
図3に示すボイラプラント10Aは、発電や熱供給に用いられる設備であり、固体燃料を燃焼させるものとして、石炭を粉砕した微粉炭を微粉燃料(固体燃料)として用い、この微粉炭を火炉11のバーナにより燃焼させ、この燃焼により発生した熱を給水や蒸気と熱交換して蒸気を生成することが可能な石炭焚きボイラである。なお、燃料は石炭に限られず、バイオマス等、ボイラで燃焼可能な他の個体燃料であってもよい。さらに多種の個体燃料あるいはガス、油燃料を混合して使用してもよい。
ボイラプラント10Aは、火炉11と燃焼装置12と煙道13を有している。
このうち火炉11は、例えば四角筒の中空形状をなして鉛直方向に沿って設置されている。火炉11は、壁面が、蒸発管(伝熱管)と蒸発管を接続するフィンとで構成され、給水や蒸気と熱交換することにより火炉壁の温度上昇を抑制している。具体的には、火炉11の側壁面には、複数の蒸発管が例えば鉛直方向に沿って配置され、水平方向に並んで配置されている。フィンは、蒸発管と蒸発管との間を閉塞している。火炉11は、炉底に傾斜面62が設けられており、傾斜面62に炉底蒸発管70が設けられて底面となる。
燃焼装置12は、この火炉11を構成する火炉壁の鉛直下部側に設けられている。図1の実施形態では、この燃焼装置12は、火炉壁に装着された複数のバーナ(例えば21、22、23、24、25)を有している。例えば、このバーナ21、22、23、24、25は、火炉11の周方向に沿って均等間隔で複数配設されている。但し、火炉の形状、バーナの配置や一つの段におけるバーナの数、段数はこの実施形態に限定されるものではない。
この各バーナ21、22、23、24、25は、微粉炭供給管26、27、28、29、30を介して粉砕機(微粉炭機/ミル)31、32、33、34、35に連結されている。石炭が図示しない搬送系統で搬送されて、この粉砕機31、32、33、34、35に投入されると、ここで所定の微粉の大きさに粉砕され、搬送用空気(1次空気)と共に微粉炭供給管26、27、28、29、30からバーナ21、22、23、24、25に粉砕された石炭(微粉炭)を供給することができる。
また、火炉11は、各バーナ21、22、23、24、25の装着位置に風箱36が設けられており、この風箱36に空気ダクト37bの一端部が連結されて、他端部は空気を供給する空気ダクト37aに連結点37dにおいて連結される。この結果、火炉11には搬送用空気(1次空気)と空気ダクト37bからの燃焼用空気(2次空気)が導入されることになる。
また、火炉11の鉛直方向上方には煙道13が連結されており、この煙道13に蒸気を生成するための複数の熱交換器(41、42、43、44、45、46、47)が配置されている。そのため、バーナ21、22、23、24、25が火炉11内に微粉炭燃料と燃焼用空気との混合気を噴射することで火炎が形成され、燃焼ガスを生成されて煙道13に流れる。そして、燃焼ガスにより火炉壁及び熱交換器(41、42、43、44、45、46、47)を流れる給水や蒸気を加熱または過熱して過熱蒸気が生成され、生成された過熱蒸気を供給して図示しない蒸気タービンを回転駆動させ、蒸気タービンの回転軸に連結した図示しない発電機を回転駆動して発電を行うことができる。
なお、複数の熱交換器(41、42、43、44、45、46、47)は、例えば、1次過熱器43と、2次過熱器42と、3次過熱器41と、1次再熱器45と、2次再熱器44と、1次節炭器47と、2次節炭器46とを含む。
また、この煙道13には、排ガス通路48が連結され、燃焼ガスの浄化を行うための脱硝装置50、押込送風機38aから空気ダクト37aへ送気する空気と排ガス通路48を送気する排ガスとの間で熱交換を行うエアヒータ49、煤塵処理装置51、誘引送風機52などが設けられ、下流端部に煙突53が設けられている。なお、脱硝装置50は排ガス基準を満足できれば設けなくてもよい。
また、微粉炭の搬送用空気(1次空気)は、1次空気送風機38bからエアヒータ49を通過する空気ダクト37eと、エアヒータ49をバイパスする空気ダクト37fが結合された空気ダクト37gにより送風されている。両方の空気ダクト37e、37fの送風量が調整された後合流し、空気ダクト37gを経由して粉砕機(微粉炭機/ミル)31、32、33、34、35に送られることにより、微粉炭の搬送用空気(1次空気)が所定の温度等になるように調整されている。
図3に示す火炉11は、微粉炭の搬送用空気(1次空気)及び風箱36から火炉11に投入される燃焼用空気(2次空気)による燃料過剰燃焼後、新たに燃焼用空気(アフタエア)を投入して燃料希薄燃焼を行わせる、所謂2段燃焼方式の火炉である。そのため、火炉11にはアフタエアポート39が備えられ、アフタエアポート39に空気ダクト37cの一端部が連結され、他端部は連結点37dにおいて空気を供給する空気ダクト37aに連結される。なお、2段燃焼方式を採用しない場合、アフタエアポート39は設けなくてもよい。
1次空気送風機38bから空気ダクト37aに送気された空気は、エアヒータ49で燃焼ガスと熱交換により温められ、連結点37dにおいて空気ダクト37bを経由して風箱36へ導かれる2次空気と、空気ダクト37cを経由してアフタエアポート39へと導かれるアフタエアとに分岐する。
図3に示すボイラプラント10Aに設けられた種々のセンサ80の幾つかについて説明する。ボイラプラント10Aにおけるセンサ80には、例えば、1次過熱器出口温度センサ83と、2次過熱器出口温度センサ82と、3次過熱器出口温度センサ81とが含まれる。また、ボイラプラント10Aにおけるセンサ80には、例えば、前壁出口メタル温度センサ84aと、後壁出口メタル温度センサ84bと、側壁出口メタル温度センサ84c,84dと、火炉ドラフトセンサ85と、火炉出口流体温度センサ86とを含む。
1次過熱器出口温度センサ83は、1次過熱器43の出口の蒸気温度を検出する。2次過熱器出口温度センサ82は、2次過熱器42の出口の蒸気温度を検出する。3次過熱器出口温度センサ81は、3次過熱器41の出口の蒸気温度を検出する。
前壁出口メタル温度センサ84aは、火炉11の前壁を構成する伝熱管の出口側のメタル温度を検出する。後壁出口メタル温度センサ84bは、火炉11の後壁を構成する伝熱管の出口側のメタル温度を検出する。側壁出口メタル温度センサ84cは、火炉11の一方の側壁を構成する伝熱管の出口側のメタル温度を検出し、側壁出口メタル温度センサ84dは、火炉11の他方の側壁を構成する伝熱管の出口側のメタル温度を検出する。
火炉ドラフトセンサ85は、火炉11内の圧力を検出する。火炉出口流体温度センサ86は、火炉出口流体の温度を検出する。
(運転支援方法について)
以下、幾つかの実施形態に係る設備10における運転支援方法について説明する。
図4は、幾つかの実施形態に係る設備10における運転支援方法の処理手順を示すフローチャートである。
幾つかの実施形態に係る運転支援方法は、検知ステップS10と、発令履歴抽出ステップS20と、運転動作抽出ステップS30と、検証ステップS40と、提示ステップS60とを含む。
検知ステップS10は、設備制御装置100の警報発令部102で警報が発令されたことを運転支援装置200の検知部201が検知するステップである。上述したように検知部201は、警報発令部102からの発令信号が入力されると、当該発令信号に係るセンサ80が複数あるセンサ80の何れであるかを示す情報や、警報の種類に関する情報を分析部210に出力する。
発令履歴抽出ステップS20は、検知ステップS10で発令が検知された警報と同種の警報の発令履歴を分析部210の発令履歴抽出部211が警報履歴記憶部204から抽出するステップである。発令履歴抽出ステップS20では、発令履歴抽出部211は、検知ステップS10で検知部201から出力された上記の情報に基づいて、検知ステップS10で発令が検知された警報と同種の警報の発令履歴を警報履歴記憶部204から抽出する。
運転動作抽出ステップS30は、分析部210の運転動作抽出部212が上記同種の警報の発令後の運転動作を操作履歴記憶部206から抽出するステップである。運転動作抽出ステップS30では、運転動作抽出部212は、発令履歴抽出ステップS20で抽出した発令履歴に含まれる警報のすべてについて、発令日時を読み込む。そして、運転動作抽出部212は、読み込んだ発令日時以降の規定期間の運転動作を操作履歴記憶部206から抽出する。ここで、当該規定期間は、例えば、1時間等、予め設定された期間であってもよく、発令された警報が解除されるまでの期間であってもよい。
検証ステップS40は、運転動作抽出ステップS30で抽出された運転動作の後の、設備10の運転状態を示す情報を運転データ記憶部205から抽出して当該運転動作が設備10の運転状態に与えた影響を分析部210の検証部213が検証するステップである。検証ステップS40では、検証部213は、運転動作抽出ステップS30で運転動作抽出部212が抽出した運転動作の後、規定期間における設備10の運転状態を示す情報を運転データ記憶部205から抽出する。ここで、当該規定期間は、例えば、当該運転動作が行われた後、当該運転動作によって設備10の運転状態を示す情報に変化が現れると推定される時点までの期間に、ある程度の裕度を加えた期間とすることができる。
そして、検証部213は、上述のようにして抽出した、設備10の運転状態を示す情報から、当該運転動作によって設備10の運転状態が好転したか否かを検証する。例えば、検証部213は、上述のようにして抽出した、設備10の運転状態を示す情報から、当該運転動作が行われた後、当該規定期間内にセンサ80の検出値が発令基準を満たさなくなったことが見出された場合、当該運転動作によって設備10の運転状態が好転したと判断する。また、例えば、検証部213は、上述のようにして抽出した、設備10の運転状態を示す情報から、当該運転動作が行われた後、当該規定期間内にセンサ80の検出値が発令基準を満たさなくなったことが見出されなかった場合、当該運転動作によって設備10の運転状態が好転しなかったと判断する。
検証ステップS40が実行されると、ステップS50へ進む、分析部210は、上記同種の警報について全ての発令履歴を網羅しているか否か、すなわち、検知ステップS10で発令が検知された警報と同種の警報の発令履歴を警報履歴記憶部204からすべて抽出し終えているか否かは判断する。
ステップS50が否定判断されると、発令履歴抽出ステップS20へ戻る。
ステップS50が肯定判断されると、提示ステップS60へ進む。
提示ステップS60は、運転動作抽出ステップS30で抽出された運転動作、及び、検証ステップS40で検証された、設備10の運転状態に与えた影響に基づいて、検知ステップS10で発令が検知された警報に対する推奨運転動作を提示するステップである。提示ステップS60では、分析部210は、運転動作抽出ステップS30で抽出された運転動作のうち、当該運転動作によって設備10の運転状態が好転したと検証ステップS40で判断された運転動作を推奨運転動作として選定する。そして、提示部202は、分析部210で選定された推奨運転動作の情報を設備制御装置100の入出力部103の表示装置に出力する。
図5は、設備制御装置100の入出力部103の表示装置に表示された推奨運転動作の表示画面の一例を示す図である。例えば、検知ステップS10で1次過熱器出口温度センサ83の検出値が第1発令基準に達したことを報知する警報が発令された場合、入出力部103の表示装置103aには、発令された警報の種類を表す画面表示130が表示される。また、入出力部103の表示装置103aには、発令された警報に対する推奨運転動作を示す画面表示131~134が表示される。なお、各画面表示131~134における推奨運転動作1~4には、具体的な推奨運転動作が表示される。
したがって、運転員は、表示装置103aに表示された何れかの推奨運転動作を行うことで、警報の発令要因となった不具合事象を解消することが可能となる。なお、表示装置103aに表示された何れかの推奨運転動作を行うためには、実施を希望する推奨運転動作を実施するのに必要な操作を運転員が行えばよい。また、例えば、表示装置103aに表示された画面表示131~134の何れかを運転員が選択することで、選択された推奨運転動作が実施されるようにしてもよい。
このように、幾つかの実施形態に係る運転支援方法によれば、警報の発令が検知されると、当該警報の発令の要因となった不適合事象に対する推奨運転動作を提示できる。この推奨運転動作は、過去の操作履歴や設備の運転状況を示す情報に基づいて、運転状態に与えた影響が検証された運転動作である。これにより、経験の浅い運転員であっても、提示された推奨運転動作を参照することで、不適合事象に対する適切な対応を行うことができる。
なお、設備10の規模が大きくなるほど、不適合事象に対する適切な対応を短時間で導き出すことは困難である。その点、幾つかの実施形態に係る運転支援方法によれば、発令された警報に対する推奨運転動作を迅速に提供できるので、不適合事象に対して迅速に対応できる。
(同時期に複数の警報が発令される場合について)
幾つかの実施形態における設備10では、同時期に複数の警報が発令される場合がある。例えば、図3に示したボイラプラント10Aにおいて、同時期に複数の警報が発令される場合の例を幾つか説明する。
(1)火炉11の壁面(火炉壁)を構成する伝熱管でリークが発生した場合
(1-1)予兆
火炉壁の伝熱管でリークが発生した場合、予兆として、漏洩水が気化することによって炉内の圧力(火炉ドラフト)の変動が生じる。なお、リーク発生の初期段階でリーク量が少ないと炉内の圧力の変動が生じても、火炉ドラフトセンサ85についての警報の発令基準に達せず、火炉ドラフトセンサ85についての警報が発令されないことが考えられる。
(1-2)発令される警報
リーク発生の初期の段階では、リークによって伝熱管の内部を流通する流体の流量が減少するため、リークが発生した伝熱管の出口側のメタル温度が上昇する。したがって、リーク発生の初期の段階では、各メタル温度センサ84a~84dのうち、リークが発生した伝熱管についてのメタル温度センサに関して、高温側の温度警報が発令される。
その後、リーク量が増えることで炉内の圧力の変動幅が大きくなるので、火炉ドラフトセンサ85に関して、低圧側又は高圧側で圧力警報が発令される。
(1-3)不適合事象の進行速度
火炉壁の伝熱管でリークが発生した場合、後述する、火炉壁における熱吸収量が増加した場合と比べると、不適合事象の進行速度は速い。
(1―4)対応
火炉壁の伝熱管でリークが発生した場合、リーク量が少ないのであれば、速やかに、ボイラ負荷を低減させるための操作や、給水量を増加するための操作を実施する。また、炉内の異音の有無を確認する。
また、リークの発生が確認された場合、リーク量が多ければ、速やかにボイラの停止操作を実施する。
(2)火炉壁における熱吸収量が増加した場合
(2-1)予兆
火炉壁における熱吸収量が増加した場合、予兆として、火炉出口流体の温度が上昇する。
(2-2)発令される警報
火炉壁における熱吸収量が増加する初期の段階では、火炉出口流体の温度が上昇するので、火炉出口流体温度センサ86に関して、高温側の温度警報が発令される。
その後、火炉壁における熱吸収量が増加することで温度が上昇した蒸気が1次過熱器43に流入することで、1次過熱器出口温度センサ83に関して、高温側の温度警報が発令される。
(2-3)不適合事象の進行速度
火炉壁における熱吸収量が増加した場合、上述した、火炉壁の伝熱管でリークが発生した場合と比べると、不適合事象の進行速度は遅い。
(2―4)対応
火炉壁における熱吸収量が増加した場合、節炭器46,47を迂回して燃焼排ガスを流通させるための不図示のエコバイパスにおけるバイパス量を増加させる操作を実施する。また、火炉11での燃焼ゾーンが下流側に移動するように、バーナチルトを変更するための操作を実施するとともに、燃焼排ガス中の窒素酸化物の増加を抑制するために、アンモニアの供給量を増加させる操作を実施する。
(3)1次過熱器43の伝熱管でリークが発生した場合
(3-1)予兆
1次過熱器43の伝熱管でリークが発生した場合、予兆として、給水流量と主蒸気流量とのアンバランスが拡大する。また、1次過熱器43の出口の蒸気温度が急上昇する。
(3-2)発令される警報
リークによって伝熱管の内部を流通する蒸気の流量が減少するため、1次過熱器43の出口の蒸気温度が急上昇する。したがって、リーク発生の初期の段階では、1次過熱器出口温度センサ83に関して、高温側の温度警報が発令される。
その後、2次過熱器42や3次過熱器41でも蒸気の流量が減少するため、2次過熱器42や3次過熱器41の出口の蒸気温度が上昇する。したがって、2次過熱器出口温度センサ82及び3次過熱器出口温度センサ81に関して、高温側の温度警報が発令される。
(3-3)不適合事象の進行速度
1次過熱器43の伝熱管でリークが発生した場合、上述した、火炉壁における熱吸収量が増加した場合と比べると、不適合事象の進行速度は速い。
(3―4)対応
1次過熱器43の伝熱管でリークが発生した場合、ボイラ負荷を低減させるための操作を実施する。
例えば、上述した例であれば、火炉壁における熱吸収量が増加した場合、及び、1次過熱器43の伝熱管でリークが発生した場合には、1次過熱器出口温度センサ83に関して高温側の温度警報が発令される。このように、警報が発せられる要因と想定される設備10の不適合事象は、1つに限られないことがある。そのため、発せられた警報が1つであった場合、考えられ得る不適合事象が複数存在し、これらの不適合事象を解消するための運転動作が不適合事象毎に異なることも考えられる。
このような場合には、例えば、不適合事象毎に異なる推奨運転動作をそれぞれ提示することが考えられる。しかし、この場合には、実際に発生している不適合事象の解消に有効な推奨運転動作が、提示された複数の推奨運転動作のうちの一部となってしまうことが考えられる。
しかし、上述したように、同時期に複数の警報が発せられた場合、これら複数の警報が発せられる共通の不適合事象が存在することが考えられる。そのため、同時期に複数の警報が発せられた場合、複数の警報のそれぞれについて、警報発令の要因と想定される不適合事象を解消し得る運転動作を抽出すると、複数の警報が発せられる共通の不適合事象を解消し得る運転動作を絞り込むことが可能となる。
そこで、幾つかの実施形態に係る運転支援方法では、同時期に複数の異なる警報が発せられた場合、次のようにして推奨運転動作を提示することとしている。
すなわち、検知ステップS10で同時期に複数の異なる警報が検知された場合、発令履歴抽出ステップS20では、これら複数の異なる警報のそれぞれについて、分析部210の発令履歴抽出部211は、警報履歴記憶部204から当該警報と同種の警報の発令履歴を抽出する。
運転動作抽出ステップS30では、分析部210の運転動作抽出部212は、上記複数の異なる警報のそれぞれについて、上記同種の警報の発令後の運転動作を操作履歴記憶部206から抽出する。
検証ステップS40では、分析部210の検証部213は、運転動作抽出ステップS30で抽出された運転動作のそれぞれが設備10の運転状態に与えた影響を検証する。なお、検知ステップS10で同時期に複数の異なる警報が検知された場合、検証ステップS40では、分析部210の検証部213は、過去に発令された警報の履歴から、検知ステップS10で発令が検知された複数の異なる警報の組合せと同じ組み合わせとなる警報が、検知ステップS10で発令が検知された複数の異なる警報がそれぞれ発令されたタイミングと同様のタイミングで発令されていた場合において、警報に対する対策として実施された運転動作が設備10の運転状態に与えた影響を検証する。
ここで、過去に発令された警報の履歴における、検知ステップS10で発令が検知された複数の異なる警報の組合せと同じ組み合わせとなる警報とは、当該発令に係るセンサ80と同一のセンサ80の組み合わせであって、当該発令に係る警報と同じ種類の警報である。例えば、上述した、火炉壁における熱吸収量が増加した場合では、火炉出口流体温度センサ86に関して高温側の温度警報が発令され、1次過熱器出口温度センサ83に関して高温側の温度警報が発令される。したがって、検知ステップS10で発令が検知された複数の異なる警報の組合せが、火炉出口流体温度センサ86に関する高温側の温度警報、及び、1次過熱器出口温度センサ83に関する高温側の温度警報であれば、上記同じ組み合わせとなる警報とは、火炉出口流体温度センサ86に関する高温側の温度警報、及び、1次過熱器出口温度センサ83に関する高温側の温度警報である。
また、過去に発令された警報の履歴における、検知ステップS10で発令が検知された複数の異なる警報がそれぞれ発令されたタイミングと同様のタイミングで発令されていた場合とは、例えば、複数の異なる警報の発令順序が、検知ステップS10で発令が検知された複数の異なる警報の発令順序と同じ場合である。
提示ステップS60では、提示部202は、運転動作抽出ステップS30で抽出された運転動作のそれぞれ、検証ステップS40で検証された、設備10の運転状態に与えた影響のそれぞれ、検知ステップS10で発令が検知された複数の異なる警報の組合せ、及び、これら複数の異なる警報がそれぞれ発令されたタイミングを考慮して推奨運転動作を提示する。すなわち、提示ステップS60では、提示部202は、検知ステップS10で検知された複数の異なる警報の組合せ、及び、これら複数の異なる警報がそれぞれ発令されたタイミングを考慮して検証ステップS40で検証された運転動作のうち、設備10の運転状態が好転したと判断された運転動作を推奨運転動作として提示する。
このように、幾つかの実施形態に係る運転支援方法では、複数の警報の組み合わせ等を考慮することで、より適切な推奨運転動作を提示できる。
(推奨運転動作の提示順序について)
幾つかの実施形態に係る運転支援方法において、上述したように、複数の推奨運転動作を提示する場合、複数の推奨運転動作の優先度に応じて、複数の推奨運転動作を提示する順序を決定するようにしてもよい。
図6は、複数の推奨運転動作の優先度に応じて、複数の推奨運転動作を提示する順序を決定する場合の運転支援方法の処理手順を示すフローチャートである。
図6に処理手順を示す運転支援方法は、図4に処理手順を示した運転支援方法に加えて、ステップS50と提示ステップS60との間で実施される、優先度決定ステップS70と、提示順序決定ステップS80とをさらに含む。
図6に処理手順を示す運転支援方法では、検知ステップS10からステップS50の判断ステップまでは図4に処理手順を示した運転支援方法と同じである。
ステップS50が肯定判断されると優先度決定ステップS70に進む。優先度決定ステップS70は、複数の推奨運転動作の優先度を設定するステップである。優先度決定ステップS70では、分析部210は、運転動作抽出ステップS30で抽出された運転動作のうち、当該運転動作によって設備10の運転状態が好転したと検証ステップS40で判断された運転動作を推奨運転動作として選定する。そして、分析部210は、選定した推奨運転動作のそれぞれについて、例えば、推奨運転動作が実施されてから設備10の運転状態が好転するまでの所要時間を求め、当該所要時間が短いものほど推奨運転動作の優先度が高くなるように、それぞれの推奨運転動作に対して優先度を設定する。
提示順序決定ステップS80は、提示ステップS60で複数の推奨運転動作を提示する順序を複数の推奨運転動作の優先度に応じて決定するステップである。提示順序決定ステップS80では、提示部202は、優先度が高い推奨運転動作が優先度の低い推奨運転動作よりも入出力部103の表示装置103aの上部に表示されるように、推奨運転動作の提示順序を設定する。
図6に処理手順を示す運転支援方法では、提示ステップS60において、提示部202は、複数の推奨運転動作が提示順序決定ステップS80で設定した提示順序で入出力部103の表示装置103aに表示されるように、推奨運転動作の情報を入出力部103の表示装置103aに出力する。
これにより、優先度が高い推奨運転動作が優先度の低い推奨運転動作よりも入出力部103の表示装置103aの上部に表示される。
このように、図6に処理手順を示す運転支援方法では、複数の推奨運転動作をその優先度に応じた順序で提示できるので、複数の推奨運転動作が提示されても、どの推奨運転動作を行うことが望ましいのかを設備の運転員が容易に判断できる。
なお、上述の説明では、優先度決定ステップS70において、分析部210は、選定した推奨運転動作のそれぞれについて、推奨運転動作が実施されてから設備10の運転状態が好転するまでの所要時間を求め、当該所要時間が短いものほど推奨運転動作の優先度が高くなるように、それぞれの推奨運転動作に対して優先度を設定した。しかし、本発明はこれに限定されない。
例えば、優先度決定ステップS70において、分析部210は、選定した推奨運転動作のそれぞれについて、検知部201で今回発令が検知された警報とは異なる警報の発令を誘発するおそれがない推奨運転動作の優先度を、当該異なる警報の発令を誘発するおそれがある推奨運転動作の優先度よりも高く設定してもよい。
また、例えば、優先度決定ステップS70において、分析部210は、選定した推奨運転動作のそれぞれについて、検知部201で今回発令が検知された警報と同じ警報が再び発令されるおそれがない推奨運転動作の優先度を、当該同じ警報が再び発令されるおそれがある推奨運転動作の優先度よりも高く設定してもよい。
また、例えば、優先度決定ステップS70において、分析部210は、選定した推奨運転動作のそれぞれについて、操作の容易な推奨運転動作の優先度を、操作が容易ではない推奨運転動作の優先度よりも高く設定してもよい。
また、例えば、優先度決定ステップS70において、分析部210は、他の推奨運転動作と比べると、不具合事象の解消効果が高い推奨運転動作であっても、設備10の稼働上の制約などにより、実施が困難である推奨運転動作の優先度を、当該他の推奨運転動作の優先度よりも低く設定してもよい。例えば、図3に示したボイラプラント10Aを例に挙げ、ボイラプラント10Aが例えば発電プラントであって、夏場の昼過ぎの時間帯のように電力需給がひっ迫しているときに警報が発令された場合を考える。この場合、当該警報の発令要因となった不具合事象に対して、効果が最も高い推奨運転動作がボイラ負荷の低減であったとしても、発電量の減少を招くため実施することが難しい。このような場合には、電力の需給状態等の情報を取得し、電力需給がひっ迫していると判断すると、ボイラ負荷を低減させるための運転動作の優先度を、他の推奨運転動作の優先度よりも低く設定するように、分析部210を構成してもよい。また、電力需給がひっ迫していないと判断すると、ボイラ負荷を低減させるための運転動作の優先度を、他の推奨運転動作の優先度よりも高く設定するように、分析部210を構成してもよい。
なお、優先度決定ステップS70において、設備10の重故障を回避する推奨運転動作の優先度を該推奨運転動作以外の推奨運転動作よりも高く設定するようにしてもよい。すなわち、例えば、ある一つのセンサ80について、例えば発令基準がセンサ80の検出値の上限側及び下限側の双方で設定されていた場合に、センサ80の検出値が正常範囲から上限側に逸脱する場合と下限側に逸脱する場合とで、リスクが異なる場合がある。具体的には、例えば、センサ80の検出値が上限側の基準値よりも高くなる方向に推移すると設備10のトリップを招くおそれがあるが、センサ80の検出値が下限側の基準値よりも低くなる方向に推移しても設備10のトリップを招くおそれがない場合が考えられる。この場合、優先度決定ステップS70において、分析部210は、センサ80の検出値が上限側の基準値に達したときに発令される警報に対する推奨運転動作の優先度を、センサ80の検出値が下限側の基準値に達したときに発令される警報に対する推奨運転動作の優先度よりも高く設定するようにしてもよい。
これにより、設備10の重故障を回避し易くなる。
なお、優先度決定ステップS70において、推奨運転動作の過去の実施履歴に基づいて、推奨運転動作の優先度を設定するようにしてもよい。すなわち、例えば、提示された推奨運転動作のうち、運転員によって選択されて実施された推奨運転動作についての履歴を記憶するようにし、当該履歴に基づいて推奨運転動作の優先度を設定するようにしてもよい。
図7は、推奨運転動作の過去の実施履歴に基づいて推奨運転動作の優先度を設定する場合の運転支援方法の処理手順を示すフローチャートである。
図7に処理手順を示す運転支援方法は、図6に処理手順を示した運転支援方法に加えて、提示ステップS60の後で実施される、選択内容記憶ステップS90をさらに含む。
図7に処理手順を示す運転支援方法では、検知ステップS10から提示ステップS60までは、優先度決定ステップS70を除いて、図6に処理手順を示した運転支援方法と同じである。
選択内容記憶ステップS90は、発令された警報に対して実施された推奨運転動作についての実施履歴を当該警報と関連付けて記憶するステップである。選択内容記憶ステップS90では、運転支援装置200の選択履歴記憶部208は、運転員によって選択されて実施された推奨運転動作を検知ステップS10で発令が検知された警報と関連付けて記憶する。なお、上述したように、入出力部103は、表示装置103aにおいて何れの推奨運転動作が選択されたのかを表す情報を選択履歴記憶部208に出力するように構成されている。なお、幾つかの実施形態に係る入出力部103は、表示装置103aにおいて何れの推奨運転動作が選択されたのかを表す情報に加えて、選択をした運転員を識別するための情報を選択履歴記憶部208に出力するように構成されている。また、選択履歴記憶部208は、運転員によって選択された推奨運転動作の他、選択をした運転員を識別するための情報を検知ステップS10で発令が検知された警報と関連付けて記憶する。以下の説明では、運転員を識別するための情報を、単に運転員IDとも呼ぶ。
次に新たな警報が発令されると、図7に示した検知ステップS10からステップS50まで実行される。そして、ステップS50が肯定判断されると、優先度決定ステップS70に進む。
図7の優先度決定ステップS70では、分析部210は、運転動作抽出ステップS30で抽出された運転動作のうち、当該運転動作によって設備10の運転状態が好転したと検証ステップS40で判断された運転動作を推奨運転動作として選定する。そして、分析部210は、選定した推奨運転動作のそれぞれについて、選択履歴記憶部208に記憶されている推奨運転動作の選択履歴、すなわち推奨運転動作の実施履歴を参照し、実施履歴の多い推奨運転動作の優先度が実施履歴の少ない推奨運転動作の優先度よりも高くなるように、それぞれの推奨運転動作に対して優先度を設定する。
これにより、過去に実施された頻度が高い推奨運転動作の優先度を過去に実施された頻度が低い推奨運転動作の優先度よりも高く設定することが可能となる。これにより、過去に実施された頻度が高い推奨運転動作を運転員に選択させ易くすることができる。
なお、図7の優先度決定ステップS70において、検知部201で今回発令が検知された警報に対する推奨運転動作を選択することとなった運転員が過去に選択した推奨運転動作の選択履歴に基づいて、推奨運転動作の優先度を決定するようにしてもよい。この場合、図7の優先度決定ステップS70では、分析部210は、運転動作抽出ステップS30で抽出された運転動作のうち、当該運転動作によって設備10の運転状態が好転したと検証ステップS40で判断された運転動作を推奨運転動作として選定する。また、分析部210は、現在の運転員、すなわち、この後提示する推奨運転動作を選択する運転員の運転員IDを設備制御装置100の入出力部103から取得する。そして、分析部210は、選定した推奨運転動作のそれぞれについて、選択履歴記憶部208に記憶されている推奨運転動作の選択履歴のうち、取得した運転員IDが関連付けられた推奨運転動作についての選択履歴を参照する。そして、分析部210は、選択履歴の多い推奨運転動作の優先度が選択履歴の少ない推奨運転動作の優先度よりも高くなるように、それぞれの推奨運転動作に対して優先度を設定する。
これにより、複数の推奨運転動作のうち、選択をする運転員が好む推奨運転動作を選択させ易くすることができる。
また、図7の優先度決定ステップS70において、経験豊富な運転員が過去に選択した推奨運転動作の選択履歴に基づいて、推奨運転動作の優先度を決定するようにしてもよい。この場合、図7の優先度決定ステップS70では、分析部210は、運転動作抽出ステップS30で抽出された運転動作のうち、当該運転動作によって設備10の運転状態が好転したと検証ステップS40で判断された運転動作を推奨運転動作として選定する。そして、分析部210は、選定した推奨運転動作のそれぞれについて、選択履歴記憶部208に記憶されている推奨運転動作の選択履歴のうち、経験豊富な運転員の運転員IDが関連付けられた推奨運転動作についての選択履歴を参照する。なお、経験豊富な運転員の運転員IDは、例えば、予め選択履歴記憶部208に記憶されているものとする。
そして、分析部210は、選択履歴の多い推奨運転動作の優先度が選択履歴の少ない推奨運転動作の優先度よりも高くなるように、それぞれの推奨運転動作に対して優先度を設定する。
これにより、複数の推奨運転動作のうち、経験豊富な運転員によって選択された実績がある推奨運転動作を選択させ易くすることができる。
なお、図7の優先度決定ステップS70において、分析部210は、実施履歴がない推奨運転動作の優先度を実施履歴のある推奨運転動作の優先度よりも低く設定するようにしてもよい。
(推奨運転動作の提示対象となる警報を予め限定する場合について)
例えば、予め想定しておいた幾つかの警報に対する推奨運転動作の提示を希望し、その他の警報に対する推奨運転動作の提示を希望しない場合が考えられる。
このような場合、次に述べる、運転支援方法についての他の実施形態では、予め選定された警報に対してのみ推奨運転動作を提示するようにしている。すなわち、運転支援方法についての他の実施形態では、例えば、図4、図6、又は図7に処理手順を示したフローチャートの検知ステップS10において、検知部201は、警報発令部102からの発令信号が入力されると、当該発令信号が予め選定された警報についての発令信号であるか否かを判断する。
そして、検知部201は、当該発令信号が予め選定された警報についての発令信号であると判断すると、当該発令信号に係るセンサ80が複数あるセンサ80の何れであるかを示す情報や、警報の種類に関する情報を分析部210に出力する。これにより、発令履歴抽出ステップS20以降の各ステップにおいて処理が行われて、予め選定された警報についての推奨運転動作が提示される。
しかし、検知部201は、当該発令信号が予め選定された警報についての発令信号ではないと判断すると、当該発令信号に係るセンサ80が複数あるセンサ80の何れであるかを示す情報や、警報の種類に関する情報を分析部210に出力しない。これにより、発令履歴抽出ステップS20以降の各ステップにおいて処理が行われないので、推奨運転動作が提示されない。
これにより、運転員が推奨運転動作の提示を希望する警報を予め設定することにより、運転員が推奨運転動作の提示を希望する警報に対してのみ推奨運転動作が提示されるので、運転員が必要とする情報を提供できる。
(警報発令の妥当性の確認について)
例えば、発令された警報の中には、発令されたことが妥当ではない場合が考えられる。発令されることが妥当ではない警報が発令されてしまう要因は種々考えられるが、幾つか例示すると次のとおりである。
例えば、発令基準が適切ではない場合が考えられる。すなわち、発令基準が必要以上に安全側に設定された場合のように、発令基準の基準値が本来の正常範囲を不必要に狭めてしまうような値に設定されている場合が考えられる。
また、センサ80の検出信号が伝達される信号線が断線しかかっている場合や、センサ80の検出信号が伝達される信号線の接続箇所で接続不良が生じている場合には、データ取得部101で取得されるセンサ80の検出値が不安定となることが考えられる。
このような要因による、発令されることが妥当ではない警報が発令されることを抑制することが求められる。
そこで、以下で説明する一実施形態の運転支援方法では、上述したように、発令されることが妥当ではない警報の発令を抑制するようにしている。
図8は、警報の発令の妥当性を判断するための処理手順を示すフローチャートである。図8に処理を示す一実施形態の運転支援方法は、発令履歴抽出ステップS110と、妥当性分析ステップS120と、妥当性判断ステップS130とを含む。
発令履歴抽出ステップS110は、警報履歴記憶部204が記憶する発令履歴から過去に発令された警報を抽出するステップである。発令履歴抽出ステップS110では、運転支援装置200の分析部210の発令履歴抽出部211は、複数のセンサ80のうち、いずれかのセンサ80を選択し、当該センサ80に関する警報の発令履歴を警報履歴記憶部204から抽出する。なお、当該センサ80についての発令基準が複数設定されている場合には、それぞれの発令基準毎に発令履歴を抽出する。以下の説明では、説明の便宜上、当該センサ80についての発令基準が1つだけ設定されている場合について説明する。また、説明の便宜上、発令の妥当性の確認対象となる、当該センサ80に関する警報を第1警報と呼ぶ。また、以下の説明では、当該センサ80を妥当性確認対象センサとも呼ぶ。
すなわち、発令履歴抽出ステップS110では、運転支援装置200の分析部210の発令履歴抽出部211は、第1警報の発令履歴を警報履歴記憶部204から抽出する。
図9は、妥当性分析ステップS120の詳細を説明するための図である。妥当性分析ステップS120は、第2警報発令履歴抽出ステップS121、運転動作抽出ステップS123、又は、検証ステップS125の少なくとも何れか一つを実行するステップである。
第2警報発令履歴抽出ステップS121は、警報履歴記憶部204が記憶する発令履歴から過去に発令された第1警報の発令と同時期に発令された警報の履歴を抽出するステップである。説明の便宜上、過去に発令された第1警報の発令と同時期に発令された警報を第2警報と呼ぶ。第2警報発令履歴抽出ステップS121では、分析部210の発令履歴抽出部211は、過去に発令された第1警報の発令日時の情報に基づいて、発令履歴抽出ステップS110で抽出した第1警報と同時期に発令された第2警報を警報履歴記憶部204から抽出する。
ここで、第1警報の発令と同時期とする期間は、例えば、第1警報の発令日時の前の1時間と後の1時間とする。しかし、第1警報の発令と同時期と見なす期間は、妥当性確認対象センサの応答性や妥当性確認対象センサが検出するプロセスのパラメータの応答性等に応じて適宜設定してもよい。以下の運転動作抽出ステップS123においても同様である。
運転動作抽出ステップS123は、発令履歴抽出ステップS110で抽出した第1警報と同時期の前記運転動作を操作履歴記憶部206が記憶する操作履歴から抽出するステップである。運転動作抽出ステップS123では、分析部210の運転動作抽出部212は、発令履歴抽出ステップS110で抽出した第1警報のすべてについて、第1警報の発令と同時期の運転動作を操作履歴記憶部206から抽出する。
検証ステップS125は、運転動作抽出ステップS123で抽出された運転動作の後の、設備10の運転状態を示す情報を運転データ記憶部205から抽出して当該運転動作が設備10の運転状態に与えた影響を検証するステップである。検証ステップS125では、分析部210の検証部213は、運転動作抽出ステップS123で運転動作抽出部212が抽出した運転動作の後、規定期間における設備10の運転状態を示す情報を運転データ記憶部205から抽出する。ここで、当該規定期間は、例えば、当該運転動作が行われた後、当該運転動作によって設備10の運転状態を示す情報に変化が現れると推定される時点までの期間に、ある程度の裕度を加えた期間とすることができる。
そして、検証部213は、上述のようにして抽出した、設備10の運転状態を示す情報から、当該運転動作によって設備10の運転状態が好転したか否かを検証する。例えば、検証部213は、上述のようにして抽出した、設備10の運転状態を示す情報から、当該運転動作が行われた後、当該規定期間内にセンサ80の検出値が発令基準を満たさなくなったことが見出された場合、当該運転動作によって設備10の運転状態が好転したと判断する。また、例えば、検証部213は、上述のようにして抽出した、設備10の運転状態を示す情報から、当該運転動作が行われた後、当該規定期間内にセンサ80の検出値が発令基準を満たさなくなったことが見出されなかった場合、当該運転動作によって設備10の運転状態が好転しなかったと判断する。
妥当性判断ステップS130は、妥当性分析ステップS120で得られた結果に基づいて、第1警報の発令にあたり、第1警報の発令の妥当性を判断するステップである。妥当性判断ステップS130では、分析部210は、妥当性確認対象センサに関する新たな第1警報が発令されるまで待機する。なお、上述したように、検知部201が出力する情報には、警報発令部102から出力された発令信号に係るセンサ80が複数あるセンサ80の何れであるかを示す情報や、警報の種類に関する情報が含まれているので、分析部210は、妥当性確認対象センサに関する新たな第1警報が発令されたかを判断できる。
分析部210は、妥当性確認対象センサに関する新たな第1警報が発令されたと判断すると、例えば次のようにして、第1警報の発令の妥当性を判断する。
例えば、妥当性分析ステップS120で得られた結果から、過去に第1警報が発令されていたにもかかわらず、何らかの運転動作が実施された形跡がないと判断される場合には、分析部210は、今回発令された第1警報が妥当ではないと判断する。
また、例えば、妥当性分析ステップS120で得られた結果から、過去に第1警報が発令されていた時に、短時間のうちに繰り返し第1警報が発令されていて、その後、妥当性確認対象センサのメンテナンスが行われたことが判明すれば、分析部210は、今回も第1警報が短時間のうちに繰り返し発令されたのであれば、今回繰り返して発令された第1警報が妥当ではないと判断する。
また、例えば、妥当性分析ステップS120で得られた、上記第2警報の発令履歴等から、過去に第1警報が発令された時と同時期に、妥当性確認対象センサ以外のあるセンサに関して警報が高い頻度で発令されていたことが判明したが、今回はその警報が発令されていない場合には、分析部210は、今回発令された第1警報が妥当ではない、又は、妥当でない可能性が高いと判断する。
また、例えば、妥当性分析ステップS120で得られた、設備10の運転状態を示す情報から、過去に第1警報が発令されていた時に高い頻度で変化していたプロセスのパラメータが今回は変化していなかった場合には、分析部210は、今回発令された第1警報が妥当ではない、又は、妥当でない可能性が高いと判断する。
また、例えば、上述したように今回発令された第1警報が妥当か否かを判断した結果、何れの場合においても妥当性が否定されなかった場合、今回発令された第1警報が妥当であると判断する。
なお、分析部210は、例えば提示部202を介して第1警報の妥当性について判断した結果を入出力部103の表示装置103aに表示させる。
このように、上述した一実施形態の運転支援方法では、警報の発令にあたって警報の発令の妥当性が判断され、その判断結果が運転員に提示されるので、運転員は、発令された警報の妥当性を認識でき、発令された警報が誤報であるか否かを判断できる。
また、例えば、妥当性判断ステップS130で妥当でないと判断された第1警報が報知されないようにすることで、誤報を抑制できる。
(発令基準の改定について)
例えば、上述したように、妥当性判断ステップS130において、過去に第1警報が発令されていたにもかかわらず、何らかの運転動作が実施された形跡がないと判断される場合、発令基準が適切ではないことが考えられる。そこで、図10に示すように、発令基準改定ステップS140をさらに実施することで、発令基準を適切化するようにしてもよい。
図10は、発令基準改定ステップS140をさらに含んだ、警報の発令の妥当性を判断するための処理手順を示すフローチャートである。図10に処理を示す一実施形態の運転支援方法は、発令履歴抽出ステップS110と、妥当性分析ステップS120と、妥当性判断ステップS130とに加えて、発令基準改定ステップS140をさらに含む。
図10に処理を示す一実施形態の運転支援方法では、妥当性判断ステップS130の実施後に発令基準改定ステップS140へ進む。
発令基準改定ステップS140は、妥当性分析ステップS120で得られた結果に基づいて、発令基準を改定するステップである。発令基準改定ステップS140では、警報発令基準改定部203は、例えば、妥当性判断ステップS130において、過去に第1警報が発令されていたにもかかわらず、何らかの運転動作が実施された形跡がないと判断されていた場合、第1警報の発令基準を、例えば現在設定されている基準値から、正常範囲を拡大するように規定値分だけ変更して再設定する。ここで、当該規定値は、例えば基準値の10%としてもよく、妥当性確認対象センサの応答性や妥当性確認対象センサが検出するプロセスのパラメータの応答性等に応じて適宜設定してもよい。
発令基準改定ステップS140では、警報発令基準改定部203は、警報発令基準記憶部207に記憶されている基準値を、再設定した基準値で置き換える。
上述したように、警報の発令基準が必要以上に安全側に設定されていた場合には、警報が発令されていたにもかかわらず、当該警報の発令要因を解消するための運転動作が実施されないこともある。このような場合には、警報の発令基準を改定することで、適切なタイミングで警報が発令されるようにすることが望ましい。
その点、上記の実施形態によれば、過去に発令された第1警報の発令と同時期に発令された第2警報の履歴、当該同時期の運転動作、又は、当該運転動作が運転状態に与えた影響の検証結果の少なくとも何れか一つに基づいて、発令基準を改定できる。これにより、例えば、ある一つの警報に関して、その警報が発令されていたにも関わらず、警報の発令要因を解消するための運転動作が実施されないということが繰り返されていたことを見出すことができる。そして、警報の発令要因を解消するための運転動作が実施されなかったにもかかわらず、さらなる不具合事象が発生していなかったか否かを確認することができる。警報の発令要因を解消するための運転動作が実施されなかったにもかかわらず、さらなる不具合事象が発生していなかった場合には、警報の発令基準が必要以上に安全側に設定されているものと判断して、発令基準を改定することができる。したがって、上記の実施形態によれば、警報が発令されるタイミングを適切にすることができる。
なお、上述したように発令基準を変更した場合には、発令基準を変更した旨の表示を入出力部103の表示装置103aに表示させるなどして、発令基準が変更されたことを運転員に報知するように構成してもよい。
(警報発令の予兆の検知について)
上述の説明では、設備制御装置100の警報発令部102は、センサ80の出力値が当該センサ80についての警報の発令基準を満たしていると判断すると、警報の発令信号を出力するように構成されている。しかし、例えば、警報発令部102は、警報の発令の予兆を検知したことを通知するように構成されていてもよい。
すなわち、例えば、警報発令部102は、データ取得部101を介して入力されたセンサ80の出力値の挙動を監視するとともに、予め設定された警報発令の予兆の検知基準と比較する。ここで、警報発令の予兆の検知基準とは、例えば、センサ80の出力値が経時的に上昇しているのか低下しているのかを表す時間微分値と、センサ80の出力値の絶対値である基準値との組み合わせであってもよい。以下の説明では、警報発令の予兆の検知基準のことを、単に、予兆検知基準とも呼ぶ。
例えば、発令基準がセンサ80の検出値の上限側で設定されていた場合、データ取得部101を介して入力されたセンサ80の出力値の時間微分値が予兆検知基準における時間微分値を上回り、且つ、データ取得部101を介して入力されたセンサ80の出力値が予兆検知基準における基準値を超えた場合に、警報発令の予兆を検知したと判断して、警報の発令の予兆を検知したことを通知するように警報発令部102を構成してもよい。
同様に、例えば、発令基準がセンサ80の検出値の下限側で設定されていた場合、データ取得部101を介して入力されたセンサ80の出力値の時間微分値が予兆検知基準における時間微分値を下回り、且つ、データ取得部101を介して入力されたセンサ80の出力値が予兆検知基準における基準値を下回った場合に、警報発令の予兆を検知したと判断して、警報の発令の予兆を検知したことを通知するように警報発令部102を構成してもよい。
このように構成した警報発令部102のことを、予兆検知通知部と呼んでもよい。
上述したように、警報の発令の予兆を検知及び通知するように警報発令部102を構成する場合、予兆検知基準は、警報発令基準記憶部207に記憶される。この場合、警報発令基準記憶部207のことを予兆検知基準記憶部と呼んでもよい。
上述したように、警報の発令の予兆を検知及び通知するように警報発令部102を構成する場合、警報履歴記憶部204に記憶されている警報の発令履歴と、運転データ記憶部205に記憶されている設備10の運転状態を示す情報のうち、警報の発令時点以前の情報とに基づいて、予兆検知基準を求めるようにしてもよい。
図11は、予兆検知基準を求めるための処理手順を示すフローチャートである。図11に処理を示す一実施形態の運転支援方法は、発令履歴抽出ステップS210と、運転状態情報抽出ステップS220と、予兆検知基準策定ステップS230とを含む。
発令履歴抽出ステップS210は、警報履歴記憶部204が記憶する発令履歴から過去に発令された警報を抽出するステップである。発令履歴抽出ステップS210では、運転支援装置200の分析部210の発令履歴抽出部211は、複数のセンサ80のうち、予兆検知基準を求めるセンサ80を選択し、当該センサ80に関する警報の発令履歴を警報履歴記憶部204から抽出する。以下の説明では、当該センサ80を予兆検知基準策定対象センサとも呼ぶ。
すなわち、発令履歴抽出ステップS210では、運転支援装置200の分析部210の発令履歴抽出部211は、予兆検知基準策定対象センサにおける警報の発令履歴を警報履歴記憶部204から抽出する。
なお、予兆検知基準策定対象センサは、発令履歴抽出部211が適宜選択したセンサ80であってもよく、運転員が予め選択したセンサ80であってもよい。
運転状態情報抽出ステップS220は、運転データ記憶部205に記憶されている設備10の運転状態を示す情報のうち、予兆検知基準策定対象センサに関する警報の発令時点以前の情報を抽出するステップである。運転状態情報抽出ステップS220では、分析部210は、発令履歴抽出ステップS210で抽出された警報の発令履歴から、予兆検知基準策定対象センサに関する警報の発令日時を取得する。そして、分析部210は、取得した日時から規定期間遡った時点までの期間における、予兆検知基準策定対象センサの検出値を運転データ記憶部205から読み込む。ここで、当該規定期間は、予兆検知基準策定対象センサの応答性や予兆検知基準策定対象センサが検出するプロセスのパラメータの検知能力、すなわち当該プロセスの状態の変化がパラメータの変化として現れるまでの時間や、どの程度の変化量で現れるのか等に応じて適宜設定される。
予兆検知基準策定ステップS230は、運転状態情報抽出ステップS220で運転データ記憶部205から読み込んだ予兆検知基準策定対象センサの検出値から予兆検知基準を策定する。例えば、予兆検知基準策定ステップS230では、分析部210は、運転状態情報抽出ステップS220で運転データ記憶部205から読み込んだ予兆検知基準策定対象センサの検出値から、上記規定期間の例えば後半の期間における予兆検知基準策定対象センサの検出値の時間微分値を求め、求めた時間微分値の絶対値を例えば10%程度小さくした値を、予兆検知基準における時間微分値とする。また、分析部210は、予兆検知基準策定対象センサについての警報の発令基準がセンサ80の検出値の上限側で設定されていた場合には、発令基準の基準値を例えば10%程度小さくした値を予兆検知基準における基準値とする。分析部210は、予兆検知基準策定対象センサについての警報の発令基準がセンサ80の検出値の下限側で設定されていた場合には、例えば検出値が採り得る最大値の10%程度発令基準の基準値よりも大きくした値を予兆検知基準における基準値とする。
そして、分析部210は、上記のようにして求めた予兆検知基準における時間微分値及び予兆検知基準における基準値を予兆検知基準とし、警報発令基準記憶部(予兆検知基準記憶部)207に出力する。警報発令基準記憶部(予兆検知基準記憶部)207は、分析部210から出力された予兆検知基準を記憶する。
これにより、上述のようにして求めた予兆検知基準を用いて警報の発令の予兆を検知できるようになるので、不適合事象の発生を抑制でき、設備10の安定的な稼働に貢献できる。
なお、上述したように、警報の発令の予兆を検知及び通知するように警報発令部102を構成する場合、例えば上述した図8及び図10における妥当性判断ステップS130では、分析部210は、妥当性確認対象センサに関する新たな第1警報の発令の予兆が検知されるまで待機するようにしてもよい。分析部210は、妥当性確認対象センサに関する新たな第1警報の発令の予兆が検知されたと判断すると、例えば次のようにして、第1警報の発令の予兆の検知の妥当性を判断するようにしてもよい。
例えば、妥当性分析ステップS120で得られた結果から、過去に第1警報の発令の予兆が検知されていたにもかかわらず、何らかの運転動作が実施された形跡がないと判断される場合には、分析部210は、第1警報の発令の予兆についての今回の検知が妥当ではないと判断する。
また、例えば、妥当性分析ステップS120で得られた結果から、過去に第1警報の発令の予兆が検知されていた時に、短時間のうちに繰り返し第1警報の発令の予兆が検知されていて、その後、妥当性確認対象センサのメンテナンスが行われたことが判明すれば、分析部210は、今回も第1警報の発令の予兆が短時間のうちに繰り返し検知されたのであれば、今回繰り返して検知された第1警報の発令の予兆が妥当ではないと判断する。
また、例えば、妥当性分析ステップS120で得られた、上記第2警報の発令履歴等から、過去に第1警報の発令の予兆が検知された時と同時期に、妥当性確認対象センサ以外のあるセンサに関して警報が高い頻度で発令されていたことが判明したが、今回はその警報が発令されていない場合には、分析部210は、今回検知された第1警報の発令の予兆が妥当ではない、又は、妥当でない可能性が高いと判断する。
また、例えば、妥当性分析ステップS120で得られた、設備10の運転状態を示す情報から、過去に第1警報の発令の予兆が検知されていた時に高い頻度で変化していたプロセスのパラメータが今回は変化していなかった場合には、分析部210は、今回検知された第1警報の発令の予兆が妥当ではない、又は、妥当でない可能性が高いと判断する。
また、例えば、上述したように今回検知された第1警報の発令の予兆が妥当でないか否かを判断した結果、何れの場合においても妥当性が否定されなかった場合、今回検知された第1警報の予兆の検知が妥当であると判断する。
(予兆検知基準の改定について)
例えば、上述したように、妥当性判断ステップS130において、過去に第1警報の発令の予兆が検知されていたにもかかわらず、何らかの運転動作が実施された形跡がないと判断される場合、予兆検知基準が適切ではないことが考えられる。そこで、次に述べるようにして、予兆検知基準を適切化するようにしてもよい。
例えば、発令基準改定ステップS140において、警報発令基準改定部203は、例えば、妥当性判断ステップS130において、過去に第1警報の発令の予兆が検知されていたにもかかわらず、何らかの運転動作が実施された形跡がないと判断されていた場合、第1警報の予兆検知基準を、例えば現在設定されている予兆検知基準における基準値から、正常範囲を拡大するように規定値分だけ変更して再設定する。ここで、当該規定値は、例えば予兆検知基準における基準値の10%としてもよく、妥当性確認対象センサの応答性や妥当性確認対象センサが検出するプロセスのパラメータの検知能力、すなわち当該プロセスの状態の変化がパラメータの変化として現れるまでの時間や、どの程度の変化量で現れるのか等に応じて適宜設定してもよい。
発令基準改定ステップS140では、警報発令基準改定部203は、警報発令基準記憶部207に記憶されている予兆検知基準における基準値を、再設定した基準値で置き換える。
なお、この場合、警報発令基準改定部203のことを予兆検知基準策定・改定部と呼んでもよい。
本発明は上述した実施形態に限定されることはなく、上述した実施形態に変形を加えた形態や、これらの形態を適宜組み合わせた形態も含む。
例えば、上述した幾つかの実施形態では、大規模の設備の一例として、ボイラプラントを例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、上述した設備10は、原子力プラントや化学プラントなどであってもよい。
また、上述した運転支援システム1は、上述したようにボイラプラントに設けるだけでなく、例えば図3に示した脱硝装置50や煤塵処理装置51、図3では不図示の灰処理装置や石炭搬送装置等のように、プラント内のそれぞれの装置に設けてもよい。
1 運転支援システム
10 設備
80 センサ
100 設備制御装置
200 運転支援装置
201 検知部
202 提示部
203 警報発令基準改定部
204 警報履歴記憶部
205 運転データ記憶部
206 操作履歴記憶部
207 警報発令基準記憶部
208 選択履歴記憶部
210 分析部
211 発令履歴抽出部
212 運転動作抽出部
213 検証部

Claims (11)

  1. 設備において発令基準が満たされると発令される警報に対する推奨運転動作を提示する運転支援方法であって、
    前記警報の発令、又は、前記警報の発令の予兆を検知するステップと、
    前記設備の警報の発令履歴が記憶された警報履歴記憶部から、発令又は発令の予兆が検知された前記警報と同種の警報の発令履歴を抽出するステップと、
    前記設備の操作履歴が記憶された操作履歴記憶部から、当該同種の警報の発令後の運転動作を抽出するステップと、
    前記警報の発令、又は、前記警報の発令の予兆を検知した後、前記設備の運転状態を示す情報が記憶された運転データ記憶部から、当該運転動作後の前記運転状態を示す情報を抽出して当該運転動作が前記運転状態に与えた影響を検証するステップと、
    抽出された前記運転動作及び検証された前記影響に基づいて、発令又は発令の予兆が検知された前記警報に対する前記推奨運転動作を提示するステップと、
    を備え
    発令又は発令の予兆が検知された前記警報は、複数の異なる警報を含み、
    前記発令履歴を抽出するステップでは、前記複数の異なる警報のそれぞれについて、当該警報と同種の警報の発令履歴を抽出し、
    前記運転動作を抽出するステップでは、前記複数の異なる警報のそれぞれについて、当該同種の警報の発令後の運転動作を抽出し、
    前記影響を検証するステップでは、当該運転動作のそれぞれが前記運転状態に与えた影響を検証し、
    前記推奨運転動作を提示するステップでは、当該運転動作の中から、前記影響を検証するステップで前記運転状態を改善することが見いだされた運転動作を選択し、前記選択された運転動作を前記推奨運転動作として提示する
    運転支援方法。
  2. 前記推奨運転動作を提示するステップでは、抽出された前記運転動作のそれぞれ、検証された前記影響のそれぞれ、前記複数の異なる警報の組合せ、及び、前記複数の異なる警報がそれぞれ発令されたタイミングを考慮して推奨運転動作を提示する
    請求項1に記載の運転支援方法。
  3. 前記警報履歴記憶部に記憶されている前記警報の発令履歴と、前記運転データ記憶部に記憶されている前記情報のうち、前記警報の発令時点以前の前記情報とに基づいて、前記検知するステップで前記予兆を検知するための予兆検知基準を求めるステップ
    をさらに備える請求項1又は2に記載の運転支援方法。
  4. 前記警報履歴記憶部が記憶する前記発令履歴から過去に発令された第1警報の発令と同時期に発令された第2警報の履歴を抽出するか、前記操作履歴記憶部が記憶する前記操作履歴から当該同時期の前記運転動作を抽出するか、又は、前記運転データ記憶部から当該運転動作後の前記運転状態を示す情報を抽出して当該運転動作が前記運転状態に与えた影響を検証するか、の少なくとも何れか一つを実行するステップと、
    前記少なくとも何れか一つを実行するステップで得られた結果に基づいて、前記第1警報の発令にあたり、前記第1警報の発令の妥当性を判断するステップと、
    をさらに備える
    請求項1乃至3の何れか一項に記載の運転支援方法。
  5. 設備において発令基準が満たされると発令される警報に対する推奨運転動作を提示する運転支援方法であって、
    前記警報の発令、又は、前記警報の発令の予兆を検知するステップと、
    前記設備の警報の発令履歴が記憶された警報履歴記憶部から、発令又は発令の予兆が検知された前記警報と同種の警報の発令履歴を抽出するステップと、
    前記設備の操作履歴が記憶された操作履歴記憶部から、当該同種の警報の発令後の運転動作を抽出するステップと、
    前記警報の発令、又は、前記警報の発令の予兆を検知した後、前記設備の運転状態を示す情報が記憶された運転データ記憶部から、当該運転動作後の前記運転状態を示す情報を抽出して当該運転動作が前記運転状態に与えた影響を検証するステップと、
    抽出された前記運転動作及び検証された前記影響に基づいて、発令又は発令の予兆が検知された前記警報に対する前記推奨運転動作を提示するステップと、
    前記警報履歴記憶部が記憶する前記発令履歴から過去に発令された第1警報の発令と同時期に発令された第2警報の履歴を抽出するか、前記操作履歴記憶部が記憶する前記操作履歴から当該同時期の前記運転動作を抽出するか、又は、前記運転データ記憶部から当該運転動作後の前記運転状態を示す情報を抽出して当該運転動作が前記運転状態に与えた影響を検証するか、の少なくとも何れか一つを実行するステップと、
    前記少なくとも何れか一つを実行するステップで得られた結果に基づいて、前記第1警報の発令にあたり、前記第1警報の発令の妥当性を判断するステップと、
    を備える運転支援方法。
  6. 前記少なくとも何れか一つを実行するステップで得られた結果に基づいて、前記発令基準、又は、前記検知するステップで前記予兆を検知するための予兆検知基準を改定するステップ
    をさらに備える請求項4又は5に記載の運転支援方法。
  7. 前記推奨運転動作は、複数存在し、
    前記複数の推奨運転動作の優先度に応じて、前記推奨運転動作を提示するステップで前記複数の推奨運転動作を提示する順序を決定するステップ
    をさらに備える
    請求項1乃至の何れか一項に記載の運転支援方法。
  8. 発令された警報に対して実施された前記推奨運転動作についての実施履歴を当該警報と関連付けて記憶するステップと、
    記憶された当該実施履歴に基づいて、当該警報に対する前記推奨運転動作の前記優先度を設定するステップと、
    をさらに備える
    請求項に記載の運転支援方法。
  9. 前記設備の重故障を回避する前記推奨運転動作の前記優先度を該推奨運転動作以外の推奨運転動作よりも高く設定するステップ
    をさらに備える
    請求項に記載の運転支援方法。
  10. 前記推奨運転動作を提示するステップでは、予め選定された前記警報に対してのみ前記推奨運転動作を提示する
    請求項1乃至の何れか一項に記載の運転支援方法。
  11. 設備において発令基準が満たされると発令される警報に対する推奨運転動作を提示する運転支援システムであって、
    前記警報の発令、又は、前記警報の発令の予兆を検知する検知部と、
    前記設備の警報の発令履歴が記憶された警報履歴記憶部と、
    前記警報履歴記憶部から、発令又は発令の予兆が検知された前記警報と同種の警報の発令履歴を抽出する発令履歴抽出部と、
    前記設備の操作履歴が記憶された操作履歴記憶部と、
    前記操作履歴記憶部から、当該同種の警報の発令後の運転動作を抽出する運転動作抽出部と、
    前記設備の運転状態を示す情報が記憶された運転データ記憶部と、
    前記検知部で前記警報の発令、又は、前記警報の発令の予兆が検知された後、前記運転データ記憶部から、当該運転動作後の前記運転状態を示す情報を抽出して当該運転動作が前記運転状態に与えた影響を検証する検証部と、
    抽出された前記運転動作及び検証された前記影響に基づいて、発令又は発令の予兆が検知された前記警報に対する前記推奨運転動作を提示する提示部と、
    を備え
    発令又は発令の予兆が検知された前記警報は、複数の異なる警報を含み、
    前記発令履歴抽出部は、前記複数の異なる警報のそれぞれについて、当該警報と同種の警報の発令履歴を抽出し、
    前記運転動作抽出部は、前記複数の異なる警報のそれぞれについて、当該同種の警報の発令後の運転動作を抽出し、
    前記検証部は、当該運転動作のそれぞれが前記運転状態に与えた影響を検証し、
    前記提示部は、当該運転動作の中から、前記検証部で前記運転状態を改善することが見いだされた運転動作を選択し、前記選択された運転動作を前記推奨運転動作として提示する
    運転支援システム。
JP2018142091A 2018-07-30 2018-07-30 運転支援方法及び運転支援システム Active JP7206066B2 (ja)

Priority Applications (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018142091A JP7206066B2 (ja) 2018-07-30 2018-07-30 運転支援方法及び運転支援システム
PCT/JP2019/029752 WO2020027095A1 (ja) 2018-07-30 2019-07-30 運転支援方法及び運転支援システム
GB2100806.5A GB2590252B (en) 2018-07-30 2019-07-30 Operation assistance method and operation assistance system
CN201980050107.8A CN112513759B (zh) 2018-07-30 2019-07-30 运转支援方法以及运转支援系统
US17/259,646 US11586192B2 (en) 2018-07-30 2019-07-30 Operation assistance method for executing recommended action in response to alert

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018142091A JP7206066B2 (ja) 2018-07-30 2018-07-30 運転支援方法及び運転支援システム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2020021108A JP2020021108A (ja) 2020-02-06
JP7206066B2 true JP7206066B2 (ja) 2023-01-17

Family

ID=69231903

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018142091A Active JP7206066B2 (ja) 2018-07-30 2018-07-30 運転支援方法及び運転支援システム

Country Status (5)

Country Link
US (1) US11586192B2 (ja)
JP (1) JP7206066B2 (ja)
CN (1) CN112513759B (ja)
GB (1) GB2590252B (ja)
WO (1) WO2020027095A1 (ja)

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001290531A (ja) 2000-04-11 2001-10-19 Toshiba Corp プラント操作支援装置
WO2017169282A1 (ja) 2016-03-30 2017-10-05 日本電気株式会社 プラント管理システム、プラント管理方法、プラント管理装置、および、プラント管理プログラム

Family Cites Families (19)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE3922150A1 (de) * 1989-07-06 1991-01-17 Philips Patentverwaltung Verfahren zur rekonstruktion der raeumlichen stromverteilung in einem biologischen objekt und anordnung zur durchfuehrung des verfahrens
US5267277A (en) * 1989-11-02 1993-11-30 Combustion Engineering, Inc. Indicator system for advanced nuclear plant control complex
JP3574909B2 (ja) * 1995-04-07 2004-10-06 株式会社日立製作所 プラント監視装置
US6609038B1 (en) * 2000-09-11 2003-08-19 Milacron Inc. Multi-media enhanced program controlled machine
US7539597B2 (en) * 2001-04-10 2009-05-26 Smartsignal Corporation Diagnostic systems and methods for predictive condition monitoring
US8700414B2 (en) * 2004-12-29 2014-04-15 Sap Ag System supported optimization of event resolution
US7724778B2 (en) * 2005-01-28 2010-05-25 I/O Controls Corporation Control network with data and power distribution
JP4374319B2 (ja) 2005-02-18 2009-12-02 三菱電機株式会社 プラント運転支援装置
US8744903B2 (en) * 2008-04-29 2014-06-03 Sap Ag Event resolution
BR112012000470A2 (pt) * 2009-07-07 2016-02-16 Nippon Steel Corp aparelho de suporte à operação, método de suporte à operação e programa
WO2011114703A1 (ja) * 2010-03-18 2011-09-22 株式会社 東芝 プラント運転支援システム、プラント運転支援プログラム及びプラント運転支援方法
JP5439265B2 (ja) 2010-04-20 2014-03-12 株式会社日立製作所 異常検知・診断方法、異常検知・診断システム、及び異常検知・診断プログラム
JP5331774B2 (ja) 2010-10-22 2013-10-30 株式会社日立パワーソリューションズ 設備状態監視方法およびその装置並びに設備状態監視用プログラム
JP5627477B2 (ja) * 2011-01-20 2014-11-19 三菱重工業株式会社 プラント安全設計支援装置及びプラント監視保守支援装置
JP2013191141A (ja) 2012-03-15 2013-09-26 Mitsubishi Electric Corp 監視制御装置
JP6105537B2 (ja) 2014-09-24 2017-03-29 ファナック株式会社 アラーム対処履歴を表示する数値制御装置
JP6720478B2 (ja) * 2015-07-02 2020-07-08 中国電力株式会社 原子力発電プラント警報監視支援システム
US9865156B2 (en) * 2015-09-23 2018-01-09 Schneider Electric Systems Usa, Inc. System for contextualizing and resolving alerts
US9836949B2 (en) 2016-02-22 2017-12-05 Waygum, Inc. Generating recommended maintenance steps for industrial machines based on historical interaction data with a mobile application

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001290531A (ja) 2000-04-11 2001-10-19 Toshiba Corp プラント操作支援装置
WO2017169282A1 (ja) 2016-03-30 2017-10-05 日本電気株式会社 プラント管理システム、プラント管理方法、プラント管理装置、および、プラント管理プログラム

Also Published As

Publication number Publication date
WO2020027095A1 (ja) 2020-02-06
CN112513759B (zh) 2024-05-28
GB2590252B (en) 2023-02-08
JP2020021108A (ja) 2020-02-06
US11586192B2 (en) 2023-02-21
GB2590252A (en) 2021-06-23
CN112513759A (zh) 2021-03-16
US20210318677A1 (en) 2021-10-14
GB202100806D0 (en) 2021-03-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
WO2015079766A1 (ja) プラントの診断装置及び診断方法
TWI705316B (zh) 鍋爐之運轉支援裝置、鍋爐之運轉支援方法、及鍋爐之學習模型之作成方法
US9310347B2 (en) Methods and systems for analyzing combustion system operation
JP7206066B2 (ja) 運転支援方法及び運転支援システム
TWI777331B (zh) 顯示工廠的狀態之系統、顯示工廠的狀態之裝置及顯示工廠的狀態之方法
WO2019082491A1 (ja) プラントの運転支援装置及び運転支援方法
JP4771865B2 (ja) 流動床ボイラにおける炭種切替に伴う火炉層温・層高管理方法
WO2013172052A1 (ja) 循環流動層ボイラの運転制御システム
TWI691821B (zh) 運轉條件評價裝置、運轉條件評價方法及鍋爐之控制系統
JP5352548B2 (ja) 酸素燃焼ボイラプラントの制御装置,制御方法,表示方法
TWI735042B (zh) 廠房的運轉支援裝置及廠房的運轉支援方法
EP3755947A1 (en) System and method for operating a combustion chamber
JP6580340B2 (ja) 多缶設置ボイラ
JP7413012B2 (ja) システム及び方法
AU2021387203B2 (en) Abnormality detection device and abnormality detection method
JP7272817B2 (ja) 灰付着性評価装置および灰付着性評価算定方法
JP2018169903A (ja) 制御装置
WO2022102315A1 (ja) 表示装置、制御装置、制御方法及びコンピュータプログラム
KR20230078661A (ko) 표시장치, 제어장치, 제어방법 및 컴퓨터프로그램
Braun et al. Dynamic Simulation of a Sub-Critical Coal Fired Power Plant
KR20220092408A (ko) 보일러의 운전 지원 장치 및 보일러의 운전 지원 시스템
Thurston Inspecting for corrosion fatigue; Recent catastrophic failures worldwide are prompting a second look at the inspection tools and methods for mitigating corrosion fatigue.
KR20240019302A (ko) 암모니아 연료 공급 유닛, 발전 플랜트 및 보일러의 운전 방법
MacLean et al. The'world's largest'Inconel waterwall weld overlay: an 11,000-square-foot Inconel 622 weld repaired severe wastage caused by low [NO. sub. x] firing with coal/petcoke
Xu et al. The application of zonal™ combustion monitoring and tuning system to coal boilers for efficiency improvement and emissions reduction

Legal Events

Date Code Title Description
A625 Written request for application examination (by other person)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A625

Effective date: 20210729

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20220121

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20220222

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20220421

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20220726

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20220930

C60 Trial request (containing other claim documents, opposition documents)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C60

Effective date: 20220930

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20221011

C21 Notice of transfer of a case for reconsideration by examiners before appeal proceedings

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C21

Effective date: 20221018

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20221220

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20230104

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7206066

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150